JPH0573763B2 - - Google Patents

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JPH0573763B2
JPH0573763B2 JP20015784A JP20015784A JPH0573763B2 JP H0573763 B2 JPH0573763 B2 JP H0573763B2 JP 20015784 A JP20015784 A JP 20015784A JP 20015784 A JP20015784 A JP 20015784A JP H0573763 B2 JPH0573763 B2 JP H0573763B2
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JP
Japan
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film
raw material
resin raw
scratch resistance
synthetic resin
Prior art date
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JP20015784A
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JPS6178807A (ja
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Kazunori Abe
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6178807A publication Critical patent/JPS6178807A/ja
Publication of JPH0573763B2 publication Critical patent/JPH0573763B2/ja
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐擦傷性と帯電防止性に優れた表面
を有する合成樹脂成形品の製造方法に関する。 〔従来技術〕 現在、多くの合成樹脂成形品が市販されてお
り、これらは多くの優れた性質を有するが、一般
に表面硬度が低く、擦傷に対する抵抗性が小さい
ので、製品の加工時や運搬時に表面にひつかき傷
がつき易く、商品価値を損うばかりでなく、製品
の使用中にもプラスチツク製品の表面に付着した
ちり、ほこり等のよごれを布等により除去する場
合、拭き傷やひつかき傷を発生しやすく、また他
の物体の衝突による摩耗傷等が付き易く、極端な
場合にはこれらの傷によつてその光学的特性が失
われ全く使用に耐え得なくなるという致命的な欠
点があつた。 この問題点に対しては、すでに合成樹脂成形品
の表面に耐擦傷性の皮膜を形成させる方法がいく
つか工業的に採用されており、かなりの用途分野
においては実質的に問題点が解決されている。 しかしながら、例えば計器の目盛板、透視パネ
ル等の用途においては、単に耐擦傷性ばかりでな
く、帯電防止をも兼備した合成樹脂成形品の出現
に対する要求が極めて強い。しかしながら、従来
技術では、市場の要求を満足させる耐擦傷性と帯
電防止能をともに有する合成樹脂成形品は工業的
には得られていない。 すなわち、例えば特開昭55−86848号公報には、
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキ
シ基(アクリロイルオキシ基またはメタクリロイ
ルオキシ基の意、以下同様)を有する化合物、
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性酸
性リン酸エステルおよびエタノールアミン系化合
物とからなる空気中にて活性エネルギー線を照射
することにより耐擦傷性と帯電防止性とを兼備し
た皮膜を形成する被覆材組成物が開示されてい
る。 しかしながら、上記の方法には、十分な帯電防
止能を付与させるために化合物の添加量が多くし
た場合に、表面にプリードしたと考えられるもの
に起因するくもりが生じ易いといつたような問題
点があり、その改良が望まれている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のような現状の下に、十分な耐擦傷性およ
び帯電防止性を有する合成樹脂成形品を提供する
ことを目的として鋭意検討した結果、特定の重合
性化合物と特定の重合性酸性リン酸エステルとか
らなる皮膜形成性樹脂原料をガラスあるいは金属
からなる鋳型を用いて、その硬化皮膜を合成樹脂
成形品上に形成させることによつて、先記の目的
