JPH05325646A - 透明導電性基板及びその製造方法 - Google Patents

透明導電性基板及びその製造方法

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JPH05325646A
JPH05325646A JP5032253A JP3225393A JPH05325646A JP H05325646 A JPH05325646 A JP H05325646A JP 5032253 A JP5032253 A JP 5032253A JP 3225393 A JP3225393 A JP 3225393A JP H05325646 A JPH05325646 A JP H05325646A
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JP
Japan
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transparent conductive
substrate
film
conductive film
substrate member
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Pending
Application number
JP5032253A
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English (en)
Inventor
Masaya Yukinobu
雅也 行延
Soichi Kawada
宗一 川田
Yasuo Chikui
泰夫 筑井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Tohoku Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Tohoku Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd, Tohoku Chemical Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面抵抗が低く且つ光学特性の優れた透明導
電性基板とその製造方法を提供すること。 【構成】 本透明導電性基板は、可視光線を透過する基
板部材と、基板部材上に形成された透明なオーバーコー
ト層と、オーバーコート層上に形成された導電性の超微
粒子を含む透明導電膜とから成る。この透明導電性基板
は、基材上に透明導電インクを印刷又は塗布して硬化さ
せた後オーバーコート層を形成させたものを接着剤で基
板部材に貼り合わせ、基材を剥離することにより製造さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タッチパネル,液晶装
置又はエレクトロルミネセント表示素子等における透明
電極等として用いられる透明導電性基板とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に透明導電膜は、インジウム−錫酸
化物(ITO)や錫−アンチモン酸化物(ATO)等の
酸化物をスパッター法やCVD法によりガラス又はプラ
スチックフィルム上に成膜して得られるが、これらの方
法は高価な装置を必要とし、生産性が低いため安価に得
ることは困難であり、又大面積の膜を得るのに適してい
ない。
【0003】そこで、従来これらの問題を解決するため
に、導電性の超微粉を含む透明導電インクを基材に印刷
し硬化させて透明導電回路を形成する方法が用いられて
来た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この透明導
電インクは、導電性超微粉をフイラーとし、熱可塑性樹
脂,熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂等の樹脂をバイ
ンダーとし、その他に溶剤及び少量の分散剤等の添加剤
を含んでいる。そして、この透明導電インクをガラスや
プラスチックフィルム上に印刷した後硬化(乾燥硬化,
熱硬化,紫外線硬化)させると、フイラーとしての導電
性超微粉がバインダーとしての樹脂により相互に接触し
た状態で固定されて、導電性塗膜となる。従って、バイ
ンダーとして用いられる樹脂の量が多過ぎると、フイラ
ー粒子間に樹脂が介在して粒子同志の接触を妨害するた
め、塗膜の表面抵抗が増大する。一方、樹脂の量が少な
いと、フイラー粒子の接触は良好で塗膜の表面抵抗は低
下するが、粒子間に空隙が生じ、この空隙が光の散乱因
子となって塗膜の光学特性である光の透過率が低下し、
塗膜のヘーズ値(くもりの度合)が増加すると同時に膜
強度や密着力が低下する。従って、バインダーとして用
いる樹脂量には最適値が存在するが、例えば、抵抗を重
視すれば塗膜のヘーズ値が増大して光学的には不十分な
膜となり、従来の印刷法では、塗膜の表面抵抗と光学特
