JPH05315091A - 回転陽極ｘ線管陽極駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数種の回転陽極Ｘ線管の中から任意のもの
を選択，使用可能としたときでも、簡単な構成で済み、
また、各回転陽極Ｘ線管についての起動時間や制動時間
などの時間設定も簡単に行えるようにする。 【構成】 使用される回転陽極Ｘ線管毎の陽極駆動デー
タ（起動時間、定常回転時の電源オン，オフ時間比及び
制動時間）を書き込むメモリ１１と、起動又は停止操作
されたとき、出力端子１４〜１６にその陽極駆動巻線１
２ａが接続された回転陽極Ｘ線管１２の前記陽極駆動デ
ータを前記メモリ１１から読み出し、そのデータに従っ
て２つのスイッチング素子１８，１９をオン又はオフ制
御してそのＸ線管１２の陽極駆動巻線１２ａへの電源供
給の時間制御を行う陽極駆動制御装置２０とを設け、同
一電圧値の電源１７の前記陽極駆動巻線１２ａへの断続
制御で、Ｘ線管１２の陽極の起動及び定常回転制御又は
制動制御を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転陽極Ｘ線管の陽極
駆動制御を行う回転陽極Ｘ線管陽極駆動装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の装置は、回転陽極Ｘ線管
（回転陽極Ｘ線管装置）の陽極を停止状態から規定回転
数まで上げるため起動時に印加する電圧は、起動時間を
短くするために比較的高く、一方、定常回転に達してか
らこれを維持するための電圧は発生する熱量を抑えるた
め比較的低く設定される。したがって装置出力電圧（陽
極駆動電圧）としては、１つの回転陽極Ｘ線管につき２
段階に切り替える手段が必要となる。

【０００３】またこの種の装置は、通常、複数の回転陽
極Ｘ線管の中から任意に選択されたものを切替え使用可
能であるが、このとき各Ｘ線管毎にその陽極の起動時
間、起動電圧、定常回転時の電圧、制動時間及び制動電
圧の設定をする必要がある。このため、Ｘ線管を切り替
える切替回路の他、ＣＲ時定数を可変抵抗器により調整
することで時間設定する時間設定回路が各Ｘ線管毎に必
要になる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来技術
では、陽極駆動電圧の切替手段が各Ｘ線管について必要
になると共に、時間調整回路も各Ｘ線管毎に必要にな
り、回路構成が複雑で、また起動時間や制動時間などの
時間設定にアナログ素子を用いているためその調整に時
間がかかるなどの問題点があった。

【０００５】本発明の目的は、複数の回転陽極Ｘ線管の
中から任意に選択されたものを使用可能とした場合にあ
っても、構成簡単で、しかも各回転陽極Ｘ線管について
の起動時間や制動時間などの時間設定が簡単に行える回
転陽極Ｘ線管陽極駆動装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、選択使用さ
れる回転陽極Ｘ線管毎の起動時間、定常回転時の電源オ
ン，オフ時間比及び制動時間を内容とする陽極駆動デー
タが書き込まれる陽極駆動データ格納メモリと、選択使
用される回転陽極Ｘ線管の陽極駆動巻線の主巻線の両端
が各別に接続される第１及び第２の出力端子と、前記主
巻線に一端が共通接続された前記陽極駆動巻線の補助巻
線の他端が接続される第３の出力端子と、単一の値の所
定電圧の回転陽極Ｘ線管陽極駆動用の電源と、この電源
を、前記Ｘ線管の陽極の起動時及び定常回転時には前記
主巻線及び補助巻線の双方に、制動時には前記主巻線又
は補助巻線のいずれか一方にのみ供給させる、前記電源
及び出力端子間の所定箇所に接続された第１及び第２の
スイッチング素子と、起動又は停止操作されることによ
り、その際前記出力端子にその陽極駆動巻線が接続され
た回転陽極Ｘ線管の前記陽極駆動データを前記メモリか
ら読み出し、そのデータに従って前記第１及び第２のス
イッチング素子をオン又はオフ制御し、そのＸ線管の陽
極の起動及び定常回転制御又は制動制御を行う陽極駆動
制御装置とを設けることにより達成される。

【０００７】

【作用】陽極駆動データ格納メモリには、選択使用され
る回転陽極Ｘ線管毎の陽極駆動データ（起動時間、定常
回転時の電源オン，オフ時間比及び制動時間）が予め入
力装置によって書き込まれる。

【０００８】陽極駆動制御装置は、操作器により起動又
は停止操作されると、その際、出力端子に陽極駆動巻線
が接続されている回転陽極Ｘ線管の前記陽極駆動データ
を前記メモリから読み出し、そのデータに従って第１及
び第２のスイッチング素子をオン又はオフ制御し、その
Ｘ線管の陽極の起動及び定常回転制御又は制動制御を行
う。

