JPH0549216A - 回転電機のフレーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ファンカバーから出た冷却風を回転電機本体
の冷却に友好に寄与させることにより、回転電機本体の
冷却効率を向上し、小形化を図った回転電機のフレーム
を提供する。 【効果】 冷却風が半径方向外側へ逃げることを防止す
ることにより、冷却風をその風速を低下させることなく
フレーム外周面及び放熱フィンに沿う有効な流れとする
ため、この部分における熱伝達率が増大する。従って、
極めて有効的な冷却を行うことができ回転電機本体の小
形化を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転電機のフレームに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の回転電機を図６を参照し
て説明する。図６において、１は回転電機本体で薄綱板
を筒状に形成し、その外周面に多数の短冊状の放熱フィ
ン２を溶接により溶着したフレーム３と、このフレーム
３の左右両端部に取り付けられた軸受ブラケット４，５
とから構成した外殻６により内部が密封された構造とな
っている。この外殻６内には固定子鉄心７が圧入して固
定され、この固定子鉄心７には固定子巻線８を装着して
いる。また、外殻６の左右の両軸受ブラケット４，５に
は、それぞれ軸受１０，１０を介して回転軸９が回転自
在に支持されており、この回転軸９に回転子鉄心１１が
一体に回転するように装着されている。１２は内部ファ
ンとしての羽根である。回転軸９には左側の軸受ブラケ
ット５から外部に突出した部分に、外部ファン１３を回
転軸９と一体に回転するように取り付けられている。こ
の外部ファン１３を覆うファンカバー１４の左側中央に
は冷却風の吸気口１５を設け、右側は開放されて冷却風
の出口となっている。尚、矢印は冷却風の流れる方向を
示す。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の構成において、
回転電機本体１内で発生する熱は、大半が固定子鉄心７
からフレーム３に直接的に伝達される。一方、フレーム
３に伝達された熱は、直接又は放熱フィン２を介して外
部ファン１３によって吸気口１５からファンカバー１４
内に吸入し開放端（出口）側からフレーム３の外周部に
給送される冷却風により外気に放出され、これによって
回転電機本体１が冷却される。従って、回転電機本体１
内で発生した熱の殆どは、最終的にはフレーム３から冷
却風によって外気に放出されるので、このような回転電
機における冷却効率は、このフレーム３から冷却風への
放熱能力によって決定される。

【０００４】ところで、このような従来構成のファンカ
バー１４出口側からフレーム３の外周部に給送された冷
却風は、通風抵抗の小さい方へ流れようとするため、冷
却風の一部が同図に示すようにフレーム３の半径方向外
側へ逃げてしまう。このため冷却風のうち一部は回転電
機本体１の冷却に寄与しないから、冷却効率を十分のも
のとなし得ないという欠点があった。

【０００５】これに対処するためには例えば図７に示す
ように、放熱フィン２全体を折り曲げて隣接する放熱フ
ィン２との間に通風ダクト１６を形成することが考えら
れる（実公昭５１−３２８８６、実開昭６２−１２２４
４９）。しかしながらこの場合には通風ダクト１６が放
熱フィン２全長にわたって形成されるため、通風ダクト
１６入口から出口までの損失ヘッドが大きくなり総冷却
風量がかなり減少してしまう。このため図６の場合より
も冷却効率が悪化することがあった。

【０００６】そこで、本発明の目的は、ファンカバーか
ら出た冷却風を回転電機本体の冷却に友好に寄与させる
ことにより、回転電機本体の冷却効率を向上し、小形化
を図った回転電機のフレームを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、薄綱板が筒状
に形成され、その外周面に多数の放熱フィンが溶接によ
り溶着されたフレームと、前記フレームの外部に突出し
た回転軸に取着された外部ファンと、この外部ファンを
覆うファンカバーを備え、前記外部ファンで吸入した冷
却風を前記ファンカバーから前記フレームの外周部へ給
送するようにした回転電機フレームに於いて、前記ファ
ンカバー付近の前記放熱フィンの軸方向一部分に、冷却
風が半径方向外側に逃げることを防止する導風部を設け
る。また、導風部の一部または全部が冷却風の風下ほど
フレームの表面に近接するテーパ部を設ける。

