JPH05337849A - 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置 - Google Patents

脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置

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JPH05337849A
JPH05337849A JP4164297A JP16429792A JPH05337849A JP H05337849 A JPH05337849 A JP H05337849A JP 4164297 A JP4164297 A JP 4164297A JP 16429792 A JP16429792 A JP 16429792A JP H05337849 A JPH05337849 A JP H05337849A
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    • B62D57/02Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2足歩行の脚式移動ロボットの姿勢安定化制
御装置であって、力学モデルを追従する様にロボットを
関節変位すると共に、モデルと実ロボットの上体の傾き
に偏差が生じたとき、モデルの床反力をずらして姿勢安
定化を図る。 【効果】 足裏を接地させたまま大きな復元力を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は脚式移動ロボットの姿
勢安定化制御装置に関し、より具体的には力学モデルを
追従する様にロボットが関節変位されると共に、モデル
と実ロボットに傾き偏差が生じたとき、実ロボットの床
反力をずらす代わりに、モデルの床反力をずらして姿勢
の安定を回復する様にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】脚式移動ロボット、特に2足歩行の脚式
移動ロボットとしては、特開昭62−97005号、特
開昭63−150176号公報記載のものなどが知られ
ている。また脚式移動ロボットを含むロボットの制御に
ついては、「ロボット工学ハンドブック」(日本ロボッ
ト学会編、1990年10月20日)に詳しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、脚式移動ロ
ボット、特に2足歩行の脚式移動ロボットは本来的に安
定性が低いことから、外乱などを受けると姿勢が不安定
となる。そこでロボットの上体の傾き角度と傾き角速度
を検出して姿勢制御する必要がある。その意図から本出
願人は先に特願平2−336,420号(平成2年11
月30日出願)において、着地候補位置を何点か予め用
意しておき、一歩ごとの制御周期でいずれかを選択して
目標歩容を切り換える制御を提案している。しかし、こ
の制御によるときは、姿勢が崩れた結果、ZMP(垂直
床反力の作用重心点。Zero MomentPoint)が存在可能範
囲の限界付近に偏って接地性が失われても、次の一歩で
歩容が修正されて姿勢が復元するまではZMPが限界付
近に偏ったままなので、それまで接地性を回復できない
と言う不都合がある。
【0004】そこで本出願人は近時別の出願(平成4年
4月30日、整理番号A92−0116)において、ロ
ボットの力学モデルを基に力学的平衡状態が保証される
様に床反力を設定した目標歩容を生成し、モデル化誤差
や外乱によって傾き角度と傾き角速度に目標値と実際値
との間で偏差が生じたときは、実ロボットの接地部の変
位あるいはモーメントを基準歩容から故意にずらすこと
によって実ロボットの床反力をモデルから計算される目
標歩容のそれから故意にずらし、実ロボットの傾きをモ
デルの傾きに近づける復元力を得る技術を提案している
(ここで言う「床反力」は、各脚に作用する床反力を全
て合成した、ある作用点に働く合力と合モーメントとを
意味する)。
【0005】しかし提案したこの技術によるときは、例
えば2足歩行ロボットの片脚支持期では、実ロボットの
床反力を故意に大きくずらそうとして足首角度を大きく
ずらしても、ZMPが足平接地面を超える全床反力を発
生することができず、足平の一部が浮いてしまうことが
ある。従って、実ロボットがモデルに対して大きく傾い
てしまった場合には、実ロボットの傾斜を正常に戻すた
めに必要な十分な復元力を得ることができないことがあ
り、そのときは実ロボットが転倒する。即ち、この技術
では目標値と実際値との偏差を縮める復元作用がZMP
の存在範囲に制約される。
【0006】図で説明すると、実ロボットの関節変位を
モデルの通りに追従する制御においては、実ロボットの
傾き角度と傾き角速度とがそれぞれモデルのそれらと一
致していれば、図1に実線で示す実ロボットのZMPは
モデルから決定される目標ZMPに一致し、ロボットは
所期の姿勢で歩行する。しかし、実際には先に述べた様
にモデル化誤差や外乱によって破線で示す様に傾き角度
と傾き角速度とに偏差が生じ、しかもそのずれは重力の
作用によって偏差が大きくなるほど益々大きくなろうと
する発散傾向を持つ。ところで実ZMPが目標ZMPか
らずれると、図2に示す様に、その間の距離xに力Fを
乗じたモーメントMが目標ZMPのまわりに生じる。換
言すれば、実ZMPが故意に目標ZMPからずれる様に
関節変位を制御することにより、所望のモーメントを生
じさせることができる。先に提案した技術ではその思想
に基づき、傾き(角度と角速度)偏差が生じたときは図
2に示す様に、故意に実ZMPをずらして姿勢復元方向
にモーメントを生じさせる様にした。しかし、この技術
によるときは同図に示す如く、実ZMPをずらすことが
できる範囲は、足平領域xsole内に限られる。
【0007】従って、この発明の目的は近時提案した技
術を改良し、更に効果的な脚式移動ロボットの姿勢安定
化制御装置を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ためにこの発明は例えば請求項1項に示す如く、制御対
象のモデルを少なくとも1つ備えるモデル追従型の脚式
移動ロボットの姿勢安定化制御装置であって、前記モデ
ルと実ロボットの傾斜などの状態の偏差に応じた操作量
を少なくとも前記モデルにフィードバックしてモデルの
挙動を修正する様に構成した。
【0009】
【作用】
【0010】重力作用によって発散しようとする傾き偏
差を零に収束させようとする作用は、実ロボットとモデ
ルの床反力の差によって生じるものである。従って、偏
差を収束させるためには、実ロボットの床反力をずらす
代わりに、モデルの床反力を反対側にずらすことによっ
ても等価な効果を得ることができる筈である。本発明は
この効果を利用する。そして、それによって図3に示す
様に、ずらすZMPがモデルのそれであることから、Z
MPをずらす範囲はもはや足平直下の領域内に限られる
ことがなく、足平接地面を遠く超えた位置までずらすこ
とができる。言い換えれば、前記した距離xを大きくす
ることができ、結果的にモーメントを大きくすることが
できて大きな姿勢復元力を得ることができる。
【0011】以下、更に説明する。分かり易くするため
に図4に示す様に、足平と1リンクの脚と上体から構成
される単純なロボットを考える。脚の質量をm、足首ま
わりの脚の慣性モーメントをI、脚重心の足首との距離
をhとする。上体の質量および慣性モーメントは0とす
る。また足首の床からの高さも0とする(こうすると、
床反力と足首モーメントとが一致して議論が簡単にな
る)。鉛直方向に対する脚の傾き(即ち、足首と重心と
を結ぶ線分の傾き角度)をθlink、鉛直方向に対する上
体の傾きをθtrunk 、腰関節の曲げ角をθhip とする。
尚、図でθlinkとθtrunk は負、θhip は正とする。更
に、足首に作用するモーメントをMact とする( 足首の
床からの高さが0であるから、床反力もMact であ
る)。重力加速度はgとする。足首には公知のトルク制
御が施されるものとし、腰の曲げ角は変位制御されるも
のとする。
【0012】上記において、幾何学的関係から数1の式
が成立する。
【0013】
【数1】
【0014】このロボットの脚の運動方程式は数2の様
になる。
【0015】
【数2】
【0016】これをラプラス変換して数3の式を得る。
【0017】
【数3】
【0018】さて、ここで、この実ロボットと全く同じ
構造と全く同じパラメータ値を持つ数式モデルを用意す
る。その鉛直方向に対する脚の傾き(即ち、前記と同様
な足首と重心とを結ぶ線分の傾き)をθmdllink 、鉛直
方向に対する上体の傾きをθmdltrunk、腰関節の曲げ角
をθmdlhipとし、モデルの足首に作用するモーメント(
即ち、モデルの床反力) をMmdl とすると、幾何学的な
数式モデルと動力学的な数式モデルは、数4、数5に示
す様になる。
【0019】
【数4】
【0020】
【数5】
【0021】次に、モデルを基に目標歩容を作成する。
目標歩容は、一般的にはモデルの初期状態、モデルに加
えられる操作量、および拘束条件によって表現される。
具体的には、脚の初期傾き角度θreflink0と脚の初期傾
き角速度ωreflink0、足首モーメントの時間関数Mref
(t)、および上体の傾き角度の時間関数θreftrunk(t)に
よって表現される。上体の傾き角度の時間関数θreftru
nk(t) は、議論を単純化するために、ここでは常に0で
あるものとする。
【0022】次に、以下の制御を実施する。
【0023】モデルの上体の傾き角度θmdltrunkを常に
θreftrunk(t) に一致させる( θreftrunk(t) は0とし
ているので、θmdltrunkも常に0に維持される)。モデ
ルの足首には、Mref(t)と後述する上体の傾き角偏差に
応じた操作量Mactfb の和に、実際値Mactに一致する様
にトルク制御が実施される。実ロボットの腰の曲げ角度