に適合する合成樹脂成形品が得られることを見い
出し本発明に到達した。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る耐擦傷性および帯電防止性に優れ
た表面を有する合成樹脂成形品の製造方法は分子
中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基およ
び/またはメタクリロイルオキシ基を有する重合
性化合物(A)90〜99.8重量%と、 下記の一般式〔〕
【化】 (式中、R1は水素またはメチル基であり、R2
水素または
【式】基であ り、R3は水素またはメチル基であり、mおよび
nは1〜5の整数である)で示される重合性酸性
リン酸エステル(B)0.2〜10重量%よりなる皮膜形
成性樹脂原料をガラスあるいは金属の鋳型成形面
に塗布し、あるいは注入される基材樹脂原料によ
つて膨潤もしくは溶解しない程度に十分に重合硬
化せしめて皮膜をあらかじめ形成した後、基材樹
脂原料を注入して重合し、上記のあらかじめ形成
させた皮膜を基材樹脂側に転移せしめることを特
徴とする。 本発明の最も重要な特徴は、合成樹脂成形品の
表面に、耐擦傷性および帯電防止性に優れた硬化
皮膜を設ける際に、上記の特定の鋳型と特定の皮
膜形成性樹脂原料と併用することにある。したが
つて本発明によつて得られる合成樹脂成形品は、
空気等の気体中で、あるいは高分子フイルム等と
接触させて、同様の皮膜形成性樹脂原料組成を用
いて製造した合成樹脂成形品と比べて大幅に帯電
防止性が優れるものである。 このために、本発明の方法においては、重合性
酸性リン酸エステルの添加量が、他の方法の場合
と比べて少量ですみ、他の表面特性上の欠点も生
じ難い。 本発明において用いられる鋳型としては、強化
ガラス等の無機ガラス、ステンレス鋼、アルミニ
ウムおよびクロムメツキ等の金属が具体例として
あげられる。ガラスおよび金属の鋳型面は、鏡面
であることが一般的であるが、場合によつては、
表面に微小な凹凸をつけてノングレア処理の施さ
れたものも目的によつて用いることもできる。 本発明の皮膜形成性樹脂原料を構成する分子中
に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基およ
び/またはメタクリロイルオキシ基を有する重合
性化合物(A)としては、多価アルコールと(メタ)
アクリル酸またはそれらの誘導体から得られるエ
ステル化物、あるいは多価アルコールと多価カル
ボン酸と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導
体とから得られるエステル化物が具体的な例とし
てあげられる。多価アルコールとしては、例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、平均分子量が約300〜約1000のポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール)、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、2,2′−チオジエタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等の2価のアルコー
ル、その他トリメチロールプロパン(1,1,1
−トリメチロールプロパン)、ペンタグリセロー
ル(1,1,1−トリメチロールエタン)、グリ
セロール、ペンタエリスリトール(2,2−ビス
ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、
ジグリセロール、ジペンタグリセロール等があ
る。 これらと(メタ)アクリル酸とから得られる特
に好ましい化合物としては、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエ
タントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタグ
リセロールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タグリセロールヘキサ(メタ)アクリレート等を
あげることができる。 また、多価アルコールと多価カルボン酸と(メ
タ)アクリル酸もしくはそれらの誘導体とから得
られる重合性化合物は、基本的には多価アルコー
ルのヒドロキシル基と多価カルボン酸および(メ
タ)アクリル酸両者のカルボキシル基とが最終的
には当量となるような混合物を反応させることに
よつて得られる。 好ましい化合物としては、多価アルコールとし
て2価のアルコールまたは3価のアルコールまた
