JPH058046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、被加工物を集積しておき、必要によ
り選択的に被加工物を加工部へ供給するパレツト
プールラインを構成するパレツト搬送装置に関す
る。

「従来の技術」 近来、自動化、量産化に伴い多数の被加工物を
載置したパレツトを用意してパレツトプールライ
ンを構成し、省力化、省人化を図ることが行なわ
れているが、このパレツトの数は能率向上のため
増加する傾向にある。

従来のパレツトプールラインを構成するパレツ
ト搬送装置では、平面的にパレツトを集積するも
のであつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来のパレツト搬送
装置では、パレツトの増加に対応するためには、
プールラインが横に広がつて大型化し、広い床面
積を必要とし、機械の配置が制限されるばかりで
なくコストも嵩むという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、パレツトを重畳して保持し、必
要により適切なパレツトを取り出して機械の加工
部に供給することができるようにして上記問題点
を解決したパレツト搬送装置を提供することを目
的としている。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 被加工物を載置するパレツトを立体的に収納し
ているストツカ、および前記パレツト上の被加工
物を加工する工作機械の加工部とのあいだで、前
記パレツトを選択的に搬出入するための搬送装置
であつて、 このパレツト搬送装置の基体をなす支持枠と、
この支持枠に沿つて昇降自在に設けられる昇降架
台と、前記支持枠と前記昇降架台との間に設けら
れ、支持枠に対して昇降架台を昇降移動、位置決
めする昇降駆動手段と、前記昇降架台上に前記ス
トツカまたは前記加工部の搬出入部と対向するよ
うに回転自在に設けられる回転ベースと、この回
転ベースに一端が揺動自在に取付けられる平行リ
ンク機構と、この平行リンク機構の他端に揺動自
在に取付けられ、前記回転ベースに対して平行移
動する搬送ユニツトと、 この搬送ユニツトに対して進退移動自在に設けら
れるとともに、上部に前記パレツトを載置するガ
イド部を、前記ストツカまたは前記加工部の搬出
入部と対向する側の下部に前記支持枠に設けた案
内ローラに乗り上げる案内傾斜面を形成した横移
動台と、 この横移動台に回転自在に、横移動台の移動方
向に沿つて立設された一対のスプロケツトと、こ
の一対のスプロケツト間に掛け渡され、前記横移
動台の移動方向に平行な平面内で回転するととも
に、上部に前記パレツトに形成された係合溝と係
合する係合ピンを固着したチエーンと、前記一対
のスプロケツトの一方の軸部に一体的に設けられ
たピニオンと、前記回転ベースに固定され、ロツ
ドの進退移動で前記横移動台を前記ストツカまた
は前記加工部の搬出入部と前記回転ベースとの間
で移動させる移動用シリンダ装置と、前記回転ベ
ースに固定され、前記ピニオンに噛み合うラツク
をロツドに形成し、ロツドの進退移動で前記チエ
ーンを回転させて前記パレツトの係合溝に前記チ
エーンに固着された係合ピンを係脱させる係合用
シリンダ装置とを有し、前記移動用シリンダ装置
の駆動で前記横移動台を移動させたとき、前記ピ
ニオンと前記係合用シリンダ装置のラツクとの噛
み合いから前記一対のスプロケツトを回転させ、
スプロケツトの回転で前記チエーンに固着された
係合ピンを横移動台の移動方向と同一の方向に移
動させ、パレツトを移動させるための係合ピンを
移動用シリンダ装置のロツド移動とチエーン移動
との連動で移動させることを特徴とするパレツト
搬送装置に存する。

「作用」 しかして、ストツカの載置ユニツトを介してパ
レツトを重畳して多数保持し、このストツカを適
切な位置に回動させて割り出しておいてからエレ
ベータの回転ベースを必要とするパレツトのある
高さまでラフな状態で昇降位置決めし、わずかな
段差があつても、平行リンク機構を介して高さ方
向を正確に位置決めし、横移動台によりパレツト
を受け渡しし、さらに機械の加工部の位置に高さ
を位置決めするとともに回動割り出しして該加工
部にパレツトを供給するようにし、また逆に加工
部のパレツトを取り出すことができるようにした
ものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第２図は工作機械の配置の一例を示しており、
両側にマシニングセンタＡ，Ｂが配設され、それ
ぞれ、機械加工をする加工部Ａ１，Ｂ１を有し、
マシニングセンタＡ，Ｂの間にパレツトプールラ
イン１０が設けられている。