性の双方を共に満足させることは不可能であった。
【0005】又、ITO超微粒子を含むインクをガラス
等の基板に塗布した後500℃以上の高温で焼成するこ
とにより透明導電膜を形成する方法も知られているが、
この方法では、高温でITO超微粒子同志が緩やかに焼
結するために、常温で行う上記印刷法に較べて膜の表面
抵抗は著しく低下するが、基板部材としてポリエステル
等のプラスチックフィルムを用いることはできず、又I
TO超微粒子間に空隙が残るため透明導電膜の光学特性
については印刷法と同様に問題があった。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、表面抵抗が低く且つ光学特性の優れた透明導電
性基板及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による透明導電性基板は、可視光線を透過す
る基板部材と、基板部材上に形成された透明なオーバー
コート層と、このオーバーコート層上に形成された導電
性の超微粒子を含む透明導電膜とを備えている。導電性
の微粒子は好ましくは粒径が0.1μm以下のインジウ
ム−錫酸化物であり、透明導電膜の比抵抗は0.05Ω
・cm以下であるか、又は光透過率は70%以上で表面抵
抗は200Ω/□以下である。
【0008】又、本発明によれば、この透明導電性基板
は、基材上に透明導電インクを印刷又は塗布して乾燥す
ることにより透明導電膜を形成するか或いは乾燥後これ
に紫外線を照射するか又はこれを焼成し透明導電膜を形
成した後、この導電膜上にオーバーコート液を塗布する
ことによりオーバーコート層を形成せしめ、次に上記オ
ーバーコート液又は接着剤により上記オーバーコート層
を可視光線を透過する基板部材に対面させた状態で上記
基材と基板部材とを貼り合わせた後上記オーバーコート
層及び/又は接着剤を硬化せしめ、硬化後上記基材を剥
離することにより基板部材上に上記オーバーコート層と
透明導電膜を転写させて、製造される。
【0009】更に本発明によれば、この透明導電性基板
は、基材上に樹脂又は不活性ガス中で熱処理された樹脂
から成る厚さ0.2μm以下か、又は導電性酸化物超微
粉を含む厚さ0.5μm以下の一次コーティング層を形
成した後、この一次コーティング層上に透明導電インク
を印刷又は塗布して乾燥した後、焼成することにより透
明導電膜を形成した後、この透明導電膜上にオーバーコ
ート液を塗布することによりオーバーコート層を形成せ
しめ、次にこのオーバーコート液又は接着剤により上記
オーバーコート層を可視光線が透過する基板部材に対面
させた状態で基材と基板部材とを貼り合わせた後、オー
バーコート層及び/又は接着剤を硬化せしめ、硬化後、
上記基材を剥離することにより基板部材上に上記オーバ
ーコート層と透明導電膜を転写させて、製造される。
【0010】本発明によれば、基材としてプラスチック
フィルム,プラスチックロール,ゴムフィルム,ゴムロ
ール,セラミック板,金属板又は金属ロール等が用いら
れ、基板部材としてポリエステル又はポリエーテルサル
フォン等のプラスチックフィルム,硝子等が用いられ、
透明導電インクとしてインジウム−錫酸化物又は錫−ア
ンチモン酸化物等の酸化物系の超微粉を溶剤に分散させ
るか或いはこれに更に熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂又は
紫外線硬化性樹脂を加えて分散させて用いられ、オーバ
ーコート液又は接着剤として紫外線硬化性樹脂又は熱硬
化性樹脂が用いられ、焼成は先づ大気中300〜800
℃で次に不活性ガス中300〜800℃で行われる。
【0011】
【作用】基材の面の平滑度は、本発明によって得られる
透明導電膜の表面の平滑度となる。従って、好ましくは
基材には平滑な面を有する硝子,セラミック,ポリイミ
ド等の耐熱性プラスチック,金属等が用いられる。従来
の印刷法では、印刷は2〜5μmの膜厚を以て行われる
ため印刷部分と基材との間には2〜5μmの凹凸が生じ
るが、本発明方法では、平滑な基材を用いることで上記
凹凸を0.2μm以下に抑えることができる。基材の形
状は、平面でも曲面でもよく、例えばフィルム状,板
状,ロール状等が用いられる。
【0012】基材上及び一次コーティング層上への透明
導電インクの印刷には、スクリーン印刷法,グラビア印
刷法等が用いられ、基材上への透明導電インクの塗布に
は、ワイヤーバーコーティング法,ドクターブレードコ
ーティング法,ロールコーティング法等が用いられる。
【0013】透明導電インクは、フイラーとしての粒径
0.1μm以下のITO等の導電性超微粉と、バインダ
ーとしての熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,紫外線硬化樹
脂と、溶剤と、分散剤等の添加剤とから成り、印刷又は
塗布後は乾燥,熱又は紫外線により硬化される。透明導
電インクでは、表面抵抗を小さくするためにフイラーを
