JPH05341528A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JPH05341528A
JPH05341528A JP15252292A JP15252292A JPH05341528A JP H05341528 A JPH05341528 A JP H05341528A JP 15252292 A JP15252292 A JP 15252292A JP 15252292 A JP15252292 A JP 15252292A JP H05341528 A JPH05341528 A JP H05341528A
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JP
Japan
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group
photosensitive
resin composition
photosensitive resin
chemical
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Pending
Application number
JP15252292A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nishizawa
広 西沢
Makoto Kaji
誠 鍛治
Hideo Hagiwara
秀雄 萩原
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Yasunori Kojima
康則 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温硬化性に優れるとともに良好な膜強度、
耐熱性、接着性、厚膜形成性及び像形成性を合わせ持っ
た感光性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)一般式(I)で表される繰り返し単位
を有するポリアミド酸と分子内に少なくとも一つの光に
よって重合又は二量化する基 【化1】 (式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基であ
る)を有するフラン誘導体及びピラン誘導体のうち少な
くとも一つを反応させて得られる感光性付加物、(B)
必要に応じて用いる光開始剤及び(C)有機溶媒を含有
してなる感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な感光性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体工業にあっては、従来より
無機材料を用いて行われていた層間絶縁材料として、主
にポリイミド樹脂等のように耐熱性に優れた有機物が、
その特性を生かして使用されてきている。ところで、半
導体集積回路やプリント基板上の回路のパターン形成
は、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露
光、エッチング等により不要箇所の除去、基材表面の清
浄作業等の煩雑で多岐に亘る工程を経てパターン形成が
行われることから、露光、現像によってパターン形成後
も必要な部分のレジスト材料を、絶縁材料としてそのま
ま残して用いることができる耐熱性感光材料の開発が望
まれている。
【0003】これらの材料として、例えば、感光性ポリ
イミド、環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐
熱感光材料が提案されており、特に、感光性ポリイミド
は、その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易
であることなどの点から特に注目されている。
【0004】このような感光性ポリイミドとして、例え
ば、特公昭55−30207号公報によりポリイミド前
駆体に感光基をエステル結合で導入した感光性ポリイミ
ド前駆体(ポリアミド酸エステル)が提案されている
が、この材料は、感光性ポリイミド前駆体の合成に際し
て、酸クロライド基を利用するため、最終的に得られる
感光性樹脂組成物が塩化物で汚染され易い問題がある。
また、ポリアミド酸エステルは加熱硬化によって目標と
するポリイミドを得るのに高温を必要とするため、高温
に加熱することのできない素子を使わざるをえない用途
には使えない問題がある。
【0005】また、他の例として、特開昭57−168
942号公報によりポリアミド酸と光活性な官能基を有
するアミン及び感光剤としてアジド化合物との混合物を
主成分とする感光性樹脂組成物が提案されている。しか
しながら、この感光性樹脂組成物は、厚膜が形成できな
い問題がある。
【0006】一方、特開昭54−95697号公報によ
りポリアミド酸と光活性な官能基を有する重合性不飽和
化合物との混合物を主成分とする感光性樹脂組成物が提
案されている。しかしながら、この感光性樹脂組成物は
ポリアミド酸に感光基が直接結合した感光基含有ポリア
ミド酸を用いた感光性樹脂組成物に比べて解像性に劣る
問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、特に
低温硬化性に優れるとともに、膜強度、耐熱性、接着
性、厚膜形成性及び像形成性を合わせ持った感光性樹脂
組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)一般式
(I)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸と
分子内に少なくとも一つの光によって重合又は二量化す
る基
【化2】 (式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基であ
る)を有するフラン誘導体及びピラン誘導体のうち少な
くとも一つを反応させて得られる感光性付加物、(B)
必要に応じて用いる光開始剤及び(C)有機溶媒を含有
してなる感光性樹脂組成物に関する。
【0009】本発明における、一般式(I)で表される
繰り返し単位を有するポリアミド酸は、通常、常法によ
りテトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機溶媒中で
反応させて得られる。
【0010】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水
物、m−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカ
ルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3″,4,
4″−テトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジ
フタル酸無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3
−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス〔4,(2,3−又は3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
〔4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパン二無水物、下記一般式(II)
【化3】 (R3及びR4はそれぞれ独立して一価の炭化水素基を示
し、nは0又は1以上の整数である)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水
物、それらの芳香族テトラカルボン酸二無水物の水添加
物、下記化合物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物な
どが挙げられる。
【化4】 これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用することができるが、より好
ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物が用いられ
る。
【0011】上記した一般式(I)のR1のうち、50
モル%未満が
【化5】 〔一般式(II)で表される芳香族テトラカルボン酸二
無水物(R3及びR4はメチル基で、n=1)の残基〕で
あることが光透過性、溶解性、接着性等の点から好まし
い。もちろん、これらのテトラカルボン酸二無水物のベ
ンゼン環がアルキル基等の置換基で置換されていてもよ
い。また、これらのテトラカルボン酸二無水物のほか
に、耐熱性および機械特性を低下させぬ程度に脂肪族テ
トラカルボン酸二無水物を用いてもよい。
【0012】上記ジアミンとしては例えば、p−フェニ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレ
ンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,5−ジアミ
ノナフタレン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,
3′−ジメトキシベンジジン、4,4′−(又は3,
4′−3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′−、3,
3′−、2,4′−)ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′
−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,
4′−(又は3,4′−3,3′−、2,4′−2,
2′−)ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′ベン
ゾフェノンジアミン、4,4′−ジ(4−アミノフェノ
キシ)フェニルスルホン、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テト
ラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジ(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、4,4′−ビス(4
−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4
−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル等の芳
香族ジアミン、上記した芳香族ジアミンの水添加物であ
る脂環式ジアミン、下記一般式(III)で表されるジ
アミンなどが挙げられる。
【化6】 (ここで、R5は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
6、R7、R8及びR9は炭素数1〜10の1価の炭化水
素基であり、これらは同一であっても相違してもよく、
mは1〜10の整数である)これらのジアミンは、単独
で又は2種以上を組み合わせて使用することができる
が、耐熱性を考慮すると芳香族ジアミンを用いることが
好ましい。
【0013】また、上記したジアミンの他に一般式(I
V)で表されるジアミノアミド化合物も用いることがで
きる。
【化7】 (Arは芳香族基、YはSO2又はCOを示し、1個の
アミノ基とY−NH2とは互いにオルト位に位置する)
【0014】一般式(IV)で表される化合物として
は、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−
3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジ
アミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン−3−スルホンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−4−スルホ
ンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−3′
−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルメタ
ン−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン−4−スルホンアミド、3,4′−
ジアミノジフェニルスルホン−3′−スルホンアミド、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン−4−スルホン
アミド、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−
3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサ
ルファイド−4−スルホンアミド、3,3′−ジアミノ
ジフェニルサルファイド−4−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3′−スルホ
ンアミド、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホンア
ミド、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−カ
ルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノ
ジフェニルエーテル−4−カルボンアミド、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン−3−カルボンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−カル
ボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4
−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン−3′−カルボンアミド、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン−4−カルボンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルフ
ァイド−4−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフ
ェニルサルファイド−4−カルボンアミッド、3,4′
−ジアミノジフェニルサルファイド−3′−スルホンア
ミド、1,4−ジアミノベンゼン−2−カルボンアミド
等が挙げられる。
【0015】また、一般式(V)で表されるジアミノジ
アミド化合物も用いることができる。
【化8】 (Arは芳香族基、YはSO2又はCOを示し、1個の
アミノ基と1個のY−NH2基が対として互いにオルト
位に位置する)
【0016】この化合物としては、例えば、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル−3,3′−スルホンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4,5′
−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエー
テル−4−4′−スルホンアミド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン−3,3′−カルボンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−4,5′−スルホン
アミド等が挙げられる。これらのアミン化合物は、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。一般式(IV)で表わされる化合物又は一般式
(V)で表わされる化合物を用いることにより一層の耐
熱性の向上が図れる。耐熱性、機械的性質及びコストを
考慮すると、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを
用いることが好ましい。なお、一般式(IV)で表され
るジアミノアミド化合物および一般式(V)で表される
ジアミノアミド化合物を使用した場合には、ポリアミド
酸は一般式(I)で表される繰り返し単位と異なる繰り
返し単位を含むことができる。
【0017】上記のテトラカルボン酸二無水物と上記の
ジアミンとの反応は、通常不活性な有機溶媒中で0〜1
00℃、好ましくは5〜70℃の温度で行われ、ポリア
ミド酸の有機溶媒液として得ることができる。これらの
テトラカルボン酸二無水物とジアミンは、前者/後者が
0.8/1〜1.2/1(モル比)の割合で使用するの
が好ましく、等モルで使用するのがより好ましい。
【0018】また、上記反応に用いる有機溶媒として
は、生成するポリアミド酸を完全に溶解する極性溶媒が
一般的に好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクト
ン等が挙げられる。その他、この極性溶媒以外に、ケト
ン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン
化炭化水素類、炭化水素類、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸
ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメ
タン、1,2−ジクロルエタン、1,4−ジクロルブタ
ン、トリクロルエタン、クロルベンゼン、o−ジクロル
ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等も使用することができる。上記し
た方法でポリアミド酸を得る際に必要に応じて形成させ
ることができるイミド結合
【化9】 をアミド酸結合に対して50モル%以下で含ませること
ができる。50モル%を越えると現像液に対する溶解性
が低下し、現像時間が長くなる。イミド基濃度を適宜に
調節することにより、現像時間を任意に制御できる。3
0モル%以下が特に好ましい。
【0019】本発明における感光性付加物は上記したポ
リアミド酸と分子内に少なくとも一つの光によって重合
又は二量化する基を有するフラン誘導体及びピラン誘導
体のうち少なくとも一つを反応させて得られる。分子内
に少なくとも一つの光によって重合又は二量化する基を