θacthipはモデルの腰の曲げ角θmdlhipを目標変位とし
て変位制御が施される。即ち、θacthipは、θmdlhipに
一致する様に制御される。実ロボットの上体には、傾斜
センサが備えられており、上体の傾き角θacttrunkが検
出される。
【0024】モデルに対する実ロボットの上体傾き角偏
差θerr は数6の式で求められる。この例では、実ロボ
ットの上体傾き角偏差θerr は、θmdltrunkが常に0に
維持されているから、θacttrunkそのものである。
【0025】
【数6】
【0026】制御の目的は、歩行中においてモデルに対
する実ロボットの上体傾き角偏差θerr を0に収束させ
ることである。先に述べた近時提案した技術では、上体
の傾き角偏差に応じた操作量Mactfb を算出し、実ロボ
ットの足首モーメントMactに加えることによりフィー
ドバックループを構成していた。これに対し、この発明
による制御装置では、上体の傾き角偏差に応じた操作量
Mmdlfb をモデルの足首モーメントMmdl に加えること
によりフィードバックループを構成する。
【0027】この発明による制御と近時提案した制御の
効果を比較するために、Mactfb とMmdlfb から上体の
傾き角偏差θerr までのブロック図を図5に示す。但
し、この図ではθerr からMactfb へのフィードバック
とθerr からMmdlfb へのフィードバックを省略した。
【0028】さて、トルク制御部と変位制御部の伝達関
数は、θactlink の挙動に比べて制御の応答性が十分高
ければ1とみなすことができる。このとき、図5を、M
actfb,Mmdlfb およびθerr の関係のみに着目して変形
すると、図6が得られる。この図から明らかな様に、例
えばH(S)をフィードバック則とすると、Mact に数
7の式で求められるMactfb をフィードバックすること
と、Mmdl に数8の式で求められるMmdlfb をフィード
バックすることは、θerr の挙動に対して同一の効果を
持つ。
【0029】
【数7】
【0030】
【数8】
【0031】更に、θerr の挙動を決定するものは、M
actfb とMmdlfb との差であるから、数9の式となる様
に、H(S)をMactfb とMmdlfb に分配すれば、この
手法もやはり同一の効果を持つ。
【0032】
【数9】
【0033】以上が、この発明の根本原理である。実ロ
ボットが複雑なものであっても、そのダイナミクスを忠
実に模擬するモデルを用意すれば、実ロボットの床反力
とモデルの床反力の差を制御することにより、上記例と
全く同一原理で同一の効果を得ることができる。後で実
施例で示す様に、動力学モデルを基準歩容からの摂動分
で表現しても、θerr とその微分値ωerr が微小であれ
ば、同一の効果が得られる。
【0034】この構成により、近時提案した制御と異な
り、実ロボットの床反力ZMP位置を本来あるべき位置
から故意にずらす必要がないので、何らかの外乱などに
よって前記傾き角(角速度)偏差が非常に大きくなって
も、接地性を確保したまま(即ち、足裏が浮かない様に
しながら)、近時提案した制御では不可能であった大き
な姿勢復元作用を得ることが可能となり、短時間で偏差
を0に収束させることができる。また、モデルは床と干
渉しないから(但し、実ロボットの全床反力をずらすた
めに故意に干渉させる分は除く)、モデルに追従してい
る実ロボットも床と干渉せず、着地衝撃を小さい値に抑
制することも可能となる。
【0035】尚、上記において、足平が浮かないために
は、Mact(上記例ではMref +Mactfb)は、ある範囲内
に制限されなければならない( 例えば、平地歩行では実
ロボットのZMPが足平の接地面を超えない範囲に限定
される)。従って、Mact がこの制限を超えない様な値
をとり、かつ数10の式を満足する様に、Mactfb とM
mdlfb は決定されるべきである。
【0036】
【数10】
【0037】尚、Mactfb からθmdllink までのオープ
ンの伝達関数とMmdlfb からθmdllink でのオープンの
伝達関数は一致しないので、近時提案した制御とこの発
明による制御とでは、θmdllink の挙動に関して特性が
異なる。
【0038】
【実施例】以下、脚式移動ロボットとして2足歩行の脚
式移動ロボットを例にとって、この発明の実施例を説明
する。図7はそのロボット1を全体的に示す説明スケル
トン図であり、左右それぞれの脚部リンク2に6個の関
節を備える(理解の便宜のために各関節をそれを駆動す
る電動モータで示す)。該6個の関節は上から順に、腰
の脚部回旋用(z軸まわり)の関節10R,10L(右
側をR、左側をLとする。以下同じ)、腰のロール方向
(x軸まわり)の関節12R,12L、同ピッチ方向
(y軸まわり)の関節14R,14L、膝部のピッチ方
向の関節16R,16L、足首部のピッチ方向の関節1
8R,18L、同ロール方向の関節20R,20Lとな
っており、その下部には足平22R,22Lが取着され
ると共に、最上位には上体(筐体24)が設けられ、そ
の内部には制御ユニット26が格納される。
【0039】上記において腰関節は関節10R(L),
12R(L),14R(L)から構成され、また足関節
は、関節18R(L),20R(L)から構成される。
また、腰関節と膝関節との間は大腿リンク32R,32
Lで、膝関節と足関節との間は下腿リンク34R,34
Lで連結される。ここで、脚部リンク2は左右の足につ
いてそれぞれ6つの自由度を与えられ、歩行中にこれら
の6×2=12個の関節(軸)をそれぞれ適宜な角度に
駆動することで、足全体に所望の動きを与えることがで
き、任意に3次元空間を歩行することができる様に構成
される。先に述べた様に、上記した関節は電動モータか
らなり、更にはその出力を倍力する減速機などを備える
が、その詳細は先に本出願人が提案した出願(特願平1
−324218号、特開平3−184782号)などに
述べられており、それ自体はこの発明の要旨とするとこ
ろではないので、これ以上の説明は省略する。
【0040】図7に示すロボット1において、足首部に
は公知の6軸力センサ36が設けられ、足平を介してロ
ボットに伝達されるx,y,z方向の力成分Fx,F
y,Fzとその方向まわりのモーメント成分Mx,M
y,Mzとを測定し、足部の着地の有無と支持脚に加わ
る力の大きさと方向とを検出する。また足平22R
(L)の四隅には静電容量型の接地スイッチ38(図7
で図示省略)が設けられて、足平の接地の有無を検出す
る。更に、上体24には傾斜センサ40が設置され、x
−z平面内とy−z平面内のz軸に対する、即ち、重力
方向に対する傾斜角度と傾斜角速度を検出する。また各
関節の電動モータには、その回転量を検出するロータリ
エンコーダが設けられる。更に、図7では省略するが、
ロボット1の適宜な位置には傾斜センサ40の出力を補
正するための原点スイッチ42と、フェール対策用のリ
ミットスイッチ44が設けられる。これらの出力は前記
した上体24内の制御ユニット26に送られる。
【0041】図8は制御ユニット26の詳細を示すブロ
ック図であり、マイクロ・コンピュータから構成され
る。そこにおいて傾斜センサ40などの出力はA/D変
換器50でデジタル値に変換され、その出力はバス52
を介してRAM54に送られる。また各電動モータに隣
接して配置されるエンコーダの出力はカウンタ56を介
してRAM54内に入力されると共に、接地スイッチ3
8などの出力は波形整形回路58を経て同様にRAM5
4内に格納される。制御ユニット内にはCPUからなる
第1、第2の演算装置60,62が設けられており、第
1の演算装置60は後で述べる様に目標関節角度を算出
してRAM54に送出する。また第2の演算装置62は
RAM54からその目標値と検出された実測値とを読み
出し、各関節の駆動に必要な制御値を算出し、D/A変
換器66とサーボアンプを介して各関節を駆動する電動
モータに出力する。
【0042】続いて、この制御装置の動作を説明する。
【0043】図9はその動作を示すブロック図であり、
図10ないし図12はその動作を示すフロー・チャート
である。図10以降のフロー・チャートを参照して具体
的に説明する前に、図9ブロック図を参照してこの制御
を概説する。尚、以下ではx方向(進行方向)の制御だ
けを例にとって説明しているが、y方向(横方向)も同
様である。
【0044】図9に示す様に、この実施例においてロボ
ットの幾何学モデルとしては剛体モデルを備え、ロボッ
トの動力学モデルとしては、基準歩容からの上***置摂
動分の挙動を倒立振子で近似したものを備える。倒立振
子の質量をm、支点まわりの慣性モーメントをI、支点
と重心の距離をhとする。基準歩容は、上体24の位置
・姿勢、および両足平22R(L)の位置・姿勢で表現
される。両足平22R(L)の位置・姿勢については、
一歩ごとの足平軌道パラメータ(例えば、遊脚着地位置
や着地時刻など)が、大局的姿勢制御部から目標足平軌
道生成部に与えられ、目標足平軌道生成部においてリア
ルタイムに各瞬間のそれらの位置や姿勢が生成される。
尚、この制御においてはロボットの姿勢が崩れたとき、
先ずモデルの姿勢をそれに合わせて崩し、次いで安定方
向に回復させると共に、実ロボットをそれに追従制御し
て姿勢安定を回復する様にしていることから、ここで
「大局的」なる語は、瞬間々々ではなく、比較的長い時
間をかけて滑らかに姿勢回復を最終的に実現する如く、
この制御の特質を示す意味で使用する。
【0045】またZMP目標軌道については、一歩ごと
のZMP目標軌道パラメータ(例えば、折れ線表現され
ているときは折れ点の座標や時刻)が、大局的姿勢制御
部からZMP目標軌道生成部に与えられ、ZMP目標軌
道生成部においてリアルタイムに各瞬間のその位置が算
出される。上体24の位置・姿勢については、ZMP目
標軌道を満足する様に、予めオフラインで作成されて時
系列データとして大局的姿勢制御部に記憶され、歩行時
