JPH0534382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案に係る排気管継手部のシール用ガスケ
ツトは、自動車用エンジンから排出される排気を
導く為の排気管同士、或は排気管と消音器や排気
浄化器等の機器とを気密に接続する為、接続部を
構成する１対のフランジ同士の間に挟持するもの
である。

（従来の技術） 自動車用エンジンから排出される排気は、排気
管の途中に排気浄化器や消音器を装着した排気系
を通じて大気中に放散される。

この様な排気系を構成する排気管同士、或は排
気管と消音器や排気浄化器等の機器とを気密に接
続する為、第４図に示す様な継手部の構造が広く
採用されている。

即ち、互いに接続すべき２本の排気管１，１の
端部にそれぞれ溶接固定されたフランジ２，２の
間にガスケツト３を挟持し、両フランジ２，２と
ガスケツト３との互いに整合する位置に形成した
小孔４，５に挿通したボルトとナツトとを螺合
し、更に緊締する事で、上記ガスケツト３を両フ
ランジ２，２の間で強く挟持し、フランジ２，２
を組み込んだ継手部のシールを図つている。

又、この様な継手部に組み込むガスケツト３
は、金網、或はフツク付鉄板等の平板状の芯材６
の表裏両面に、黒鉛や石綿を主成分としたシール
材７のシートやコンパウンドを貼着又は擦り込
み、上記芯材６の表裏両面にシール材７の層を形
成すると共に、中央部に排気管１，１の端部開口
に整合自在な通孔８を形成する事で構成されてい
る。

ガスケツト３中央の通孔８の内周縁部には、必
要に応じ第５図に示す様に、閉鎖環状の金属薄板
を折り返して成るグロメツト９を装着する事で、
ガスケツト３をフランジ２，２の間で強く挟持し
た場合に、ガスケツト３を構成するシール材７
が、上記通孔８の内側に逃げない様にすると共
に、通孔８周縁部の押圧力が大きくなる様にし
て、継手部の気密保持が確実に行なわれる様にし
ている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上述の様な従来のガスケツトの場
合、次に述べる様な不都合を生じる。

即ち、継手部を構成する１対のフランジ２，２
の、ガスケツト３と対向する面は、完全に平坦で
はなく、フランジ２を排気管１に溶接する際の熱
に基づく歪み等により、凹凸が形成される事が避
けられない。

この様にガスケツト３を挟持するフランジ２，
２の表面に凹凸が存在した場合、上記ガスケツト
３を押圧する力に部分的に差が生じ、ガスケツト
３の押圧力が小さくなる、フランジ２の表面が凹
んだ部分のシール性が悪化する事が避けられな
い。

この様な点に鑑み、実開昭61−32861号公報に
は、第６図に示す様なグロメツト９を有するメタ
ルガスケツトが示されている。

この実開昭61−32861号公報に示されたメタル
ガスケツトは、複数枚の金属薄板１０，１０を積
層して成るもので、各金属薄板１０，１０の互い
に整合する位置に形成した通孔８，８の内周縁に
装着したグロメツト９の外周縁部分を浮かせて、
グロメツト９にスプリング作用を持たせ、このグ
ロメツト９が、上記フランジ２の表面の凹凸に拘
らず、フランジ２の表面に密に接触する様にして
いる。

しかしながら、この様な構造では、グロメツト
９のスプリング作用が弱く、フランジ２の表面が
凹となつている部分では十分な当接圧を得る事が
出来ず、必ずしも十分なシール性能を発揮出来な
い。

又、実開昭56−139058号公報には、第７〜８図
に示す様な断面円弧状のグロメツト９を、直接
（第７図の例）、又はゴム等のシール部材１１を介
して（第８図の例）、金属板１２に形成した通孔
８の内周縁に装着したガスケツトが開示されてい
る。

しかしながら、この実開昭56−139058号公報に
開示されたガツケツトは、金属板１２を主体に構
成されている為、フランジ２，２同士の間で強く
挟持した場合に於いて、グロメツト９の装着部の
厚さが、このグロメツト９よりも外側によつた部
分に比べて極端に大きくなり、通孔８内外の気密
保持を、このグロメツト９装着部に於いてのみ行
なう事になる。この為、グロメツト９の外周面と
フランジ２，２の表面とが、その全周に亘つて密
に当接したとしても、上記通孔８内外の気密保持
が必ずしも十分に行なわれなくなる。

本考案の排気管継手部のシール用ガスケツト
は、上述の様な不都合を解消するものである。

ｂ 考案の構成 （問題を解決するための手段） 本考案の排気管継手部のシール用ガスケツト
は、第１図に示す様なシート１３を主体として構
成されている。そしてこのシート１３は、金網、
或はフツク付鉄板等の平板状の芯材６の表裏両面
に、アスベスト、或は黒鉛を主成分とするシール
材７の層を、シートやコンパウンドを貼着又は擦
り込む事で形成している。

上記シート１３の中央には排気を流通させる通
孔８を、このシート１３の端部にはボルトを挿通
する複数の小孔４，４を、それぞれ穿設してい
る。この内、上記通孔８の内周縁には、閉鎖環状
の金属薄板を折り返す事でグロメツト９を装着し
ている。