有するフラン誘導体及びピラン誘導体としては、例え
ば、下記した化合物が好ましく用いられる。
【0020】
【化10】
【0021】ここで、R10は、
【化11】 (R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、lは
1〜14の整数である)、
【化12】−O−R14−CH=CH−R15 (R14は、
【化13】 15は、
【化14】 である)、
【化15】 11は、
【化16】 12は、
【化17】 である。また、上記化合物のフラン環、ピラン環は炭素
数1〜4のアルキル基及びアルコキシル基、フェニル
基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン基等の置換基で置
換されていてもよい。
【0022】上記の化合物は任意の方法で得られるが、
化合物1、2、6及び7はカルボキシル基アシルハライ
ド基を有するフラン誘導体又はピラン誘導体と分子内に
少なくとも一つの光によって重合又は二量化する基を有
するヒドロキシル基含有化合物、イソシアナート基含有
化合物、アミノ基含有化合物又はエポキシ基含有化合物
とを反応させて得られる。化合物3、4、8及び9はヒ
ドロキシル基、アミノ基を有するフラン誘導体又はピラ
ン誘導体と分子内に少なくとも一つの光によって重合又
は二量化する基を有するカルボキシル基含有化合物、ア
シルハライド基含有化合物又はイソシアナート基含有化
合物とを反応させて得られる。化合物5及び10はエポ
キシ基を有するフラン誘導体又はピラン誘導体と分子内
に少なくとも一つの光によって重合又は二量化する基を
有するカルボキシル基含有化合物又はヒドロキシル基含
有化合物とを反応させて得られる。また、上記したフラ
ン誘導体及びピラン誘導体の代わりにチオフラン誘導体
及びチオピラン誘導体を用いることができる。
【0023】本発明における分子内に少なくとも一つの
光によって重合又は二量化する基を有するフラン誘導体
及びピラン誘導体はポリアミド酸のカルボキシル基と反
応してアセタール基を形成する。これによって感光基が
低温でイミド化し易いアセタール基を介してポリアミド
酸に導入された感光性付加物が得られる。上記した方法
で得られるポリアミド酸と上記した分子内に少なくとも
一つの光によって重合又は二量化する基を有するフラン
誘導体及びピラン誘導体との反応は、好ましくは塩酸、
p−トルエンスルホン酸等の酸触媒又はトリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミン等の三級アミン類の存在下、
ポリアミド酸溶液にポリアミド酸のカルボキシル基に対
して10モル%〜500モル%の範囲のフラン誘導体及
びピラン誘導体を添加し、0〜100℃で1時間〜10
日程度加熱することによって目的とする感光性付加物を
得ることができる。10モル%未満では光硬化性が不十
分となる傾向があり、500モル%を越えると厚膜形成
性が不十分となる傾向がある。この反応生成物はそのま
ま感光性樹脂組成物に供することができるが、必要に応
じて、水又はメタノールなどの貧溶媒中に投入し、さら
に再沈を繰り返すことによって精製した感光性付加物を
用いることができる。感光性付加物の数平均分子量は、
3,000〜100,000の範囲であることが好まし
く、5,000〜70,000の範囲であることがより
好ましい。数平均分子量が3,000未満では塗膜形成
性が不十分となる傾向があり、100,000を越える
と粘度が上がりすぎて厚膜形成性が不十分となる傾向が
ある。
【0024】本発明で必要に応じて用いられる(B)光
開始剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾイ
ン、2−メチルゼンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2−t−ブチ
ルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アント
ラキノン、アントラキノン、メチルアントラキノン、
4,4′−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、
1,5−アセナフテン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ジアセチ
ル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジ
エチルケタール、ジフェニルジスルフィド、アントラセ
ン、フェナンスレンキノン、リボフラビンテトラブチレ
ート、アクリルオレンジ、エリスロシン、フェナンスレ
ンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,6−
ビス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチル
−4−アザシクロヘキサノン、6−ビス(p−ジメチル
アミノベンジリデン)−シクロペンタノン、2,6−ビ
ス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−フェニル
シクロヘキサノン、下式で表されるアミノスチリルケト
ン(VI)、3−ケトクマリン化合物(VII)及び3
位にカルボニル置換されたビスクマリン化合物(VII
I)などを挙げることができる。
【0025】
【化18】 (式中、R16は5〜20個の環原子を有する芳香族炭素
環又は複素環であり、R17、R18及びR19はそれぞれ独
立して水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜5個のア
ルキル基、ジアルキルアミノ基又はアルコキシ基、アシ
ロキシ基である)
【0026】
【化19】 (式中、R20及びR21はそれぞれ独立して水素原子、炭
素数1〜5個のアルキル基、ジアルキルアミノ基又はア
ルコキシ基、アシロキシ基である)
【0027】これらの光開始剤は、単独で又は2種類以
上を組み合せて使用することができる。これらの光開始
剤の使用量は、感光性樹脂組成物の感度および塗膜の耐
熱性の点から、感光性付加物100重量部に対して0.