に吐き出される。尚、以降、足平軌道パラメータとZM
P目標軌道パラメータなど歩容の特徴を表現するものを
総称して「歩容パラメータ」と呼ぶ。
【0046】次いで、幾何学モデルに対する実ロボット
の姿勢の傾き角偏差θerr と角速度偏差ωerr を検出す
る(実ロボット1の関節変位が忠実にモデルに追従する
と考えられるならば、姿勢の傾き角(角速度)偏差は、
上体24の傾き角(角速度)偏差で代表して差し支えな
い。あるいは重心位置のずれを用いても良い。)。
【0047】これらを状態量として、これらを0に収束
させようと働く安定化制御則から求められる制御操作量
(状態フィードバック量)は、モーメントの次元で検出
されて倒立振子型動力学モデルの支点に与えられる。こ
こで、この操作量を先に述べたと同様に、モデル操作モ
ーメントMmdl と呼ぶ。Mmdl は、倒立振子型動力学モ
デルが受ける床反力モーメントであるとも言える。倒立
振子型動力学モデルは、Mmdl と重心に作用する重力の
影響を受けて運動する。倒立振子の状態量、即ち、傾き
角θmdl とその角速度ωmdl の挙動は、過去の状態と支
点に加えられるモーメントMmdl を基に逐次計算され
る。
【0048】数11の式により、上体24のx方向のず
れΔxが求められる。但し、htrunk は上体24の高さ
(より正確に表現すれば、床から腰関節1(L)までの
高さ)とする。
【0049】
【数11】
【0050】ロボット幾何学モデルの上***置は、歩容
パラメータの上***置xにΔxが加えられた位置に指定
される。
【0051】また、先に述べた近時提案した技術で用い
られるコンプライアンス制御によって、ZMP目標位置
まわりの実床反力モーメントMact に応じて、基準歩容
の足平位置・姿勢が修正され、それが幾何学モデルに与
えられる。図9で用いられている制御では、Mact から
床反力モーメントフィードバック則によって仮想床傾斜
角指令θctrlが求められ、モデルの足平位置は、モーメ
ント足平軌道生成部で生成される基準歩容の足平位置を
ZMP目標位置を中心として仮想床傾斜角指令の分だ
け、座標回転させられる。これにより、実ロボット1の
姿勢傾きの挙動は、基準点(例えば、ZMP目標位置)
を支点とし、支点に床から傾きに比例した床反力モーメ
ントが発生する倒立振子に近似される。
【0052】以上によって求められ、修正された上***
置・姿勢から、逆キネマティクス計算によって、幾何学
モデルの各関節の変位が求められる。尚、このロボット
では可動部はすべて回転自由度しかないから、関節の変
位はすべて角度で表現される。実ロボット1には、その
関節変位をロボット幾何学モデルの関節変位に追従させ
る制御システムが備えられる。
【0053】以上のシステムにおいて、状態量θerr と
ωerr に応じたモデル操作モーメントMmdl をロボット
動力学モデルに与えるフィードバック制御は、先に作用
欄で説明した原理によって、θerr とωerr を0に収束
させる様に作用する。即ち、実ロボットとモデルの傾き
が一致する様に作用する。
【0054】ここで、図9において、倒立振子型動力学
モデルにモデル操作モーメントMmdl が加わって、モデ
ルの傾きθmdl とその角速度ωmdl が中立点(直立状
態)から一旦ずれると、このモデルは不安定系であるの
で、θmdl ,ωmdl は発散する。そこで、状態量θmdl
,ωmdl に応じて、次の遊脚着地位置または着地タイ
ミングを変更することによってθmdl ,ωmdl の発散を
抑制する。
【0055】ところで、基準歩容におけるある一歩(こ
れを「第1歩容」と呼ぶ)において着地位置を変更する
と、次の一歩(これを「第2歩容」と呼ぶ)の初めで
は、支持脚足平の位置だけが、基準の第2歩容の位置か
らずれる。このことを、第2歩容の基準座標から見る
と、支持脚足平は基準歩容のままで、遊脚足平と上体の
位置が変更量だけずれたことに相当する。そのまま放置
すると、第1歩容と第2歩容の境界が不連続になる。そ
こで、ロボット幾何学モデルの歩容が連続となる様に、
歩容の変わり目において次の操作を行う。
【0056】遊脚軌道は初期位置や次期着地位置などの
足平軌道パラメータで与えられているので、第2歩容の
足平軌道パラメータの一つである初期遊脚位置を−Δx
foottotal だけずらす。第2歩容の上体軌道はそのまま
とし、その代わりに倒立振子型動力学モデルの傾き角θ
mdl を−Δxfoottotal/htrunk だけずらす。この結
果、ロボット幾何学モデルの歩容の連続性を保ちつつ、
倒立振子型動力学モデルの状態量の一つである傾き角θ
mdl を−xfoottotal/htrunk だけ操作することができ
る。即ち、着地位置を変更することにより、倒立振子型
動力学モデルの状態量を制御することができる。
【0057】上記を前提とし、以下図10フロー・チャ
ートを参照して、着地位置を進行方向に変更した場合の
モデル傾き制御アルゴリズムを説明する。
【0058】先ず、S10において倒立振子型モデルを
安定な直立位置に初期化し、S12に進んで歩数カウン
タが基準歩容で設定した目標歩数になるまで、S14か
らS26を繰り返す。ここで、用語を次の様に定義す
る。 1.一歩の歩容は、両脚支持期の初めから次の遊脚が着
地するまでの期間を指す。 2.ある歩容の支持脚とは、その歩容の片脚支持期に支
持脚となる脚とし、遊脚とは、その歩容の片脚支持期に
遊脚となる脚とする。 3.歩容の基準座標を、その一歩の支持脚の足平接地点
にとることとする。
【0059】S14では今回の歩容パラメータをセット
し、S16に進んで前回の歩容の修正後の着地位置と前
回の歩容の基準歩容の着地位置との差を前記したΔxfo
ottotal とする。次いで、S18に進んで今回の歩容の
基準初期遊脚位置からΔxfoottotal を減算し、S20
に進んで倒立振子型モデルの傾斜角θmdl から、Δxfo
ottotal /htrunk だけ減算する。
【0060】次いでS22に進み、一歩分のサンプリン
グ回数だけS24とS26を繰り返す。即ち、S24で
1周期が経過したことを確認した後、S26に進んで姿
勢演算および制御のサブルーチンを実施する。
【0061】図11はそれを示し、先ずS100におい
て実ロボットの傾斜を計測し、前記した様に幾何学モデ
ルに対する姿勢傾き角偏差θerr と傾き角速度偏差ωer
r を求め、S102に進んでそれらから前記したモデル
操作モーメントMmdl を求め、S104に進んでMmdl
を倒立振子型モデルの支点に加えてモデルの今回の傾斜
角θmdl と角速度ωmdl を求める。次いでS106に進
み、前記した理由から上体ずれΔxを図示の如く求め、
S108に進んで着地までに時間の余裕があれば、倒立
振子型モデルの挙動を予測して着地目標位置パラメータ
の修正量Δxfootを求め、基準歩容の着地目標位置パラ
メータにΔxfootを加算し、着地目標位置パラメータを
修正する。
【0062】これについては先にも述べたが、更に敷衍
すると、着地位置の変更量は、次の一歩の間に、倒立振
子型動力学モデルの傾き角θmdl と傾き角速度ωmdl 、
および幾何学モデルに対する実ロボットの傾き偏差θer
r と傾き角速度偏差ωerr が、なるべく0に収束する様
に決定するべきである。そのためには、θmdl ,ωmdl
,θerr ,ωerr などの現在状態から、着地位置の変
更により、次の一歩の間にθmdl ,ωmdl ,θerr ,ω
err がどの様な挙動を示すかを推測しなければならな
い。
【0063】θerr とωerr はこの発明の根本原理によ
って0に収束するので、やや予測精度が低下するが、θ
err とωerr の現在状態を無視しても支障ない。つま
り、θmdl とωmdl の現在状態だけから予測計算して着
地位置の変更量を決定しても差し支えない。あるいは、
予め、現在状態と着地位置の変更量との関係をシミュレ
ーションによりマップ化しておいて、実際の歩行時にこ
のマップを用いて着地位置の変更量を決定しても良い。
【0064】θmdl とωmdl の現在状態だけから着地位
置の変更量を決定する手法としては、竹馬ロボットなど
で行われている様に、倒立振子型動力学モデルの着地瞬
間の全エネルギ予測値が直立時の全エネルギに一致する
様に、変更量を決定する手法が一般的に知られている。
以下にその手法を説明する。
【0065】着地瞬間の全エネルギ予測値が直立時の全
エネルギに一致するためには、予測される着地直後のθ
mdl とωmdl が数12の式を満足する様に、着地位置が
決定されなければならない。
【0066】
【数12】
【0067】また、直立状態に近づいていくために、θ
mdl とωmdl が逆極性でなければならないから、即ち、
数13の式を満足しなければならない。
【0068】
【数13】
【0069】数12式、数13式より、数14の式が得
られる。
【0070】
【数14】
【0071】数14式を近似すれば、数15の式が得ら
れる。
【0072】
【数15】
【0073】つまり、予測される直立直後のωmdl とθ
mdl との比が、数15式で定められる比になる様に着地
位置修正量Δxfootが決定されれば良い。着地位置を修
正しない場合の予測される着地直後のωmdl とθmdl
は、倒立振子で現在のωmdl ,θmdl ,θerr ,ωerr
から動力学演算により求めることができ、それをωmdle
とθmdleとする。(特に、ωmdl およびθmdl に比べて
θerr およびωerr が無視できるほど小さい場合には、
解析的に容易に求めることができる。)。θmdleをωmd
le/平方根(2mgh/I)に修正できれば、数15式
を満足する。そのためには、前述の様に、着地位置をΔ
xfootだけ修正することによって、θmdlを−Δxfoot
/htrunk だけ操作することができるので、着地位置修
正量Δxfootを数16の式より決定すれば良い。
【0074】
【数16】
【0075】以上の様に、着地位置修正量Δxfootが決
