JPH0598092A - 引張破断伸びに優れたポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

引張破断伸びに優れたポリプロピレン樹脂組成物

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JPH0598092A
JPH0598092A JP26185091A JP26185091A JPH0598092A JP H0598092 A JPH0598092 A JP H0598092A JP 26185091 A JP26185091 A JP 26185091A JP 26185091 A JP26185091 A JP 26185091A JP H0598092 A JPH0598092 A JP H0598092A
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JP
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ethylene
elastomer
weight
resin composition
copolymer
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JP26185091A
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English (en)
Inventor
Eiichi Sugihara
永一 杉原
Keigo Suehiro
啓吾 末広
Takashi Miyazaki
孝志 宮崎
Hideki Todoroki
秀樹 轟
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】分子量分布(Mw/Mn)が7〜15、メルト
インデックスが0.1〜20g/10min、沸騰n−
ヘプタン抽出残が96%以上のホモポリプロピレンをメ
ルトインデックスが30〜120g/10minに熱減
成したホモポリプロピレン(A)100重量部、エチレ
ンとプロピレンまたはブテン−1との二元共重合体およ
びこれらとシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボ
ルネンとの三元共重合体よりら選ばれた共重合体エラス
トマー(B)30〜100重量部、無機フィラー0〜3
0重量部からなる事を特徴とする引張破断伸びに優れた
ポリプロピレン樹脂組成物。 【効果】引張破断伸び、曲げ弾性率、耐衝撃強さに優れ
たポリプロピレン樹脂組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性が良好で引張破断
伸び、剛性、表面硬度に優れるポリプロピレン樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパー、フェンダー等の外装
材にポリプロピレン樹脂組成物が金属材料に代わり使用
される様になってきた。ポリプロピレンはそのままで
は、衝撃強さが不足するのでエチレン−プロピレンエラ
ストマー(EPM,EPDM)等を加えて改良する。また、曲げ
弾性率を高めるにはタルク等の板状または繊維状無機フ
ィラーを加え改良する。更にポリプロピレンは結晶性の
樹脂であり成形収縮率、線膨張係数が高いがこれを低く
する為には、エチレン−プロピレンエラストマー(EPM,
EPDM)等のエラストマーとタルク等の板状無機フィラ
ー、硝子繊維等の繊維状無機フィラーを添加し改良して
いる。ところが、エチレン−プロピレンエラストマー
(EPM,EPDM)等を、ポリプロピレンに配合すると一般的
に表面硬度が低下し傷つき易くなるという欠点がある。
エラストマーの配合量を減らすと表面硬度は高まるが衝
撃強さが低下し自動車等の外装材には不適当である。ま
た、エラストマー成分が低下すると塗料との密着性が低
下する等塗装性が低下する欠点もあった。タルク等の無
機フィラーの配合量を高めると、曲げ弾性率は高まるが
表面硬度は高まらず、フィラーの種類によっては逆に表
面硬度を低下させる事もあり表面硬度を高めるにはあま
り効果はなかった。さらに、タルク等の無機フィラーを
多量にポリプロピレンに配合すると衝撃強さが低下する
欠点もあった。
【0003】ポリプロピレン樹脂組成物の表面硬度を改
良するにはポリプロピレンに他の固い樹脂を分散させる
方法が考えられる。例えば、ポリプロピレンにスチレン
系樹脂を配合することが挙げられるがポリプロピレンと
ポリスチレンは相溶性に乏しく、スチレン−ブタジエン