は2価のアルコールと3価のアルコールの混合物
を用い、多価カルボン酸として2価カルボン酸を
用いて得られたエステル化物があげられる。3価
のアルコールと2価のアルコールの混合物を用い
る場合、3価のアルコールと2価のアルコールと
のモル比は任意に選ぶことができる。また、2価
のカルボン酸と(メタ)アクリル酸とのモル比
は、2価カルボン酸のカルボキシル基と(メタ)
アクリル酸のカルボキシル基との当量比が2:1
〜0:1の範囲であることが好ましい。2価カル
ボン酸が上記の範囲より過剰の場合には、生成す
るエステルの粘度が高くなりすぎて塗膜の形成に
困難を生ずるようになる。 2価カルボン酸としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、セパシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸、チオジグリコール酸、
チオジバレリン酸、ジグリコール酸あるいはマレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などまたはこれら
の塩化物、無水物およびエステルを用いることが
できる。 本発明の皮膜形成性樹脂原料を構成する一般的
〔〕で示される重合性酸性リン酸エステル(B)と
しては、(メタ)アクリロキシエチルフオスフエ
ート、ジ(メタ)アクリロキシエチルフオスフエ
ート、(メタ)アクリロキシプロピルフオスフエ
ート、ジ(メタ)アクリロキシプロピルフオスフ
エート、(メタ)アクリロキシブチルフオスフエ
ート、ジ(メタ)アクリロキシブチルフオスフエ
ート等があげられる。これらの中で分子中に2個
のOH基を含有している(メタ)アクリロキシエ
チルフオスフエート、(メタ)アクリロキシプロ
ピルフオスフエート、(メタ)アクリロキシブチ
ルフオスフエートが比較的少量の添加で優れた帯
電防止性を発揮させるので特に好ましい。 本発明において、分子中に少なくとも2個のア
クリロイルオキシ基および/またはメタクリロイ
ルオキシ基を有する重合性化合物(A)と重合性酸性
リン酸エステル(B)との混合割合は、重合性化合物
(A)90〜99.8重量%に対して重合性酸性リン酸エス
テル(B)0.2〜10重量%である。 重合性酸性リン酸エステル(B)の添加量が0.2重
量%未満の場合は、得られた皮膜表面の帯電防止
性が十分でなく、他方10重量%を越えるときは、
一般に帯電防止性は十分であるが表面に放置によ
るくもりを生じ易く好ましくない。 本発明の皮膜形成性樹脂原料は、本質的には上
記の分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキ
シ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有
する化合物(A)と重合性酸性リン酸エステル(B)の両
者を含めば本発明の目的を達し得るが、通常本発
明の実施にあたつては、重合開始剤を添加するこ
とが好ましく、また場合によつては重合性酸性リ
ン酸エステル(B)による帯電防止性の発現を助長す
る働きをもつ化合物をさらに添加してもよい。 本発明の実施にあたつては、皮膜形成性樹脂原
料の重合硬化は、特に限定されないが、装置が比
較的に簡単なこと、生産性が高いことから紫外線
照射による光重合で行なうことが好ましい。した
がつて皮膜形成性樹脂原料に添加する重合開始剤
としては、光増感剤が好ましい。このような光増
感剤の例としては、たとえばベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトイン、
ベンジル、ベンゾフエノン、p−メトキシベンゾ
フエノンなどのカルボニル化合物、テトラメチル
チウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラム
ジスルフイドなどの硫黄化合物等をあげることが
できる。これらは1種でなく2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。また紫外線の照射源と
して水銀灯、アーク灯、キセノンランプ等があ
る。 これらの光増感剤の添加量は前記の皮膜形成性
樹脂原料100重量部に対して0.1〜10重量部である
ことが好ましい。光増感剤の添加量が少なすぎる
と皮膜の重合硬化が遅いために生産性が低く、他
方添加量が多すぎると硬化皮膜の耐候性の低下等
をひき起こしやすい。 また、前記した重合性酸性リン酸エステル(B)に
よる帯電防止性の発現を助長する働きをもつ化合
物としては、例えば(メタ)アクリル酸、エチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、平均分子量が約300〜約1000のポリエチレ
ングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステ
ル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等の多
価アルコールのモノ(メタ)アクリレート、ある
いはN−ウラリルジエタノールアミン、N−ステ
アリルジエタノールアミン等のエタノールアミン
系化合物等をあげることができ、これらの化合物
の添加量は多くとも、重合性酸性リン酸エステル
(B)と等量であることが好ましい。 本発明の重合性化合物(A)と混合して用いること
のできる他の共重合性単量体としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、それらのエステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン
およびその誘導体があげられる。 また、皮膜形成性樹脂原料の粘度は1〜1000セ
ンチポイズの範囲であることが作業上好ましく、
さらに5〜1000センチポイズであることがより好
ましい。 また、本発明の耐擦傷性と帯電防止性を与える
皮膜の厚みは、1〜100μmの範囲にあることが
好ましい。膜厚が1μmに達しないときは、場合
によつては耐擦傷性が十分にもたらされないこと
が生ずるのでは好ましくない。他方、膜圧が
100μmを越えるときは皮膜を表面にもつ合成樹
脂成形品がもろくなることが多くなる。 本発明で用いられる基材樹脂原料としては、メ
タクリル酸メチルあるいはメタクリル酸メチルを
80重量%以上含む重合性不飽和単量体の混合物あ
るいはその部分重合物である。 メタクリル酸メチルと共重合して用いることの
できる重合性不飽和単量体としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル
酸エチル等のメタクリル酸エステル、スチレンお
よびその誘導体等があげられる。 前記基材樹脂原料の重合開始剤としては、例え
ばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチ
ルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキシド、イソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、イソブチルパーオキシド、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどのフ
リーラジカル開始剤を使用することができる。ま
た酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキシド
類とアミン類の組み合せを使用することもでき
る。さらに基材樹脂原料には必要に応じて各種の
添加剤、例えば安定剤、難燃化剤、可塑剤、重合
調節剤、染、顔料等を添加してもよい。 また、鋳型よりの合成樹脂の離型を容易にする
剥離剤として、 下記の一般式〔〕
〔実施例〕
以下、実施例により本発明のさらに詳細に説明
する。実施例中の部は重量部を表わす。 耐擦傷性の評価は以下に示す落砂法での曇価の
増加で示す。すなわち、あらかじめ試験片を水平
方向と45°の角度に傾斜させて、鉛直軸のまわり
に11R.P.M.の速度で回転させておき、試験片の
70cm上方から60メツシユのカーボランダム300g
を150g/分の速度で落下させ、落砂後の曇価か
ら落砂前の曇価を差し引いた値が曇価の増加を表
わす。 なお曇価は次の式で示される。 曇価(%)=全光線透過率−平行光線透過率/全
光線透過率×100 曇価の増加の小さいもの程、耐擦傷性はすぐれ
る。 また、帯電防止性は下記の条件で測定した電荷
半減期の値で表わした。 すなわち温度20℃、相対湿度50%の恒温恒湿下
に24時間、試料を保持した後、オネストメーター
(宍戸商会製)により10KVの電圧を10秒印加し
て半減期を測定した。 また、合成樹脂成形品の放置後の外観変化は製
造後、温度20℃、相対湿度50%の恒温恒湿下に24
時間、試料を放置した後、外観を観察した結果を
示した。 実施例 1 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 95部 カヤマ−PM1(日本化薬(株)製、モノメタクリロキ
シエチルフオスフエート) 5部 ベンゾインエチルエーテル 1.5部 を混合した皮膜形成性樹脂原料を610mm×460mm×
6mm(厚さ)の強化ガラス板の片面に流延させ、
その上を四辺を緊張した厚さ20μmのポリプロピ
レンフイルムのカバーで被覆し、上からローラー
