JPH05238291A - 車両の自動制動装置 - Google Patents

車両の自動制動装置

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JPH05238291A
JPH05238291A JP4078356A JP7835692A JPH05238291A JP H05238291 A JPH05238291 A JP H05238291A JP 4078356 A JP4078356 A JP 4078356A JP 7835692 A JP7835692 A JP 7835692A JP H05238291 A JPH05238291 A JP H05238291A
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JP
Japan
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vehicle
clutch
brake
automatic braking
control
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Application number
JP4078356A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ishikawa
敏弘 石川
Kazuhiro Murashige
和宏 村重
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 前方障害物との接触の可能性があると判断さ
れた場合には自動的に制動制御を実行し、危険性が回避
された場合には早急に運転者の意志による正常な運転可
能状態に復帰させる自動制動装置を提供する。 【構成】 自車と障害物との間の距離及び相対速度を検
出する検出手段と、この距離及び相対速度から、接触可
能性判断手段と、接触の可能性があるとされた場合に、
少なくとも油圧系を介してのブレーキ力を作動させるブ
レーキ自動発生手段と、ブレーキ力の発動が開始される
と、クラッチ手段を強制的に断状態とし、所定の復帰条
件の成立を待って、クラッチ手段を復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自車の障害物との間
の距離及び相対速度を検出し、その検出結果から、接触
の可能性を判断して、自動的に制動力を発生させる様に
なされた車両の自動制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の自動制動装置
として、例えば、特公昭39−2565号公報及び特公
昭39−5668号公報に開示される様に、光学的方法
または超音波等を用いて、自車と前方の障害物との間の
距離及び相対速度を連続的に検出すると共に、その検出
された自車と前方障害物との間の距離及び相対速度から
接触の可能性があるか否かを判断し、接触の可能性があ
ると判断された場合には、アクチュエータを作動させて
各車輪のブレーキを自動的にかけ、接触を防止する様に
構成されたものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所で、上述した従来の
自動制動装置においては、自車と前方障害物との接触の
可能性があると判断されると、アクチュエータを作動さ
せて各車輪のブレーキを自動的にかける様に構成されて
いるが、接触の危険度が高いと判断された場合には、ブ
レーキ装置の油圧系を介してのブレーキ力を作用させて
フル制動させる必要が生じる。このような場合に、手動
変速機を備えたエンジンにおいて所謂エンスト状態の発
生を防止する為に、クラッチを自動的にオフ(断)する
事が考えられる。しかしながら、接触の危険性が回避さ
れた後においてもクラッチがオフされたままの状態であ
ると、運転者の意志による正常な運転動作が不可能なま
まになされてしまうので、このような接触の危険性が回
避されたと判断されたならば、一刻も速く運転者による
正常な運転状況に復帰させる事が要望されている。
【0004】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、前方障害物との接触の可能
性があると判断された場合には、運転者の意志とは無関
係に自動的に制動制御を実行し、接触の危険性が回避さ
れたと判断された場合には、早急に運転者の意志による
正常な運転可能状態に復帰させる事のできる車両の自動
制動装置を提供する事である。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上述した課題を解決し、目
的を達成する為、請求項1に記載のこの発明に係わる車
両の自動制動装置は、自車と障害物との間の距離及び相
対速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出され
た自車と障害物との間の距離及び相対速度から、自車が
障害物に接触する可能性の有無を判断する接触可能性判
断手段と、この判断手段で接触の可能性があると判断さ
れた場合に、少なくとも油圧系を介してのブレーキ力を
作動させるブレーキ自動発生手段と、このブレーキ自動
発生手段における前記ブレーキ力の発動が開始される
と、クラッチペダルの踏み込み動作に応じてエンジンの
駆動力を駆動輪に断続可能に接続するクラッチ手段を強
制的に断状態となし、前記ブレーキ力の発動が終了した
後、所定の復帰条件の成立を待って、前記クラッチ手段
をクラッチペダルの踏み込み動作に応じて前記駆動力の
断続制御を実行することができる様に復帰させるクラッ
チ制御手段とを具備する事を特徴としている。
【0006】また、請求項2に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置において、前記クラッチ制御手段
は、自車が停止状態にあり、変速ギヤ位置がニュートラ
ル位置にある事を検出すると、前記クラッチ手段を駆動
力の断続制御を実行可能に復帰させる事を特徴としてい
る。また、請求項3に記載のこの発明に係わる車両の自
動制動装置において、前記クラッチ制御手段は、自車が
停止状態にあり、変速ギヤ位置が「一速」に設定され、
且つ、クラッチペダルが踏み込まれている事を検出する
と、前記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実行可能に
復帰させる事を特徴としている。
【0007】また、請求項4に記載のこの発明に係わる
車両の自動制動装置において、前記クラッチ制御手段
は、自車が走行状態にあり、且つ、自車の車速が上昇し
ていることを検出すると、前記クラッチ手段を駆動力の
断続制御を実行可能に復帰させる事を特徴としている。
また、請求項5に記載のこの発明に係わる車両の自動制
動装置において、前記クラッチ制御手段は、自車が走行
状態にあり、且つ、車速が選択された変速ギヤ位置に夫
々対応した使用下限速度よりも早い場合に、前記クラッ
チ手段を駆動力の断続制御を実行可能に復帰させる事を
特徴としている。
【0008】
【作用】以上の様に構成する事により、請求項1に記載
の発明によれば、自車の停止状態または走行状態に係わ
らず、自動制動制御動作の実行により前方障害物との接
触の可能性が開所されたと判断されると、クラッチ手段
における駆動力の断続制御が実行可能状態に即座に復帰
することができる。この様にして、前方障害物との接触
の可能性があると判断された場合には、運転者の意志と
は無関係に自動的に制動制御を実行し、接触の危険性が
回避されたと判断された場合には、早急に運転者の意志
による正常な運転可能状態に復帰させる事が可能とな
