JP2005194337A - ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】比重が低く、剛性、耐熱性、衝撃性、軽量性のバランスに優れた、無機フィラーを事実上含まずリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体を提供する事を課題とする。
【解決手段】下記(A)〜(C)からなり、密度が1.00未満であるポリプロピレン系樹脂組成物。
(A)ホモ部分のアイソタクチックペンタッド分率が98%以上、共重合部分のプロピレン含量が45〜85重量%、ガラス転移温度が−40℃以下、重量平均分子量が50万〜200万、ブロック共重合体としてのMFRが50〜150のプロピレン・エチレンブロック共重合体:30〜95重量%、
(B)MFRが0.1〜20、密度が0.850〜0.910のエチレン系又はスチレン系エラストマー:5〜50重量%、
(C)繊維径が2μmより大きく15μm以下であり、繊維長が1〜20mmの炭素繊維:0.5〜20重量%。
【選択図】なし

Description

本発明は、リサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関し、詳しくは、剛性・耐熱性・衝撃性等の機械物性バランスと軽量性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリプロピレンは、近年の触媒・重合技術や複合化技術の進歩に伴い、主に射出成形分野で、その使用量が着実に増加してきている。特に自動車バンパーに代表される工業部品分野でその成長は著しく、世界的規模で着実に需要が増加している状況にあり、このような使用量の増大に伴い、再利用・再使用等のリサイクルが重要な課題となってきている。自動車バンパーのように製品剛性が要求される場合には、タルクに代表されるような無機フィラーをポリプロピレンと複合化して目標とする剛性を実現している(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
特許第3031986号公報 特開平6−50754号公報 特開2002−20560号公報 特開2002−3691号公報
このような無機フィラー複合ポリプロピレンは、必然的に比重の増加を引き起こすため、軽量化には逆行するとともに、焼却処理した際に焼却灰が発生してしまうため、熱源リサイクルの妨げとなっている。炭素繊維を複合する技術も知られているが、炭素繊維はポリプロピレン樹脂マトリックスには分散しにくい為、変成ポリプロピレン等の変成樹脂を共存させて使用したり、表面を変成する等の特殊な樹脂による処理を予め施した炭素繊維を用いることが一般的である(特許文献5,6、7参照)。
特開平8−48816号公報 特開平6−41389号公報 特開2001−294760号公報
これに用いる変成樹脂は、ポリプロピレン樹脂の持つ優れた剛性や耐衝撃性を低下させてしまうため、このような手法は高度の剛性・耐衝撃性を要求される自動車用等には適用するには不向きである。一方で、ポリプロピレンと炭素繊維を複合する際には、炭素繊維が切れやすく、複合後の炭素繊維長が短くなりすぎ、剛性の改良効果が阻害されるため、通常の配合では、炭素繊維の効果を充分生かすことが出来ないという課題があった。
本発明は、比重が低く、剛性、耐熱性、衝撃性、軽量性のバランスに優れた、無機フィラーを事実上含まずリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体を提供する事を課題とする。
課題を解決する為の手段
本発明者らは、軽量化の障害となる無機フィラーを事実上含まずとも、剛性、耐熱性、衝撃性、軽量性のバランスに優れたポリプロピレン形樹脂組成物に関して鋭意検討した結果、特定の構造を有し、機械物性バランスに優れるプロピレン・エチレンブロック共重合体と、エチレン系及び/又はスチレン系エラストマーと、特定の構造を有する炭素繊維を複合化する事により、無機フィラーを事実上含まずとも、剛性、耐熱性、衝撃性、軽量性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物を得ることが可能である事を見出し、本発明を完成した。
ポリプロピレンに炭素繊維を複合化して高い剛性と耐衝撃性を得ようとするには、炭素繊維はウィスカーといわれるような短い繊維長のものでは高い性能は達成されず、ある程度長い繊維長の炭素繊維を用いることが必要である。しかし、繊維長の長い炭素繊維を用いた場合にも、ポリプロピレンとの複合化の工程である溶融混練工程を経ても折損を起こさずに必要な繊維長を成るべく保持させる必要がある。この対策の一つには溶融混練時のせん断応力の負荷をいかに低減させるかということが必要であり、これにはポリプロピレンの結晶化度、ガラス転移温度、流動性の指標となるメルトフローレート等の制御、さらにこれに耐衝撃性改良のために配合するエラストマー成分に起因する流動性の低下という複合成分の相互関係の影響に対する設計等々が必要である。本発明者等は、耐衝撃性、高い剛性、および流動性等の優れた特性を備えた樹脂組成物また成形体を提供するにおいて、主要成分である(A)プロピレン・エチレンブロック共重合体、(B)エラストマーおよび(C)炭素繊維からなる3成分の個々の特性および相互の関係のバランスを多面的に検討するとともに、これらの3成分の複合工程である複雑な溶融状態の溶融混練工程にも技術的な配慮をした結果、それを為し得たものである。
本発明の第1の発明は、下記(A)〜(C)成分からなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、その密度(JIS K7112に準拠)が1.00未満であるポリプロピレン系樹脂組成物である。
