JP2523075Y2 - 交換金型収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えばタレットパン
チプレスなどのプレス機械に対して自動的に交換するパ
ンチ，ダイを収納する交換金型収納装置に係り、さらに
詳細には、パンチ，ダイのセットの交換を容易に行なう
ことのできる交換金型収納装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、タレットパンチプレス等のごとき
プレス機械に対しても金型の交換を自動的に行なわれる
ようになって来ている。

【０００３】プレス機械においては、パンチ（上金型）
とダイ（下金型）とをセットとして交換する方式が一般
的であり、上記パンチとダイのセットは、予めセットし
て金型収納装置へ収納しておき、必要なときに自動金型
交換装置が上記金型収納装置から自動的に取出してプレ
ス機械へ装着する構成である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】プレス機械に使用され
るパンチ，ダイは、一般に重量大であるので、金型収納
装置へパンチ，ダイのセットを予め収納する作業が極め
て厄介である。また、パンチとダイのセット時に両者の
一致の目視確認が容易でないという問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述のごとき従来の問題
に鑑みて、本考案は、パンチ，ダイのセットを取出し可
能に収納したゴンドラを上下動自在に備えてなり、上記
ゴンドラの前方に、当該ゴンドラから上記パンチ，ダイ
のセットを自動的に取出す自動金型交換装置を備えてな
る交換金型収納装置にして、前記ゴンドラ内に後方向へ
引出し自在に備えた上下のホルダキャリッジに、パンチ
を着脱交換自在に支持したパンチホルダ，ダイを着脱交
換自在に支持したダイホルダをそれぞれ着脱交換自在に
支承して設け、前記ゴンドラの後方位置に、ゴンドラ内
から後方向へ引出された上下のホルダキャリッジを支持
する上下の支持ガイドを設けてなるものである。

【０００６】

【作用】上記構成において、ゴンドラ内から上下のホル
ダキャリッジを上下の支持ガイド上にそれぞれ引出し、
この支持ガイド上において各ホルダキャリッジに支持さ
れたパンチホルダ，ダイホルダに対してパンチ，ダイの
着脱交換を行なう。そして、パンチ，ダイの交換後に上
下のホルダキャリッジをゴンドラ内に戻すことにより、
パンチ，ダイのセットの交換を行なうことができる。

【０００７】

【実施例】本考案の実施例の理解を容易にするために、
先ず、本実施例に係る交換金型収納装置を備えたタレッ
トパンチプレスの全体的構成について概略的に説明す
る。

【０００８】図１，図２を参照するに、タレットパンチ
プレス１は、門型のフレーム３を備え、このフレーム３
のギャップ部内には、パンチＰを着脱交換自在に支承し
た上部タレット５とダイＤを着脱交換自在に支承した下
部タレット７とが上下に対向して回転自在に備えられて
いる。またタレットパンチプレス１は、加工位置に割出
されたパンチＰを打圧するストライカー９を上下動自在
に備えると共に、板状のワークＷをＸ軸，Ｙ軸方向へ水
平に移動し位置決め自在のワーク移動位置決めの装置１
１を備えている。

【０００９】上記構成は、タレットパンチプレスの一般
的な構成であるので、上記構成についてのさらに詳細な
説明および作用の説明は省略する。

【００１０】前記タレットパンチプレス１における前記
フレーム３の一側部には、前記上下のタレット５，７に
対して着脱交換されるパンチＰ，ダイＤのセットを収納
する金型収納装置１３が設けられており、この金型収納
装置１３の前側には、フレーム３に取付けた左右方向
（Ｙ軸方向）のガイドレール１４に沿って移動自在の自
動金型交換装置１５が設けられている。

【００１１】前記金型収納装置１３は、図３に示すよう
に構成してある。すなわち、金型収納装置１３における
左右のサイドフレーム１７Ｌ，１７Ｒの上下にそれぞれ
チェンスプロケット１９ＬＵ，１９ＬＬ：１９ＲＵ，１
９ＲＬが回転自在に設けてある。左右のスプロケット１
９ＬＵ，１９ＬＬ：１９ＲＵ，１９ＲＬの軸心は、図３
より明らかなように、同一垂直面において上下に適宜の
段違いに設けてある。そして、左側の上下のスプロケッ
ト１９ＬＵ，１９ＬＬに掛回したエンドレスチエン２１
Ｌと右側の上下のスプロケット１９ＲＵ，１９ＲＬに掛
回したエンドレスチエン２１Ｒとの間に箱状の複数のゴ
ンドラ２３が支持されている。

【００１２】各ゴンドラ２３は、上下に段違いに設けた
左右の枢軸２５Ｌ，１５Ｒを介して左右のエンドレスチ
エン２１Ｌ，２１Ｒに吊設してある。したがって各ゴン
ドラ２３は、揺動を規制された状態においてエンドレス
チエン２１Ｌ，２１Ｒに支持されているものである。

