JPH0584414U - ベンディング装置における金型自動交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペースにて多量の交換用金型を備え、交
換タクトの短縮化を図る。 【構成】 ベンディング装置１に隣接して左右の係止部
材３９がオフセットされて無端状のチェン３５に吊下げ
られた金型セット３３を多数収納したゴンドラ型式の金
型ストッカ３１を設け、この金型ストッカ３１と前記ベ
ンディング装置１との間において上金型７、下金型９を
水平方向へ移動して金型交換を行なう金型交換装置４５
を設け、この金型交換装置４５に金型クランプ部６７を
支承したチェン５９を伸縮自在に移行させしめる駆動部
４９を備えた金型送り装置４７を設けてなることを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ベンディング装置における金型自動交換装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ベンディング装置に装着された金型を交換するには、フォークリフト等 の運搬装置により金型を収納した倉庫からベンディング装置の設置場所まで搬送 して、人手により交換する方法とか、ベンディング装置に隣接して金型を収納し た金型ストッカを設けて自動的に交換する方法が採用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した従来のベンディング装置における金型交換手段としての例 えば、人手による金型交換では、多くの時間と手間を要し機械の稼動率の向上を 図ることができず、安全作業の確保という面からも大きな障害となっていた。そ こで金型自動交換装置が近年多く採用されて来たが、いずれも金型収納数が少な く、交換タクトが長く、設置スペースが大きい等の問題があった。

【０００４】 この考案の目的は、上記問題点を改善するため、省スペースにて多量の交換用 金型を備え、交換タクトの短縮化を図ったベンディング装置における金型自動交 換装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案は、ベンディング装置に隣接して左右の 支持部がオフセットされて無端状の伝達部材に吊下げられた金型セットを多数収 納したゴンドラ型式の金型ストッカを設け、この金型ストッカと前記ベンディン グ装置との間において金型を水平方向へ移動して金型交換を行なう金型交換装置 を設け、この金型交換装置に金型クランプ部を支承した伝達部材を伸縮自在に移 行させしめる駆動部を備えた金型送り装置を設けてベンディング装置における金 型自動交換装置を構成した。

【０００６】

【作用】

この考案のベンディング装置における金型自動交換装置を採用することにより 、ベンディング装置に隣接して設けた金型ストッカはゴンドラ形式であり多数の 金型セットが収納されている。この金型ストッカよりベンディング装置の金型装 着部に金型を挿入したり、ベンディング装置に装着された金型を金型ストッカへ 収納したりする金型交換装置は、伝達部材先端に金型クランプを支承し、この金 型クランプ部にて交換する金型を把持し、伝達部材の巻取り、巻戻しを行なう駆 動部を備えた金型送り装置により金型自動交換が行なわれる。而して、交換タク トの短縮化と省スペース化が図られる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ベンディン グ装置については、既に公知の構成のものであるため詳細な図示と説明を省略す る。

【０００８】 図１および図２を参照するに、ベンディング装置１は、側板３に沿って昇降自 在に設けられた可動テーブル５が設けられ、この可動テーブル５は図示を省略し たがシリンダ等により昇降される。前記可動テーブル５の下面には上金型７が装 着され水平方向へ挿脱自在となっている。この上金型７と対向して下方向に下金 型９が固定テーブル１１に装着され、この下金型９も水平方向へ挿脱自在に設け られている。

【０００９】 前記上金型７を可動テーブル５に、下金型９を固定テーブル１１に固定するク ランプ装置１３が設けられている。より詳細には、図３を参照するに、クランプ 装置１３の上金型７側は、可動テーブル５の側面より突設したブラケット１５に 流体圧作動のシリンダ１７が設けられ、このシリンダ１７のピストンロッド１９ に装着された楔体２１が、上金型７の側面に形成されたテーパ面２３に当接され る。

【００１０】 また、クランプ装置１３の下金型９側は、上金型７をクランプする構成と同様 にして、固定テーブル１１の側面より突設したブラケット２５に流体圧作動のシ リンダ１７が設けられ、このシリンダ１７のピストンロッド１９に装着され楔体 ２７が、下金型９の側面に形成されたテーパ面２９に当接される。

【００１１】 上記構成により、後述する金型交換装置の金型送り装置にて挿入された上金型 ７と下金型９は、所定位置に位置決めされ、シリンダ１７を作動せしめてピスト ンロッド１９を図３において右方向へ移動させると、楔体２１，２７にて上金型 ７のテーパ面２３および下金型９のテーパ面２９を押圧して、上金型７を可動テ ーブル５へ、下金型９を固定テーブル１１へ固着させる。そして、図示省略した シリンダを駆動せしめて可動テーブル５を昇降させ、上金型７と下金型９とで協 働して板材Ｗに折曲げ加工が施される。なお、上金型７、下金型９を交換する際 は、シリンダ１７を作動させてピストンロッド１９を図３において左方向へ移動 させると、楔体２１，２７を上金型７、下金型９より離隔させ固着を解除してか ら金型交換が行なわれる。