多量に入れる。このため、印刷又は塗布された導電膜は
ポーラスになる傾向があり、そのため導電膜中の空隙が
光の散乱源となり、膜の光学特性を劣化させる。
【0014】例えば、フイラーとしてITO超微粉を用
いる場合は、ITO超微粉を溶剤又はインクの粘度調節
のためにアクリル等の樹脂を溶解した溶剤に分散させて
透明導電インクとする。基材上にこの導電インクを印刷
又は塗布し乾燥した後、大気中で約400℃に加熱して
インク中の樹脂及び少量残留している溶剤を酸化燃焼さ
せる。更にこれを不活性ガス雰囲気中400℃〜500
℃で加熱し、ITO微粒子間の焼結を進めると同時にI
TOに酸素欠損を導入して、膜の低抵抗化を行う。透明
導電膜の膜特性はITO膜の厚さにより決まるが、例え
ば、400℃の焼成では約1μm膜厚で約100Ω/□
程度の抵抗値の膜が得られる。このようにして、例えば
ポリイミドフィルム上に低抵抗のITO透明導電膜を形
成することができるが、ポリイミドは褐色であり、又形
成されたITO膜も粒子間に空隙が存在して光を散乱さ
せるため、膜の光学特性にも問題があり、このままでは
透明導電膜として用いることはできない。
【0015】一次コーティング層を形成するインクは、
フイラーとしての粒径0.1μm以下のITO等の導電
性酸化物超微粉と、バインダーとしてのアクリル樹脂等
の熱可塑性樹脂と、溶剤及び分散剤等の添加剤とから成
る液、又はアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を溶剤等に溶
解した液である。透明導電インクは、一次コーティング
層を形成するインクと同様の構成でもよいし、バインダ
ーとしての樹脂を用いない導電性超微粉と溶剤及び分散
剤等からなるインクであってもよい。
【0016】一次コーティング層を基材上に形成する理
由は、一次コーティング層を形成することなく、本発明
の製造工程に従って透明導電膜を作成しようとすると、
最後の転写工程で、転写がうまく行われないからであ
る。その原因は、500℃を超える高温の焼成では基材
と透明導電膜中の酸化物粒子との間に焼結が進み、基材
と透明導電膜との界面の密着力が強くなるからと推測さ
れる。そこで一次コーティング層を設ければ、基材と透
明導電膜との界面の密着力を弱めることができる。
【0017】一次コーティング層を形成するインクで
は、インク中の樹脂が少ないと、つまり導電性酸化物超
微粉が多いと、基材と一次コーティング層が強く密着す
る。したがって、インク中の樹脂の割合を多目にするこ
とで、基材と一次コーティング層との界面での酸化物粒
子の密度を、低下させることが必要である。一次コーテ
ィング層中の樹脂は、最終的には酸化除去されるので、
多少多くても抵抗に影響を与えない。一方、一次コーテ
ィング層は、酸化物粒子が粗に詰まっているので、光学
的にはよくない。そのため、一次コーティング層の膜厚
は、0.5μm以下が好ましい。
【0018】又、一次コーティング層を形成する塗布液
では、形成された一次コーティング層は最終的に完全に
消失するため、膜厚を0.2μm以下にする必要があ
る。その膜厚が0.2μmを超えると、透明導電膜は基
材に密着せず総て剥離してしまう。
【0019】また、一次コーティング層上へ透明導電膜
を印刷又は塗布するため、一次コーティング層の樹脂
は、透明導電膜用の透明導電インクの溶剤に対し、溶解
しないものを用いるか、又は不活性ガス雰囲気下の熱処
理で樹脂を炭素化して、耐溶剤性を持たせる必要があ
る。上述のように、一次コーティング層を形成するイン
クは、樹脂を多目に入れるが、それに対し透明導電膜用
の透明導電インクでは、表面抵抗を小さくするためにフ
イラーを多量に入れる。このため、印刷又は塗布により
形成された透明導電膜は、ポーラスになる傾向があり、
導電膜中の空隙が光の散乱因子となって、透明導電膜の
光学特性を劣化させる。
【0020】例えば、フイラーとしてITO超微粉を用
いる場合は、ITO超微粉をアクリル等の樹脂を溶解し
た溶剤に分散させて、一次コーティング層を形成するイ
ンクとしたものを、基材上に印刷又は塗布してから乾燥
させ、膜厚が0.5μm以下の一次コーティング層とす
る。アクリル系の樹脂を用いた場合であれば、耐溶剤性
が低いため、この一次コーティング層を窒素雰囲気中4
00℃で焼成し、樹脂を炭化して耐溶剤性を持たせた
後、その上に透明導電膜用の透明導電インクを印刷又は
塗布し乾燥する。その後大気中で300℃以上に加熱し
て、一次コーティング層中及び透明導電膜中の樹脂及び
少量残留している溶剤を、酸化燃焼させる。更に、これ
を不活性ガス雰囲気中300℃以上で加熱し、ITO微
粒子間の焼結を進めると同時にITOに酸素欠損を導入
して、膜の低抵抗化を行う。透明導電膜の膜特性は、焼
成温度,ITO膜の厚さにより決まるが、例えば、55
0℃の焼成では約2μm膜厚で約50Ω/□程度の抵抗
値の膜が得られる。このようにして、例えば、ガラスや
ポリイミドフィルム上に低抵抗のITO透明導電膜を形