(A)プロピレン単独重合体部分(以下「ホモ部分」と記す。)とプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体部分(以下「共重合部分」と記す。)とからなるプロピレン・エチレンブロック共重合体であって、ホモ部分のアイソタクチックペンタッド分率が98%以上、共重合部分のプロピレン含量が45〜85重量%、ガラス転移温度が−40℃以下、重量平均分子量が50万〜200万であり、且つブロック共重合体としてのメルトフローレート(MFR)(JIS K7210に準拠)が50〜150(g/10分)であるプロピレン・エチレンブロック共重合体(以下、これを単に「プロピレン・エチレンブロック共重合体」と総称する。):30〜95重量%、
(B)メルトフローレート(MFR)(JIS K7210に準拠)が0.1〜20(g/10分)で、密度が0.850〜0.910(g/cc)のエチレン系又はスチレン系エラストマー:5〜50重量%、
(C)繊維径が2μmより大きく15μm以下であり、繊維長が1〜20mmの炭素繊維:0.5〜20重量%。
第2の発明は、上記第1の発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなるペレット或いは成形体であって、そのペレット或いは成形体中に存在する炭素繊維の平均繊維長さが0.3mm以上20mm未満の状態であるポリプロピレン系樹脂組成物の成形体である。これは、ポリプロピレン系樹脂に炭素繊維を溶融混練する際の炭素繊維仕込み段階の平均繊維長さが1〜20mmであるから、溶融混練後の炭素繊維の平均繊維長さが0.3mm以上20mm未満ということは、炭素繊維の折損を起こさずに必要な仕込み段階の繊維長を維持しているということを表す。このために、本発明は、ポリプロピレン系樹脂特有の性質を、例えば、軟化点または溶融点になれば、急激に粘弾性が低下するという性質を利用して、そのような粘弾性が低下状態において、炭素繊維を投入すれば、溶融混練時のせん断負荷の影響が軽減されるので、折損が少ない。このため、成形の原材料(粉末状、ペレット状のもの)を造る段階の押出機の温度制御、スクリューの回転速度、およびホッパー以外にも、例えばダイ近くというような、炭素繊維の投入箇所にも、技術的な工夫を加えて本発明は達成できる。
第3の発明は、第1の発明における(B)エチレン系エラストマーが、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体又はエチレン・オクテン共重合体から選ばれたエラストマーであって、エチレンと共重合したコモノマー成分の含量が10〜50重量%であるポリプロピレン系樹脂組成物である。
第4の発明は、第1の発明における(B)スチレン系エラストマーが、下記構造を有するスチレン系水添ブロック共重合ゴムであって、そのポリスチレン構造を有するAセグメントの含量が1〜25重量%であるポリプロピレン系樹脂組成物である。
A−B 又は、A−B−A
(但し、Aはポリスチレン構造セグメントを示し、Bはエチレン・ブテン又はエチレン・プロピレンの構造セグメントを示す。)
第5の発明は、第2のポリプロピレン系樹脂組成物の成形体が、車両用外装部品又は内装部品、あるいは家電製品用ハウジングにかかわる発明である。
第6の発明は、第1ないし5の発明において、ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレートが10〜130(g/10min)、曲げ弾性率が1400〜6000MPa、23℃で測定されたアイゾッド衝撃強度が400(J/m)以上、−30℃で測定されたアイゾッド衝撃強度が50(J/m)以上、引張伸びが200(%)以上、荷重たわみ温度が0.45MPaの条件下で80℃以上であるポリプロピレン系樹脂組成物あるいはその成形体である。これらの優れた機械的特性は、本発明の上記(1)〜(3)の成分を必須とするポリプロピレン樹脂組成物により達成できるものである
発明の効果
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、焼却灰の原因となる無機フィラーを事実上含まずとも、高度な物性バランスを有しているため、サーマルリサイクル性と物性のバランスに優れる。この為、年々使用量が増大している自動車部品等の各種工業部品分野、特に薄肉化、高機能化、大型化された各種成形品、例えばバンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ガーニッシュなどの自動車部品やテレビケースなどの家電製品部品などの各種工業部品用成形材料として、実用に十分な性能を有している。
又、本来ポリプロピレンは熱可塑性樹脂であるため回収および再生により繰り返し使用が可能で、マテリアルリサイクルに適した材料といえる。これを特に、本発明のような無機フィラーレスを実現する事により、サーマルリサイクルに対しても有用な材料とする事が可能となった事は、地球環境保護の為のリサイクル運動を推進していく上で、工業的価値は大きい。特に無機充填剤を多量に含むと、ポリプロピレン系樹脂の重量が大きくなり、取り扱い上支障となるが、それを回収して再生する場合に、熱可塑性という特性が著しく失われ、いわゆるバージンポリマーとしての優れた特性である、例えば加工性、機械的特性などが低下することになり、再生にはよい影響をしないのが実情であり、本件発明はその問題を回避できる。
発明の実施するための最良の形態
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、成形温度において、流動性が高く、金型の隅の、流動末端まで均一樹脂が流動するので、例えば射出成形などにおける、多数個取り金型により小型の成形品から、浴槽、自動車バンパー、ボンネット、ハウジング、などの大型成形品までを造ることができる。この場合、ポリプロピレン樹脂特有の成形温度で粘弾性が低下する傾向にあり、混入された炭素繊維は樹脂の流動方向に沿ってそろう、いわゆる炭素繊維が同じ方向に配向することもあり、これにより強度を著しく高めることができる。これは、従来の添加剤である、タルク、シリカ、炭酸カルシュウムの添加においては見られない特有の効果である。ということは、本発明は、炭素繊維を配向した状態で含むポリプロピレン系樹脂組成物の態様も包含する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)プロピレン・エチレンブロック共重合体、(B)エラストマー、(C)炭素繊維、からなる。以下に各配合成分について説明する。
