JPH0756415Y2 - 屋根パネル支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、異なる傾斜の複数個の屋根パネルの端部を支
持して各屋根パネルからの荷重を直接トラスに伝達でき
るようにした屋根パネル支持構造に関する。

［従来の技術］ 従来にあっては、梁の上に束を立設し、この束の上端部
の外面にそれぞれ取付け金具を取り付け、この取り付け
金具の縦片にそれぞれ傾斜の異なる屋根パネルの端部を
ボルト、ナットにより取り付けていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、上記した従来例にあっては、梁の上に束を立
設するにあたって、位置決めした状態で熔接したり、ボ
ルト等で固着するのであるが、位置決め作業、固着作業
が面倒であり、また、この束の上部に複数個の取付け金
具を取り付けるのに手間がかかり、更に、束の上部にお
いて屋根パネルをボルト、ナットにより取り付ける際に
屋根パネルを手で支持した状態で屋根パネルの傾斜を確
認しながら固定作業をしなければならず、作業が面倒
で、特に屋根という高所における作業であるため危険で
あった。

本考案は上記した従来例の問題点に鑑みて考案したもの
であって、その目的とするところは、単一の屋根パネル
支持金物により複数個の異なる傾斜の屋根パネルを支持
して各屋根パネルからの荷重をそのまま小屋トラスに伝
達でき、また、屋根パネル支持金物を小屋トラスに取り
付けるのが簡単且つ正確にでき、更に、異なる傾斜の屋
根パネルを単一の屋根パネル支持金物に取り付けるに当
たり、簡単に取り付けることができる屋根パネル支持構
造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 上記従来例の問題点を解決して本考案の目的を達成する
ために本考案の屋根パネル支持構造は、複数個の異なる
屋根パネル１の各傾斜にそれぞれ対応した傾斜をした複
数個の屋根パネル載置面部２を設けた屋根パネル支持金
物３から脚部４を垂設し、縦材６や横材や斜材を枠組み
して一体に構成した小屋トラス５の縦材６の上部を小屋
トラス５の上方に向けて突出して突部を形成し、小屋ト
ラス５の上部に上方に向けて突出した突部７に屋根パネ
ル支持金物３の脚部４を固着具８にて取り付け、各屋根
パネル載置面部２にそれぞれ傾斜の異なる屋根パネル１
の端部を載設して取り付けて成るものであって、このよ
うな構成を採用することで、上記した本考案の目的を達
成したものである。

［作用］ しかして、脚部４を小屋トラス５の上部に突出した突部
７に取り付けた屋根パネル支持金物３に設けた各屋根パ
ネル載置面部２にそれぞれ傾斜の異なる屋根パネル１の
端部を仮り置きし、この状態で固着手段により固着する
ことで、屋根パネル１を仮り置きした状態で固着できる
とともに各屋根パネル載置面部２がそれぞれ屋根パネル
１の傾斜に対応しているので、各屋根パネル載置面部２
に各屋根パネル１を載置するのみでそれぞれの屋根パネ
ル１の傾斜が決まるものであり、また、各屋根パネル１
からの荷重がそのまま小屋トラス５に伝達されてスムー
ズに小屋トラス５に荷重を伝達できるようになったもの
である。

［実施例］ 以下本考案を添付図面に示す実施例に基づいて詳述す
る。

まず第１図乃至第６図に示す実施例に基づいて詳述す
る。第６図には屋根パネル支持金物３の一実施例が示し
てある。屋根パネル支持金物３は笠部3aと笠部3aから垂
下した脚部４とで構成してある。笠部3aの上面部には複
数個の異なる屋根パネル１の各傾斜にそれぞれ対応した
傾斜をした複数個の屋根パネル載置面部２が形成してあ
る。この第６図に示す屋根パネル支持金物３は第２図の
Ａで示す複合屋根の水平棟と降棟と谷との交わる部分に
おいて小屋トラス５の上方において屋根パネル１を支持
するための金物であり、第２図において示す傾斜の異な
る４枚の屋根パネル1a、1b、1c、1d（なお屋根パネル1a
と屋根1bとは同じ傾斜となっている）の端部を支持する
屋根パネル載置面部2a、2b、2c、2dとなっていてそれぞ
れの屋根パネル1a、1b、1c、1dと同じ傾斜となってお
り、各屋根パネル載置面部2a、2b、2c、2dには孔９が穿
孔してある。脚部４は４枚の脚片4aを垂下したものであ
って４枚の脚片4aは平面視で正方形状に配置してあり、
各脚片4aには孔10が穿孔してある。ここで、対向する一
対の脚片4a間の距離は後述の小屋トラス５の上部に設け
た突部７の巾に等しくしてある。