る。
【0009】また、請求項2または3に記載の発明によ
れば、自車が停止状態にある場合においても、設定され
た解除条件が成立する事により、クラッチ手段を駆動力
の断続制御が実行可能な状態に速剤に復帰させることが
できる。また、請求項4または5に記載の発明によれ
ば、自車が走行状態にある場合においても、設定された
解除条件が成立する事により、クラッチ手段を駆動力の
断続制御が実行可能な状態に速剤に復帰させることがで
きる。
【0010】
【実施例】以下に、この発明に係わる車両の自動制動装
置の一実施例の構成を、添付図面を参照して、詳細に説
明する。尚、この一実施例においては、車両は、手動式
変速機を備えるものとする。図1に示す様に、この一実
施例の自動制動装置10が備えられた車両Aは、左右の
前輪12FL、12FRが従動輪とされ、左右の後輪1
2RL、12RRが駆動輪とされている。即ち、車体前
部に搭載されたエンジン14で発生した駆動トルクが、
手動式変速機16、プロペラシャフト18、デファレン
シャルギヤ20を順次経た後、左右の駆動軸22L、2
2Rを夫々介して、左右の後輪12RL、12RRに夫
々伝達される様に構成されている。ここで、上述した手
動式変速機16は、チェンジノブ17を運転者が適宜操
作する事により、所望の変速ギヤ位置、例えば、「一
速」ギヤ位置、「二速」ギヤ位置、「三速」ギヤ位置、
「四速」ギヤ位置、「オーバトップ」ギヤ位置、「ニュ
ートラル」ギヤ位置、並びに、「後退」ギヤ位置からひ
とつの変速ギヤ位置を選択することができる様になされ
ている。
【0011】上述した手動式変速機16とエンジン14
との間には、クラッチ24が介設されており、このクラ
ッチ24には、これの断続を運転者によるクラッチペダ
ル25の踏み込み動作とは無関係に断続する為のクラッ
チ断続機構26が接続されている。このクラッチ断続機
構26は、これの断続を制御する為のクラッチ制御ユニ
ット(CCL)28に接続され、これにより断続状態を
制御されるようになされている。このクラッチ制御ユニ
ット(CCL)28は、後述する自動制動制御ユニット
(CAB)49の制御の下でクラッチ断続機構26を制
御する様に構成されている。また、上述した手動式変速
機16には、ここで設定されている変速ギヤ位置を検出
する為の変速ギヤ位置検出器30が取り付けられてい
る。
【0012】一方、図2に示す様に、自動変速制御動作
を実行する為に、自動制動制御ユニット(CAB)49
には、メインスロット弁34のスロットル開度を検出す
るメインスロットル開度センサ36と、サブスロットル
弁38の開度を検出するサブスロットル開度センサ40
と、車速を検出する車速センサ42とが接続され、これ
らからメインスロットル開度信号、サブスロットル開度
信号、及び、車速信号とが夫々入力される様に構成され
ている。尚、この一実施例においては、車速センサ42
は、プロペラシャフト18の回転数に基づき、現在車速
を演算する様に構成されている。
【0013】ここで、図1に示す様に、上述したサブス
ロットル弁38及びメインスロットル弁34は、吸気通
路44内に、吸入空気の流通方向に沿って順次介設され
ており、即ち、サブスロットル弁38は図示しないエア
ークリーナ側に、また、メインスロットル弁34はエン
ジン14側に夫々配設されている。そして、メインスロ
ットル弁34は、アクセルペダル46に機械的に接続さ
れており、運転者のアクセルペダル46の踏み込み量に
応じて、メインスロットル弁34が開放駆動され、吸気
通路44が開放される様に、換言すれば、メインスロッ
トル開度が大きくなる様に設定されている。一方、サブ
スロットル弁38は、サブスロットル弁コントローラ4
8に接続され、これにより駆動制御される様になされて
いる。そして、このサブスロットル弁コントローラ48
は、この一実施例の自動制動装置10の制御系を司る自
動制動制御ユニット(CAB)49に接続され、これに
より駆動制御される様に構成されている。即ち、サブス
ロットル弁38は、メインスロットル弁34と独立した
状態で、サブスロットル弁コントローラ48を介して自
動制動制御ユニット(CAB)49の制御の下で電気的
に駆動制御される様になされている。
【0014】即ち、この自動制動制御ユニット(CA
B)49は、その制御手順を後に詳細に説明するが、基
本的には、運転者によるブレーキペダル50の踏み込み
動作とは無関係に、ブレーキ油圧系52に介設されたブ
レーキ圧調整機構54を駆動制御するものであり、その
基本自動制動制御に加えて、運転状態に基づく燃料噴射
制御とは無関係に、燃料噴射弁56を駆動する噴射弁コ
ントローラ58を駆動制御し、また、サブスロットル弁
コントローラ48を介して、サブスロットル弁38のス
ロットル開度を変更制御し、更に、上述したクラッチ制
御ユニット(CCL)28を介して、クラッチ24の断
続動作を制御する様に構成されている。
【0015】次に、上述したブレーキ油圧系52の構成
と、このブレーキ油圧系に接続されたブレーキ圧調整機
構54の構成とを、図1と図2とを夫々参照して説明す
る。
【0016】先ず、図1に示す様に、各車輪12FL,
12FR,12RL,12RRには、ブレーキ装置60
FL,60FR,60RL,60RRが夫々設けられて
いる。各ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,
60RRは、対応する車輪12FL,12FR,12R
L,12RRと一体回転する様に取り付けられたブレー
キディスク62FL,62FR,62RL,62RRを
夫々挟持して、油圧により制動力を発揮するキャリパ
(ブレーキシリンダ)64FL,64FR,64RL,
64RRを夫々備えている。これらキャリパ64FL,
64FR,64RL,64RRには、ブレーキ油圧系5
2を介して、所定のブレーキ圧を有するブレーキオイル
が供給される様になされている。
【0017】即ち、このブレーキ油圧系52は、ブレー
キペダル50に接続され、これの踏み込み力を倍力する
為のハイドリックブースタを用いた倍力装置66と、こ
の倍力装置66に接続され、ここで倍力された踏み込み
力が伝達され、ブレーキオイルを加圧する為のタンデム
型のマスターシリンダ68とを備えている。このマスタ
ーシリンダ68は、合計で4個の吐出口70FL,70
FR,70RL,70RRを有している。また、このブ
レーキ油圧系52は、4個の吐出口70FL,70F
R,70RL,70RRとキャリパ64FL,64F
R,64RL,64RRとを夫々連結し、マスターシリ
ンダ68からの所定のブレーキ圧に調圧されたブレーキ
オイルを対応するブレーキ装置60FL,60FR,6
0RL,60RRに夫々供給する為のブレーキオイル配
管72FL,72FR,72RL,72RRを更に備え
ている。
【0018】上述した倍力装置66には、供給配管74
とリターン配管76とが接続されており、エンジンオイ
ルは供給配管74を介してリザーバタンク78からポン
プ80の駆動により倍力装置66に供給され、ここで余
剰となされたブレーキオイルはリターン配管76を介し
てリザーバタンク78へ戻される様に構成されている。
【0019】一方、上述したブレーキ圧調整機構54
は、ブレーキオイル配管72FL,72FR,72R
L,72RRに夫々介設された自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABS
(アンチスキッドブレーキ装置)バルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRとを夫々備え、マス
ターシリンダ68からのブレーキオイルは、自動制動バ
ルブユニット82FL,82FR,82RL,82RR