(A)プロピレン・エチレンブロック共重合体
本発明で用いられるプロピレン・エチレンブロック共重合体は、ホモ部分のアイソタクチックペンタッド分率が98%以上である。アイソタクチックペンタッド分率が98%未満の場合、単純な立体規則性に起因する剛性の低下を示すだけでなく、炭素繊維と接触する界面に於ける剛直性が低下し、炭素繊維の補強効果を組成物全体に反映しにくくなるため、結果として複合的に樹脂組成物の剛性や耐熱性が劣る為好ましくない。
アイソタクチックペンタッド分率とは、Macromolecules,6,925(1973年)記載の方法、すなわち13C−NMRを使用する方法で測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。換言すれば、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個接続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただし、ピークの帰属に関しては、Macromolecules,8,687(1975年)に記載の方法に基づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルの、メチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピーク強度分率としてアイソタクチックペンタッド単位を測定する。
プロピレン単独重合体部分のアイソタクチックペンタッド分率は、重合触媒の電子供与体(外部及び/又は内部ドナー)の添加量を制御し、さらにこれらの重合過程での欠落を防止することにより側鎖の立体配置を制御することにより、調整することができる。
共重合部分のプロピレン含量は45〜85重量%、好ましくは48〜80重量%、より好ましくは50〜75重量%である。プロピレン含量が上記範囲を逸脱した場合、共重合部分の分散性が悪化する事による衝撃性の低下や、ガラス転移温度が上昇したりするため、好ましくない。
共重合部分のプロピレン含量は、プロピレン・エチレン共重合体部分の重合時にプロピレンとエチレンの濃度比を制御することにより、調整することができる。
共重合部分の分子量は50万〜200万である。共重合部分の分子量が50万以下の場合、ポリプロピレン系樹脂組成物の流動性や外観が悪化し、分子量が200万を超えると共重合部分の分散性が悪化してしまうため夫々好ましくない。
共重合部分の分子量は、プロピレン・エチレン共重合体部分の重合時に、重合条件(重合温度、水素濃度、重合時間等)を制御する事により、調整する事が出来る。また、プロピレン・エチレンブロック共重合体中のホモ部分と共重合部分の割合は、ホモ部分がマトリックスとなる範囲である事が好ましく、プロピレン・エチレンブロック共重合体中の共重合部分の濃度として、1〜50重量%、より好ましくは、3〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。この共重合部分の濃度は、赤外分光スペクトル法や13C−NMR法等の常法に従って測定される値である。
プロピレン・エチレン共重合体部分の量は、ホモ部分の重合量と共重合部分の重合量の比率を重合時間などにより制御し、調整することができる。
共重合部分のプロピレンと共重合される共重合モノマーは、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等の任意のαオレフィンを使用することができるが、プロピレン単独重合体との相溶性や靭性の観点から、好ましくは、エチレン、ブテン、オクテン、であり、中でも、エチレンが最も好適に使用される。
また、プロピレン・エチレン共重合体成分は、ガラス転移温度が−40℃以下、好ましくは−40〜−60℃、より好ましくは−41〜−55℃であることが必要である。ガラス転移温度が−40℃より高いと、低温での耐衝撃特性が急激に低下してしまう為、好ましくない。
プロピレン・エチレン共重合体成分のガラス転移温度は、動的固体粘弾性測定装置により測定する。プロピレン・エチレン共重合体成分のガラス転移温度は、エチレンと共重合モノマーの共重合比により操作することが出来る。
プロピレン・エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、50〜150(g/10min)である。MFRはJIS K7210に準拠して、230℃、21.16Nにて測定する。このプロピレン・エチレンブロック共重合体のMFRは、通常ポリプロピレンは重合装置からパウダー状で得られたものを最低限の安定剤を添加し混練してペレットとしたものを製品として出荷されるが、このペレット中の平均繊維長を維持すること、及び樹脂組成物のトータルの流動性と衝撃性のバランスを維持する為に特に重要である。即ち、ブロック共重合体のMFRが50未満の場合、溶融混練時の炭素繊維の折損が激しく、その結果補強効率が低下してしまうばかりでなく、衝撃性改良のために配合するエラストマー成分の添加等によりポリプロピレン系樹脂組成物の流動性が劣ってしまうため、結果的に、剛性、流動性と衝撃性のバランスが低下してしまい好ましくない。又、150を超えるとエラストマー成分の分散性が低下し、その結果、衝撃性や延性が劣るため好ましくない。
プロピレン・エチレンブロック共重合体のMFRは、プロピレン単独重合体部分の分子量調整、及び/又はプロピレン・エチレン共重合体部分の分子量を重合条件(重合温度、水素濃度、重合時間など)により制御することができる。
