JPH0553978B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は動力伝達チエーンに関する。

（従来技術） 公知の動力チエーンは横方向に整合され多数の
リンクの組を含み、これらのリンクの組の各リン
クが互いに他のリンクの組の各リンクと互い違い
に重ね合わされている。それぞれのリンクは一対
の間隔をおかれた開口を有し、個々のリンクが横
方向に整合されたリンクの組を成すように配列さ
れるのである。第１のリンクの組の一つの列の開
口はこのリンクの組と互い違いに重ね合わされた
リンクの組の開口の列と横方向に整合されて、こ
のようにして整合された開口の群を形成する。ピ
ボツト装置が横方向に整合された開口のそれぞれ
の群に挿入されて互い違いに重ね合わされリンク
の組を連結してこの組立体の関節状枢動を可能に
している。リンクを連結するピボツト装置は単に
丸いピンとすることができ、又はロツカージヨイ
ントとして知られるものにすることもできる。ロ
ツカージヨイントは一対のピン又はピン及びロツ
カを含んでいて、それぞれ互いに揺動係合を行う
面を有する。リンクは一対の突起（toe）を有す
る「サイレント」チエーン型とすることができ、
又はローラーチエーン型に似たものとすることが
できる。

上述のような型式のチエーンは、また、エーン
ベルトすなわち特に一対のプリーの間の駆動連結
を与えるのに適したチエーンと負荷ブロツクとの
組立体の製造にも使用される。可変駆動比のプリ
ー伝動装置が燃料効率のよい自動車に使用するた
めに現在試験されている。可変速度プリー伝動装
置も又無断変速伝動装置すなわちCVTとして知
られている。可変速度プリー伝動装置において
は、それぞれのプリーが一対のフランジ又はシー
ブ（sheave）により構成されていて、少なくと
もその一方が他方に対して軸線方向に運動可能と
なつている。可変速度プリー伝動装置に使用する
のに適した駆動ベルトは米国特許第3720113号に
より開示されている。このベルトは多数の重ね合
わされて整合された金属帯体により構成され、当
接駆動ブロツク又は当接負荷ブロツクがこれらの
帯体を囲んでいる。このように構成されたベルト
は、帯体の整合組合わせに必要な及び負荷ブロツ
クがそれぞれ隣接する負荷ブロツクに当接するよ
うに負荷ブロツクを取付けるのに必要な精密な公
差のため、製造費が比較的高価である。

ロツカージヨイントはこの技術分野でよく知ら
れている。若干の例が米国特許第3540302号、第
3742776号及び第4010656号に示されている。米国
特許第3540302号は一対の同様の部材を含み、こ
れらの部材がそれぞれ他方の部材の同様の面に揺
動係合する面を有するようなロツカージヨイント
を有するローラーチエーンを示している。それぞ
れの部材の揺動面は第一の半径によつて形成さ
れ、この部材の残りの面は第二のさらに小さい半
径の面によつて形成されている。それぞれの部材
の両方の面は凸状である。ジヨイント部材を受入
れる開口は大体矩形で、それぞれのジヨイント部
材は間隔をおかれた切欠を有し、その中にリンク
部材が着座して作業負荷をチエーン組立体に伝え
るようになつている。

米国特許3742776号は一対の同様の部材を含み、
それぞれの部材が互いに他方の部材に係合する揺
動面を有するようになされたロツカージヨイント
を有するサイレントチエーンを開示している。揺
動面は第一の半径によつて形成され、それぞれの
部材の背面は第二のさらに小さい半径によつて接
続されている。チエーンのリンクは直線の弦を形
成する壁部によつて接続される内側円形セグメン
ト及び外側円形セグメントにより形成される開口
を有する。ロツカージヨイントのこれらの部材は
リンクの組の開口内に楔係合され、ジヨイントの
部材の一つの背面と開口の壁部との間に空間を残
すようになつている。

