JPH0538186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家屋を化粧する飾り枠とその内部に
配される軒天井板とを能率よくかつ精度よく取付
可能とする軒天井、飾り枠固定金具に関する。

〔従来の技術〕

化粧鋼板の折曲げ体からなりかつ軒先部などに
設ける樋などを目隠しすることによつて建物の見
映えを高める飾り枠が多用されている。このよう
な飾り枠は、壁面から空所を隔てて設けられてお
り、従つて、強風に耐える取付強度を有すること
が前提となる。

又飾り枠は、下方から見上げた際の見映えを高
めるべく、前記空所内に軒天井板がときに設けら
れる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来、このような飾り枠と軒天
井板とは別個の取付部材を用いて支持されてお
り、従つて取付作業の能率に劣るとともに、とき
に飾り枠に対する軒天井板の高さにバラツキが生
じるなど、取付精度にも劣るものであつた。

本考案は、飾り枠と軒天井板とをともに固定で
き、飾り枠の取付強度と軒天井板の取付高さ精度
とを向上しうる軒天井、飾り枠固定金具の提供を
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、家屋の壁面から外向きに突出する外
向き部を介して家屋の壁面と平行かつ該壁面との
間に空所を隔てて配される平行部を有ししかも基
片の上下に上片、下片を有する断面略コ字状の飾
り枠の前記外向き部の前記上片、下片が固定され
る上受片、下受片を、家屋の前記壁面に固定され
る取付部を有する縦長の壁固定片の上、下に形成
するとともに、前記壁固定片に、前記空所内に配
される軒天井板が取付けられる軒天固定片を外向
きに突設してなる軒天井、飾り枠固定金具であ
る。

〔作用〕

壁面に固定される壁固定片の上下に飾り枠を受
ける上受片、下受片を設けることによつて、飾り
枠の壁面から外向きに突出する外向き部を、その
根元部分において固定でき、飾り枠の取付強度を
高める。又壁固定片には、飾り枠と壁面との間の
空所内に配される軒天井板固定用の軒天固定片を
設けているため、該軒天井板の取付が容易となる
他、その取付高さの精度を向上でき、家屋の見映
えを高める。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１，２図は本考案の軒天井、飾り枠固定金具
が採用される家屋Ｈを例示している。

家屋Ｈは例えば３階建の集合住宅であつて、正
面中央の凹所に設ける階段室Ｓの両側に家屋本体
Ｈ１，Ｈ２を形成している。家屋本体Ｈ１，Ｈ２
の階段室Ｓに向く軒先部間には、正面に飾り枠Ａ
を架け渡すとともに、反対側の軒先部には、他の
飾り枠Ｂが取付けられる。

又家屋Ｈは第３図に示すごとく、家屋骨組体Ｃ
の外面に外装パネルWPを取付ける大壁工法の建
築物であつて、又外壁パネルWPは、骨組体Ｃの
梁材Ｄの固定される小高さの幕板状の外壁パネル
WP１と、その間に配されかつ居室の壁を形成す
る高さの大なる外壁パネルWP２と、家屋本体Ｈ
１，Ｈ２のけらばに位置する三角状の外壁パネル
WP３とを含むとともに、該外壁パネルWP３の
上縁に沿つて他の飾り枠Ｅが配される。

第４〜７図に示すごとく、本考案の軒天井、飾
り枠固定金具２、階段室Ｓ上方の前記飾り枠Ａを
固定するものであつて、該飾り枠Ａは、複数の装
飾用の折曲げ部を階段状に設けた基片４の上下に
内向きに突出する上片５、下片６を断面略コ字状
をなす。又上片５は、内方に向かつてやや下向き
に傾斜しておりかつ上片５、下片６の内縁には垂
下片７，８を夫々形成する。

又前記飾り枠Ａは、家屋本体Ｈ１，Ｈ２を前記
外壁パネルWP３がなすけらばの壁面Ｗにおける
前記階段室Ｓの近傍から突出する外向き部９，９
の外縁に、前記壁面Ｗと平行かつ該壁面Ｗとの間
に空所１０を隔てる平行部１１を設けることによ
つてコ字状に折曲がる。

軒天井、飾り枠固定金具２は、前記上片５が固
定される上受片１２と、下片６を固定する下受片
１３とを壁固定片１４の上下に形成し、また壁固
定片１４は、取付部１５を具えるとともに外向き
に延びる軒天固定片１６を突設してなる。前記上
受片１２は、前記上片５と同長さのアングル材の
外向きに突出する一方の片より形成され、又該ア
ングル材の垂直な他方の片と、縦長平板状の長片
体１７とによつて前記壁固定片１４が形成され
る。又前記アングル材の他方の片は固定用の孔部
を設けることによつて、壁固定片１４の前記取付
部１５を形成し、又前記下受片１３は、本例で
は、前記長片体１７下端を水平に折曲げることに
よつて形成される。又前記軒天固定片１６は、前
記下受片１３の上方に位置して前記長片体１７か
ら突出するアングル材の一方の水平な片により形
成される。

又軒天井、飾り枠固定金具２は、前記外向き部
９が壁面に向く根元部分に位置して、前記取付部
１５を壁面Ｗにビス等を用いて固着することによ
り取付ける。その結果、前記上受片１２の上面
は、前記飾り枠Ａの上片５下面を受け、又下受片
１３の下面は、下片６の上面に当接し夫々ビス等
を用いて固着する。又上受片１２は、前記上片５
外縁の基片４と内縁の垂下片７との間に嵌入する
ことにより飾り枠Ａを正しく位置合わせして取付
けうる。