このプロピレン・エチレンブロック共重合体は、従来公知の任意の方法により重合することができるが、例えば気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、スラリー重合法などを挙げることができ、1つの反応器でバッチ式に重合したり、複数の反応器を組み合わせて連続式に重合してもよい。
重合触媒は、ハロゲン化チタンのようなチタン化合物、バナジウム化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルコキシアルミニウム−マグネシウム錯体のような有機アルミニウム−マグネシウム錯体や、アルキルアルミニウム或いはアルキルアルミニウムクロリドなどの有機金属化合物との組合せによるいわゆるチーグラー型触媒、もしくはWO−91/04257号公報等に示されるようなメタロセン系触媒が挙げられる。なお、メタロセン系触媒と称せられる触媒は、アルモキサンを含まなくてもよいが、好ましくはメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、いわゆるカミンスキー系触媒のことである。
(B)エラストマー
本発明で用いられるエラストマーは、エチレンと他のαオレフィンを共重合したエチレン系エラストマー及び/又はスチレン系エラストマーである。これらエラストマーのMFRは、0.1〜20(g/10min)、好ましくは0.5〜15(g/10min)、更に好ましくは0.8〜10(g/10min)である。MFRはJIS K7210に準拠して、230℃、21.16Nにて測定する。エラストマーのMFRが0.1以下になると、高流動のプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いても,全体の溶融粘度が高くなり,炭素繊維の切断が起こるほか,エラストマー成分自体の分散性も低下し好ましくない.また、20を超えると、プロピレン・エチレンブロック共重合体自体も高流動で耐衝撃性に不利であり,組成物全体の耐衝撃性が急激に低下したりするため好ましくない。
エラストマーの密度は、0.850〜0.910(g/cc)、好ましくは0.855〜0.905(g/cc)、更に好ましくは0.860〜0.900(g/cc)である。エラストマーの密度が上記範囲を逸脱した場合、エラストマーの性状が悪化したり、衝撃性が低下するため好ましくない。
エラストマーのMFRと密度は、エラストマー重合時の重合条件を制御する事により調節する事が出来る。
エチレン系エラストマーとしては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、から選ばれた1種又は2種以上のエラストマーを用いる事が出来る。この場合、エチレンと共重合されるコモノマー成分の含量は好ましくは10〜50重量%、さらには15〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。コモノマー成分の含量が上記範囲を逸脱すると、エラストマーのガラス転移温度が上昇したり、分散性や衝撃性が低下してしまうため、組成物全体の耐衝撃性を損ない好ましくない。コモノマー成分の含量は、重合時のコモノマー濃度を制御する事により調節する事が出来る。
スチレン系エラストマーとしては、好ましくは下記構造を有するスチレン系水添ブロック共重合ゴムであって、そのポリスチレン構造を有するAセグメントの含量が1〜25重量%である。
A−B 又は、A−B−A
(但し、Aセグメントはポリスチレン構造を示し、Bセグメントはエチレン・ブテン又はエチレン・プロピレン構造を示す)
ポリスチレン構造を有するAセグメントの含量が上記範囲を逸脱した場合、スチレン系エラストマー成分の分散性が低下したりガラス転移温度が上昇したりするため好ましくない。このAセグメントの含量は、重合条件を制御する事により調整する事が出来る。
このようなスチレン系水添ブロック共重合ゴムの具体例としては、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。該ブロック構造を有するエラストマー共重合体は、上記構造式に示すようなトリブロック構造とジブロック構造の混合物であっても良い。
これらのエチレン系、及び/又は、スチレン系エラストマーは、1種類である必要は無く、例えば、エチレン系エラストマーとスチレン系エラストマーを各何種類か組合せて配合しても良い。
エチレン系エラストマーは、その重合法として、例えば気相流動床法、溶液法、スラリー法や高圧重合法などにより、エチレンと共重合コモノマーを共重合することにより得られる。重合触媒としては、ハロゲン化チタンのようなチタン化合物、バナジウム化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルコキシアルミニウム−マグネシウム錯体のような有機アルミニウム−マグネシウム錯体や、アルキルアルミニウム或いはアルキルアルミニウムクロリドなどの有機金属化合物との組合せによるいわゆるチーグラー型触媒、もしくはWO−91/04257号公報等に示されるようなメタロセン系触媒が挙げられる。なお、メタロセン系触媒と称せられる触媒は、アルモキサンを含まなくてもよいが、好ましくはメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、いわゆるカミンスキー系触媒のことである。
スチレン系エラストマーは、一般的なアニオンリビング重合法で製造する事が出来る。これには、逐次的にスチレン、ブタジエン、スチレンを重合しトリブロック体を製造した後に水添する方法(SEBSの製造方法)と、スチレン・ブタジエンのジブロック共重合体をはじめに製造し、カップリング剤を用いてトリブロック体にした後、水添する方法がある。また、ブタジエンの代わりにイソプレンを用いる事により、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体の水素添加物(SEPS)とする事も出来る。
(C)炭素繊維