米国特許第4010656号は本出願人が所有するも
ので互違いに重ね合わされたリンクの組により構
成され、それぞれのリンクが一対の間隔をおかれ
た円滑な壁面を有する卵形の開口を有するように
なされたチエーンを示している。ロツカージヨイ
ントは内転トロコイド状の断面形状の一対の部材
を含む。それぞれのジヨイント部材は大体同じ寸
法で、第２の小さい半径の角隅部の面によつて接
続される第１の半径を有する三つの凸状面を有す
る。これらの部材はリンクの組の開口の一部の形
状に実質的に合致し、これらの開口の部分を一対
の凸状面及びこれらの凸状面を接続する角隅部の
面に係合させるようになつている。

動力伝達チエーンの若干の形態のものでは、ロ
ツカージヨイントのピボツト部材の一つが他方の
ものよりも長くなつている。短い方の部材はチエ
ーンの側面に配置されるガイドリンクによつて定
位置に保持され、長い方の部材がガイドリンクに
圧入嵌合又はその他の方法で固定されるようにな
つている。他の形態のチエーンではピボツト部材
又はその内の一つの部材が正規の側端のリンクに
圧入嵌合されている。

リンクにピボツト部材が圧入嵌合されるように
なつているチエーンの引張強度はこれらのリンク
の引張強度によつて制限を受ける。ピボツト部材
を圧入嵌合しているために、これらのリンクの引
張強度は通常チエーン内の他のリンクの引張強度
よりも低い。本願と同時出願の米国特許願第
422387号においてリンクにピボツト部材、すなわ
ちロツカージヨイント部材又は丸いピンを配置す
るためのクリツプ状の保持部材を使用してジヨイ
ント部材がリンクに圧入嵌合さる必要をなくすこ
とが提案されている。このようなクリツプ状の保
持部材を使用することはチエーンに改善された引
張強度を与える。

（発明が解決使用とする課題） 本発明の目的は、引つ張り強度の大きい動力伝
達チエーン及び／又はチエーンベルトを提供する
ための、断面形状を改良したロツカージヨイント
構造及びピボツト部材を提供することである。

本発明の他の目的はそのようなロツカージヨイ
ント構造を使用することによつて引つ張り強度を
大きくした動力伝達チエーンを提供することであ
る。

（課題を解決するための手段） 本願の一つの発明は、リンクとピボツト部材と
の組立体で構成されたチエーン用のロツカージヨ
イントにおいて、前記チエーンが他の組のリンク
間に差し込まれた複数組のリンクを有し、各リン
クが少なくとも一つの開口を有し、前記開口が背
壁を有し、一方のリンクの組の開口が隣接するリ
ンクの組の開口と横方向に整合されて一群の整合
された開口を形成し、各群の整合された開口内の
一対のピボツト部材がリンクの組を連結しかつチ
エーンの関節運動を許容し、各ピボツト部材が凸
状の前面と凸状の背面とを有し、各対のピボツト
部材の前面が互いに対抗しかつ揺動しかつ第１の
半径によつて限定され、背面が少なくとも一つの
第２の半径によつて限定され、前記第２の半径が
前記第１の半径より小さく、前記背面が接続面に
よつて前記前面に接続された外側部分を有し、各
接続面が前記第２の半径より小さな接続半径を有
し、各ピボツト部材の背面が前記開口の前記背壁
の一部にほぼ一致する形状を有しかつ一方の組の
差し込まれたリンクの開口の背壁とほぼ係合しか
つ前記対のピボツト部材が貫通する他の組の差し
込まれたリンクの各開口の背壁と係合しないよう
に構成されている。

本願の他の発明による動力伝達チエーンは、リ
ンクとピボツト部材との組み立てで構成され、複
数の組リンクが他の組のリンク間に差し込まれ、
各リンクが少なくとも一つの開口を有し、前記開
口が背壁を有し、一方のリンクの組の開口が隣接
するリンクの組の開口と横方向に整合されて一群
の整合された開口を形成し、各群の整合された開
口内の一対のピボツト部材がリンクの組を連結し
かつチエーンの関節運動を許容し、各ピボツト部
材が凸状の前面と凸状の背面とを有し、各対のピ
ボツト部材の前面が互いに対抗しかつ揺動しかつ
第１の半径によつて限定され、背面が少なくとも
一つの第２の半径によつて限定され、前記第２の
半径が前記第１の半径より小さく、前記背面が接
続面によつて前記前面に接続された外側部分を有
し、各接続面が前記第２の半径より小さな接続半
径を有し、各ピボツト部材の背面が前記開口の前
記背壁の一部にほぼ一致する形状を有しかつ一方
の組の差し込まれたリンクの開口の背壁とほぼ係
合しかつ前記対のピボツト部材が貫通する他の組
の差し込まれたリンクの各開口の背壁と係合しな
いように構成されている。