第３図には第１図に示す複合屋根の小屋伏せ図が示して
あって小屋トラス５により小屋組みがしてあるが、この
複合屋根においては例えば第３図に示すように小屋トラ
ス5aと小屋トラス5bとが直角に連結してある。小屋トラ
ス5aの上端部には突部７が上方に向けて突設してある。
添付図面に示す実施例のように小屋トラス５は縦材６や
横材や斜材を枠組みして一体に構成してあり、この小屋
トラス５の構成部材の一つである縦材６を上方に突出し
て突部７が構成してあり、突部７は断面コ字状をしてお
り、両側面にボルト挿入孔及びこれに連通するナット部
が形成してある。

しかして、小屋トラス5aの突部７に屋根パネル支持金物
３の脚部４をはめ込んで仮り支持させ、この状態で孔10
を利用してボルトのような固着具８を挿入して突部７に
設けたナット部11に螺合して取り付けるものである。そ
して、このようにして小屋トラス5aに取り付けた屋根パ
ネル支持金物３の各屋根パネル載置面部２にそれぞれ各
屋根パネル１の端部を仮り置きし、この状態で各屋根パ
ネル１の孔と屋根パネル載置面部２に設けた孔９とを合
わせてボルトのような固着具12により固着するものであ
る。添付図面中３′は別の屋根パネル支持金物であっ
て、第２図Ｂ部分において複数個の屋根パネル１の端部
を載設して支持するものであり、この屋根パネル支持金
物３′は別の小屋トラス5bの縦材６の上端部の突部７に
脚部４をはめ込んで固着具８により固着してある。そし
て、この屋根パネル支持金物３′の上面部に設けた複数
個の異なる傾斜の屋根パネル載置面部２にそれぞれ第２
図における屋根パネル1a、1e、1f、1g、1dの端部を載設
して固着具12により固着してある。

第７図乃至第12図には本考案の他の実施例が示してあ
る。すなわち、第11図には屋根パネル支持金物３の他の
実施例が示してある。この実施例では笠部3aが山形状を
しており、このような形状の屋根パネル支持金物３は第
７図に示すＣ部分における棟部分で使用されるものであ
り、この部分に配設された小屋トラス５の上部の突部７
に脚部４をはめ込んでボルトのような固着具により着脱
自在に固着してある。そして、山形をした屋根パネル支
持金物３の上部の笠部3aの両側の屋根パネル載置面部２
にそれぞれ傾斜の異なる屋根パネル１の端部を載置して
固着具により固着するものである。

また、第13図乃至第17図には本考案の更に他の実施例が
示してある。すなわち第17図には屋根パネル支持金物３
の更に他の実施例が示してあり、この第17図に示す実施
例のものは、第13図のＤ部分において使用されるもので
あって、このＤ部分において第14図、第16図のように小
屋トラス５の上部の突部７に脚部４をはめ込んでボルト
のような固着具により着脱自在に固着してある。そし
て、屋根パネル支持金物３の上部の笠部3aに設けた複数
個の傾斜の異なる屋根パネル載置面部２にそれぞれ傾斜
が対応した屋根パネル１の端部を載置して固着具により
固着するものである。

ところで、脚部４を少なくとも一対の対向する脚片4aに
より構成し、対向する脚片4a間の距離を突部７の巾に等
しく、突部７に対向する脚片４を固着具により着脱自在
に取り付けるようにしておくことで、小屋トラス５と屋
根パネル支持金物３との接合のディテールを統一するこ
とができ、例えば、複数種類の屋根パネル支持金物３を
用意し、共通の小屋トラス５の突部７に複数種類の屋根
パネル支持金物３のうち任意の屋根パネル支持金物３選
択して取り付けることができる。また、脚部４が突部７
にはめ込まれて固着具により取り付けられるので、小屋
トラス５に屋根パネル支持金物３を取り付けるに当た
り、屋根パネル支持金物３を小屋トラス５の所定の位置
に正確に仮り支持した状態で簡単に本固定することがで
きることになる。