定され、着地目標位置パラメータxfootは、歩容の途中
で修正される。この修正は、着地目標位置を変更したと
きの足平の軌道生成計算が大変な場合には、一歩ごとに
1つずつだけ実行されることとなるが、足平の軌道を本
出願人が近時提案した別の技術(平成4年5月22日出
願、整理番号A92−0493)を用いて発生させれ
ば、着地目標位置の変更をサンプリング周期毎に行うこ
とができる。なぜなら、この技術を用いれば、着地目標
位置パラメータの変更をサンプリング周期ごとに行って
も、足平の軌道は、そこからまた滑らかに修正されるか
らである。但し、着地時刻に近づいてから着地位置を大
幅に変更すると、遊脚軌道が急激に変わるので、着地ま
での残り時間に応じて再修正の可能限界量を求め、それ
を制限値として修正量の変化率にリミットをかけるのが
望ましい。
【0076】図11フロー・チャートにおいては次いで
S110に進んでZMP目標軌道パラメータからZMP
目標位置を算出し、S112に進んで着地目標位置パラ
メータなどの足平軌道パラメータから両足平の位置・姿
勢を算出し、S114に進んで基準歩容の上***置にθ
mdl とhtrunk の積を加算した位置を上体目標位置とし
(上体の目標姿勢は基準通りとする)、S116に進ん
でモデル足平修正によるコンプライアンス制御を行う。
【0077】図12はそれを示すサブルーチン・フロー
・チャートであり、先ずS200において6軸力センサ
36の検出値を取り込み、S202に進んでそれからZ
MP目標位置まわりの実床反力モーメントMact を求
め、S204に進んで図示の様に座標回転角θctrlを算
出し、S206に進んでその値だけ両足平の位置・姿勢
をZMPまわりに回転させ、幾何学モデルの両足平の位
置・姿勢とする。尚、この制御は先の出願(平成4年4
月30日)に詳細に述べられているので、ここではこの
程度の説明に止める。
【0078】次いで、図11フロー・チャートに戻り、
S118に進んで上体目標位置・姿勢と修正された足平
位置・姿勢から幾何学モデルの関節変位を求め、S12
0に進んで実ロボットの関節変位を幾何学モデルの変位
に追従させる制御を行う。
【0079】この実施例は上記の如く、モデルに対する
実ロボットの傾き制御と倒立振子モデルの傾き偏差の一
歩ごとの離散制御により、安定な歩行を実現することが
できる。更に、故意にずらすZMPをモデルのそれとし
たので、先に提案した制御に比べてZMPの移動範囲を
大きくとることができ、姿勢復元力を大きくすることが
できる。従って、何らかの外乱によって傾き偏差が非常
に大きくなっても、接地性を確保したまま、姿勢を安定
に回復することができる。また、姿勢が崩れたときはモ
デルの姿勢をそれに応じて一旦崩し、その後に姿勢を回
復させると共に、実ロボットをそのモデルの姿勢を追従
する様に制御することから姿勢回復を滑らかな動きで実
現することができる。更に、モデルは床と干渉しないこ
とから、モデルに追従する実ロボットも床と干渉するこ
とがなく、また着地衝撃も小さい値に抑制することがで
きる。
【0080】図13はこの発明の第2実施例を示すブロ
ック図である。第1実施例では倒立振子モデルの傾斜制
御において、着地位置を操作量としていたが、第2実施
例ではモデル操作モーメントに、新たに倒立振子モデル
の傾斜に応じた操作量を加えて安定化を図る様にした。
【0081】また第2実施例においては、幾何学モデル
に対する実ロボットの傾き角偏差θerr をPDなどのフ
ィードバック則H1(S)を通して得られる実傾き偏差
制御要求制御量Merrdmd(即ち、Merrdmd=H1(S)
θerr )と、倒立振子モデルの傾斜角θmdl をフィード
バック則H2(S)を通して得られるモデル傾き制御要
求制御量Mmdldmd(即ち、Mmdldmd=H2(S)θmdl
)をリミッタおよび分配器に通して実モーメント操作
量Mactcomm とモデルモーメント操作量Mmdl に分配す
る様にした。
【0082】図14にリミッタおよび分配器を示す。こ
の例においては、実モーメント操作量Mactcomm は、M
errdmdとMmdldmdの和にリミッタをかけることによって
求められる。このリミッタ作用により、実ロボットの床
反力が存在可能領域から超えない様に管理され、実ロボ
ットの接地性が確保される(例えば、平地歩行であれ
ば、床反力のZMPが接地面を含む最小凸多角形の中に
あることが、床反力の存在可能条件である。)。
【0083】モデルモーメント操作量Mmdl は、Mmdld
mdに前記リミッタの入力超過分を加えることによって求
められ、第1実施例と同様、倒立振子型ロボット摂動動
力学モデルに入力される。また、ZMPまわりの実床反
力モーメントMact から床反力モーメントフィードバッ
ク則によって、床反力モーメントフィードバック操作量
θcompが求められる。Mactcomm とコンプライアンス定
数Kcompの積に床反力モーメントフィードバック操作量
θcompを加えることにより、仮想床傾斜角指令が求めら
れる。幾何学モデルの足平位置は、目標足平軌道生成部
で生成される基準歩容の足平位置をZMP目標位置を中
心として、仮想床傾斜角指令の分だけ、座標回転させら
れる。
【0084】実ロボットの傾き角偏差θerr の挙動を決
定するものは、ZMPまわりの実床反力モーメントMac
t とモデルモーメント操作量Mmdl の差である。ところ
で、コンプライアンス制御が十分に柔らかければ、Mac
t は実モーメント操作量Mactcomm にほぼ一致する。従
って、この場合、実ロボットの傾き角偏差θerr の挙動
を決定するものは、Mactcomm とMmdl の差であると言
っても良い。Mactcomm とMmdl の差は、前記リミッタ
が働いても働かなくても常にMerrdmdとなるので、幾何
学モデルに対する実ロボットの傾き角偏差θerr を0に
収束させる制御は常に働く。
【0085】一方、モデルの傾き角θmdl の挙動を決定
するものは、Mmdl である。Mmdlは、前記リミッタが
働いていないときにはMmdldmdに一致し、モデルの傾き
を0に収束させる制御が正常に働く。前記リミッタが働
いているときには、幾何学モデルに対する実ロボットの
傾き角偏差θerr を0に収束させる制御を優先した上
で、可能な範囲でモデルの傾きを0に収束させようと作
用する。更に、Merrdmdがリミッタ設定値に比べて過大
である場合にはモデルの傾き制御が犠牲になり、モデル
の傾きは発散しようとすることもある。即ち、実ロボッ
トのZMPが存在可能領域の限界までまだ余裕があると
きのみ、倒立振子モデル傾斜制御が実行される。従っ
て、瞬間的な外乱や微小外乱に対しては、倒立振子モデ
ルが直立状態に回復できるが、大きな外乱が継続する
と、倒立振子モデルが直立状態に回復できなくなり、ロ
ボット幾何学モデルの姿勢が大きく崩れて転倒する。し
かし、足平の軌道が基準歩容通りであるので、階段や飛
び石の上を歩行するときの様に、着地位置が制約されて
いる際には、第2実施例は好適である。
【0086】ここで、倒立振子モデルの傾き制御ゲイン
の設定について説明する。モデルの傾き角θmdl を0に
収束させる制御則を、例えば数17の式で与えるものと
する。
【0087】
【数17】
【0088】単純倒立振子を、現在状態から、支点にモ
ーメントを加えず、フリーな運動をさせるときに、直立
状態で静止するためには、現在の全エネルギが直立静止
状態の全エネルギに一致していなければならない。つま
り、数18の式が成立していなければならない。
【0089】
【数18】
【0090】また、直立状態に近づいていくために、ω
mdl とθmdl が逆極性でなければならないから、数19
の式を満足しなければならない。
【0091】
【数19】
【0092】数18、数19式より、数20の式を得
る。
【0093】
【数20】
【0094】数20式を近似して数21の式を得る。
【0095】
【数21】
【0096】数21式を満足した状態にあれば、倒立振
子モデルの支点にモデル操作モーメントMmdl を加えな
くても、直立状態で静止する。従って、数21式を満足
する状態でモデル操作モーメントMmdldmdが0になる様
に制御則を設定すれば、倒立振子モデルに必要以上の余
分なモデル操作モーメントMmdl を発生させず、直立状
態に収束させることができる。この様な制御則で数17
の式を満足するものは、数22の式である。
【0097】
【数22】
【0098】数22式を満足していても、Kωをやや小
さめに設定すると、倒立振子の挙動にオーバーシュート
が発生する。Kωをもっと小さく設定すると、重力モー
メントに負けて直立状態に復元できなくなる。直立状態
に復元できてかつオーバーシュートが発生しない様にす
るためには、フィードバックループの特性根が負の実数
になることであり、そのためには、Kωは次の数23式
を満足しなければならない。
【0099】
【数23】
【0100】数22と数23の式を満足する様にゲイン
を設定すれば、Mmdldmdの絶対値が小さく抑えられてM
actcomm の絶対値も小さく抑えられるので、実ロボット
の接地性が高くなる。
【0101】図15から図17は第2実施例の制御を示
すフロー・チャートであり、うち図15はS300から
S310にメイン・ルーチンを、図16はS400から
S422にその姿勢演算および制御のサブ・ルーチン
を、図17はS500からS506にそのコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御のサブ・ルーチンを示す。第
1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、図1
5フロー・チャートにおいてS304とS306との間
には第1実施例の図10のS16からS20に相当する
ステップは存在しない。これは、姿勢演算および制御の
サブルーチンで着地位置修正を行っていないためであ
る。また、図16の姿勢演算および制御サブルーチン・
