JPH06101958B2 - 誘導電動機の高速トルク制御装置 - Google Patents

誘導電動機の高速トルク制御装置

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JPH06101958B2
JPH06101958B2 JP62054822A JP5482287A JPH06101958B2 JP H06101958 B2 JPH06101958 B2 JP H06101958B2 JP 62054822 A JP62054822 A JP 62054822A JP 5482287 A JP5482287 A JP 5482287A JP H06101958 B2 JPH06101958 B2 JP H06101958B2
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induction motor
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勲 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速デジタル制用されるインバータによる誘導
電動機の瞬時磁束,トルク制御に関するもので、システ
ムの大容量化を目的とし、インバータのスイッチング素
子としてスイッチング周波数に制約のあるGTOを採用す
ることを念頭においたものであり、必ずしも大容量を目
的としないが高速なトルク制御を要するACサーボモータ
にも適用できる。
〔従来の技術〕
現在誘導電動機について高速トルク制御を必要とする場
合には、ベクトル制御が広く用いられている。しかしな
がら、この制御方法は電動機の内部定数への依存性が高
く、また位置センサを必要とするなど調整が複雑な上
に、電動機内部定数の変化が制御特性に大きく影響を及
ぼす欠点を有している。更に、電流制御を基本とするた
め、瞬時磁束,瞬時トルクが必ずしも最適化されておら
ず、無駄なスイッチングが行われる等の欠点をも有す
る。
この制御に代る新しい制御方法として、本発明者らは先
に新しい磁束演算形の制御方法を開発した。これについ
ては、昭和60年8月発行の電気学会半導体電力変換研究
会資料に掲載されたSPC−85−45「新論理に基づく誘導
機の高速・高効率制御法」(野口,高橋)および昭和61
年1月発行の電気学会論文誌の106巻1号に掲載された6
1−B2「瞬時すべり周波数制御に基づく誘導電動機の新
高速トルク制御法」(高橋,野口)等に詳述されている
が、以下簡単に説明する。
第8図は磁束演算形の制御方法の一例のブロック図で、
インバータ部分は簡略化して示してある。すなわち、イ
ンバータ3はトランジスタ等のスイッチング素子とダイ
オードをそれぞれ逆並列接続してなる6個のアームから
構成されているが、図のように3個の切換スイッチSu
Sv,Swとして表すことができる。
3相電圧形のインバータ3には直流電圧源1から正母線
1aおよび負母線1bを介して給電され、制御回路7により
インバータ3の各切換スイッチSu,Sv,Swが正,負母線
1a,1b側に倒されることにより変換された交流電力が、
電流検出器5u,5v,5wを経て3相誘導電動機6の各相端
子u,v,wに給電される。直流電圧源1の電圧は正,負母
線間に挿入された電圧検出器2により検出する。
この制御法では電磁気量を直交するd−q2軸で表される
瞬時ベクトルとして取り扱う。すなわち、1次電圧を 1次電流を 2次電流を 1次磁束を とすると で表される。ここにjはベクトル積を表す。
3相電圧vu,vv,vwおよび3相1次電流iu,iv,iwから がそれぞれ次式によって算出できる。
誘導電動機6の電圧方程式は ここに R1;1次巻線抵抗 L11;1次インダクタンス R2;2次巻線抵抗 L22;3次インダクタンス M;相互インダクタンス であり、は回転角速度,pは微分演算子を表す。
一方、磁束の定義として、 式の第1行を展開して これに式を代入して整理すると 両辺を積分すると すなわち、 は式の積分演算により求められる。