01〜30重量部用いることが好ましく、0.1〜10
重量部用いることがより好ましい。
【0028】本発明における感光性樹脂組成物におい
て、感光基として少なくとも一つの光によって重合する
基を有する感光性付加物を用いる場合には、上記した光
開始剤を併用することが好ましい。さらに、これらの光
開始剤に、光開始助剤としてアミン類やアミノ酸を併用
することもできる。アミン類としては、例えば、p−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミル、p−ジメチルアミノベンゾニトリル、
N,N−ジメチルアントラニル酸エチル等を挙げること
ができる。
【0029】アミノ酸としては、例えば、N−メチル−
N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルグ
リシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリ
シン、N−(n−プロピル)−N−(p−クロロフェニ
ル)グリシン、N−メチル−N−(p−ブロモフェニ
ル)グリシン、N−エチル−N−(p−ブロモフェニ
ル)グリシン、N−(p−シアノフェニル)グリシン、
N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(p−ブロ
モフェニル)グリシン等を挙げることができる。これら
の光開始助剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用することができる。
【0030】本発明の感光性樹脂組成物は、(C)有機
溶媒を含むが、この有機溶媒はポリアミド酸を完全に溶
解する極性溶媒が一般に好ましく、例えば、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド
等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用することができる。その他、この極性溶媒
以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル
類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、γ−ブチロ
ラクトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロルエタン、1,4−ジクロルブタン、トリクロルエ
タン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエンキシレン
等も使用することができる。これらは単独で又は2種類
以上を組み合わせて使用することができる。これらの有
機溶媒の使用量は、有機溶媒が感光性樹脂組成物の40
〜95重量%となるように用いることが好ましく、50
〜85重量%となるように用いることがより好ましい。
40重量%未満では組成物が高粘度となり基板への塗布
性が劣る傾向があり、95重量%を越えると低粘度とな
り、塗布性に劣る傾向があり、樹脂分濃度が低くなるた
め厚膜を形成しにくくなる傾向がある。
【0031】また、感光性樹脂組成物の熱的な安定性を
向上させるために、公知の熱重合禁止剤を共存させるこ
とができる。熱重合禁止剤としては、例えば、p−メト
キシフェノール、ヒドロキノン、t−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノーチアジン、クロラニール、
ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、p
−トルイジン、メチレンブルー、2,2−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン及び下記
の式で表されるN−ニトロソ−N−アリールヒドロキシ
アミンアンモニウム塩等を挙げることができる。これら
は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することが
できる。
【化20】 (式中、R22はフェニル基又はナフチル基を表す)上記
熱重合禁止剤の使用量は、感光性樹脂組成物から重合禁
止剤、有機溶媒および光開始剤を除いた成分100重量
部に対して、0.001〜10重量部の範囲とすること
が好ましい。
【0032】本発明においては、必要に応じて、重合性
不飽和化合物を用いることができる。そのような重合性
不飽和化合物としては、各種のものがあるが、アクリル
酸系の化合物あるいはメタクリル酸系の化合物等が実用
的である。
【0033】アクリル酸系化合物としては、例えば、ア
クリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、カルビトールアクリレート、メトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチル
アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ブチレングリコールモノア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、グリ
シジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、トリメ
チロールプロパンモノアクリレート、アリルアクリレー
ト、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、
1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアク
リレート、2,2−ビス−(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−アクリロ
キシプロピルキシフェニル)プロパン、トリメチロール
プロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリアクリル
ホルマール、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸の
アクリル酸エステル、
【化21】 (bは1〜30の整数を表す)
【化22】 (c、dはc+dが2〜30となるように選ばれる整数
を表す)
【化23】 等を挙げることができる。
【0034】また、メタクリル酸系化合物としては、例
えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘ
キシルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレー
ト、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート、ヒドロキシペンチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノメタクリレート、N,N−ジエチル
アミノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリルメタクリレート、メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、アリルメタクリレート、
トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエ
リスリトールモノメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコー
ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、2,2−ビス−(4−メタクリロキシジエト
キシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジメ
タクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、テトラメチロール
メタンテトラメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌル酸のメタクリル酸エステル、
【化24】 (eは1〜30の整数を表す)
【化25】 (f、gはf+gが1〜30となるように選ばれる整数
を表す)
【化26】 これらの化合物は単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用することができる。
【0035】必要に応じて用いる重合性不飽和化合物と
しては、下式の化合物(但し、式中のbは2〜9であ
る)が好ましく用いられる。この化合物は光硬化性、熱
分解性に優れており、また、ポリアミド酸の溶解促進剤
として作用するので、現像時間を短縮できる。
【化27】
【0036】重合性不飽和化合物の使用量は、組成物の
プリベーク膜の現像液に対する溶解性、光硬化度および
塗膜の耐熱性の点から感光性付加物100重量部に対し
て2〜500重量部とされることが好ましく、10〜2
00重量部の範囲とされることがより好ましい。2重量
部未満では現像時間を短縮する効果が不十分となる傾向
がある。また500重量部を越えるとこの重合性不飽和
化合物が十分に熱分解、揮散せずに最終硬化膜中に残存
し易くなるため、硬化膜の耐熱性を低下させる傾向があ
り、また、組成物中に占める体積が増加するため厚膜を
形成しにくくなる傾向がある。また、必要に応じて染
料、顔料、可塑剤、表面平滑性付与剤、接着促進剤、無
機充填剤などを適宜配合することができる。
【0037】また、上記以外の重合性不飽和化合物とし
て、クロトン酸ブチル、グリセリンモノクロネート、ビ
ニルブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニル
カプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルラクテ
ート、安息香酸ビニル、ジビニルサクシネート、ジビニ
ルフタレート、メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−アリール
メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル
メタクリルアミド、アクリルアミド、N−t−ブチルア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−イ
ソブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチル
アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ヘキシ
ルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、ビ
ニルトリルエーテル、多価アルコールのポリビニルエー
テル、オルト位およびパラ位にアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン、カルボキシル基、アリル基などの置換基
を有するスチレン誘導体、ジビニルベンゼン、アリルオ
キシエタノール、ジカルボン酸のジアリルエステル、N
−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルイミダゾール、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等の化合
物及び下式の化合物などを用いることができる。
【化28】
【0038】本発明になる感光性樹脂組成物は、上記の
各種成分を含むが、これらの混合順序、混合方法等には
特に制限はなく、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷
法、スピンナー塗布法などによって銅貼り積層版、シリ
コンウエハー等の基材に塗布され乾燥し塗膜することが
できる。また、感光性樹脂組成物を可撓性の基体上、例
えば、ポリエステルフィルム上に塗布、乾燥して積層
し、この上にポリエチレン等のカバーシートを設けてサ
ンドイッチ構造のドライフィルムを予め作成し、このド