エラストマー、スチレン−イソプレンジブロックエラス
トマー、スチレンーイソプレントリブロックエラストマ
ー、または、これらのエラストマーを水素添加したエラ
ストマーなどのスチレン系のエラストマーを配合し衝撃
強さを改良する必要があり数々の樹脂組成物が提案され
ている(例えば、特開昭58-210950 、特開昭60-133039
、特公昭62-34782、特公昭62-12812、特開昭63-277261
等)。ポリプロピレンにスチレン系のブロック共重合
体エラストマーを配合した樹脂組成物も提案されている
(例えば、特開昭61-014248 等)。また、ポリプロピレ
ンと水素添加スチレン−ブタジエンエラストマーよりな
るバンパー(特開昭58-210950 )、スチレン系のエラス
トマーの他に、エチレン−プロピレン共重合エラストマ
ー、タルクを併用する樹脂組成物(特開昭61-29124
7)、剛性に優れた高結晶性のホモポリプロピレンと水
素添加スチレン−イソプレンジブロック共重合体エラス
トマーよりなる樹脂組成物(特開昭63-156842 )などが
提案されている。しかし、ポリプロピレンとポリスチレ
ンからなる樹脂組成物にスチレン系のエラストマーを配
合し自動車等の外装材として必要な衝撃強さを得るに
は、多量のエラストマーを配合する必要があり、その結
果、樹脂組成物の表面硬度は低下する。
【0004】一方、ポリプロピレンの結晶性を高めると
剛性、表面硬度が高まる。その様なポリプロピレンとし
て特開昭63-00338、特開昭64-66217、特開昭59-22913等
に挙げられる高結晶性ポリプロピレンや、特開昭57-307
08、特開昭56-30407、特開昭56-26907等の重合方法によ
り得られる高結晶性ポリプロピレンが挙げられる。これ
らの高結晶性ポリプロピレンは、エチレン−プロピレン
エラストマー等の耐衝撃性改良剤を添加しても、自動車
のバンパー等の成形品の材料としてほぼ満足しうる剛性
と耐衝撃強さのバランスを有していた。ところが、最近
の自動車のバンパー等は、大型化し、形状も複雑化し、
また軽量化を目的として薄肉化している。その結果材料
の流動性を高める要求が強い。通常バンパー等の用途に
用いる材料は、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン
エラストマーからなり、エチレン−プロピレンエラスト
マーは、ポリプロピレンに比べ、溶融時の流動性が悪く
ポリプロピレンの流動性を高めて得られる組成物の流動
性を高める方法が一般的である。ところが、一般的に高
流動性のポリプロピレンは、引張破断伸びが低く、特に
高結晶ポリプロピレンでは、その傾向が強く、高流動
性、高結晶性ポリプロピレンにエチレン−プロピレンエ
ラストマー等を加えても、引張破断伸びは十分に高まら
ず、十分な引張破断伸びを得るには、著しく多くのエラ
ストマーを配合する必要があり、その結果不必要に剛
性、表面硬度の低下を生じた。
【0005】また、特開平1-129050、特開昭63-37152、
特開昭63-37148等には、結晶化核剤を添加し剛性、表面
硬度を改良したポリプロピレン組成物が挙げられる。通
常のあまり流動性が高くないポリプロピレンに、エラス
トマー、フィラーを加えた場合でも、これらの結晶化核
剤は、効果あるがポリプロピレンが高流動の場合は、そ
の効果が低くかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
引張破断伸び、剛性、表面硬度に優れたポリプロピレン
樹脂組成物を提供する事にある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前述の
問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定のポリ
プロピレンを熱減成したものにエラストマーを配合する
ことにより引張破断伸びが高まる事を見いだし本発明に
至った。 すなわち本発明は、分子量分布(Mw/M
n)が7〜15、メルトインデックスが0.1〜20g
/min、沸騰n−ヘプタン抽出残が96%のホモポリ
プロピレンをメルトインデックスが30〜120g/m
inに熱減成したホモポリプロピレン(A)100重量
部、エチレンとプロピレンまたはブテン−1の二共重合
体エラストマーおよびこれらとシクロペンタジエンまた
はエチリデンノルボルネンとの三元共重合体エラストマ
ーより選ばれた共重合体エラストマー(B)30〜10
0重量部、無機フィラー0〜30重量部(C)からなる
事を特徴とする引張破断伸びに優れたポリプロピレン樹