一方、瞬時トルクTは式の のベクトル積として式により求められる。
式の右辺 に比べて一般に非常に小さいので、 の方向に延びて行くものと考えてよい。
はインバータ3の出力電圧である。
インバータ3を構成する各切換スイッチがそれぞれ正母
線1a側に倒れた場合を1,負母線1b側に倒れた場合を0で
表し、8通りのスイッチ状態におけるインバータ3の各
出力電圧ベクトルを式から算出すると、次の電圧ベク
トル表のごとくである。但し、実際のv1d,v1qの値は表
中の値に と電圧検出器2で検出した直流電圧源1の電圧Eを乗じ
た値である。
スイッチ状態番号をkとしたとき、各スイッチ状態にお
けるインバヒタ3の は、第6図に示した電圧ベトクル図のごとく、d軸と同
一方向の と、それから60°ずつ時計方向に進む と、2種の零ベクトル の8種のものとなる。
第8図の制御回路7内に有するブロック701および703b
は、切換スイッチSu,Sv,Swの状態と電圧検出器2で検
出した直流電圧源1の電圧Eとから式により1次電圧
▲▼を算出するブロックである。
ブロック702は電流検出器5u,5v,5wにより検出された
3相電流iu,iv,iwから、式により を算出するブロックである。
この に、ブロック703aにおいて1次巻線抵抗R1を乗じ、ブロ
ック704において から1次巻線抵抗R1の積を減算する。
ブロック705は式に従って磁束を積分演算するブロッ
クであり、 のd,q両軸成分φ1d,φ1qが求められる。
ブロック710では のd軸を基準とする時計方向の回転角θが、境界線とし
て30°,90°,150°,210°,270°,330°の60°毎に仕切
られるどの領域に属しているかによって、制御フラグf
θを次のように発生する。
−30°≦θ<30°;fθ=I 30°≦θ<90°;fθ=II 90°≦θ<150°;fθ=III 150°≦θ<210°;fθ=IV 210°≦θ<270°;fθ=V 270°≦θ<330°;fθ=VI ブロック706は を次式により算出するブロックである。
ブロック708において外部から与えられる を減算し、磁束の偏差を算出する。
ブロック711はヒステリシスコンパレータであり、ブロ
ック708から送られる磁束の偏差が正で所定値を超えた
とき、すなわち磁束を増加せしめる必要のあるとき制御
フラグfφ=+1とし、磁束の偏差が負で所定値を超え
たとき、すなわち磁束を減少せしめる必要のあるとき制
御フラグfφ=−1とする。
ブロック707はブロック702,705の両出力のベクトル積を
式により演算し、瞬時トルクTを算出するブロックで
あり、ブロック709において外部から与えられるトルク
指令値T*から瞬時トルクTを減算し、トルクの偏差を算
出する。
ブロック712は3値ヒステリシスコンパレータであり、
トルクの偏差が所定の誤差範囲内では零ベクトルモード
の制御フラグfτ=0を発生し、トルクの偏差が正で所
定値を超えたとき、すなわち加速トルクを要するとき制
御フラグfτ=+1とし、トルクの偏差が負で所定値を
超えたとき、すなわち減速トルクを要するとき制御フラ
グfτ=−1とする。
ブロック713はブロック710,711,712から出力される3個
の制御フラグfθ,fφ,fτの各組み合わせに最も適した
インバータ出力電圧を決定するブロックであり、次に示
すスイッチングテーブルから制御フラグfθ,fφ,fτに
従って先の電圧ベクトル表に示したスイッチ状態番号k
を知り、インバータ3へスイッチング信号を送り、磁束
およびトルクの瞬時制御が行われる。
以上、詳細に説明したように、このような磁束演算形の
制御方法によれば、誘導電動機の内部定数をほとんど使
用しないで演算しながら、各瞬時 をほぼ一定に保ち、磁束ベクトルのリサージュ図形はほ
ぼ円を画きつつ、高速トルク制御を行うことができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のごとく、高速トルク制御方法として極めて高性能
