JPH05278492A - 車両用差動制限制御装置 - Google Patents

車両用差動制限制御装置

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JPH05278492A
JPH05278492A JP10858392A JP10858392A JPH05278492A JP H05278492 A JPH05278492 A JP H05278492A JP 10858392 A JP10858392 A JP 10858392A JP 10858392 A JP10858392 A JP 10858392A JP H05278492 A JPH05278492 A JP H05278492A
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rotational speed
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、車両の左右輪の差動制限を制御す
る車両用差動制限制御装置に関し、装置の耐久性を高め
ながら左右輪の差動制限状態を制御できるようにするこ
とを目的とする。 【構成】 車両の左右輪間用の差動制限機構と、上記差
動制限機構を制御する制御手段と、上記車両の旋回中に
生じる左右輪の実回転速度差を検出する実回転速度差検
出手段104,106とをそなえ、上記制御手段に、上
記実回転速度差が増加するとこれにともなって増加する
ように上記差動制限機構の差動制限力(LSD拘束トル
ク)を設定する差動制限力設定手段126A,126B
が設けられて、上記差動制限力設定手段126A,12
6Bが、上記車両の高速走行時には上記差動制限力を通
常時よりも小さな値に設定するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の左右輪の差動制
限を制御する、車両用差動制限制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動輪における左右輪間には、
旋回時等に生じる差動を許容するための差動機構が設け
られているが、この差動機構では、左右輪のうち一方の
車輪の負荷が溝にはまって路面との摩擦係数が著しく小
さくなると、この一方の車輪のみにが回転して他方の車
輪はほとんど回転しなくなって、路面に駆動トルクを伝
達できない状態が生じることがある。
【0003】そこで、このような場合に、その差動を制
限できる差動制限機構(LSD=リミテットスリップデ
フ)が開発されている。このような左右輪の差動制限機
構には、左右輪の回転速度差に比例するタイプのもの
や、入力トルクに比例するタイプのものがある。左右輪
回転速度差比例タイプには、液体の粘性を利用したVC
(ビスカスカップリング)式LSDなどのものがあり、
車両の走行安定性を向上しうる利点がある。一方、入力
トルク比例タイプのものには、一般的なLOM(ロック
オートマチック)式LSDなどのフリクションタイプの
ものや、ウォームギヤの摩擦抵抗を利用したTORSE
N(トルーセン)式LSDなどのメカニカルタイプのも
のがあり、車両の旋回性能を向上しうる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な各差動制限機構(LSD)では、その差動制御特性が
物性などによって定まっており、必ずしも常に適切に差
動制御を行なえるように差動制御特性を調整できるよう
にはなっていない。そこで、差動制限状態を積極的に調
整しうる機構として、例えば多板クラッチを利用したも
のが考えられる。つまり、互いに差動を生じる左輪側の
回転系と右輪側の回転系との間に多板クラッチを介装し
て、この多板クラッチの係合状態を例えば油圧とか電磁
力の調整手段によって調整できるようにして、コントロ
ーラ(例えばマイクロコンピュータ)の指令により調整
手段を通じて差動制限状態を積極的に調整することがで
きる。
【0005】したがって、例えば左右輪間の回転差(回
転速度差)に応じて差動制限状態を適当に制御すること
ができる。図11は、このような差動制限制御装置の要
部構成を示す模式的なブロック図であり、右輪側に車輪
速センサ104を左輪側に車輪速センサ106をそれぞ
れ設置して、コントローラ内に、車輪速センサ104か
らの右輪回転数Aと車輪速センサ106からの左輪回転
数Bとの差(例えばA−B)を算出する演算手段(減算
器)116と、この回転数差(A−B)に対応して差動
制限力(=LSD拘束トルク)を設定する差動制限力設
定手段126′とを設ける。
【0006】差動制限力設定手段126′では、例えば
このブロック内に示すマップのように回転数差(A−
B)に対してこれと比例するように差動制限力を設定す
る。これにより、回転数差に応じて差動を制限できるよ
うになり、差動の許容と差動の制限とをバランスさせる
ことができ、例えば車両の旋回を円滑に行なえるように
しながら、路面へ常に確実に駆動力を伝達することがで
きる。
【0007】しかしながら、このような多板クラッチ式
の差動制限機構では、クラッチを滑らせながら差動制限
を調整するが、クラッチが長時間滑り続けると、クラッ
チの耐久性が問題になる。例えば左右輪の走行路の路面
μが互いに異なる環境で発進する時(左右μスプリット
発進時)等では、特に、高速走行する時ほど、多板クラ
ッチを拘束しつつ左右輪の回転差が大きい状態が続行す
ることがあり、クラッチは高負荷条件に長時間さらされ
ることになる。このため、クラッチが損傷して、クラッ
チにスティックスリップによる振動や騒音の増大のおそ
れがある。また、さらに、クラッチが焼き付いて、スム
ーズな差動ができなくなって、タイトコーナブレーキン
グ現象等を招くおそれもある。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、装置の耐久性を高めながら左右輪の差動制限状態
を制御できるようにした、車両用差動制限制御装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に関
する本発明の車両用差動制限制御装置は、車両の左右輪
間の差動状態を制限する差動制限機構と、上記差動制限
機構を制御する制御手段と、上記車両の旋回中に生じる
左右輪の実回転速度差を検出する実回転速度差検出手段
とをそなえ、上記制御手段に、上記実回転速度差が増加
するとこれにともなって増加するように上記差動制限機
構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設けら
れて、上記差動制限力設定手段が、上記車両の高速走行
時には上記差動制限力を通常時よりも小さな値に設定す
るように構成されていることを特徴としている。
【0010】また、請求項2に関する本発明の車両用差
動制限制御装置は、車両の左右輪間の差動状態を制限す
る差動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手
段と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差
を検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御
手段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動制
限機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設
けられて、上記差動制限力設定手段が、上記車両の中低
速走行時における上記差動制限力を設定する中低速用差
動制限力設定部と、上記車両の高速走行時における上記
