JPH0536549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、穀物中に含まれた不必要な「しい
な」や「小米」等を循環乾燥中において能率よく
選別除去することができる穀物乾燥機における選
別装置に関する。

「従来の技術」 従来、穀物を上段の調質槽より中段の通風乾燥
胴内に縦設した乾燥通路に沿つて竪流下せしめる
過程において、乾燥通路を横切るように流通する
乾燥熱風により幾分乾燥した後、下段の取出し室
内へ排出し、次いで前記乾燥穀物を昇降機を介
し、上段の調質槽へ返流せしめて再度上述と同様
の乾燥作用を複数回に亘り反復せしめて所定の仕
上り水分値に仕上げ乾燥することができる穀物乾
燥機は本出願前例えば特公昭48−36753号公報に
記載されて知られている。

「考案が解決しようとする課題」 ところで、従前のこの種穀物乾燥機においては
穀物中に多く含まれた不必要な「しいな」や「小
米」等を選別除去する装置を何等備えていない。
したがつて、従前の乾燥作業においては、不必要
な「しいな」や「小米」等を選別除去するには、
穀物乾燥作業の前段か若しくは後段において選別
作業を行う許りか、前記選別作業は一回のみ行つ
ていたものである。

故に、選別機はその能力を大きく必要とするた
めにどうしても大型となるは勿論のこと選別精度
も悪くなり、乾燥穀物中に「しいな」や「小米」
等が混入するという問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、乾燥機本体の下部に配設された取出し
室の直下に略密封状の選別室を配設すると共に前
記選別室内には「しいな」や「小米」等を選別除
去するための選別胴を単数若しくは複数回転自在
に横架せしめて、乾燥機本体内を複数回に亘り竪
流下される循環乾燥穀物中に含まれた「しいな」
や「小米」等を簡単な装置により確実に選別除去
することができる穀物乾燥機における選別装置を
提供しようとするものである。

「問題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案における穀
物乾燥機における選別装置においては、乾燥機本
体の下部に配設した取出し室の直下にし略密封状
の選別室を配設し、前記選別室内には単数若しく
は複数の選別ドラムを回転自在に横架せしめると
共に、前記取出し室の底部に横設した搬出樋の搬
出側を供給樋を介し選別ドラムの供給側に接続し
たものである。

「作用」 今、流通する乾燥熱風により幾分乾燥された穀
物が繰出し作用によつて取出し室内に排出される
と、該乾燥穀物は搬出樋及び供給樋を介して回転
している選別ドラムの供給側に供給される。さす
れば前記乾燥穀物が螺旋スクリユーの回転により
供給側より排出側に向け順次移送される間に穀物
中に多く混入されていた「しいな」や「小米」等
は全周面に配設された選別スリツトより選別ドラ
ム外に選別除去され、残つた精選穀物のみが選別
ドラムの搬出側より排出され、再び乾燥機本体内
に循環返流され、再度上述と同様の乾燥作用と選
別作用とが反復される。

したがつて、穀物が複数回に亘り循環流動され
る度毎に上記のような選別作用が何回となく反復
されるので穀物中に混入されていた「しいな」や
「小米」等は効率的に選別除去されるので、「しい
な」や「小米」等が混入しない精選乾燥穀物を得
ることができる。

「実施例」 実施例について図面を参照して説明する。

第１図および第２図において、１は、竪流下す
る穀物に対し、乾燥熱風を横方向より浴びせて幾
分乾燥し、これが乾燥穀物を昇降機２を経て何回
となく反復循環せしめることで所定の仕上げ水分
値に乾燥することができる任意の構成からなる循
環型乾燥機の乾燥機本体であつて、上記乾燥機本
体１の上段には調質槽（図示せず）を中段には通
風乾燥胴（図示せず）を、又下段には取出し室３
が順次立体的に重設されている。４は、取出し室
３の中央底部に横設した搬出樋であつて、該搬出
樋４内には搬出スクリユー５が回転自在に横架さ
れている。前記取出し室３の直下には、周囲を囲
壁７により囲んで形成した選別室６が配設されて
おり、これが選別室６内には単数若しくは複数の
選別ドラム８が略水平状態のもとに回転できるよ
う横架されている。上記選別ドラム８は、周面に
「しいな」や「小米」等を漏下させることができ
るメツシユの選別スリツト９が穿孔されると共に
選別ドラム８の内周壁には螺旋スクリユー１０を
配設して構成せしめてある。そして搬出樋４の搬
出側１１と選別ドラム８の供給口１２とは供給樋
１３により接続せしめて、取出し室３内に排出さ
れた穀物が必ず選別ドラム８内に供給されるよう
にしてある。選別室６の底部には、選別ドラム８
より選別除去された「しいな」や「小米」等を乾
燥機本体１外に排出させるための排出樋１４が横
設せられており、これが排出樋１４内には排出コ
ンベヤ１５が回転自在に横架されている。１６
は、選別ドラム８の搬出口１７側に配設された搬
出樋であつて、該搬出樋１６の下部は昇降機２に
接続せしめて、「しいな」や「小米」等を選別除
去した精選乾燥穀物を昇降機２へ供給せしめる。

なお昇降機２の上部は調質槽（図示せず）に接
続せしめてある。１７は、選別ドラム８の目詰り
防止用のスクレパーである。

「考案の効果」 本考案は、上述のとおりに構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。

乾燥機本体内に充填され、しかも乾燥熱風によ
り乾燥され、取出し室内に排出された穀物は循環
乾燥作業中において必らず略密封状とした選別室
内に横架した単数若しくは複数の選別ドラムに供
給されて穀物中に混入された「しいな」や「小
米」等を何回となく選別除去することができるの
で、小容量の簡単な選別機構を乾燥機本体内へ一
体状に収納してその構成を簡単ならしめ能率的な
選別除去作業を容易に達成させることができる許
りか、乾燥作業の省力化及び乾燥時間の短縮化を
図ることができると共に得られた乾燥穀物は精選
穀物であるので、乾燥穀物の測定水分値の精度を
高め、自動乾燥化をより正確ならしめる外、以後
行われる籾摺り能率を向上せしめることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は選別装置を備えた穀物乾燥機の一部切
欠した縦断正面図、第２図は同側断面図である。 １……乾燥機本体、３……取出し室、６……選
別室、８……選別ドラム、１３……供給樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥機本体の下部に配設した取出し室の直下に
   略密封状の選別室を配設し、前記選別室内には単
   数若しくは複数の選別ドラムを回転自在に横架せ
   しめると共に、前記取出し室の底部に横設した搬
   出樋の搬出側を供給樋を介し選別ドラムの供給側
   に接続したことを特徴とする穀物乾燥機における
   選別装置。