JPH0557988B2 - - Google Patents

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JPH0557988B2
JPH0557988B2 JP59156907A JP15690784A JPH0557988B2 JP H0557988 B2 JPH0557988 B2 JP H0557988B2 JP 59156907 A JP59156907 A JP 59156907A JP 15690784 A JP15690784 A JP 15690784A JP H0557988 B2 JPH0557988 B2 JP H0557988B2
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JP
Japan
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group
formula
hydrogen atom
acyl group
compound
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JP59156907A
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Takao Yoshioka
Eiichi Kitazawa
Tomoyuki Kurumada
Mitsuo Yamazaki
Kazuo Hasegawa
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は血中脂質代謝改善作用すなわち血中過
酸化脂質低下作用、血中トリグリセライド低下作
用および血中コレステロール低下作用を有し、か
つ極めて低毒性の新規チアゾリジン誘導体に関す
る。さらに詳しくは、本発明は一般式 〔式()中、R1およびR2は同一または異な
つて水素原子または低級アルキル基を、R3およ
び後述するR3′は同一または異なつて水素原子、
脂肪族低級アシル基、脂環式アシル基、置換基を
有していてもよい芳香族アシル基、複素環アシル
基、置換基を有していてもよい芳香脂肪族アシル
基、低級アルコキシカルボニル基またはアラルキ
ルオキシカルボニル基を、R4およびR5は同一ま
たは異なつて、水素原子、低級アルキル基、また
は低級アルコキシ基を、nは1乃至3の整数を、
Wはカルボニル基あるいは式CH−OR3′〔式中、
R3′は前述したものと同意義を示す。〕で表わされ
る基を、Yは酸素原子、またはイミノ基を、Zは
酸素原子、またはイミノ基を示す。〕で表わされ
るチアゾリジン誘導体に関し、 さらに、その製造方法すなわち、一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5およびn
は、前述したものと同意義を示し、Xはハロゲン
原子を、Aはシアノ基、カルボキシ基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、または式−
COOM(Mは等価の陽イオンを示す。)で表わさ
れる基を示す。〕で表わされる化合物とチオ尿素
を反応させることを特徴とする一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよ
びYは前述したものと同意義を示す。〕で表わさ
れるチアゾリジン誘導体の製造方法; 前記一般式()で表わされる化合物を加水分
解することを特徴とする一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5およびn
は前述したものと同意義を示す。〕で表わされる
チアゾリジン誘導体の製造方法; 前記一般式()で表わされる化合物を還元剤
と反応させることを特徴とする一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよ
びYは前述したものと同意義を示す。〕で表わさ
れるチアゾリジン誘導体の製造方法; 前記一般式()で表わされる化合物を還元剤
と反応させることを特徴とする一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5およびn
は前述したものと同意義を示す。〕で表わされる
チアゾリジン誘導体の製造方法; 前記一般式()で表わされる化合物をアシル
化剤と反応させることを特徴とする一般式 〔式()中、R3aは前述したR3′における水素
原子を除く同意義を有するアシル基を示し、R1
R2,R3,R4,R5,nおよびYは前述したものと
同意義を示す。〕で表わされるチアゾリジン誘導
体の製造方法; ならびに前記一般式()で表わされる化合物
をアシル化剤と反応させることを特徴とする一般
〔式()中、R1,R2,R3,R3a,R4,R5
よびnは前述したものと同意義を示す。〕で表わ
されるチアゾリジン誘導体の製造方法に関する。 前記一般式()において、R1およびR2が低
級アルキル基を示す場合、R1およびR2は同一ま
たは異なつてメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチル
ブチル、2,2−ジメチルプロピルなど直鎖状ま
たは分板鎖状の炭素数1乃至5のものがあげられ
る。 R3および後述するR3′がアシル基を示す場合、
R3およびR3′は同一または異なつてホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、ピバロイル、ヘキサノイル、アクリロイル、
メタアクリロイル、クロトノイルのような不飽和
結合を有してもよい炭素数1乃至6の脂肪族アシ
ル基、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサ
ンカルボニル、シクロヘプタンカルボニルのよう
な脂環式アシル基、ベンゾイル、p−ニトロベン
ゾイル、m−フルオロベンゾイル、o−クロロベ
ンゾイル、p−アミノベンゾイル、m−ジメチル
アミノベンゾイル、o−メトキシベンゾイル、
3,4−ジクロロベンゾイル、3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル、1−ナフト
イルのような芳香族アシル基、2−フロイル、3
−テノイル、3−ピリジンカルボニル、4−ピリ
ジンカルボニルのような複素環アシル基、フエニ
ルアセチル、p−クロロフエニルアセチル、フエ
ニルプロピオニル、シンナモイルのような置換基
を有してもよく、また不飽和結合を有してもよい
芳香脂肪族アシル基、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのよ
うな低級アルコキシ若しくはアラルキルオキシカ