差動制限力を設定する高速用差動制限力設定部とをそな
え、上記中低速用差動制限力設定部が、上記実回転速度
差に比例して最大値まで増加していくように上記差動制
限力を設定するように構成されるとともに、上記高速用
差動制限力設定部が、上記実回転速度差が基準値に達す
るまでは該実回転速度差の増加に比例して増加していく
ように上記差動制限力を設定し該実回転速度差が基準値
に達したら該実回転速度差の増加に対して減少していく
ように該差動制限力を設定するうように構成されている
ことを特徴としている。
【0011】さらに、請求項3に関する本発明の車両用
差動制限制御装置は、車両の左右輪間の差動状態を制限
する差動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御
手段と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度
差を検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制
御手段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動
制限機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が
設けられて、上記差動制限力設定手段が、上記実回転速
度差が基準値に達するまでは該実回転速度差の増加に比
例して増加していくように上記差動制限力を設定し該実
回転速度差が基準値に達したら該実回転速度差の増加に
対して減少していくように該差動制限力を設定するうよ
うに構成されて、上記実回転速度差の基準値が車速が高
速になるほど小さな値になるように車速に対応して可変
に設定されていることを特徴としている。
【0012】
【作用】上述の請求項1に関する本発明の車両用差動制
限制御装置では、実回転速度差検出手段が左右輪の実回
転速度差を検出すると、制御手段の差動制限力設定手段
が、上記実回転速度差が増加するとこれにともなって増
加するように上記差動制限機構の差動制限力を設定す
る。そして、差動制限機構が制御手段によって設定され
た差動制限力の状態になるように制御される。
【0013】この結果、車両の左右輪間の差動状態は、
左右輪の実回転速度差に対応して、実回転速度差が大き
いほど大きな差動制限力で制限される。そして、上記車
両の高速走行時には、上記差動制限力設定手段が、上記
差動制限力を通常時よりも小さな値に設定するので、特
に高速走行時ほど問題となる差動制限機構に加わる負荷
が低減されて、この差動制限機構が保護される。
【0014】また、請求項2に関する本発明の車両用差
動制限制御装置では、実回転速度差検出手段が左右輪の
実回転速度差を検出すると、制御手段の差動制限力設定
手段が差動制限機構の差動制限力を速度に応じて設定す
る。つまり、車両の中低速走行時には、中低速用差動制
限力設定部で、上記実回転速度差に比例して最大値まで
増加していくように上記差動制限力を設定して、上記車
両の高速走行時には、高速用差動制限力設定部で、上記
実回転速度差が基準値に達するまでは、この実回転速度
差の増加に比例して増加していくように上記差動制限力
を設定し、実回転速度差が基準値に達したら、この実回
転速度差の増加に対して減少していくように差動制限力
を設定する。
【0015】そして、差動制限機構が制御手段によって
この差動制限力の状態になるように制御される。この結
果、車両の左右輪間の差動状態は、一般には、左右輪の
実回転速度差に対応して、実回転速度差が大きいほど大
きな差動制限力で制限され、高速走行時に左右輪間の差
動が大きいと、上記差動制限力がより小さな値に設定さ
れるので、特に高速走行時ほど問題となる差動制限機構
に加わる負荷が低減されて、この差動制限機構が保護さ
れる。
【0016】さらに、請求項3に関する本発明の車両用
差動制限制御装置では、実回転速度差検出手段が左右輪
の実回転速度差を検出すると、制御手段の差動制限力設
定手段が差動制限機構の差動制限力を速度に応じて設定
する。つまり、差動制限力設定手段では、実回転速度差
の基準値を車速が高速になるほど小さな値になるように
車速に対応して設定して、上記実回転速度差がこの基準
値に達するまでは、この実回転速度差の増加に比例して
増加していくように上記差動制限力を設定し、実回転速
度差が基準値に達したら、この実回転速度差の増加に対
して減少していくように差動制限力を設定する。
【0017】そして、差動制限機構が制御手段によって
この差動制限力の状態になるように制御される。この結
果、車両の左右輪間の差動状態は、低速時には、実回転
速度差が大きくなってもなかなか基準値に達しないの
で、主として、左右輪の実回転速度差に対応して、実回
転速度差が大きいほど大きな差動制限力で制限される。
一方、車速が高速になるにしたがって、実回転速度差が
あまり大きくなくても基準値に達するようになり、実回
転速度差の増加すると却って差動制限力を減少していく
ようになり、特に高速走行時ほど問題となる差動制限機
構に加わる負荷が低減されて、この差動制限機構が保護
される。
【0018】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜8は本発明の第1実施例としての車
両用差動制限制御装置を示すもので、図1はその要部構
成を示すブロック図、図2はその差動制御装置をそなえ
た駆動トルク伝達系の全体構成図、図3はその装置の全
体構成を示すブロック図、図4はその主要な制御(差動
対応制御)に関するサブルーチンを示すフローチャー
ト、図5はその制御のメインルーチンを示すフローチャ
ート、図6はその他の制御のサブルーチンを示すフロー
チャート、図7はそのさらに他の制御のサブルーチンを
示すフローチャート、図8はその差動対応制御にかかる
マップを示す図であり、図9は本発明の第2実施例とし
ての車両用差動制限制御装置の差動対応制御にかかるマ
ップを示す図であり、図10は本発明の第3実施例とし
ての車両用差動制限制御装置の差動対応制御に関するサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【0019】まず、第1実施例について説明すると、こ
の差動調整式前後輪トルク配分制御装置をそなえる車両
の駆動系の全体構成を図2を参照して説明する。図2に
おいて、符号2はエンジンであって、このエンジン2の
出力はトルクコンバータ4及び自動変速機6を介して出
力軸8に伝達される。出力軸8の出力は、中間ギア10
を介して前輪と後輪とのエンジントルクを所要の状態に
配分する作動装置としての遊星歯車式差動装置12に伝
達される。
【0020】この遊星歯車式差動装置12の出力は、一
方において減速歯車機構19,前輪用の差動歯車装置1
4を介して車軸17L,17Rから左右の前輪16、1
8に伝達され、他方においてベベルギヤ機構15,プロ
ペラシャフト20及びベベルギヤ機構21,後輪用の差
動歯車装置(リヤディファレンシャル)22を介して車
軸25L,25Rから左右の後輪24,26に伝達され
る。
【0021】遊星歯車式差動装置12は、従来周知のも
のと同様にサンギア121、同サンギア121の外方に
配置されたプラネタリギア127と、同プラネタリギア
127の外方に配置されたリングギア123とを備え、
プラネタリギア127を支持するキャリア125に自動
変速機6の出力軸8の出力が入力され、サンギア121
は前輪用出力軸27および減速歯車機構19を介して前
輪用差動歯車装置14に連動され、リングギア123は
後輪用出力軸29およびベベルギヤ機構15を介してプ
ロペラシャフト20に連動されている。
【0022】また、遊星歯車式差動装置14には、その