な磁束演算形の制御方法ではあるが、この従来の制御方
法においても、低速,軽負荷の場合には不都合を生じる
ことがあると共に、大きい過渡変動トルクにも対処でき
るようにするためには、特殊の処置を要するなどの欠点
があった。
すなわち、利用可能なインバータ出力電圧ベクトルが零
ベクトルを除いて6個しかなく、制御の自由度が少なく
限られている。
従って、増磁成分を持ち且つトルク成分が少ない電圧ベ
クトルが常に得られるわけではないので、低速,軽負荷
になると零ベクトルの選択が多くなり、増磁ができなく
なる。このため、低速域においては磁束量が減少して、 のリサージュ図形が6角状に歪み、騒音,振動の原因と
なる。
この従来の制御方法において、高電圧を印加して高加速
度を得るようにしようとすると、一般に直流電圧源1の
電圧は一定であるから、この入力電圧から決まるインバ
ータの最高電圧よりも低い値に誘導電動機の定格電圧を
設定しておく必要があり、また誘導電動機のインダクタ
ンスも低く設置しておかなくてはならない。
しかしながら、この場合定常的にはモータ電流の脈動が
増し、トルクの脈動も増加するほか、鉄損,磁気騒音も
共に増加する。
逆に、定常的に電流脈動を低く押え、トルク脈動,鉄
損,磁気騒音を減少させようとすると、誘導電動機の定
格電圧をインバータ入力電圧とほぼ等しい値とし、誘導
電動機のインピーダンスも大きめの値となるよう設計す
る必要がある。
この場合には過渡的に大トルクを発生せしめることがで
きない。
このことから、過渡的には大トルクを発生せしめ得ると
共に、定常的にも低トルク脈動,低損失,低騒音を実現
できる誘導電動機の高速トルク制御方式が求められてい
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、3相誘導電動機のインバータによる制御シス
テムにおいて、両端にそれぞれ端子a1a2,b1b2およびc1
c2を有する互いに電気的に分離した3相対称巻線を具備
する3相誘導電動機を用い、この3相誘導電動機の第1
の端子群a1,b1,c1を第1の3相電圧形インバータに接
続すると共に、第2の端子群a2,b2,c2を零相分電流抑
制用の3相リアクトルを介して第2の3相電圧形インバ
ータに接続し、前記3相誘導電動機の瞬時磁束および瞬
時トルクが所定の誤差範囲内で与えられた指令値に追従
するように第1および第2の電圧形インバータ出力電圧
を選択する電圧制御手段と、該電圧制御手段出力の複数
通電モードの中から零相電流の現在値を減少させるよう
な第1および第2の電圧形インバータの通電モードを選
択する零相電流抑制手段を具えたことを特徴とするもの
である。
前記の零相分電流抑制用の3相リアクトルは、共通鉄心
に巻回された同一方向に磁気結合を有する3相巻線で構
成され、同一方向の電流成分に対してのみリアクトルと
して動作するようにしたものを用いる。
〔作用〕
第1図は本発明にかかる誘導電動機の高速トルク制御装
置における主回路結線図である。3相誘導電動機10は両
端にそれぞれ端子a1a2,b1b2およびc1c2を有する互いに
電気的に分離した3相対称巻線を具備している。
本発明にかかるシステムの最大の特長は、このように電
気的に絶縁された3相対称1次巻線を具備する誘導電動
機を用いることであり、本図では中性点開放形の星形結
線のごとく画かれているが、3相対称巻線であればどの
ように複雑な巻線であってもよい。
3相対称巻線の第1の端子群a1,b1,c1を第1の3相電
圧形インバータ11に接続すると共に、第2の端子群a2
b2,c2を零相分電流抑制用の3相リアクトル13を介して
第2の3相電圧形インバータ12に接続する。
このようなシステムにあっては、電動機の特性には影響
を及ぼさないが線電流を増大させる零相電流io=ia+ib
+icが存在する。これは誘導電動機の1次側漏れインダ
クタンスによっても抑制されるが、その値は数mHと非常
に小さいので、零相分電流抑制用の3相リアクトル13が
挿入されるのである。
第1および第2の3相電圧形インバータ11および12は、