成することができるが、形成されたITO膜には依然と
して粒子間に空隙が存在して光を散乱させるため、膜の
光学特性にも問題があり、このままでは透明導電膜とし
て用いることはできない。
【0021】そこで、基材上に透明導電インクを印刷又
は塗布するか、又は基材上に上記インクと透明導電イン
クを用いて一次コーティング層と透明導電膜を形成して
焼成した後、その上から樹脂と溶剤から成るオーバーコ
ート液でオーバーコートすると、膜中の空隙はオーバー
コート液中の樹脂で埋められて光の散乱が防止され、膜
の光学特性が著しく改善される。例えば、このオーバー
コートにより光の透過率が、78%〜81%程度から8
0%〜83%程度まで増加し、ヘーズ値は5%〜10%
のものが5%〜2%程度まで低下する。オーバーコート
液には熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂を用いるが、膜
によく浸透して膜中の空隙を埋めるように、樹脂に溶剤
を混ぜてオーバーコート液の粘度を低下させることが好
ましい。
【0022】このように、オーバーコートにより透明導
電膜の光学特性は著しく改善されるが、逆にその表面抵
抗は犠牲になるため、次に述べる転写法によりその問題
を解決した。バインダー用樹脂として熱可塑性樹脂を用
いる場合は、基材上に印刷又は塗布されオーバーコート
された透明導電膜を、オーバーコート液及び/又は接着
剤で基板部材と貼り合わせた後、オーバーコート層、接
着剤層を硬化させる。接着剤には熱硬化性樹脂又は紫外
線硬化性樹脂を用い、基板部材は可視光線を透過するポ
リエステル(PET)、ポリエーテルサルフォン(PE
S)等のプラスチックや硝子等を用いる。透明導電イン
クのバインダーとして用いる樹脂として熱硬化性樹脂や
紫外線硬化性樹脂を用いた場合には、オーバーコート液
の溶剤によるバインダー樹脂の溶解がないので、オーバ
ーコート層を厚くすることで接着剤層の塗布を省略する
ことができる。
【0023】基材と基板部材との貼り合わせは、基材の
オーバーコート層上又は基板部材上に接着剤又はオーバ
ーコート液を塗布した後スチールロール又はゴムロール
等で1〜3Kg f/cm程度の線圧力を掛けながら行う。基
材と基板部材を貼り合わせた後の接着剤層及びオーバー
コート層の硬化は、熱硬化性樹脂を用いた場合は加熱に
より行うが、紫外線硬化樹脂を用いた場合には基材又は
基板部材側から紫外線照射を行うため、基材又は基板部
材の何れか一方は紫外線を透過する材質のものでなけれ
ばならない。以上は、オーバーコート層と接着剤を一緒
に硬化させる場合であるが、これらを別々に硬化させる
こともできることは勿論である。即ち、オーバーコート
層を硬化させた後接着剤を用いて貼り合わせ、その接着
剤を硬化させる方法である。このようにして、基材と基
板部材を貼り合わせ硬化させた後、基材を剥離すると透
明導電膜は基板部材上へ転写される。この時基材が中間
にあるオーバーコート層に基板部材よりも強力に密着し
ていると、基材剥離の際にオーバーコート層の一部又は
全部が基材上に残り転写が完全に行われないので、基板
部材がプラスチックの場合にはコロナ放電処理,プライ
マー処理,短波長紫外線照射処理等を行い、基板部材と
オーバーコート層との密着力向上処理を行うことが望ま
しい。基板部材としてガラスを用いる場合も同様にシリ
コンカップリング処理等の密着力向上処理を行うことが
好ましい。基板部材とオーバーコート層との密着力向上
処理を行う代りに、基板部材とオーバーコート層が強力
に接着するような接着剤を用いることもできる。例え
ば、基板部材としてガラスを用い、接着剤に紫外線硬化
性樹脂を用いる場合、接着剤にシリコーン系のモノマー
を少量添加することによりガラスとの密着力を向上させ
ることができる。
【0024】基板部材に転写された透明導電膜は、オー
バーコートによりその光学特性が著しく改善され、又転
写により導電性超微粒子の導電面が表面に表われるため
膜の表面抵抗も転写前と変わらない。かくして、光学特
性と抵抗特性の双方を満足する透明導電膜が得られる。
【0025】
【実施例】実施例1 フイラーとして粒径0.03μmのITO超微粉を、バ
インダーとして熱可塑性樹脂を用いた透明導電インク
(東北化工(株)製X−101)をスクリーン印刷法で
基材としてのPETフィルム(東レ(株)製ルミラーT
タイプ,厚さ100μm)上に厚さ3μmとなるように
印刷し、乾燥した。次に、この透明導電膜上を紫外線硬
化性樹脂を用いたオーバーコート液1(表1参照)で線
径0.3mmのワイヤーバーによりオーバーコートし、室
温で5分間,50℃で10分間夫々乾燥した。かくして
透明導電膜とオーバーコート層の形成された基材を、基
板部材としての別のPETフィルム(プライマー処理
品,帝人(株)製テトロンHP−7,厚さ100μm)
と、紫外線硬化性の接着剤1(表1参照)で貼り合わせ
た。貼り合わせは、接着剤1を基板部材上にドクターブ
レードコート法によりウエット膜厚で50μmとなるよ