脂組成物である。 本発明で用いるポリプロピレンは、
分子量分布(Mw/Mn)が7〜15、メルトインデッ
クスが0.1〜20g/min、沸騰n−ヘプタン抽出
残が96%のホモポリプロピレンをメルトインデックス
が30〜120g/minに熱減成して使用する。
【0008】熱減成の原料として使用するポリプロピレ
ンは沸騰n−ヘプタン抽出残が96%のものでも、分子
量分布(Mw/Mn)が7〜15と広い分子量分布のも
のでないと本願の目的を達成することができない。この
ようなポリプロピレンを製造するには四塩化チタンをジ
エチルアルミニウムモノクロライド等の有機アルミニウ
ム化合物で還元して得られた三塩化チタンをイソアミル
エーテル、四塩化チタンで活性化したものとジエチルア
ルミニウムモノクロライドが好ましい触媒として例示さ
れるが、特にこれに限定されるものではなく本願の特許
請求の範囲の規定に含まれるものであれば使用でき、当
然のことながら上記触媒系に安息香酸エチル等の電子供
与体を添加して重合したものも使用できる。
【0009】エチレン−プロピレンブロック共重合体で
は、熱減成しても引張破断伸びは、低く、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体は、剛性、耐熱性に劣る。メ
ルトインデックスが0.1g/min未満のものを30
〜120g/minの範囲まで熱減成すると熱減成むら
を生じ易く、エラストマー成分を加えて成形した場合成
形品の表面状態に悪影響を与える。メルトインデックス
が20g/minを越えたポリプロピレンを熱減成し使
用しても伸びの引張破断伸びは低い。分子量分布(Mw
/Mn)が7未満のものは剛性、表面硬度が劣り、15以
上のものは、熱減成後耐衝撃強さが低下し好ましくな
い。
【0010】ホモポリプロピレンを30〜120g/m
in未満に熱減成したものにエラストマーを多量に配合
しても流動性は、あまり高まらず、流動性の高いエラス
トマーを使用すると耐衝撃強さが劣る。メルトインデッ
クスが120g/minを越えるまで熱減成したもの
は、エラストマーを加えても耐衝撃強さ、引張破断伸び
が劣る。
【0011】本発明で使用するホモポリプロピレンの熱
減成の方法としては通常の過酸化物を適量添加し溶融混
練する方法が適用出来る。熱減成の過程で用うる過酸化
物としては特に制限は無く通常のポリオレフィンの架
橋、熱減成等の熱処理で広く用いられているものが使用
出来る。例えば、アセチルシクロヘキシルスルホニルパ
ーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロ
ピルパーオキシジカルボネート、ジーn−プロピルパー
オキシジカルボネート、ジ(2−メトキシエチル)パー
オキシジカルボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パ
ーオキシジカルボネート、ジ(2−メチルヘキシル)パ
ーオキシジカルボネート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、t-ブチルパーオキシパイバレート、3,5,5−ト
リメチルヘキサノールパーオキサイド、オクタノールパ
ーオキサイド、デカノールパーオキサイド、ラウロール
パーオキサイド、ステアロールパーオキサイド、プロピ
オニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ベン
ゾキシパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサノン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサノン、t−ブチ
ルパーオキシマレイン酸、琥珀酸オキサイド、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,
5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノン
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ルボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジ
パーオキシフタレート、n−ブチル−4,4−ビス(t
−ブチルパーオキシ)バラレート、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、1−イソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p
