JPH0587873B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この発明は、自動両替機に関する。

銀行などの金融機関においては高額紙幣を小額
貨幣に両替する業務がある。この両替業務を銀行
員が行なうと非常に面倒であり、そのほかの業務
に支障をきたすため自動両替機が利用されてい
る。自動両替機では、両替すべき紙幣が投入さ
れ、両替を希望する小額貨幣の金種と数量が指定
入力されると、指定された金種、数量の貨幣が放
出される。

このような自動両替機では両替指定された金
種、数量の合計金額が自動両替機に投入された貨
幣の金額に等しくなることが必要である。このた
め顧客が自動両替機に投入した貨幣の合計金額の
うち一部の金額について金種および数量の両替を
希望し、残額についてはとくに金種を指定して両
替をする必要がないときであつても、残額分につ
いての両替指定操作をしなければならず、両替の
ための設定操作が非常に面倒であり、自動両替機
の稼働率の低下を招いていた。

このような問題を解決するために残高払出用ス
イツチを有する自動両替機が提案されている（た
とえば特開昭52−82390号公報参照）。この自動両
替機によると、被両替貨幣を自動両替機に投入し
希望する金種および数量を両替指定を行なつたの
ち、残高が生じたときには、残高払出用スイツチ
を操作すると、投入金額から指定両替金額の総額
を差引いた残高が、あらかじめ定められた貨幣に
より自動的に支払われる。したがつて両替設定時
間の短縮化を達成することができる。

しかしながら、上記の自動両替機においては残
額払出用スイツチの押下によつて支払われる貨幣
の金種はあらかじめ定められており顧客が自由に
設定することはできない。顧客が全く希望しない
不本意な金種に両替されてしまうということもあ
り、機械の操作性および残額についての金種設定
の自由度がなく、顧客は非常に不便に感じてしま
うという問題がある。

発明の概要 この発明は、希望金額、数量の両替設定後の残
金について顧客が希望する金種を設定することの
できる自動両替機を提供することを目的とする。

この発明は、被両替投入現金を受入れ、その総
額を計数する現金受入手段、両替可能な金種のそ
れぞれについて金種と数量とを設定するための両
替金種設定スイツチ、上記両替金種設定スイツチ
を用いて両替設定された金種と数量を記憶する両
替設定内容記憶手段、上記現金受入手段によつて
計数された投入現金の総額から上記両替設定容記
憶手段に記憶されている金額の合計額を減算して
残り金額を算出する手段、上記算出手段によつて
算出された残り金額を記憶する残り金額記憶手段
を備え、上記残り金額記憶手段に記憶されている
残り金額が零になつたときに上記両替設定内容記
憶手段に記憶されている金種と数量の現金を放出
する自動両替機において、残り金額を指定された
一金種で両替することを設定するための一括設定
スイツチを設け、上記一括設定スイツチにより一
括設定が入力され、その後上記両替金種設定スイ
ツチから金種指定入力があつたときに、この金種
設定入力により指定された金種について上記残り
金額記憶手段に記憶されている残り金額の全額に
相当する数量を上記両替設定内容記憶手段に記憶
するようにしたことを特徴とする。

この発明による自動両替機を利用する顧客は、
両替を希望する金種が一種類の場合には、一括設
定スイツチを用いて一括設定を入力するととも
に、両替を希望する金種を両替金設定スイツチを
用いて指定する。すると、そのときの残り金額の
全額を指定された金種で両替設定される。

顧客は投入金額の全額について一括設定により
同一金種に両替することもできるし、投入金額の
一部を両替設定したのちの残り金額についてのみ
一括設定で同一金種に両替することもできる。

顧客が投入金額のすべてを同一金種で両替する
ことを希望する場合には、一括設定をしたのち希
望金種を一度入力するだけですべての両替設定操
作が終了する。また、投入金額の一部について従
来のやり方で両替設定したのちに、残り金額の全
部を同一金種で両替したい場合にも、一括設定を
した上で希望する一金種を一度設定するだけでよ
い。

このようにして、一括設定入力をしさえすれ
ば、たつた一度希望金種入力を行なうだけで残り
金額すべてについて希望の金種への両替が行なわ
れる。したがつてこの自動両替機によると金種設
定の自由度が高く、残り金額が全く不本意な金種
に両替されてしまうという不都合もない。

実施例の説明 第１図は自動両替機の外観を示している。自動
両替機の前面のほぼ垂直に立上つた操作面には、
操作パネル１、両替可能であることを示す取扱い
表示器５、取消し用照光式押ボタン・スイツチ６
および呼出し用照光式押ボタン・スイツチ７が設
けられている。ほぼ水平な操作面には、紙幣の入
出口２、筒硬貨取出口３、バラ硬貨取出口４およ
び硬貨台８が設けられている。また係員キー９も
備えられている。必要ならば、カード挿入口１
１、両替操作手順を音声で案内するスピーカ１２
および顧客検知センサ１３などを設けることが好
ましい。