うに塗布し、室温で5分間,50℃で10分間夫々乾燥
した後、これを接着剤層とオーバーコート層が面接する
ように基材と重ね、スチールロールで2Kg f/cmの線圧
を掛けながら行った。貼り合わされた基材と基板部材を
石英板(厚さ2mm)とアルミ板(厚さ3mm)とで挾み込
んでから、石英板上方からメタルハライドランプで紫外
線硬化を行った。硬化条件は、硬化時間10秒間,紫外
線照度150mw/cm2 であった。硬化後基材を剥離する
ことにより、透明導電膜とオーバーコート層を基板部材
上に転写した。紫外線照射装置としては、アイグラフイ
ック(株)製のメタルハランドランプM01−L21
2,照射器(コールドミラー型)UE011−201
C,電源装置UB01.51−3A/BM−E2及び熱
線カットフィルターを用いた。
【0026】転写によって得られた透明導電基板と、比
較として透明導電インクを基材上に印刷し乾燥硬化した
だけのオーバーコートしていない透明導電膜とについ
て、光線透過率,ヘーズ値及び表面抵抗を夫々測定し
た。その結果は表2に示されている。又、上記透明導電
基板の表面粗さを測定したところ、表面の凹凸は0.2
μm以下であった。尚、これらの測定を行うに際して、
透明導電基板及び透明導電膜の光線透過率及びヘーズ値
は、基材或いは基板部材であるPETフィルムと一緒に
スガ試験機械(株)製の直読ヘーズコンピュータHGM
−ZDPにより、又表面抵抗は、三菱油化(株)製のロ
ーレスタMCP−T400により、夫々測定した。又透
明導電性基板及び透明導電膜の表面粗さは、東京精密
(株)製の表面粗さ測定機サーフコム900Aを用いて
測定した。又、本実施例と比較例として用いた従来の透
明導電性基板の構成を図1(a),(b)に示した。
【0027】実施例2 基板部材としてガラス板(旭硝子(株)製ソーダライム
AS,厚1mm)を、接着剤として表1に示された紫外線
硬化性接着剤2を夫々用い、基材と基板部材との貼り合
わせをゴムロールを用いて行い、貼り合わせ後の紫外線
照射を基材側から行って硬化させた点以外は、実施例1
と同様の方法で透明導電基板を製造した。又、光透過
率,ヘーズ値,表面抵抗の測定は、実施例1の場合と同
じ測定装置を用いて行い、その結果は表2に示す通りで
あった。
【0028】実施例3 基材としてバフ研摩したアルミニウム板を用い、線径
0.1mmのワイヤーバーでITO透明導電インクを塗布
し、80℃で10分間乾燥させた点以外は、実施例1と
同様の方法で透明導電基板を製造した。又、光透過率,
ヘーズ値,表面抵抗の測定は、実施例1の場合と同じ測
定装置を用いて行い、その結果は表2に示す通りであっ
た。
【0029】実施例4 透明導電インクの材料として粒径0.03μmのATO
超微粉を用い、線径0.1mmのワイヤーバーで透明導電
インクを塗布した点以外は、実施例1と同様の方法で透
明導電基板を製造した。又、光透過率,ヘーズ値,表面
抵抗は、実施例1の場合と同じ測定装置を用いて行い、
その結果は表2に示す通りであった。
【0030】実施例5 実施例1の方法において、透明導電膜が印刷されオーバ
ーコート液が塗布されて基材を乾燥した後、メタルハラ
イドランプで窒素雰囲気下照度150mw/cm2を以て1
0秒間紫外線照射することにより、透明導電膜とオーバ
ーコート層を硬化させた。硬化後基板部材としてプライ
マー処理してないPETフィルムを用い、基材と基板部
材とを熱硬化性の接着剤3(表1参照)で貼り合わせ
た。この貼り合わせは、接着剤3を基板部材上にドクタ
ーブレートコート法によりウエット膜厚で150μmと
なるように塗布し、室温で5分間,80℃で10分間乾
燥後、オーバーコート層が基板部材に面接するように基
材を基板部材と重ね、線圧力を掛けながら温度80℃で
熱圧着した。貼り合わされた基材と基板部材を120℃
3時間で熱硬化させた後、基材を剥離して転写し、透明
導電性基板を製造した。又、光透過率,ヘーズ値,表面
抵抗の測定は、実施例1の場合と同じ測定装置を用いて
行い、その結果は表2に示す通りであった。
【0031】実施例6 ITO透明導電インク(X−101)をハードクロムメ
ッキされたスチールロール(直径10cm)上に線径0.
1mmのワイヤーバーで塗布し、約80℃で10分間乾燥
した。この上にオーバーコート液1を線径0.3mmのワ
イヤーバーでオーバーコートし、室温で5分間,50℃
で10分間乾燥した。このスチールロールと対向する別
のスチールロールとの間に図2に示す如く基板部材とし
てのプライマー処理したPETフィルムを挾み、線圧力
2Kg f/cmでこの基板部材を透明導電インクとオーバー
コート液とを塗布されたスチールロールに貼り合わせ、
その後メタルハライドランプで照度約150mw/cm2
以て硬化させ、ITO透明導電膜をスチールロールから
基板部材へ転写させた。かくして得られた透明導電基板
について実施例1の場合と同じ測定装置を用い光透過
率,ヘーズ値,表面抵抗の測定を行った。その結果は表