【００１２】 前記ベンディング装置１に隣接して金型ストッカ３１が設けられている。より 詳細には、図１，図２および図４，図５，図６を参照するに、金型ストッカ３１ は、ゴンドラ型式を成していて多数の金型セット３３が金型セット３３の両側に 設けた無端状をなした伝達部材としてのチェン３５に係止されている。金型セッ ト３３はコ字形状をした枠体３７に上金型７と下金型９が装着されていて、図５ に示されているごとくチェン３５と金型セット３３の枠体３７を係止する係止部 材３９は、Ａ寸法だけオフセットされて設けられている。

【００１３】 前記金型セット３３は図４に示されているように、無端状のチェン３５に多数 （本実施例では８箇所）吊下げられていて、チェン３５は、枠体４１に回転自在 に支承された上、下のスプロケット４３に掛回されている。そして、図示を省略 したが例えば電動機等により回転伝達部材を介して一方のスプロケット４３が駆 動され、図１，図４の図中にＫ符号で示されている交換位置に位置決めされる。 なお、金型ストッカ３１の前面側（図１において図面に直交する前側、図２にお いて下側、図４において右側）が自動交換側であり、この自動交換側の反対側が 金型をセットする手動交換側である。

【００１４】 上記構成により、図示省略の電動機を駆動せしめ回転伝達部材を介してスプロ ケット４３を回転させると、チェン３５に設けた係止部材３９を介して金型セッ ト３３は移動する。この際、金型セット３３とチェン３５とを連結する係止部材 ３９はＡ寸法だけオフセットして設けられているので、金型セット３３は移動時 に振れの発生がなく、円滑に移動することができる。

【００１５】 前記金型ストッカ３１に隣接して金型交換装置４５が設けられている。より詳 細には、図１，図２，図３および図７，図８を参照するに、金型交換装置４５を 構成する金型送り装置４７は、上金型交換用と下金型交換用とで構成されている 。この上金型交換用と下金型交換用は、全く対象形の部材で構成されているため 、説明は上金型交換用の金型送り装置４７についてのみ詳細な説明をし、下金型 交換用の金型送り装置４７については、同一部品に同一符号を付して説明を省略 する。

【００１６】 金型送り装置４７の駆動部４９は、前述した金型ストッカ３１に隣接して設け られ、枠体５１に送り駆動用モータ５３が垂設されている。この送り駆動用モー タ５３の出力軸５５にスプロケット５７が装着され、スプロケット５７には伝達 部材としての送りチェン５９の一端が係止されている。

【００１７】 送りチェン５９はアイドラスプロケット６１を介して、前記金型ストッカ３１ およびベンディング装置１の前面側に水平方向へ延伸して設けられたチェンガイ ド６３に形成された四角形状の案内溝６５内を往復移動自在に挿入されている（ 図３参照）。なお、送りチェン５９の先端には、金型クランプ部６７が装着され ていて、送りチェン５９に設けたアタッチメント６９にクランブ部本体７１が一 体的に装着されている。

【００１８】 クランプ部本体７１は、図８に詳細が示されているように、内部には流体圧作 動のシリンダ７３が設けられ、このシリンダ７３のピストンロッド７５の先端は テーパ部７７が形成されている。前記クランプ部本体７１には筒体７９が一体的 に設けられ、この筒体７９の複数箇所に鋼球８１が装着されていて、前記ピスト ンロッド７５に形成されたテーパ部７７により、鋼球８１は出没自在となってい る。

【００１９】 一方、上金型７の片面には段付係止穴８３が設けられ、この段付係止穴８３の 小径部８５は、前述したクランプ部本体７１に装着されたシリンダ７３を作動さ せピストンロッド７５を引込んだ時、筒体７９に装着された鋼球８１が没し、上 金型７と金型クランプ部６７とが離脱できる径とする。また、段付係止穴８３の 大径部８７は、上金型７へ金型クランプ部６７を挿入し、シリンダ７３を作動さ せピストンロッド７５を突出させて、ピストンロッド７５に設けたテーパ部７７ にて鋼球８１を突出させ、鋼球８１が大径部８７の段付面８９にて係止される径 とする。なお、図７の図中に示されている符号９１の部材は、上金型７がベンデ ィング装置１へ挿入された時の金型突当て部であり、ベンディング装置１の適宜 位置に設けられている。