に先ず供給され、その後、ABSバルブユニット84F
L,84FR,84RL,84RRを通って、対応する
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに供給
される様に構成されている。
【0020】ここで、以下に、自動制動バルブユニット
82FL,82FR,82RL,82RRと、ABSバ
ルブユニット84FL,84FR,84RL,84RR
との構成を詳細に説明するが、各自動制動バルブユニッ
ト82FL,82FR,82RL,82RRは夫々同一
に構成され、また、ABSバルブユニット84FL,8
4FR,84RL,84RRも夫々同一に構成されてい
るので、以下の説明においては、左前輪12FLに対応
した自動制動バルブユニット82FL及びABSバルブ
ユニット84FLを代表した状態で説明し、他の説明を
省略する。
【0021】図2に示す様に、自動制動バルブユニット
82FLは、マスターシリンダ68とブレーキ装置60
FLとの間を接続するブレーキオイル配管72FLの連
通状態を遮断可能なシャッタバルブ86FLと、このシ
ャッタバルブ86FLをバイパスする様に、一端をブレ
ーキオイル配管72FLにおける自動制動バルブユニッ
ト82FLとABSバルブユニット84FLとの間の部
分に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続され
た増圧用バイパス配管88FLと、この増圧用バイパス
配管88FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給
されるブレーキオイルのオイル圧を高める為の増圧バル
ブ90FLと、上述したシャッタバルブ86FLをバイ
パスする様に、一端を増圧用バイパス配管88FLにお
ける、これの一端及び増圧バルブ90FLとの間の部分
に接続され、他端をマスターシリンダ68に接続された
減圧用バイパス配管92FLと、この減圧用バイパス配
管92FLに介設され、ブレーキ装置60FLへ供給さ
れるブレーキオイルのオイル圧を低める為の減圧バルブ
94FLとを備えている。
【0022】これら3種類のバルブ86FL,90F
L,94FLは、何れも電磁式の2ポート2位置切り換
えバルブから構成されている。また、上述した増圧用バ
イパス配管88FLにおける増圧バルブ90FLとマス
ターシリンダ68との間には、モータ96FLにより駆
動される油圧ポンプ98FLがマスターシリンダ68側
に、また、この油圧ポンプ98FLから吐出されるブレ
ーキオイルを貯留して一定圧に保持する為のアキュムレ
ータ100FLが増圧バルブ90FL側に夫々介設され
ている。
【0023】ここで、上述したシャッタバルブ86FL
が開位置にある場合には、ブレーキペダル50の踏み込
み力に応じて、対応するブレーキ装置60FLにブレー
キ圧が作用し、通常の制動動作が実行される。一方、シ
ャッタバルブ86FLが閉位置にある場合において、マ
スターシリンダ68からのブレーキ圧が対応するブレー
キ装置60FLに作用しない状態となる。この状態で、
増圧バルブ90FLを開位置に、また、減圧バルブ94
FLを閉位置に夫々切り換える事により、上述したアキ
ュムレータ100FLからのブレーキ圧が対応するブレ
ーキ装置60FLに作用して、自動制動動作が実行され
る事となる。また、この状態で、増圧バルブ90FLを
閉位置に、また、減圧バルブ94FLを開位置に夫々切
り換える事により、対応するブレーキ装置60FLから
ブレーキオイルが戻されて、制動力が弱められる事とな
る。
【0024】上述した3つのバルブ86FL,90F
L,94FLの切り換え動作は、夫々に接続されたアク
チュエータ(図示せず)により実行され、これらアクチ
ュエータは、自動制動制御ユニット(CAB)49から
の制御信号に基づき駆動制御される様になされている。
【0025】一方、上述したABSバルブユニット84
FLは、ブレーキオイル配管72FLに介設された3ポ
ート2位置切り換え弁からなるシャッタバルブ102F
Lを備えており、このシャッタバルブ102FLはトラ
クション制御ユニット(CTR)103に接続され、こ
れにより、制動時(運転者がブレーキペダル50を踏み
込む事による通常制動時、及び、ブレーキペダル50の
踏み込みとは無関係に行われる自動制動時を含む)にお
いて、このシャッタバルブ102FLを開位置と閉位置
との間で適宜切り換え制御される事により、対応するブ
レーキ装置60FLに印加される制動圧を調整して、対
応する車輪12FLがロックしない様になされている。
【0026】ここで、このABSのシステム構成は、本
願発明とは直接関係がないので詳述しないが、上述した
シャッタバルブ102FLの他に、モータ駆動式の油圧
ポンプ104FL及び一対のアキュムレータ106F
L,108FL等を備えて構成されている。尚、上述し
たトラクション制御ユニット(CTR)103は、上述
したサブスロットルコントローラ48にも接続されてお
り、詳細は省略するが、トラクション制御時に、エンジ
ン発生トルクを調整する為に、後述する全体制御ユニッ
ト(TCU)113を介してサブスロットル弁38を開
閉制御する様になされている。
【0027】また、このトラクション制御ユニット(C
TR)103には、上述したメインスロットル開度セン
サ36と、サブスロットル開度センサ40と、車速セン
サ42とが接続されると共に、アクセルペダル46の踏
み込み量を検出する為のアクセル開度センサ110と、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度を検出する車輪回転速度センサ112FL,112
FR,112RL,112RR(図1に示す。)と、路
面の摩擦係数を検出する路面μセンサ114とが接続さ
れており、これらからメインスロットル開度信号と、サ
ブスロットル開度信号と、車速信号と、アクセル開度信
号と、各車輪12FL,12FR,12RL,12RR
の回転速度信号と、路面摩擦係数信号とが夫々入力され
る様に構成されている。そして、トラクション制御ユニ
ット(CTR)103は、各車輪12FL,12FR,
12RL,12RRの回転速度信号に基づき車輪のスリ
ップ状態を検出し、メインスロットル開度信号、サブス
ロットル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、及
び、路面摩擦係数信号に応じて、所定のトラクション制
御を実行する様になされている。
【0028】ここで、トラクション制御ユニット(CR
T)103に入力されたメインスロットル開度信号、サ
ブスロットル開度信号、車速信号、アクセル開度信号、
各車輪12FL,12FR,12RL,12RRの回転
速度信号、及び路面摩擦係数信号等は、後述する全体制
御ユニット(TCU)113に伝送され、これを介して
自動制動制御ユニット(CAB)49に転送される様に
なされている。
【0029】尚、上述した手動式変速機16ット(CA
B)49及びトラクション制御ユニット(CTR)10
3は、全体制御ユニット(TCU)113に接続されて
おり、この全体制御ユニット(TCU)113により、
相互間を適宜調整制御される様になされている。即ち、
この全体制御ユニット(TCU)は、噴射弁コントロー
ラ58に接続されており、現在の運転状態に最適な燃料
噴射量が燃料噴射弁56から噴射される様に、この噴射
弁コントローラ58を駆動制御する基本制御動作を実行
する様になされている。一方、この全体制御ユニット
(TCU)113は、この基本制御動作を実行するほか
に、後に詳細に説明する自動制動制御ユニット(CA
B)49において前方障害物との相対関係が所定の危険