前輪側出力部と後輪側出力部との差動を拘束(又は制
限)することにより前輪と後輪とのエンジンの出力トル
クの配分を変更しうる差動制限手段又は差動調整手段と
しての油圧多板クラッチ28が付設されている。すなわ
ち、油圧多板クラッチ28は、サンギヤ121(又はリ
ングギア123)とキャリア125との間に介装されて
おり、自身の油圧室に作用される制御圧力によって摩擦
力が変わり、サンギヤ121(又はリングギア123)
とキャリヤ125との差動を拘束するようになってい
る。
【0023】したがって、遊星歯車式差動装置12は、
油圧多板クラッチ28を完全フリーの状態からロックさ
せた状態まで適宜制御することにより、前輪側及び後輪
側へ伝達されるトルクを、前輪:後輪が約32:68程
度から50:50の間で制御することができるようにな
っている。完全フリー状態での前輪:後輪の値:約3
2:68は、遊星歯車の前輪側及び後輪側の入力歯車の
歯数比等の設定により規定でき、ここでは、油圧多板ク
ラッチ28の油圧室内の圧力がゼロで完全フリーの状態
のときには約32:68となるように設定されている。
【0024】また、この完全フリー状態での比(約3
2:68)は、前輪系と後輪系との負荷バランス等によ
って変化するが通常はこのような値となる。また、油圧
室内の圧力が設定圧(9kg/cm2)とされて油圧多板ク
ラッチ28がロック状態にあって、差動制限が実質的に
ゼロとなると、前輪と後輪とのトルク配分は、50:5
0となって直結状態となる。
【0025】なお、リヤディファレンシャル22につい
ては、後で詳述する。符号30はステアリングホイール
32の中立位置からの回転角度、即ちハンドル角θを検
出するハンドル角センサ、34a,34bはそれぞれ車
体の前部および後部に作用する横方向の加速度Gyf,G
yrを検出する横加速度センサであり、この例では、2つ
の検出データGyf,Gyrを平均して横加速度データとし
ているが、車体の重心部付近に横加速度センサ34を1
つだけ設けて、この検出値を横加速度データとしてもよ
い。36は車体に作用する前後方向の加速度Gxを検出
する前後加速度センサ、38はエンジン2のスロットル
開度θtを検出するスロットルポジションセンサ、39
はエンジン2のエンジンキースイッチ、40,42,4
4,46はそれぞれ左前輪16,右前輪18,左後輪2
6,右後輪28の回転速度を検出する車輪速センサであ
り、これらスイッチ及び各センサの出力はコントローラ
48に入力されている。
【0026】符号50はアンチロックブレーキ装置であ
り、このアンチロックブレーキ装置50はブレーキスイ
ッチ50Aと連動して作動する。つまり、ブレーキペダ
ル51の踏込時にブレーキスイッチ50Aがオンとなる
と、これに連動してアンチロックブレーキの作動信号が
出力されて、アンチロックブレーキ装置50が作動す
る。また、アンチロックブレーキの作動信号が出力され
るときには同時にその状態を示す信号がコントローラ4
8に入力されるように構成されている。また、52はコ
ントローラ48の制御信号に基づき点灯する警告灯であ
る。
【0027】なお、コントローラ48は、図示しないが
後述する制御に必要なCPU、ROM、RAM、インタ
フェイス等を備えている。符号54は油圧源、56は同
油圧源54と油圧多板クラッチ28の油圧室との間に介
装されてコントローラ48からの制御信号により制御さ
れる圧力制御弁系(以下、圧力制御弁と略す)である。
また、この自動車には自動変速機がそなえられてお
り、符合160は自動変速機のシフトレバー160Aの
選択シフトレンジを検出するシフトレバー位置センサ
(シフトレンジ検出手段)であり、この検出情報もコン
トローラ48に送られる。
【0028】さらに、エンジン回転数センサ(エンジン
回転速度センサ)170で検出されたエンジン回転数N
eやトランスミッション回転数センサ(トランスミッシ
ョン回転速度センサ)180で検出されたトランスミッ
ション回転数Ntもコントローラ48に送られる。ま
た、この例では、トラクションコントロールシステム1
51もそなえている。つまり、エンジン2は、アクセル
ペダル162の踏み込み量に応じて開度が制御される主
スロットル弁152をそなえており、アクセルペダル1
62および連結策等とともにアクセルペダル系エンジン
出力調整装置を構成している。そして、アクセルペダル
系エンジン出力調整装置と独立して制御されるエンジン
出力制御手段としての副スロットル弁153が、エンジ
ン2の吸気通路内において主スロットル弁152と直列
的に設けられている。この副スロットル弁153はモー
タにより駆動され、このモータは後輪速センサ44,4
6や前輪速センサ40,42やエンジン回転数センサ1
70やエンジン負荷センサ172等の検知結果にもとづ
き駆動制御される。
【0029】上述のリヤディファレンシャル(リヤデ
フ)22は、図2に示すように構成され、プロペラシャ
フト20の後端からベベルギヤ21を介して入力された
駆動力が、ベベルギヤ式リヤデフ22において、ドライ
ブピニオン22Aから、左輪側回転軸25Lに連結され
た左輪ドリブンピニオン22B及び右輪側回転軸25R
に連結された右輪ドリブンピニオン22Cにそれぞれ分
配されるようになっている。なお、この例では、リヤデ
フ22としてベベルギヤ式のものが採用されているが、
リヤデフ22としては遊星歯車式のものも考えられる。
【0030】そして、このリヤデフ22には、差動制限
機構23が付設されており、差動制限機構23は、図2
に示すように、左輪側回転軸25Lと右輪側回転軸25
Rとの間に介装された多板クラッチにより構成されてお
り、図示しない駆動機構により多板クラッチを完全に離
隔した状態から完全に係合した状態(又は所定のレベル
まで係合した状態)までその係合状態を連続的に調整で
きるようになっている。この駆動機構としては、ここで
は、磁力により多板クラッチのクラッチプレートへの押
圧力を調整する電磁式クラッチ機構が用いられている
が、例えば油圧により多板クラッチのクラッチプレート
への押圧力を調整する油圧多板クラッチ機構も考えられ
る。
【0031】そして、このような油圧多板クラッチ機構
の電磁式クラッチ機構(又は油圧調整)のソレノイドへ
の電流調整による差動制限力を制御するが、この差動制
限力制御のために、コントローラ48にリヤデフ制御部
48aが設けられている。ここで、このリヤデフ制御部
48aについて説明する。リヤデフ制御部48aは、図
3のブロック図に示すように、後輪分担トルクを算出す
る後輪分担トルク算出手段102と、左右の後輪の車輪
速を検出する車輪速検出手段104,106と、車体速
度(車速)を検出又は算出する車体速度検出手段108
等からの検出情報に基づいて、多板クラッチ23のクラ
ッチトルク(LSD拘束トルク)を設定し、目標のクラ
ッチトルクを得られるように駆動機構の供給油圧又は供
給電流を制御するようになっている。なお、車輪速検出
手段104,106は、前述の車輪速センサ44,46
と、このセンサからの出力中の雑音成分を除去するフィ
ルタ(図示略)とから構成される。
【0032】この装置では、多板クラッチ23のクラッ
チトルクの設定は、左右輪の差動状態(回転速度差で
あって回転数差とも表現する)に対応して設定される差
動対応クラッチトルクTRVと、急発進時などにおけ
る車輪のスリップを抑制して大きな路面伝達トルクを得
られるように後輪に入力されるトルクTAに比例して設
定される入力トルク比例クラッチトルクTRTと、多
板クラッチ23を係合直前の状態に設定するイニシャル
クラッチトルクTRIとの中から1つが選択されるよう
になっており、これらの各クラッチトルクTRV,TR
T,TRIの設定部について順に説明する。
【0033】差動対応クラッチトルクTRVは、タイト