2に示す通りであった。
【0032】実施例7 ITO超微粉をフイラーとし紫外線硬化樹脂をバインダ
ーとして用いた透明導電インクを、線径0.1mmのワイ
ヤーバーで基材としてのPETフィルム上に塗布した
後、乾燥した。このITO透明導電膜をハードクロムメ
ッキされたスチールロールを用い200Kg f/cmの線圧
力でロールプレス処理を行い、その後窒素雰囲気中にて
メタルハライドランプにより照度150mw/cm2 を以て
20秒間紫外線硬化させた。かくして得られた透明導電
膜上にドクターブレードでオーバーコート液1をウエッ
ト膜厚150μmとなるようにオーバーコートし、50
℃で10分間乾燥した。乾燥後、基板部材としてのプラ
イマー処理されたPETフィルムと貼り合わせた。この
貼り合わせに接着剤を用いない点を除いては実施例1と
同様の方法で透明導電性基板を製造した。又、光の透過
率,ヘーズ値,表面抵抗は、実施例1の場合と同じ測定
装置を用いて行い、その結果は表2に示す通りであっ
た。
【0033】実施例8 透明導電インクを270メッシュスクリーンで基材とし
てのPETフィルム上に3μmの厚さに塗布した後乾燥
し、ロールプレス処理し、紫外線硬化させて透明導電膜
を得た以外は実施例7と同様の方法で透明導電性基板を
製造した。又、光透過率,ヘーズ値,表面抵抗は、実施
例1の場合と同じ測定装置を用いて行い、その結果は表
2に示す通りであった。
【0034】実施例9 ロールプレス処理を300Kg f/cmの線圧力で行った点
を除いて、実施例8と同様の方法で透明導電性基板を製
造した。光透過率,ヘーズ値,表面抵抗は、実施例1の
場合と同じ測定装置を用いて行い、その結果は表2に示
す通りであった。
【0035】実施例10 粒径0.03μmのITO超微粉を有機溶剤に分散させ
た透明導電インク(東北化工(株)製DX−101)
を、基材としてのポリイミドフィルム(東レデュポン
(株)製カプトンKタイプ,厚さ75μm)上に、線径
0.1mmのワイヤーバーで塗布し、乾燥した。これを大
気中400℃で30分間加熱した後窒素雰囲気中にて2
5分間焼成した。次にこの上に紫外線硬化性樹脂を用い
たオーバーコート液2(表1参照)をドクターブレード
コート法でウエット膜厚が50μmになるようにオーバ
ーコートし、遠赤外線により約80℃で10分間加熱
し、溶剤を揮発させた。これを基板部材としてのPET
フィルム(帝人(株)製テトロンHP−7,プライマー
処理品)と貼り合わせた。貼り合わせは、スチールロー
ルを用い線圧力2Kg f/cmで行った。貼り合わせ後メタ
ルハライドランプを用い照度150mw/cm2 を以て硬化
時間15秒で紫外線硬化させ、基板部材としてのプライ
マー処理されたPETフィルムを接着させた後、基材を
剥離して基板部材上にITO導電膜を転写して、透明導
電性基板を製造した。光透過率,ヘーズ値,表面抵抗は
実施例1の場合と同じ測定装置を用いて行い、その結果
は表3に示す通りであった。
【0036】実施例11 粒径0.03μmのITO超微粉を有機溶剤にアクリル
系樹脂を溶解した液に分散させて得た透明導電インク
(東北化工(株)製X−101)を、基材としてのポリ
イミドフィルム上に、スクリーン印刷法により、5cm×
5cmの大きさで膜厚が3μmになるように印刷した点を
除いては、実施例10と同様の方法で透明導電性基板を
製造した。光透過率,ヘーズ値,表面抵抗の測定は、実
施例1の場合と同じ測定装置を用いて行い、その結果は
表3に示す通りであった。この場合、表面抵抗の測定値
は40Ω/□であるので、透明導電膜の比抵抗は、40
Ω/□×3×10-4cm=1.2×10-2Ω・cmとなる。
【0037】実施例12 実施例10と同様の方法で焼成したITO導電膜をオー
バーコート液3(表1参照)を用いて基板部材としての
ガラス板(旭硝子(株)製ソーダライムAS,厚さ1m
m)に転写して、透明導電性基板を製造した。光透過
率,ヘーズ値,表面抵抗は実施例1の場合と同じ測定装
置を用いて行い、その結果は表3に示す通りであった。
【0038】実施例13 実施例10と同様の方法で焼成したITO導電膜をオー
バーコート液4を用いて、基板部材としてのPETフィ
ルムに転写し、透明導電性基板を製造した。光透過率,
ヘーズ値,表面抵抗は実施例1の場合と同じ測定装置を
用いて行い、その結果は表3に示す通りであった。
【0039】実施例14 予め窒素雰囲気中500℃で15分間熱処理した基材と
してのポリイミドフィルム上に、ITO分散液(DX−
101)を線径0.1mmのワイヤーバーでコーティング
し、乾燥後大気中400℃で30分間続いて窒素雰囲気
中500℃で15分間焼成した。これを実施例10と同
様の方法で、基板部材としてのプライマー処理したPE
Tフィルムに転写して、透明導電性基板を製造した。光
透過率,ヘーズ値,表面抵抗は実施例1と同じ測定装置
を用いて行い、その結果は表3に示す通りであった。
【0040】実施例15 ITO分散液(DX−101)10gにイソホロン2.