フロー・チャートにおいては、先に述べた構成からS4
02からS406が追加されると共に、第1実施例の図
11のS108に相当するステップは削除される。また
図17サブルーチン・フロー・チャートにおいてはS5
04の座標回転角の演算で先に述べた様に、実ロボット
操作モーメントMactcomm にコンプライアンス定数Kco
mpを乗じたものが加算される。尚、残余の構成は、第1
実施例と相違しない。
【0102】第2実施例は足平の軌道が基準歩容通りで
あることから、階段や飛び石の上を歩行するときなど、
着地位置が制約される際に特に好適である。
【0103】図18はこの発明の第3実施例を示すブロ
ック図である。第3実施例では、倒立振子モデルの傾斜
制御において、第1実施例と第2実施例の制御を併用し
た。倒立振子モデルを直立状態に回復させるために、瞬
間的な外乱や微小外乱に対しては、主に倒立振子モデル
にモーメントを加える制御が働き、大きな外乱が継続す
ると、主に着地位置や着地タイミングを修正する制御が
働く。
【0104】第3実施例においても、着地位置や着地タ
イミングの修正量は、第1実施例と同様、倒立振子モデ
ルが直立状態に戻る様に決定される。第1実施例に比べ
ると、モデル傾き制御要求制御量Mmdldmdの影響がある
分だけ、モデルの挙動予測演算が複雑になる様に見える
が、モデル傾き制御要求制御量Mmdldmdにより、倒立振
子モデルの発散が抑えられるので、むしろ予測精度が高
いとも言える。特に、第2実施例で述べた倒立振子モデ
ルの傾き制御ゲインの設定値(数22式と数23式を満
足するゲイン)を採用すれば、倒立振子モデルの全エネ
ルギが直立時の全エネルギに一致しているときには、モ
デル傾き制御要求制御量Mmdldmdが0になるので、第1
実施例で説明した、倒立振子型動力学モデルの着地瞬間
の全エネルギ予測値が直立時の全エネルギに一致する様
に、着地位置変更量を決定する手法をそのまま活用する
ことができる。
【0105】図19は第3実施例のS600からS61
6よりなるメイン・ルーチン・フロー・チャート、図2
0はS700からS724よりなるその姿勢演算および
制御サブルーチン・フロー・チャート、図21はS80
0からS806よりなるそのコンプライアンスおよび姿
勢安定化制御サブルーチン・フロー・チャートである。
図19のメイン・ルーチン・フロー・チャートは第1実
施例のそれと、図21のサブルーチン・フロー・チャー
トは第2実施例のそれと同様である。また図20の姿勢
演算および制御サブルーチン・フロー・チャートは、第
2実施例と比べて、着地目標位置パラメータを修正する
ステップS712が追加されている点で異なるのみであ
る。尚、残余の構成は従前の実施例と相違しない。
【0106】第3実施例の場合、前述の如く、倒立振子
モデルを直立状態に回復させるために、瞬間的な外乱や
微小外乱に対しては主に倒立振子モデルにモーメントを
加える制御が働き、大きな外乱が継続すると主に着地位
置や着地タイミングを修正する制御が働くので、第1実
施例に比べ、着地位置の変更量が少なくなり、歩行経路
のふらつきが小さくなると共に、第1実施例、第2実施
例よりも安定度が一層向上する。
【0107】図22はこの発明の第4実施例を示すブロ
ック図である。第1から第3までの実施例では、ロボッ
トのモデルを、基準歩容からの上***置摂動分に対する
動力学モデルと、上体や足平位置と関節角の関係を表現
する幾何学モデルに分割して備えていた。それに対し、
第4実施例では、剛体リンクで構成される動力学・幾何
学複合モデルを備える様にした。その他は後で述べる様
に、大局的姿勢制御部の詳細が異なることを除くと、第
1実施例とほぼ同一構成である。
【0108】第4実施例において、歩容は、ZMP目標
位置、および両足平の位置・姿勢で表現される。両足平
の位置・姿勢については、一歩ごとの足平軌道パラメー
タ(例えば、遊脚着地位置や着地時刻など)が、大局的
姿勢制御部から目標足平軌道生成部に与えられ、目標足
平軌道生成部において、リアルタイムに各瞬間のそれら
の位置や姿勢が算出される。ZMP目標軌道について
は、一歩ごとのZMP目標軌道パラメータが、大局的姿
勢制御部からZMP目標軌道生成部に与えられ、ZMP
目標軌道生成部においてリアルタイムに各瞬間のその位
置が算出される。上体の位置・姿勢については、第1実
施例ないし第3実施例ではZMP目標軌道を満足する様
に、予めオフラインで作成された時系列データとして大
局的姿勢制御部に記憶されていたが、第4実施例ではロ
ボットの幾何学・動力学モデルにてモデルの両足平の位
置・姿勢、ZMP目標軌道およびZMP目標位置まわり
のモデル操作モーメントを基に、リアルタイムに生成さ
れる。
【0109】第4実施例のロボットモデルでは、両足平
の位置・姿勢は、足平軌道生成部から与えられた足平の
位置・姿勢を仮想床傾斜指令θctrlだけ座標回転させた
位置・姿勢に変換される。ロボットモデルでは、上体の
位置・姿勢が、ZMP目標位置に発生する床反力モーメ
ントがMmdl となる様に動力学計算によって求められ、
同時に各関節の変位が求められる。尚、Mmdl が0のと
きには、ロボットモデルのZMP位置はZMP目標位置
に一致するが、Mmdl が0でないときには、ZMP目標
位置にモーメントが発生していることから、もはやZM
P目標位置はロボットモデルのZMP位置ではなく、ロ
ボットモデルのZMP位置は、ZMP目標位置からずれ
たところに存在する。
【0110】モデルの床面には、あらゆる全床反力が発
生可能であると仮定する。即ち、モデルの接地面には吸
着力も発生可能であるとし、例えば、平地歩行において
ZMPが接地面を含む最小凸多角形を超えても、接地面
が離れない(脚と床の間の拘束条件が所期通り確保され
る)ものとする。この様に想定することによって、モデ
ルに対する実ロボットの傾き偏差制御において、実ロボ
ットの全床反力を操作するだけでは不可能であった大き
な復元作用も発生可能となる。従って、フィードバック
ゲインを大きくして短時間で偏差を0に収束させること
ができる。つまり、実ロボットは、関節変位のみなら
ず、傾きまでもモデルに高応答で追従する。但し、モデ
ルの全床反力の床法線方向成分は、上向き(正)になる
様にとるべきである。なぜなら、そうしないと、実ロボ
ットが一瞬床から浮いてしまう恐れがあるからである。
【0111】第4実施例においては、大局的姿勢制御部
において、モデルの挙動やモデルに対する実ロボットの
傾き偏差などから、次の着地位置、着地タイミングまた
はZMP目標軌道などの歩容パラメータを決定する。第
1から第3実施例では基準歩容が存在するので、基準歩
容からのずらし量を決定するだけで済むが、第4実施例
においては基準歩容が存在しないので、歩容パラメータ
の決定が難しくなる。決定をなるべく容易にするために
は、ある基準点から見たロボット全体の角運動量や重心
位置などのマクロな状態量に着目すれば良い。局所的姿
勢制御がこれらのマクロな状態量にあまり影響を与えな
い場合には、これらのマクロな状態量だけから将来の挙
動を予測し、それらのマクロな状態量が発散しない様に
歩容パラメータを決定すれば良い。具体的には、先に述
べた竹馬型2足歩行ロボットの着地位置制御で行われて
いる手法を用いたり、シミュレーションによりマクロな
状態量に応じた適切な着地位置を予め学習させておく手
法などが考えられる。
【0112】第4実施例のロボットにおいては、ゆっく
り歩行する場合には遊脚の反動が無視でき、単純倒立振
子で近似することができる。ロボットが単純倒立振子で
近似できる場合には、角運動量を縦軸に、重心位置を横
軸にとったときの軌跡は、双曲線上を移動することが知
られているので、挙動が解析的に予測でき、着地位置決
定も解析的に行うことができる。竹馬型2足歩行ロボッ
トの着地位置制御では、これを利用している。第4実施
例のロボットが高速で歩行する場合(例えば、3km/
hなど)には、遊脚の反動が無視できなくなり、単純倒
立振子で近似できなくなる。この場合には、解析的な決
定法ではなく、マクロな状態量に応じた適切な着地位置
を予め学習させる手法などが有効である。学習には、人
工知能、ファジー、ニューロなどが使用できよう。
【0113】図23は第4実施例のS900からS91
0よりなるメイン・ルーチン・フロー・チャートを、図
24はS1000からS1014よりなるその姿勢演算
および制御サブルーチン・フロー・チャートを、図25
はS1100からS1106よりなるそのコンプライア
ンス制御サブルーチン・フロー・チャートを示す。図2
5サブルーチン・フロー・チャートは、第1実施例のそ
れと同様である。
【0114】第4実施例においては、第1実施例に比べ
て動力学モデルがより精密になっているので、より正確
な姿勢制御が実現される。特に、大きな外乱が加わって
モデルの姿勢が大幅に崩れても、転倒することなく、復
元することができる。
【0115】図26はこの発明の第5実施例を示すブロ
ック図である。この例において大局的姿勢制御部はな
く、歩容パラメータ決定部は、予め外乱がない状況で長
期的に安定な歩行が実現できる様に設定された一連の歩
容パラメータを吐き出しているだけである。
【0116】第5実施例において、ロボットの幾何学・
動力学モデルとしては、第1モデルと第2モデルの2つ
が備えられる。第1モデルと第2のモデルの初期状態
は、前記の予め設定された一連の歩容の初期状態に一致
させておく。第1モデルには目標足平軌道とZMP目標
軌道が与えられ、ZMP目標軌道を満足する様に上体軌
道が生成される。歩容パラメータ決定部が上に述べた様
に、予め外乱がない状況で長期的に安定な歩行が実現で
きる様に設定された一連の歩容パラメータを吐き出して
いるので、第1モデルの挙動は、その通り忠実に再現す
る。第2モデルには、目標足平軌道とZMP軌道以外
に、第1モデルと第2モデルの上***置の差を0に収束
させる制御の操作量と、第2モデルと実ロボットの姿勢
傾斜ずれを0に収束させる制御の操作量が、ZMP目標
