JPH0534862U - スピニングリール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オシレーティング機構の螺軸を簡単に組付け
得ると共に、容易に分解もできるスピニングリールを構
成する。 【構成】 リール本体２の後部に開放部２Ｃを形成する
と共に、リール本体２の内部に、この開放部２Ｃの後方
側からの螺軸１１の挿入によって、この螺軸１１を支持
する支承部２Ａを形成し、開放部２Ｃを開閉自在に閉塞
する閉塞材１６に螺軸１１の後端部を支持する軸受け部
１６Ａを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リール本体の前部に、ハンドルからの動力によって駆動されるロー タを配置し、リール本体の内部に、ハンドルからの動力を往復駆動力に変換して スプール軸に伝えるオシレーティング機構を配置すると共に、このオシレーティ ング機構をハンドルからの動力によって駆動される螺軸、この螺軸の螺旋溝に係 入するコマ部材、及び、このコマ部材を支持する摺動子夫々で構成して成るスピ ニングリールに関し、詳しくは、螺軸を配置する技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のように構成されたスピニングリールとしては、実開平１−１６８ １６８号公報に示されるものが存在し、この従来例では、螺軸の前端の入力ギヤ と、螺旋溝形成部との間の位置、及び、螺軸の後端位置夫々をリール本体に支承 するよう構成され、このリールでは組立時にリール本体の側部の蓋を解放した状 態で、この解放部から螺軸をリール本体内に挿入している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、前述した従来例について考えるに、この従来例では、リール本体に対 して螺軸を直接支持することから、螺軸を強固に支持できる反面、この螺軸の支 持部をリールの側部の解放側から行えるよう構成する必要があり、又、この従来 例のように螺軸の後端部をリール本体の凹部に係入する構造では、この螺軸の挿 入の後、この螺軸をリール本体の内部で前後方向に向けて移動を行う等、位置決 めのための操作を必要とし、手間の掛かりやすいものとなる。

【０００４】 又、オシレーティング機構の螺軸は、スプール軸を介して比較的大きい力が外 部から作用するため、螺軸の螺旋溝に係入するコマ部材等の部位の点検、グリス の充填、修理等の目的とした分解を行うことも多く、簡単に分解できる構造も望 まれている。 本考案の目的は、オシレーティング機構の螺軸を簡単に組付け得ると共に、容 易に分解もできるスピニングリールを合理的に構成する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は、冒頭に記したようにハンドルからの動力を往復駆動力に変換 してスプール軸に伝えるオシレーティング機構を、ハンドルからの動力によって 駆動される螺軸、螺軸の螺旋溝に係入するコマ部材、コマ部材を支持する摺動子 夫々で構成して成るスピニングリールにおいて、 リール本体の内部に、リール本体の後方からの螺軸の挿入によって、この螺軸 を支持する支承部を形成し、リール本体の後部に螺軸の挿入を許す開放部を形成 し、この開放部を開閉自在に閉塞する閉塞材に前記螺軸の後端部を支持する軸受 け部を形成して成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。

【０００６】

【作用】

上記特徴を例えば図１乃至図３に示すように構成すると、リールの組立時には リール本体２の後部の開放部２Ｃから螺軸１１を挿入して、この螺軸１１の先端 部を支承部２Ａに支持した後、この開放部２Ｃを閉塞材１６で閉塞することによ り、螺軸１１の後端部が軸受け部１６Ａに支承されることになり、又、このオシ レティング機構を分解する場合には、閉塞材１６を取り外すだけで螺軸１１が後 方に抜き出せることになる。

【０００７】 つまり、この考案では、リール本体２の後部に開放部２Ｃを形成し、この開放 部２Ｃを閉塞する閉塞材１６に軸受け部１６Ａを形成することにより、従来、リ ール本体２の側部の開放部から行っていた螺軸１１の組付け、螺軸１１の抜き出 し操作をリール本体２の後部から、螺軸１１をコジル等の状況に陥ること無く、 行えるようになると共に、例えば、軸受け用のブッシュ等の取付け等、螺軸１１ を支持するための操作を行わずとも、螺軸１１の支持も可能になるのである。

【０００８】

【考案の効果】 従って、オシレーティング機構の螺軸を簡単に組付け得ると共に、容易に分解 もできるスピニングリールが合理的に構成されたのである。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図４に示すように、ハンドル１を備えたリール本体２の前部にベール３を有し たロータ４、及び、スプール５夫々を配置すると共に、ハンドル軸６によって駆 動される駆動ギヤ７からの動力をピニオンギヤ８、筒軸９夫々を介してロータ４ に伝える伝動系、及び、ピニオンギヤ８からの動力を入力ギヤ１０、螺軸１１、 摺動子１２夫々で成るオシレーティング機構によって往復運動に変換してスプー ル軸１３に伝える伝動系を備えてスピニングリールを構成する。