5gを加え希釈した後、実施例13と同様の方法で透明
導電性基板を製造した。その光透過率,ヘーズ値,表面
抵抗は、実施例1と同じ測定装置を用いて行い、結果は
表3に示す通りであった。
【0041】比較例1 基板部材としてプライマー処理してないPETフィルム
を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法で透明導電
性基板を製造した。製造された透明導電性基板は、導電
膜及びオーバーコート層が基材から基板部材へ完全に転
写されていない状態であった。この理由は、オーバーコ
ート層と基板部材との間の密着力がオーバーコート層と
基材との間の密着力と余り差がないためであると考えら
れる。尚、光透過率,ヘーズ値,表面抵抗は実施例1の
場合と同じ測定装置を用いて行い、その結果は表3に示
す通りであった。
【0042】表1(オーバーコート液及び接着剤の組
成)
【0043】表2(印刷転写法で得られる透明導電膜の
塗膜物性)
【0044】表3(印刷転写法で得られる透明導電膜の
塗膜物性)
【0045】実施例16 表4に示す一次コーティング液1を基材であるソーダラ
イムガラス(60mm×120mm×3mm厚さ)に、線径
0.1mmのワイヤーバーで塗布した後、遠赤外線加熱で
50℃,5分間乾燥し、膜厚0.4μmの一次コーティ
ング層を形成した。次に、その上に平均粒径0.03μ
mのITO超微粉を有機溶剤に分散させた透明導電イン
ク(東北化工(株)製DX−101)を、線径0.07
5mmのワイヤーバーで塗布した後、遠赤外線加熱で50
℃,5分間乾燥して、膜厚2.0μmの透明導電層を形
成した。これを大気中550℃,1時間、続いて窒素ガ
ス中550℃,15分間加熱した。この上に表4に示す
オーバーコート液5を塗布した後、遠赤外線加熱で50
℃,5分間乾燥し、脱溶剤した後、基板部材であるプラ
イマー処理したポリエステルフィルム(帝人(株)製1
1P−7,100μm厚)と、線厚10Kgf/cmで貼
り合わせた。貼り合わせ後、メタルハライドランプによ
り、照度150mW/cm2 ,10秒間紫外線照射して、
オーバーコート層を硬化させた後、基材のソーダライム
硝子を剥がし、透明導電層を基板部材側へ転写して、透
明導電性基板を得た。紫外線照射装置としては、実施例
1の場合と同じものを用いた。
【0046】転写によって得られた透明導電性基板の光
線透過率,ヘーズ値及び表面抵抗を夫々測定した。その
結果は表5に示されている。又、実施例透明導電性基板
の表面粗さを測定したところ、表面の凹凸は0.2μm
以下であった。尚、これらの測定に際しては、実施例1
で用いたのと同じものを用いた。得られた透明導電膜の
厚さは、透過型電子顕微鏡により測定した。この結果、
表5から明らかなように、焼成によりコーティング層が
収縮していることが観察された。
【0047】実施例17 オーバーコート液として表4のオーバーコート液6を用
いた点以外は、実施例16と同じ材料,条件及び手順に
より透明透明導電性基板を製造した。その光透過率,ヘ
ーズ値及び表面抵抗は実施例1の場合と同じ測定装置を
用い、結果は表5に示す通りであった。
【0048】実施例18 表4に示す一次コーティング液2を基材としてのソーダ
ライムガラス(75mm×75mm×1mm厚さ)に、線径
0.1mmのワイヤーバーで塗布した後、遠赤外線加熱で
乾燥し、厚さ0.4μmの膜を形成した。この膜を窒素
雰囲気下400℃で10分間熱処理してアクリル樹脂を
炭化させ、一次コーティング層を形成した。次に、その
上に平均粒径0.03μmのITO超微粉を有機溶剤に
分散させた透明導電インク(東北化工(株)製DX−1
01)を、線径0.075mmのワイヤーバーで塗布した
後乾燥して、膜厚2.0μmの透明導電層を形成した。
これ以降は、実施例16と同じ材料,条件及び手順を用
いて透明導電性基板を得た。その光透過率,ヘーズ値及
び表面抵抗は実施例1の場合と同じ測定装置を用い、結
果は表5に示す通りであった。
【0049】実施例19 表4に示す一次コーティング液3を基材としての低アル
カリガラス(75mm×75mm×1mm厚さ)に、線径0.
1mmのワイヤーバーで塗布した後乾燥し、厚さ約0.0
4μmの膜を形成した(測定膜厚が非常に薄いため、膜
厚は、一次コーティング液中の樹脂の濃度と、形成され
るべき膜の厚さとの関係を示すグラフを作成して、その
グラフから読み取った。)この膜に、平均粒径0.03
μmのITO超微粉を有機溶剤に分散させた透明導電イ
ンク(東北化工(株)製DX−101)を、線径0.0
75mmのワイヤーバーで塗布した後乾燥して、膜厚2.
0μmの透明導電層を形成した。これを大気中650
℃,30分間、続いて窒素ガス中650℃,10分間加
熱した。これ以降は、実施例16と同様の材料,条件及
び手順を用いて透明導電性基板を得た。その光透過率,
ヘーズ値及び表面抵抗は実施例1の場合と同じ測定装置
を用い、結果は表5に示す通りであった。
【0050】比較例2 一次コーティング層を形成しない点を除いて、実施例1
6と同様の材料,条件及び手順を用いて透明導電性基板
を得た。その光透過率,ヘーズ値及び表面抵抗は実施例
1の場合と同じ測定装置を用い、結果は表5に示す通り
であった。
【0051】比較例3 一次コーティング層を形成しない点を除いて、実施例1
7と同様の材料,条件及び手順を用いて透明導電性基板
を得た。その光透過率,ヘーズ値及び表面抵抗は実施例
1の場合と同じ測定装置を用い、結果は表5に示す通り
であった。
【0052】比較例4 表4に示す一次コーティング液4を基材としての低アル
カリガラス(75mm×75mm×1mm厚さ)に、線径0.
