JPH0525781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はチエーンソーの自動鋸刃目立装置に関
する。

従来の技術 チエーンソーに、砥石を後退位置からソーチエ
ーンの鋸刃の移動経路上へ押出して鋸刃を目立て
る目立位置へ移動させ鋸刃の目立を自動的に行う
自動鋸刃目立装置を設けることがあるが、従来の
自動鋸刃目立装置は、例えば、砥石軸に固定され
た砥石を圧縮ばねの力で後退位置に保持し、鋸刃
の目立時に砥石を圧縮ばねの力に抗して指で目立
位置まで押出して保持しながら目立作業を行な
い、目立量を調節するために砥石軸上に設けられ
た目立量調節部のダイヤルを回動して砥石軸を前
後方向に微小量移動させるようになつている。こ
のような従来の自動鋸刃目立装置は、砥石を指の
力でばねに抗して目立位置へ押出してそのまま保
持することを要し、また目立量調節部の構造がか
なり複雑であり、かつ自動鋸刃目立装置が比較的
大形のものであり、チエーンソー本体への取付ス
ペースの制約を受けやすいなどの欠点があつた。

考案が解決しようとする問題点 そこで。本考案はこのような従来の装置の欠点
を取除くと共に簡単で便利な形のチエーンソーの
自動鋸刃目立装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案に係るチエーンソーの自動鋸刃目立装置
は、チエーンソーの機体に取付けられる本体と、
ばねによつて前記本体に対して前方へ偏圧された
砥石受体と、本体に螺着して砥石受体を本体に対
して前後方向へ移動させるように回動し得るねじ
と、本体に前後方向移動可能にかつ角度方向回動
可能に支持されかつ後端部を本体の後端部から後
方外部へ突出させたスリーブ状部材と、該スリー
ブ状部材に回転可能に支持され砥石受体を貫通し
た前端部に砥石を取付けかつ後端部をスリーブ状
部材の後端部から外部へ突出させた砥石軸と、砥
石をばねに抗して後方位置に保持する係止手段
と、スリーブ状部材の後端部に設けられて係止手
段を操作するための抓み部とを有する構成を特徴
とする。

作 用 このような本考案の構成により、抓み部によつ
て係止手段の解放操作をすると、スリーブ状部材
はばねの偏圧力によつて本体に対して前方へ移動
し、それにより砥石を後退位置から前方へ押出し
て砥石をソーチエーンの鋸刃の移動経路中へ位置
させる所定の目立位置へ移動させ、またねじを回
動させて砥石受体を本体に対して前後方向へ微小
量移動させ、それにより砥石による鋸刃の目立量
を正確に調節することができる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

本実施例において、自動砥石目立装置は、図示
しないチエーンソー機体に両側においてねじ止め
固定される本体１を有し、該本体１には後述する
ようにしてソーチエーンの鋸刃目立量を調節する
ためのねじ２が螺着している。該ねじ２は本体１
に形成されたねじ穴４に螺合し、かつ前記ねじ２
の周りに配置された前記本体１とねじ２の頭部７
との間に作用する圧縮コイルばね５によつてねじ
２は偏圧された任意のねじ込み位置に保持されて
おり、このねじ２の頭部７の噛合面６に後述する
如く抓み部１３の噛合面２０が当接することによ
つて砥石１７の前方への移動が規制される。した
がつて、このねじ２を本体１に対して回動するこ
とによつて本体１から突出する砥石１７の軸線方
向位置を変化させることができる。

また、本体１は前記ねじ穴４とほぼ平行に延び
る穴８を形成しており、該穴８の先端に連続して
それより大径の凹部９が同軸状に形成されてお
り、前記穴８にはスリーブ状部材１０が軸線方向
移動可能にかつ角度方向回動可能に貫通して支持
されている。前記スリーブ状部材１０の先端部は
前記凹部９内に配置された砥石受体３を貫通して
いる。前記スリーブ状部材１０は本体１の後端部
１２から後方外部へ延出しており、この後方外部
へ延出した部分に一体に抓み部１３を設けてい
る。また、前記砥石１７は、前記本体１と砥石受
体３との間に作用する圧縮コイルばね１４によつ
て前方（第１図で見て右方）へ偏圧されている。
更に、前記スリーブ状部材１０は、本体１の後端
部１２から後方外部へ延出した部分の外周面に半
径方向に突出する突起１５を形成して有し、該突
起１５はスリーブ状部材１０に作用する圧縮コイ
ルばね１４の偏圧力によつて前記本体１の後端部
１２の係止溝１６に嵌合・当接し、スリーブ状部
材１０のそれ以上の前方移動を阻止する。すなわ
ち、前記突起１５と係止溝１６により砥石１７を
ばね１４に抗して後方位置に保持する係止手段を
構成する。また、前記本体１の穴８には半径方向
に延びかつ軸線方向に切込まれた案内溝１１を形
成しており、操作者が前記抓み部１３を持つてス
リーブ状部材１０を引張り、スリーブ状部材１０
の前記突起１５を本体１の係止溝１６、かつ突起
１５を前記案内溝１１内へ軸線方向前方へ嵌入さ
せることによつて、スリーブ状部材１０を前方へ
移動させることができる。