ルボニル基があげられる。 R4およびR5がアルキル基を示す場合、R4およ
びR5は同一または異なつてメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ルなど直鎖状または分板鎖状の炭素数1乃至5の
ものがあげられる。 R4およびR5がアルコキシ基を示す場合、R4
よびR5は同一または異なつてメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブト
キシがあげられる。また、隣接するR4およびR5
は一緒になつて形成するメチレンジオキシあるい
はエチレンジオキシのような低級アルキレンジオ
キシ基を示してもよい。 Wはカルボニル基または 式 CH−OR3′ 〔式中、R3′は前述したものと同意義を示し、
かつ、クロマン環6位にあるR3と同一もしくは
異なつてよい。〕で示される基があげられる。 Yは酸素原子またはイミノ基が、Zは酸素原子
またはイミノ基があげられる。 本発明の前記一般式()で表わされる目的化
合物は、常法に従つて薬理上許容し得る無毒性塩
とすることができるが、そのような塩として例え
ばナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属の
塩あるいはカルシウムのようなアルカリ土類金属
の塩などをあげることができる。 従来、チアゾリジン誘導体が血中脂質、糖低下
作用を有し、かつ低毒性とされていることは、特
開昭55−22636号およびChem.Pharm.Bull。30
3580(1982)において公知である。 しかるに本発明者らは前記一般式()を有す
る誘導体を鋭意研究中、化合物()は、リノー
ル酸、リノール酸エチルのような不飽和脂肪酸お
よびそのエステル類に対し、高い酸化防止作用を
有することから、生体内において不飽和脂肪酸の
構成率の高いリン脂質の酸化を防止し得ることが
予想され;Biochem・Biophys.Res.Commun.95,
734−737(1980)に示されるラツト肝ミクロソー
ム脂質の過酸化抑制試験において、強力な過酸化
脂質低下作用を有するのみならず、アロキサンで
誘発せしめた実験的高脂血症マウスの試験におい
て、血中過酸化脂質、トリグリセライド、および
コレステロールを低下せしめるきわめて優れた薬
理効果を示すこと;毒性に関しては実験動物たと
えばラツトに対し、食欲減退作用、体重増加抑制
作用、とりわけ、肝腫大作用がきわめて低いこと
等を見出して本発明を完成するに至つた。 以上の試験の結果から本発明のチアゾリジン誘
導体()は人の高脂血症、糖尿病およびそれら
の合併症の治療に有用であることが期待される。
投与方法は、たとえば錠剤、カプセル剤、散剤、
顆粒剤などとして経口的に用いられるほか注射
剤、坐剤などとして、非経口的に投与することが
できる。その投与量は症状、年令などによつて異
なるが、例えば高脂血症および/または糖尿病お
よびそれらの合併症の治療剤として用いる場合は
成人につき通常1日50mg〜5gを経口的または非
経口的に、投与することができる。 本発明のチアゾリジン誘導体()の具体例と
してはたとえば、次表に示すような構造式を有す
る化合物があげられる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 さらに、本発明の化合物()において、好適
な化合物としては、R1が低級アルキル、さらに
イソブチル、メチル、特にメチルであり;R2
水素原子または低級アルキル、さらに水素原子ま
たはメチル、イソプロピルであり、特にメチルで
あり;R3が水素原子または脂肪族低級アシル、
芳香族アシル、さらに水素原子、アセチル、ベン
ゾイル、特に水素原子であり;R4が水素原子、
低級アルキルまたは低級アルコキシ、さらにメチ
ル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、さ
らに望ましくはメチル、tert−ブチル、特にメチ
ルであり;R5が水素原子、低級アルキル、低級
アルコキシ、さらに水素原子、メチル、メトキ
シ、特にメチルであり;nが1あるいは2、特に
1であり;Wがカルボニル基であり;Yが酸素原
子であり;Zが酸素原子またはイミノ基、特に酸
素原子である化合物をあげることができる。 本発明のチアゾリジン誘導体()は、たとえ
ば次のようにして製造することができる。すなわ
ち、式()中、Wがカルボニル基であり、Zが
イミノ基である化合物()は、一般式() で表わされる化合物とチオ尿素を反応させること
によつて得られる。 上記式中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよびY
は前述したものと同意義を示し、Aはシアノ基、
カルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イ
ソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニ
ルのようなアルコキシカルボニル基、カルバモイ
ル基または式−COOM基(式中、Mは例えばナ
トリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム
のような金属原子またはアンモニウム基等の等価
の陽イオンを示す。)を表わし、Xは例えば塩素、
臭素、沃素のようなハロゲン原子を表わす。な
お、化合物()には下記で示されるように、互
変異性体が考えられるが、便宜上これらを単に式
()として表わす。 Yが酸素原子のとき、 Yがイミノ基であるとき、 化合物()とチオ尿素との反応は通常溶媒中
で行なわれる。該溶媒としては、たとえばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテルなどのア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どのエーテル類、アセトン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジメチルホルムアミドなどがあ
げられる。化合物()とチオ尿素との使用モル
比は特に限定されないが、化合物()に対して
等モルよりやや過剰のチオ尿素を使用するのがよ
い。好ましくは化合物()1モルに対し、1〜
2モルである。反応温度、反応時間などの反応条
件は用いられる原料、溶媒などにより異なるが、
通常反応は溶媒の沸点もしくは80乃至150℃で、
1時間乃至十数時間行なわれる。 式()中、Wがカルボニル基であり、YとZ
が共に酸素原子である本発明の化合物()は、
化合物()を、単離もしくは単離することな
く、加水分解することによつて製造することがで
きる。 加水分解工程は化合物()を適当な溶媒中