第8図の従来例で説明したと同様に、それぞれ3個の切
換スイッチS1a,S1b,S1cおよびS2a,S2b,S2cで示して
ある。両3相電圧形インバータはいずれも直流電圧源1
から正母線1aおよび負母線1bを介して給電される。
ここで従来例でも説明したように各切換スイッチS1a,S
1b,S1cおよびS2a,S2b,S2cにつきそれぞれ正側母線1a
側に倒れた場合を1,負母線1b側に倒れた場合を0で表
し、両電圧形インバータのスイッチ状態番号をそれぞれ
k1およびk2で示すと、次のスイッチ状態表に示すごと
く、それぞれ8通りのスイッチ状態がある。
第1および第2の3相電圧形インバータ11および12にそ
れぞれ8通りのスイッチ状態があるので、これらを組み
合わせるとこのシステムには64通りのスイッチ状態があ
ることが解る。
3相誘導電動機10の端子a1a2,b1b2,c1c2を有する各相
巻線にかかる電圧va,vb,vcは、それぞれの巻線に接続
される切換スイッチS1aとS2a,S1bとS2b,S1cとS2cのス
イッチ状態によって変化する。
例えばa相について考えると、直流電圧源1の電圧をE
としたとき、S1aとS2aが共に正母線1a側または負母線1b
側に倒れている場合はva=0、S1aが正母線1a側に倒れS
2aが負母線1b側に倒れている場合はva=E、S1aが負母
線1b側に倒れてS2aが正母線1a側に倒れている場合はva
=−Eとなる。
第1および第2の3相電圧形インバータ11および12のス
イッチ状態番号k1およびk2の各組み合わせについて、各
相巻線にかかる電圧va,vb,vcと、そのときのd−q2軸
変換された合成電圧ベクトルは19種類あり、その区別
はVの右下サフィックスによりV0〜V18のごとく示す。
同一の合成電圧ベクトルに対して複数のスイッチ状態
が存在するものであること、また同様に合成電圧ベクト
ルV0〜V6では同一の合成電圧ベクトルでも異なる相電圧
を有することがわかる。
合成電圧ベクトルは、=Vd+jVqで表され、各相巻
線電圧va,vb,vcから次式によって求めることができ
る。
合成電圧ベクトルの大きさは、第8図で説明した従来
のインバータによる3相誘導電動機の駆動システムにお
ける のものと、 のものおよび1.5倍のものがある。
V1〜V6は従来の であり、V13〜V18は▲√▼倍、V7〜V12は1.5倍の大き
さである。小さい合成電圧ベクトルV1〜V6は主に定常状
態の制御に用いられ、その他の大きい合成電圧ベクトル
は過渡状態の制御に用いられる。
トルクや磁束の制御は従来システムと同様に合成電圧ベ
クトルの選択によって行うが、零相電流の抑制は合成
電圧ベクトルの相電圧状態を切り換えるか、または合
成電圧ベクトルを変更することによって行う。
合成電圧ベクトルの変更を要することがあるのはV13
〜V16が選択された場合であり、これは合成電圧ベクト
ルV13〜V18はv0で表される零相電圧v0=va+vb+vcが零
ではないにも拘らず、相電圧状態が一種類しかないため
である。
3相誘導電動機10の1次側の特性方程式は式と同様に =R1+P ……………………… で表される。ここでR1は1次巻線抵抗、は1次磁束、
は1次電流ベクトルで =Id+jIq で表され、各相線電流ia,ib,icから で算出できる。
1次磁束=Φ+jΦも式と同様に =∫(−R1)dt ……………………… で表され、巻線の電圧降下は小さく無視すると、1次磁
束ベクトルの軌跡は合成電圧ベクトルの方向に、
の大きさに比例した速度で移動する。従って、合成電圧
ベクトルを適当に選べば、1次磁束の絶対値||を
一定に保つように制御できる。
第3図は1次磁束ベクトルの軌跡を示す図で、1次磁
束ベクトルを時計方向に回転させた場合の1次磁束ベ
クトルの軌跡と合成電圧ベクトルの関係を表したも
のである。|Φ|を磁束指令値、|ΔΦ|を許容誤差
としたとき、 |Φ|−|ΔΦ|≦||≦|Φ|+|Δφ| が満足されるように合成電圧ベクトルが選択される。
トルクTについても式と同様に T=Φ×Iq−Φ×Id ………………… で演算することができ、1次側の内部定数のみで求める