パレツトプールライン１０はストツカ２０、エ
レベータ３０、を主要部とし、段取台１１が付属
し、制御盤１２により制御されるもので、各所に
パレツトＣが保持されている。

第４図および第５図に示すように、ストツカ２
０は載置ユニツト２１，２１……がストツカベー
ス２２に立設された枢軸２３に枢支されて３層に
重畳されて成る。

各載置ユニツト２１はそれぞれレール２１ａが
四方に敷設された４つの載置場所を有し、ストツ
カベース２２の傍に固設されたモータ２４がチエ
ーン２４ａ，２４ｂを介して枢軸２３に連結され
ていて、枢軸２３がモータ２４により回動され、
各載置ユニツト２１のいずれかの載置場所をパレ
ツト搬出入位置２５に割り出すようになつてい
る。

第６図および第７図に示すように、エレベータ
３０は、支持枠４０の側柱４１，４１……に昇降
架台５０の４隅がローラ４１ａ，４１ａ……を介
して摺動可能に支持され、昇降架台５０の上部に
は、昇降駆動手段であるブレーキ付で適宜な位置
で停止することができるモータ５１が固設される
とともに、遊転プーリ５２が装着されている。支
持枠４０の上部梁４２とモータ５１に固結された
巻取りプーリ５３との間にケーブル５４が架設さ
れ、モータ５１の回動に応じて巻取りプーリ５３
にケーブル５４が巻取られたり繰出されたりする
ことにより昇降架台５０が昇降されるようになつ
ている。

第１図でわかるように、昇降架台５０には、回
転ベース６０が枢軸６１を介して回動割出可能に
枢支されており、平行リンク機構を構成するリン
ク部材６２，６３を介して搬送ユニツト７０が回
転ベース６０に支持されている。

搬送ユニツト７０には横移動台８０の移動台ベ
ース８１が搬送ユニツトベース７１にローラ７
２，７２……を介して略水平に移動可能に支持さ
れており、移動台ベース８１にはパレツトＣがロ
ーラ８２，８２……を介して同じく略水平に移動
可能に支持されている。

第８図〜第１０図でわかるように、搬送ユニツ
ト７０の下部にはラツク８３が横移動台８０の移
動方向に配設され、このラツク８３を縦動させる
フツク係合用シリンダ８４が搬送ユニツト７０に
固設されている。

そして、移動台ベース８１の前後に後移動軸８
５および前移動軸８６が枢支され、後移動軸８５
の基部にはラツク８３に噛み合うピニオン８５ａ
が固結されており、後移動軸８５、前移動軸８６
を連結している移動台べース８１を前後に移動さ
せる移動用シリンダ８７の基部が搬送ユニツト７
０に固設されている。

後移動軸８５、前移動軸８６の上端部にはスプ
ロケツト８５ｂ，８６ａが固結され、このスプロ
ケツト８５ｂ，８６ａ間にはチエーン８８が架装
され、チエーン８８には係合ピン８９が突設され
ている。係合ピン８９に対応してパレツトＣには
係合溝Ｃ１が設けられている。

第３図でもわかるように、支持枠４０の四方に
はストツカ２０の３段の載置ユニツト２１，２１
……に対応して三段の桟４３，４３……が架設さ
れ、各桟４３には、搬送ユニツト７０の横移動台
８０を案内する一対のローラユニツト４４が装着
され、各ローラユニツト４４には乗り上げ案内ロ
ーラ４５が横移動台８０を迎える先端側に配置さ
れていて、横移動台８０の移動台ベース８１の先
端部にはこの乗り上げ案内ローラ４５に乗り上げ
る下向きの案内傾斜面８１ａが形成されている
（第１図）。

