JPH0579136U - 逆止弁内蔵ボール弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】インサートの組付け作業の作業性が良く、イン
サートの弁座面とボデーのねじ山とを損傷するおそれが
なく、また安価な逆止弁内蔵ボール弁を提供する。 【構成】上流側に配置したボデー１段１の弁室に上流側
より順に上流側シート３ａとボール４とを装着し、ボー
ル４の頂部にボデー１段を貫通した弁棒５の下端を係止
し、下流側に配置したボデー２段２の孔に上流側より順
に下流側シート３ｂとインサート８とばね抑え９とを装
着し、ばね抑え９の下流側への移動を阻止する段差面２
ｂを前記孔に形成し、インサート８とばね抑え９との間
にインサートの下流側端面に形成した弁座面８ａに着座
する逆止弁体１０と該逆止弁体１０をインサート側に押
圧するコイルばね１１とを装着し、ボデー１段１の下流
側内面とボデー２段２の上流側外面とを螺着して両シー
ト３ａ，３ｂによってボール４を挟持したことを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主に水、油、ガス等を通過させる配管中、特に逆流防止機能を設けた ボール弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水、油、ガス等の流体の逆流防止を必要とする配管には、開閉用の玉形 弁、ボール弁等のほかに、逆止用のリフト逆止弁やスイング逆止弁を直列に配す るのが通常である。しかし、このように開閉用の弁と逆止用の弁とを直列に配す ると、工事費及び器材費が高くなり、また配管スペースも広く必要となるなどの 欠点があった。このため、開閉機能と逆止機能とを兼ね備えたバルブが強く望ま れていた。このような要望に応えるために図２に示すようなボール弁と逆止弁を 併用したボールバルブが提供されている。 すなわち図２に示した従来の逆止弁内蔵ボール弁は、上流側に配置した弁箱２ ０の弁室に上流側より順に上流側シート２１ａとボール２２と下流側シート２１ ｂとを装着し、ボール２２の頂部に弁箱２０を貫通した弁棒２３の下端を係止し 、弁箱２０の下流側にめねじ２０ａを設け、該めねじ２０ａに下流側シート２１ ｂを上流側に押圧するインサート２４を螺着して両シート２１ａ，２１ｂによっ てボール２２を挟持し、前記めねじ２０ａにキャップ２５を螺着し、該キャップ ２５の内面にガイドリング２６を係止し、該ガイドリング２６によってインサー ト２４の下流側端面に形成した弁座面２４ａに着座する逆止弁体２７を案内し、 ガイドリング２６と逆止弁体２７との間に逆止弁体２７をインサート２４側に押 圧するコイルばね２８を装着した逆止弁内蔵ボール弁である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の逆止弁内蔵ボール弁では、インサート２４の組付けは締付治具によ ってインサート２４を弁箱のめねじ２０ａに螺着することによって行なうから、 インサート２４の固定の作業性が悪いという問題点がある。また締付治具によっ てインサート２４を弁箱に組付ける際に、締付治具によってインサートの弁座面 ２４ａを損傷させるおそれがある。更に弁箱のめねじ２０ａにはインサート２４ のほかキャップ２５も螺着されるから、締付治具によってインサート２４を組付 ける際に、締付治具によってキャップ２５が螺着される部分のめねじ２０ａを損 傷させるおそれもある。 これらの問題点を解決するためにインサート２４とキャップ２５とを一体に形 成する場合もあるが、その場合にはキャップ２５に弁座面２４ａを形成すること となるから、キャップ２５を鉄系材料によって製造するときには弁座面２４ａに 表面処理を施す必要を生じ、表面処理を省略しようとすれば材料変更を余儀なく され、いずれにしろ原価高となる。更に鋳物でキャップ２５を製作する場合には 肉厚が不均一になり、クサレ等の鋳造不良が発生しやすく、高価になる。 したがって本考案は、インサートの組付け作業の作業性が良く、インサートの 弁座面とボデーのねじ山とを損傷するおそれがなく、また安価な逆止弁内蔵ボー ル弁を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上流側に配置したボデー１段の弁室に上流側より順に上流側シート とボールとを装着し、該ボールの頂部に前記ボデー１段を貫通した弁棒の下端を 係止し、下流側に配置したボデー２段の孔に上流側より順に下流側シートとイン サートとばね抑えとを装着し、該ばね抑えの下流側への移動を阻止する段差面を 前記孔に形成し、前記インサートと前記ばね抑えとの間にインサートの下流側端 面に形成した弁座面に着座する逆止弁体と該逆止弁体を前記インサート側に押圧 するコイルばねとを装着し、前記ボデー１段の下流側内面とボデー２段の上流側 外面とを螺着して前記両シートによって前記ボールを挟持した逆止弁内蔵ボール 弁によって、上記目的を達成したものである。