ことができる。
第4図はすべり角周波数に対するトルクのステップ応答
を示すグラフで、前記の文献「新理論に基づく誘導機の
高速・高効率制御法」に掲載されたものであり、回転子
に対する1次磁束の相対速度であるすべり角周波数
をステップ変化させたときのトルクのステップ応答を
示すものである。
この図によると、定常トルクは、=2π・15で最大
値となっているが、過渡時においてのトルクの増加率は
ほぼすべり角周波数の大きさに比例していることが
わかる。
このようなトルク特性から、回転子角速度の変化が
トルクTの変化に対して非常に遅いと仮定すると、1次
磁束ベクトルの回転角速度φを変化させることによ
ってトルクを制御できることになる。
このとき、すべり角周波数φが増加すれ
ばトルクTは増加し、が減少すればトルクTも減少
する。このように、1次磁束ベクトルの回転角速度
φを変えることによって、トルクTのリミットサイクル
制御が可能である。
次に、トルクと磁束を同時に制御するための合成電圧ベ
トクル選択のための手法について述べる。第5図はあ
る時刻における合成電圧ベクトルと1次磁束ベクト
ルの関係を示す図である。
式から合成電圧ベクトルは1次磁束よりほぼ90°
だけ進んでいるべきであり、v0,v2,v3,v8,v15を選
択することにより、1次磁束ベクトルを矢印θ方向に
回転させることができる。この中で1次磁束ベクトル
を減少させるものはV3からV15であり、増加させるもの
はV2かV8である。
また、1次磁束ベクトルの回転角速度φはV0の場合
が最小で、V2およびV3で中間となり、V8およびV15で最
大にすることができる。
従って、1次磁束ベクトルの回転角速度φの平均値
が低速の場合には、トルクTを減少させるときV0、トル
クTを増加させると共に1次磁束を増加させるとき
V2、同じく1次磁束ベクトルを減少させるときV3を選
択する。
また、1次磁束ベクトルの回転角速度φの平均値が
高速の場合には、1次磁束ベクトルを増加させると共
にトルクTを小さくするときはV2、同じくトルクTを大
きくするときはV8を選択し、1次磁束ベクトルを減少
させると共にトルクTを小さくするときはV3、トルクT
を大きくするときはV15を選択する。
1次磁束ベクトルの現在位置により選択すべき合成電
圧ベクトルは変化するが、前記の考え方によればよ
い。1次磁束ベクトルのd軸を基準とする時計方向の
回転角θによって、属する領域を区分する。第8図の従
来例では6つの領域区分としたが、本発明では選択可能
の合成電圧ベクトルの方向が多くなったので、領域信
号θとしてθ〜θ12の12区分を下記の回転角θの範
囲で発するようにする。
0°≦θ< 30°;θ=θ 30°≦θ< 60°;θ=θ 60°≦θ< 90°;θ=θ 90°≦θ<120°;θ=θ 120°≦θ<150°;θ=θ 150°≦θ<180°;θ=θ 180°≦θ<210°;θ=θ 210°≦θ<240°;θ=θ 240°≦θ<270°;θ=θ 270°≦θ<300°;θ=θ10 300°≦θ<330°;θ=θ11 330°≦θ<360°;θ=θ12 1次磁束の絶対値||およびトルクTをそれぞれ磁束
指令値|Φ|およびトルク指令値T*とヒステリシスコ
ンパレータにより比較し、磁束増減信号φとして増磁の
とき1,減磁のとき0を出力せしめ、トルク増減信号τ
としてトルク増加のとき1、トルク減少のとき0を出力
せしめると共に、1次磁束ベクトルの回転角速度φ
についてその方向と大小を判定することにより、前記の
領域信号θによって次に示す合成電圧ベクトル選択表
により、望ましい合成電圧ベクトルを選択することが
できる。
先にも述べたように、このようなシステムにあっては零
相電流i0=ia+ib+icが流れることがあり、これによっ
て損失が増大するので、零相電流i0を抑制する必要があ
る。
零相電流i0は零相電圧v0との間に次の関係式が成立す
る。