本発明で用いる炭素繊維は、繊維径が2μmより大きく15μm以下であり、繊維長が1〜20mmである。繊維径が2μm以下の場合、本発明における特定のポリプロピレンと特定のエラストマーとの溶融混練時のせん断力下では、折損によりペレットあるいは成形体の最終繊維長が0.3mmを下回るため好ましくなく、繊維径が15μmを超えると繊維のアスペクト比が低下することに伴いまた本発明の樹脂配合系では補強効率の低下が起きてしまうため、夫々好ましくない。繊維長が1mm未満の場合、最終繊維長が0.3mmを下回る事により剛性や耐熱性等の補強効果が劣るため好ましくなく、繊維長が20mmを超えると、成形体とした時の成形体表面の外観が著しく低下してしまうため好ましくない。炭素繊維としては、タールピッチを主原料とするピッチ系炭素繊維と、アクリロニトリルを主原料とするPAN系炭素繊維のどちらかを用いるか、あるいは併用しても良いが、純度・均一性等の観点から、PAN系炭素繊維がより好適に用いられる。炭素繊維長保持率を高めるために、繊維径が2μmより大きく15μm以下というような、直径にも配慮しており、しかも繊維長も1〜20mmという程度の溶融混練にも対処でき、しかも成形品の強度を考慮した、取り扱いの便利なサイズとしている。これは、炭素繊維の溶融混練後においても、樹脂の特性を維持しながら、平均炭素繊維長さを0.3〜20mmの範囲内に保持させる為に、混連前の炭素繊維の寸法を1〜20mmというような特定の範囲にすることにより、本件発明の特有の効果を発現させる為の技術的な工夫によるものである。
これらの炭素繊維は、繊維原糸を所望の長さに裁断した、所謂チョップドカーボンファイバーとして用いる事が出来、又必要に応じて、各種サイジング剤を用いて収束処理されたものであっても良い。この繊維収束に用いるサイジング剤は、PPとの溶融混練において融解する必要があるため、200℃以下で溶融するものであることが好ましい。
また、このチョップドカーボンファイバーの形状は、直線状のものだけでなく、繊維が湾曲したカール状のカーボンファイバーであっても良い。
このようなチョップドカーボンファイバーの具体例としては、PAN系炭素繊維では、東レ(株)社製商品名「トレカチョップ」、三菱レーヨン(株)社製商品名「パイロフィル(チョップ)」、東邦テナックス(株)社製商品名「ベスファイト(チョップ)」等を挙げる事が出来、ピッチ系炭素繊維では、三菱化学産資(株)社製商品名「ダイアリード」、大阪ガスケミカル(株)社製商品名「ドナカーボ(チョップ)」、呉羽化学(株)社製商品名「クレカチョップ」等を挙げる事が出来る。
これらの炭素繊維は、上記(A)及び(B)成分と共に溶融混練されてポリプロピレン系樹脂組成物となるが、この溶融混練の際には、得られた樹脂組成物ペレット、あるいは成形体中に存在する炭素繊維の平均長さが0.3mm以上となるような複合化方法を選択するのが好ましい。例えば、2軸押出機による溶融混練では、(A)及び(B)成分を十分に溶融混練した後、炭素繊維成分をサイドフィード法等によりフィードし、繊維の折損を最小限に押さえながら、収束繊維を分散させる等が好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分を複合化する事により得られるが、その配合比は、A:B:C=30〜95:5〜50:0.5〜20(重量%)である。(A)〜(C)成分の配合比が上記範囲を逸脱すると、後述するように樹脂組成物全体としての各種物性が低下してしまうため、好ましくない。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、その密度(JIS K7112に準拠して測定する)が1.00未満、好ましくは0.95未満である。またペレットあるいは成形体とした際の中に存在する炭素繊維の平均繊維長が0.3mm〜20mmである事が好ましい。平均繊維長が0.3mm未満の場合、後述するペレットあるいはこれによる成形体の各種物性が低下してしまうため好ましくなく、20mmを超えると、成形体とした時の外観が著しく低下してしまうため好ましくない。この平均繊維長は、ペレット断面を光学顕微鏡等により観察する事により確認できる。また、この平均繊維長は、炭素繊維とブロック共重合体及びエラストマーを溶融混練する際、例えば、炭素繊維のフィード方法やスクリュー回転数、押出量等の混練条件を制御する事により、調整する事が出来る。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、上述した成分の他に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、その他の成分が配合されていてもよい。この様なその他の配合成分としては、着色するための顔料、フェノール系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、帯電防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤、紫外線吸収剤、有機アルミ・燐酸エステル等の各種造核剤、有機過酸化物、酸無水物、分散剤、中和剤、発泡剤、銅害防止剤、滑剤、難燃剤、カーボンブラック、ビニルエステル、カーボンナノチューブ、フラーレン、塗装改質剤、各種カップリング剤等を挙げることができる。また、本発明は疎水性ポリプロピレン樹脂との炭素繊維の複合効果を高める為に、シランカップリング剤、有機チタネートのような、汎用のカップリング剤で炭素繊維を表面処理する態様も本発明に包含するが、特に、未処理の炭素繊維でも本発明は達成される。
