JPH0310338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、エンジンの排気管と排気管又はエン
ジン本体の排気ポートと排気管とを接続する排気
管の接続構造、より詳細にはこれに用いる排気管
用ガスケツトの構造に関するものである。

［従来技術］ 一般に、第２図に示すようなエンジンの排気系
において、排気管１，１相互の接続部３や排気管
１とエンジン本体２との接続部４には、排気ガス
をシールするためのガスケツトを介在させてい
る。

この種の排気管用ガスケツトとしては、排気管
内を流通する高温の排気ガスをシールする必要
上、十分な耐熱シール性が要求されることから、
一般には、メタルガスケツトが使用されている。

しかしながら、メタルガスケツトは、耐熱性に
優れているものの弾力性、なじみ性に欠けるた
め、シール性において劣る。

かかる問題を解消するため、実開昭50−83415
号公報には、第３図に示すように、プレス成形し
た金属板よりなるフランジ５，５間と排気管１，
１の接続部１ａ，１ａとによつて画成される空隙
部６に石綿等のシール部材７を介在させたガスケ
ツト構造が提案されている。かかるガスケツト構
造は、単に、メタルガスケツトを間にして一対の
フランジを互いに締結する構造に比べて確かにシ
ール性が向上するが、シール部材７には直接的に
排気ガスの高熱が作用し、次第に熱劣化し、シー
ル性が低下してしまう。

［考案の目的］ 本考案の目的は、メタルガスケツトと同様の耐
熱性を有し、しかもシール性、耐久性に優れた排
気管用ガスケツトを用いたエンジンの排気管接続
構造を提供することである。

［考案の構成］ このため、本考案は、エンジンの排気管と排気
管又は排気管とエンジン本体の排気ポートとをガ
スケツトを間にして一対の接続フランジをボルト
により締結することにより接続するようにしたエ
ンジンの排気管接続構造において、上記一対の接
続フランジの各対向面の内周部にリング状の凹部
を形成する一方、上記ガスケツトは、両者を合わ
せたときに上記接続フランジのリング状凹部に嵌
合する閉断面を形成する閉断面形成部と上記接続
フランジの対向面に沿つた平板状の重合部とを有
する一対の金属板と、一対の金属板の閉断面形成
部によつて形成される閉断面内に充填される熱膨
張材とからなり、上記閉断面の内周面を排気通路
に臨ませた状態で、一対の金属板の重合部を一対
の接続フランジ間に挾持するようにしたことを特
徴とするエンジンの排気管接続構造を提供するも
のである。

［考案の効果］ 本考案によれば、閉断面内部の熱膨張材が排気
ガスの熱によつて膨張し金属板部材は熱膨張によ
る内圧で接続フランジの凹部に面的に圧接した状
態に保持されるため、常に良好なシール性が確保
され、また熱膨張材は金属板で保護されているの
で熱的な劣化が防止され、耐久性も向上する。

また、一方の接続フランジの凹部にガスケツト
を組付けた状態で、他方の接続フランジを合わせ
て両接続フランジをボルト締結すればよいので、
ガスケツトの組付性が良く、平板状の重合部を両
側から締付けるので締結ボルトのゆるみも生じに
くいといつた効果が得られる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を具体的に説明する。

第１図に示すように、相互に接続すべき排気管
１１，１２の端部には、接続用の肉厚のフランジ
１３，１４が溶接等により厚みの約半分が端面よ
り突出した状態で固定されており、ボルト・ナツ
ト１５，１６により一対のフランジ１３，１４の
外周部が相互に締結された状態で、一対のフラン
ジ１３，１４間には、本考案にかかるガスケツト
１７が挾持されている。

このガスケツト１７は円板状の金属板材１８，
１９をプレス加工したうえで組合わせてなる金属
板部材２０と、この金属板部材２０の内周部に形
成された矩形閉断面部２１内に充填された熱膨張
材２２とからなる。熱膨張材２２しては、セラミ
ツク短繊維と、ひる石、マイカ等の大きい熱膨張
率を有する物質とを混合したものを用いることが
できる。

上記一対のフランジ１３，１４の各対向面の内
周部には、予めリング状の凹部１３ａ，１４ａが
形成されており、上記ガスケツト１７の矩形閉断
面部２１は、２つの凹部１３ａ，１４ａによつて
形成される凹部に隙間なしに嵌合しうるようにな
つている。そして、上記ガスケツト１７は、一対
のフランジ１３，１４間に挾持された状態で、上
記矩形閉断面部２１の内周面が排気管１１，１２
の管端間に位置するようになり、排気管１１，１
２内を流通する高温の排気ガスの高熱が直接的に
作用し、この熱によつて熱膨張材２２が熱膨張す
る。この熱膨張材２２の熱膨張は、金属板部材２
０の矩形閉断面部２１の内圧を高めるように作用
して、この矩形閉断面部２１が嵌合されている一
対のフランジ１３，１４のリング状凹部１３ａ，
１４ａとの接触圧を高め、良好なシール性が確保
される。

また、金属板部材２０の外周部は、一対の金属
板材１８，１９の円板状部１８ａ，１９ａを互い
に密着させた重合部２３として形成され、この重
合部２３は、一対のフランジ１３，１４間にボル
ト・ナツト１５，１６によつて挾持されている。

上記のガスケツト構造の利点は、第１に矩形閉
断面部２１が内部の熱膨張材２２の熱膨張によつ
て膨張した状態に保持される結果、シール性が良
好に維持されることである。

そして、第２には、熱膨張材２２そのものは、
金属板で完全に包囲されているため、排気ガスに
直接にさらされることがなく、熱膨張材２２の熱
的なへたりが防止されることである。

さらに、第３には、フランジ１３，１４間の締
結状態を考えると、ガスケツト１７の内周部の膨
張に伴なつて発生する応力は、ガスケツト１７の
外周部の重合部２３を密着させる方向に作用する
ため、ボルト・ナツト１５，１６による締結力が
弱められることはなく、締結状態は良好に維持さ
れることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるガスケツトを用いた排
気管の接続構造を示す断面図、第２図はエンジン
の排気系の一部を示す要部正面図、第３図は従来
の排気管の接続構造を示す断面図である。 １１，１２……排気管、１３，１４……フラン
ジ、１５，１６……ボルト・ナツト、１７……ガ
スケツト、２０……金属板部材、２１……矩形閉
断面部、２２……熱膨張材、２３……重合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンの排気管と排気管又は排気管とエンジ
   ン本体の排気ポートとをガスケツトを間にして一
   対の接続フランジをボルトにより締結することに
   より接続するようにしたエンジンの排気管接続構
   造において、 上記一対の接続フランジの各対向面の内周部に
   リング状の凹部を形成する一方、 上記ガスケツトは、両者を合わせたときに上記
   接続フランジのリング状凹部に嵌合する閉断面を
   形成する閉断面形成部と上記接続フランジの対向
   面に沿つた平板状の重合部とを有する一対の金属
   板と、一対の金属板の閉断面形成部によつて形成
   される閉断面内に充填される熱膨張材とからな
   り、 上記閉断面の内周面を排気通路に臨ませた状態
   で、一対の金属板の重合部を一対の接続フランジ
   間に挾持するようにしたことを特徴とするエンジ
   ンの排気管接続構造。