(たとえばスルホラン、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテルなど)、
水、酢酸のような有機酸、あるいは硫酸、塩酸の
ような鉱酸の存在下加熱することにより行なわれ
る。酸の添加量は、通常化合物()1モルに対
し、0.1〜10モル、好ましくは0.2〜3モル、水あ
るいは水性溶媒の添加量は、化合物()1モル
に対し通常大過剰である。反応温度は通常、50乃
至100℃であり、加熱時間は通常数時間乃至十数
時間である。なお、この加水分解工程を経たのち
は、化合物()中のR3は通常水素原子を示す
〔R3が水素原子である()を特に(H)で示
す。〕が、反応条件をえらぶことにより、アシル
基を残すこともできる。 該工程において得られたチアゾリジン誘導体
()は、常法により、ナトリウム、カリウムの
ようなアルカリ金属;カルシウムのようなアルカ
リ土類金属;もしくはアルミニウムのような三価
の金属で例示される種々の金属;好適には、ナト
リウム、カリウムのようなアルカリ金属;カルシ
ウムのようなアルカリ土類金属;さらに好適に
は、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属
との塩を形成することができる。 またフエノール性水酸基を有するチアゾリジン
誘導体においては、例えば、ナトリウム、カリウ
ムのような一価の金属に対しては、モノ塩もしく
はジ塩を、必要に応じて形成せしめることができ
る。 また(H)は、酸ハロゲン化物、酸無水物の
ようなアシル化剤、または芳香族カルボン酸、脂
肪族カルボン酸のような有機酸と、塩酸、硫酸の
ような鉱酸、パラトルエンスルホン酸のような有
機酸からなる脱水剤または脱水触媒を用いること
によつて、目的とするエステル類に変換すること
ができる。反応は通常溶媒中で行なわれる。使用
される溶媒としてはエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類、ベンゼン、
トルエンのような芳香族炭化水素類、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、n−ヘプタタンのような脂
肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム
のようなハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチ
ルエチルケトンのようなケトン類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド
類、ピリジン、トリエチルアミンのような有機塩
基類、ジメチルスルホキサイドのようなスルホキ
サイド類、スルホランのようなスルホン類、水な
どがあげられる。化合物(H)とアシル化剤の
割合は特に限定はないが、化合物(H)に対し
て等モルよりやや過剰のアシル化剤を使用するの
がよい。好ましくは化合物(H)1モルに対し、
アシル化剤1〜2モルである。反応温度、反応時
間などの反応条件は用いられる原料、溶媒の種類
によつて異なるが、通常0℃乃至100℃で、数分
乃至十数時間である。 式()中、Wがヒドロキシメチレン基であ
り、Zがイミノ基である化合物()は、一般式
()で表わされる化合物と水素化ホウ素ナトリ
ウム、K−セレクトライドのような還元剤、特に
水素化ホウ素ナトリウムを反応させることによつ
て得られる。 上記式中、R1,R2,R3,R4,R5,nおよびY
は前述したものと同意義を示す。なお、化合物
()には下記で示されるように、互変異性体が
考えられるが、便宜上これらを単に式()とし
て表わす。 Yが酸素原子のとき Yがイミノ基であるとき、 化合物()と水素化ホウ素ナトリウムとの反
応は通常溶媒中で行なわれる。該溶媒としては、
たとえばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類などがあげられ
る。化合物()と水素化ホウ素ナトリウムとの
使用モル比は特に限定されないが、化合物()
に対して過剰の水素化ホウ素ナトリウムを使用す
るのがよい。好ましくは化合物()1モルに対
し1〜20モルである。反応温度、反応時間などの
反応条件は用いられる原料、溶媒などにより異な
るが、通常反応は0乃至100℃で1時間乃至十数
時間行なわれる。 式()中、Wがヒドロキシメチレン基であ
り、YとZが共に酸素原子である化合物()
は、一般式()で表わされる化合物と水素化ホ
ウ素ナトリウム、K−セレクトライドのような還
元剤、特に水素化ホウ素ナトリウムを反応させる
ことによつて得られる。 上記式中、R1,R2,R3,R4,R5およびnは前
述したものと同意義を示す。なお、化合物()
には下記で示されるように、互変異性体が考えら
れるが、便宜上これらを単に式()として表わ
す。 化合物()と水素化ホウ素ナトリウムとの反
応は通常溶媒中で行なわれる。該溶媒としては、
たとえばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類などがあげられ
る。化合物()と水素化ホウ素ナトリウムとの
使用モル比は特に限定されないが、化合物()
に対して過剰の水素化ホウ素ナトリウムを使用す
るのがよい。好ましくは化合物()1モルに対
し1〜20モルである。反応温度、反応時間などの
反応条件は用いられる原料、溶媒などにより異な
るが、通常反応は0乃至100℃で1時間乃至十数
時間である。 また化合物()は酸ハロゲン化物あるいは酸
無水物のようなアシル化剤と反応させることによ
つて、目的とするアシル化物()に変換するこ
とができる。 上記式中、R1,R2,R3,R3a,R4,R5,nお
よびYは前述したものと同意義を示す。なお、化
合物()には下記で示されるように、互変異性
体が考えられるが、便宜上これらを単に式()
として表わす。 Yが酸素原子のとき Yがイミノ基のとき 反応は通常溶媒中で行なわれる。使用される溶
媒としては、エーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのようなエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンのような
脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホル
ムのようなハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ト
リエチルアミンのような有機塩基類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミ
ド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシ
ド類、スルホランのようなスルホン類などがあげ
られる。 化合物()とアシル化剤の割合は特に限定は
ないが、化合物()に対して等モルよりやや過
剰のアシル化剤を使用するのがよい。好ましくは
化合物()1モルに対し、アシル化剤1〜2モ
ルである。反応温度、反応時間などの反応条件は
用いられる原料、溶媒の種類によつて異なるが、
通常0乃至100℃で、数分乃至十数時間である。 また化合物()は、酸ハロゲン化物または酸
無水物のようなアシル化剤と反応させることによ
つて、目的とするアシル化物()に変換するこ
とができる。 上記式中、R1,R2,R3,R3aR4,R5およびn
は前述したものと同意義を示す。なお化合物
()には下記で示されるように、互変異性体が
考えられるが、便宜上これらを単に式()とし
て表わす。 反応は通常溶媒中で行なわれる。使用される溶
媒としては、エーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのようなエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンのような
脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホル
ムのようなハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ト
リエチルアミンのような有機塩基類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミ
ド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシ
ド類、スルホランのようなスルホン類などがあげ
られる。化合物()とアシル化剤の割合は特に
限定はないが、化合物()に対して等モルより
やや過剰のアシル化剤を使用するのがよい。好ま
しくは化合物()1モルに対し、アシル化剤1
〜2モルである。反応温度、反応時間などの反応
条件は用いられる原料、溶媒の種類によつて異な
るが、通常0乃至100℃で、数分乃至十数時間で
ある。 このようにして得られる化合物(),(),
()あるいは()は、常法によりナトリウム、
カリウムのようなアルカリ金属、カルシウムのよ
うなアルカリ土類金属、若しくはアルミニウムの
ような三価の金属イオンとの塩を形成させること
ができる。 前記一般式()中、Wがカルボニル基である
とき、式()によつて示されるチアゾリジン誘
導体においてクロマン環の2位およびチアゾリジ
ン環の5位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子で
あり、それらに基づく各異性体もまた本発明の化
合物に包含される。 また、式()中、Wが式CH−OR3′〔R3′は
前述したものと同意義を示す。〕を示すとき、式
()によつて示されるチアゾリジン誘導体にお
いて、クロマン環の2位、4位およびチアゾリジ
ン環の5位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子で
あり、それらに基づく各異性体もまた本発明の化
合物に包含される。 以上の反応によつて得られたチアゾリジン誘導
体()は公知の分離、精製手段、たとえば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出再結晶、転溶、ク
ロマトグラフイー、さらに光学分割法などによつ
て単離精製することが可能である。 本発明の前記一般式()で表わされる目的化
合物を製造する際の原料化合物であるα−ハロゲ
ノカルボン酸類()は、例えば以下の反応経路
によつて製造することができる。 上記式中、R1,R2,R3,R4,R5,n,Xおよ
びAは前述したものと同意義を示す。 第1工程 最初の出発原料、クロマン−4−オン類(XI)
は、例えばChem.Berichte、第95巻、第1413頁以
降に記載されているアセトフエノン類似体()
と、例えばJ.Med.Chem、第21巻、第386頁
(1978年)あるいはJ.Am.Chem.Soc.、第99巻、
第7653頁(1977年)以降に記載されているp−ニ
トロフエノキシアルキル アルキルケトン類
()とを、例えば特開昭52−19670号に記載され
ている方法、すなわち第二級アミンの存在下に反
応させる方法によつて製造し得る。 上記反応に使用される溶媒は原料および目的生
成物に対して不活性なものであれば特に限定はな
いが、たとえば、石油エーテル、ベンゼン、トル
エン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
のような脂肪族もしくは芳香族炭化水素類、四塩
化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼンのような脂肪族もし
くは芳香族のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのよう
なエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンのようなア
ミド類、メタノール、エタノール、エチレングリ
コールモノメチルエーテルのようなアルコール
類、酢酸エチルのようなエステル類、アセトニト
リルのようなニトリル類、ジメチルスルホキシド
のようなスルホキシド類などがあげられる。上記
反応に使用される第二級アミンは式 R6−NH−R7 〔式中、R6およびR7はアルキル基を表わし、
これらは窒素原子と一緒に結合して複素環を形成
することができる。〕で表わされる。たとえば、
ジエチルアミン、ジメチルアミン、N−メチルピ
ペラジン、ピロリジン、ピペリジン、モルフオリ
ン、好ましくはピロリジンである。 化合物()と化合物()の割合は特に限定
されないが通常等モルで使用するのが好ましい。
一般に、第二級アミン類は化合物()あるいは
化合物()1モルに対して、0.05〜1.5モル、
好ましくは0.1〜1モルを使用する。 反応温度、反応時間などの反応条件は用いられ
る原料、溶媒などによつて異なるが、通常−30乃
至+150℃、好ましくは10乃至120℃で0.5時間乃
至3日間である。 第2工程 かくして得られたニトロ体(XI)はアミノ体
(XII)に還元される。還元方法としては、接触還
元あるいは亜鉛、鉄などの金属と酸(たとえば塩
酸、硫酸などの鉱酸、あるいは酢酸などの有機
酸)があげられるが、好ましくは接触還元が用い
られる。接触還元に用いられる触媒はパラジウム
−炭素、ラネーニツケル、酸化白金などがあげら
れるが、好ましくは、パラジウム−炭素である。
水素圧は1気圧乃至100気圧であるが、1気圧乃