位置まわりにモーメントとして加えられる。
【0117】第2モデルに対する実ロボットの傾き角偏
差θerr をPDなどのフィードバック則H1(S)を通
して得られる実傾き偏差制御要求制御量Merrdmdと、第
1モデルに対する第2モデルの上***置ずれをフィード
バック則H2(S)を通して得られるモデル上***置制
御要求制御量Mmdldmdを第2実施例で用いたと同様なリ
ミッタおよび分配器を通して、実モーメント操作量Mac
tcomm とモデルモーメント操作量Mmdl に分配する。
【0118】ZMPまわりの実床反力モーメントMact
から床反力モーメントフィードバック則によって床反力
モーメントフィードバック操作量θcompが求められる。
Mactcomm とコンプライアンス定数Kcompの積に床反力
モーメントフィードバック操作量θcompを加えることに
より、仮想床傾斜角指令θctrlが求められる。第2モー
メントの足平位置は、目標足平軌道生成部で生成される
足平位置をZMP目標位置を中心として、仮想床傾斜角
指令の分だけ、座標回転させられる。
【0119】第1モデルと第2モデルは、第4実施例の
それと同一で良い。但し、第1モデルにはモデルモーメ
ント操作量Mmdl と仮想床傾斜角指令θctrlが与えられ
ないので、第1モデルを第2モデルと同一のプログラム
で作るならば、第1モデルに入力されるMmdl とθctrl
を0にしておけば良い。
【0120】図27は第5実施例のS1200からS1
210よりなるメイン・ルーチン・フロー・チャート
を、図28はS1300からS1318よりなるその姿
勢演算および制御サブルーチン・フロー・チャートを、
図29はS1400からS1406よりなるそのコンプ
ライアンスおよび姿勢安定化制御サブルーチン・フロー
・チャートを示す。第2実施例のそれらとほぼ同様であ
る。
【0121】第2実施例では予め上体軌道が生成されて
いるのに対し、第5実施例では目標ZMP軌道を満足す
る様に、第1モデルにおいてリアルタイムに上体軌道が
生成される。第5実施例の効果は、本質的に第2実施例
と同じである。ただ、動力学モデルがより忠実になって
いるため、姿勢安定化制御の精度が高く、モデルの姿勢
が大きく崩れても復元することができる。
【0122】図30はこの発明の第6実施例を示すブロ
ック図である。第6実施例ではモデルの姿勢安定化にお
いて、第4実施例と第5実施例の制御を併用した。第6
実施例においては、第2モデルの角運動量や重心位置な
どのマクロな状態量をある範囲に収めるために、瞬間的
な外乱や微小外乱に対しては主に実ロボットと第2モデ
ルにモーメントを加える制御が働き、大きな外乱が継続
すると、主に着地位置や着地タイミングを変更する制御
が働く。
【0123】第1モデルは、歩容の切り替わり目におい
て、第2モデルの状態に合わせる(つまり、一歩ごとの
歩容の初めに強制的に第1モデルの初期状態を第2モデ
ルのそのときの状態に合わせる)。こうしないと、過大
な外乱が長期的に実ロボットに加わって、第2モデルに
対する実ロボットの傾斜ずれが大きくなったときに、こ
の傾斜ずれを修正しようとして第2モデルに大きな操作
モーメントが作用すると、第1モデルと第2モデルの姿
勢ずれを0に収束させる制御が十分効かず、第1モデル
と第2モデルの姿勢ずれが発散してしまうからである。
但し、第1モデルの初期状態を第2モデルに急激に合わ
せると、第1モデルと第2モデルの姿勢ずれを0に収束
させる制御の操作量が急激に変化する恐れがあるので、
第1モデルと第2モデルの姿勢ずれを0に収束させる制
御のフィードバックゲインを歩容の変わり目の直前に連
続的に下げておいた方が良い。
【0124】第4実施例では不確定な外乱が実ロボット
に加わることによって、モデルの挙動も不確定な挙動を
示すため、モデルの将来挙動の予測精度が低下する。第
6実施例では、一歩の間、第2モデルは第1モデルの挙
動に収束しようとする。一歩の間、第1モデルの挙動に
は実ロボットに加わる外乱の影響を受けないので、第1
モデルの挙動は、確定的に予想できる。従って、実ロボ
ットに加わる外乱によって第2モデルの挙動が変化して
も、しばらくすれば第1モデルの挙動に収束しようとす
るので、第2モデルの挙動の不確定性が減少する。即
ち、第6実施例では、第4実施例に比べ、着地位置など
の歩容パラメータを操作することによる姿勢安定化作用
がより確実に働くこととなる。
【0125】図31は第6実施例のS1500からS1
510よりなるメイン・ルーチン・フロー・チャート、
図32はS1600からS1620よりなるその姿勢演
算および制御サブルーチン・フロー・チャート、図33
はS1700からS1706よりなるそのコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御サブルーチン・フロー・チャ
ートである。
【0126】第6実施例の場合は、第4実施例に比べ、
モデルの将来の挙動の不確定性が小さいので、より確実
かつ長期的な姿勢安定化が実現される。
【0127】尚、第6実施例では、第1モデルと第2モ
デルの偏差を歩容の切り替わり目で強制的に0にしてい
たが、それ以外の時期でも偏差が過大になったとき、第
1モデルと第2モデルロボットの偏差を0に収束させる
様に第1モデルに操作モーメントを加える制御を実行し
ても良い。但し、第1モデルに操作モーメントを加える
と、上体の位置がずれて第1モデルの姿勢が崩れようと
する。そこで、姿勢の崩れを防ぐために、第1モデルに
操作モーメントを加えるときには同時に着地位置などの
歩容パラメータも修正する。ところで、着地直前に、着
地位置や着地時期を大きく変更すると、脚の挙動が急激
に変化する。即ち、着地までの時間余裕が少なくなって
くるにつれ、着地位置や着地時期の修正可能量は小さく
なる。従って、第1モデルに操作モーメントを加え、そ
れに見合った着地位置などの修正を行う際には、着地ま
での時間余裕が少なくなるにつれ、操作モーメントの印
加量の制限値も小さくするべきである。
【0128】更に、第5、第6実施例においては、動力
学モデルが2段に構成されている。これを更に段数を増
やし、実ロボットとモデルとの偏差、およびモデルと他
のモデルとの偏差を制御する様にしても良い。上位のモ
デル(即ち、多段連結モデルのうちで実ロボットから遠
く離れているモデル)ほど実ロボットに作用する外乱の
影響が小さくなり、モデルの挙動予測精度が高くなる。
従って、上位のモデルの挙動を基に着地位置修正量を求
めれば、上位のモデルの姿勢安定性が確保でき、それよ
り下位のモデルはモデル操作モーメントを制御すること
によって上位のモデルに追従するので、結果的に実ロボ
ットと全モデルすべての姿勢安定性が確保される。摂動
モデルを用いた場合も同様である。
【0129】ここで、第2実施例などで用いたリミッタ
および分配器について説明を補足する。リミッタおよび
分配器の目的は、実ロボットの接地性を確保しながら、
制御操作量を分配することであるが、リミッタの変形例
としては、第2実施例で挙げた例以外に、以下の様な手
法やそれらの組み合わせが考えられる。 a.制御則によってモーメントの次元で算出される操作
量に、一定の制限を加える手法 b.床反力の床垂直方向成分の実際値あるいは設計値に
応じて、モーメントの次元で算出される操作量の制限値
を変動させる手法 この場合、(ZMPのずれ量=モーメント/床反力垂直
成分)であるから、リミッタは、ZMP目標位置からZ
MP存在領域の境界までの距離余裕×床反力垂直成分の
値に応じて変動させる方が、より的確に接地性が確保さ
れる。 c.目標ZMP位置からZMP存在可能領域の境界まで
の余裕によって、モーメントの次元で算出される操作量
の制限値を変動させる手法 例えば、平地歩行では両脚支持期の間はZMP存在可能
領域が大きいので、実ロボットに大きな復元力を発生さ
せることができる。 d.制御則によって求められる操作量を一旦ZMP位置
のずれに変換し、これに目標ZMP位置からZMP存在
可能領域の境界までの余裕に応じた制限を加える手法 e.操作量がPD制御則によって求められる場合、P成
分から求められる操作量にのみ制限を加え、発振を抑え
るダンピング効果を持つD成分には制限を加えない手
法、あるいはその逆の手法 f.実床反力モーメントMact が限界値を超えない様
に、Mact に応じて制限値が可変となるリミッタに、実
床反力操作モーメントMactcomm を通す手法 g.Mact が限界値を超えたら、超えた分に、あるゲイ
ンを乗じてMactcomm から減算する手法 h.実ロボットの床反力計測値から実ロボットのZMP
位置を求め、これがZMP存在可能領域を超えそうにな
ったら、それ以上Mactcomm の絶対値を増やさない手法
【0130】更に、分配を数24の式の様に単純に比例
配分する手法も考えられる。
【0131】
【数24】
【0132】また、周波数帯域に応じて分配する手法も
考えられる。例えば、実ロボットの床反力操作量Mactc
omm には、実傾き偏差制御要求制御量Merrdmdとモデル
傾き(あるいはモデル上***置)制御要求制御量Mmdld
mdの高域成分だけを与え、低域をモデル操作量Mmdl に
与えれば、リミッタをかけなくても実ロボットの床反力
操作量は小さく抑えられるので、接地性は高くなる。
【0133】また、第2実施例ではフィードバック則で
操作量を求めてから、リミッタおよび分配器に通してい
るが、逆の順序で求めても良く、あるいは分配器の前後
両方にリミッタを挿入する手法なども考えられよう。
【0134】更に、第1実施例から第6実施例で述べた
歩容についての記述を補足すると、通常、歩容は接地を
確保するための床反力に関する要件とその他の拘束条件
により記述され、これらを満足する様に関節変位が決定
される。拘束条件としては、足平軌道や上体姿勢、関節
の変位が無理な挙動をしないための上体高さの決定式な
どが用いられる。床反力に関する要件としては、代表的
なものとして例えば、平面床歩行においてはZMPの存