によりフイルムとガラス板との間に気泡が残らな
いように展延し、皮膜原料の厚さが約20μmにな
るようにした。そのような状態のものをまず、75
mm間隔で10本配列させた蛍光ケミカルランプ(東
芝製、FL−20BL)で6cmの高さから15秒間照射
した。その後カバーフイルムを前硬化した皮膜か
ら剥離し、引き続き400mm間隔で2本配列させた
高圧水銀灯(東芝製、H2000L)で20cmの高さか
ら30秒間照射して皮膜の後硬化を行なつた。この
ように処理したガラス板を硬化皮膜が内側になる
ようにして、未処理のガラスと対向させてセルを
形成し、そのセルに メタクリル酸メチル部分重合物 100部 チヌピンP(紫外線吸収剤) 0.01部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部 日本化学工業製、商品名「EAP」(モノエチルフ
オスフエートとジエチルフオスフエートとの混合
物) 0.05部 よりなる期材樹脂原料を注入し、周囲を軟質塩化
ビニルガスケツトで封じ、樹脂板が3mmになるよ
うに型ガラスの間隔を調整し、60℃で6時間、次
いで120℃で2時間加熱重合させた。冷却後、ガ
ラス板から剥離して得られた樹脂板の皮膜が形成
されていない側の表面の耐擦傷性は落砂法での曇
価の増加が55%であり、電荷半減期は120秒以上
であつたが、皮膜が形成された側の表面の耐擦傷
性は、落砂法での曇価の増加が12%であり、電荷
半減期は1秒で耐擦傷性と帯電防止性が優れてお
り、また放置後の外観の変化はみられなかつた。 比較例 1 実施例1と同様の皮膜形成性樹脂原料を、45℃
に加熱した610mm×460mm×3mm(厚さ)のメタク
リル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、アクリライト
E)の片面に流延させ、以降実施例1と同様にし
てポリプロピレンフイルムカバー下およびカバー
フイルムの不存在下で塗布した皮膜原料を重合硬
化させて、片面に実施例1と同様の皮膜の形成さ
れた樹脂板を得た。 こうして得られた樹脂板の皮膜が形成された側
の表面の耐擦傷性は落砂法での曇価の増加が12%
であり、電荷半減期は45秒であつた。 比較例 2 実施例1と同様の皮膜形成性樹脂原料を、45℃
に加熱した610mm×460mm×3mm(厚さ)のメタク
リル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、アクリライト
E)の片面に流延させ、窒素気流中において400
mm間隔で2本配列させた高圧水銀灯(東芝製、
H2000L)で20cmの高さから皮膜原料の塗布され
た面側を30秒間照射して、片面に実施例1と同様
の皮膜の形成された樹脂板を得た。 こうして得られた樹脂板の皮膜が形成された側
の表面の耐擦傷性は落砂法での曇価の増加が12%
であり、電荷半減期は53秒であつた。 実施例2〜4、比較例3 皮膜形成性樹脂原料を表−1に記載したものに
変えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返す
ことにより樹脂板を得た。 このようにして得られた樹脂板の皮膜が形成さ
れた表面の耐擦傷性と電荷半減期の測定結果なら
びに放置後の外観変化を観察した結果を表−1に
示す。 比較例 4、5 皮膜形成性樹脂原料を表−2に記載したものに
変えた以外は、比較例1と同様の操作を繰り返す
ことにより皮膜の形成された樹脂板を得た。 こうして得られた樹脂板の皮膜が形成された表
面の耐擦傷性と電荷半減期の測定結果ならびに放
置後の外観変化を観察した結果を表−2に示す。
【表】
【表】 実施例 5 連続製造装置として第1図に示すものを用いて
実施した。 第1図においてベルト1,1′は幅1.5m、厚さ
1mmの鏡面研摩されたエンドレスのステンレス鋼
製のベルトであり、下側のベルトは上側のベルト
より長く12mのばされている。ベルトは主プーリ
ー2′を駆動することにより毎分2mの速度で走
行せしめられ、ベルトの初期張力はテンシヨンプ
ーリーに油圧シリンダーを設けることによつて与
えらえ、ベルト断面あたり10Kg/mm2に設定されて
いる。 トリメチロールプロパントリアクリレート97.5部 城北化学工業製「JPA−514」(モノメタクリロキ
シエチルフオスフエートとジメタクリロキシエチ
ルフオスフエートとの混合物) 2.5部 ベンゾインエチルエーテル 5.0部 よりなる皮膜形成性樹脂原料5,5′はロールコ
ーター6,6′により厚さ12μmのポリエステル
フイルム7,7′に塗布された後、プレスロール
8,8′によりベルト1,1′に18μmの厚さで塗
布される。 こうして塗布された皮膜形成性脂原料5,5′