前記砥石１７を先端部に取付けた砥石軸１８が
前記砥石受体３とスリーブ状部材１０の中心穴中
を貫通しており、前記砥石１７は本体１の前記凹
部９内に軸線方向移動可能にかつ角度方向回動可
能に支持され、かつ後端部を前記砥石受体３に当
接して配置されている。前記砥石軸１８の後端部
はスリーブ状部材１０から後方外部へ突出してお
り、この後方外部へ突出した砥石軸８の後端部に
スナツプリング１９が取付けられており、該スナ
ツプリング１９は、前記砥石軸１８がスリーブ状
部材１０に対して軸線方向前方へ移動しようとす
るのを阻止する。前記砥石１７の前端部は前記本
体１から前方外部へ突出しており、図示しないチ
エーンソーのドライブスプロケツトに係合してい
るソーチエーンの部分の鋸刃に近接して配置され
ている。

前記スリーブ状部材１０は、通常はその突起１
５が前記本体１の後端部１２の係止溝１６に当接
して保持され、このため砥石１７はソーチエーン
の鋸刃の移動経路から引込んだ後退位置にある。
ソーチエーンの鋸刃の目立を行う時、操作者は抓
み部１３を抓んで前記スリーブ状部材１０の突起
１５を本体１の案内溝１１に整合させる。そうす
ると、前記圧縮コイルばね１４の作用によつて突
起１５は案内溝１１内へ嵌入し、スリーブ状部材
１０、砥石軸１８、砥石受体３、及び砥石１７を
一緒に本体１に対して前方へ押出し、砥石１７の
前端部をソーチエーンの鋸刃の移動経路上へ突出
させ、鋸刃の目立加工を行う。この時、砥石１７
及び砥石軸１８は自由に回転することができ、こ
の回転はスリーブ状部材１０の後方外部に突出し
ている砥石軸１８の後端部の回転をみることによ
つて容易に確認することができる。鋸刃の目立量
を調節する時は、前記ねじ２を回動してその頭部
７を本体１に対して前後方向へ移動させ、前記抓
み部１３の噛合面２０が前記ねじ２の頭部７の噛
合面６と噛み合う位置を前記砥石軸１８の軸線方
向に沿つて変化させることによつて、目立量を正
確に調節することができる。また、作業中に砥石
１７に加わる衝撃は圧縮コイルばね１４によつて
吸収することができる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成によれば、抓み部に
よつて係止手段の解放操作をすると、スリーブ状
部材はばねの偏圧力によつて本体に対して前方へ
移動し、それにより砥石を後退位置から前方へ自
動的に押出して、砥石をソーチエーンの鋸刃の移
動経路中へ位置させる所定の目立位置へ移動させ
て、適度の力で目立ができ、また、ねじを回動さ
せて砥石受体を本体に対して前後方向へ微小量移
動させ、それにより砥石による鋸刃の目立量を正
確に調節することができ、砥石の目立位置への設
定、即ち繰出を容易に行うことができ、砥石繰出
部と目立量調節部とが別々に構成されているので
構造が簡略化し、チエーンソーの機体への装置の
取付及び取外を容易に行うことができ、また、ス
リーブ状部材の後端部から外部へ突出する砥石軸
の後端部の回転をみて砥石の回転を容易に確認す
ることができるなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチエーンソーの自動鋸刃
目立装置の一実施例を示す要部断面図であり、第
２図は第１図の−矢視図である。 １……本体、２……ねじ、３……砥石受体、１
０……スリーブ状部材、１２……本体の後端部、
１３……抓み部、１４……ばね、１５，１６……
係止手段、１７……砥石、１８……砥石軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チエーンソーの機体に取付けられる本体１と、
   ばね１４によつて前記本体に対して前方へ偏圧さ
   れた砥石受体３と、前記本体に螺着して前記砥石
   受体を前記本体に対して前後方向へ移動させるよ
   うに回動し得るねじ２と、前記本体に前後方向移
   動可能にかつ角度方向回動可能に支持されかつ後
   端部を前記本体の後端部１２から後方外部へ突出
   させたスリーブ状部材１０と、該スリーブ状部材
   に回転可能に支持され前記砥石受体を貫通した前
   端部に砥石１７を取付けかつ後端部を前記スリー
   ブ状部材の後端部から外部へ突出させた砥石軸１
   ８と、前記砥石を前記ばねに抗して後方位置に保
   持する係止手段１５，１６と、前記スリーブ状部
   材の前記後端部に設けられて前記係止手段を操作
   するための抓み部１３とを有することを特徴とす
   るチエーンソーの自動鋸刃目立装置。