【０００８】

【作用】冷却風が半径方向外側へ逃げることを防止する
ことにより、冷却風をその風速を低下させることなくフ
レーム外周面及び放熱フィンに沿う有効な流れとするた
め、この部分における熱伝達率が増大する。従って、極
めて有効的な冷却を行うことができ回転電機本体の小形
化を実現することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図１は本発明の一実施例の上半分を切断して示
す断面図である。尚、従来の構成と同一部分には同一の
符号を付し、また構成が同じ部分については説明を省略
する。

【００１０】図１の構成に於いて、１７は導風部であり
冷却風が半径方向外側に逃げることを防止する。また１
８ａはテーパ部であり、冷却風の風下ほどフレーム３の
表面へ近接する。図２はその放熱フィン２ａの斜視図で
ある。放熱フィン２ａはフレーム３の外周面に溶接によ
り多数溶着されており、隣接する放熱フィン２ａとの間
に短い通風ダクト１６ａが形成される。

【００１１】次に、以上の構成による実施例の作用を説
明する。外部ファン１３の回転によって外部から吸入さ
れた冷却風は、ファンカバー１４と通風ダクト１６ａに
導かれ、通風ダクト１６ａの出口付近に設けられたテー
パ部１８ａからフレーム３の外周部及び放熱フィン２ａ
の表面に吐出される。通風ダクト１６ａにおいては冷却
風のほとんどが半径方向外側へ逃げることなく通過する
ので、通風ダクト１６ａの内面となるフレーム３，放熱
フィン２ａの表面に加えて導風部１７やテーパ部１８ａ
において高い熱伝達率が得られる。さらに通風ダクト１
６ａから吐出された冷却風は、テーパ部１８ａによって
一旦フレームの中央付近の表面へ向い、フレーム３の表
面に当った後その方向を変えてフレーム３の表面に沿っ
て隣り合う放熱フィン２ａの間を流れる。このため冷却
風がその風速を低下させることなく有効に流れるので高
い熱伝達率が得られる。

【００１２】従って上記実施例は、通風ダクト１６ａの
内を含めフレーム３及び放熱フィン２ａの全長にわたっ
て、冷却風の風速を低下させることなく有効に流すよう
にしているので、熱伝達率が増大し回転電機本体１の冷
却効率を向上させることができる。 （他の実施例）

【００１３】図３は本発明の他の実施例の上半分を切断
して示す断面図であり、また図４は放熱フィン２ｂの斜
視図である。１７は導風部であり、冷却風が半径方向に
逃げることを防止し隣接する放熱フィン２ｂとの間に短
い通風ダクト１６ｂが形成される。通風ダクト１６ｂの
出口から風下においては放熱フィン２ｂは高くしてあ
る。

【００１４】この構成においては、通風ダクト１６ｂか
ら出た冷却風はしだいに半径方向外側へ向かうが、放熱
フィン２ｂを高くしてあるのでフレーム３の全長にわた
って冷却風が放熱フィン２ｂの間を流れ、冷却風を有効
に寄与させることができる。また放熱面積が大きいの
で、図１及び図２の実施例と同等またはそれ以上の冷却
効率を得ることができる。なお放熱フィン２ｂは、図５
に示すように導風部１７の端部を折り曲げてテーパ部１
８ｂを成形してもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、冷
却風のほとんど全てを回転電機本体の冷却に寄与させる
ことができるので、回転電機本体の冷却効率が向上し、
小形化を図った回転電機のフレームを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の上半分を切断して示す断面
図，

【図２】図１の放熱フィンの斜視図，

【図３】本発明の他の実施例の上半分を切断して示す断
面図，

【図４】図３の放熱フィンの斜視図，

【図５】図４の放熱フィンの変形例を示す斜視図，

【図６】従来の全閉外扇形回転機の上半分を切断して示
す断面図，

【図７】従来の他の全閉外扇形回転電機のフレームを示
す斜視図。

【符号の説明】

１…回転電機本体 ２，２ａ，２ｂ…放
熱フィン ３…フレーム ９…回転軸 １３…外部ファン １４…ファンカバー １７…導風部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄綱板が筒状に形成され、その外周面に
   多数の放熱フィンが溶接により溶着されたフレームと、
   前記フレームの外部に突出した回転軸に取着された外部
   ファンと、この外部ファンを覆うファンカバーを備え前
   記外部ファンで吸収した冷却風を前記ファンカバーから
   前記フレームの外周部へ給送するようにした回転電機の
   フレームに於いて、前記ファンカバー付近の前記放熱フ
   ィンの軸方向一部分に冷却風が半径方向外側に逃げるこ
   とを防止する導風部を設けたことを特徴とする回転電機
   のフレーム。