ここに R0;3相リアクトル13の巻線抵抗 R1;誘導電動機10の1次巻線抵抗 L0;3相リアクトル13の漏れインダクタンス L11;誘導電動機10の1次インダクタンス M0;3相リアクトル13の相互インダクタンス 従って、零相電流i0は零相電圧v0=va+vb+vcによって
制御できる。
すなわち、前記の合成電圧ベクトル選択表によって選択
した合成電圧ベクトルの中から、零相電流i0と逆方向
の零相電圧成分を生ずる相電圧を有する通電モードのも
のを選択すればよい。
実際には零相電流i0を検出してこれを所定の最高零相電
流Δiと3値ヒステリシスコンパレータにより比較
し、零相電流制御信号I0として最高零相電流Δi以下
のときは0、正で超えたときには−1、負で超えたとき
には+1を発生せしめ、この零相電流制御信号I0と前記
の領域信号θによって、次に示す零相電流抑制用相電
圧表を用いて最適な通電モードを選択する。
合成電圧ベクトルV1〜V6の場合には零相電流制御信号I0
に応じて2つの相電圧状態を切り換える。合成電圧ベク
トルV0およびV7〜V12は零相電圧v0が零なので零相電流i
0は変化しない。合成電圧ベクトルV13〜V18は相電圧状
態が1つしかないので、零相電流制御信号I0が切り換え
を指令したときは、そのときの1次磁束ベクトルの領
域信号θの希,偶に応じて合成電圧ベクトルV7〜V12
に切り換える。
これで零相電流i0を抑制する相電圧が決まるので、それ
をスイッチング信号に変換しなければならない。3相誘
導電動機の任意の1相巻線に接続される切換スイッチを
S1xおよびS2xとしたとき、そのスイッチ状態は相電圧が
Eおよび−Eのときは(1,0)および(0,1)と一義的に
決まる。しかしながら相電圧が0のときのスイッチ状態
は、(0,0)または(1,1)のいずれでもよいので、この
2個の切換スイッチS1xとS2xのスイッチングを均等化す
るように切り換える。
〔実施例〕
第7図は本発明にかかる誘導電動機の高速トルク制御装
置の一実施例のブロック図であり、第1および第2の2
相電圧形インバータ11および12、零相分電流抑制用3相
リアクトル13および3相誘導電動機10は第1図に示した
ものと同一のものであって、簡単化のために単線結線で
示してある。
直流電圧源1から直流電圧Eが第1および第2の3相電
圧形インバータ11および12に給電され、第1の3相電圧
形インバータ11出力は中性点を開放された3相誘導電動
機10の通常側端子である第1の端子群a1,b1,c1に接続
され、第2の3相電圧形インバータ12出力は3相誘導電
動機10の開放された中性点側端子である第2の端子群
a2,b2,c2に3相リアクトル13を介して接続されてい
る。
各相の巻線電圧検出手段21および線電流検出手段22か
ら、巻線電圧va,vb,vcおよび線電流ia,ib,icがフィ
ードバックされ、それぞれ3相〜2相変換手段23および
24において、d−q2軸成分Vd,VqおよびId,Iqに変換さ
れる。
電圧Vd,Vqはそれぞれ1次巻線抵抗模擬手段25および26
により1次電圧降下R1IaおよびR1Iqを減算手段27および
28により差し引かれた後、積分手段29および30により式
で示した1次磁束のd軸成分Φおよびq軸成分Φ
が算出される。
1次磁束の両軸成分ΦおよびΦは磁束領域判定手段
31に送られ領域信号θとしてθ〜θ12のいずれかを
発生すると共に、磁束絶対値演算手段32にも送られ、1
次磁束の絶対値||が により算出される。
外部から与えられる磁束指令値|Φ|から減算手段33
において1次磁束の絶対値||が減算され、磁束の誤
差がヒステリシスコンパレータ34に送られて磁束増減信
号φを発生する。磁束増減信号φは1か0のいずれかで
あり、1のとき増磁を、0のとき減磁を指示するもので
ある。
1次磁束の両軸成分ΦおよびΦは、さらにそれぞれ
3相〜2相変換手段24の出力である線電流の両軸成分Iq
およびIdが乗算手段35および36で乗算され、減算手段37
で減算することにより式によるトルクTが算出され
る。
外部から与えられるトルク指令値T*から減算手段38にお
いてトルクTが減算されて、算出されたトルクの誤差が