一方、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、密度が低く軽量性に優れていることが重要である為、以下に示すような無機フイラーを添加する積極的な意味はない。この様な無機フィラーとしては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、等の金属類、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、カオリンクレー、ガラス繊維、チタン酸カリウムウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、珪酸カルシウムウイスカー等を挙げることが出来る。これらの無機フィラーを積極的に添加した場合には焼却時には灰分が残ることになり、またリサイクル性の上では障害となる。しかし、軽量で、本発明の組成物の強度を向上させる為には、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの、汎用の焼却残渣にない各種の工業用有機繊維または有機添加物を併用することも本発明の態様として包含する。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分を必須としながら、ポリプロピレン樹脂の性質を補足する他の樹脂を、炭素繊維の破損を防止するということを考慮しながら、例えば、エチレンー酢酸ビニル共重合体のような、各種ブレンド用高分子材料、鉱油、テルペン、クマロン樹脂のような、天然樹脂、天然ゴム、共役ジエン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブチルゴムなどの天然又は合成ゴムのような、いわゆる高分子可塑剤又は加工助剤として機能するもの、あるいは耐衝撃性改良に機能するような、各種高分子材料を1〜20重量%程度併用することもできる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、前述した炭素繊維の複合化を除けば、特に制限無く、従来公知の方法で、炭素繊維以外の配合成分を混合し、溶融混練することにより製造することが出来るが、炭素繊維以外の成分の分散を良好にしながら、炭素繊維に対してはその折損を防止する工夫が必要で、この相反する目的に対しては、サイドフィーダーを備えた2軸押出機を用いてなるべく後工程のサイドフィーダーから投入することが最も好ましい方法として推奨される。
このようにして得られた本発明のプロピレン系樹脂組成物は、公知の各種方法による成形に用いることができる。例えば射出成形(ガス射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、中空成形、カレンダー成形、インフレーション成形、一軸延伸フィルム成形、二軸延伸フィルム成形等にて成形することによって各種成形品を得ることができる。このうち、射出成形、射出圧縮成形、押出成形がより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ペレット化したもの或いは成形体として、密度(JIS K7112に準拠して測定)が1.00g/cc未満、樹脂組成物ペレット中に存在する炭素繊維の平均繊維長が0.3mm〜20mm、MFR(JIS K7210に準拠、温度230℃、荷重21.16Nで測定)が10〜130g/10min、曲げ弾性率(JIS K7171に準拠して測定)が1400〜6000MPa、好ましくは1500〜5000MPa、23℃と−30℃のアイゾッド衝撃強度(JIS K7110に凖拠)が夫々400J/m以上、50J/m以上、好ましくはそれぞれ450J/m,60J/m以上、引張伸び(JIS K7113に準拠)が200%以上、荷重たわみ温度(JIS K7191に準拠、0.45MPaの条件下)が80℃以上、であることが好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、無機フィラーを事実上含まず、上記物性を有しているため、軽量性と物性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物である。この為、年々使用量が増大している自動車部品等の各種工業部品分野、特に薄肉化、高機能化、大型化された各種成形品、例えばバンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ガーニッシュなどの自動車部品やテレビケースなどの家電機器部品などの各種工業部品用成形材料として、実用に十分な性能を有している。又、本来ポリプロピレンは熱可塑性樹脂であるため繰り返し使用が可能で、マテリアルリサイクルに適した材料といえるが、本発明のような無機フィラーレスを実現する事により、サーマルリサイクルに対しても有用な材料とする事が可能となった事は、地球環境保護の為のリサイクル運動を推進していく上で、工業的価値は大きい。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
尚、実施例に於ける各種物性の測定は、下記要領に従った。
(1)MFR(単位:g/10min):JISK7210 条件14に準拠し、230℃、21.18N荷重で測定した。
(2)曲げ弾性率(単位:MPa):JIS−K7171に準拠して23℃下で測定した。
(3)アイゾット(IZOD)衝撃強度(単位:kJ/m):JIS−K7110に準拠し、23℃、及び−30℃で測定した。
(4)荷重たわみ温度(単位:℃):JIS−K7191−2に準拠して、0.45MPaの条件で測定した。
(5)引張破断伸度(単位:%):JIS−K7113に準拠して、1号形試験片にて、引張速度10mm/minの条件で測定した。
(6)密度(単位:g/cc):JIS−7112に準拠して、水中置換法にて測定した。
(7)樹脂組成物中の炭素繊維の平均長さ(単位:mm):ストランドカットしたペレットをストランドカット面に垂直に裁断し、裁断面を反射型光学顕微鏡(インテルプレイ社製:MODEL.APB−24221−99A)を用いて、60倍の倍率で観察し、観察された繊維の長さを平均化して、平均長さとした。
(A)プロピレン・エチレンブロック共重合体
表1に示すプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いた。
原材料
