JPH05305956A - テープ貼りジッパー袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ガセット折込みが可能なジッパー
爪付袋を提供することにより、上面からの開封が容易で
大量の内容物を充填することができるジッパー爪付密封
袋を提供する。 【構成】 袋の一方の面に咬合したジッパー爪が設けら
れ、内側が熱融着性層であるフィルムからなるジッパー
爪付密封袋であって、ジッパー爪の外側のフィルムが外
側に折返されて２列の折返し面を形成し、該２列の折返
し面のジッパー爪部を覆って内面に熱融着性層を有する
融着テープが、融着されていないつまみ片を両端縁部に
残して融着されていると共に、ジッパー爪と直交するヨ
コ融着部がそれぞれ融着され、ヨコ融着部の両端にガセ
ット折込みを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、小型に切断した海苔、
濡れナプキン、冷蔵庫貯蔵用食品などの収納に適し、開
封が容易で大量の内容物を充填することができるジッパ
ー爪付密封袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ジッパー爪付密封袋はジッパー爪
部分が袋の縦端或いは横端に位置するため内容物を大量
に充填すると製袋しがたく、破袋しがちであった。ガセ
ット袋は無理なく大量に充填することができるが、この
場合にはジッパー爪とガセット折込み部分が別の部位に
なければならずジッパー爪付袋にガセット折込みを採用
することが不可能であった。

【０００３】ガセット折込み部位を設けるためには、１
本のタテ融着部を袋の一方の面の中央部に設け、フィル
ムの内面と内面を融着する、いわゆる合掌貼り袋や一方
の端縁部の上に他方の端縁部を重ねる封筒貼り袋などが
使用されていた。

【０００４】また、テープ貼り袋も存在し、これはタテ
融着部としてフィルムの両端縁部を接触させ、裏面か
ら、両面に熱融着性層を有するテープを熱融着した後、
タテ融着部と直交する両端をヨコ融着した袋である。ヨ
コ融着部に挟まれたテープはタテ融着とヨコ融着の両機
能を必要とするため、両面に熱融着性層を設ける必要が
ある。

【０００５】テープ貼り袋においては破袋の応力は、合
掌貼り袋のように直接融着部位を剥がす力ではなく、テ
ープとフィルムとの間のズレ応力であるため、融着力が
余り大きくなくとも破袋の恐れがないという長所を有す
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジッパ
ー爪付袋の最大の長所は開封後、再密封することが可能
な点にあり、再密封を求めることは小出しを前提とする
ことであり、比較的大量の内容物を充填したいことを意
味する。ジッパー爪付袋に大量の内容物の充填に適した
ガセット折込みを設けることができないことは、ジッパ
ー爪付袋の長所を充分に発揮することを妨げている。そ
こで、ガセット折込みを設けたジッパー爪付袋が求めら
れていた。

【０００７】

【課題解決の手段】本発明は上記課題を解決することを
目的とし、その構成は、袋の一方の面に咬合したジッパ
ー爪が設けられ、内側が熱融着性層であるフィルムから
なるジッパー爪付密封袋であって、ジッパー爪の外側の
フィルムが折返されて２列の折返し面を形成し、該２列
の折返し面のジッパー爪部を覆って内面に熱融着性層を
有する融着テープが、融着されていないつまみ片を両端
縁部に残して融着されていると共に、ジッパー爪と直交
するヨコ融着部がそれぞれ融着され、ヨコ融着部の両端
にガセット折込みを有することを特徴とする。

【０００８】本発明における密封袋の素材は、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンなどの
各種プラスチックフィルム及びこれらの積層体或いはこ
れらと他の素材との積層体からなる基材フィルムの内面
に、低融点を有する低密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体などの熱融着性層を設けたものであ
る。或いは、基材がポリエチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルムなど、それ自体熱融着性のフィルムであれ
ば特に熱融着性層を設けず、単層のフィルムであっても
差支えない。

【０００９】袋の形態はフィルムの両端に別個に設けた
ジッパーオス爪及びジッパーメス爪を、袋の一方の面の
ほぼ中央部で咬合させて両端を融着した、いわゆるピロ
ー型であり、雌雄のジッパー爪の外側のフィルムは外側
に折返されて折返し面を形成している。また、両脇部に
ガセット折込みを設けたガセット型の袋も使用できる。
この場合は大量の内容物を充填できて好ましい。

【００１０】フィルムに雌雄のジッパー爪を設けるには
種々の公知の方法を採用することができる。例えば、フ
ィルムの長さ方向端縁部に前もってオス爪及びメス爪を
それぞれ融着して巻回したフィルムを用いて製袋する方
法、オス爪及びメス爪を融着したテープを、巻出したフ
ィルムに貼着しながら製袋する方法、製袋機とジッパー
爪融着機とを融合し、フィルムにジッパー爪を融着しな
がら製袋する方法などがある。