状態に陥ったと判断された場合には、自動制動制御ユニ
ット(CAB)からの指令(割り込み起動信号)に基づ
き、自動制動制御動作をこの基本制御動作に対して割り
込み実行させる様に構成されている。
【0030】ここで、前方障害物とは、自車の直前方に
存在する物体を指すものであり、自車が走行する車線と
同一車線を同方向に向けて(即ち、前方に向けて)走行
する車両は勿論の事、同一車線を自車に向けて走行して
くる車両や、同一車線上に停止している車両や車両以外
の物体を指すものであり、前方を走行する車両との間に
例えばわき道から他の車両が自車の走行車線に入り込ん
できた場合には、この入り込んできた車両が自車にとっ
ての前方障害物として認識される様に更新される。
【0031】次に図3を参照して、自車と前方障害物と
の間の距離及び両者の相対速度を検出する検出機構11
6の構成を説明する。即ち、この検出機構116は、車
体の前部に設けられた超音波レーダユニット118を備
えている。この超音波レーダユニット118は、詳細は
図示されていないが、周知の様に、超音波を超音波発信
部から自車の前方に位置する車両等の前方障害物に向け
て発信すると共に、この前方障害物に当って反射してく
る反射超音波を超音波受信部で受信するように構成され
ている。この超音波レーダユニット118には、演算ユ
ニット120が接続されている。この演算ユニット12
0は、超音波レーダユニット118からの検出結果を受
けて、超音波レーダ受信波の送信時点からの遅れ時間
(ドップラーシフト)に基づき、自車と前方障害異物と
の間の距離及び両者の相対速度を演算する様に構成され
ている。
【0032】一方、上述した検出機構116は、車体前
部の左右に夫々設けられる一対のレーザレーダユニット
122,124を備えている。各レーザレーダユニット
122,124は、所定波長を有するパルスレーザ光を
レーザ発信部から発信すると共に、上述した前方障害物
に当って反射してくる反射レーザ光をレーザ光受信部で
受信する様に構成されている。各レーザレーダユニット
122,124は、信号処理ユニット126を介して上
述した演算ユニット120に接続されており、この演算
ユニット120は、受信レーザ光の送信時点からの遅れ
時間に基づき、自車と前方障害物との間の距離及び両者
の相対速度を演算する様に構成されている。
【0033】ここで、この演算ユニット120は、一対
のレーザレーダユニット122,124の系統による距
離及び相対速度の演算結果を基本的に用い、前方障害物
との間の距離が、所定距離以下(例えば、約10m以
下)となった場合や、霧等の悪気象条件下における走行
状態で、発信されたレーザ光が散乱して検出精度が保証
されない場合に、超音波レーダユニット118の系統に
よる距離及び相対速度の演算結果を用いる様になされて
いる。
【0034】上述した各レーザレーダユニット122,
124は、各々のレーザ光の発信方向を水平面内で互い
に同期した状態で変更可能に設けられており、各レーザ
レーダユニット122,124を水平面内で移動駆動す
る為に、駆動モータ128が取り付けられている。この
駆動モータ128には、上述した演算ユニット120が
接続されており、駆動モータ128の作動はこの演算ユ
ニット120により実行される様になされている。一
方、この駆動モータ128には、その駆動回転角度を検
出する為の角度センサ130が取り付けられている。こ
の角度センサ130は演算ユニット120に接続されて
いる。この演算ユニット120は、この角度センサ13
0からの検出結果に基づき、各レーザレーダユニット1
22,124におけるレーザ光の送受信方向を検知する
ことができる様になされている。即ち、演算ユニット1
20によるレーザレーダユニット122,124の系統
における距離及び相対速度の演算には、パルスレーザ光
の送受信方向が加味される様になされている。
【0035】この演算ユニット120は、上述した自動
制動制御ユニット(CAB)49に接続され、ここに、
演算結果としての自車と前方障害物との間の距離情報及
び両者の相対速度情報を出力する様になされている。こ
の自動制動制御ユニット(CAB)49は、図1を参照
して上述した様に、ブレーキ圧調整機構54、詳細に
は、各車輪12FL,12FR,12RL,12RRに
対応して設けられた自動制動バルブユニット82FL,
82FR,82RL,82RRに接続されると共に、全
体制御ユニット(TCU)113を介してサブスロット
ル弁コントローラ48と噴射弁コントローラ58とに接
続されており、上述した演算結果に基づき、後述する制
御手順に従い、自動制動制御動作を実行する様に構成さ
れている。
【0036】尚、自動制動制御ユニット(CAB)49
には、図3に示す様に、入力された所の自車と前方障害
物との間の距離情報に基づき、それを表示する離間距離
表示パネル132と、前方障害物との相対関係が危険状
態と判断される場合に警報が発せられる警報ブザー13
4と詳細は後述するが運転者に現在の変速ギヤ位置が不
適当として、変速ギヤ位置の変更を指令する為の指令パ
ネル136とが接続されており、これら離間距離表示パ
ネル132と警報ブザー134とと指令パネル136と
は、共に、車室内のインスツルメントパネル(図示せ
ず)に取り付けられた警報表示ユニット136内に配設
されている。これらの配設により、運転者は前方障害物
と自車との間の距離を離間距離表示パネル132に表示
された数値より認識することができると共に、運転者に
よる前方障害物への注意が向けられていない場合におい
ても、この前方障害物と自車との間の距離が所定の危険
状態と判断される状態に陥ると、警報ブザー133が鳴
ることにより、前方障害物との関係が所定の危険状態に
ある事を認識することができる事になる。
【0037】次に、図4乃至図8を参照して、自動制動
制御ユニット(CAB)における自動制動制御動作の制
御手順を説明する。先ず、図4に示す様に、所定の起動
タイミングで、前方障害物との接触防止の為の自動制動
制御動作が開始される。ここで、この一実施例において
は、上述した説明から明らかな様に、ブレーキ油圧系5
2に設けられたブレーキ圧調整機構54として、自動制
動用の自動制動バルブユニット82FL,82FR,8
2RL,82RRを、トラクション制御用のABSバル
ブユニット84FL,84FR,84RL,84RRと
夫々直列に配設する様に構成している関係上、両者の作
動の釣合を取る為、自動制動制御動作は、トラクション
制御動作と同様に、例えば7msecの周期で繰り返し起動
される様に設定されている。
【0038】即ち、この自動制動制御動作が起動される
と、先ず、ステップS10において、自動制動動作を実
行するに必要な各種の入力情報の読み込み動作が実行さ
れる。尚、この入力情報としては、演算ユニット120
で演算された所の自車の前方障害物との間の離間距離情
報Lxと両者の相対速度情報Vxとを含むほか、全体制
御ユニット(TCU)113を介して路面μセンサ11
4からの路面摩擦係数情報μや、手動式変速機制御ユニ
ット(CAT)からの走行レンジ位置情報RI及び変速
ギヤ位置情報GIを含むものである。
【0039】この後、ステップS12において、ステッ
プS10で読み込んだ各種情報に基づき、自動制動制御
動作を実行するに必要となる各種の閾値L0 ,L0 ′,
11 ,L2 ,L2 ′を設定する。ここで、全ての閾
値は、距離として表されるものであり、特に、閾値L0
は、自車が前方障害物に接触する可能性があり、接触防
止の為に自動制動動作の中でブレーキ油圧系52に基づ
く制動力の発動を開始する基準となる値を示している。
また、閾値L0 ′は、自車が前方障害物に接触する可能
性があり、接触防止の為に自動制動動作の中でエンジン