【００１３】前記上部のスプロケット１９ＬＵ，１９Ｒ
Ｕを回転するために、サイドフレーム１７Ｒにはサーボ
モータ２７が装着してあり、このサーボモータ２７の出
力軸に取付けた出力ギアＧ１は、サイドフレーム１７
Ｌ，１７Ｒに回転自在に支持された回転軸２９の両端部
に取付けたギヤＧ２Ｌ，Ｇ２Ｒの一方に噛合してある。
そして上記ギアＧ２Ｌ，Ｇ２Ｒは、中間ギアＧ３Ｌ，Ｇ
３Ｒを介してスプロケット１９ＬＵ，１９ＲＵの軸に取
付けたギアＧ４Ｌ，Ｇ４Ｒに連動連結してある。

【００１４】上記構成により、サーボモータ２７の駆動
によって左右のエンドレスチェン２１Ｌ，２１Ｒが上下
方向へ走行され、任意のゴンドラ２３を所定の位置へ割
出し位置決めし得ることが理解されよう。

【００１５】図３より理解されるように、前記各ゴンド
ラ２３は、水平方向に複数の金型収納室２３Ａ，２３
ｂ，２３Ｃに区画してあり、支持構成の詳細な図示は省
略するが、各金型収納室２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃには、
パンチＰを着脱交換自在に支持するパンチホルダ３１と
ダイＤを着脱交換自在に支持するダイホルダ３３とが上
下に対向して取出し自在に支承されている。そして、各
パンチホルダ３１およびダイホルダ３３には、前記自動
金型交換装置１５の交換ピン３５（図１参照）が係脱自
在の係合孔３１Ｈ，３３Ｈがそれぞれ設けてある。

【００１６】前記自動金型交換装置１５は、タレットパ
ンチ１における上下のタレット５，７と前記金型収納装
置１３との間においてパンチホルダ３１，ダイホルダ３
３の交換を行なうものである。この自動金型交換装置１
５は、サーボモータ３７およびボールネジ３９の回転に
より前記ガイドレール１５に沿ってＹ軸方向に移動する
スライダ４１を備えており、このスライダ４１の上部
は、前記ゴンドラ２３の金型収納装置２３Ａ，２３Ｂ，
２３Ｃの数より１つ多い金型収納部４１ａ，４１ｂ，４
１ｃ，４１ｄに区画されている。そして、各金型収納部
４１ａ〜４１ｄには、前記交換ピン３５を備えた金型出
入部材４３がパンチホルダ３１，ダイホルダ３３に対応
して上下に設けてあり、上下の各金型出入部材４３は、
Ｘ軸方向へ同時に移動するように設けられている。

【００１７】上記構成において、サーボモータ３７を制
御駆動してスライダ４１を金型収納装置１３に対応した
位置に位置決めする。そして、金型収納装置１３におけ
るゴンドラ２３の各金型収納室２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃ
に対応した金型収納部４１ｂ，４１ｃ，４１ｄの金型出
入部材４３を作動し、各交換ピン３５をパンチホルダ３
１，ダイホルダ３３の各係合孔３１Ｈ，３３Ｈに係合し
て、各金型収納室２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃに収納されて
いたパンチホルダ３１，ダイホルダ３３をスライダ４１
の各金型収納部４１ｂ，４１ｃ，４１ｄに引出し収納す
る。

【００１８】上述のようにパンチホルダ３１，ダイホル
ダ３３をスライダ４１の各収納部４１ｂ，４１ｃ，４１
ｄに引出した後、スライダ４１を、タレットパンチプレ
ス１における上下のタレット５，７に対応した位置へ移
動し、金型収納部４１ａを上下のタレット５，７の交換
金型装置位置に装着されているパンチホルダ，ダイホル
ダに対応せしめる。

【００１９】そして、上下のタレット５，７から上記金
型収納部４１ａへパンチホルダ，ダイホルダを引出し収
納した後に、上下のタレット５，７の空になった交換金
型装置位置にスライダ４１の次の金型収納部４１ｂを対
応せしめ、この金型収納部４１ｂに収納されているパン
チホルダ３１，ダイホルダ３３を、金型出入部材４３に
より押進して上下のタレット５，７に装着する。

【００２０】次に、上下のタレット５，７を回転せしめ
て、次の交換金型装置位置と空になった上記金型収納部
４１ｂとを対応せしめ、この金型収納部４１ｂに上下の
タレット５，７からパンチホルダ，ダイホルダを引出し
収納した後に、次の金型収納部４１ｃに収納されている
パンチホルダ３１，ダイホルダ３３を上下のタレット
５，７へ装着することを繰り返すことにより、スライダ
４１の各金型収納部４１ｂ，４１ｃ，４１ｄに収納され
ているパンチホルダ３１，ダイホルダ３３と上下のタレ
ット５，７の複数箇所の交換金型装置位置に装着されて
いるパンチホルダ，ダイホルダとを次々に交換すること
ができるものである。