【００１０】 図２及び図４に示すように、前記摺動子１２には螺軸１１に形成した螺旋溝１ １Ａに係入するコマ部材１４を内装すると共に、上下に配置された一対のガイド 軸１５，１５によって、スプール軸１３に沿って平行移動を行うよう支持され、 更に、このリールではオシレーティング機構を簡単に組み立て、及び、分解でき るよう、以下のように構成されている。

【００１１】 つまり、このリールでは、図１乃至図４に示すように、リール本体２の内部に 、リール本体２の後方からの螺軸１１の挿入によって、この螺軸１１を支持する 支承部２Ａ（ボールベアリングで形成されている）、及び、前記ガイド軸１５， １５を係合支持する支持部２Ｂ，２Ｂを形成し、リール本体２の後部に螺軸１１ の挿入を許す開放部２Ｃを形成し、この開放部２Ｃの閉塞を行う閉塞材１６を、 この開放部２Ｃに嵌まり込む状態で、かつ、着脱可能に形成してある。

【００１２】 この閉塞材２Ｃには螺軸１１の後端部を支承する軸受け部１６Ａ（ボールベア リングで形成されている）、及び、一対のガイド軸１５，１５の後端部を係合支 持する凹部状の支持部１６Ｂ，１６Ｂとを形成してある。

【００１３】 従って、このリールのオシレーティング機構を組み立てる際には、リール本体 ２の後部の開放部２Ｃから螺軸１１、ガイド軸１５，１５夫々を挿入すると共に 、この開放部２Ｃに閉塞材１６を嵌め込むことにより、螺軸１１、ガイド軸１５ ，１５夫々の支持が行えるものとなり、この状態でリール本体２の側部に配置さ れる蓋１７を固定するビス１８により、この閉塞材１６も固定されるものとなっ ている。 尚、このオシレーティング機構を分解する場合には逆の操作を行うことになる 。

【００１４】 又、このリールでは、前記筒軸９と一体的にロータ４の逆転を阻止するラチェ ットホイール１９を形成すると共に、筒軸９の外径を前記ピニオンギヤ８の外径 より少し大径に形成し、ピニオンギヤ８前部位置に環状溝を形成することにより 、この筒軸９をリール本体２に組付ける際には、この筒軸９をリール本体２の前 方側からベアリング２０と共に挿入し、環状溝に抜け止め材２１を係合すること によって、リール本体２の内部から筒軸９の挿入操作を行わないで済むように構 成されている。

【００１５】 因みに、このリールでは図５に示すように、スプール５に形成された糸止め２ ２固定用の軸体２３をクリック音発生用のピン２４の支軸に兼用してあり、この ピン２４はスプール軸１３に外嵌固定されたギヤ状のスプール受け材２５のとの 係脱によりスプール５の回転時にクリック音を発生させるものであり、又、図６ に示すように、前記ハンドル１のグリップＧは軸部材２６と一体形成した芯材２ ６Ａを柔軟材２７，２７で挟み込む構造になっている。

【００１６】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、開放部の形状を円形等の孔状に形成して 良く、又、この開放部を閉塞する閉塞材を独立したビス等で固定するよう実施す ることも可能である。

【００１７】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】螺軸組付け操作の状態を表す側面図

【図２】リール本体中央部の縦断背面図

【図３】閉塞材を分離した状態の背面図

【図４】リールの一部切欠き側面図

【図５】スプールの縦断背面図

【図６】ハンドルのグリップの縦断面図

【符号の説明】

１ ハンドル ２ リール本体 ２Ａ 支承部 ２Ｃ 開放部 ４ ロータ １１ 螺軸 １１Ａ 螺旋溝 １２ 摺動子 １３ スプール軸 １４ コマ部材 １６ 閉塞材 １６Ａ 軸受け部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール本体（２）の前部に、ハンドル
   （１）からの動力によって駆動されるロータ（４）を配
   置し、リール本体（２）の内部に、ハンドル（１）から
   の動力を往復駆動力に変換してスプール軸（１３）に伝
   えるオシレーティング機構を配置すると共に、このオシ
   レーティング機構をハンドル（１）からの動力によって
   駆動される螺軸（１１）、この螺軸（１１）の螺旋溝
   （１１Ａ）に係入するコマ部材（１４）、及び、このコ
   マ部材（１４）を支持する摺動子（１２）夫々で構成し
   て成るスピニングリールであって、 リール本体（２）の内部に、リール本体（２）の後方か
   らの螺軸（１１）の挿入によって、この螺軸（１１）を
   支持する支承部（２Ａ）を形成し、リール本体（２）の
   後部に螺軸（１１）の挿入を許す開放部（２Ｃ）を形成
   し、この開放部（２Ｃ）を開閉自在に閉塞する閉塞材
   （１６）に前記螺軸（１１）の後端部を支持する軸受け
   部（１６Ａ）を形成して成るスピニングリール。