ブレーキに基づく制動力の発動を開始する基準となる値
を示している。尚、この一実施例においては、この閾値
0 ′は、図5に示すマップに基づき規定されるもので
ある。このマップは、後に詳細に説明する。また、閾値
0 は、この一実施例においては閾値L0 ′の80%に
なる様に設定されている。
【0040】即ち、この一実施例においては、後述する
が、基本的には、先ず、エンジンブレーキによる制動力
が発動され、その後、ブレーキ油圧系52による制動力
が発動される様になされている。一方、閾値L1 は、こ
の自動制動動作の開始に先立ち、上述した警報ブザー1
34を介して運転者に警報を発する動作を開始する基準
となる値を示している。尚、この閾値L1 は、閾値L
0 ′よりも所定量だけ長く設定されている。即ち、この
閾値L1 が、この自動制動制御を実施するに際して、自
車と前方障害物との間の距離が危険状態となった事を判
断する為の基準値として用いられる事になる。また、閾
値L2 は、自動制動動作を開始した後において、前方障
害物との接触の可能性がなくなってブレーキ油圧系52
による自動制動動作を解除する際の基準となる値を示し
ており、閾値L2 ′は、同様な条件におけるエンジンブ
レーキに基づく自動制動動作を解除する際の基準となる
値を示している。ここで、閾値L2 は、この一実施例に
おいては閾値L2 ′の80パーセントに設定されてい
る。即ち、この一実施例においては、後述するが、基本
的には、先ず、ブレーキ油圧系52による制動力が解除
され、その後、エンジンブレーキによる制動力が解除さ
れる様になされている。尚、この閾値L2 ,L2 ′は、
上述した閾値L0 ,L0 ′よりも夫々所定量だけ長い長
さに設定されている。
【0041】即ち、この一実施例においては、各閾値
は、以下の不等式で表される大小関係に設定されてい
る: L2 ′>L2 >L0 ′>L01 >L0
【0042】ここで、図5を参照して、閾値L0 ′を決
定する手順について説明する。先ず、図5における線A
は第1の閾値線を示しており、この第1の閾値線Aは、
前方障害物たる車両が、その車両の前方障害物に接触し
て停車した場合に、自車がその車両と接触する事を防止
する為に必要な車間距離を示しており、相対速度Vx
大小に拘らず、常に、前方障害物が停止物である時(即
ち、相対速度Vx が自車の走行速度V0 と同一である
時)と同じ値く、数値式V0 2/2μgで表させる数値を
とる。また、図5における線Bは第2の閾値線を示して
おり、この第2の閾値線Bは、前方障害物たる車両がフ
ル制動をかけた際に、この車両との接触を防止する為に
必要な車間距離を示しており、数値式Vx ・(2V0
x )/2μgで表される数値をとる。
【0043】一方、図5における線Cは第3の閾値線を
示しており、この第3の閾値線Cは、前方障害物たる車
両が減速度μ/2gの緩制動をかけた場合に、この車両
との接触を防止する為に必要な車間距離を示している。
更に、図5における線Dは第4の閾値線を示しており、
この第4の閾値線Dは、前方車両が一定車速を保った場
合に、この車両との接触を防止する為に必要な車間距離
を示しており、数値式Vx /2μgで示される数値をと
る。また、図5における線Eは、の閾値線を示してお
り、この′の閾値線Eは、自車が自動制動をかけても前
方障害物たる車両との接触を防止できないが、接触時に
おける衝撃力をある程度緩和する事のできる車間距離を
示している。この一実施例においては、図示しないモー
ド切り換えスイッチを介して第2の閾値線Bが選択され
ているものとし、この第2の閾値線Bを用いて、現時点
における相対速度Vx に対応する閾値L0 ′が求められ
る事になる。
【0044】この様に、ステップS12において、各種
の閾値L0 ,L0 ′,L11 ,L2 ,L2 ′が設定さ
れた後、ステップS14において、自車と前方障害物と
の間の相対速度Vx が0以上であるか否かが判別され
る。ここで、この一実施例においては、相対速度Vx
は、プラスの値をとる場合に、両者が互いに接近してい
る状態を示し、マイナスの値をとる場合に、両者が互い
に離間している状態を示すものとする。このステップS
14においてYESと判断される場合、即ち、相対速度
x がプラスの値をとり両者が互いに近接している状態
にあると判断される場合、以降、制動力の自動発動ルー
チンが実行される。
【0045】即ち、引き続くステップS16において、
自車と前方障害物との間の距離(以下、単に離間距離と
呼ぶ。)Lx が上述した閾値L1 よりも小さいか否かが
判断される。このステップS16においてNOと判断さ
れる場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx ≧L1 で規
定される範囲内にあり、未だ危険状態を規定する領域に
達しておらず、警報ブザー134を鳴らす必要がないと
判断される場合には、自動制動制御動作を実行しなくて
もよいので、制動力の自動発動ルーチンを具体的に実行
することなく、今回の制御手順を終了し、7msec後に設
定された次回の制御手順の起動を待つ。
【0046】一方、このステップS16においてYES
と判断される場合、即ち、離間距離が不等式Lx <L1
で規定される範囲内にあり、危険状態に陥ったと判断さ
れる場合には、ステップS18に進み、警報ブザー13
4を鳴動させ、運転者に前方障害物との離間距離Lx
危険状態に陥った事を報知する。この後、ステップS2
0において離間距離Lx が閾値L0 ′よりも小さいか否
かが判断される。このステップS20においてNOと判
断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L0 ′≦L
x <L1 で規定される範囲内にあり、警報動作を継続す
る必要はあるものの、自動制動動作を実行するまでの事
はないと判断される場合には、今回の制御手順を終了
し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を待
つ。
【0047】ここで、ステップS20においてYESと
判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx <L
0 ′で規定される範囲内にあり、自動制動動作を実行す
る必要があると判断される場合には、ステップS22に
進み、エンジン14においてエンジンブレーキを発生さ
せ、このエンジンブレーキによる制動力を発動させるべ
く、全体制御ユニット(TCU)113に割り込み起動
信号を出力し、ここにおいて割り込みルーチンとして規
定されるエンジン自動制動制御を起動する。尚、このエ
ンジン自動制動制御の制御手順は、後に詳細に説明す
る。
【0048】このステップS22においてエンジン自動
制動制御を起動させた後、引き続くステップS24にお
いて、離間距離Lx が閾値L0 よりも小さいか否かが判
断される。このステップS24においてNOと判断され
る場合、即ち、離間距離Lxが不等式L0 ≦Lx <L
0 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブレーキによ
る制動力のみで、危険回避動作として充分な制動力がか
けられていると判断される場合には、今回の制御手順を
終了し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を
待つ。
【0049】一方、上述したステップS24においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x <L0 で規定される範囲にあり、強力な制動力が必要
であると判断された場合には、ステップS25に進み、