在可能領域が知られている。接地面を含む最小凸多角形
がZMPの存在可能領域であり、その中にZMP目標軌
道を設定し、歩容からオイラー・ニュートン方程式など
を用いて動力学的に求められるZMPが、ZMP目標軌
道に一致する様に歩容が生成される。また、床反力に関
する要件の代わりに、足首トルクの様なある特定の部位
に作用する力やモーメントに関する要件を与えても良
い。例えば、2足歩行ロボットの片脚支持期において
は、支持脚足首は床に近いので、足首トルクは、足首の
床への垂直投影点に作用する床反力モーメントと密接な
関係を持つからである。
【0135】また、動力学モデルでは、目標床反力の要
件を満足するモデルの挙動を求めなければならない。目
標床反力の要件とは、例えば、ZMP目標位置にモーメ
ントMmdl が発生することである。ところで、モデルの
足平位置・姿勢と上体の姿勢は歩容生成部から与えられ
ているので、片脚あたり6自由度の実施例に係るロボッ
トでは、上体の姿勢を決定すれば、全関節の変位が決定
される。上体のうち、高さは例えば、各瞬間における膝
などの関節の変位、速度、加速度などがアクチュエータ
の能力を超えない様に、かつ床垂直抗力が負にならない
様に決定される。従って、上体の位置のうちで、残った
上体の前後左右の挙動によって目標床反力の要件を満足
させることとなる。しかし、各瞬間における目標床反力
の要件を満足する上体前後左右位置を解析的に直接求め
ることは困難であるので、実際には逆に上体の位置を与
え、それに対する床反力を求めながら、擬似的なニュー
トン法などの収束法により、目標床反力の要件を満足す
る上体の位置を探索する。尚、演算の高速性を重視する
場合には、多少の誤差を生じても、探索回数に制限を加
えれば良い。極端な場合、探索回数は1回にしても良い
であろう。
【0136】また、両脚支持期にはMact を大きくして
も接地性が失われない。そこで、両脚支持期にリミッタ
制限値を大きくしたり、モデル上***置制御則などのゲ
インを高くしても良い。
【0137】また、歩行の環境や目的によって、姿勢を
重視したいときと、階段や飛び石上の歩行の様に着地位
置精度を重視したいときとがある。そこで、各制御ゲイ
ンを可変にすると、状況に応じたより緻密な制御が実現
できる。例えば、姿勢安定を重視したいときには、モデ
ル上***置制御(あるいはモデル傾き制御)の制御ゲイ
ンを下げて要求制御量Mmdldmdを小さくし、モデル傾き
(あるいはモデル上***置)を0に収束させる制御を主
に着地位置などの歩容パラメータ修正によって行う。こ
うすれば、実ロボットの操作モーメントMactcomm が小
さくなって、実ロボットのZMP位置がZMP存在可能
領域の中央付近に寄ってくるので、安定余裕が大きくな
るからである。但し、その代わり着地位置などの歩容パ
ラメータが大きく修正されるので、着地位置精度は悪く
なる。また歩行の環境や目的によって、制御則の周波数
ゲイン特性を調整しても、状況に応じたより緻密な制御
が実現できる。
【0138】尚、上記した第1ないし第6実施例におい
て、実ロボットの床反力のフィードバック制御として、
コンプライアンス制御を導入しているが、トルク制御を
導入しても良い。床の形状が既知で、床の凹凸による外
乱があまり発生しない場合や、メカニカル機構によって
コンプライアンスが実現されている場合には、特に床反
力フィードバック制御を行わなくても良い。その場合で
もこの発明の効果が失われる訳ではない。
【0139】更に、上記において2足歩行の脚式移動ロ
ボットを例にとって説明してきたが、それに限られるも
のではなく、この発明は3足以上の脚式移動ロボットに
も妥当し、更には脚式に限らず、車輪型やクローラ型な
ど他の形態の移動ロボットに妥当するものである。
【0140】
【発明の効果】請求項1項にあっては、制御対象のモデ
ルを少なくとも1つ備えるモデル追従型の脚式移動ロボ
ットの姿勢安定化制御装置であって、前記モデルと実ロ
ボットの傾斜などの状態量の偏差に応じた操作量を少な
くとも前記モデルにフィードバックしてモデルの挙動を
修正する様に構成したので、何らかの外乱などによって
前記傾き角(角速度)偏差が非常に大きくなっても、接
地性を確保したまま(即ち、足裏が浮かない様にしなが
ら)、前記モデルと実ロボットの床反力の差を活用して
大きな姿勢復元作用を得ることができる。またモデルは
床と干渉しないから、モデルに追従する実ロボットも床
と干渉せず、着地衝撃を小さい値に抑制することができ
る。
【0141】請求項2項にあっては、制御対象のモデル
を少なくとも2つ備えるモデル追従型の脚式移動ロボッ
トの姿勢安定化制御装置であって、前記モデルと実ロボ
ットの傾斜などの状態量の偏差及び/又は前記モデル間
の傾斜などの状態量の偏差に応じた操作量を少なくとも
前記モデルのいずれかにフィードバックしてモデルの挙
動を修正する様に構成したので、上位のモデル(即ち、
多段連結モデルのうちで実ロボットから遠く離れている
モデル)ほど実ロボットに作用する外乱の影響が小さく
なり、モデルの挙動予測精度が高くなって、実ロボット
と全モデルすべての姿勢安定性を一層確実に実現するこ
とができる。
【0142】請求項3項にあっては、制御対象のモデル
を少なくとも1つ備えるモデル追従型の脚式移動ロボッ
トの姿勢安定化制御装置であって、前記モデルと実ロボ
ットの傾斜などの状態量の偏差に応じた操作量を前記モ
デルと実ロボットに分配しつつフィードバックしてモデ
ルの挙動を修正する様に構成したので、請求項1項で述
べた効果に加え、モデルの姿勢の崩れをある程度は抑制
することができる。
【0143】請求項4項にあっては、制御対象のモデル
を少なくとも1つ備えるモデル追従型の脚式移動ロボッ
トの姿勢安定化制御装置であって、前記モデルに対する
実ロボットの傾き偏差に応じて前記モデルに与える床反
力目標値を修正し、修正された床反力目標値を満足する
様に前記モデルの歩容を修正して前記傾き偏差を収束さ
せる様に構成したので、請求項1項で述べた効果をより
直接的に得ることができる。
【0144】請求項5項にあっては、制御対象のモデル
を少なくとも1つ備えるモデル追従型の脚式移動ロボッ
トの姿勢安定化制御装置であって、前記モデルと実ロボ
ットの傾き偏差に応じた操作量を前記モデルと実ロボッ
トに分配しつつ与えて床反力目標値を修正し、修正され
た床反力目標値を満足する様に前記モデルも歩容を修正
して前記傾き偏差を収束させる様に構成したので、請求
項1項で述べた効果をより直接的に得ることができると
共に、一層効果的にモデルの姿勢を回復することができ
る。
【0145】請求項6項にあっては、脚式移動ロボット
の姿勢安定化制御装置において、実ロボットの力学モデ
ルを基に接地性が保証される様に床反力が設計された基
準歩容からの挙動摂動分と、床反力摂動分の関係を模擬
する少なくとも1つの摂動動力学モデル、目標歩容と実
ロボットの姿勢傾き偏差を検出する手段、および前記偏
差を小さくする様に、前記摂動動力学モデルに床反力を
与え、それによって生じた摂動動力学モデルの変位に応
じて前記基準歩容を修正したものを前記目標歩容として
前記実ロボットの関節変位を追従させる手段を備える様
に構成したので、請求項1項で述べた効果に加えて、演
算量を低減することができ、コンピュータを用いて実現
するときもその能力が低いもので足りる。
【0146】請求項7項にあっては、脚式移動ロボット
の姿勢安定化制御装置において、実ロボットの力学モデ
ルを基に接地性が保証される様に床反力が設計された基
準歩容からの挙動摂動分と、床反力摂動分の関係を模擬
する少なくとも1つの摂動動力学モデル、実ロボットの
リンク構造を表す幾何学モデル、前記幾何学モデルと実
ロボットの姿勢傾き偏差を検出する手段、および前記偏
差を小さくする様に前記摂動動力学モデルに床反力を加
え、それによって生じた摂動動力学モデルの変位に応じ
て前記基準歩容を前記幾何学モデル上で修正し、幾何学
モデルの関節変位を目標として前記実ロボットの関節変
位を追従させる手段を備える様に構成したので、請求項
6項で述べた効果に加えて、床との干渉をより小さくす
ることができる。
【0147】請求項8項にあっては、少なくとも着地位
置などの歩容パラメータを修正して前記モデルの姿勢を
安定に保つ様に構成したので、従前までの請求項で述べ
た効果に加えて、一層簡易にモデルの姿勢を安定に回復
することができる。
【0148】請求項9項にあっては、少なくとも新たな
床反力を加えて前記モデルの姿勢を安定に保つ様に構成
したので、請求項8項で述べたと同様の効果を得ること
ができる。
【0149】請求項10項にあっては、着地位置などの
歩容パラメータを修正すると共に、新たな床反力を加え
て前記モデルの姿勢を安定に保つ様に構成したので、従
前までの請求項で述べた効果に加えて、一層効果的にモ
デルの姿勢を安定に回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本出願人が先に提案したZMP制御を示
す説明図である。
【図2】図1に示す制御において実ZMPが目標ZMP
(モデルから設定されるZMP)からずれた状態を示す
説明図である。
【図3】この発明に係る脚式移動ロボットの姿勢安定化
制御装置の特徴(原理)を示す説明図である。
【図4】この発明の原理(特徴)を説明するものであっ
て、単純な実ロボットの構造パラメータと実ロボットの
基本局所制御を示す説明図である。
【図5】図4に例示したものとこの発明の原理(特徴)
を比較する説明ブロック図である。
【図6】図5に示すブロック図を変形したものを簡略的
に示す説明図である。
【図7】この発明に係る脚式移動ロボットの姿勢安定化
制御装置を全体的に示す概略図である。
【図8】図7に示す制御ユニットのブロック図である。
【図9】この発明の第1実施例の動作を示すブロック図
である。
【図10】第1実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図11】図10フロー・チャートのうちの姿勢演算お