(1)プロピレン・エチレンブロック共重合体
製造例1〜4で得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−1〜PP−4)を用いた。PP−1からPP−4の物性を表1に示す。
(製造例1)
(i)チーグラー触媒の製造
充分に窒素置換した10L反応器に、脱水および脱酸素したn−ヘプタン4000mlを導入し、次いでMgClを8モル、Ti(O−n−Cを16モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークス)を960ml導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。次いで、充分に窒素置換した10L反応器に、上記と同様に精製したn−ヘプタンを1000ml導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で4.8モル導入した。次いでn−ヘプタン500mlにSiCl8モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン500mlにフタル酸クロライド0.48モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、SiCl200mlを導入して80℃で6時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し固体成分を得た。このもののチタン含量は1.3重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを1000ml導入し、上記で合成した固体成分を100グラム導入し、(t−C)Si(CH)(OCH24ml、Al(C34グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする固体触媒成分(1)を得た。このもののチタン含量は1.1重量%であった。
(ii)プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造
上記で得た固体触媒成分(1)及びトリエチルアルミニウムを使用し、第1重合工程として反応部容積280Lを有する流動床式気相反応器を用い重合温度85℃、プロピレン分圧22kg/cmの条件下プロピレン単独重合を連続的に行った。この時、固体触媒成分は1.8g/hrの速度で、またトリエチルアルミニウムを5.5g/hrの速度で連続的に供給した。第1重合工程より抜き出されるパウダーを25kg/hrで連続的に第2重合工程として用いる反応部容積280Lを有する流動床式気相反応器に送り、プロピレンとエチレンの共重合を連続的に行った。第2重合工程から連続的に27kg/hrのポリマーを抜き出した。各重合工程での水素濃度は1槽目でH/プロピレン=0.058モル比、2槽目でH/(エチレン+プロピレン)=0.01モル比にコントロールすることにより分子量を制御した。ゴム状プロピレン・エチレン共重合体部のエチレン組成は第2重合工程でのプロピレンとエチレンのガス組成をプロピレン/エチレン=55/45モル比にコントロールすることによりプロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−1)を得た。1段重合槽から抜き出したプロピレン単独重合体のアイソタクチックペンタッド分率は0.985、MFRは210g/10分、2段目重合槽から抜き出したプロピレン・エチレンブロック共重合体のMFRは110g/10分であった。
(製造例2)
製造例1の第1重合工程の水素量を0.045(モル比)、第2重合工程の水素量を0.008(モル比)にする以外は製造例1と同様にしてプロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−2)を得た。
(製造例3)
(i)固体触媒成分(2)の製造
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgClを0.4モル、Ti(O−n−Cを0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl0.2モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で4時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄して塩化マグネシウムを主体とする固体触媒成分(2)を得た。このもののチタン含量は3.5重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、SiCl0.2モル、(t−C)Si(CH)(OCH2.8ミリリットル、Al(C9.0グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする固体触媒成分(2)を得た。このもののチタン含量は、3.0重量%であった。
(ii)プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造
上記の固体触媒成分(2)を用いる以外は製造例1と同様の条件で、プロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−3)を得た。
(製造例4)
第1重合工程の水素量を、各々0.032(モル比)、0.015(モル比)にし、第2重合工程の水素量を0.01(モル比)にする以外は製造例1と同様にしてプロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−4)を得た。
以下、得られたPP−1からPP−4の組成、特性等は以下の表1の通りである。
(B)エラストマー
下記表2に示すエチレン系及びスチレン系エラストマーを用いた。
(C)炭素繊維 又は 無機フィラー
下記表3に示すチョップドカーボンファイバーとタルクを用いた。