−メンタンハイドロパーオキサイド、2,2−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイド
ロキシパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等が挙げられる。混練温度、混練時間、過酸化物の添加
量は、混練方法、過酸化物の分解温度、半減期等の条件
により適当に選択できるが、押出機にて、分解温度が1
20〜180℃の過酸化物を使用する場合、混練温度
は、180〜260℃で過酸化物の添加量は、樹脂10
0重量部部に対して0.5〜0.01が好ましい。更
に、熱減成したホモポリプロピレンの他に引張破断伸
び、剛性、耐衝撃強さ、表面硬度、耐熱性を著しく低下
させない範囲で、エチレン−プロピレンブロック共重合
体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体、エチレン
−エチルアセテート共重合体、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリブテン等の他の樹脂を配合しても良い。
【0012】本発明のポリプロピレン樹脂組成物では、
熱減成したホモポリプロピレン100重量部(A)に対
してエチレンとプロピレンまたはブテン−1の二共重合
体エラストマーおよびこれらとシクロペンタジエンまた
はエチリデンノルボルネンとの三元共重合体エラストマ
ーより選ばれた共重合体エラストマー(B)30〜10
0重量部配合する。30重量部未満では、耐衝撃強さが
低く、自動車等の外板材としては不適当であり、100
重量部を越えては、表面硬度が低く、傷つき易い。ま
た、剛性も低く、多量のフィラーを配合する必要があり
その結果、得られる材料の比重が大きくなり自動車のバ
ンパー等の大型成形品の材料として使用した場合、必要
以上に重くなり燃費の悪化などの問題が生じる。
【0013】本発明で用いるエラストマーとしては、特
に好ましくはエチレン含有量が80〜90wt%である
エチレン−ブテン−1共重合体エラストマ―(a)、エ
チレン含有量が75〜85wt%であるエチレン−プロ
ピレン共重合体エラストマー(b)を、3:7〜7:3
の重量比で用いると特に表面硬度と衝撃強さのバランス
が良い。エチレン−ブテン−1共重合体エラストマー
(a)の割合が3以下では、表面硬度が十分なポリプロ
ピレン樹脂が得難く、7以上では、耐衝撃強さが十分な
ポリプロピレン樹脂組成物が得難い。
【0014】本発明で用いるエチレン−ブテン−1共重
合体エラストマー(a)のエチレン含有量は、80〜9
0wt%が好ましく、エチレン含有量が80wt%以下
のエチレン−ブテン−1共重合体エラストマーを用いて
も十分高い表面硬度が得難く、エチレン含有量が90w
t%以上のエチレン−ブテン−1共重合体エラストマー
を用いても、十分に優れた耐低温衝撃強さを有するポリ
プロピレン樹脂組成物は、得難い。
【0015】本発明で用いるエチレン−プロピレン共重
合体エラストマー(b)のエチレン含有量は、75〜8
5wt%が好ましく、エチレン含有量が75wt%以下
のエチレン−プロピレン共重合体エラストマーを用いて
も十分高い表面硬度が得難く、エチレン含有量が85w
t%以上のエチレン−プロピレン共重合体エラストマー
を用いても、十分に優れた耐衝撃強さを有するポリプロ
ピレン樹脂組成物は、得難い。
【0016】本発明で使用する無機フィラーとしては、
金属粉、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシ
ウム、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、珪
酸カルシウム、硝子繊維、チタン酸カルシウム、チタン
酸ジルコン酸鉛、窒化アルミニウム、炭化珪素等が挙げ
られ、特にタルク、硫酸マグネシゥムウィスカ、繊維状
炭酸カルシウム、繊維状チタン酸カリウムは、線膨張係
数、成形収縮率を小さく抑えることが可能で優れ、繊維
状のフィラーを、使用するとフィラーの配向方向への引
張破断伸びは、板状のタルク等より優れ好ましい。本発
明では、熱減成したホモポリプロピレン100 重量部に対
して無機フィラーを0〜30重量部配合する。30重量部以
上では、衝撃強さが低下する。
【0017】本発明の樹脂組成物は、必要により各種の
添加剤を添加しても良い。例えば、酸化防止剤、分散
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、滑剤、難