ブレーキ油圧系52によるブレーキ自動制動制御動作を
起動する前の準備動作として、クラッチ24をオフ
(断)する。具体的には、クラッチ制御ユニット(CC
L)28に対して、クラッチオフ信号を出力する。ここ
で、クラッチ制御ユニット(CCL)28は、このクラ
ッチオフ信号を受けて、クラッチ断続機構26を介し
て、クラッチ24をオフ動作する。このようにクラッチ
24がオフされる事により、引き続き実行されるブレー
キ自動制動制御動作においてフル制動が掛けられて、急
減速し、車両Aが実質的に停止する状態にもたらされた
としても、エンジン14がストップする状態、即ち、エ
ンスト状態が防止される事になる。尚、このようにクラ
ッチ24がオフされる事により、エンジン14と駆動輪
12RL,12RRとの間の機械的連結が切られ、エン
ジン14の駆動力が駆動輪12RL,12RRに伝達さ
れない様になされるので、エンジン自動制動制御動作に
より発生したエンジンブレーキが機械的にキャンセルさ
れ、駆動輪12RL,12RRに作用しない状態にもた
らされる事になる。
【0050】この後、ステップS26に進み、割り込み
ルーチンとして規定される所のブレーキ油圧系52によ
るブレーキ自動制動制御動作を起動する。尚、このブレ
ーキ自動制動動作の制御手順は、後に詳細に説明する。
そして、ステップS28においてブレーキ自動制動制御
動作が実行されている事を示す第1のフラグF1を
「1」にセットし、7msec後に設定された次回の制御手
順の起動を待つ。尚、ステップS26におけるブレーキ
自動制動制御動作は、メインルーチンから独立した割り
込みルーチンとして実行されるものであり、一旦起動さ
れると、対応する解除動作が実行されない限り、その制
御動作は実行し続ける様に設定されている。
【0051】一方、上述したステップS14においてN
Oと判断される場合、即ち、相対速度Vx がマイナス値
であると判断され、前方障害物が車両Aから徐々に遠ざ
かっていると判断される場合には、制動力の自動解除ル
ーチンが実行される。即ち、先ずステップS30に進
み、ここで、離間距離Lx が閾値L2 よりも大きいか否
かが判断される。このステップS30においてNOと判
断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式Lx ≦L2
で規定される範囲内にあり、依然として、前方障害物と
の関係が危険状態にあり、自動制動制御動作を継続する
必要があると判断される場合には、制動力の自動解除ル
ーチンを具体的に実行することなく、今回の制御手順を
終了し、7msec後に設定された次回の制御手順の起動を
待つ。即ち、このステップS30においてNOと判断さ
れる場合においても、事前にステップS22またはステ
ップS26において、エンジン自動制動制御が起動さ
れ、または、ブレーキ自動制動制御が起動されている場
合には、これらが実行され続ける事となる。
【0052】また、上述したステップS30においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 で規定される範囲内にあり、ブレーキ油圧系5
2による制動力が不要であると判断される場合には、ス
テップS32に進み、ここで、ブレーキ油圧系52にお
けるブレーキ自動制動制御動作を解除させるべくブレー
キ自動制動制御解除信号を出力する。この後、ステップ
S34に進み、ここで、ブレーキ自動制動制御動作が実
行されている事を示す第1のフラグF1を「0」にリセ
ットし、ブレーキ自動制動制御動作が解除されている事
を示す。そして、引き続くステップS35において、上
述したステップS25で実行されたクラッチ24をオン
(続)状態にもたらすクラッチ復帰制御動作が実行され
る。このクラッチ復帰制御動作は、後にサブルーチンと
して詳細に説明する。このようにクラッチ24がオン
(続)状態にもたらされる事により、運転者のクラッチ
ペダルの踏み込みにより、エンジン14の駆動力の駆動
輪12RL,12RRへの断続が切り換えられる事にな
る。また、このようにクラッチ24がオンされる事によ
り、運転者がクラッチペダルを踏み込まない状態におい
て、エンジン14と駆動輪12RL,12RRとが連結
され、エンジン14に発生したエンジンブレーキが駆動
輪12RL,12RRに作用して、エンジンブレーキの
キャンセル状態が解消して、このエンジンブレーキによ
る制動力が再び発揮される事となる。
【0053】この後、ステップS36において、離間距
離Lx が閾値L2 ′よりも大きいか否かが判断される。
このステップS36においてNOと判断される場合、即
ち、離間距離Lx が不等式L2 <Lx ≦L2 ′で規定さ
れる範囲内にあり、依然として、前方障害物との関係が
危険状態にあるが、ブレーキ油圧系52による強力な制
動力は不必要であるものの、尚、エンジン自動制動制御
動作を継続する必要があると判断される場合には、今回
の制御手順を終了し、7msec後に設定された次回の制御
手順の起動を待つ。
【0054】一方、上述したステップS36においてY
ESと判断される場合、即ち、離間距離Lx が不等式L
x >L2 ′で規定される範囲内にあり、エンジンブレー
キによる制動力をも不要であると判断される場合には、
ステップS38に進み、ここで、エンジン自動制動制御
動作を解除させるべくエンジン自動制動制御解除信号を
全体制御ユニット(TCU)113に出力する。この全
体制御ユニット(TCU)113は、このエンジン自動
制動制御解除信号を受ける事により、サブスロットル弁
コントローラ48を介してのサブスロットル弁38の閉
塞動作を中止し、これを全開状態に復帰させる。この
後、ステップS40に進み、警報動作を解除する警報動
作解除信号を出力し、即ち、警報ブザー134における
鳴動動作を停止して、一連の制御手順を終了し、7msec
後に設定された次回の制御手順の起動を待つ。この様に
して、自動制動制御動作の一連の手順を終了する。
【0055】次に、図6を参照して、上述したステップ
S22におけるエンジン自動制動制御動作の制御手順
を、全体制御ユニット(TCU)113における割り込
みルーチンとして説明する。先ず、手動式変速機を備え
た車両において、エンジン自動制動制御動作が起動され
ると、ステップS22Aにおいて、ブレーキ自動制動制
御が発動されている事を示す第1のフラグF1に「1」
がセットされているか否かが判断される。このステップ
S22Aにおいて、NOと判断される場合、即ち、予め
ブレーキ自動制動制御が発動されていないと判断される
場合には、現在設定されている変速ギヤ位置に応じたエ
ンジンブレーキ制御量EBCを設定する制御手順が実行
される。即ち、ステップS22Bにおいて、上述したス
テップS10で予め読み込んだ変速ギヤ位置情報GIに
基づき、現在の変速ギヤ位置がどこにあるかが判断され
る。即ち、このステップS22Bにおいて変速ギヤ位置
が「一速」に設定されていると判断される場合には、ス
テップS22Cに進み、エンジンブレーキ制御量EBC
を最小値(MIN)に設定し、ステップS22Dに進ん
で、この最小のエンジンブレーキ制御量EBCでサブス
ロットル弁38を緩やかに閉塞駆動する。一方、ステッ
プS22Bにおいて、変速ギヤ位置が「二速」に設定さ
れていると判断される場合には、ステップS22Eに進
み、エンジンブレーキ制御量EBCを中間値(MED)
に設定し、上述したステップS22Dに進んで、この中
間のエンジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁
38を通常の閉塞速度で閉塞駆動する。
【0056】一方、ステップS22Bにおいて、変速ギ