［考案の効果］ 本考案にあっては、叙述のように複数個の異なる屋根パ
ネルの各傾斜にそれぞれ対応した傾斜をした複数個の屋
根パネル載置面部を設けた屋根パネル支持金物から脚部
を垂設し、縦材や横材や斜材を枠組みして一体に構成し
た小屋トラスの縦材の上部を小屋トラスの上方に向けて
突出して突部を形成し、小屋トラスの上部に上方に向け
て突出した突部に屋根パネル支持金物の脚部を固着具に
て取り付け、各屋根パネル載置面部にそれぞれ傾斜の異
なる屋根パネルの端部を載設して取り付けたので、小屋
トラスの上部において単一の屋根パネル支持金物に傾斜
の異なる複数個の屋根パネルを取り付けることができて
部品点数が少なくてすんで経済的であり、また、作業が
簡略化され、特に、それぞれ異なる傾斜の屋根パネルを
取り付けるに当たって、各屋根パネルを屋根パネル載置
面部に仮り置きした状態で本固定できるのでいっそう作
業が簡略化されるとともに、載置して固着するのみで各
屋根パネルをそれぞれの傾斜状態で固着できるものであ
り、また、縦材や横材や斜材を枠組みして一体に構成し
た小屋トラスの縦材の上部を小屋トラスの上方に向けて
突出して突部を形成し、小屋トラスの上部に上方に向け
て突出した突部に屋根パネル支持金物の脚部を固着具に
て取り付け、各屋根パネル載置面部にそれぞれ傾斜の異
なる屋根パネルの端部を載設して取り付けるので、屋根
パネル支持金物の脚部を固着具で取り付ける際に小屋ト
ラスの斜材や横材等が邪魔にならずに小屋トラスよりも
上方に突出した突部に簡単に固着具により固着すること
ができるものであり、更に、各屋根パネル載置面部にそ
れぞれ傾斜の異なる屋根パネルの端部を載設して取り付
ける際に小屋トラスの斜材や横材等が邪魔にならずに小
屋トラスよりも上方に突出した突部に取り付けた屋根パ
ネル載置面部に屋根パネルの端部を固着具により取り付
けることができるものであり、更に、各屋根パネルから
の荷重を小屋トラスの構成部材である縦材に直接スムー
ズに伝達できて、屋根パネルから小屋トラスへの荷重の
伝達がスムーズに行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図は同上の屋根伏せ図、
第３図は同上の小屋伏せ図、第４図は第２図Ａ部分の平
面図、第５図は同上の一部省略斜視図、第６図（ａ）
（ｂ）（ｃ）は同上の屋根パネル支持金物の平面図、正
面図及び側面図、第７図は本考案の他の実施例の屋根伏
せ図、第８図は第７図Ｃ部分の正面図、第９図は同上の
平面図、第10図は同上の斜視図、第11図（ａ）（ｂ）
（ｃ）（ｄ）は同上に用いる屋根パネル支持金物の斜視
図、平面図、側面図及び正面図、第12図は同上の小屋ト
ラスの正面図、第13図は本考案の更に他の実施例の平面
図、第14図は第13図Ｄ部分の正面図、第15図は同上の平
面図、第16図は同上の斜視図、第17図（ａ）（ｂ）
（ｃ）（ｄ）は同上に用いる屋根パネル支持金物の斜視
図、平面図、側面図及び正面図であって、１は屋根パネ
ル、２は屋根パネル載置面部、３は屋根パネル支持金
物、４は脚部、５は小屋トラス、６は縦材、７は突部、
８は固着具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の異なる屋根パネルの各傾斜にそれ
   ぞれ対応した傾斜をした複数個の屋根パネル載置面部を
   設けた屋根パネル支持金物から脚部を垂設し、縦材や横
   材や斜材を枠組みして一体に構成した小屋トラスの縦材
   の上部を小屋トラスの上方に向けて突出して突部を形成
   し、小屋トラスの上部に上方に向けて突出した突部に屋
   根パネル支持金物の脚部を固着具にて取り付け、各屋根
   パネル載置面部にそれぞれ傾斜の異なる屋根パネルの端
   部を載設して取り付けて成る屋根パネル支持構造。