コーナブレーキング現象を回避しながら路面への駆動力
伝達を効率よく行なおうとするためのクラッチトルクで
ある。このため、リヤデフ制御部48a内には、図1,
3に示すように、車輪速検出手段104,106からの
信号VRR,VRLを受けてこれらの信号を減算処理し
て差DVRD(=VRR−VRL)を求める演算処理部
(実回転速度差検出手段)116と、このようにして求
めた差DVRDから、マップ3を用いてクラッチトルク
TRVを設定するクラッチトルク設定部(差動制限力設
定手段)126とがそなえられている。
【0034】ただし、ここでは、図3に示すように、演
算処理部122で、演算処理部116から出力された差
DVRDを、車速と操舵角で決まる補正量DVHRによ
り減算補正して、値DVRを得るようになっている。こ
の補正量DVHRは、車両の旋回時に左右輪に当然生じ
るべき回転差の値であり、この回転差(補正量)DVH
Rは、車速VBと操舵角THで決まり、車速VBに関し
ては車速VBの増大にともなって増加し、操舵角THに
関しても操舵角THの増大にともなって増加する。
【0035】そこで、車体速度検出手段108で検出さ
れた車速VBに対応して例えば図3中のマップ5のごと
く回転差成分DVHR1を設定する車体対応回転差成分
設定部118と、この回転差成分DVHR1を操舵角T
Hに応じて補正する操舵角対応補正部120とが設けら
れている。なお、操舵角対応補正部120による補正
は、操舵角TH又は操舵角THに比例するような補正係
数を回転差成分DVHR1に積算して行ない、回転差
(補正量)DVHRを得るようになっている。ただし、
カウンタステア時には、DVHRは0に設定され、実質
的には演算処理部122での減算補正処理は行なわな
い。
【0036】クラッチトルク設定部126では、演算処
理部122で補正された差の値DVRに基づきマップ3
を用いてクラッチトルクTRVを設定するが、この設定
は、車速による場合分けで2種類のマップA,Bを使い
分けて行なうようになっている。つまり、車速が中低速
状態にあるか高速状態にあるかを判別してクラッチトル
ク設定部126に信号として出力する車速判別信号出力
部124が設けられる一方、クラッチトルク設定部12
6には、中低速走行時における差動制限力を設定する中
低速用差動制限力設定部126Aと、高速走行時におけ
る差動制限力を設定する高速用差動制限力設定部126
Bとがそなえられている。
【0037】車速判別信号出力部124は、車速VBを
予め設定された基準値V0 と比較して、車速VBが基準
値V0 以下か又は基準値V0 よりも大きいかを判断す
る。車速VBが基準値V0 以下であれば中低速状態にあ
ると判断でき、車速VBが基準値V0 よりも大きければ
高速状態にあると判断できる。そして、この判断結果に
基づいた信号をクラッチトルク設定部126に出力する
ようになっている。
【0038】クラッチトルク設定部126では、車速判
別信号出力部124からの信号から中低速状態にあると
されると、中低速用差動制限力設定部126Aで差動制
限力を設定し、車速判別信号出力部124からの信号か
ら高速状態にあるとされると、高速用差動制限力設定部
126Bで差動制限力を設定する。中低速用差動制限力
設定部126Aでは、図1のブロック126A内に示す
マップのように、差動制限力(LSD拘束トルク)を実
回転速度差|A−B|(=DVR)に(傾き角θ1 で)
比例して増加するように設定されており、ただし、差動
制限力がその最大値(多板クラッチ23を完全に係合さ
せる差動制限力又は所定のレベルまで係合させる差動制
限力)まで達すると実回転速度差が増加しても差動制限
力は一定となる。
【0039】高速用差動制限力設定部126Bでは、図
1のブロック126B内及び図8に示すマップのよう
に、実回転速度差|A−B|(=DVR)が基準値DV
1 よりも小さい領域では、差動制限力(LSD拘束トル
ク)を実回転速度差|A−B|(=DVR)に(傾き角
θ1 で)比例して増加するように設定されている(マッ
プ中の符号aの部分参照)。
【0040】しかし、実回転速度差|A−B|が基準値
DV1 よりも大きい領域では、実回転速度差|A−B|
が増加すると差動制限力が(傾き角θ2 で)減少するよ
うに設定されている(マップ中の符号bの部分参照)。
さらに、実回転速度差|A−B|が基準値DV2 よりも
大きくなると、差動制限力は0になる。これは、実回転
速度差|A−B|が基準値DV1 よりも大きい領域で
は、クラッチに大きな負荷がかかりクラッチの耐久性上
好ましくないため、このよう領域では、クラッチの係合
を弱めるか又は解除してクラッチの保護を図りたいため
である。ただし、符号bで示す部分のように、差動制限
力を適当な傾斜(傾きθ2)で減少させており突然0に
していないのは、車両の操縦フィーリングを良好に保て
るように配慮したものである。
【0041】一方、このように大きくなった実回転速度
差|A−B|が減少していくと、実回転速度差|A−B
|が所定の値(小さな差の値)DV3 まで減少するまで
は差動制限力が0に維持されるように設定されている
(マップ中の符号cの部分参照)。これは、符号a,b
と示す経路のように既に過酷な条件下で作動してきたク
ラッチに対して、クラッチ負荷が十分に小さくなるまで
クラッチを作動を待って、クラッチの保護を確実に行な
いたいためである。
【0042】そして、実回転速度差|A−B|がこれよ
りもさらに減少して値DV3 以下になったら、差動制限
力をその減少にともなって(傾き角θ3 で)増加してい
くように設定されている(マップ中の符号dの部分参
照)。このように差動制限力を増加させるのは、実回転
速度差|A−B|が十分に小さくなると、クラッチを係
合させた際のクラッチの負荷が十分に小さくなるので、
クラッチ保護の必要がなくなり、むしろ、クラッチを係
合させて、差動制限制御を有効に利用しようとするため
である。
【0043】なお、上述の各傾き角θ1 ,θ2 ,θ3
それぞれ適宜設定される。このように、高速用差動制限
力設定部126Bでは、高速走行時にクラッチが過酷な
条件下にさらされやすいので、常にクラッチの保護を考
慮しながら差動制限制御を行なっているのである。な
お、マップ中の符号bの途中で、即ち差動制限力が0に
なる前に、実回転速度差|A−B|が減少すると、マッ
プ中に鎖線で示すようにこの時の差動制限力を維持させ
たり、符号bで示す直線を元に戻っていくように差動制
限力を設定させる手段などが考えられる。これは、基準
値DV1 を安全側に余裕をもって設定する(つまり、比
較的小さく設定する)ことで、実回転速度差|A−B|
がこの基準値DV1 の近傍では、クラッチの保護よりも
差動制御を優先させ、実回転速度差|A−B|がこの基
準値DV1 を越えたら次第にクラッチ保護を優先させて
ゆくことで十分にクラッチ保護を図れると考えられるか
らである。
【0044】なお、差DVRDをDVRD=VRL−V
RRと定義する場合もある。一方、後輪分担トルク比例
クラッチトルクTRTは、停止状態からの急発進時など
に伝達トルクが大きくなることが予想される場合に、後
輪の初期スリップを防ぐことができるようするための設
定トルクであって、後輪分担トルクTA1から比例トル
クTRT1を求めてこれに操舵角による補正と車速によ
る補正を施すことで得られる。
【0045】このため、後輪分担トルク算出手段102
と、比例クラッチトルク変換手段110と、操舵角補正
手段112と、車速補正手段114とが設けられてい
る。後輪分担トルク算出手段102では、ある瞬間のエ
ンジントルクTeと、その時のトルコントルク比tと、
その時のトランスミッションの減速比ρmと、前後加速
度Gxから得られるセンタデフトルク(センタデフクラ