又軒天井、飾り枠固定金具２は、前記飾り枠Ａ
の上片５が内方に向かい傾斜することによつて、
上受片１２の傾きが異なる勝手違いの２つの軒天
井、飾り枠固定金具２Ａ，２Ｂを含んでいる。

前記軒天固定片１６は、空所１０に配される軒
天井板２０を固定できる。

軒天井板２０は、階段室Ｓを挟む家屋本体Ｈ
１，Ｈ２の壁面WA，WA間に架設され階段室Ｓ
の上方を覆う屋根葺材２１の下面を、前記空所１
０内で遮蔽する。

屋根葺材２１は、第４図、第８図に示す折版屋
根であつて、その軒先部は前記壁面Ｗを越えて空
所１０内にしかも第７図に示すごとく、樋２３上
部にその軒先端を位置させて突出している。又屋
根葺材２１の両側縁は上方に折曲げられ、該折曲
げ部が、家屋本体Ｈ１，Ｈ２の屋根葺材２４から
垂下する水切板２５と重置される。これにより、
第３図に示す、前記壁面WAの上方をなす外壁パ
ネルWP１と、前記屋根葺材２４との間に生じる
間隙ｇを水切りする。

又屋根葺材２１は、前記外壁パネルWP１間に
架け渡した梁材２６上に架設した断面ハツト状の
支持枠２９上面に載置され、又該屋根葺材２１の
山形折曲げには、台形金具３０によつて支持され
る。なお前記支持枠２９は、前記屋根葺材２１の
先端やや内方位置まで延在するとともに、その先
端には、下向きに折返した鉤部３４を有する係止
片３５が連設される。又階段室Ｓには、前記壁面
Ｗとほぼ面一な下地材３６が、前記支持枠２９の
下方に架け渡される。

前記軒天井板２０は、その内端部は前記下地材
３６と支持枠２９との間に介在しかつ外端部は前
記支持枠２９の先端にいたる基部３９の外縁に、
支持枠２９の先端で立上る立部４０を介して前記
鉤部３４に嵌入される張出し部４１を設けてお
り、前記基部３９が前記軒天固定片１６下面に当
接しかつビス止めされる。なお前記下地材３６
は、基部３９を軒天固定片１６に固定した後、基
部３９下面と当接するごとく高さ合わせして架け
渡される。

なお階段室Ｓの上方かつ壁面Ｗの内方には、前
記軒天井板２０よりも低所に位置する天井板４３
を有する天井パネル４４が配され、該天井パネル
４４は、前記梁２６に固定される継ぎ板４６を用
いて吊下している。又前記軒天井板２０下面と天
井板４３との間は幕板４５によつて遮蔽してい
る。

なお家屋本体Ｈ１，Ｈ２を覆う前記屋根葺材２
４は、予め屋根パネルRPに添設されるとともに、
該屋根パネルは、第３図に示すごとく、吊下げロ
ープを用いて吊下げつつ、前記家屋骨組体Ｃの登
り梁Ｋ、軒先梁に配する軒金具Ｆ、棟木に配する
棟金具Ｇを用いて固定される。又足場Ｑを設ける
ことによつて、内部からの取付けも可能としてい
る。

又本例では、前記屋根葺材２１の先端には、飾
り枠Ａの平行部１１を支持する飾り枠固定金具１
９が用いられる。該飾り枠１９は、屋根葺材２１
の上面に固定する突片４９の先端に設けた垂直な
基片５０の上下に、飾り枠の上片５、下片６を固
定する上受片５１、下受片５２を設けるととも
に、基片５０の内面に、前記樋２３を支持する樋
受け片５３を設けている。

なお本考案の軒天井、飾り枠固定金具におい
て、前記壁固定片１４をアングル材を用いて形成
し、又下受片１３をアングル材を用いるなど種々
変形しうる。

〔考案の効果〕

壁面に固定される壁固定片の上下に飾り枠を受
ける上受片、下受片を設けることによつて、飾り
枠が壁面から外向きに突出する外向き部を、その
根元部分において強固に固定できる。又壁固定片
には飾り枠と壁面との間の空所内に配される軒天
井板固定用の軒天固定片を設けている。従つて該
軒天井板の取付が容易となる他、その取付高さの
精度を向上でき、家屋の見映えを高める。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の軒天井、飾り枠固定金具が用
いられる家屋を例示する正面図、第２図はその側
面図、第３図はその構造を略示する斜視図、第４
図は本考案の一実施例を、使用状態とともに併示
する分解斜視図、第５図は軒天井、飾り枠固定金
具のみを取出して示す斜視図、第６図は第１図の
−線断面図、第７図は第１図の−線断面
図、第８図は階段部を奥行き方向に横切る断面図
である。 ２，２Ａ，２Ｂ……軒天井、飾り枠固定金具、
４……基片、５……上片、６……下片、９……外
向き部、１０……空所、１１……平行部、１２…
…上受片、１３……下受片、１４……壁固定片、
１５……取付部、１６……軒天固定片、２０……
軒天井板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家屋の壁面から外向きに突出する外向き部を介
   して家屋の壁面と平行かつ該壁面との間に空所を
   隔てて配される平行部を有ししかも基片の上下に
   上片、下片を有する断面略コ字状の飾り枠の前記
   外向き部の前記上片、下片が固定される上受片、
   下受片を、家屋の前記壁面に固定される取付部を
   有する縦長の壁固定片の上、下に形成するととも
   に、前記壁固定片に、前記空所内に配される軒天
   井板が取付けられる軒天固定片を外向きに突設し
   てなる軒天井、飾り枠固定金具。