JPH0538125U - 中空パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 第２壁材４Ｂの中空部３に、第１ナット部材
５Ａと第２ナット部材５Ｂとを連結部９で連結して一体
物にした連結金具１０の第２ナット部材５Ｂをナット部
材挿入孔８から挿入し、外方からボルト６を螺合して、
連結金具１０を第２壁材４Ｂに固定する。この連結金具
１０の第１ナット部材５Ａを第２壁材４Ｂと隣接される
第１壁材４Ａにナット部材挿入孔８から挿入して、固定
具７を貫通したボルト６を螺合し、第１ナット部材５Ａ
と固定具７とを第１壁材４Ａに締結して、固定具７を介
して第１壁材４Ａを取付材２に取り付け、第１壁材４Ａ
を介して第２壁材４Ｂを取付材２に取り付ける。 【効果】 第２壁材４Ｂは取付材２に直接取り付けなく
とも、第１壁材４Ａ及び取付材２を介して主体構造物に
取り付けることができ、第２壁材４Ｂが柱１４等の近傍
にあってボルト締結スペースがなくとも、取り付けが容
易にできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉄骨系住宅等の建築物の壁材、特に上下貫通状の中空部を有する壁 材を梁、土台等の主体構造部に取り付ける中空パネルの取付構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、住宅等の建築物において、壁材を主体構造部に取付けるのに、図６に 示すような構造のものが採用されている（図４も参照のこと）。 即ち、基礎１２上に固定された土台１３及びこの土台１３に対向して上方に配 置された梁（図示せず）等で上下主体構造部１が形成され、この上下主体構造部 １にそれぞれ取付材２が取り付けられ、上下取付材２間に壁材４Ａが配置される 。この壁材４Ａは上下貫通状の中空部３を壁幅方向に複数有しており、この壁材 ４Ａの中空部３内にナット部材５Ａを配置し、このナット部材５Ａに外方からボ ルト６を螺合し、このボルト６を介してＺ形状の固定具７を壁材４Ａに取り付け 、壁材４Ａと固定具７とで取付材２を挟持して壁材４Ａを取付材２に固定するこ とにより、壁材４Ａを主体構造物１に取り付けている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来技術にあっては、１枚の壁材４Ａに対して、上下各２個の固定具７が 取り付けられ、ボルト６は室内側から螺合されるが、例えば、出隅部の壁材４Ｂ のように、ボルト６の室内側に柱１４その他の障害物があると、ボルト締結スペ ースが余りなく、ナット部材５Ｂとボルト６との締結が困難になり、作業能率が 低下したり、充分な締め付け強さが得られなくなることがある。

【０００４】 本考案は、固定具を介して取付材に取り付けられた第１壁材に対して第２壁材 を連結固定することにより、第２壁材を第１壁材及び取付材を介して主体構造物 に取り付けるようにした中空パネルの取付構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案における課題解決のための具体的手段は、上下主体構造部１に固定の取 付材２間に上下貫通状中空部３を有する第１壁材４Ａを配置し、この第１壁材４ Ａの中空部３内に第１ナット部材５Ａを配置し、第１壁材４Ａを取付材２に固定 する固定具７にボルト６を貫通し、このボルト６を第１ナット部材５Ａに螺合し て固定具７を介して第１壁材４Ａを主体構造部に取り付けた中空パネルの取付構 造において、 前記第１壁材４Ａとそれに隣接する第２壁材４Ｂとの夫々の対向側縁面にナッ ト部材挿入孔８を形成し、前記第１壁材４Ａの中空部３内に配置された第１ナッ ト部材５Ａと第２壁材４Ｂの中空部３内に配置する第２ナット部材５Ｂとを連結 部９で連結して一体物の連結金具１０を形成し、第２壁材４Ｂにボルト６を介し て第２ナット部材５Ｂを固定することにより第２壁材４Ｂを第１壁材４Ａを介し て取付材２に取り付けていることである。