本願の更に他の発明は、互いに接合された差し
込まれた組のリンクで構成された動力伝達チエー
ンに使用するためのピボツト部材において、凸状
の前面及び凸状の背面と、前記前面及び背面を接
続している接続面とを有し、前記前面が第１の半
径によつて限定され、前記背面が中央面及び外側
面によつて限定されていて前記中央面及び外側面
の半径が前記前面の半径より段階的に小さくな
り、前面接続面はそれぞれ他の限定面の半径より
もなお小さい半径によつて限定されて構成されて
いる。

（作用） 本発明による改良されたロツカージヨイントは
同じ断面形状を有する一対のジヨイント部材を含
んでいる。これら一対のジヨイント部材はチエー
ンを構成する互い違いに重ね合わされるリンクの
組の横方向に整合された開口のそれぞれの群に挿
入されるのである。これらの開口はジヨイント部
材を受入るための特別の形状を与えられている。

それぞれのジヨイント部材は凸状の前面及び背
面を有する。一対のジヨイント部材は前面はリン
クと組合わされた時に互いに転動接触する。それ
ぞれの前面は第１の比較的大きい半径によつて形
成され、それぞれの背面は第三の面部分によつて
接続される少なくとも一つの中央に位置する第２
の面によつて形成され、第２の面及び第３の面部
分の半径が前面の第１の半径よりも次第に小さく
なつている。前面及び背面は第３の面部分によつ
て接続されている。それぞれのピボツト部材の背
面はピボツト部材が貫通するリンクの組の内の一
つリンクの組の総てのリンクの開口の壁部に係合
している。

（実施例） 本発明を実施する一態様が以下に本発明の具体
例を示す添付図面を参照して説明される。

第１図及び第２図は可変速度プリー伝動装置す
なわちCVTを示し、このものはそれぞれ軸３及
び４に取付けられた一対の間隔をおかれたプリー
１及び２を含んでいて、それぞれのプリーはチエ
ーンベルト１０によつて駆動的に連結された一対
のフランジ５，６又は７，８を含んでいる。一方
の軸は駆動軸で、他方は被駆動軸である。図示さ
れない装置が設けられていて、プリーの間の間隔
を変化させるようになつている。それぞれのプリ
ーの少なくとも一つのフランジはこのプリーの他
方のフランジに対して軸線方向に運動可能となつ
ている。このようなチエーンベルトは本発明が有
効に使用できるものである。

第３図及び第４図は本発明のロツカージヨイン
トを利用する動力伝達チエーンベルト１０を示
す。このチエーンベルト１０は隣接するリンクの
組と互い違いに重ね合わされた金属リンク１４の
組１２により構成され、隣接するリンクの組の対
は一対の金属の大体Ｄ形の断面形状のジヨイント
部材すなわちピボツト部材２０，２０を含むロツ
カージヨイト１８によつて連結されている。これ
らのピボツト部材２０，２０は第６図及び第７図
にさらによく示されているように対面する前面２
２を有し、これらの前面はこれらの部材が一対と
して横方向に整合されたリンクの開口２４の群に
挿入された時に互いに接して転動できるようにな
つている。それぞれのリンク１４は一対の開口２
４を有し、これらの開口は例えば第５図に示され
るように互いに隔てられている。一つのリンクの
これらの開口の中心の間の間隔はリンクの「ピツ
チ」と称される。