燃剤、可塑剤等が挙げられる。本発明のポリプロピレン
樹脂組成物は、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー
等により混合した後、バンバリーミキサー、熱ロール、
押出機、コニーダー等の装置に溶融混練しペレット状に
した後、押出機によりシート状に押出し、真空成形、圧
空成形、真空圧空成形、プレス成形等の方法により二次
成形する方法、ブロー成形する方法、射出成形する方法
等が可能である。
【0018】
【実施例】以下実施例により詳細に説明する。なお分子
量分布(Mw/Mn)は、ポリプロピレンを1,2,4-トリ
クロロベンゼンに溶解しGPC法により測定したMw、
Mnより求め、表面硬度の測定方法としてASTM D
−785法(測定試験片として直径が50mm,厚み
2mmの正方形の板を2枚重ねて使用)によりロックウ
エル硬度(Rスケール)を測定し、衝撃強さの測定方法
として−10℃と−30℃におけるIzod衝撃強さを
ASTM D−256法(測定試験片として厚み3m
m、巾12.5mmの金型ノッチ付試験片を使用)によ
り測定し、曲げ弾性率は、ASTM D−790法(曲
げ速度 2mm/min) により測定し、引張破断伸び
は、ASTM D−638法(引張速度50mm/mi
n) により測定し、メルトインデックスMIは、230
℃、2.16kg/cm2 の条件で測定した。
【0019】実施例1 触媒として四塩化チタンを有機アルミニウムで還元し、
ジイソアミルエーテル及び四塩化チタンで活性化した高
活性三塩化チタン成分″ソルベー触媒″(丸紅ソルベー
社製)とジエチルアルミニウムモノクロライドを触媒と
して用い、ヘプタンを溶媒としプロピレンガスを撹拌し
ながら吹き込みホモポリプロピレンを重合し、沸騰n−
ヘプタン抽出残 97.2wt%、分子量分布(Mw/
Mn)が9.0、メルトインデックスが、10g/10
minのホモポリプロピレンを得た。このホモポリプロ
ピレン100重量部に過酸化物として2、5-ジメチル-2、5
-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.03重量部、
安定剤としてイルガノックス1010 0.1重量
部、、アイオノール 0.05重量部、分散剤としてス
テアリン酸カルシウム0.1重量部を配合し、ヘンシェ
ルミキサーにて混合し、φ 50mm 一軸押出機を用
い180〜250℃で混練しメルトインデックスが50
g/minのホモポリプロピレンのペレットを得、この
ポリプロピレン100重量部にエチレン−ブテン−1共
重合体エラストマーとして”EBM 1041P”(日
本合成ゴム(株)製、エチレン含有量 85wt%、M
I 5.8g/10min) 25重量部、エチレン−プ
ロピレン共重合体エラストマーとして″EP 961S
P”(日本合成ゴム(株)製、エチレン含有量 78w
t%,78wt% 、MI 3.6g/10min) 25重量
部、タルク″CT−8″(浅田製粉(株))を15重量
部配合し、φ36mm二軸押出機にて190℃で溶融混
練しペレットを得、型締圧100トンの射出成形機に
て、物性測定用の試験片を得た。表−1に、ポリプロピ
レン樹脂組成物の組成比と物性を示す。
【0020】実施例2、3 エチレン−ブテン−1共重合体エラストマーを35、1
5重量部、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー
を15、35重量部とした以外は、実施例1と同様にし
て溶融混練し、物性測定用の試験片を得た。表−1にポ
リプロピレン樹脂組成物の組成比と物性を示す。
【0021】実施例4、5 タルクの量を0重量部、20重量部とした以外は実施例
1と同様にして溶融混練し、物性測定用の試験片を得
た。表−1に、ポリプロピレン樹脂組成物の組成比と物
性を示す。
【0022】比較例1 実施例1と同様の触媒と重合方法で分子量調節剤である
水素の使用量を増量して重合し、沸騰n−ヘプタン抽出
残 97.0%、メルトインデックスが53g/10m
inのホモポリプロピレンを得(分子量分布Mw/Mn
9.2 )、この樹脂100重量部に安定剤としてイルガノ
ックス1010 0.1重量部、、アイオノール0.0
5重量部、分散剤としてステアリン酸カルシウム0.1
重量部、実施例1と同様のエチレン−ブテン−1共重合
体エラストマーとエチレン−プロピレン共重合体エラス
トマー、タルクを配合し溶融混練し、物性測定用の試験
片を得た。実施例1と比べ、ロックウエル硬度が低かっ
た。曲げ弾性率、耐衝撃強さは、同等だが引張破断伸び
が著しく低かった。表−1に、ポリプロピレン樹脂組成