よび制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図12】図10フロー・チャートのうちのコンプライ
アンス制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図13】この発明の第2実施例の動作を示すブロック
図である。
【図14】第2実施例で使用するリミッタおよび分配器
を説明するブロック図である。
【図15】第2実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図16】図15フロー・チャートの中の姿勢演算およ
び制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図17】図15フロー・チャートの中のコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御のサブルーチン・フロー・チ
ャートである。
【図18】この発明の第3実施例の動作を示すブロック
図である。
【図19】第3実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図20】図19フロー・チャートの中の姿勢演算およ
び制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図21】図19フロー・チャートの中のコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御のサブルーチン・フロー・チ
ャートである。
【図22】この発明の第4実施例の動作を示すブロック
図である。
【図23】第4実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図24】図23フロー・チャートの中の姿勢演算およ
び制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図25】図23フロー・チャートの中のコンプライア
ンス制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図26】この発明の第5実施例の動作を示すブロック
図である。
【図27】第5実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図28】図27フロー・チャートの中の姿勢演算およ
び制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図29】図27フロー・チャートの中のコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御のサブルーチン・フロー・チ
ャートである。
【図30】この発明の第6実施例の動作を示すブロック
図である。
【図31】第6実施例の動作を示すメイン・ルーチン・
フロー・チャートである。
【図32】図31フロー・チャートの中の姿勢演算およ
び制御のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図33】図31フロー・チャートの中のコンプライア
ンスおよび姿勢安定化制御のサブルーチン・フロー・チ
ャートである。
【符号の説明】
1 脚式移動ロボット(2足歩行ロボ
ット) 2 脚部リンク 10R,10L 脚部回旋用の関節 12R,12L 腰部のロール方向の関節 14R,14L 腰部のピッチ方向の関節 16R,16L 膝部のピッチ方向の関節 18R,18L 足首部のピッチ方向の関節 20R,20L 足首部のロール方向の関節 22R,22L 足平 24 上体 26 制御ユニット 36 6軸力センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象のモデルを少なくとも1つ備え
    るモデル追従型の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置であって、前記モデルと実ロボットの傾斜などの状態
    量の偏差に応じた操作量を少なくとも前記モデルにフィ
    ードバックしてモデルの挙動を修正することを特徴とす
    る脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置。
  2. 【請求項2】 制御対象のモデルを少なくとも2つ備え
    るモデル追従型の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置であって、前記モデルと実ロボットの傾斜などの状態
    量の偏差及び/又は前記モデル間の傾斜などの状態量の
    偏差に応じた操作量を、少なくとも前記モデルのいずれ
    かにフィードバックしてモデルの挙動を修正することを
    特徴とする脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置。
  3. 【請求項3】 制御対象のモデルを少なくとも1つ備え
    るモデル追従型の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置であって、前記モデルと実ロボットの傾斜などの状態
    量の偏差に応じた操作量を前記モデルと実ロボットに分
    配しつつフィードバックしてモデルの挙動を修正するこ
    とを特徴とする脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置。
  4. 【請求項4】 制御対象のモデルを少なくとも1つ備え
    るモデル追従型の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置であって、前記モデルに対する実ロボットの傾き偏差
    に応じて少なくとも前記モデルに与える床反力目標値を
    修正し、修正された床反力目標値を満足する様に前記モ
    デルの歩容を修正して前記傾き偏差を収束させることを
    特徴とする脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置。
  5. 【請求項5】 制御対象のモデルを少なくとも1つ備え
    るモデル追従型の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置であって、前記モデルと実ロボットの傾き偏差に応じ
    た操作量を前記モデルと実ロボットに分配しつつ与えて
    床反力目標値を修正し、修正された床反力目標値を満足
    する様に前記モデルの歩容を修正して前記傾き偏差を収
    束させることを特徴とする脚式移動ロボットの姿勢安定
    化制御装置。
  6. 【請求項6】 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置
    において、 a.実ロボットの力学モデルを基に接地性が保証される
    様に床反力が設計された基準歩容からの挙動摂動分と、
    床反力摂動分の関係を模擬する少なくとも1つの摂動動
    力学モデル、 b.目標歩容と実ロボットの姿勢傾き偏差を検出する手
    段、 および c.前記偏差を小さくする様に、少なくとも前記摂動動
    力学モデルに床反力を与え、それによって生じた摂動動
    力学モデルの変位に応じて前記基準歩容を修正したもの
    を前記目標歩容として前記実ロボットの関節変位を追従
    させる手段、を備えたことを特徴とする脚式移動ロボッ
    トの姿勢安定化制御装置。
  7. 【請求項7】 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置
    において、 a.実ロボットの力学モデルを基に接地性が保証される
    様に床反力が設計された基準歩容からの挙動摂動分と、
    床反力摂動分の関係を模擬する少なくとも1つの摂動動
    力学モデル、 b.実ロボットのリンク構造を表す幾何学モデル、 c.前記幾何学モデルと実ロボットの姿勢傾き偏差を検
    出する手段、 および d.前記偏差を小さくする様に、少なくとも前記摂動動
    力学モデルに床反力を与え、それによって生じた摂動動
    力学モデルの変位に応じて前記基準歩容を前記幾何学モ
    デル上で修正し、幾何学モデルの関節変位を目標として
    前記実ロボットの関節変位を追従させる手段、を備えた
    ことを特徴とする脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置。
  8. 【請求項8】 少なくとも着地位置などの歩容パラメー
    タを修正して前記モデルの姿勢を安定に保つことを特徴
    とする請求項1項ないし7項のいずれかに記載の脚式移
    動ロボットの姿勢安定化制御装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも新たな床反力を加えて前記モ
    デルの姿勢を安定に保つことを特徴とする請求項1項な
    いし7項のいずれかに記載の脚式移動ロボットの姿勢安
    定化制御装置。
  10. 【請求項10】 着地位置などの歩容パラメータを修正
    すると共に、新たな床反力を加えて前記モデルの姿勢を
    安定に保つことを特徴とする請求項1項ないし7項のい
    ずれかに記載の脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装
    置。
JP16429792A 1992-05-29 1992-05-29 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置 Expired - Lifetime JP3269852B2 (ja)

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