JPH0618215Y2 - 穀物乾燥機における配穀装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、搬入樋内に搬入された穀物を搬送スクリュー
翼の掻き出し作用と放擲翼の放擲作用とにより乾燥機本
体の上部カバー位置まで的確に充填収容せしめ、もつて
背丈が低い穀物乾燥機であつても大容量の穀物を収容
し、能率的に乾燥することができる穀物乾燥機における
配穀装置に関する。

従来の技術 従来、内部に回転自在のスクリューコンベアを収蔵軸架
した搬入樋を備えた配穀装置を、乾燥機本体の上部を覆
う上部カバーの略中央位置に横長に配設して、スクリュ
ーコンベアの回転作動で所定量の穀物を乾燥機本体内へ
張込ませたり、或は張込んだ穀物を乾燥機本体内を循環
流動せしめて乾燥を終了せしめるようにした穀物乾燥機
は本出願前例えば実開昭52-163549号公報に記載されて
知られており、その内容を第３図について説明する。す
なわち、乾燥機本体１の頂部を覆う上部カバー８の直下
に周囲を壁板３で囲み、しかも内部に回転自在のスクリ
ューコンベア４を収蔵軸架した搬入樋２を水平に配設す
る。

そして、上記搬入樋２の底壁５には三個の落下口６ａ，
６ｂ及び６ｃを夫々開口して、乾燥機本体１の一側に付
設した昇降機７の上部側を搬入樋２の供給側へ接続した
構成として、昇降機７により揚送された穀物を搬入樋２
内へ搬入し、次いで前記穀物をスクリューコンベア４に
より順次搬送側へ搬送せしめる間に、３個の落下口６
ａ，６ｂ，６ｃより次々と落下せしめて、乾燥機本体１
内へ所定量の穀物を充填せしめたものである。

考案が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種配穀装置における搬入樋は、一
般に底板の中央と手前側及び搬送終端側の３ケ所に設け
た落下口以外はその周囲は総て囲壁により完全に囲まれ
た構成となつているので、穀物の張込みに際して、該穀
物を目一杯乾燥機本体内へ張込ませようとしても、落下
口が張込穀物により閉塞されたら、それ以上穀物を供給
することができず、どうしても上部カバーの内側に未堆
積空間が形成され、上部カバー内側まで穀物を張込ませ
ることができない許りか、供給ケ所が底板に開口された
落下口だけであるため、張込作業を均平状に、しかも能
率的に行うことができず張込時間に相当の時間を要する
は勿論のこと、乾燥機本体及び昇降機の背丈も必要以上
に高くなるという問題が生じた。

問題点を解決するための手段 本考案は前記問題点を解決するものであつて、以下にそ
の内容を実施例に対応する第１図及び第２図を用いて説
明する。

すなわち、乾燥機本体１０１の上部を覆う上部カバー１
０２の略中央直下に、上面が開放１０５され、かつ搬送
終端側の底部を開口１０６した横長の搬入樋１０４を水
平に配設する。そして上部カバー１０２と搬入樋１０４
との間に両側が開放された配穀室１０３を形成する。上
記搬入樋１０４内にはコンベア軸１０７を回転自在に収
蔵軸架する。搬入樋１０４の有底側104aに位置したコン
ベア軸１０７には搬送スクリュー翼１０８を、又無底側
即ち開口部１０６に位置したコンベア軸１０７には放射
状に複数枚の放擲翼109を夫々装着して、搬入樋１０４
内に供給された穀物を、その搬送過程において搬送スク
リュー翼１０８の回転による掻き出し排出作用で搬入樋
１０４の両側より順次均等に乾燥機本体１０１内に充填
せしめると同時に搬送終端側の開口部１０６よりも充填
せしめると共に、前記充填された穀物で搬送終端側の開
口部１０６が閉塞されたら、前記搬送スクリュー翼１０
８の掻き出し排出作用と放擲翼１０９の放擲作用で穀物
を乾燥機本体１０１の上部カバー１０２位置まで正確に
充填できるように構成したものである。

作用 今、適宜の動力によりコンベア軸１０７を回転させれ
ば、搬入スクリュー翼１０８及び放擲翼１０９も同時に
回転される。そこで穀物を搬入樋１０４内へ供給すれ
ば、該穀物は搬送過程において回転する搬送スクリュー
翼１０８の掻き出し排出作用で搬入樋１０４の上面開放
部１０５より乾燥機本体１０１内に落下充填されると共
に掻き出されず、搬送終端側まで搬送された穀物は搬送
終端側に設けられた開口部１０６より乾燥機本体１０１
内へ落下充填される。したがつて、上述のような搬入作
業を継続すれば、穀物は搬入樋１０４の底部まで充填さ
れ、搬送終端側の開口部１０６を充填穀物により閉塞せ
しめる。