<実施例>
下記表4に示す原料配合及び混練条件にて、(A)〜(C)の各成分を、2軸押出機(日本製鋼所製:TEX30αII)を用いて複合化した。
この際、実施例1〜10では炭素繊維の折損を防止する為、(C)成分はスクリュー先端側に設置したサイドフィーダーを用いて、サイドフィード法により供給した。なお、実施例11及び12では、サイドフィード法によらず根元ホッパーから投入した。
尚、全て、安定剤として、上記(A)〜(C)成分に加えて、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:イルガノックス1010)を0.1重量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:イルガフォス168)を0.05重量部と、ステアリン酸カルシウムを0.3重量部、配合して溶融混練した。
得られたペレットを用いて、東芝機械(株)社製IS170射出成形機(型締力170t)を用いて、各種試験片を成形した。採取した試験片は、23℃の恒温室で7日間状態調節した後、各種物性を測定した。評価結果を表5に示す。
<比較例>
表6に示す原料配合にて、実施例と同様にして、(C)成分はスクリュー先端部に設置したサイドフィーダーを用いて、サイドフィーダー法により、(A)〜(C)の各成分を複合化した後、試験片を成形し、各種物性を測定した。
評価結果を表7に示す。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、焼却灰の原因となる無機フィラーを事実上含まず、高度な物性バランスを有しているため、サーマルリサイクル性と物性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物である。この為、年々使用量が増大している自動車部品等の各種工業部品分野、特に薄肉化、高機能化、大型化された各種成形品、例えばバンパー、インストルメントパネル、ガーニッシュなどの自動車部品やテレビケースなどの家電機器部品などの各種工業部品用成形材料として、実用に十分な性能を有している。又、本来ポリプロピレンは熱可塑性樹脂であるため繰り返し使用が可能で、マテリアルリサイクルに適した材料といえるが、本発明のような無機フィラーレスを実現する事により、サーマルリサイクルに対しても有用な材料とする事が可能となった事は、地球環境保護の為のリサイクル運動を推進していく上で、工業的価値は大きい。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(C)成分からなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、その密度が1.00未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
    (A)プロピレン単独重合体部分(以下ホモ部分と記す。)とプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体部分(以下共重合部分と記す。)とからなるプロピレン・エチレンブロック共重合体であって、ホモ部分のアイソタクチックペンタッド分率が98%以上、共重合部分のプロピレン含量が45〜85重量%、ガラス転移温度が−40℃以下、重量平均分子量が50万〜200万であり、且つブロック共重合体としてのメルトフローレートが50〜150(g/10分)であるプロピレン・エチレンブロック共重合体:30〜95重量%、
    (B)メルトフローレートが0.1〜20(g/10分)で、密度が0.850〜0.910(g/cc)のエチレン系又はスチレン系エラストマー:5〜50重量%、
    (C)繊維径が2μmより大きく15μm以下であり、繊維長が1〜20mmの炭素繊維:0.5〜20重量%。
  2. 請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物から得られたペレット或いは成形体であって、存在する炭素繊維の平均繊維長さが0.3mm以上20mm未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物の成形体。
  3. (B)エチレン系エラストマーが、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体又はエチレン・オクテン共重合体から選ばれたエラストマーであって、エチレンと共重合したコモノマー成分の含量が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. (B)スチレン系エラストマーが、下記構造を有するスチレン系水添ブロック共重合ゴムであって、そのポリスチレン構造を有するAセグメントの含量が1〜25重量%であることを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    A−B 又は、A−B−A
    (但し、Aはポリスチレン構造セグメントを示し、Bはエチレン・ブテン又はエチレン・プロピレンの構造セグメントを示す。)
  5. ポリプロピレン系樹脂組成物の成形体が、車両用外装部品又は内装用部品、あるいは家電製品用ハウジングである請求項2に記載の成形体。
  6. ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレートが10〜130(g/10min)、曲げ弾性率が1400〜6000MPa、23℃で測定されたアイゾッド衝撃強度が400(J/m)以上、−30℃で測定されたアイゾッド衝撃強度が50(J/m)以上、引張伸びが200(%)以上、荷重たわみ温度が0.45MPaの条件下で80℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物あるいはその成形体。
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