ヤ位置が「三速」、または、「四速」(オーバトップを
含む)の高速用ギヤ位置に設定されていると判断される
場合には、ステップS22Fにおいて、エンジンブレー
キ制御量EBCを最大値(MAX)に設定し、この後、
上述したステップS22Dに進んで、この最大のエンジ
ンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁38を急激
に閉塞駆動する。
【0057】ここで、上述したステップS22Aにおい
て、YESと判断される場合、即ち、ブレーキ自動制動
制御が発動されていると判断される場合には、現在の変
速ギヤ位置に拘らず、エンジンブレーキ制御量EBCを
最大値に設定する制御手順を実行する。即ち、ステップ
S22AにおいてYESと判断されると、即座にステッ
プS22Fに飛び、エンジンブレーキ制御量EBCを最
大値(MAX)に設定して、変速ギヤ位置が何れにあろ
うともサブスロットル弁38を急激に閉塞駆動して、エ
ンジンブレーキを強力に発動する。即ち、この様に強力
なエンジンブレーキをブレーキ力と共に発動させる事に
より、極めて強い制動力(フル制動)で車両を急減速さ
せることができる様にする。
【0058】この様にステップS22Dにおいて、所定
のエンジンブレーキ制御量EBCでサブスロットル弁3
8を閉塞駆動すると、引き続くステップS22Gにおい
て、エンジン自動制動制御解除信号が出力されているか
否かが判断される。このステップS22GにおいてNO
と判断される場合、即ち、上述した一実施例におけるス
テップS38が実行されずに、エンジン自動制動制御解
除信号が出力されていないと判断される場合には、上述
したステップS22Aに戻り、再びエンジン自動制動制
御を起動させる。一方、このステップS22Gにおいて
YESと判断される場合、即ち、上述したステップS3
8においてエンジン自動制動制御解除信号が出力された
と判断される場合には、このエンジン自動制動制御動作
を終了させ、これら一連のエンジン自動制動制御の制御
手順を終了する。
【0059】次に、図7を参照して、ステップS26に
おけるブレーキ自動制動制御動作の制御手順を、自動制
動制御ユニット(CAB)における割り込みルーチンと
して説明する。
【0060】先ず、ブレーキ自動制動制御動作が実行さ
れる前の状態においては、ブレーキ圧調整機構54にお
ける自動制動バルブユニット82FL,82FR,82
RL,82RRの夫々のシャッタバルブ86FL,86
FR,86RL,86RRは、全て開放状態にあり、ま
た、増圧バルブ90FL,90FR,90RL,90R
Rと減圧バルブ94FL,94FR,94RL,94R
Rとは、共に、閉塞状態にある。この様にして、ブレー
キペダル50の踏み込みによりマスタシリンダ68で発
生したブレーキ圧が、各車輪12FL,12FR,12
RL,12RRに夫々作用して、マニュアル制動動作が
実行され得る様になされている。
【0061】この様なブレーキ自動制動制御動作の実行
される前の状態から、ステップS26においてブレーキ
自動制動制御動作が起動されると、ステップS26Aに
おいて、ブレーキ圧調整機構54における自動制動バル
ブユニット82FL,82FR,82RL,82RRの
夫々のシャッタバルブ86FL,86FR,86RL,
86RRが閉塞駆動される。これにより、ブレーキペダ
ル50の踏み込みによるブレーキ圧は各車輪12FL,
12FR,12RL,12RRのブレーキ装置60F
L,60FR,60RL,60RRに作用し得ない状態
となり、換言すれば、これによりブレーキ自動制動制御
動作が可能な状態となる。
【0062】この後、ステップS26Bにおいて、各車
輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレーキ
装置60FL,60FR,60RL,60RRに作用す
るブレーキ圧が所定圧に達しているか否かが判断され
る。このステップS26BにおいてNOと判断される場
合、即ち、現在、ブレーキ装置60FL,60FR,6
0RL,60RRに作用するブレーキ圧が不足している
と判断される場合には、ステップS26Cにおいて、増
圧バルブ90FL,90FR,90RL,90RRが開
放駆動され、引き続くステップS26Dにおいて、減圧
バルブ94FL,94FR,94RL,94RRが閉塞
駆動される。この結果、アキュムレータ100FR,1
00FR,100RL,100RRに蓄圧されていたブ
レーキ圧が、各車輪12FL,12FR,12RL,1
2RRのブレーキ装置60FL,60FR,60RL,
60RRに作用して、所定のブレーキ動作が実行される
事となる。
【0063】一方、上述したステップS26Bにおいて
YESと判断される場合、即ち、現在、ブレーキ装置6
0FL,60FR,60RL,60RRに作用するブレ
ーキ圧が充分であると判断される場合には、ステップS
26Eにおいて、増圧バルブ90FL,90FR,90
RL,90RRが閉塞駆動され、引き続くステップS2
6Fにおいて、減圧バルブ94FL,94FR,94R
L,94RRが開放駆動される。この結果、アキュムレ
ータ100FR,100FR,100RL,100RR
に蓄圧されていたブレーキ圧がブレーキ装置60FL,
60FR,60RL,60RRに作用しなくなり、反対
に、ブレーキ装置60FL,60FR,60RL,60
RRのブレーキ圧が減圧バルブ94FL,94FR,9
4RL,94RRを介して減じられる事になる。
【0064】この様な制御手順を繰り返す事により、各
車輪12FL,12FR,12RL,12RRのブレー
キ装置60FL,60FR,60RL,60RRに作用
するブレーキ圧は、ブレーキペダル50の踏み込みに拘
らず、所定の値に一定に保持される事となる。一方、上
述したステップS26DまたはステップS26Fが実行
されると、ステップS26Gに進み、ここで、ブレーキ
自動制動制御解除信号が出力されているか否かが判断さ
れる。このステップS26GにおいてNOと判断される
場合、即ち、上述したステップS32が実行されずに、
ブレーキ自動制動制御解除信号が出力されていないと判
断される場合には、上述したステップS26Bに戻り、
ここから再びブレーキ自動制動制御を起動させる。一
方、このステップS26GにおいてYESと判断される
場合、即ち、上述したステップS32においてブレーキ
自動制動制御解除信号が出力されたと判断される場合に
は、このブレーキ自動制動制御動作を終了させ、これら
一連のブレーキ自動制動制御の制御手順を終了する。
【0065】次に、図8を参照して、上述したステップ
S35におけるクラッチ復帰制御動作の制御手順を、サ
ブルーチンとして詳細に説明する。ステップS35にお
いてクラッチ復帰制御動作が起動されると、先ず、ステ
ップS35Aにおいて、車両Aが現在走行中であるか否
かが判断される。この判断は、車速センサ42の検出結
果に基づき検出された車速が実質的に零で無ければ走行
中であると判断され、実質的に零であれば停止中である
と判断される様に設定されている。このステップS35
AにおいてNOと判断される場合、即ち、現在車両Aは
停止中であると判断されると、引き続くステップS35
Bにおいて、手動式変速機16で変速ギヤ位置としてニ
ュートラルが選択されているか否かが判断される。この
ステップS35BにおいてYESと判断される場合、即
ち、ニュートラルが選択されていると判断される場合に
は、ここでクラッチ24を復帰させても何ら問題が無い
ので、ステップS35Cにおいて、クラッチ24を復帰
させ、運転者によるクラッチペダルの踏み込みに応じて
エンジン14からの駆動力の駆動輪12RL,12RR
への断続が切り換え制御される状態となる。
【0066】一方、このステップS35BにおいてNO