ヒステリシスコンパレータ39およびコンパレータ40,41
へ送られる。
ヒステリシスコンパレータ39はトルク指令値の2%程度
を誤差限界ΔT1とし、トルクの誤差がこの誤差限界ΔT1
を正側で超えるとトルク増減信号τとして1を発生し
て増磁を指示し、負側で超えるとトルク増減信号τ
して0を発生して減磁を指示する。
コンパレータ40および41はそれぞれトルク指令値の5%
程度の誤差限界ΔT2およびトルク指令値の10%程度の誤
差限界ΔT3を持ち、いずれも入力が誤差限界を超えると
それぞれトルク差信号τおよびτを1とし、誤差限
界以内では0としてアップダウンカウンタ42へ送る。
アップダウンカウンタ42はトルク増減信号τおよびト
ルク差信号τ,τを入力とし、1〜4を誤差信号d
として出力するもので、トルク差信号τが0から1に
なったときトルク増減信号τが1の場合は4を上限と
して1ずつアップカウントと、トルク増減信号τが0
の場合は1を下限として1ずつダウンカウントする。ト
ルク差信号τが0から1になったときトルク増減信号
τが1の場合は内容の如何にかかわらず内容を4と
し、トルク増減信号τが0の場合は内容の如何にかか
わらず内容を1とする。
このアップダウンカウンタ42の内容が誤差信号dとなる
が、誤差信号dには1〜4の4種があり、これらが前記
合成電圧ベクトル選択表において述べた1次磁束ベク
トルの回転速度φに対応しており φ≫0のときd=1 φ>0のときd=2 φ<0のときd=3 φ≪0のときd=4 に相当する。
一方、線電流検出手段22からは各相の線電流ia,ib,ic
が合計手段43にも送られ、零相電流i0が演算されて3値
ヒステリシスコンパレータ44へ送られる。
3値ヒステリシスコンパレータ44は、動作限界Δi0とし
出力として零相電流抑制信号I0を発生する。零相電流抑
制信号I0は零相電流i0が動作限界Δi0を正側で超えたと
き−1,負側で超えたとき+1、動作限界Δi0以下のとき
0となる。
記憶手段45には先に説明した合成電圧ベクトル選択表お
よび零相電流抑制用相電圧表を記憶したROMを中心とす
るものであって、トルク増減信号τ、誤差信号d、磁
束増減信号φ、領域信号θおよび零相電流抑制信号I0
を入力とし、合成電圧ベクトル選択表から選択した合成
電圧ベクトルから最適の通電モードを選び出して、第
1および第2のインバータ11,12の各スイッチング素子
のスイッチング信号の形で出力する。
記憶手段45の出力を受けたスイッチング均等化手段46で
は、前述の通り相電圧が0になる両スイッチング素子の
スイッチ状態が均等化するように動作する。記憶手段45
の出力が変化したときに出力を発生する出力変化検出手
段47の出力をラッチ手段48に送り、ラッチ手段48が保持
するスイッチング均等化手段46の前回出力をスイッチン
グ均等化手段48にもどすことにより、スイッチングの均
等化が行われる。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、第1および第2の2個の電
圧形インバータにより発生する19種の合成電圧ベクトル
を使い分け、零相電流を抑制し且つスイッチングを均
等化しながら、過渡的には高速のトルク応答性を持ち、
且つ定常的にはトルクリップルが少なく低騒音の誘導電
動機の駆動システムを構成することができる。
本発明にかかる誘導電動機の高速トルク制御装置は、GT
Oのようにあまりスイッチング周波数を高くできないス
イッチング素子を用いて、大容量で且つ高速応答性を有
するシステムを可能ならしめると同時に、高速スイッチ
ング素子を用いれば、従来方式より格段に優れた過渡応
答および定常特性を兼ね具えたサーボシステムとするこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる誘導電動機の高速トルク制御装
置における主回路結線図、第2図は合成電圧ベクトル
図、第3図は1次磁束ベクトルの軌跡を示す図、第4図
はすべり角周波数に対するトルクのステップ応答を示す