至6気圧が好ましい。溶媒としては、メタノー
ル、エタノールのようなアルコール類、ベンゼ
ン、トルエンのような芳香族炭化水素、テトラヒ
ドロフランのようなエーテル類、酢酸のような有
機酸、水およびこれらのものの混合物があげられ
る。反応温度、反応時間は用いられる原料、溶媒
によつて異なるが、通常室温乃至50℃で数分乃至
十数時間である。 第3工程 かくして得られた2−(4−アミノフエノキシ
アルキル)クロマン−4−オン類(XII)をジアゾ
化し、ついてメイルバイン アリーレイシヨン
(Meerwein Arylation)をおこなうことによつ
て、本発明における目的化合物()の原料であ
る、α−ハロゲノカルボン酸類()の製造が達
成される。該反応は塩酸、ブロム水素酸などの存
在下、亜硝酸ソーゾなどの亜硝酸塩類で、ジアゾ
化し、ついで、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチルのようなアクリル酸エステル
類、アクリロニトリル、アクリル酸アミドなどの
アクリル酸誘導体の存在下に、触媒量の塩化第一
銅、酸化第一銅などの第一銅塩類を作用せしめる
ことによつて開始する。アクリル酸誘導体として
はアクリル酸エステル類が好ましく、第一銅塩類
としては酸化第一銅が好ましい。該反応の溶媒と
しては、メタノール、エタノールのようなアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトンのような
ケトン類、水、およびこれらの混合物があげられ
る。アミノ体(XII)とアクリル酸誘導体類の割合
は、化合物(XII)1モルに対して、アクリル酸誘
導体類1〜15モル、好ましくは5〜10モルであ
る。化合物(XII)と第一銅塩類との割合は化合物
(XII)1モルに対し、第一銅塩類0.01〜1モルで
あり、好ましくは0.03〜0.3モルである。反応温
度、反応時間は、用いられる原料、溶媒などによ
り異なるが、通常、室温乃至100℃で十数分乃至
十数時間、好ましくは30乃至60℃で30分乃至2時
間である。 かくして得られたクロマン環を有するα−ハロ
ゲノカルボン酸類()は所望に応じて相互に各
種の加水分解成績体、エステル交換成績体へ、あ
るいは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ア
ルミニウムなどの金属塩類へ、あるいは逆に、金
属塩類から、あるいは遊離のフエノール類およ
び/または遊離のカルボン酸類からエステル体、
アミド体などへ変換することができる。 とりわけ、α−ハロゲノカルボン酸類()を
所望の、各種の加水分解成績体に導く場合、該成
績体の製造は例えば以下のごとく達成される。 R3が水素原子であり、Aがカルボキシ基であ
る化合物は、R3が例えばアシル基、Aがアルコ
キシカルボニル基である化合物()を、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭
酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのよう
な水酸化アルカリ金属塩基、などの無機塩基、あ
るいはナトリウムメトキサイド、ナトリウムエト
キサイド、カリウムターシヤリーブトキサイドの
ようなアルカリ金属のアルコラートなどの塩基の
存在下、加水分解反応を行なうことによつて得る
ことができる。溶媒としては、たとえばメタノー
ル、エタノールのような低級アルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、水およびこれらの混合溶剤があげられる。該
化合物()と該無機塩基、あるいは該塩基との
割合は、該化合物()1モルに対して、1乃至
5モル、好ましくは2乃至3モルである。反応温
度、反応時間などの反応条件は、用いられる原
料、塩基、溶媒などにより異なるが、通常反応温
度は−10乃至30℃、好ましくは0乃至10℃、反応
時間は数分乃至数十時間である。 R3が水素原子であり、Aがアルコキシカルボ
ニル基である化合物は、R3が例えばアシル基、
Aがアルコキシカルボニル基である化合物()
をナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサ
イド、カリウムターシヤリーブトキサイドのよう
なアルカリ金属のアルコラートなどの塩基の存在
下、加溶媒分解反応を行なうことによつて得るこ
とができる。溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブ
チルアルコールのようなアルコール類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類およ
びこれらの混合溶剤をあげることができる。特に
原料の基Aに示すアルコキシカルボニル基を、そ
のまま保有することが所望される場合には、該ア
ルコキシ基に対応するアルカリ金属のアルコラー
トを選択することおよび溶媒として、該アルコキ
シ基に対応するアルコールを選択することが望ま
しい。さらに、所望により、任意のアルカリ金属
のアルコラートおよび溶媒としてのアルコール類
を選択することにより、原料中のアルコキシカル
ボニル基を、所望のアルコキシカルボニル基に交
換することができる。該原料化合物()と該塩
基との割合は、該化合物()1モルに対して、
1乃至3モル、好ましくは1乃至2モルである。
反応温度、反応時間などの反応条件は、用いられ
る原料、塩基、溶媒などにより異なるが、通常反
応温度は−10乃至30℃、好ましくは0乃至10℃、
反応時間は数分乃至数十時間である。 R3がアシル基であり、Aがカルボキシ基であ
る化合物は、R3が例えばアシル基、Aがアルコ
キシカルボニル基である化合物()を、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭
酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのよう
な水酸化アルカリ金属塩基、などの無機塩基、あ
るいはナトリウムメトキサイド、ナトリウムエト
キサイド、カリウムターシヤリーブトキサイドの
ようなアルカリ金属のアルコラートなどの塩基の
存在下、加水分解反応を行なうことによつて得る
ことができる。溶媒としては、たとえば、メタノ
ール、エタノールのような低級アルコール類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、水およびこれらの混合溶剤があげられる。該
化合物()と該無機塩基、あるいは該塩基との
割合は、該化合物()1モルに対して、1乃至
5モル、好ましくは1乃至2モルである。反応温
度、反応時間などの反応条件は、用いられる原
料、塩基、溶媒などにより異なるが、通常反応温