【００２１】上述のごとく、スライダ４１の各金型収納
部４１ｂ，４１ｃ，４１ｄに収納されていたパンチホル
ダ３１，ダイホルダ３３と上下のタレット５，７に装着
されていた複数のパンチホルダ，ダイホルダの着脱交換
終了後は、スライダ４１を金型収納装置１３のゴンドラ
２３に再び対応せしめ、各金型収納部４１ａ，４１ｂ，
４１ｃに収納されているパンチホルダ，ダイホルダをゴ
ンドラ２３の各金型収納室Ａ，２３Ｂ，２３Ｃへ押出し
収納することにより、一連の金型交換が終了するもので
ある。

【００２２】前述のごとく、自動金型交換装置１５を用
いてタレットパンチプレス１の上下のタレット５，７に
対してパンチホルダ３１，ダイホルダ３３の着脱交換を
行なうには、金型収納装置１３における各ゴンドラ２３
の各金型収納室２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃに収納されるパ
ンチホルダ３１，ダイホルダ３３に対して、予め必要な
パンチＰ，ダイＤを装着しておくことが必要である。

【００２３】そこで本実施例においては、各ゴンドラ２
３からパンチホルダ３１，ダイホルダ３３を後方向へ容
易に引出せるように構成してある。

【００２４】すなわち前記ゴンドラ２３は図３より理解
されるように、上下左右を囲繞して前後を開放した態様
の箱状をなすものであって、ゴンドラ２３における各金
型収納室２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃには、図４に示される
ように、前後方向のガイドレール４５Ｕ，２５Ｌが上下
に設けてある。

【００２５】上部のガイドレール４５Ｕには、パンチＰ
を支持したパンチホルダ３１を着脱自在に支持する上部
ホルダキャリッジ４７が前後動自在に支承されており、
下部ガイドレール４５Ｌには、ダイＤを支持したダイホ
ルダ３３を着脱自在に支承した下部ホルダキャリッジ４
９が前後動自在に支承されている。

【００２６】前記上部ホルダキャリッジ４７は、図５，
６，７に示されるように、後部（図６において右側）の
ビーム部材４７Ｂの左右両端部に前方へ延伸した左右の
アーム部材４７Ｌ，４７Ｒを備えたほぼＵ字形状をなし
ており、上記ビーム部材４７Ｂの後面には引出し用の把
手部４７Ｈが設けてある。

【００２７】そして、前記左右のアーム部材４７Ｌ，４
７Ｒの内面には、パンチホルダ３１を案内するホルダガ
イド５１が取付けてあると共に、上部ホルダキャリッジ
４７に対するパンチホルダ３１の位置決めを行なうホル
ダ位置決め用のボールプランジャ５３が取付けてあり、
このボールプランジャ５３に対応してパンチホルダ３１
には円錐形状の凹部５４が形成してある。

【００２８】したがって、上部ホルダキャリッジ４７を
ガイドレール４５Ｕに沿って後方向（図４において右方
向）へ移動するとき、パンチホルダ３１を支持した状態
のまま後方向へ移動し得るものである。

【００２９】前記上部ガイドレール４５Ｕに対して上部
ホルダキャリッジ４７の位置決めを行なうために、上部
ガイドレール４５Ｕには保持力が前記ボールプランジ５
３よりも強力なボールプランジャ５５が設けてあり、こ
のボールプランジャ５５に対応して上部ホルダキャリッ
ジ４７には円錐形状の凹部５７が設けてある。

【００３０】したがって、前記自動金型交換装置１５で
もってパンチホルダ３１を上部ホルダキャリッジ４７に
対して前方から着脱するとき、上部ホルダキャリッジ４
７は、ボールプランジャ５５，凹部５７の作用によって
定位置に保持されるものである。

【００３１】ダイホルダ３３を支持した前記下部ホルダ
キャリッジ４９は、下部ガイドレール４５Ｌに取付けた
強力なボールプランジャ５９によってゴンドラ２３に保
持されており、この下部ホルダキャリッジ４９に対する
ダイホルダ３３の保持は、下部ホルダキャリッジ４９に
備えた比較的弱いボールプランジ６１によって行なわれ
ている。なお、下部ホルダキャリッジ４９の構成は、前
記上部ホルダキャリッジ４７とほぼ同様であるので、下
部ホルダキャリッジ４９についてのより詳細については
説明は省略する。

【００３２】前記上下のホルダキャリッジ４７，４９に
保持されているパンチホルダ３１，ダイホルダ３３に対
してパンチＰ，ダイＤの着脱交換を行なうために、金型
収納装置１３の後部には、キャリッジ支持部６３（図
１，８，９参照）が設けてある。