チエーンベルト１０は、また、金属の負荷ブロ
ツクすなわち駆動ブロツク２６を含んでいて、こ
れらのブロツクはチエーンを囲み、対をなす隣接
するロツカージヨイト１８の間に配置されてい
る。それぞれの負荷ブロツク２６は所望により一
体のブロツク又は多数のブロツク部分３０により
構成されることができる。負荷ブロツク２６が多
数の部分から構成されている時には、これらの部
分は板材からダイにより切断されて作られること
ができ、したがつて比較的製造及び使用が安価と
なる。それぞれのブロツクは一体のブロツクであ
つても多数の部分から作られていても、これに無
関係に前方から見た時に大体形状が台形で、チエ
ーン１０を受入れる窓３２が設けられている。角
度を附された縁部３４が第１図及び第２図に示さ
れたプリーのようなプリーの対応してテーパーを
附されたフランジに摩擦係合するように形成され
ている。

第３図に示された構成においては、ピボツト部
材２０，２０は最外部のリンク１４Ａの側縁を越
えて伸長している。ピボツト部材２０，２０は最
外部のリンクの外面にて終端することができ、又
は側部リンク又はガイドリンクのような特別のリ
ンクに設けた適当な開口に圧入嵌合されることが
できる。

ピボツト部材２０，２０は同じ断面形状及び面
積を有する。これらのピボツト部材はダイによる
成形材料から切断して形成されることができる。
第６図に特によく示されているように、それぞれ
のピボツト部材２０は多数の凸形によつて形成さ
れる断面を有する。それぞれのピボツト部材の前
部すなわち揺動面２２は比較的大きい半径３６に
よつて形成されている。それぞれのピボツト部材
の背面３８は半径３６よりも小さい半径４２によ
つて形成される中央の面部分４０を有していて、
それぞれ半径３６よりも小さい半径４５によつて
形成される外側の面部分４４，４４が前記面部分
４０に接続されている。外側の面部分４４，４４
は、それぞれ上述の何れの半径よりも小さい半径
４８によつて形成される連結面４６，４６によつ
て前面２２と接続されている。このようにしてそ
れぞれのピボツト部材２０はその断面が最大半径
の面に対して徐々に半径が小さくなる曲面によつ
て接続される六つの曲面によつて形成されるので
ある。最大半径の面から最小半径の面に至る順序
は、(1)前面２２、(2)中央の面部分４０、(3)それぞ
れの中央の面部分４０の端部に接続される一対の
外面の面部分４４，４４、及び(4)前面２２を背面
のうちの外側の面部分４４，４４にそれぞれ接続
する一対の連結面４６，４６である。

リンク１４が第５図に示され、特に開口２４が
詳細に示されている。それぞれリンクの長手方向
に伸長する線５０に対して対称的な開口２４はほ
ぼ円形で、比較的大きい半径の連続的な凹状壁部
５２によつて形成されている。応力集中を生ずる
ような壁部５２からの突部や凹みはない。リンク
の中心から遠い開口の壁部５２Ａは大体それぞれ
のピボツト部材２０の背面の各面部分４４，４
０，４４の形状にほぼ対応し、これによつてそれ
ぞれの部材が実質的に各リンクの開口の群の、ピ
ボツト部材２０の背面側に対応する壁部５２Ａの
対応する部分に係合する。しかし製造公差のため
にピボツト部材２０の背面の各面部分４４，４
０，４４と開口２４の壁部５２Ａとが完全に整合
するとは考えられない。

チエーン及びチエーンベルトにおいて、ジヨイ
ント１８の一方のピボツト部材２０の背面は実質
的に一つの組のリンクの開口２４の壁部５２Ａと
係合し、ロツカージヨイントの他方のピボツト部
材は互違いに重ね合わされる他のリンクの組の開
口２４の背面に実質的に係合する。それぞれの開
口の残余の壁部は、それぞれのピボツト部材の残
余の面部分よりも僅かに大きく、すなわち僅かに
〓間を有し、これにより同じロツカージヨイント
の一方のピボツト部材が他方のピボツト部材の上
で転動すなわち揺動することができる。この〓間
は又使用中にチエーンが関節状に湾曲するのを可
能となす。整合されたリンクの開口２４内の一対
のピボツト部材２０の位置が特に詳しく第７図に
示されている。第５図及び第７図に示される線５
０、すなわちリンク１４のそれぞれの開口２４の
中心線は両方の開口の中心を通る垂直中心線５６
（第５図）上の１点にて線５０が接続されるので
ある。しかしながら所望の場合線５０は中心線５
４と一致させることができる。