【０００６】

【作用】

図１において、出隅部用の第２壁材４Ｂの中空部３に、第１ナット部材５Ａと 第２ナット部材５Ｂとを連結部９で連結して一体物にした連結金具１０の第２ナ ット部材５Ｂをナット部材挿入孔８から挿入し、外方からボルト６を螺合して、 連結金具１０を第２壁材４Ｂに固定する。

【０００７】 この連結金具１０の第１ナット部材５Ａを第２壁材４Ｂと隣接される第１壁材 ４Ａにナット部材挿入孔８から挿入して、固定具７を貫通したボルト６を螺合す る。 そうすると、第１ナット部材５Ａと固定具７とは第１壁材４Ａに締結され、固 定具７を介して第１壁材４Ａは取付材２に取り付けられ、果たして、第２壁材４ Ｂは第１壁材４Ａを介して取付材２、即ち、主体構造物１に取り付けられること になる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜４に示す実施例において、１は主体構造物で、基礎１２上に土台１３を 固定して下主体構造物が構成され、土台１３に対向して上方に配置された梁等で 上主体構造部が形成される。この上下主体構造部１の土台１３及び梁にそれぞれ 取付材２が取り付けられ、上下取付材２間に複数枚の壁材４が配置され且つ固定 されている。

【０００９】 この壁材４は上下貫通状の中空部３を壁幅方向に複数有した中空パネルであり 、第１壁材４Ａは中途壁用、第２壁材４Ｂは出隅部用であり、第２壁材４Ｂは柱 １４の近傍に位置している。第１壁材４Ａと第２壁材４Ｂとは隣接していて、対 向する側縁面にはナット部材挿入孔８が形成されている。 この各ナット部材挿入孔８は側部の中空部３と連通しており、第２壁材４Ｂ側 のナット部材挿入孔８は上下方向の長さが短く、第１壁材４Ａのそれは長く形成 されている。

【００１０】 １０は連結金具で、両端の第１ナット部材５Ａと第２ナット部材５Ｂとを丸棒 又は板材で形成した連結部９で連結して一体物にしており、両ナット部材５は各 ナット部材挿入孔８から壁材４の中空部３内に挿入可能である。 各壁材４にはボルト貫通孔１５が形成され、このボルト貫通孔１５にナット部 材５が同心状に配置可能であり、同心に配置することにより、外方からボルト６ を挿入してナット部材５に螺合することができる。

【００１１】 第１壁材４Ａは、ボルト６をワッシャ１６と固定具７とに挿通し、且つボルト 貫通孔１５に貫通して第１ナット部材５Ａに螺合しており、このボルト６により 固定具７と連結金具１０とを第１壁材４Ａに固定し、この第１壁材４Ａと固定具 ７とで取付材２を挟持して、第１壁材４Ａを主体構造物１に固定している。 これに対して、第２壁材４Ｂ側は、ワッシャ１６を介してボルト６を第２ナッ ト部材５Ｂに螺合して、連結金具１０を第２壁材４Ｂに固定しており、第２壁材 ４Ｂは取付材２に直接的には固定されていない。従って、第２壁材４Ｂは連結金 具１０を介して第１壁材４Ａに連結され、且つ固定具７及び取付材２を介して主 体構造物１に取り付けられることになる。

【００１２】 隣接する第１壁材４Ａと第２壁材４Ｂとの間は、シーリング材１７及びバック アップ材１８等を充填して目地止めされている。 施工方法としては、第２壁材４Ｂに連結金具１０の第２ナット部材５Ｂをボル ト６で固定しておき、この第２壁材４Ｂを出隅部に仮止めし、この第２壁材４Ｂ に第１壁材４Ａを隣接配置しながらそのナット部材挿入孔８を連結金具１０の第 １ナット部材５Ａに嵌合する。固定具７に貫通したボルト６を第１ナット部材５ Ａに螺合しながら、第１壁材４Ａと固定具７とで取付材２を挟持し、第１壁材４ Ａを取付材２に固定する。