度は−10乃至30℃、好ましくは0乃至10℃、反応
時間は数分乃至数十時間である。 式()によつて示されるα−ハロゲノカルボ
ン酸類においてクロマン環2位および置換基Aの
α位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、
それらに基づく各異性体もまた化合物()に包
含される。 なお、このようにして得られるα−ハロゲノカ
ルボン酸()類もまた、血中過酸化脂質低下作
用を有するのみならず、血中トリグリセライドお
よびコレステロール低下作用を有することが認め
られ、従つて高脂血症治療剤として有用である。 上記の薬理活性を示す式()で表わされる好
適な化合物として、次表に示すような化合物をあ
げることができる。
【表】
【表】 以下に実施例および参考例をあげて本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例 1 エチル3−〔4−(6−アセトキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−4−オン−2−
メトキシ)フエニル〕−2−クロロプロピオネー
ト1.3g、チオ尿素0.4g、スルホラン2gの混合
物を窒素気流下120〜130℃で4時間加熱する。そ
の後、反応混合物にエチレングリコールモノメチ
ルエーテル15ml、水4ml、濃塩酸2mlを加え、70
〜90℃でさらに2.5日間加熱する。反応混合物に
水を加え、ベンゼンで抽出する。抽出液を水洗
し、ついで無水硫酸ソーダ上で乾燥する。ベンゼ
ンを留去して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(溶離液;n−ヘキサン:酢酸
エチル=5:3)に付し、5−〔4−(6−ヒドロ
キシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
4−オン−2−メトキシ)ベンジル〕チアゾリジ
ン−2,4−ジオンを得た。軟化点:79〜83℃ NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.50(3H,s),2.11(3H,s),2.22(3H,
s),2.56(3H,s),2.66(1H,d,J=15
Hz),3.05(1H,d,J=15Hz),3.05(1H,
dd,J=9および15Hz),3.42(1H,dd,J
=4および15Hz),3.95(1H,d,J=10
Hz),4.07(1H,d,J=10Hz),4.46(1H,
dd,J=4および9Hz),4.5〜5.2(1H,br,
s),6.84(2H,d,J=9Hz),7.13(2H,
d,J=9Hz) 実施例 2 5−〔4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−4−オン−2−メトキ
シ)ベンジル〕チアゾリジン−2,4−ジオン
278mgとメチルアルコール9mlの混合物に水素化
ホウ素ナトリウム450mgを加え室温下2時間撹拌
する。反応混合物中へ1%酢酸水溶液を加えた
後、炭酸カリウム水溶液で中和し、酢酸エチルに
て抽出する。酢酸エチル溶液を水洗後、無水硫酸
ソーダ上にて乾燥する。酢酸エチルを減圧下に留
去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイー(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル
=5:3)に付し、5−〔4−(4,6−ジヒドロ
キシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
2−メトキシ)ベンジル〕チアゾリジン−2,4
−ジオンを得た。融点;102〜118℃ NMRスペクトル(δppn、アセトン−d6及び
D2O): 1.52(3H,s),2.01(3H,s),2.13(3H,
s),2.29(3H,s),1.9〜2.5(1H分,nd),
2.9〜3.6(2H,m),4.03(2H,s),3.9〜4.5
(1H分,nd),4.6〜5.1(2H,m),6.7〜7.4
(4H分) nd:他のシグナルとの重なりで判別不可を示
す。 実施例 3 実施例1に準じて、エチル3−〔4−(6−アセ
トキシ−7−t−ブチル−2−メチル−4−オキ
ソクロマン−2−イルメトキシ)フエニル〕−2
−クロロプロピオネート291mg、チオ尿素64mg、
スルホラン1ml、エチレングリコールモノメチル
エーテル5ml、濃塩酸1ml、および水2mlから製
造された5−〔4−(7−t−ブチル−6−ヒドロ
キシ−2−メチル−4−オキソクロマン−2−イ
ルメトキシ)ベンジル〕チアゾリジン−2,4−
ジオンは次の物性を有する。 軟化点:95−107℃ NMRスペクトル(δppn、重アセトン) 1.40(9H,s)、1.48(3H,s)、2.65(1H,
d,J=16.5Hz)、3.05(1H,d,J=16.5
Hz)、3.08(1H,dd,J=9および14Hz)、
3.42(1H,dd,J=4.5および14Hz)、4.14
(2H,s)、4.74(1H,dd,J=4.5および9
Hz)、6.83(1H,s)、6.92(2H,d,J=9
Hz)、7.23(1H,s)、7.24(2H,d,J=9
Hz)、7.5−9.4(1H,br.重水添加で消失)。 実施例 4 エチル3−〔4−(6−アセトキシ−2,5,
7,8−テトラメチル−4−オキソクロマン−2
−イルメトキシ)フエニル〕−2−クロロプロピ
オネート2.0g、チオ尿素0.62g、およびスルホ
ラン3.1gの混合物を窒素気流中120−125℃で7
時間加熱する。反応混合物にベンゼンを加え、不
溶物を去し、溶媒を留去する。油状の残渣を水
で洗つた後、シリカゲルカラムクロマトグラフイ
ー(溶離液;(1)ヘキサン:酢酸エチル=2:1,
(2)酢酸エチル,(3)酢酸エチル:エタノール=1:
1)に付し、5−〔4−(6−アセトキシ−2,
5,7,8−テトラメチル−4−オキソクロマン
−2−イルメトキシ)ベンジル〕−2−イミノチ
アゾリジン−4−オンを得た。 融点:218−222℃ NMRスペクトル(δppn,DMSO−d6): 1.43(3H,s)、2.04(6H,s)、2.32(3H,
s)、2.35(3H,s)、2.4−3.5(4H,nd)、
4.13(2H,s)、4.56(1H,dd,J=4および
9Hz)、6.85(2H,d,J=9Hz)、7.14(2H,
d,J=9Hz)。 参考例 1 2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチ
ルアセトフエノン3.9g、4−ニトロフエノキシ
アセトン3.9g、ピロリジン2.0gおよびトルエン