【００２０】 上記構成により、例えば、金型ストッカ３１に収納されている上、下金型７， ９をベンディング装置１の可動テーブル５、固定テーブル１１へ挿入する時は、 送り駆動用モータ５３を駆動せしめ巻取られている送りチェン５９を巻戻す。送 りチェン５９を巻戻すと金型クランプ部６７は前進し、金型ストッカ３１に収納 されている所望する上、下金型７，９が収納されている金型セット３３の上、下 金型７，９に設けた段付係止穴８３内へ、金型クランプ部６７に設けた鋼球８１ を備えた筒体７９が挿入される。なお、この際、クランプ部本体７１に内蔵した シリンダ７３のピストンロッド７５は引込限に位置している。

【００２１】 金型クランプ部６７の筒体７９が上、下金型７，９の段付係止穴８３内へ挿入 されたら、シリンダ７３を作動してピストンロッド７５を突出させることにより 、鋼球８１は段付係止穴８３の大径部８７内に突出し係止され、送りチェン５９ の移動と共に上、下金型７，９は水平移動し、ベンディング装置１の可動テーブ ル５と固定テーブル１１へ挿入され、金型突当て部９１にて停止する。その後、 クランプ装置１３の作動により上、下金型７，９は可動テーブル５、固定テーブ ル１１にそれぞれ固着され、また、上、下金型７，９と金型クランプ部６７との 係止を解除して送り駆動用モータ５３を逆転させて送りチェン５９を巻取って、 上、下金型７，９の装着作業は終了する。

【００２２】 なお、ベンディング装置１より使用済の上、下金型７，９を金型ストッカ３１ 内へ収納するには上述した動作を逆に行なうことにより可能となる。また、金型 交換時には、ベンディング装置１の可動テーブル５に装着された上金型７および 金型ストッカ３１の金型セット３３は、交換位置であるＫ位置に位置決め後交換 作業が行なわれる。更に、金型ストッカ３１の金型セット３３に収納された金型 より長い金型を必要とする場合は、複数の金型セット３３に同一金型を装備して おき、順次ベンディング装置１へ送り込むことにより交換が可能となる。

【００２３】 上述したごとき構成と作用により、ベンディング装置１に隣接してゴンドラ型 式の金型ストッカ３１を設け、送りチェン５９に金型クランプ部６７を備えた金 型交換装置４５としての金型送り装置４７にて上、下金型７，９の出し入れを行 ない自動交換がなされる。

【００２４】 このため、金型ストッカ３１をゴンドラ型式とし多量の金型セット３３を収納 し自動交換ができ、省スペース化を図ることができると共に、交換タクトの短縮 化を図ることができる。また、オフセットされたゴンドラ機構は金型セット３３ の転倒、振れを防ぎ、自動交換側と手動交換側とも、金型セット３３を収納する 向きが同じで誤作業を防ぐことができる。更に、従来のごとく長いロッド等を用 いて金型交換を行なう型式でなく、送りチェン５９を巻取り巻戻し式としてある ため省スペース化を図ることができる。

【００２５】 なお、この考案は前述した実施例に限定されることなく、適宜の変更を行なう ことにより、その他の態様で実施し得るものである。

【００２６】

【考案の効果】

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、この考案によれば、実用新 案登録請求の範囲に記載されたとおりの構成であるから、ゴンドラ型式の金型ス トッカには多量の金型を収納することができ、この金型を伝達部材を用いた金型 送り装置により金型の交換が行なわれる。

【００２７】 而して、省スペース化が図られると共に金型交換タクトの短縮化を図ることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】金型ストッカと金型自動交換装置とを備えたベ
ンディング装置の正面図である。

【図２】図１における拡大平面図である。

【図３】図１におけるIII −III 線に沿った拡大断面図
である。

【図４】図１におけるIV−IV線に沿った断面図である。

【図５】図１におけるＶ矢視部の拡大図である。

【図６】図５における左側より見た側面図である。

【図７】図１におけるVII 矢視部の拡大図である。

【図８】図７におけるVIII−VIII線に沿った拡大断面図
である。

【符号の説明】

１ ベンディング装置 ７ 上金型 ９ 下金型 ３１ 金型ストッカ ３３ 金型セット ３５ チェン ３９ 係止部材（支持部） ４５ 金型交換装置 ４７ 金型送り装置 ４９ 駆動部 ５９ チェン ６７ 金型クランプ部 Ａ オフセット量

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベンディング装置に隣接して左右の支持
   部がオフセットされて無端状の伝達部材に吊下げられた
   金型セットを多数収納したゴンドラ型式の金型ストッカ
   を設け、この金型ストッカと前記ベンディング装置との
   間において金型を水平方向へ移動して金型交換を行なう
   金型交換装置を設け、この金型交換装置に金型クランプ
   部を支承した伝達部材を伸縮自在に移行させしめる駆動
   部を備えた金型送り装置を設けてなることを特徴とする
   ベンディング装置における金型自動交換装置。