1mmのワイヤーバーで塗布した後乾燥し、厚さ0.4μ
mの膜を形成した。この膜に、平均粒径0.03μmの
ITO超微粉を有機溶剤に分散させた透明導電インク
(東北化工(株)製DX−101)を、線径0.075
mmのワイヤーバーで塗布した後乾燥して、膜厚約1.5
μmの透明導電層を形成した。これを大気中650℃,
30分間焼成したところ、透明導電層は基材から総て剥
離してしまった。
【0053】表4(一次コーティング液及びオーバーコ
ート液の組成)
【0054】表5(印刷転写法で得られた透明導電膜の
塗膜物性)
【0055】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、印刷法では
得られなかった30Ω/□程度の低い抵抗値と、優れた
光学特性とを有する透明導電性基板を提供することがで
きる。又、透明導電膜の平滑度も著しく向上するため、
液晶装置等の如く表面の平滑性を要求される用途にも適
した透明導電性基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による透明導電性基板の一実施
例の構成図、(b)は従来の透明導電性基板の構成図で
ある。
【図2】実施例6における転写の状態を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 33/28

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線を透過する基板部材と、該基板
    部材上に形成された透明なオーバーコート層と、該オー
    バーコート層上に形成された導電性の超微粒子を含む透
    明導電膜とを有する透明導電性基板。
  2. 【請求項2】 導電性の超微粒子は粒径が0.1μm以
    下のインジウム−錫酸化物であり、透明導電膜の比抵抗
    は0.05Ω・cm以下である請求項1に記載の透明導電
    性基板。
  3. 【請求項3】 導電性の超微粒子は粒径が0.1μm以
    下のインジウム−錫酸化物であり、透明導電膜の光透過
    率は70%以上で表面抵抗は200Ω/□以下である請
    求項1に記載の透明導電性基板。
  4. 【請求項4】 基材上に透明導電インクを印刷又は塗布
    して乾燥することにより透明導電膜を形成するか或いは
    乾燥後これに紫外線を照射するか又はこれを焼成し透明
    導電膜を形成した後、該透明導電膜上にオーバーコート
    液を塗布することによりオーバーコート層を形成せし
    め、次に上記オーバーコート液又は接着剤により上記オ
    ーバーコート層を可視光線を透過する基板部材に対面さ
    せた状態で上記基材と該基板部材とを貼り合わせた後上
    記オーバーコート層及び/又は接着剤を硬化せしめ、硬
    化後上記基材を剥離することにより上記基板部材上に上
    記オーバーコート層と透明導電膜を転写するようにした
    透明導電性基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 基材上に一次コーティング層を形成した
    後、該一次コーティング層上に透明導電インクを印刷又
    は塗布して乾燥し、その後、焼成することにより透明導
    電膜を形成した後、該透明導電膜上にオーバーコート液
    を塗布することによりオーバーコート層を形成せしめ、
    次に上記オーバーコート液又は接着剤により上記オーバ
    ーコート層を可視光線が透過する基板部材に対面させた
    状態で上記基材と該基板部材とを貼り合わせた後、上記
    オーバーコート層及び/又は接着剤を硬化せしめ、硬化
    後、上記基材を剥離することにより、上記基板部材上に
    上記オーバーコート層と透明導電膜を転写するようにし
    た透明導電性基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 一次コーティング層が透明導電インクを
    塗布するか、又は塗布後に不活性ガス雰囲気中で熱処理
    して0.5μm以下の厚さに形成される請求項5に記載
    の透明導電性基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 一次コーティング層が樹脂と溶剤から成
    る塗布液を塗布するか、又は該塗布液の塗布後に不活性
    ガス雰囲気中で熱処理して0.2μm以下の厚さに形成
    される請求項5に記載の透明導電性基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 基材として、プラスチックフィルム,プ
    ラスチックロール,硝子板,セラミック板,金属板又は
    金属ロールを用いる請求項4乃至7の何れかに記載の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 基板部材として、ポリエステル又はポリ
    エーテルサルフォンのフィルム又は硝子を用いる請求項
    4乃至7の何れかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 透明導電インクとして、酸化物系超微
    粉を溶剤に分散させて用いる請求項4乃至7の何れかに
    記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 透明導電インクとして、酸化物系超微
    粉と熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂
    とを溶剤に分散させて用いる請求項4乃至7の何れかに
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 酸化物系超微粉として、インジウム−
    錫酸化物又は錫−アンチモン酸化物の超微粉が用いられ
    る請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 オーバーコート液及び接着剤として、
    紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いる請求項4乃
    至7の何れかに記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 焼成が、先ず大気中300℃〜800
    ℃、次に不活性ガス雰囲気中300℃〜800℃で行わ
    れるようにした請求項4乃至7の何れかに記載の製造方
    法。
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