そこで、さらに穀物を搬入樋１０４内へ供給すれば、該
穀物は前述作用と同様に搬送スクリュー翼１０８の掻き
出し排出作用で搬入樋１０４の上面開放部１０５より配
穀室１０３内に順次掻き出されて上部カバー１０２位置
まで高く充填されると共に搬送終端側まで搬送された穀
物は回転する複数枚の放擲翼109の放擲作用で略均等量
宛左右方向に向け振り分け放擲される。

したがつて、上部が開放された搬入樋１０４内に供給さ
れた穀物は、回転する搬送スクリュー翼１０８の掻き出
し排出作用及び放擲翼１０９の放擲作用とにより搬入樋
１０４の左右両側の上部カバー１０２位置まで高く充填
され、大容量穀物を正確に充填収容せしめることができ
る。

以上のようにして所定量の穀物が乾燥機本体１０１内に
充填収容されたら搬入樋１０４内への穀物供給を停止し
て搬入作業を終了せしめた後、充填穀物を乾燥機本体１
０１内を循環流動せしめると同時に循環流動中の穀物に
乾燥熱風を浴びせ、所定含水率に乾燥せしめ、乾燥穀物
を適宜乾燥機本体１０１外に搬出させればよい。

実施例 本考案に係る穀物乾燥機における配穀装置の一実施例を
添附図面について説明する。

図面において、１０１は、全体を横長角筒状に形成した
乾燥機本体であつて、該乾燥機本体１０１の頂部は上部
カバー１０２によつて覆われている。上記の上部カバー
１０２の略中央直下位置には配穀室１０３をおいて、上
面を開放１０５し、かつ搬送終端側の底部を開口１０６
した横長の搬入樋１０４を水平に配設されている。前記
搬入樋１０４内にはコンベア軸１０７が回転自在に収蔵
軸架されており、搬入樋１０４の有底側104aに位置した
コンベア軸１０７には、搬送過程にある穀物を搬入樋１
０４の上面開放部１０５より左右略均等量宛掻き出し排
出させることができる搬送スクリュー翼１０８を、又無
底側即ち開口部１０６に位置したコンベア軸１０７に
は、搬送終端側まで搬送されて来た穀物を周囲にしかも
略均等に放擲させる複数枚の放擲翼109が夫々装着され
ている。１１０は乾燥機本体１０１の一側に付設した昇
降機であつて、該昇降機１１０の上部は搬入樋１０４の
供給側と接続されて、昇降機１１０によつて揚送された
穀物を搬入樋１０４へ供給せしめる。

したがつて、本考案装置によれば、搬送スクリュー翼１
０８の回転による掻き出し排出作用と放擲翼１０９の回
転による放擲作用とにより穀物を上部カバー１０２位置
まで高く充填せしめることができ、その結果、背丈の低
い乾燥機本体１０１であつても大容量の穀物を充填収容
せしめて能率的な乾燥作業を容易に達成させることがで
きる。

考案の効果 要するに本考案は、前記のような具体的構成を具備した
から、搬入樋１０４内に搬入された穀物を、その搬送過
程において有底側に位置したコンベア軸１０７に装着さ
れた搬送スクリュー翼１０８の掻き出し排出作用により
搬入樋１０４の上面開放部１０５両側より略均等量宛排
出充填せしめると同時に搬入樋１０４の搬送終端側まで
搬送された穀物は底部の開口部１０６より落下充填せし
めることができる許りか、前記作用により底部の開口部
１０６が充填穀物により閉塞された以降は、搬送スクリ
ュー翼１０８の掻き出し排出作用と複数枚の放擲翼109
による周囲への放擲作用とにより搬入樋１０４内に搬入
された穀物を配穀室１０３を介し上部カバー１０２位置
の高い場所まで充填せしめることができ、その結果、背
丈の低い乾燥機本体１０１であつても大容量の穀物を収
容して能率的な穀物乾燥作業を容易に達成させることが
できると共に搬入樋１０４の設置位置を極力低くして昇
降機１１０の背丈を低位ならしめることができる効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物乾燥機における配穀装置の一実
施例を示すものであつて、第１図は一部を切欠した縦断
正面図、第２図は同側断面図、第３図は従来の配穀装置
を備えた穀物乾燥機の要部破断側面図である。 １０１……乾燥機本体、１０２……上部カバー、１０３
……配穀室、１０４……搬入樋、104a……有底側、１０
５……上面開放部、１０６……搬送終端側の底部に設け
た開口部、１０７……コンベア軸、１０８……搬送スク
リュー翼、１０９……放擲翼

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】乾燥機本体の上部を覆う上部カバーの略中
   央直下に、上面が開放され、かつ搬送終端側の底部を開
   口した横長の搬入樋を水平に配設して、上部カバーと搬
   入樋との間に両側が開放された配穀室を形成し、上記搬
   入樋内にはコンベア軸を回転自在に収蔵軸架すると共に
   有底側に位置したコンベア軸には搬送スクリュー翼を、
   又無底側に位置したコンベア軸には放射状に複数枚の放
   擲翼を夫々装着したことを特徴とする穀物乾燥機におけ
   る配穀装置。