は、引き続き蛍光ケミカルランプ(東芝製、FL
−40BL)12,12′により前硬化した後、ポリ
エステルフイルムを剥離し、引き続き高圧水銀灯
13,13′により後硬化する。 こうして皮膜処理されたベルトを対向させ、相
当量の可塑剤の入つたポリ塩化ビニル製中空パイ
プ15で両側辺部のシールを行ない、その間に メタクリル酸メチル部分重合物(平均重合度1800
の重合体含有量21%) 100部 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル) 0.05部 チヌピンP 0.01部 第一工業製薬(株)プライサーフA−217E(ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルの酸性リン酸エステ
ル) 0.05部 よりなる基材樹脂原料14を定量ポンプにより注
入装置を通じて供給する。 重合区域は全長96mであり、前半の66mの区間
は15cm間隔で配列したアイドルローラー4,4′
群でベルト面間距離を規制し、ベルト外面より80
℃の温水をノズルからスプレー状に散布して加熱
し、後半30mの区間は1m間隔で配列したアイド
ルローラーでベルトを支持し、赤外線ヒーター1
7で約130℃に加熱された後冷却される。冷却後
ベルトから剥離することにより厚さ2mmの樹脂液
を連続的に得た。 こうして得られた樹脂板の耐擦傷性は落砂法で
の曇価の増加が11%であり、電荷半減期は2秒で
耐擦傷性と帯電防止性に優れており、放置後の外
観変化はみられなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は皮膜形成性樹脂原料の硬化を皮膜と親
和性のないカバーを用いる場合の連続製造装置の
1例である。 1,1′……エンドレスベルト、2,3,2′,
3′……プーリー、4,4′……アイドルローラ
ー、5,5′……皮膜形成性樹脂原料、6,6′…
…ロールコーター、7,7′……カバー体、8,
8′……プレスロール、9,9′……ニツプロー
ル、10,10′……カバー体巻き出しローラー、
11,11′……カバー体巻き取りローラー、1
2,12′13,13′……硬化装置、14……基
材樹脂原料、15……ガスケツト、16……加熱
器、17……赤外線ヒーター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキ
    シ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有
    する重合性化合物(A)90〜99.8重量%と、下記の一
    般式 【化】 (式中、R1は水素またはメチル基であり、R2
    水素または【式】基であ り、R3は水素またはメチル基であり、mおよび
    nは1〜5の整数である)で示される重合性酸性
    リン酸エステル(B)0.2〜1.0重量%よりなる皮膜形
    成性樹脂原料をガラスあるいは金属の鋳型成形面
    に塗布し、あとから注入される基材樹脂原料によ
    つて膨潤もしくは溶解しない程度に十分に重合硬
    化せしめて鋳型成形面に皮膜をあらかじめ形成し
    た後、基材樹脂原料を注入して重合し、上記のあ
    らかじめ形成させた皮膜を基材樹脂側に転移せし
    めることを特徴とする耐擦傷性および帯電防止性
    に優れた表面を有する合成樹脂成形品の製造方
    法。 2 皮膜形成性樹脂原料の重合硬化が、光増感剤
    の存在下に紫外線の照射によつて行なわれること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐擦傷
    性および帯電防止性に優れた表面を有する合成樹
    脂成形品の製造方法。 3 基剤樹脂原料が、メタクリル酸メチルあるい
    は80重量%以上のメタクリル酸メチルと20重量%
    以下のこれと共重合可能な不飽和重合性単量体と
    の混合物あるいはこれらの部分重合物であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐擦傷
    性および帯電防止性に優れた表面を有する合成樹
    脂成形品の製造方法。 4 鋳型が、相対して同方向に同一速度で進行す
    る片面鏡面研磨されたエンドレスのステンレス鋼
    製のベルトであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の耐擦傷性および帯電防止性に優れ
    た表面を有する合成樹脂成形品の製造方法。
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