JPH0590208U - 調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能の電熱加熱制御を行う調理器を得る。 【構成】 電熱ヒーター４と、この電熱ヒーター４から
の加熱エネルギーが供給される加熱室１と、この加熱室
１の温度を検知するための温度センサー５と、食品に焦
げ目を付ける自動グリル調理を設定指示する自動調理キ
ー１２と、この自動調理キー１２からの指示に応えて、
予め設定した平均温度Ａに対し食品に焦げ目を付ける一
定の温度差（α）分上昇して温度（Ａ＋α）になったと
きに前記電熱ヒーター４の通電を停止させるとともに逆
に前記温度差（α）分降下して温度（Ａ−α）なったと
き再通電させる制御を所定時間に亘って行う制御装置７
とで構成したので、電熱加熱による調理性能を良くし、
小形で設置性の良い調理器を実現できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電熱装置による加熱で食品を加熱する調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

オーブン調理器の多機能化が進み、１台でいろいろな調理が可能になり、調理 性能の向上だけでなく、省スペースな設置性の良さにより市場に浸透してきた。 このような調理器には、高温になる電熱ヒーターで焦げ目をつけるもの小さい 加熱室と速熱ヒーターの組合せでパンに焦げ目をつけるトースター、ヒーターに より加熱室内の温度を上げ食品を焼き上げるオーブンがある。これらに使用する 電熱ヒーターには数多くの種類があり、それぞれ特徴をもって実用化されている 。グリル、トースター、オーブンの調理性能を向上させるために、電熱ヒーター の表面温度をあげることで強い焦げ目を付けたり、加熱室の温度の立上り性能を 早めたりしている。また、食品のおいしさを損なわないように、食品によっては 加熱室の平均温度を上げて調理する。このため通常は、加熱室の温度を検知する センサーの温度設定を高くし、５〜１０℃のデファレンシャルで加熱室内が平均 温度２５０℃から３００℃になるように電熱ヒーターの通電の制御する加熱制御 が実施されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

電熱ヒーターの表面温度や加熱室の平均温度を上げることで、調理性能は向上 するが、電気部品の温度上昇が避けられなくなり、電気部品の寿命が短くなった り、製品の外郭の温度が上昇して設置性が悪くなるといった問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述の問題点を解決するためになされたもので、電熱加熱する電熱ヒ ーターと、この電熱ヒーターの加熱エネルギーが供給される加熱室と、加熱室の 温度を検知するための温度センサーと、食品に焦げ目を付ける自動グリル調理を 設定指示する自動調理キーと、この自動調理キーからの指示に応えて温度センサ ーが検知した温度が、予め設定した平均温度Ａに対し食品に焦げ目を付ける一定 の温度差（α）分上昇して温度（Ａ＋α）になったときに前記電熱ヒーターの通 電を停止させるとともに逆に前記温度差（α）分降下して温度（Ａ−α）なった ときに前記電熱ヒーターに通電させる制御を所定時間に亘って行う制御装置とで 調理器を構成したものである。

【０００５】 また、制御装置を冷却するためのほか加熱室内を冷却するために冷却風を送風 するファンを設け、自動調理キーからの指示に応えて加熱を開始する時に温度セ ンサーの検知する温度が第一の所定値以上である場合に、その第一の所定値より 低い第二の所定値以下になるまでそのファンを回転動作させ、その後加熱動作を 開始しさせるように制御するものである。

【０００６】

【作用】

上記構成により、グリル調理時に食品に短時間で焦げ目を付けるための自動調 理キーのからの指示に応えて制御装置は予め設定した平均温度Ａに対して食品に 焦げ目を付ける一定の温度差（α）分を加減した温度範囲即ちデファレンシャル ６０℃で電熱ヒーターに通電させる制御を所定時間に亘って行うので、最高温度 を２３０℃最低温度を１７０℃とし平均温度２００℃となるよう温度制御される 。このような平均温度２００℃のオーブンにより従来のデファレンシャル５〜１ ０℃で平均温度が２３０℃から２５０℃のオーブンに劣らない調理性能が発揮さ れ、所定時間で確実に焦げ目付け加熱が終了する。また電気部品の温度が上昇し なくなり、製品の外郭の温度が上昇することもなくなる。