【００１３】 この作業を壁材４の上下で行うと、第１壁材４Ａと第２壁材４Ｂとは主体構造 物１に対して固定される。第２壁材４Ｂは柱１５の近傍に配置されていても、ボ ルト６の締結作業が不要である。 第２壁材４Ｂに連結した連結金具１０に第１壁材４Ａを容易に嵌合できるよう に、第１壁材４Ａのナット部材挿入孔８は第２壁材４Ｂのそれより長く形成され ている。

【００１４】 但し、第１壁材４Ａと第２壁材４Ｂとを仮連結した状態で取付材２上を移動で きる場合は、連結金具１０を先ず第１壁材４Ａに連結し、その後、連結金具１０ に第２壁材４Ｂを連結するようにしても良く、その場合、ナット部材挿入孔８は 第２壁材４Ｂの方を長く形成することが好ましい。 図５は連結金具１０の変形例を示しており、この連結金具１０は１枚の帯板の 両端にネジ孔を形成して第１ナット部材５Ａと第２ナット部材５Ｂとを形成し、 その中間部が連結部９となっている。この変形例の連結金具１０は製作が極めて 簡単であり、ナット部材挿入孔８を小さくできる。

【００１５】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、種々変形することができ る。例えば、本考案を出隅部以外の中途壁材４同志の連結に採用したり、ナット 部材５に市販の六角ナットを使用したりしても良く、連結部９は適宜長さに設定 できる。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳述した本考案によれば、固定具７を介して取付材２に取り付けられた第 １壁材４Ａに対して、第１壁材４Ａに隣接する第２壁材４Ｂを連結金具１０を介 して第１壁材４Ａに連結しているので、第２壁材４Ｂは取付材２に直接取り付け なくとも第１壁材４Ａを介して主体構造物１に取り付けることができ、第２壁材 ４Ｂが柱１４等の近傍にあってボルト締結スペースがなくとも、取り付けが容易 にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面平面図である。

【図２】同分解斜視図である。

【図３】同正面図である。

【図４】同図３のＸ−Ｘ線断面図である。

【図５】連結金具の変形例を示す斜視図である。

【図６】従来技術を示す断面平面図である。

【符号の説明】

１ 主体構造物 ２ 取付材 ３ 中空部 ４Ａ 第１壁材 ４Ｂ 第２壁材 ５Ａ 第１ナット部材 ５Ｂ 第２ナット部材 ６ ボルト ７ 固定具 ８ ナット部材挿入孔 ９ 連結部 １０ 連結金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下主体構造部（１）に固定の取付材
   （２）間に上下貫通状中空部（３）を有する第１壁材
   （４Ａ）を配置し、この第１壁材（４Ａ）の中空部
   （３）内に第１ナット部材（５Ａ）を配置し、第１壁材
   （４Ａ）を取付材（２）に固定する固定具（７）にボル
   ト（６）を貫通し、このボルト（６）を第１ナット部材
   （５Ａ）に螺合して固定具（７）を介して第１壁材（４
   Ａ）を主体構造部（１）に取り付けた中空パネルの取付
   構造において、 前記第１壁材（４Ａ）とそれに隣接する第２壁材（４
   Ｂ）との夫々の対向側縁面にナット部材挿入孔（８）を
   形成し、前記第１壁材（４Ａ）の中空部（３）内に配置
   された第１ナット部材（５Ａ）と第２壁材（４Ｂ）の中
   空部（３）内に配置する第２ナット部材（５Ｂ）とを連
   結部（９）で連結して一体物の連結金具（１０）を形成
   し、第２壁材（４Ｂ）にボルト（６）を介して第２ナッ
   ト部材（５Ｂ）を固定することにより第２壁材（４Ｂ）
   を第１壁材（４Ａ）を介して取付材（２）に取り付けて
   いることを特徴とする中空パネルの取付構造。