15gを室温下、2日間放置後、反応混合物中に希
塩酸を加えエーテルで抽出する。水相をさらに酢
酸エチルで抽出しエーテル抽出液と合わせて無水
硫酸ソーダ上にて乾燥する。 溶媒を留去し、得られた残渣にn−ヘキサンを
加え、析出した結晶を取する。さらにシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイー(溶離液;n−ヘキ
サン:酢酸エチル:=5:1)に付した後、酢酸
エチルより再結晶し、6−ヒドロキシ−2−(4
−ニトロフエノキシ)メチル−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−4−オンを得た。融点
199〜204℃ NMRスペクトル(δppn,DMSO−d6): 1.43(3H,s),2.01(3H,s),2.14(3H,
s),2.46(3H,s),2.67(1H,d,J=16
Hz),3.03(1H,d,J=16Hz),4.31(2H,
s),7.19(2H,d,J=9Hz),7.92(1H,
s),8.21(2H,d,J=9Hz) 参考例 2 5−アセトキシ−2−ヒドロキシ−3,4,6
−トリメチルアセトフエノン17.7g、4−ニトロ
フエノキシアセトン14.6g、ピロリジン7.5gお
よびベンゼン60mlの混合物を室温下1日放置後、
水分離器を用いて7時間還流加熱した。反応混合
物に水および酢酸エチルを加え、有機相を分液
し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留
去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイー(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)に付し、6−アセトキシ−2−(4−
ニトロフエノキシ)メチル−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−4−オンを得た。薄層クロ
マトグラフイーによるRf値:0.17(シリカゲル;
展開溶剤;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1) NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.56(3H,s),2.10(6H,s),2.36(3H,
s),2.43(3H,s),2.70(1H,d,J=15
Hz),3.06(1H,d,J=15Hz),4.11(1H,
d,J=10Hz),4.24(1H,d,J=10Hz),
6.98(2H,d,J=9Hz),8.20(2H,d,J
=9Hz) 参考例 3 6−アセトキシ−2−(4−ニトロフエノキシ)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン
−4−オン3.6g、10%パラジウム−炭素1gお
よびメチルアルコール100mlの混合物中に室温、
大気圧下に水素を2時間通じる。該触媒を去
し、液を濃縮する。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフイー(溶離液;n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)に付した後、アセトン
から再結晶し、6−アセトキシ−2−(4−アミ
ノフエノキシ)メチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−4−オンを得た。融点177〜178
℃ NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.49(3H,s),2.09(3H,s),2.12(3H,
s),2.33(3H,s),2.42(3H,s),2.65
(1H,d,J=15Hz),3.07(1H,d,J=
15Hz),3.2〜3.6(2H,br.s),3.91(1H,d,
J=10Hz),4.06(1H,d,J=10Hz),6.60
(2H,d,J=9Hz),6.75(2H,d,J=
9Hz) 参考例 4 6−アセトキシ−2−(4−アミノフエノキシ)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン
−4−オン2.1gおよびアセトン26mlの混合物に
氷冷下濃塩酸3ml、ついで亜硝酸ソーダ700mgの
水1.1ml水溶液を滴下し、同温度にて30分撹拌後、
アクリル酸エチル7gを加えた後、反応温度を30
〜35℃に保ちながら酸化第一銅を徐々に加え、そ
の後室温にて1時間撹拌する。反応混合物中に水
およびベンゼンを加え、ベンゼン層を分液、水洗
後無水硫酸ソーダ上にて乾燥する。ベンゼンを留
去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイー(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル
=3:1)に付し、エチル3−〔4−(6−アセト
キシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
4−オン−2−メトキシ)フエニル〕−2−クロ
ロプロピオネートを得た。薄層クロマトグラフイ
ーによるRf値:0.21〔シリカゲル;展開溶剤;n
−ヘキサン:酢酸エチル=3:1〕 NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.24(3H,t,J=7Hz),1.51(3H,s),
2.10(3H,s),2.12(3H,s),2.34(3H,
s),2.43(3H,s),2.67(1H,d,J=15
Hz),3.07(1H,dd,J=7.5および15Hz),
3.10(1H,d,J=15Hz),3.32(1H,dd,J
=7.5および15Hz),4.06(2H,s),4.18
(2H,q,J=7Hz),3.9〜4.5(1H,nd),
6.84(2H,d,J=9Hz),7.15(2H,d,J
=9Hz) 参考例 5 参考例1に準じて、4−t−ブチル−2,5−
ジヒドロキシアセトフエノン2.0g、4−ニトロ
フエノキシアセトン1.9g、ピロリジン1.0g、お
よびベンゼン10mlから製造された7−t−ブチル
−6−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4−ニト
ロフエノキシメチル)クロマン−4−オンは次の
物性を有する。 融点:205−209℃ NMRスペクトル(δppn、重アセトン): 1.39(3H,s)、1.53(9H,s)、2.70(1H,
d,J=16.5Hz)、3.05(1H,d,J=16.5