ッチトルク)Tcとの情報が送られて、これらのエンジ
ントルクTeとトルコントルク比tとトランスミッショ
ンの減速比ρmとセンタデフトルクTcとから後輪分担
トルクTA1を算出するように構成されている。
【0046】その時のエンジントルクTeの検出は、ス
ロットル開度データとエンジン回転数データとから、図
示しないエンジントルクマップを通じて求めるようにな
っている。その時のトルコントルク比tの検出は、エン
ジン回転数データNeと、トランスミッション回転数デ
ータNtとから、図示しないトランスミッショントルク
比マップを通じて求めるようになっている。
【0047】トランスミッションの減速比ρmは、トラ
ンスミッションの選択シフト段情報から、シフト段−減
速比対応マップ(図示省略)を参照して求めるようにな
っている。センタデフトルクTcは、前後加速度Gxに
基づいて次式からを演算する。 Tc=(Z/ Zr)・( Rt/ρrd) (Wf-Wa・Zs/Z)・Gx-h/l・ Wa・ Gx2 ただし、Zsはサンギヤの歯数、Zrはリングギヤの歯
数、Wfは前輪分担荷重、Waは車重、ρrdは終減速
比、ZはZs+Zrである。
【0048】そして、後輪分担トルクTA1は、上述の
ように設定されたエンジントルクTe,トルコントルク
比t,トランスミッションの減速比ρm,センタデフト
ルクTcに基づいて演算されるが、この算出は、次の2
式による演算結果TA11,TA12のうち大きい方の値
を採用する。TA11を算出する演算式は次式であり、
これはクラッチが滑る場合を想定したトルクの前後配分
式である。 TA11=(Te・t・ρ1・ρm−Tc)・ρrd・Z
r/(Zr+Zs) また、TA12を算出する演算式は次式であり、これは
クラッチが滑らない場合を想定した式であり、これによ
り得られる後輪分担トルクTA12は静止時後輪分担ト
ルクである。 TA12=(Wr/W)・Te・t・ρ1・ρm・ρrd そして、TA1=MAX(TA11 ,TA12 )によ
り、後輪分担トルクTA1を決定する。
【0049】なお、後輪分担トルクTA1として、上述
のように静止時後輪分担トルクTA12を採用するの
は、TA11の演算式ではTA11の値が負になる場合が
あり、このような場合等に静止時後輪分担トルクTA1
2を採用しているのである。また、この後輪分担トルク
TA1に基づくクラッチ制御は発進時を狙っているもの
なので、静止時後輪分担トルクTA12を採用するのは
これに適している。
【0050】比例クラッチトルク変換手段110は、上
述の後輪分担トルクTA1に比例したクラッチトルクT
RT1を演算するもので、例えば図3中のマップ1に示
すように設定された比例関係[傾斜m(=TRT1/T
A1)が、例えば0.8]で、TA1からTRT1を算
出する。ただし、TRT1は上限をクリップされてい
る。
【0051】操舵角補正手段112では、図3中の符号
112Aで示すようなマップ6に従って操舵角から補正
量KREを設定する。また、車速補正手段114では、
図3中の符号114Aで示すようなマップ2に従って車
速から補正量KVB2を設定する。これらの補正は、例
えはタイトコーナブレーキ現象を回避しようとするもの
で、旋回時に生じる左右輪差を許容するためのものであ
る。つまり、この場合には、急発進性能よりも旋回性能
(タイトコーナブレーキ現象を防止できるような性能)
を優先させるように、クラッチトルクTRT1が小さく
なるよう補正されるのである。
【0052】さらに、イニシャルクラッチトルクTRI
を設定するイニシャルクラッチトルク設定手段128で
は、図中のマップ7に示すように、操舵角THに応じて
イニシャルクラッチトルクTRIを設定するが、これ
は、旋回時に生じる左右輪差を許容しながら、クラッチ
を常に係合開始直前の状態に保持しようとしているので
ある。
【0053】上述の差動対応クラッチトルクTRV,後
輪分担トルク比例クラッチトルクTRT及びイニシャル
クラッチトルクTRIの各クラッチトルクは、適当なタ
イミングで繰り返される各制御サイクル毎にそれぞれ設
定され、最大値選択部130に送られるようになってい
る。この最大値選択部130では、各制御サイクル毎
に、クラッチトルクTRV,TRT及びTRIの中から
最大のもの(このクラッチトルクをTRDとする)を選
択する。
【0054】このようにして選択されたクラッチトルク
TRDは、トルク−電流変換部132に送られて、ここ
で、設定されたクラッチトルクTRDが得られるような
クラッチ供給電流IRDに変換されるようになってい
る。ここでは、マップ(図3中のブロック132内参
照)によって、クラッチトルクTRDからクラッチ供給
電流IRDを得ている。
【0055】上述のようにして、クラッチ供給電流IR
Dが得られたら、スイッチ134を経て、電流フィード
バック手段136を介しながらリヤデフ電磁クラッチ2
3のコイル138の制御のために送られるようになって
いる。なお、スイッチ134は、判断手段134Aから
の信号によって、ABS制御(アンチロックブレーキ制
御)が行なわれていれば(ON状態ならば)OFFとさ
れ、ABS制御が行なわれていなければONとされる。
つまり、ABS制御が行なわれていないことを条件に、
制御電流IRDの信号が送られるようになっている。こ
れは、ABS制御時にはABSを確実に作用させる必要
があり、この時左右輪のトルク配分状態を制御するの
は、ABS制御に干渉したりして好ましくないためであ
る。
【0056】なお、スイッチ134がOFFのときに
は、制御電流IRDとしては0が出力される。また、A
BS制御装置のない場合には、ブレーキスイッチを設け
てこのスイッチからの情報に基づいてブレーキ作動中に
はスイッチ134をOFFとして、ブレーキが作動して
いなければONとされる。コイル138では、このよう
にして送られてきた制御電流Iに応じて、磁力を発生し
て、リヤデフ電磁クラッチ23の接続状態を調整する。
【0057】第1実施例の装置は、上述のように構成さ
れているので、以下のようにして、差動調整が行なわれ
る。まず、リヤデフ電磁クラッチ23の制御の全体の動
作の流れは、図5に示すように、まず、各制御要素をイ
ニシャルセットしたのちに、各種データの読込みを行な
って(ステップM1)、後輪分担トルク比例クラッチト
ルクTRTの計算(ステップM2),差動対応クラッチ
トルクTRVの計算(ステップM3)及びイニシャルク
ラッチトルクTRIの計算(ステップM4)を行なっ
て、これらのクラッチトルクTRV,TRT及びTRI
の中から最大のクラッチトルクTRDを選択する(ステ
ップM5)。
【0058】次に、クラッチトルクTRDをクラッチ供
給電流IRDに変換する(ステップM6)。そして、判
断手段134Aにより、ABS制御(アンチロックブレ
ーキ制御)が作動しているか(又はブレーキが作動して
いるか)を判断して(ステップM7)、ABS(又はブ
レーキ)が作動していなければ、スイッチ134を接続
してステップM6で設定されたクラッチ供給電流IRD
をそのまま採用するが、ABS(又はブレーキが)作動
していれば、ステップM8に進んで、スイッチ134を
切ってクラッチ供給電流IRDを0に変更する。
【0059】このようにして、設定されたクラッチ供給
電流IRDに基づいて、アクチュエータ(リヤデフ電磁
クラッチ23のコイル138)を駆動する。ところで、
後輪分担トルク比例クラッチトルクTRTの計算(ステ
ップM2)は、例えば図6に示すサブルーチンのフロー
チャートのごとく行なうことができる。つまり、後輪分
担トルクTA1から比例トルクTRT1を求めて(ステ
ップT1)、後輪分担トルクTA1から比例トルクTR
T1を求めてこれに操舵角補正係数KREと車速補正係
数KVB2を乗算して後輪分担トルク比例クラッチトル