第２図は操作パネル１を示している。操作パネ
ル１には、顧客による両替操作手順を文章で記載
した案内部（第２図には示されていない）、表示
器群および押ボタン・スイツチ（以下単に押ボタ
ンという）群が設けられている。表示器として
は、紙幣入出口２に投入された被両替紙幣の総額
を表示する預り金額表示器３１、投入金額から両
替設定ずみの金額を減算して得られる残り金額の
表示器３２、両替設定ずみの各金種ごとの金額を
表示するための金種別設定金額表示器３３があ
る。押ボタンには、両替金種設定用の押ボタン３
４とフアンクシヨン押ボタンとがある。フアンク
シヨン押ボタンには、残り金額を千円札（必要な
らば500円札）で両替設定するための残金紙幣押
ボタン３７、残り金額を同一金種で両替設定する
ための一括設定押ボタン３６、および訂正押ボタ
ン３８がある。

金種には、５千円札、千円札、500円孔、500円
硬貨、100円硬貨、50円硬貨および10円硬貨があ
る。紙幣に対しては、金種設定押ボタンによつて
１枚、５枚、10枚、50枚などを１単位として設定
できる。硬貨には、バラ硬貨と筒硬貨とがあり、
押ボタンによつてそれぞれ１枚、10枚および１
本、２本、４本、10本などを１単位として設定す
ることができる。第２図において、各押ボタンの
左肩の三角印は筒硬貨を表わしており、左右両肩
の三角印はバラ硬貨を表わしている。操作パネル
１の押ボタンはすべて照光式のものである。

第３図は、自動両替機の電気的な構成を示して
いる。自動両替機はCPU４０によつて制御され
る。CPU４０は、そのプログラムを記憶するメ
モリ（ROM）４１と各種データを記憶するメモ
リ（RAM）４２とを備えている。またこのCPU
４０には入力ポート４３および出力ポート４４を
介して、操作パネル１、紙幣入出口２の奥に設け
られたビルチエツカ４５、取消しおよび呼出し用
押ボタン６および７、紙幣入出口２、筒硬貨取出
口３およびバラ硬貨取出口４内にそれぞれ設けら
れた放出現金抜取検知器４６、取扱い表示器５、
ならびに各種紙幣および各種硬貨の収納箱の駆動
装置および搬送装置（図示略）が接続されてい
る。必要ならば、カード挿入口１１の奥に配置さ
れるカードリーダ４７、顧客センサ１３およびス
ピーカ１２もCPU４０によつて制御される。さ
らに、紙幣、硬貨の出入口、取出口やカード挿入
口にフリツカ表示器を設ける場合にはこれらもま
たCPU４０に接続される。

第４図は、データ用メモリ４２の内容の一部を
示している。メモリ４２には、投入金額の総額お
よび残り金額をそれぞれ記憶するエリヤ、ならび
に各金種ごとに両替設定された枚数または本数お
よび金額を記憶する両替設定エリヤが設けられて
いる。

第５図は自動両替機の全体的な動作を示してい
る。紙幣入出口２に被両替紙幣が投入されると
（ステツプ（51））、投入された紙幣がビルチエツ
カ４５によつて鑑別されかつ計数される（ステツ
プ（52））。そして投入紙幣の総額が預り金額とし
てメモリ４２に記憶されるとともに表示器３１に
表示される（ステツプ（53））。この後、両替金種
設定操作および処理が行なわれる（ステツプ
（54））。両替設定が終ると、設定された金種の紙
幣、筒硬貨、バラ硬貨が設定された枚数、本数だ
け入出口２および取出口３，４に放出される（ス
テツプ（55））。これらの現金が抜取られれば両替
が終了する（ステツプ（56））。

第６図は両替設定処理（第５図ステツプ（54））
の詳細を示している。まず残り金額表示器３２に
投入金額と同額の数字が残り金額として表示され
るとともに、設定金額表示器３３のすべてに設定
金額として０が表示される。メモリ４２内の残り
金額記憶エリヤにも投入金額と同額が記憶され
る。またメモリ４２の両替設定エリヤがクリヤさ
れる。さらに金種設定押ボタン３４のうち投入金
額で両替設定可能な単位の押ボタンのみが点灯さ
れる。フアンクシヨン押ボタン３６〜３８も点灯
される（ステツプ（61））。

