JPH0546896U - 高所作業車の安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高所作業車において、作業台への過積載を正
確に検出でき、正確且つ安全なモーメント規制を行うこ
とができるようにする。 【構成】 垂直ポスト下部６ｂと作業台取付ブラケット
７の下面との間に挟持されるようにして荷重検出器１５
を配設し、この荷重検出器１５は取付ブラケット７から
加わる挟持力から作業台８の荷重を検出するようになっ
ている。この荷重検出器１５により検出された作業台の
検出荷重は、比較器により予め設定された許容荷重と比
較され、検出荷重が許容荷重を上回ったときには、比較
器から警報信号が警報手段に出力され、警報ブザー、警
報ランプによる警報を発生しブームの作動を停止させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は起伏、伸縮等が自在なブームの先端に支持ポストを介して取り付けら れた作業台を有してなる高所作業車において、作業台への過積載を防止する安全 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

起伏、伸縮等が自在なブームの先端に、作業者が搭乗する作業台を有してなる 高所作業車においては、ブームの起伏角、伸長量等の変化に応じて車体に加わる 転倒方向のモーメントが変化するため、このモーメントが所定値を越えないよう に、ブームの起伏、伸縮作動等を規制するモーメント規制を行うことが従来から 知られている。 このような転倒方向のモーメントはブームの起伏角、伸長量等に応じて変化す るのみならず、作業台の荷重（作業台の自重および積載荷重）によっても変化す るため、作業台の荷重を考慮してモーメント規制を行う必要がある。

【０００３】 このようなことから、従来のモーメント規制においても、作業台の荷重は考慮 されていた。 例えば、作業台をブームの先端にバネを介して取り付け、作業台の積載荷重に 応じてバネがたわんで作業台が上下動するようになし、この積載荷重が限界荷重 となったときの作業台の下動位置にリミットスイッチを配設したものがある。こ の場合には、作業台の積載荷重が限界荷重を越えたときにはリミットスイッチが オン作動するので、これに応じて警報を発するなどして、作業台への過積載を防 止し、安全なモーメント規制を行うようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この高所作業車の場合には、作業台がバネにより支持されてい るため、作業台の上下動が発生しやすく、作業台に搭乗した作業者に不快感を与 えるなど、乗り心地があまり良くないという問題がある。 また、ブームの作動時等に作業台に慣性力が加わった場合、この慣性力を受け てバネのたわみ量が増加し、作業台の荷重は限界内であるのにリミットスイッチ がオン作動することがあるという問題もある。 さらに、バネの精度はあまり高くできないため、リミットスイッチがオン作動 する荷重のバラツキが大きく、正確な過積載防止を行うのが難しいという問題も ある。

【０００５】 本考案はこのような問題に鑑みたもので、作業台をバネにより支持するような ことなしに、作業台への過積載を正確に検出でき、正確且つ安全なモーメント規 制を行うことができるようにした高所作業車の安全装置を提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用】

このような目的達成のため、本考案に係る高所作業車においては、ブームの先 端に上下に揺動自在に取り付けられた支持ポストを介して作業台を支持するので あるが、このとき、この作業台に一体に設けられた取付ブラケットに上下に延び て形成された挿入孔に、支持ポストの垂直ポスト部を挿入させて、作業台を支持 ポストに取り付けるようになっている。さらに、垂直ポスト部を垂直に保持する ように支持ポストの上下揺動制御を行うレベリング手段を有しており、これによ り作業台が常時水平に保持される。