物の組成比と物性を示す。
【0023】比較例2 タルクの量を60重量部と以外は、実施例1と同様にし
て溶融混練し、物性測定用の試験片を得た。実施例1と
比べ、メルトインデックス、耐衝撃強さ、引張破断伸び
が低くかった。表−1に、ポリプロピレン樹脂組成物の
組成比と物性を示す。
【0024】比較例3 エチレン−ブテン−1共重合体エラストマーを70重量
部、エチレン−プロピレン共重合体エラストマーを70
重量部とした以外は、実施例1と同様にして溶融混練
し、物性測定用の試験片を得た。引張破断伸び、耐衝撃
強さは優れるが、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、メル
トインデックスが低かった。表−2にポリプロピレン樹
脂組成物の組成比と物性を示す。
【0025】比較例4 エラストマーを加えない以外は、実施例1と同様にして
溶融混練し、物性測定用の試験片を得た。メルトインデ
ックス、曲げ弾性率、ロックウエル硬度は優れるが、耐
衝撃強さ、引張破断伸びが著しく低かった。表−2にポ
リプロピレン樹脂組成物の組成比と物性を示す。
【0026】比較例5 実施例1と同様の触媒を用い第一段階でホモポリプロピ
レンを重合し次にエチレンとプロピレンのガスを1/1
wtの割合で吹き込み、エチレン−プロピレンブロック
共重合体を得た。メルトインデックスは、8.0 で、プロ
ピレンホモ重合部ののホモポリプロピレンの分子量分布
(分子量分布Mw/Mn) は、8.2であった。また、
エチレン含有量は、15wt%であった。このエチレン
−プロピレンブロック共重合体100重量部に実施例1
と同様に過酸化物、添加剤を加え熱減成しメルトインデ
ックスが55g/10minのポリプロピレンのペレッ
トを得、実施例1と同様にエラストマーとタルクを配
合、溶融混練し、物性測定用の試験片を得た。メルトイ
ンデックス、曲げ弾性率、ロックウエル硬度は、エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体を用いたため低く、耐
衝撃強さが高いが引張破断伸びが低かった。表−2にポ
リプロピレン樹脂組成物の組成比と物性を示す。
【0027】実施例6 実施例1に準じて、沸騰n−ヘプタン抽出残 97.1
%、分子量分布(Mw/Mn)が10.0、メルトイン
デックスが、1.0g/10minのホモポリプロピレ
ンを得た。実施例1と同様の過酸化物を上記ポリプロピ
レン100重量部に対して0.5重量部添加し対外は、
実施例1と同様にしてメルトインデックスが60g/1
0minの熱減成ホモポリプロピレンを得た。エチレン
−ブテン−1共重合体エラストマーとして、エチレン含
有量が83wt%、メルトインデックスが3.4g/1
0minのエチレン−ブテン−1共重合体エラストマ
ー”B−065”を試作しこれを22重量部、エチレン
−プロピレン共重合体エラストマーとして″EP 18
1SP”(日本合成ゴム(株)製、エチレン含有量75
wt%、MI 0.5g/min)25重量部、実施例
1と同様のタルク16重量部を配合し溶融混練し、物性
測定用の試験片を得た。表−3に、ポリプロピレン樹脂
組成物の組成比と物性測定結果を示す。
【0028】比較例6 ホモポリプロピレンとして実施例1の方法において三塩
化チタンとしてAA型三塩化チタンとジエチルアルミニ
ウムモノクロライドを触媒として用い沸騰n−ヘプタン
抽出残 97.1%、メルトインデックス 1.5g/
10min、Mw/Mnが5.9を使用した。上記ポリ
プロピレン100重量部に実施例1と同様の過酸化物を
0.35重量部配合し熱減成しメルトインデックスが5
8g/10minのペレットを得これを100重量部用
いた以外は、実施例6と同様にして配合し溶融混練し、
物性測定用の試験片を得た。引張破断伸び、耐衝撃強
さ、流動性は、実施例6とほぼ同等だが、曲げ弾性率が
低かった。表−3に、ポリプロピレン樹脂組成物の組成
比と物性を示す。
【0029】比較例7 比較例6の方法で重合時の水素の使用量を増加させて、
沸騰n−ヘプタン抽出残96.9%、インデックス 3
0g/10min、Mw/Mnが6.2のポリプロピレ
ンをえた。これを100重量部を熱減成せずそのまま用
いた以外は、実施例6と同様にして配合し溶融混練し、
物性測定用の試験片を得た。耐衝撃強さは実施例6とほ
ぼ同等だが引張破断伸びが著しく低かった。また、曲げ
弾性率も実施例6と比べやや低かった。表−3に、ポリ
プロピレン樹脂組成物の組成比と物性を示す。
【0030】実施例7 実施例6で使用したエチレン−ブテン−1共重合体エラ