ライフィルムのカバーシートを剥がして被覆すべき基材
上に塗膜を形成することも可能である。カバーシートは
必ずしも用いなくてもよい。この塗膜上に、所望のパタ
ーンを描いたマスク上から活性光線を照射することによ
り、照射部(露光部)において重合が起こり、この照射
部は非照射部(未露光部)に対して溶解性が大きく低下
する。
【0039】上記活性光線は、通常紫外光及び可視光が
用いられるが場合により、電子線、放射線のような電離
性放射線を照射することによっても塗膜に対して同様の
効果を与えることができる。上記のように処理された塗
膜を、適当な現像液で処理すれば、高い溶解性を保持し
ている非照射部は現像除去されるとともに、活性光線の
照射により溶解性が低下せしめられた照射部は残り、所
望の樹脂パターンを得ることができる。
【0040】本発明で使用される現像液としては、有機
溶媒及び/又はアルカリ水溶液が挙げられる。有機溶媒
としては、例えば、N−メチルピロリドン、N−アセチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチレンホスホリックトリアミド、γ−ブチ
ロラクトン等の極性溶媒が挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらにメタノール、エタノール、イソプロパノール等
のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、プロピオン酸
メチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル、水などを混合して用いてもよい。
【0041】アルカリ水溶液とは、塩基性化合物を水に
溶解した溶液である。塩基性化合物としては、例えば、
アルカリ金属、4級アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、
重炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸
塩、アミン類等が挙げられる。これらの具体例として
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。その使
用量は、水100重量部に対して通常0.0001〜5
0重量部、好ましくは、0.001〜30重量部であ
る。この使用量が少なすぎると現像性が低下する傾向が
あり、多すぎると塩基性化合物が完全に溶解せず不均一
な溶液となったり、現像液の粘度が高くなりすぎ、現像
性が低下する傾向がある。現像液は、有機溶媒とアルカ
リ水溶液をそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用
いてもよい。有機溶媒とアルカリ水溶液を混合して用い
る場合は、有機溶媒の使用量は、アルカリ水溶液100
重量部に対して通常0.1〜100重量部、好ましくは
5〜50重量部である。現像液としては、人体に対して
より安全であって、安価なアルカリ水溶液を用いること
が好ましい。現像により形成されたレリーフパターン
を、リンス液により洗浄し現像溶液を除去する。得られ
たパターンは、まず50〜250℃で予備乾燥した後、
300〜400℃で加熱(すなわちポストキュア)し
て、耐熱性を有する半導体、多層印刷配線板、高密度実
装基板などの表面保護膜及び層間絶縁膜などに変換し得
るもので、本発明の感光性樹脂組成物は、主として前述
のような微細加工の分野において非常に有用である。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】実施例1 かく拌機、温度計、熱電対及び窒素ガス導入管を装備し
た1lのフラスコに4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル40.05g(0.2モル)及びN−メチル−2−
ピロリドン257gを加え、窒素ガス流通下の室温で撹
拌した。この溶液に4,4′−オキシジフタル酸無水物
46.53g(0.15モル)及び1,3−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物21.33g(0.05モ
ル)を加え、室温で4時間撹拌した後、70℃に昇温
し、同温度で8時間加熱して粘稠なポリアミド酸溶液を
得た。このポリアミド酸溶液100gに下式のピラン誘
導体24g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.015g、触媒量の塩酸を加え、25℃で9日間反
応させた。得られた反応物を貧溶媒に投入し、目的とす
る感光性付加物を得た。
【化29】 この固形の感光性付加物10g、3,5−ビス(4−ジ
エチルアミノベンジリデン)−1−メチル−4−アザシ
クロヘキサン0.07g、N−(4−シアノフェニル)
グリシン0.5g及びN−メチル−2−ピロリドン30
gを混合、溶解して感光性樹脂組成物の溶液を得た。こ
の溶液をシリコンウェハ上にスピンコータで塗布し、プ
リベークして膜厚10μmの塗膜を形成した、この塗膜
の表面にフォトマスクを介して高圧水銀灯で600mJ
/cm2の光量で露光した後、N−メチル−2−ピロリ
ドン/キシレン=80/20(重量比)でスプレー現像
し、さらにイソプロパノールでリンスし、スピナーで回
転乾燥した。次いで、150℃、250℃及び350℃
(窒素雰囲気下)で各々30分間加熱して、ネガ型の良
好なレリーフパターンを得た。この塗膜について、プレ
ッシャクッカ試験(条件:121℃、2気圧、100時
間)を行った後の碁盤目試験を行ったところ、はく離は
全く認められず良好な接着性を示した。また、露光、現
像を行わない以外は上記と同様にして形成した塗膜(基
板はガラス基板を用いた)について、高温示差熱重量同
時測定装置(セイコー電子社製320型)により、空気
雰囲気下10℃/分の昇温速度で重量減少を測定したと
ころ360℃まで重量減少は認められなかった。同じ塗
膜について、引張試験機(オリエンテック社製テンシロ
ン万能試験機UCT−5T型)により試験片の幅1cm
で引張特性を測定したところ引張強さ75MPa、伸び