Hz)、4.37(2H,s)、6.80(1H,s)、7.18
(2H,d,J=10Hz)、7.22(1H,s)、8.22
(2H,d,J=10Hz)、8.31(1H,s、重水
添加で消失)。 参考例 6 7−t−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル
−2−(4−ニトロフエノキシメチル)クロマン
−4−オン1.7g、無水酢酸1ml、およびピリジ
ン10mlの混合物を室温で1日放置する。反応混合
物を氷水中にあけ、2時間撹拌した後、ベンゼン
で抽出する。有機層を順次3N塩酸、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得
られた残渣をベンゼン−酢酸エチル(約10:1)
から再結晶して、6−アセトキシ−7−t−ブチ
ル−2−メチル−2−(4−ニトロフエノキシメ
チル)クロマン−4−オンを得た。 融点:82−84℃ NMRスペクトル(δppn、重アセトン): 1.33(9H,s)、1.57(H,s)、 2.33(3H,s)、 2.82(1H,d,J=16.5Hz)、3.13(1H,d,
J=16.5Hz)、4.42(2H,s)、6.93(1H,
s)、7.25(2H,d,J=9Hz)、7.44(1H,
s)、8.22(2H,d,J=9Hz)。 参考例 7 参考例3に準じて、6−アセトキシ−7−t−
ブチル−2−メチル−2−(4−ニトロフエノキ
シメチル)クロマン−4−オン0.9g、10%パラ
ジウム炭素0.4g、および酢酸20mlを用いた接触
還元により製造された6−アセトキシ−2−(4
−アミノフエノキシメチル)−7−t−ブチル−
2−メチルクロマン−4−オンは次の物性を有す
る。 シリカゲル薄層クロマトグラフイーによるRf
値=0.24〔展開溶剤;ベンゼン:酢酸エチル=
5:1〕 NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.35(9H,s)、1.52(3H,s)、2.30(3H,
s)、2.67(1H,d,J=16.5Hz)、3.07(1H,
d,J=16.5Hz)、3.2−3.6(2H,br、重水添
加で消失)、3.92(1H,d,J=10.5Hz)、
4.07(1H,d,J=10.5Hz)、6.58(2H,d,
J=10Hz)、6.75(2H,d,J=10Hz)、6.98
(1H,s)、7.49(1H,s)。 参考例 8 実施例4に準じて、6−アセトキシ−2−(4
−アミノフエノキシメチル)−7−t−ブチル−
2−メチルクロマン−4−オン0.42g、亜硝酸ナ
トリウム0.09g、アクリル酸エチル1.1g、酸化
第一銅16mg、濃塩酸0.2ml、水0.5ml、およびアセ
トン5mlから製造されたエチル3−〔4−(6−ア
セトキシ−7−t−ブチル−2−メチル−4−オ
キソクロマン−2−イルメトキシ)フエニル〕−
2−クロロプロピオネートは次の物性を有する。 シリカゲル薄層クロマトグラフイーによるRf
値=0.61〔展開溶剤;ベンゼン:酢酸エチル=
5:1〕 NMRスペクトル(δppn,CDCl3): 1.25(3H,t,J=7Hz)、1.35(9H,s)、
1.55(3H,s)、2.32(3H,s)、2.70(1H,
d,J=16.5Hz)、2.95−3.5(3H,m)、3.9−
4.5(5H,m)、6.87(2H,d,J=9Hz)、
7.00(1H,s)、7.17(2H,d,J=9Hz)、
7.50(1H,s)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式()中、R1およびR2は同一または異な
    つて水素原子または低級アルキル基を、R3およ
    び後述するR3′は同一または異なつて水素原子、
    脂肪族低級アシル基、脂環式アシル基、置換基を
    有していてもよい芳香族アシル基、複素環アシル
    基、置換基を有していてもよい芳香脂肪族アシル
    基、低級アルコキシカルボニル基またはアラルキ
    ルオキシカルボニル基を、R4およびR5は同一ま
    たは異なつて、水素原子、低級アルキル基、また
    は低級アルコキシ基を、nは1乃至3の整数を、
    Wはカルボニル基または【式】 〔式中、R3′は前述したものと同意義を示す。〕
    で表わされる基を、Yは酸素原子、またはイミノ
    基を、Zは酸素原子、またはイミノ基を示す。〕
    で表わされるチアゾリジン誘導体およびその薬理
    上許容される塩。 2 一般式 〔式()中、R1およびR2は同一または異な
    つて水素原子または低級アルキル基を、R3は水
    素原子、脂肪族低級アシル基、脂環式アシル基、
    置換基を有していてもよい芳香族アシル基、複素
    環アシル基、置換基を有していてもよい芳香脂肪
    族アシル基、低級アルコキシカルボニル基または
    アラルキルオキシカルボニル基を、R4およびR5
    は同一または異なつて、水素原子、低級アルキル
    基、または低級アルコキシ基を、nは1乃至3の
    整数を、Xはハロゲン原子を、Aはシアノ基、カ
    ルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
    イル基、または式−COOM(式中、Mは等価の陽
    イオンを示す。)で表わされる基を示す。〕で表わ
    される化合物とチオ尿素を反応させることを特徴
    とする一般式 〔式()中、Yは酸素原子、またはイミノ基
    を示し、R1,R2,R3,R4,R5およびnは前記と
    同意義を示す。〕で表わされるチアゾリジン誘導
    体およびその薬理上許容される塩の製造方法。 3 一般式 〔式()中、R1およびR2は同一または異な
    つて水素原子または低級アルキル基を、R3は水
    素原子、脂肪族低級アシル基、脂環式アシル基、
    置換基を有していてもよい芳香族アシル基、複素
    環アシル基、置換基を有していてもよい芳香脂肪
    族アシル基、低級アルコキシカルボニル基または
    アラルキルオキシカルボニル基を、R4およびR5
    は同一または異なつて、水素原子、低級アルキル
    基、または低級アルコキシ基を、nは1乃至3の
    整数を、Yは酸素原子、またはイミノ基を示す。〕
    で表わされる化合物を加水分解することを特徴と
    する一般式 〔式()中、R1,R2,R3,R4,R5およびn
    は前記と同意義を示す。〕であらわされるチアゾ
    リジン誘導体およびその薬理上許容される塩の製
    造方法。
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