【０００７】 また繰返し加熱が行われた場合であって、加熱開始時に温度センサーの検知す る温度が所定値以上であるときには、それより低い所定の温度が検出されるまで ファンを回転動作させ、その後加熱動作を開始しさせるので、加熱室と制御装置 とがファンにより冷却され、製品の外郭の温度も上昇することもなくなる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図１〜図４を用いて説明する。

【０００９】 １は加熱室、２は食品、３は高周波を発振するマグネトロンで食品２を加熱す るためものである。４は食品２を電気加熱する電熱ヒーターで加熱室１の内部や 加熱室壁面に隣接して設置されている。５はサーミスタからなる温度センサーで 加熱室１内の温度を検知するため加熱室１内もしくは加熱室１の排気穴６外側に 設けられている。７は後述する制御装置、８は食品２の出入れ用のドアで加熱室 １の前面に設けられている。９は操作部で加熱時間を設定したり調理の加熱機能 を選択する加熱条件設定部からなりドア８に横設されている。Ｂは調理器の外郭 でプラスチック製のドア８と操作部９と金属性のキャビネット１５より構成され ている。

【００１０】 操作部９には、高周波加熱や電熱加熱のときの加熱時間を設定する時間キー１ ０と電熱加熱のときの加熱室の平均温度を設定する温度調節キー１１と、食品に 焦げ目を付ける自動グリル調理を設定指示する自動調理キー１２及び他の自動調 理キー（１２−１、１２−２、・・・・）が設けられ、また、自動調理が、使用する 人の好みで調節できるように、強め、弱めを選択するキー１６が設けられている 。

【００１１】 制御装置７の入力側には温度センサー５と操作部９が接続され、出力側には電 熱ヒーター４、マグネトロン３に接続する高周波発振用の電源部品１４及び駆動 用のモーター２２を有するファン２１が接続されている。また、制御装置７には マイコン１３が設けられており、時間キー１０により設定された加熱時間の制御 を行うと共に温度センサー５の情報により記憶された内容に応じて加熱室１の温 度を設定どおりになるようにする制御を行うものである。時間キー１０は高周波 加熱のときは１０秒から約１５分まで設定でき、電熱加熱のときは１分から１５ ０分まで設定できる。電熱加熱のときの温度キー１１は１００℃から２００℃ま で設定できる。

【００１２】 また、制御装置７は、自動調理キー１２からの指示に応えて、デファレンシャ ルが６０℃、平均温度２００℃、最高温度２３０℃、最低温度１７０℃の温度制 御が選択して、加熱開始時に温度センサー５が検知する加熱室１の温度が１００ ℃以上のときにはファン２１を動作させ、温度が１００℃に下がったときにファ ン２１の動作を停止させ、加熱を開始するものである。

【００１３】 また、自動調理キー１２と強め、弱めキー１６を選択して加熱時間を３種類に 可変できる。

【００１４】 次にこのように構成された実施例の作用を説明する。

【００１５】 図３は本考案の調理器の電熱加熱による加熱室１内の温度特性を示す。

【００１６】 １７は従来の温度特性で、加熱時間を時間キー１０で設定し、温度キー１１で 加熱室１内の平均温度を設定可能な最高温度の２００℃に設定したときの加熱室 １の温度特性を示す。１８は本考案による温度特性で、自動調理キー１２からの 指示に応えて、制御装置７は上記の制御を行ったときの加熱室１の温度特性を示 す。従来の温度特性１７は加熱室１の温度が２０５℃になると温度センサー５が 検知し、制御装置７が電熱ヒーター１４の通電を停止し、１回目の停止ではオー バーシュートで２０５℃以上になり、１９５℃になると温度センサー５が検知し 、制御回路７が電熱ヒーター４の再通電を開始し、加熱開始後しばらくは加熱室 １の温度は大きい幅で変化するが、徐々に２０５℃から１９５℃の１０℃のデフ ァレンシャルで安定し、平均温度で２００℃になる。本考案による温度特性１８ は加熱室１の温度が２３０℃になると温度センサー５が検知して、電熱ヒーター ４の通電を停止し、１７０℃になると再通電を開始し、加熱を開始してしばらく すると６０℃のデファレンシャルで安定し、平均温度で２００℃になり、所定時 間になると加熱を停止する。