7.5%であった。
【0044】実施例2 実施例1で得たポリアミド酸溶液100gに下式のフラ
ン誘導体13.8g、2,5−ジフェニル−p−ベンゾ
キノン0.015g、触媒量の塩酸を加え、25℃で9
日間反応させた。得られた反応物を貧溶媒に投入し、目
的とする感光性付加物を得た。
【化30】 この固形の感光性付加物10g、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート0.5g、2,4−ジエチルチオキ
サントン0.2g、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
エステル0.32g及びN−メチル−2−ピロリドン3
0gを混合、溶解して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
この溶液をシリコンウェハ上にスピンコータで塗布し、
プリベークして膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗
膜の表面にフォトマスクを介して高圧水銀灯で600m
J/cm2の光量で露光した後、テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド水溶液でスプレー現像し、さら
に水でリンスし、スピナで回転乾燥した。次いで、15
0℃、250℃及び350℃(窒素雰囲気下)で各々3
0分間加熱して、ネガ型の良好なレリーフパターンを得
た。この塗膜について、プレッシャクッカ試験(条件:
121℃、2気圧、100時間)を行った後の碁盤目試
験を行ったところはく離は全く認められず良好な接着性
を示した。また、露光、現像を行わない以外は上記と同
様にして形成した塗膜(基板はガラス基板を用いた)に
ついて、高温示差熱重量同時測定装置(セイコー電子社
製320型)により、空気雰囲気下10℃/分の昇温速
度で重量減少を測定したところ365℃まで重量減少は
認められなかった。同じ塗膜について、引張試験機(オ
リエンテック社製テンシロン万能試験機UCT−5T
型)により試験片の幅1cmで引張特性を測定したとこ
ろ引張強さ80MPa、伸び7.8%であった。
【0045】比較例1 温度計、窒素ガス導入口及び撹拌装置を装着した500
mlの四つ口フラスコに4,4′−オキシジフタル酸無
水物46.53g、(0.15モル)、1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物21.33g(0.
05モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39
g(0.3モル)及びN−メチル−2−ピロリドン30
0gを加え、100℃で4時間撹拌した。次に、この溶
液に氷冷下、塩化チオニル35gを1時間かけて滴下
し、その後室温で2時間撹拌を行った。この溶液に4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル40.05g(0.
2モル)を加えて8時間撹拌し、さらに、エタノール4
0mlを加えて4時間撹拌し、その後5リットルの水中
に投下しポリマーを析出させた。このポリマーを十分に
水洗した後、乾燥空気で24時間風乾し、さらに40℃
でポリマー中の水分が1%以下になるまで減圧乾燥し
て、下式のポリアミド酸エステルを得た。
【化31】 なお、上記の式中の75及び25の数値は各々の繰り返
し単位のモル比を示したもので、各々の繰り返し単位は
上記の式のように連続して存在している分けではなく、
ランダムに存在している。
【0046】実施例3 実施例1及び比較例1で得られた感光性付加物及びポリ
アミド酸エステルをN−メチル−2−ピロリドンに固形
分が25重量%となるようにそれぞれ溶解して、溶液を
得た。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコータで塗
布し、100℃及び150℃で各々30分間加熱して膜
厚約10μmの薄膜を得た。これを表1に示す加熱条件
でそれぞれ加熱し、得られた硬化膜のイミド化率を測定
した。その結果を表1に示した。ここで、イミド化率は
赤外分光光度計(日本電子社製JIR−100型)を用
いて測定した。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示されるように、本発明における感
光性付加物は従来のポリアミド酸エステル型ポリイミド
前駆体に比べて低温硬化性に優れる。
【0049】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、感光基が
低温でイミド化し易いアセタール基を介してポリアミド
酸に導入された感光性付加物を用いているので、イミド
転化の際の高温加熱処理を行う必要がなく、350℃以
下の低温での加熱硬化で良好な硬化膜特性(膜強度、耐
熱性及び接着性)が得られる。また、厚膜形成性及び像
形成性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/312 B 7352−4M H05K 3/28 D 7511−4E (72)発明者 鈴木 健司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 小島 康則 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I)で表される繰り返し
    単位を有するポリアミド酸と分子内に少なくとも一つの
    光によって重合又は二量化する基 【化1】 (式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基であ
    る)を有するフラン誘導体及びピラン誘導体のうち少な
    くとも一つとを反応させて得られる感光性付加物、
    (B)必要に応じて用いる光開始剤及び(C)有機溶媒
    を含有してなる感光性樹脂組成物。
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