クTRTを算出する(ステップT2)。
【0060】また、差動対応クラッチトルクTRVの計
算(ステップM3)は、例えば図4に示すサブルーチン
のフローチャートのごとく行なうことができる。つま
り、演算処理部(実回転速度差検出手段)116で、車
輪速検出手段104,106からの信号VRR,VRL
を受けてこれらの信号を減算処理して差DVRD(=V
RR−VRL)を求める(ステップV1)。
【0061】次に、車体対応回転差成分設定部118
で、マップ5により車速VBに対応して回転差成分DV
HR1を求め、操舵角対応補正部120により、回転差
成分DVHR1を操舵角THで乗算補正して回転差(補
正量)DVHRを得る(ステップV2)。そして、カウ
ンタステア時かどうかの判断(ステップV3)によっ
て、カウンタステア時には、実質的には演算処理部12
2での減算補正処理は行なわないように、DVHRを0
に設定する(ステップV4)。カウンタステア時でなけ
れば、ステップV2で得た回転差(補正量)DVHRを
そのまま採用する。
【0062】さらに、ステップV5で、演算処理部12
2で、差DVRDから補正量DVHRを減算して制御パ
ラメータとしての左右輪回転数差の値DVRを求める。
そして、ステップV6で、車速VBが基準値V0 以下か
(未満か)どうかを判断して、車速VBが基準値V0
下ならば、ステップV7に進んで、マップAから値DV
Rに基づいて差動対応クラッチトルクTRVを設定す
る。また、車速VBが基準値V0 以下(未満)でなけれ
ば、ステップV8に進んで、マップAから値DVRに基
づいて差動対応クラッチトルクTRVを設定する。
【0063】さらに、イニシャルクラッチトルクTRI
の計算(ステップM4)は、例えば図7に示すサブルー
チンのフローチャートのごとく行なうことができる。つ
まり、マップ7から、操舵角THに応じてイニシャルク
ラッチトルクTRIを設定する。そして、上述の後輪分
担トルク比例クラッチトルクTRTによって、発進時や
低速からの急加速時などのときに、左右輪の差動を適切
に制限できるようになって、適宜高いトルクを路面に伝
達できるようになって、発進時や急加速時におけるタイ
ヤのスリップが防止され、走行安定化や旋回性能の向上
などを同時に達成でき走行性能が向上するとともに、駆
動系の耐久性向上にも寄与する。
【0064】なお、このリヤデフ機構は、4輪駆動車以
外の車両に適用することや、フロントデフに適用するこ
ともできる。また、上述の差動対応クラッチトルクTR
Vの設定により、クラッチトルクTRDの大きさが適切
に設定され、左右輪の差動が適宜許容されながら、旋回
時に運転者の意志に沿うように車両を挙動させることが
できるようになる。
【0065】そして、操舵角補正及び車速補正に関する
補正量が、操舵角が大きいほど大きく、また、低車速時
には車速の増大にしたがって増大するが、高速時には、
車速の増大に対して次第に小さな増大傾向となるように
設定されるので、高速時には後輪がスリップしやすくな
り、高速時ほど要求される車体の姿勢の応答性が確保さ
れる。また、操舵角に関しては、操舵角が大きいほど前
後輪に要求される回転差も大きくなり、これが適切に許
容され、タイトコーナブレーキング現象を回避できる利
点がある。
【0066】そして、この差動対応クラッチトルクTR
Vの設定は、高速時には、マップBに基づいて行なわれ
るので、実回転速度差|A−B|が基準値DV1 よりも
大きい領域では、実回転速度差|A−B|が増加すると
差動制限力が減少して、さらに、実回転速度差|A−B
|が基準値DV2 よりも大きくなると、差動制限力は0
になる。
【0067】これにより、実回転速度差|A−B|が基
準値DV1 よりも大きい領域では、クラッチの係合を弱
めるか又は解除してクラッチを保護できる。また、マッ
プ中に符号bで示す部分のように、差動制限力を適当な
傾斜(傾きθ2 )で減少させており突然0にしていない
ので、車両の操縦フィーリングを良好に保てる。一方、
このように大きくなった実回転速度差|A−B|が減少
していくと、実回転速度差|A−B|が所定の値(小さ
な差の値)DV3 まで減少するまでは差動制限力が0に
維持される(マップ中の符号cの部分参照)。
【0068】これにより、クラッチ負荷が十分に小さく
なるまで、クラッチの保護が確実に行なわれる。そし
て、実回転速度差|A−B|がこれよりもさらに減少し
て値DV3 以下になったら、差動制限力をその減少にと
もなって増加していく(マップ中の符号dの部分参
照)。
【0069】この結果、クラッチを係合させた際のクラ
ッチの負荷が十分に小さくなりクラッチ保護の必要がな
くなったら、速やかに、クラッチを係合して差動制限制
御を有効に利用できる。また、マップ中に符号dで示す
部分のように、差動制限力を適当な傾斜(傾きθ2 )で
増加させているので、車両の操縦フィーリングを良好に
保てる。
【0070】このように、クラッチが過酷な条件下にさ
らされやすい高速走行時に、常にクラッチの保護を考慮
しながら差動制限制御が行なわれるのである。次に、第
2実施例を説明すると、この実施例では、車速によっ
て、上述のマップA,Bのようにマップを使い分けるの
でなく、1つのマップの特性の一部を車速に応じて可変
に設定している。
【0071】つまり、この実施例の車両用差動制限制御
装置では、クラッチトルク設定部(差動制限力設定手
段)126及び車速判別信号出力部124が第1実施例
のものと異なる他は第1実施例のものと同様に構成され
ている。そして、このクラッチトルク設定部126で
は、車速信号を受けて、図9に示すようなマップにした
がって、実回転速度差|A−B|(=DVR)に基づい
て差動対応クラッチトルクTRVを設定している。
【0072】すなわち、図9に示すように、第1実施例
のマップBにおける直線bに相当する部分が車速に応じ
てスライド変化(平行移動)するようになっている。こ
こでは、基準値DV1 を、車速VBが大きくなると小さ
くし、車速VBが小さくなると大きくするようになって
いる。したがって、車速が低速であれば、基準値DV1
は極めて大きく、前述のマップAとほぼ同様な特性にな
るが、車速が拘束になるにしたがって、基準値DV1
小さくなって、実回転速度差|A−B|(=DVR)が
小さい領域で基準値DV1 を越えるようになる。したが
って、実回転速度差|A−B|に対して差動制限力が小
さく設定されるようになる。
【0073】これは、高速になるほど比較的小さな実回
転速度差|A−B|でもクラッチに大きな負荷がかかり
易くなりクラッチの耐久性上好ましくないため、このよ
うな条件下で、クラッチの係合を弱めるか又は解除して
クラッチの保護を図りたいためである。この他は、第1
実施例と同様に構成されるので、説明を省略する。
【0074】第2実施例の装置は、上述のように構成さ
れているので、差動対応クラッチトルクTRVは、図4
におけるステップV6〜V8による設定に代えて、車速
信号を受けて、図9に示すようなマップにしたがって、
実回転速度差|A−B|(=DVR)に基づいて差動対
応クラッチトルクTRVを設定する。これにより、第1
実施例とほぼ同様な作用及び効果が得られ、特に、車速
に応じて綿密に差動対応クラッチトルクTRVにおける
クラッチ保護制御が行なわれる利点がある。
【0075】次に、第3実施例を説明すると、この実施
例では、車速が高速で左右輪の回転差が大きい時に、差
動対応クラッチトルクTRVを0に設定するようになっ
ている。つまり、第1実施例における、車速が高速であ
るという条件を車速が高速で且つ左右輪の回転差が大き
いという条件に代えて、マップBの代わりに、クラッチ
トルクTRV=0のマップが用意されているものと考え
ることができる。
【0076】ただし、車速が高速かどうかの判断の閾値