ストマー20重量部、エチレン−プロピレン共重合体エ
ラストマー15重量部、エチレン−プロピレン−エチリ
デンノルボルネン(ENB)三元共重合体エラストマー
(EPDM)″EP57P″(日本合成ゴム(株)製、
プロピレン含有量 72wt%、ENB15wt%、M
I 0.4g/10min) 8重量部使用した以外は、
実施例6と同様にして、配合し、溶融混練し、物性測定
用の試験片を得た。表−3にポリプロピレン樹脂組成物
の組成比と物性を示す。
【0031】実施例8 無機フィラーとして硫酸マグネシゥムウィスカ″モスハ
イジ″(宇部興産(株)製)を16重量部使用した以外
は実施例6と同様にして、配合し、溶融混練し、物性測
定用の試験片を得た。曲げ弾性率が実施例6より更に優
れていた。表−2にポリプロピレン樹脂組成物の組成比
と物性を示す。
【0032】なお、以下に示す表において、MI) は重
合ポリマーのメルトインデックス、MI) は配合原料に
使用したポリマーのメルトインデックス、MIはメルト
インデックス、破断伸びは引張破断伸び(%)、硬度は
ロックウエル硬度(R),弾性率は曲げ弾性率 kg/
cm2 を示し表では1/100で示し、IzodはIz
od衝撃強さ kg・cm/cmを示す。Izod衝撃
強さのNBは不破壊で66kg・cm/cm以上を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、
流動性、曲げ弾性率に優れ、自動車のバンパー等の大型
成形品の材料として最適であり、薄肉化が可能であり、
成形時に流動性の不足から生じるフローマーク等の成形
上の不都合が生じ難い。更に従来の高流動性ポリプロピ
レン樹脂組成物では著しく低かった引張破断伸びが本発
明のポリプロピレン樹脂組成物では改良され、複雑な形
状の射出成形品等のを得ることが可能である。また、特
定のエチレン−ブテン−1共重合体エラストマーとエチ
レン−プロピレン共重合体エラストマーを特定の比率で
使用することにより、表面硬度、耐衝撃強さに優れる材
料が得られ、従来軟らかく傷つき易い事が問題であった
自動車の軟質バンパー等の材料として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 轟 秀樹 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量分布(Mw/Mn)が7〜15、
    メルトインデックスが0.1〜20g/min、沸騰n
    −ヘプタン抽出残が96%以上のホモポリプロピレンを
    メルトインデックスが30〜120g/minに熱減成
    したホモポリプロピレン(A)100重量部、エチレン
    とプロピレンまたはブテン−1の二共重合体エラストマ
    ーおよびこれらとシクロペンタジエンまたはエチリデン
    ノルボルネンとの三元共重合体エラストマーより選ばれ
    た共重合体エラストマー(B)30〜100重量部、無
    機フィラー0〜30重量部(C)からなる事を特徴とす
    る引張破断伸びに優れたポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体エラストマー(B)がエチレン
    含有量が80〜90wt%であるエチレン−ブテン−1
    共重合体エラストマ―(a)、エチレン含有量が75〜
    85wt%であるエチレン−プロピレン共重合体エラス
    トマー(b)を、3:7〜7:3の重量比で配合したも
    のからなることを特徴とする請求項1記載のポリプロピ
    レン樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1364986A1 (en) * 2002-05-21 2003-11-26 Borealis Technology Oy Polypropylene compositions especially for pipes
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US8058340B2 (en) 2005-07-01 2011-11-15 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. Propylene-based resin composition for pipe member and pipe member formed using the same

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