【０００９】出力端子に陽極駆動巻線が接続されている
回転陽極Ｘ線管の特定は、予め入力装置によって陽極駆
動制御装置に指示する。使用する回転陽極Ｘ線管の切替
スイッチがあるときには、その切替スイッチの切替操作
に連動して陽極駆動制御装置に指示されるようにしても
よい。

【００１０】回転陽極Ｘ線管陽極駆動用の電源の電圧
は、予め定められた単一の電圧値であり、Ｘ線管の陽極
駆動制御は、起動時、定常回転時及び制動時における第
１及び第２のスイッチング素子のオン又はオフ制御で
（電源の電圧値は変えずに）行われる。

【００１１】すなわち陽極駆動巻線には、起動時、定常
回転時及び制動時のそれぞれに同一値の電圧が与えられ
るが、起動時には連続的に与え、定常回転時には一定の
時間間隔で短時間繰り返し与える。これにより、Ｘ線管
の陽極を停止状態から比較的短時間に規定回転数まで上
げ、定常回転に達してからは、発生する熱量を抑えなが
ら定常回転数を維持させる。制動時には主巻線と補助巻
線のどちらか一方にのみ起動時，定常回転時と同一値の
電圧を陽極駆動巻線に与えて制動させ、Ｘ線管の陽極を
十分に低い回転数まで下げる。

【００１２】以上により、複数の回転陽極Ｘ線管の中か
ら任意に選択されたものを使用可能とした場合にあって
も、構成の簡易化、各回転陽極Ｘ線管についての起動時
間や制動時間などの時間設定の簡易化が可能となる。

【００１３】なお、本発明においては、従来なかった定
常回転時の電源オン，オフ時間比の時間設定が必要とな
るが、これも入力装置を用いて簡単に行える。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明による回転陽極Ｘ線管陽極駆動装
置の一実施例を示す回路図で、図中１１はＥＥＰＲＯＭ
などからなる陽極駆動データ格納メモリで、選択使用さ
れる回転陽極Ｘ線管１２毎の起動時間Ｔ1、定常回転時
の電源オン，オフ時間比（Ｔ2：Ｔ3）及び制動時間Ｔ4
を内容とする陽極駆動データが書き込まれる。この陽極
駆動データの書込みは入力装置、ここではキーボード１
３で行われる。

【００１５】１４及び１５は、選択使用される回転陽極
Ｘ線管１２の陽極駆動巻線１２ａの主巻線１２ｂの両端
が各別に接続される第１及び第２の出力端子である。１
６は、前記主巻線１２ｂに一端が共通接続された陽極駆
動巻線１２ａの補助巻線１２ｃの他端が接続された第３
の出力端子である。１７は、交流２００Ｖの回転陽極Ｘ
線管陽極駆動用の電源である。

【００１６】１８及び１９は第１及び第２のスイッチン
グ素子、ここではフォトトライアックで、電源１７を、
Ｘ線管１２の陽極の起動時及び定常回転時には主巻線１
２ｂ及び補助巻線１２ｃの双方に、制動時には主巻線１
２ａ又は補助巻線１２ｃのいずれか一方にのみ供給させ
るよう、電源１７及び出力端子１４〜１６間の所定箇所
に接続されている。ここでは、電源１７の一端及び第１
の出力端子１４間に第１のフォトトライアック１８が、
電源１７の他端及び第２の出力端子１５間に第２のフォ
トトライアック１９が、各々接続されている。

【００１７】２０は陽極駆動制御装置で、起動，停止ス
イッチ２１により起動，停止操作されることにより、そ
の際、出力端子１４〜１６にその陽極駆動巻線１２ａが
接続された回転陽極Ｘ線管１２の陽極駆動データを陽極
駆動データ格納メモリ１１から読み出し、そのデータに
従って第１及び第２のフォトトライアック１８及び１９
をオン又はオフ制御し、そのＸ線管１２の陽極の起動、
定常回転及び制動制御を行うものである。

【００１８】陽極駆動制御装置２０は、ここでは、装置
各部を制御する主制御ＣＰＵ２２が兼用され、これと陽
極駆動データに基づいて時間信号を出力するタイマ２
３、２ビットの制御信号を出力するＩ／Ｏポート２４、
上記制御信号をドライブするドライバ２５，２６を備え
て構成されている。

【００１９】２７は制御プログラムなどが格納されたＲ
ＯＭ、２８はプログラム実行時などに作業領域として用
いられるＲＡＭ、２９は入力インターフェースである。
３０はデータライン３１、アドレスライン３２及びコン
トロールライン３３からなるバスである。なお、３４は
進相コンデンサ、３５及び３６は抵抗である。

【００２０】次に上述本発明装置の動作について説明す
る。まず、選択使用される回転陽極Ｘ線管１２毎の起動
時間Ｔ1、定常回転時の電源オン，オフ時間比（Ｔ2：Ｔ
3）及び制動時間Ｔ4を内容とする陽極駆動データをキー
ボード１３を用いて陽極駆動データ格納メモリ１１に書
き込んでおく（Ｔ1〜Ｔ4につき、図２参照）。