いずれかの押ボタンが押されると（ステツプ
（62））、それが点灯しているものかどうかがチエ
ツクされる（ステツプ（63））。消灯している押ボ
タンが押されてもその入力操作は無効である。押
された押ボタンが金種設定押ボタン３４か他の押
ボタン３６〜３８かがチエツクされる（ステツプ
（64）〜（66））。金種設定押ボタン３４が押され
た場合には、押された押ボタンの表わす金種の枚
数、本数、金額等がメモリ４２内の該当する両替
設定エリヤに記憶され、かつその金額が対応する
設定金額表示器３３に表示される（ステツプ
（67））。このステツプ（67）で両替設定された金
額が残り金額から減算されることにより新たな残
り金額が算出され、この新残り金額がメモリ４２
に記憶されるとともに表示器３２に表示される
（残り金額の更新、ステツプ（68））。また金種設
定押ボタン３４のうち新残り金額で両替不可能な
単位を表わす押ボタンが消灯される（ステツプ
（69））。両替設定された各金種ごとの金額の総和
が預り金額に等しくなれば設定完了である（ステ
ツプ（70））。両替設定が完了していなければステ
ツプ（62）に戻る。

残金紙幣押ボタン３７が押された場合には（ス
テツプ（65））、残り金額が千円札および必要なら
ば500円札を用いて両替設定されメモリ４２の該
当するエリヤに加算して記憶（更新）されるとと
もに、千円札（および500円札）の設定金額表示
器に両替設定された金額が加算して表示される
（ステツプ（71））。

一括設定押ボタン３６が押された場合には（ス
テツプ（66））、金種設定押ボタン３４のうち残り
金額で両替設定可能な押ボタンのみが点灯され
る、すなわち残り金額を押ボタンの単位で割つた
場合に余りの出る押ボタンは消灯される（ステツ
プ（72））。次に金種設定押ボタン３４のうち顧客
の希望する金種の押ボタンが押されるから（ステ
ツプ（73））、押されたものが点灯している押ボタ
ンであつて（ステツプ（74））、訂正押ボタン３８
が押されない場合には（表示（75））、残り金額の
すべてが押された押ボタンの単位（金種、金額）
によつて両替設定される。そして、両替設定され
たデータによつてメモリ４２の該当するエリヤが
更新され、かつ表示器３３のうちの該当するもの
の表示が更新される（ステツプ（76））。

ステツプ（66）でNOの場合には訂正押ボタン
３８が押されたのであるからステツプ（61）に戻
つて、両替設定操作、処理のやりなおしが行なわ
れる。ステツプ（75）でYESの場合も同様であ
る。

この実施例では、残り金額で両替設定可能な単
位を表わす金種設定押ボタンのみが点灯され、両
替設定不可能な押ボタンは消灯されている。そし
て、消灯されている押ボタンが押されてもその入
力は無視されている。したがつて、一括設定の場
合に、残り金額が０となるように、選択された金
種で両替設定することが可能である。残り金額を
選択された金種で両替設定したときに余りが出た
場合にはステツプ（62）に戻るようにすれば、ス
テツプ（72）〜（74）のような処理は必ずしも必
要なくなるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動両替機の外観を示す斜視図、第２
図は操作パネルの一部を示す正面図、第３図は自
動両替機の電気的な構成を示すブロツク図、第４
図はメモリの内容の一部を示す図、第５図は自動
両替処理の全体を示すフロー・チヤート、第６図
は両替設定処理を示すフロー・チヤートである。 １…操作パネル、３４…金種設定押ボタン・ス
イツチ、３６…一括設定押ボタン・スイツチ、４
０…CPU、４２…メモリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被両替投入現金を受入れ、その総額を計数す
   る現金受入手段、 両替可能な金種のそれぞれについて金種と数量
   とを設定するための両替金種設定スイツチ、 上記両替金種設定スイツチを用いて両替設定さ
   れた金種と数量を記憶する両替設定内容記憶手
   段、 上記現金受入手段によつて計数された投入現金
   の総額から上記両替設定内容記憶手段に記憶され
   ている金額の合計額を減算して残り金額を算出す
   る手段、 上記算出手段によつて算出された残り金額を記
   憶する残り金額記憶手段を備え、 上記残り金額記憶手段に記憶されている残り金
   額が零になつたときに上記両替設定内容記憶手段
   に記憶されている金種と数量に対応する現金を放
   出する自動両替機において、 残り金額を指定された一金種で両替することを
   設定するための一括設定スイツチを設け、 上記一括設定スイツチにより一括設定が入力さ
   れ、その後上記両替金種設定スイツチから金種指
   定入力があつたときに、この金種指定入力により
   指定された金種について上記残り金額記憶手段に
   記憶されている残り金額の全額に相当する数量を
   上記両替設定内容記憶手段に記憶するようにした
   ことを特徴とする自動両替機。