は、保護制御開始条件と終了条件とで同一(例えばV1
=V1 ′=10km/h)になっているが、左右輪の回
転差が大きいかどうかの判断の閾値は、保護制御開始条
件と終了条件とで異なっている(例えばV2 =25km
/h,V2 ′=10km/h)になっている。これは、
第1のマップB及び第2実施例のマップの符号cで示す
特性線と同様な理由であり、過酷な条件下で作動してき
たクラッチに対して、クラッチ負荷が十分に小さくなる
までクラッチを作動を待って、クラッチの保護を確実に
行ないたいためである。
【0077】この他は、第1実施例と同様に構成される
ので、説明を省略する。第3実施例の装置は、上述のよ
うに構成されているので、例えば図10のフローチャー
トに示すようにして、差動対応クラッチトルクTRVが
設定される。つまり、演算処理部(実回転速度差検出手
段)116で、車輪速検出手段104,106からの信
号VRR,VRLを受けてこれらの信号を減算処理して
差DVRD(=VRR−VRL)を求める(ステップV
1)。
【0078】次に、車体対応回転差成分設定部118
で、マップ5により車速VBに対応して回転差成分DV
HR1を求め、操舵角対応補正部120により、回転差
成分DVHR1を操舵角THで乗算補正して回転差(補
正量)DVHRを得る(ステップV2)。そして、カウ
ンタステア時かどうかの判断(ステップV3)によっ
て、カウンタステア時には、実質的には演算処理部12
2での減算補正処理は行なわないように、DVHRを0
に設定する(ステップV4)。カウンタステア時でなけ
れば、ステップV2で得た回転差(補正量)DVHRを
そのまま採用する。
【0079】さらに、ステップV5で、演算処理部12
2で、差DVRDから補正量DVHRを減算して制御パ
ラメータとしての左右輪回転数差の値DVRを求める。
そして、ステップV7で、マップAから値DVRに基づ
いて差動対応クラッチトルクTRVを設定する。続くス
テップV9で、制御フラグFrgが1かどうかが判断さ
れる。この制御フラグFrgは、クラッチ保護制御を行
なっていると1になる。
【0080】クラッチ保護制御を行なっていなければ、
制御フラグFrgは0であって1でないので、ステップ
V10へ進んで、クラッチ保護制御開始条件を判断す
る。つまり、車速VBが閾値V1 以上で且つ左右輪の回
転差DVRが閾値V2 以上であるかどうかが判断され
る。車速VBが閾値V1 以上で且つ左右輪の回転差DV
Rが閾値V2 以上であれば、クラッチ保護制御を開始す
る。つまり、制御フラグFrgを1にセット(ステップ
V11)して、差動対応クラッチトルクTRVを0に設
定する(ステップV12)。
【0081】一方、車速VBが閾値V1 以上で且つ左右
輪の回転差DVRが閾値V2 以上でなければ、クラッチ
保護制御は開始しない。クラッチ保護制御を開始すると
制御フラグFrgを1にセットされるので、以降の制御
サイクルで、ステップV9からステップV13に進ん
で、クラッチ保護制御終了条件を判断する。つまり、車
速VBが閾値V1 ′以下で且つ左右輪の回転差DVRが
閾値V2 ′以下であるかどうかが判断される。
【0082】車速VBが閾値V1 ′以下で且つ左右輪の
回転差DVRが閾値V2 ′以下であれば、クラッチ保護
制御を終了する。つまり、制御フラグFrgを0にセッ
ト(ステップV14)して、差動対応クラッチトルクT
RVとしてステップV5で設定したものを採用する。一
方、車速VBが閾値V1 ′以下で且つ左右輪の回転差D
VRが閾値V2 ′以下でなければ、クラッチ保護制御を
続行する。つまり、制御フラグFrgを1に維持しなが
ら、差動対応クラッチトルクTRVを0に設定する(ス
テップV15)。
【0083】これにより、第1実施例とほぼ同様な作用
及び効果が得られる。特に、制御を簡素化でき、より実
用的なものになる。また、クラッチ保護制御の終了条件
が開始条件よりも厳しくなっているので、クラッチ負荷
が十分に小さくなるまで、クラッチの保護が確実に行な
われる。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に関する
本発明の車両用差動制限制御装置によれば、車両の左右
輪間の差動状態を制限する差動制限機構と、上記差動制
限機構を制御する制御手段と、上記車両の旋回中に生じ
る左右輪の実回転速度差を検出する実回転速度差検出手
段とをそなえ、上記制御手段に、上記実回転速度差が増
加するとこれにともなって増加するように上記差動制限
機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設け
られて、上記差動制限力設定手段が、上記車両の高速走
行時には上記差動制限力を通常時よりも小さな値に設定
するように構成されることにより、装置の耐久性を高め
ながら、左右輪の差動制限状態の制御を行なって車両の
走行性能を向上させることができる。
【0085】請求項2に関する本発明の車両用差動制限
制御装置によれば、車両の左右輪間の差動状態を制限す
る差動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手
段と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差
を検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御
手段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動制
限機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設
けられて、上記差動制限力設定手段が、上記車両の中低
速走行時における上記差動制限力を設定する中低速用差
動制限力設定部と、上記車両の高速走行時における上記
差動制限力を設定する高速用差動制限力設定部とをそな
え、上記中低速用差動制限力設定部が、上記実回転速度
差に比例して最大値まで増加していくように上記差動制
限力を設定するように構成されるとともに、上記高速用
差動制限力設定部が、上記実回転速度差が基準値に達す
るまでは該実回転速度差の増加に比例して増加していく
ように上記差動制限力を設定し該実回転速度差が基準値
に達したら該実回転速度差の増加に対して減少していく
ように該差動制限力を設定するうように構成されること
により、装置の耐久性の向上と左右輪の差動制限状態の
制御を行なうことによる車両の走行性能の向上とを兼ね
合い良く実現できる。
【0086】請求項3に関する本発明の車両用差動制限
制御装置によれば、車両の左右輪間の差動状態を制限す
る差動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手
段と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差
を検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御
手段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動制
限機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設
けられて、上記差動制限力設定手段が、上記実回転速度
差が基準値に達するまでは該実回転速度差の増加に比例
して増加していくように上記差動制限力を設定し該実回
転速度差が基準値に達したら該実回転速度差の増加に対
して減少していくように該差動制限力を設定するうよう
に構成されて、上記実回転速度差の基準値が車速が高速
になるほど小さな値になるように車速に対応して可変に