本発明のロツカージヨイントは、また、第９図
に示されるような動力伝達チエーン６０に使用で
きる。このチエーン６０は隣接するリンクの組６
２と互違いに重ね合わされるリンク６４の組６２
を含み、これらのリンクはそれぞれ一対の間隔を
おかれた開口６６を有する。一つのリンクの組の
開口６６は他のリンクの組の開口６６と整合され
て整合された開口の群を形成し、それぞれの群が
本発明によるロツカージヨイント６８を受入れる
ようになつている。開口６６は第５図に関連して
説明されたものと同様で、ロツカージヨイントは
それぞれ一対のピボツト部材７０，７０より成
り、これらのピボツト部材７０，７０はピボツト
部材２０，２０と同じである。この場合保持クリ
ツプ７２がピボツト部材７０，７０をリンク組立
体の状態に保持する。所望の場合これらの保持ク
リツプと同様の保持クリツプが第３図の具体例に
使用されることができる。

本発明のロツカージヨイント構造はピボツト部
材及びリンクの受入れ開口の形状がここに述べた
通りになされる限り多くの異なる形状のリンクに
使用できることは理解されるところである。例え
ばリンクは係合突起を有する「サイレント」チエ
ーンの種々の形態のもの又は米国標準又は英国標
準ローラーチエーンの種々の形態のもの又は所望
のその他の形状のものとなし得る。本発明のロツ
カージョイントを使用し得る係合突起を有するリ
ンクより構成されたチエーンの例は1982年８月３
日付発行され、本出願人に譲渡された米国特許第
4342560号に記載され、図示されている。

本発明のロツカージヨイントのピボツト部材
は、若干のリンクに圧入嵌合又はその他の方法で
固定されることにより作動位置に保持されること
ができる。ロツカージヨイントのピボツト部材は
或る形状のガイドリンクとともに使用するために
異なる長さになし得る。又は同じ長さとなして既
述の同日出願に記載された発明を利用して保持で
きる。

しかしながら第５図に示された特別のリンクの
形状は、リンクの端部にて開口に接するピボツト
部材の巾が最大限となされて実質的に破壊を生ず
る部分を排除するような利点を有する。リンクは
大体直線的な平行な頂部及び底面７４，７６を有
し、上方に内方に彎曲する部分７８及び下向きに
角度を有する部分８０によつて接続されている。
彎曲部分７８及び角度を有する部分８０の間の直
線部分８２及び８４は中央の帯状部分８６ととも
に最大の中央部分を形成し、チエーン又はチエー
ンベルトに引張負荷が与えられた時に細くなる傾
向に対する抵抗力を向上させる。８０，８０にお
ける端部の角度を有する形状はチエーンが使用中
に関節状に彎曲するのを可能となす。