【００３３】このキャリッジ支持部６３は、前記ゴンド
ラ２３から後方向へ引き出された上下のホルダキャリッ
ジ４７，４９を支持するもので、前記自動金型交換装置
１５によりパンチホルダ３１，ダイホルダ３３の交換を
行なうべく適宜のゴンドラ２３を自動金型交換装置１５
に対応して位置決めしたときに、後側の別個のゴンドラ
２３に対応する高さ位置に設けてある。

【００３４】上記キャリッジ支持部６３は、図８に示す
ように、上部ホルダキャリッジ４７を支持する上部支持
部６３Ｕと下部ホルダキャリッジ４９を支持する下部支
持部６３Ｌとを上下２段に備えている。そして、上部支
持部６３Ｕには、前記ゴンドラ２３の上部ガイドレール
４５Ｕに対応する上部支持ガイド６５Ｕが設けられてお
り、下部支持部６３Ｌには、下部ガイドレール４５Ｌに
対応する下部支持ガイド６５Ｌが設けてある。

【００３５】したがって、前記ボールプランジャ５９，
５５の保持力に抗して、把手部４９Ｈ，４７Ｈを把持し
て下部ホルダキャリッジ４９および上部ホルダキャリッ
ジ４７をゴンドラ２３から後方へ引き出すことにより、
図８に示すように、上下の各ホルダキャリッジ４７，４
９をキャリッジ支持部６３の上下の支持ガイド６５Ｕ，
６５Ｌ上に段違に支持することができる。よって、上下
の各ホルダキャリッジ４７，４９に支持されているパン
チホルダ３１，ダイホルダ３３に対するパンチＰ，ダイ
Ｄの着脱交換を容易に行なうことができると共に、パン
チＰとダイＤの一致を目視して確認することができるも
のである。

【００３６】上述のごとくパンチホルダ３１，ダイホル
ダ３３に対するパンチＰ，ダイＤの着脱交換を行なった
後に、上下のホルダキャリッジ４７，４９をキャリッジ
支持部６３上からゴンドラ２３に戻すことにより、新た
なパンチＰとダイＤのセットがゴンドラ２３に収納され
ることとなる。

【００３７】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載のとおりであるから、本考案によれば、上下
動自在に設けられたゴンドラ２３から上下のホルダキャ
リッジ４７，４９を後方向へ引き出して上下の支持ガイ
ド６５Ｕ，６５Ｌに支持せしめることができ、この支持
ガイド６５Ｕ，６５Ｌ上において、上下のホルダキャリ
ッジ４７，４９に支持されているパンチホルダ３１，ダ
イホルダ３３に対してパンチＰ，ダイＤの着脱交換を行
なうことができる。

【００３８】すなわち本考案によれば、パンチホルダ３
１，ダイホルダ３３に対するパンチＰ，ダイＤの着脱交
換を容易に行なうことができると共に、パンチＰとダイ
Ｄとの一致を目視により確認することが容易なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】タレットパンチプレスをも含めた全体的な概略
平面図で、上部フレームを省略してある。

【図２】同上正面図である。

【図３】図１におけるIII 部分の拡大図で主要部分のみ
を表している。

【図４】図３のIV−IV線に沿った断面図に相当する詳細
拡大図である。

【図５】ホルダキャリッジにパンチホルダを支持した状
態を示した説明図である。

【図６】図５を上方から見た平面図である。

【図７】図５を右方向から見た側面図である。

【図８】図１の矢印VIII方向から見た拡大側面図であ
る。

【図９】図８を上方から見た平面図である。

【符号の説明】

１３ 金型収納装置 １５ 自動金型交換装置 ２３ ゴンドラ ３１ パンチホルダ ３３ ダイホルダ ４７Ｌ 下部ホルダキャリッジ ４７Ｕ 上部ホルダキャリッジ ６５Ｌ 上部支持ガイド ６５Ｕ 下部支持ガイド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンチ，ダイのセットを取出し可能に収
   納したゴンドラを上下動自在に備えてなり、上記ゴンド
   ラの前方に、当該ゴンドラから上記パンチ，ダイのセッ
   トを自動的に取出す自動金型交換装置を備えてなる交換
   金型収納装置にして、前記ゴンドラ内に後方向へ引出し
   自在に備えた上下のホルダキャリッジに、パンチを着脱
   交換自在に支持したパンチホルダ、ダイを着脱交換自在
   に支持したダイホルダをそれぞれ着脱交換自在に支承し
   て設け、前記ゴンドラの後方位置に、ゴンドラ内から後
   方向へ引出された上下のホルダキャリッジを支持する上
   下の支持ガイドを設けてなることを特徴とする交換金型
   収納装置。