【００１７】 図４は制御装置７を構成する１部品を例にその温度特性を示す。

【００１８】 １９は従来の温度特性１７のときの部品の温度特性、２０は本考案による温度 特性１８のときの部品の温度特性で本考案の場合には温度の勾配は温度特性１９ より少し急であるが加熱時間が短いため７５℃になる前に加熱が終了する。この 動作が繰り返される場合、加熱開始の指示時に温度センサー５が検知した温度が １００℃以上のときにはファン２１を動作させ、制御装置７や加熱室１を冷却し 、加熱室１の温度が１００℃になると送風を停止させ、それから加熱を開始する 。

【００１９】 従って、電気部品の温度が上昇することもなくなり部品の法的基準はもちろん 満足し、寿命信頼性も十分確保できる。また、製品の外郭Ｂの温度が上昇するこ ともなくなり設置性がより一層良くなる。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、グリル調理時に食品に短時間で焦げ目を付ける ための自動調理キーのからの指示に応えて、制御装置は予め設定した平均温度Ａ に対し一定の温度差（α）分を加減した温度範囲で電熱ヒーターに通電させる制 御を所定時間に亘って行い、また加熱開始時に加熱室が所定温度以上の時には、 制御装置を冷却しかつ加熱室内に冷却風を送風するファンとで構成したので、電 気部品の温度が上昇することもなくなり部品の法的基準はもちろん満足し、寿命 信頼性も十分確保できる。また、製品の外郭の温度が上昇することもなくなり設 置性がより一層良くなる。

【００２１】 従って、製品の外形寸法が小さくコンパクトな設置性の優れた調理器を調理性 能を損なわずに提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例を示す調理器の要部断面図であ
る。

【図２】本考案一実施例を示す調理器の正面図である。

【図３】本考案一実施例を示す調理器の加熱室内の温度
特性を示す図である。

【図４】本考案一実施例を示す調理器の制御装置内の１
部品の温度特性を示す図である。

【符号の説明】

１ 加熱室 ２ 食品 ３ マグネトロン ４ 電熱ヒーター ５ 温度センサー ７ 制御装置 １２ 自動調理キー ２１ ファン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電熱ヒーター（４）と、この電熱ヒータ
   ー（４）からの加熱エネルギーが供給される加熱室
   （１）と、この加熱室（１）内の温度を検知する温度セ
   ンサー（５）と、食品に焦げ目を付ける自動グリル調理
   を設定指示する自動調理キー（１２）と、前記自動調理
   キー（１２）からの指示に応えて前記温度センサー
   （５）の検知した温度が予め設定した平均温度（Ａ）に
   対して食品に焦げ目を付ける一定の温度差（α）分上昇
   して温度（Ａ＋α）になったときに前記電熱ヒーター
   （４）の通電を停止させると共に逆に前記温度差（α）
   分降下して温度（Ａ−α）なったときに前記電熱ヒータ
   ー（４）に通電させる制御を所定時間に亘って行う制御
   装置（７）とで構成したことを特徴とする調理器。
2. 【請求項２】 前記制御装置（７）を冷却するためのほ
   か前記加熱室（１）内を冷却するために冷却風を送風す
   るファン（２０）を前記制御装置（７）に接続させ、前
   記制御装置（７）は、前記自動調理キー（１２）からの
   指示に応えて加熱開始時に前記温度センサー（５）の検
   知する温度が第一の所定値以上であるときに、その第一
   の所定値より低い第二の所定値以下になるまで前記ファ
   ン（２０）を回転動作させ、その後加熱動作を開始させ
   るよう制御するものであることを特徴とする請求項１記
   載の調理器。