設定されるという構成により、より実用的な構成で、装
置の耐久性を高めながら、左右輪の差動制限状態の制御
を行なって車両の走行性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置をそなえた駆動トルク伝達系の全体構成図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の主要な制御(差動対応制御)に関するサブルー
チンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の制御のメインルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図6】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の他の制御に関するサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の他の制御に関するサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図8】本発明の第1実施例としての車両用差動制限制
御装置の差動対応制御にかかるマップを示す図である。
【図9】本発明の第2実施例としての車両用差動制限制
御装置の差動対応制御にかかるマップを示す図である。
【図10】本発明の第3実施例としての車両用差動制限
制御装置の差動対応制御に関するサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図11】本発明の案出過程で提案された車両用差動制
限制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 エンジン 4 トルクコンバータ 6 自動変速機 8 出力軸 10 中間ギヤ(トランスファーアイドラギヤ) 12 センタディファレンシャル(センタデフ) 14 前輪用の差動歯車装置 15 ベベルギヤ機構 15A ベベルギヤ軸 15a ベベルギヤ 16,18 前輪 17L,17R 前輪側車軸 19 減速歯車機構 19a 出力歯車 20 プロペラシャフト 21 ベベルギヤ機構 22 後輪用の差動歯車装置としてのリヤディファレン
シャル 23 差動制限装置 24 左側後輪 26 右側後輪 25L,25R 後輪用車軸 27 前輪用出力軸 27a 中空軸部材 28 差動制限機構 29 後輪用出力軸 30,30a,30b,30c ハンドル角センサ 32 ステアリングホイール 34,34a,34b 横加速度センサ 36 前後加速度センサ 38 スロットルセンサ 39 エンジンキースイッチ 40,42,44,46 車輪速センサ 48 コントローラ 48a リヤデフ制御部 50 アンチロックブレーキ装置 50A ブレーキスイッチ 102 後輪分担トルク算出手段 104,106 車輪速検出手段 108 車体速度検出手段 110 比例クラッチトルク変換手段 112 操舵角補正手段 114 車速補正手段 116 演算処理部(実回転速度差検出手段) 118 車体対応回転差成分設定部 120 操舵角対応補正部 122 演算処理部 124 車速判別信号出力部 126 クラッチトルク設定部 128 イニシャルクラッチトルク設定手段 126A 中低速用差動制限力設定部 126B 高速用差動制限力設定部 130 最大値選択部 132 トルク−電流変換部 134 スイッチ 134A 判断手段 136 電流フィードバック手段 138 リヤデフ電磁クラッチのコイル 121 サンギヤ 123 リングギヤ 125 プラネットキャリア 127 プラネタリピニオン(プラネタリギヤ) 160 シフトレバー位置センサ(シフトレンジ検出手
段) 160A 自動変速機のシフトレバー 170 エンジン回転数センサ 180 トランスミッション回転数センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の左右輪間の差動状態を制限する差
    動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手段
    と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差を
    検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御手
    段に、上記実回転速度差が増加するとこれにともなって
    増加するように上記差動制限機構の差動制限力を設定す
    る差動制限力設定手段が設けられて、上記差動制限力設
    定手段が、上記車両の高速走行時には上記差動制限力を
    通常時よりも小さな値に設定するように構成されている
    ことを特徴とする、車両用差動制限制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の左右輪間の差動状態を制限する差
    動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手段
    と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差を
    検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御手
    段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動制限
    機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設け
    られて、上記差動制限力設定手段が、上記車両の中低速
    走行時における上記差動制限力を設定する中低速用差動
    制限力設定部と、上記車両の高速走行時における上記差
    動制限力を設定する高速用差動制限力設定部とをそな
    え、上記中低速用差動制限力設定部が、上記実回転速度
    差に比例して最大値まで増加していくように上記差動制
    限力を設定するように構成されるとともに、上記高速用
    差動制限力設定部が、上記実回転速度差が基準値に達す
    るまでは該実回転速度差の増加に比例して増加していく
    ように上記差動制限力を設定し該実回転速度差が基準値
    に達したら該実回転速度差の増加に対して減少していく
    ように該差動制限力を設定するうように構成されている
    ことを特徴とする、車両用差動制限制御装置。
  3. 【請求項3】 車両の左右輪間の差動状態を制限する差
    動制限機構と、上記差動制限機構を制御する制御手段
    と、上記車両の旋回中に生じる左右輪の実回転速度差を
    検出する実回転速度差検出手段とをそなえ、上記制御手
    段に、上記実回転速度差の大きさに応じて上記差動制限
    機構の差動制限力を設定する差動制限力設定手段が設け
    られて、上記差動制限力設定手段が、上記実回転速度差
    が基準値に達するまでは該実回転速度差の増加に比例し
    て増加していくように上記差動制限力を設定し該実回転
    速度差が基準値に達したら該実回転速度差の増加に対し
    て減少していくように該差動制限力を設定するうように
    構成されて、上記実回転速度差の基準値が車速が高速に
    なるほど小さな値になるように車速に対応して可変に設
    定されていることを特徴とする、車両用差動制限制御装
    置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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