【００１１】本発明のジッパー付密封袋は製袋に先立
ち、原料フィルムの両端部の雌雄のジッパー爪を咬合し
て筒状とし、ジッパー爪外側のフィルムをそれぞれ外側
に折返して折返し面を形成する。一つの折返し面の両端
は、ジッパー爪と、フィルムの切断線である折返し面端
縁線であり、折返し面の幅は１５mm〜３０mmが好まし
い。

【００１２】咬合したジッパー爪の上には融着テープを
貼着する。融着テープは２本の折返し面の和より幅の狭
いテープを用いることが好ましい。熱融着性層は一方の
面、すなわち、ジッパー爪が突出している内面に設けれ
ば充分であるが、両面に設けても差支えない。

【００１３】テープの融着にあたってはテープの長さ方
向中心部が、ジッパー爪部周辺を覆うようにして融着す
る。テープ幅を２本の折返し面の和より小さくすると、
両端にテープの重ならない部位が生じる。開封にあたり
この部位から指を挿入する。

【００１４】この部位は両フィルムの剥離を容易にする
ためのズレがあればよく、そのズレは３〜１５mm、好ま
しくは５〜１０mmである。互いに剥離し易いフィルム素
材を用いた場合には、２本の折返し面の和とテープ幅と
が一致したり、或いはテープの端縁線が折返し面端縁線
より外方にあっても差支えない。

【００１５】テープを融着するにあたり、テープ全面を
加熱することなく、両端に３〜１５mm、好ましくは５〜
１０mm残して融着する。したがって、融着部は一方が各
３〜１５mm好ましくは５〜１０mm、全体では６〜３０m
m、好ましくは１２〜２０mmである。

【００１６】テープの融着されずに残った部位は浮いて
いるため、折返し面との間に指を挿入し、つまむことが
できるつまみ片を形成する。したがって、つまみ片をつ
まんで引張るとテープが剥がれ、袋の中央部にジッパー
爪が露出する。したがって、つまみ片は指でつまむこと
ができる幅、すなわち、５〜１０mmが好ましい。

【００１７】テープを融着する場合には、つまみ片を残
すばかりでなく、中央部に存在するジッパー爪の変形を
避けるために中央部のジッパー爪の上部も融着せずに残
すことが好ましい。したがって、融着バーの形状は両端
のつまみ片と中央部のジッパー爪上を欠如した２本の平
行な突出面が存在する形状が好ましい。

【００１８】本発明のジッパー爪を閉じるにあたって
は、ジッパー爪の両端部がヨコ融着部と直交しているた
め咬合させ難い傾向がある。特にガセット折込み袋にお
いては内容物を充填すると長方形となり、ジッパー爪の
両端部は中央部と異なる面に存在するためジッパー爪を
咬合させ難い傾向は一層顕著となる。

【００１９】このような場合には、袋の両端部において
爪素材を溶融させ、ジッパー機能を有しないものとする
ことが好ましい。特にガセット折込みジッパー袋におい
てはジッパー機能を有する部位を中央部の１平面に限定
すると開閉が容易である。

【００２０】このような袋はジッパー爪を咬合させた
後、或いはテープ融着を行った後、ジッパー爪としての
開閉機能を失わせたい部位のみを高温の熱バーにより間
歇的に押圧することにより容易に得られる。

【００２１】ヨコ融着部はジッパー爪と直交する最端部
に設けてもよいが、ヨコ融着部とフィルムの切断線との
間に指でつまめる長さ、すなわち、４〜１５mm残して内
側を融着することが好ましい。更に、脇部にガセット折
込みを設けて融着することが好ましい。

【００２２】このように融着するとヨコ融着部の外側の
つまみ片をつまむことが容易であり、この部位はタテ融
着部の端部に近いため、テープ自体が剥離し易い部位で
あり、テープを端部から容易に剥がすことができ、一方
のヨコ融着部から他方のヨコ融着部に向かって融着テー
プが順次剥離していく。

【００２３】

【作用】本発明は、フィルムのジッパー爪の外側を折返
して２本の折返し面を設け、この折返し面を覆ってテー
プを貼着することにより、テープを袋の外側に設け、し
かもジッパー爪部分を袋の一方の面の中央部に位置させ
ることに成功したものである。その結果、テープを外側
から剥がすことが可能になり、ジッパー爪を袋の一方の
面の中央部に位置させることによりガセット折込みを設
け袋の内容量を増大させることが可能になった。

【００２４】更に、開封を容易にするため融着用テープ
は剥離強度の小さいものを用いることができる。蓋し、
密封袋においては、破袋は主としてタテ融着部から始ま
り、本発明のテープ貼り方法を用いれば破袋の応力がズ
レ応力として作用するため、比較的剥離強度の小さいテ
ープを用いてタテ融着部を融着しても破袋のおそれがな
い。

【００２５】

【実施例】図１は本発明の１実施例のジッパー爪を設け
た面の平面図であり、図２は図１のii−ii線端面図であ
り、図３は図２の破線部分の拡大図であり、図４は開封
し、ジッパーを開いた状態の斜視図である。