エレベータ３０のモータ５１は横移動台８０の
移動台ベース８１の案内傾斜面８１ａがローラユ
ニツト４４の乗り上げ案内ローラ４５に乗り上げ
ることが可能な程度の相当大きな誤差の範囲内で
昇降架台５０を停止させる程度に制御されてい
る。

次に本実施例の作用を説明する。

加工するために所定のパレツトＣをマシニング
センタＡあるいはマシニングセンタＢに供給する
場合、ストツカ２０は、所定のパレツトＣのある
載置ユニツト２１がどの階であつてもそのレール
２１ａがパレツト搬出入位置２５を臨む位置にな
るよう回動して割出す。どの階に目的とするパレ
ツトＣがあるかはあらかじめ判明しているから、
エレベータ３０のモータ５１は現在位置からその
階の臨む位置に昇降架台５０を昇降させブレーキ
をかけて停止しておく。

搬送ユニツト７０は横移動台８０がパレツトＣ
を取りに行けるような位置に回動して割出されて
いる。フツク係合用シリンダ８４および移動用シ
リンダ８７は短縮している。

横移動台８０の動作については概念的に示した
第１１図および第１２図により説明する。

初期には横移動台８０は第１１図ａに示す状態
にあり、係合ピン８９は後方に位置している。こ
の状態から先ず移動用シリンダ８７が伸長作動す
る。

第１１図ｂに示すように、移動用シリンダ８７
が伸長すると、移動台ベース８１が全体的に前進
し、この移動に伴い後移動軸８５、前移動軸８
６、チエーン８８も一体的に前進する。ローラ８
２は停止しているので、ピニオン８５ａが回動し
スプロケツト８５ｂ，８６ａを介して巻き掛けら
れていたチエーン８８が相対的に回転し、係合ピ
ン８９は移動して先端部に位置する。この間の係
合ピン８９の軌跡は第１２図ａに示すとおりであ
り、パレツト搬出入位置２５から載置ユニツト２
１に載置されているパレツトＣに延び係合溝Ｃ１
の少し手前で停止する。そこでフツク係合用シリ
ンダ８４を作動させる。

第１１図ｃに示すように、フツク係合用シリン
ダ８４が伸長すると、ピニオン８５ａが回動さ
れ、スプロケツト８５ｂ，８６ａによりチエーン
８８が回転し、係合ピン８９は円運動をする。そ
のときの係合ピン８９の軌跡は第１２図ｂに示す
とおりであり、パレツトＣの係合溝Ｃ１に係合す
る。そこで移動用シリンダ８７を作動して短縮す
る。

第１１図ｄに示すように、移動用シリンダ８７
が短縮すると、第１１図ａの状態からｂの状態に
なつたとき逆の動作で、係合ピン８９はパレツト
Ｃの係合溝Ｃ１に係合したまま第１２図ｃに示す
ような軌跡で復帰して後退し、パレツトＣが載置
ユニツト２１から搬送ユニツト７０の上に引き出
される。

横移動台８０が載置ユニツト２１のパレツト搬
出入位置２５に進入するとき移動台ベース８１の
先端部は乗り上げ案内ローラ４５に案内される。
その際、横移動台８０の高さに多少の誤差があつ
ても案内傾斜面８１ａが案内ローラ４５に乗り上
げ、リンク部材６２，６３が構成する平行リンク
機構により移動台ベース８１は姿勢をくずすこと
なく上昇して高さが調節される。

パレツトＣが横移動台８０上に引き出される
と、枢軸６１を中心に回転ベース６０が回動し、
横移動台８０の方向がマシニングセンタＡあるい
はマシニングセンタＢに向けられ、前に第１２図
ｃで説明した経路とは逆に係合ピン８９が移動
し、パレツトＣをマシニングセンタＡあるいはパ
レツトＣに向け押し込み、以後、順次、第１２図
ｂ，ａと逆の経路でパレツトＣを開放する。

なお、ストツカ２０においてパレツト搬出入位
置２５は適宜四方に設けることができ、それに対
応してエレベータ３０を設け、工作機械あるいは
加工部をそれに応じて設け、適宜に加工ラインを
配置することができる。