（効果） 本発明のロツカージヨイントの主な利点の一つ
は、ピボツト部材の断面形状を改良して応力集中
の発生を防止すると共に剪断強度を大きくしたた
め、それを使用して組立てられたチエーン又はチ
エーンベルトの引張強度が大きいことである。過
去において、ロツカージヨイント式のチエーンは
ジヨイントのピボツト部材が実質的に同じ断面積
を有する丸形断面のピンジヨイントを有するチエ
ーンよりも本来的に弱かつた。本発明のピボツト
ジョイントはチエーンに対して、実質的に同じ断
面積の丸形断面ピンジヨイントを使用するチエー
ンの強度に匹敵するチエーンの引張強度を与え
る。ロツカージヨイントは丸形断面ピンジヨイン
トよりもチエーンの耐久性を良好になし、ロツカ
ージヨイントのチエーンは丸形断面ピンジヨント
チエーンよりも高速度で作動できる。更に、丸形
断面のピンジヨイントに対する与えられたピツチ
のリンク（ピツチはリンクの開口の中心の間の距
離）及び与ええられたリンクの開口の半径に対し
て本発明のリンクの開口は与えられた半径よりも
小さくない半径を有する（若干の半径は与えられ
た半径に等しい）。開口の寸法に対して丸形ピン
の断面積と大体同じである２つの部分を有するロ
ツカージヨイントをリンクの強度に悪影響を与え
ないで受入れることができるのである。リンク
は、チエーンの関節状彎曲を可能となして開口の
廻りに最大の材料の巾寸法を有するように構成さ
れるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は隣接するロツカージヨイン
ト部材の間に負荷ブロツクすなわち駆動ブロツク
を有してリンクと、ロツカージョイントとにより
構成されたチエーンより成るチエーンベルトによ
つて連結されたそれぞれ異なる速度比位置にて可
速速度比プリー伝動装置を示す断面図、第３図は
本発明によるロツカージヨイントを組込んだ動力
伝達チエーンベルトの一部分を示す部分的斜視
図、第４図は本発明によつて構成されたチエーン
ベルトの一部分を示す部分的側面図、第５図は特
に本発明のロツカージヨイントを受入れる開口の
形状を詳細に示すようにして第３図及び第４図の
動力伝達チエーンベルトに使用されるリンクを示
す立面図、第６図は特に開口壁部を形成する半径
を詳細に示す本発明の一対のロツカージヨイント
のピボツト部材を通る断面図、第７図は一対の整
合されたリンクの開口内にある本発明のロツカー
ジョイントを示す部分的拡大立面図、第８図は第
１図ないし第４図のチエーンベルトに使用される
負荷ブロツクすなわち駆動ブロツクの斜視図、第
９図は本発明のロツカージヨイントを使用し、リ
ンク組立体内のロツカージヨイントを保持する保
持クリツプの使用状態を示す動力伝達チエーンの
一部分を示す斜視図である。 １，２……プリー、３，４……軸、５，６，
７，８……フランジ、１０……チエーンベルト、
１２，２６……リンクの組、１４，１４Ａ，６４
……リンク、１８……ロツカージヨイント、２
０，７０……ロツカージヨイントの部材、２２…
…前面、２４，６６……開口、２６……負荷ブロ
ツク、３８……背面、４０……中央面、４４……
外側面、４６……接続面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リンクとピボツト部材との組立体で構成され
   たチエーン用のロツカージヨイントにおいて、前
   記チエーンが他の組のリンク間に差し込まれた複
   数組のリンクを有し、各リンクが少なくとも一つ
   の開口を有し、前記開口が背壁を有し、一方のリ
   ンクの組の開口が隣接するリンクの組の開口と横
   方向に整合されて一群の整合された開口を形成
   し、各群の整合された開口内の一対のピボツト部
   材がリンクの組を連結しかつチエーンの関節運動
   を許容し、各ピボツト部材が凸状の前面と凸状の
   背面とを有し、各対のピボツト部材の前面が互い
   に対抗しかつ揺動しかつ第１の半径によつて限定
   され、背面が少なくとも一つの第２の半径によつ
   て限定され、前記第２の半径が前記第１の半径よ
   り小さく、前記背面が接続面によつて前記前面に
   接続された外側部分を有し、各接続面が前記第２
   の半径より小さな接続半径を有し、各ピボツト部
   材の背面が前記開口の前記背壁の一部にほぼ一致
   する形状を有しかつ一方の組の差し込まれたリン
   クの開口の背壁とほぼ係合しかつ前記対のピボツ
   ト部材が貫通する他の組の差し込まれたリンクの