グラフ、第5図は合成電圧ベクトルと1次磁束ベクトル
の関係を示す図、第6図は従来の電圧ベクトル図、第7
図は本発明にかかる誘導電動機の高速トルク制御装置の
一実施例のブロック図、第8図は従来の磁束演算形の制
御方法の一例のブロック図である。 1……直流電圧源、2……電圧検出器、3……インバー
タ、6,10……3相誘導電動機、7……制御回路、11……
第1の3相電圧形インバータ、12……第2の3相電圧形
インバータ、13……3相リアクトル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相誘導電動機のインバータによるトルク
    制御システムにおいて、 両端にそれぞれ端子a1a2 b1b2 c1c2を有する互いに電気
    的に分離した3相対称巻線を具備する3相誘導電動機の
    第1の端子群a1 b1 c1を第1の3相電圧形インバータに
    接続すると共に、 第2の端子群a2 b2 c2を零相分電流抑制用の3相リアク
    トルを介して第2の3相電圧形インバータに接続し、 前記3相誘導電動機の瞬時磁束および瞬時トルクが所定
    の誤差範囲内で与えられた指令値に追従するように該3
    相誘導電動機の1次電圧と1次電流から1次磁束ベルト
    ルを求める手段と、 前記1次磁束ベクトルが円周を12等分したどの円弧領域
    に存在するかを判断して領域信号θを出力する磁束領
    域判定手段と、 前記1次磁束ベクトルの絶対値とその指令値との偏差に
    応じて増磁または減磁を指示する磁束増減信号φを出力
    する手段と、 前記3相誘導電動機の1次電圧と1次電流からトルクT
    を求めてその指令との偏差であるトルク誤差を算出する
    手段と、 前記トルク誤差が誤差限界を正側で越えるとトルク増を
    指示しかつ負側で越えるとトルク減を指示するトルク増
    減信号τ1を発生する手段と、 前記トルク誤差に応じてトルク差信号τ2 τ3を発生す
    る手段と、 前記トルク増減信号τ1とトルク差信号τ2 τ3の組み
    合わせに応じて評価される誤差信号dを出力する手段
    と、 各相の線電流を合計して零相電流i0を演算する手段と、 前記零相電流i0が所定の値を正側および負側に越えた場
    合または越えない場合で零相電流抑制信号I0を出力する
    3値ヒステリシスコンパレータと、 前記トルク増減信号τ1と誤差信号dと磁束増減信号φ
    と領域信号θと零相電流抑制信号I0の組み合わせに応
    じて予め記憶されているスイッチングテーブルから第1
    および第2の3相電圧形インバータのスイッチング信号
    を出力する記憶手段とを、 設けて成ることを特徴とする誘導電動機の高速トルク制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記3相リアクトルは共通鉄心に巻回され
    た同一方向に磁気結合を有する3相巻線で構成され、同
    一方向電流成分に対してのみリアクトルとして動作する
    ものである特許請求の範囲第(1)項記載の誘導電動機
    の高速トルク制御装置。
  3. 【請求項3】前記記憶手段の出力信号は第1および第2
    の3相電圧形インバータにより発生する瞬時電圧ベクト
    ル形式として出力される特許請求の範囲第(1)項記載
    の誘導電動機の高速トルク制御装置。
  4. 【請求項4】前記3値ヒステリシスコンパレータは各相
    電流瞬時値のベクトル和で表される零相電流を減少させ
    る通電モードを選定する特許請求の範囲第(1)項記載
    の誘導電動機の高速トルク制御装置。
  5. 【請求項5】前記記憶手段の出力したスイッチ状態を記
    憶し、次回のスイッチングはなるべく前回と異なるスイ
    ッチ状態を選定する特許請求の範囲第(1)項記載の誘
    導電動機の高速トルク制御装置。
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