「考案の効果」 本考案に係るパレツト搬送装置によれば、スト
ツカにパレツトを重畳して保持することによりス
ペースをとることなく多量のパレツトを集蔵する
ことができ、かつ、エレベータの停止位置がラフ
に決められていてもパレツトをストツカから適切
に取出すことができ、高さ方向の位置決めが容易
にできる構成にしたから、省スペース化したパレ
ツトプールラインを簡単な構造の最少限のコスト
で実現することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示しており、第１図は
エレベータの正面図、第２図は全体配置図、第３
図はストツカ、エレベータ、段取台の配置を示す
正面図、第４図はストツカの平面図、第５図は一
部を破断して示したストツカの正面図、第６図は
エレベータの昇降の機構を示す正面図、第７図は
エレベータの平面図、第８図はエレベータを後移
動軸の近傍で切断した横断面図、第９図はエレベ
ータの上部の縦断面図、第１０図はエレベータの
底面図、第１１図ａ〜第１１図ｄは横移動台の動
作説明図、第１２図ａ〜第１２図ｃは係合ピンの
軌跡図である。 Ａ，Ｂ……マシニングセンタ、Ｃ……パレツ
ト、Ｃ１……係合溝、１０……パレツトプールラ
イン、２０……ストツカ、２１……載置ユニツ
ト、２１ａ……レール、３０……エレベータ、６
０……回転ベース、６２，６３……リンク部材
（平行リンク機構）、７０……搬送ユニツト、８０
……横移動台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被加工物を載置するパレツトを立体的に収納し
   ているストツカ、および前記パレツト上の被加工
   物を加工する工作機械の加工部とのあいだで、前
   記パレツトを選択的に搬出入するための搬送装置
   であつて、 このパレツト搬送装置の基体をなす支持枠と、 この支持枠に沿つて昇降自在に設けられる昇降
   架台と、 前記支持枠と前記昇降架台との間に設けられ、
   支持枠に対して昇降架台を昇降移動、位置決めす
   る昇降駆動手段と、 前記昇降架台上に前記ストツカまたは前記加工
   部の搬出入部と対向するように回転自在に設けら
   れる回転ベースと、 この回転ベースに一端が揺動自在に取付けられ
   る平行リンク機構と、 この平行リンク機構の他端に揺動自在に取付け
   られ、前記回転ベースに対して平行移動する搬送
   ユニツトと、 この搬送ユニツトに対して進退移動自在に設けら
   れるとともに、上部に前記パレツトを載置するガ
   イド部を、前記ストツカまたは前記加工部の搬出
   入部と対向する側の下部に前記支持枠に設けた案
   内ローラに乗り上げる案内傾斜面を形成した横移
   動台と、 この横移動台に回転自在に、横移動台の移動方
   向に沿つて立設された一対のスプロケツトと、 この一対のスプロケツト間に掛け渡され、前記
   横移動台の移動方向に平行な平面内で回転すると
   ともに、上部に前記パレツトに形成された係合溝
   と係合する係合ピンを固着したチエーンと、 前記一対のスプロケツトの一方の軸部に一体的
   に設けられたピニオンと、 前記回転ベースに固定され、ロツドの進退移動
   で前記横移動台を前記ストツカまたは前記加工部
   の搬出入部と前記回転ベースとの間で移動させる
   移動用シリンダ装置と、 前記回転ベースに固定され、前記ピニオンに噛
   み合うラツクをロツドに形成し、ロツドの進退移
   動で前記チエーンを回転させて前記パレツトの係
   合溝に前記チエーンに固着された係合ピンを係脱
   させる係合用シリンダ装置とを有し、 前記移動用シリンダ装置の駆動で前記横移動台
   を移動させたとき、前記ピニオンと前記係合用シ
   リンダ装置のラツクとの噛み合いから前記一対の
   スプロケツトを回転させ、スプロケツトの回転で
   前記チエーンに固着された係合ピンを横移動台の
   移動方向と同一の方向に移動させ、パレツトを移
   動させるための係合ピンを移動用シリンダ装置の
   ロツド移動とチエーン移動との連動で移動させる
   ことを特徴とするパレツト搬送装置。