【０００５】

【実施例】

本考案による一実施例を図面により説明する。図１は本実施例の縦断面図であ る。図１において、ボデー１段１は入口側配管接続部１ａを有し、ボデー１段１ の弁室には上流側（図面右側）より順に上流側シート３ａとボール４とが装着さ れており、ボール４には流路４ａが形成されており、ボール４の頂部にはボデー １段１を貫通した弁棒５の下端が係合しており、弁棒５の上端にはハンドル６が 取付けられている。ボデー１段１の下流側（図面左側）にはめねじが形成されて おり、該めねじに出口側配管接続部２ａを有するボデー２段２のおねじがガスケ ット７を介してねじ接合されている。 ボデー２段２の孔には上流側より順に下流側シート３ｂとインサート８とばね 抑え９が装着されている。インサート８は流路を有し、下流側端面には逆止用の 弁座面８ａが形成されており、外周面にはＯリング８ｂを保有している。ばね抑 え９は断面ほぼ２段Ｕ字状の椀状に形成され、中央部に流路を有し、外周には外 方に突出する鍔が形成されており、この鍔の下流側方向への移動を阻止するよう に、ボデー２段２の孔に段差面２ｂが形成されており、したがってボデー１段と ボデー２段とを螺着すると、ボール４は両シート３ａ，３ｂによって挟持される 。インサート８とばね抑え９との間には、インサートに形成した弁座面８ａに着 座しばね抑え９によって案内される逆止弁体１０と、該逆止弁体１０をインサー ト８側に押圧するコイルばね１１とが装着されている。

【０００６】 本実施例は以上のように構成されており、ハンドル６を図１の状態より９０° 回転すると、弁棒５を介してボール４も図１の状態より９０°回転して入口側配 管接続部１ａと出口側配管接続部２ａとの間の流路は遮断される。他方図１の状 態において、入口側配管接続部１ａから出口側配管接続部２ａに向って流体が流 れようとするときには、流体はコイルばね１１の押圧力に抗して逆止弁体１０を 下流側に押し出し、したがって流体は流れることができるが、出口側配管接続部 ２ａから入口側配管接続部１ａに向って流体が流れようとするときには、コイル ばね１１は逆止弁体１０を押圧してインサートに形成した弁座面８ａに着座させ 、したがって流体は流れることができない。

【０００７】 しかして本実施例ではインサート８はボデー２段２の孔に装着されているが螺 着されてはいないから、インサート８の組付け作業は容易である。またインサー ト８を螺着していないために、ボデー２段にインサート８を装着する際にインサ ートの弁座面８ａを損傷させることもないし、また両ボデー１，２の螺着面のね じ山を損傷することもない。また、ボデー２段２を鋳物で製作する場合にも肉厚 が均一になり、クサレ等の鋳造不良がなくなり、かつ、鉄系の材料でも、内面に 表面処理をしなくてもそのまま使用可能である。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案による逆止弁内蔵ボール弁はインサートの外径部 にねじを設けていないので組立作業が簡単になり、かつボデー２段の鋳造性が向 上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断面図

【図２】従来例を示す縦断面図

【符号の説明】

１…ボデー１段 １ａ…入口側配管接続部 ２
…ボデー２段 ２ａ…出口側配管接続部 ２ｂ…段差面 ３
ａ…上流側シート ３ｂ…下流側シート ４…ボール ４
ａ…流路 ５…弁棒 ６…ハンドル ７
…ガスケット ８…インサート ８ａ…弁座面 ８
ｂ…Ｏリング ９…ばね抑え １０…逆止弁体 １
１…コイルばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上流側に配置したボデー１段の弁室に上流
   側より順に上流側シートとボールとを装着し、該ボール
   の頂部に前記ボデー１段を貫通した弁棒の下端を係止
   し、 下流側に配置したボデー２段の孔に上流側より順に下流
   側シートとインサートとばね抑えとを装着し、該ばね抑
   えの下流側への移動を阻止する段差面を前記孔に形成
   し、前記インサートと前記ばね抑えとの間にインサート
   の下流側端面に形成した弁座面に着座する逆止弁体と該
   逆止弁体を前記インサート側に押圧するコイルばねとを
   装着し、 前記ボデー１段の下流側内面とボデー２段の上流側外面
   とを螺着して前記両シートによって前記ボールを挟持し
   た逆止弁内蔵ボール弁。