更に、本考案の排気管継手部のシール用ガスケ
ツト３に於いては、上記グロメツト９の両端縁を
シート１３の表裏面を構成するシール材７に当接
させると共に、この表裏面に対向して、使用時に
フランジ２，２（第４図）と当接するグロメツト
９の受圧面部１４，１４を、断面円弧形に形成し
ている。

断面円弧形に形成するのは、第１図に示す様に
両方の受圧面部１４，１４としても良いが、第２
図に示す様に、少なくとも一方の受圧面部１４を
断面円弧形に形成すれば良い。

この様に断面円弧形に形成された受圧面部１
４，１４の内周面と、シート１３の表裏面を構成
するシール材７との間には、それぞれ隙間１５，
１５を形成して、ガスケツト３を互いに対向する
フランジ２，２の間で挟持した場合に、各隙間１
５，１５が、フランジ２，２による押圧力に応じ
て押し潰される様にしている。

尚、上述の様に構成される、断面円弧形の受圧
面部１４を有するグロメツト９をシート１３の通
孔８の内周縁部に装着する作業は、第３図に示す
様に、湾曲凹面１６を有するプレス型１７によつ
てグロメツト９を構成する金具１８を押し広げる
事で、容易に、しかも一挙動で行なう事が出来
る。

（作用） 上述の様に構成される本考案の排気管継手部の
シール用ガスケツトは、従来のガスケツトの場合
と同様第４図に示す様に、接続すべき排気管１，
１の端部に溶接固定したフランジ２，２の間に挟
持し、ボルトとナツトとの螺合、緊締によつて互
いに近付けられる上記フランジ２，２の間で強く
抑え付ける。

フランジ２，２の間で本考案のガスケツト３を
強く抑え付けた場合、通孔８内周縁に装着された
グロメツト９の受圧面部１４，１４の内周面と、
シート１３の表裏面との間に存在する隙間１５，
１５は、フランジ２，２の表面の凹凸に基づく押
圧力の差に応じて押し潰されるが、上記受圧面部
１４，１４の外周側端縁は、それぞれシート１３
の表裏面に当接している為、上記隙間１５，１５
が押し潰される際には、上記端縁がシート１３の
表裏面に食い込む。

この為、内側に隙間１５，１５が存在する状態
に於いても、グロメツト９の受圧面部１４がフラ
ンジ２を押す反発力は十分に大きなものとなり、
グロメツト９装着部に於けるシール性が十分に得
られる。

又、通孔８の内周縁部に装着され、この周縁部
のシール性向上を図るグロメツト９は、フランジ
２，２間での押圧に伴なつて、ガスケツト３の主
体を成すシート１３の表裏面に、押圧力に応じた
深さだけ食い込む為、上記グロメツト９よりも外
側位置で露出する上記シート１３の表裏面が、フ
ランジ２，２の押圧面と密接する様になる。

この為、互いに対向するフランジ２，２間のシ
ールは、グロメツト９装着部だけでなく、このグ
ロメツト９の外側に露出するシート１３の表裏面
によつても図られ、フランジ２，２間のシール性
が極めて良くなる。

ｃ 考案の効果 本考案の排気管継手部のシール用ガスケツト
は、以上に述べた通り構成され作用する為、表面
に凹凸を有するフランジ間の気密保持を確実に行
なう事が可能となり、排気系からの排気の漏洩を
有効に防止出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガスケツトの第一実施例を示
す断面図、第２図は同第二実施例を示す部分断面
図、第３図はグロメツトを装着する際の状態を示
す部分断面図、第４図は従来のガスケツトを組み
込んだ排気管継手部の１例を示す断面図、第５図
はグロメツトを装着した従来のガスケツトの１例
を示す部分断面図、第６〜８図は、従来のガスケ
ツトの別の３例を示す、それぞれ部分断面図であ
る。 １……排気管、２……フランジ、３……ガスケ
ツト、４，５……小孔、６……芯材、７……シー
ル材、８……通孔、９……グロメツト、１０……
金属薄板、１１……シール部材、１２……金属
板、１３……シート、１４……受圧面部、１５…
…隙間、１６……湾曲凹面、１７……プレス型、
１８……金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板状芯材の表裏両面にシール材の層を形成し
   て成るシートの中央に排気を流通させる通孔を、
   このシートの端部にボルトを挿通する複数の小孔
   を、それぞれ穿設すると共に、上記通孔の内周縁
   に、閉鎖環状の金属薄板を折り返す事でグロメツ
   トを装着して成り、使用時に相対向する１対のフ
   ランジの間で挟持する排気管継手部のシール用ガ
   スケツトに於いて、上記グロメツトの両端縁をシ
   ートの表裏面を構成するシート材に当接させると
   共に、この表裏面に対向して使用時にフランジと
   当接するグロメツトの受圧面部の内少なくとも一
   方の受圧面部を断面円弧形に形成する事で、この
   受圧面部の内周面とシートの表裏面を構成するシ
   ール材との間に隙間を形成した事を特徴とする、
   排気管継手部のシール用ガスケツト。