【００２１】また、任意に選択された回転陽極Ｘ線管１
２（陽極駆動巻線１２ａ）が第１〜第３の出力端子１４
〜１６に接続され、その回転陽極Ｘ線管１２の種別がキ
ーボード１３により、又は図示しない回転陽極Ｘ線管切
替スイッチの切替操作に連動して、陽極駆動制御装置２
０に指示されているものとする。

【００２２】この状態で、起動，停止スイッチ２１によ
り起動操作されると、陽極駆動制御装置２０は、第１〜
第３の出力端子１４〜１６に接続された回転陽極Ｘ線管
１２の陽極駆動データを陽極駆動データ格納メモリ１１
から読み出し、そのデータに従って制御信号を出力（ド
ライバ２５，２６から２ビットの制御信号として出力）
し、第１，第２のフォトトライアック１８，１９を第２
図に示すようにオン又はオフ制御し、そのＸ線管１２の
陽極を起動し、定常回転制御を行う。

【００２３】すなわち、起動時、定常回転時及び制動時
のそれぞれに同一値（２００Ｖ）の電圧が陽極駆動巻線
１２ａに与えられるが、起動時には連続的に与え、定常
回転時には一定の時間（Ｔ3）間隔で短時間（Ｔ2）繰り
返し与える。これにより、Ｘ線管１２の陽極は停止状態
から比較的短時間に規定回転数に達し、定常回転に達し
てからは発生する熱量が抑えられながら定常回転数を維
持する。

【００２４】起動，停止スイッチ２１により停止操作さ
れると、陽極駆動制御装置２０は、同様に陽極駆動デー
タを陽極駆動データ格納メモリ１１から読み出し、その
データに従って第１，第２のフォトトライアック１８，
１９を第２図に示すようにオン又はオフ制御し、そのＸ
線管１２の陽極の制動を行う。

【００２５】すなわち制動時には、主巻線１２ｂと補助
巻線１２ｃのどちらか一方、ここでは主巻線１２ｂにの
み起動時，定常回転時と同一値の電圧を陽極駆動巻線に
与えて制動させ、Ｘ線管の陽極を十分に低い回転数まで
下げる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の回転陽極Ｘ線管の中から任意に選択されたものを使
用可能とした場合にあっても、２ビットの制御信号によ
り２個のスイッチング素子を制御するという構成簡単
な、しかも、キーボードなどの入力装置により各回転陽
極Ｘ線管についての起動時間や制動時間などの時間設定
が簡単に行える回転陽極Ｘ線管陽極駆動装置を提供する
ことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の一実施例を示す回路図である。

【図２】同上装置中の第１，第２のフォトトライアック
のオン又はオフ制御のタイムチャートである。

【符号の説明】 １１ 陽極駆動データ格納メモリ １２ 回転陽極Ｘ線管 １２ａ 回転陽極Ｘ線管の陽極駆動巻線 １２ｂ 主巻線 １２ｃ 補助巻線 １３ キーボード（入力装置） １４ 第１の出力端子 １５ 第２の出力端子 １６ 第３の出力端子 １７ 回転陽極Ｘ線管陽極駆動用の電源（交流２０
０Ｖ電源） １８ 第１のフォトトライアック（第１のスイッチ
ング素子） １９ 第２のフォトトライアック（第２のスイッチ
ング素子） ２０ 陽極駆動制御装置 ２１ 起動，停止スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 選択使用される回転陽極Ｘ線管毎の起動
   時間、定常回転時の電源オン，オフ時間比及び制動時間
   を内容とする陽極駆動データが書き込まれる陽極駆動デ
   ータ格納メモリと、選択使用される回転陽極Ｘ線管の陽
   極駆動巻線の主巻線の両端が各別に接続される第１及び
   第２の出力端子と、前記主巻線に一端が共通接続された
   前記陽極駆動巻線の補助巻線の他端が接続される第３の
   出力端子と、単一の値の所定電圧の回転陽極Ｘ線管陽極
   駆動用の電源と、この電源を、前記Ｘ線管の陽極の起動
   時及び定常回転時には前記主巻線及び補助巻線の双方
   に、制動時には前記主巻線又は補助巻線のいずれか一方
   にのみ供給させる、前記電源及び出力端子間の所定箇所
   に接続された第１及び第２のスイッチング素子と、起動
   又は停止操作されることにより、その際前記出力端子に
   その陽極駆動巻線が接続された回転陽極Ｘ線管の前記陽
   極駆動データを前記メモリから読み出し、そのデータに
   従って前記第１及び第２のスイッチング素子をオン又は
   オフ制御し、そのＸ線管の陽極の起動及び定常回転制御
   又は制動制御を行う陽極駆動制御装置とを具備すること
   を特徴とする回転陽極Ｘ線管陽極駆動装置。