   各開口の背壁と係合しないロツカージヨイント。 ２ 前記背面の各々が第３の半径によつても限定
   され、前記第３の半径が前記第１及び第２の半径
   より小さく、前記第３の半径が前記接続半径より
   大きい特許請求の範囲１に記載のロツカージヨイ
   ント。 ３ 各リンクは一対の隔てられた開口を有し、前
   記開口の各々が背壁を限定し、一方のリンクの一
   方の組の開口が次に隣接するリンクの組の一方の
   組の開口と横方向に整合されている特許請求の範
   囲２に記載のロツカージヨイント。 ４ 各リンクの各開口が全体的に丸くかつ前記壁
   の一部が他の部分より大きな半径を有する滑らか
   で凹状の限定壁を有し、大きな半径がリンクのほ
   ぼ中央に配置されている特許請求の範囲３に記載
   のロツカージヨイント。 ５ 各開口の壁の前記他の部分が、前記ピボツト
   部材の各々の背面と形状が似ている特許請求の範
   囲４に記載のロツカージヨイント。 ６ 前記開口の各々が、リンクの長さ方向に伸び
   かつ開口の中心を通る線の回りで対称である特許
   請求の範囲５に記載のロツカージヨイント。 ７ 各開口の中心線が、各リンクの各開口の中心
   を接続する線に関して整合されている特許請求の
   範囲５に記載のロツカージヨイント。 ８ リンクとピボツト部材との組み立てで構成さ
   れ、複数の組リンクが他の組のリンク間に差し込
   まれ、各リンクが少なくとも一つの開口を有し、
   前記開口が背壁を有し、一方のリンクの組の開口
   が隣接するリンクの組の開口と横方向に整合され
   て一群の整合された開口を形成し、各群の整合さ
   れた開口内の一対のピボツト部材がリンクの組を
   連結しかつチエーンの関節運動を許容し、各ピボ
   ツト部材が凸状の前面と凸状の背面とを有し、各
   対のピボツト部材の前面が互いに対抗しかつ揺動
   しかつ第１の半径によつて限定され、背面が少な
   くとも一つの第２の半径によつて限定され、前記
   第２の半径が前記第１の半径より小さく、前記背
   面が接続面によつて前記前面に接続された外側部
   分を有し、各接続面が前記第２の半径より小さな
   接続半径を有し、各ピボツト部材の背面が前記開
   口の前記背壁の一部にほぼ一致する形状を有しか
   つ一方の組の差し込まれたリンクの開口の背壁と
   ほぼ係合しかつ前記対のピボツト部材が貫通する
   他の組の差し込まれたリンクの各開口の背壁と係
   合しない動力伝達チエーン。 ９ 前記背面の各々が第３の半径によつて限定さ
   れ、前記第３の半径が前記第１及び第２の半径よ
   り小さく、前記第３の半径が前記接続半径より大
   きい特許請求の範囲８に記載の動力伝達チエー
   ン。 １０ 各リンクは一対の隔てられた開口を有し、
   前記開口の各々が背壁を限定し、一方のリンクの
   一方の組の開口が次に隣接するリンクの組の一方
   の組の開口と横方向に整合されている特許請求の
   範囲９に記載の動力伝達チエーン。 １１ 各リンクの各開口が全体的に丸くかつ前記
   壁の一部が他の部分より大きな半径を有する滑ら
   かで凹状の限定壁を有し、大きな半径がリンクの
   ほぼ中央に配置されている特許請求の範囲１０に
   記載の動力伝達チエーン。 １２ 前記チエーン上の負荷ブロツク装置を有
   し、前記負荷ブロツク装置がピボツト部材の間に
   配置されかつプーリ伝動装置の一対のプーリと摩
   擦係合する形状の縁部を有する特許請求の範囲８
   に記載の動力伝達チエーン。 １３ 前記ピボツト部材の少なくとも一方を開口
   群内に保つための保持装置を有する特許請求の範
   囲１２に記載の動力伝達チエーン。 １４ 前記保持装置がチエーンを横切りかつチエ
   ーンの一部と係合するほぼＣ形のクリツプから成
   る特許請求の範囲１３に記載の動力伝達チエー
   ン。 １５ 互いに接合された差し込まれた組のリンク
   で構成された動力伝達チエーンに使用するための
   ピボツト部材において、凸状の前面及び凸状の背
   面と、前記前面及び背面を接続している接続面と
   を有し、前記前面が第１の半径によつて限定さ
   れ、前記背面が中央面及び外側面によつて限定さ
   れていて前記中央面及び外側面の半径が前記前面
   の半径より段階的に小さくなり、前面接続面はそ
   れぞれ他の限定面の半径よりもなお小さい半径に
   よつて限定されているピボツト部材。