【０００７】 そして、本考案に係る安全装置においては、このような構成の高所作業車にお いて、垂直ポスト下部と取付ブラケット下面との間に挟持されるようにして荷重 検出器を配設し、この荷重検出器はブラケットから加わる挟持力から作業台の荷 重を検出するようになっている。この荷重検出器により検出された作業台の検出 荷重は、比較器により予め設定された許容荷重と比較され、検出荷重が許容荷重 を上回ったときには、比較器から警報信号が出力される。この警報信号は警報手 段に入力され、警報手段により、警報ブザー、警報ランプによる警報を行ったり 、ブームの作動を停止させて警報を行ったりされる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の好ましい実施例について説明する。 本考案に係る安全装置を有した高所作業車の１例を図１に示している。この高 所作業車は、車体１上に旋回自在な旋回台２を有し、この旋回台２に起伏自在に 伸縮ブーム３が取り付けられている。伸縮ブーム３は、ピン５により旋回台２に 枢支されて起伏自在となった基端ブーム３ａと、この基端ブーム３ａに対して伸 縮自在な先端ブーム３ｂとから構成され、内部に配設された伸縮シリンダ（図示 せず）により先端ブーム３ｂが伸縮作動されるようになっている。なお、伸縮ブ ーム３の起伏作動は、旋回台２と基端ブーム３ａとの間に配設された起伏シリン ダ４により行われる。

【０００９】 図２にも示すように、先端ブーム３ｂの先端にはピン３ｃにより枢支されて上 下に揺動自在に支持ポスト６が取り付けられている。この支持ポスト６は作業台 ８を支持する部材であり、垂直ポスト部６ａを有する。作業台８には取付ブラケ ット７が一体に結合されており、この取付ブラケット７を構成する上下一対のブ ラケット板７ａに上下に貫通して挿入孔７ｂが形成されている。この挿入孔７ｂ 内に、垂直ポスト部６ａを挿入させるようにして取付ブラケット７が垂直ポスト 部６ａに取り付けられており、この結果、作業台８が支持ポスト６に支持されて いる。

【００１０】 なお、図２に示すように、垂直ポスト部６ａの下部に支持フランジ６ｂが形成 されており、取付ブラケット７は支持フランジ６ｂ上に載置されるようにして垂 直ポスト部６ａに取り付けられる。但し、この取付に際して、支持フランジ６ｂ の上にリング円盤状のロードセルからなる荷重検出器１５が載置され、この荷重 検出器１５上に載置されるようにして取付ブラケット７が取り付けられている。 このため、荷重検出器１５は、支持フランジ６ｂと取付ブラケット７とにより挟 持され、作業台８の荷重（作業台８および取付ブラケット７の自重と作業台８へ の積載荷重とを合わせた荷重）が全て荷重検出器１５に加わる。 荷重検出器１５はこの挟持荷重（圧縮荷重）を検出するロードセルであり、荷 重検出器１５により作業台８の荷重を検出することができる。

【００１１】 なお、取付ブラケット７は垂直ポスト部６ａを中心に水平に回動自在であり、 このため、作業台８は、ピン３ｃを中心として支持ポスト６とともに上下に揺動 自在であるとともに、垂直ポスト６ａを中心として水平方向に首振り自在（回動 自在）である。 また、車体１の前後左右４箇所には、作業時に伸長して車体１を支持するアウ トリガ９が取り付けられている。

【００１２】 作業台８には作業者が搭乗するため、作業台８は伸縮ブーム３の起伏の如何に 拘らず常時水平に保持する必要がある。このため、この高所作業車には、下レベ リングシリンダ１１と上レベリングシリンダ１２とから構成されるレベリング装 置が取り付けられている。図１に示すように、下レベリングシリンダ１１は旋回 台２と基端ブーム３ａとの間に配設されており、上レベリングシリンダ１２は先 端ブーム３ｂと支持ポスト６との間に配設されている。

【００１３】 そして、下レベリングシリンダ１１および上レベリングシリンダ１２のボトム 側油室同士が連通されるとともに、下レベリングシリンダ１１および上レベリン グシリンダ１２のロッド側油室同士が連通されている。このため、例えば、起伏 ブーム４により伸縮ブーム３が起伏作動されて下レベリングシリンダ１１が伸縮 されると、上レベリングシリンダ１２は下レベリングシリンダ１１と逆の方向に 伸縮作動され、作業台８の姿勢が常時水平に保持される。