【００２６】１はジッパー袋、２はジッパー外側のフィ
ルムを折返してなる折返し面である。折返し面２は２本
存在し、一方の一端が折返し線３であり、他端が咬合し
たジッパーメス爪４であり、他方の一端が折返し線３で
あり、他端が咬合したジッパーオス爪５である。各折返
し面２の幅は２０mmであり、両折返し面の和は４０mmで
あった。

【００２７】両折返し面２上の中央部には融着テープ６
を融着した。融着テープ６の幅は３０mmであり、両端縁
部に各７mm残して中央部の１６mmを熱融着した。更に、
咬合したジッパー爪の上はジッパー爪の変形を避けるた
めに融着せずに残した。

【００２８】７は融着部、８は融着されずに残ったつま
み片である。テープ端縁線９と折返し面端縁線３との幅
は本実施例においては５mmであるが、これは折返し面２
とつまみ片８とが容易に離れるために設けたズレであ
る。１４はガセット折込み線である。

【００２９】融着テープ６を融着するには、図３に示す
ように、咬合したジッパー爪の部位を窪ませ、融着テー
プの融着部７のみを押圧する２本の押圧面１５を有する
熱バー１６により押圧した。中央部のジッパー爪の部位
と両端のつまみ片８の部位を残して融着部７のみが融着
した。

【００３０】１０はヨコ融着部であり、本実施例におい
てはフィルム端縁線とヨコ融着部との間に８mmの非融着
部１１を残した。本実施例のジッパー袋は６００〜１ｋ
ｇの剥離強度であり、しかも下面にジッパー爪が咬合し
ているため破袋のおそれなく、かつ容易に開封すること
ができた。１２は熱融着性層であり、１３は基材層であ
る。ジッパー爪の再密封性を改良するため咬合したジッ
パー爪の両端部を溶融し、溶融部１８とし、開封性を喪
失させた。

【００３１】開封するにあたっては、ヨコ融着部１０の
外側のつまみ片８をつまんで引張ると比較的剥離強度が
小さいため、手指の力で融着テープ６が端部から剥離
し、剥離はそのままジッパー袋１の他端まで伝播した。
このようにして、袋の中央部に設けたジッパー爪４、５
を露出させることができた。１７は内容物であり、図４
においては切断した味付け海苔を収納した袋を示した。

【００３２】本実施例においてはヨコ融着部１０の外側
に充分な非融着部１１を設けたが、非融着部が手指でつ
まめない程度に少ない場合、或いは全く存在しない場合
にはヨコ融着部とヨコ融着部との間の任意のツマミ片８
をつまんで引張ることにより任意の部位から開封するこ
とができた。

【００３３】本実施例においては、ガセット折込み袋を
用いたので、形状が崩れやすい味付け海苔を比較的大量
に、安全に収納することができた。しかしながら、本発
明はガセット折込みのない通常の袋に使用しても、従来
のジッパー爪付袋よりも大量の内容物を収納することが
でき、使い勝手もよい。

【００３４】

【発明の効果】ジッパー爪の咬合部位を袋の一方の面の
中央部に位置させ、融着テープによりこの部位を外面か
ら融着する本発明によれば、ジッパー爪付密封袋にガセ
ット折込み方法を適用することができるため、ジッパー
袋の内容物を増大させることができ、ジッパー爪付袋の
長所を充分に享受することができる。

【００３５】したがって、内部をある程度の湿潤状態に
保ちたい品物、内部を乾燥状態に保ちたい品物などを大
量に密封し、上面の中央部から必要量のみ取出し、再度
密封状態に保つことが可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の１実施例のジッパー爪を設けた
面の平面図である。

【図２】図２は図１のii−ii線端面図である。

【図３】図３は図２の破線部分の拡大図である。

【図４】図４は開封し、ジッパーを開いた状態の斜視図
である。

【符号の説明】

１ ジッパー袋 ２ 折返し面 ３ 折返し面端縁線 ４ ジッパー雌爪 ５ ジッパー雄爪 ６ 融着テープ ７ 融着部 ８ つまみ片 ９ テープ端縁線 １０ ヨコ融着部 １１ 非融着部 １２ 熱融着性層 １３ 基材層 １４ ガセット折込み線 １５ 押圧面 １６ 熱バー １８ 溶融部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 袋の一方の面に咬合したジッパー爪が設
   けられ、内側が熱融着性層であるフィルムからなるジッ
   パー爪付密封袋であって、ジッパー爪の外側のフィルム
   が折返されて２列の折返し面を形成し、該２列の折返し
   面のジッパー爪部を覆って内面に熱融着性層を有する融
   着テープが、融着されていないつまみ片を両端縁部に残
   して融着されていると共に、ジッパー爪と直交するヨコ
   融着部がそれぞれ融着されていることを特徴とするテー
   プ貼りジッパー袋。
2. 【請求項２】 ヨコ融着部の両端にガセット折込みを有
   する状態で、ヨコ融着部が融着されていることを特徴と
   する請求項第１項に記載するテープ貼りジッパー袋。
3. 【請求項３】 ジッパー爪が両端部において咬合したま
   ま加熱融着され、開封機能を失っていることを特徴とす
   る請求項第１項または第２項に記載するテープ貼りジッ
   パー袋。