【００１４】 このように構成された高所作業車に、荷重検出器１５により検出された作業台 ８の荷重に基づいて過積載を防止する安全装置が備えられており、この安全装置 について図３を参照して説明する。 この安全装置は、上記荷重検出器１５により検出された作業台８の検出荷重を 予め設定された許容荷重と比較する比較器１６を有しており、検出荷重が許容荷 重以上であるとき、すなわち、作業台８の荷重が過積載状態であるときには、比 較器１６は警報手段１７に警報信号を出力するようになっている。

【００１５】 警報手段１７はこの警報信号を受けると、警報作動を行わせる手段であり、例 えば、警報ブザー１８ａ、警報ランプ１８ｂにより過積載であることを作業者に 知らせる警報を行ったり、作動コントローラ１９の作動を制御して伸縮ブーム３ の作動を停止させて作業者に警報を発したりする。これにより過積載状態で作業 が行われることがなくなり、安全性が向上する。

【００１６】 また、このような高所作業車においては、作業台８の荷重が許容荷重以下であ るとしてモーメント規制を行い、作業台８の許容移動範囲、すなわち作業範囲を 設定するのであるが、上記のように過積載状態となることがないため、安全なモ ーメント規制を行うことができる。 但し、このようなモーメント規制を行う場合、ブーム３の起伏角、伸長量およ び旋回角に応じて許容荷重は異なるため、本例では、起伏角センサ２１、伸長量 センサ２２および旋回角センサ２３からの検出信号を比較器１６に入力し、ブー ム３の起伏角、伸長量および旋回角、すなわち、ブーム３の姿勢に応じて、許容 荷重を最適な値となるようにしている。このようにすれば、モーメント規制にお いて、ブーム３の姿勢に応じて有効且つ適切な作業範囲を設定することが可能と なる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ブームの先端に上下に揺動自在に取り 付けられた支持ポストを介して作業台を支持する構成の高所作業車において、垂 直ポスト下部と取付ブラケット下面との間に挟持されるように配設した荷重検出 器により作業台の荷重を検出し、このようにして検出された作業台の検出荷重を 、比較器において予め設定された許容荷重と比較し、検出荷重が許容荷重を上回 ったときには、比較器から警報手段に警報信号が出力され、この警報手段により 、警報を行うようになっているので、作業台の荷重が過積載状態のまま高所作業 を行うことを確実に防止することができ、作業の安全性を向上させることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る安全装置を有した高所作業車の１
例を示す正面図である。

【図２】上記高所作業車の作業台周りを拡大して示す正
面図である。

【図３】本考案に係る安全装置の構成を示すシステム図
である。

【符号の説明】

１ 車体 ２ 旋回台 ３ 伸縮ブーム ４ 起伏シリンダ ６ 支持ポスト ７ 取付ブラケット ８ 作業台 １５ 荷重検出器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体に起伏自在に取り付けられたブーム
   と、このブームの先端に上下に揺動自在に取り付けられ
   た支持ポストと、この支持ポストに支持される作業台と
   を有し、 この作業台に一体に設けられた取付ブラケットに上下に
   延びて形成された挿入孔に前記支持ポストの垂直ポスト
   部を挿入させて、前記作業台を前記支持ポストに取り付
   けており、前記垂直ポスト部を垂直に保持するように前
   記支持ポストの上下揺動制御を行うレベリング手段を有
   してなる高所作業車における安全装置であって、 前記垂直ポストの下部と前記取付ブラケットの下面との
   間に挟持されるように配設され、前記ブラケットから受
   ける挟持力から前記作業台の荷重を検出する荷重検出器
   と、 この検出器により検出された前記作業台の検出荷重を、
   予め設定された許容荷重と比較し、前記検出荷重が前記
   許容荷重を上回ったときに、警報信号を出力する比較器
   と、 この比較器からの警報信号を受けて、警報作動を行わせ
   る警報手段とを有していることを特徴とする高所作業車
   の安全装置。