と判断される場合、即ち、手動式変速機16で選択され
ている変速ギヤ位置がニュートラル以外であると判断さ
れる場合には、ステップS35Dに進み、ここで、現在
選択されている変速ギヤ位置が「一速」であるか否かが
判断される。このステップS35DにおいてNOと判断
される場合、即ち、現在選択されている変速ギヤ位置が
ニュートラルでも「一速」でも無い場合には、クラッチ
24を復帰する条件の成立の仕様が無いので、制御手順
を終了して、元のメインルーチンに復帰する。
【0067】また、上述したステップS35Dにおいて
YESと判断される場合、即ち、変速ギヤ位置が現在
「一速」に選択されていると判断される場合には、引き
続くステップS35Fにおいて、運転者によりクラッチ
ペダルが踏み込まれているか否かが判断される。このス
テップS35EにおいてYESと判断される場合、即
ち、変速ギヤ位置は「一速」に選択され、且つ、クラッ
チペダルが踏み込まれている場合には、運転者は、自動
制動装置10により危険回避の為に減速動作が自動実行
されたものの、充分な減速が行われて停止して、危険が
回避されたものと判断し、自らの意志で発進したいと欲
していると判断されるので、ステップS35Cに飛ん
で、クラッチ24を復帰動作させる。
【0068】一方、上述したステップS35Eにおいて
NOと判断される場合、即ち、変速ギヤ位置が「一速」
に選択されているものの、クラッチペダルが踏み込まれ
ていないと判断される場合には、クラッチ24を復帰さ
せるにふさわしく無い状況である為、制御手順を終了し
て、元のメインルーチンに復帰する。また、上述したス
テップS35AにおいてYESと判断される場合、即
ち、現在車両Aは走行中であると判断される場合には、
ステップS35Fに進み、ここで、従動輪12FL,1
2FRの走行加速度Gを算出する。ここで、このGは、
従動輪12FL,12FRに夫々対応する車輪回転速度
センサ112FL,112FRより検出された従動輪1
2FL,12FRの車輪回転速度Vw を微分した値によ
り規定される。そして、引き続くステップS35Gにお
いて、この算出したGが零より大きいか否かが判断され
る。
【0069】このステップS35GでYESと判断され
る場合、即ち、Gが零より大きく現在車両Aは増速中で
あると判断される場合、例えば、車両Aは下りの坂道を
速度を増しながら走行中であると判断される場合には、
クラッチ24を復帰させても何ら問題は無いので、一刻
も早く運転者の意図による通常の運転状態に復帰させる
るの原則の下で、ステップS35Cに飛び、クラッチ2
4を復帰動作させる。一方、上述したステップS35G
においてNOと判断される場合、即ち、車両Aは現在走
行中ではあるが、減速中であると判断される場合には、
ステップS35Hに進み、ここで、車速センサ42によ
り検出される車両Aの現在車速Vが、各変速ギヤ位置毎
に定められた使用下限車速VLOWER 以上であるか否かが
判断される。このステップS35HにおいてNOと判断
される場合には、引き続くステップS35Iにおいて、
上述したインスツルメントパネル(図示せず)に取り付
けられた警報表示ユニット136内に配設され、運転者
に現在の変速ギヤ位置が不適当として、変速ギヤ位置の
変更を指令する為の指令パネル138に、手動式変速機
16を操作してシフトダウンをする旨の指示を表示す
る。この後、ステップS35Jにおいて、運転者に対し
てシフトダウンの指示を表示している事を示す第2のフ
ラグF2に「1」をセットして、一連の制御手順を終了
して、元のメインルーチンに復帰する。
【0070】また、上述したステップS35Hにおいて
YESと判断される場合、車両Aの現在車速Vが、各変
速ギヤ位置毎に定められた使用下限車速VLOWER 以上で
あると判断される場合には、クラッチ24を復帰させ
て、エンジン14の駆動力が駆動輪12RL,12RR
に伝達される様にしても、伝達ギヤ比との兼ね合いで何
ら問題が無いので、ステップS35Kに進み、ここで第
2のフラグF2に「1」がセットされているか否かを判
断し、NOと判断されば、即ち、前回の制御手順におい
てもシフトダウンの指示表示が出されておらず、この指
示未出力の状態が継続中であると判断される場合には、
ステップS35Cに飛んで、クラッチ24を復帰させ
る。
【0071】一方、ステップS35KにおいてYESと
判断される場合、即ち、前回の制御手順においてはシフ
トダウンの指示表示が出されており、運転者がこの表示
に基づきシフトダウン操作を実行して、現在選択された
変速ギヤ位置において設定されている使用下限車速V
LOWER よりも、現在車速Vが早くなったと判断される場
合には、ステップS35Lにおいて、先ず、指令パネル
138においてのシフトダウンの指示表示を解除させ、
引き続くステップS35Mにおいて、第2のフラグF2
を「0」にリセットして、ステップS35Cに飛び、ク
ラッチ24を復帰させる。このようにして一連のクラッ
チ復帰制御手順を終了する。
【0072】以上詳述したように、この一実施例におい
ては、上述した様にクラッチ復帰制御手順を規定してい
るので、種々の復帰場面を想定して、想定された復帰場
面に現在の走行状態が一致したならば、即座にクラッチ
24を復帰動作させ、一刻も早く運転者の意志による正
常な運転状態に復帰させる事が可能となる。即ち、この
自動制動装置10においては、前方障害物との間の関係
が危険状態になると判断されると、運転者の意図とは無
関係に車両Aを減速動作する事になるが、このような状
態は、運転者の意図とは掛け離れた所で実行されるもの
であり、たとえ危険回避の為の安全動作とは言え、この
ような状態は一刻も早く解消されるべきものであるが、
この一実施例によれば、このような正常な運転状態への
復帰動作が合理的な範囲で即座に行われる事となり、そ
の効果は甚大である。
【0073】また、この一実施例においては、車両Aと
前方障害物との間の関係が危険状態に入ったと判断され
た場合に、自動制動制御が開始される事になるが、この
自動制動制御動作においては、先ず、警報動作が起動さ
れ、運転者に前方障害物との間で危険状態に入った事を
報知せしめる。この報知動作にも拘らず、前方障害物に
対する危険度が増した場合には、先ず、エンジンブレー
キを発動させるべくエンジン自動制動制御手順を実行
し、車両Aの速度を低下させる。このエンジンブレーキ
の発動によっても、更に前方障害物に対する危険度が増
し、衝突の危険性が高まった場合には、更にブレーキ装
置によるブレーキ力を発動させるべくブレーキ自動制動
制御手順を実行してフル制動をかけ、車両Aの速度を実
質的に停止する状態まで低下させる。
【0074】この様に、この一実施例では、自動制動制
御に際して、先ず、エンジンブレーキを発動させ、この
エンジンブレーキによる制動力のみでは危険性を回避す
ることができない場合に、ブレーキ装置によるブレーキ
力を発動させてフル制動をかける様に構成されている。
この様にして、自動制動制御が実行されたとしても、当
初はエンジンブレーキによる緩やかな制動力のみがかけ
られるので、運転者が感じる減速感は少なくて済み、運
転者に違和感やショック・恐怖心を与える虞が可及的に
減少させる事のできる効果を得ることができる。また、
急激な減速感により運転者がショック・恐怖心を受けた
場合には、運転者が慌てて間違った危険回避動作を行
い、別の危険性が発生する虞があるが、上述した様に、
この一実施例においては、緩やかな減速動作が実行され
るので、運転者に対してショック・恐怖心を与える虞が
少なく、この様な別の危険性が発生する虞がない。
【0075】また、上述した一実施例においては、エン
ジン自動制動制御の実行に際して、設定された変速ギヤ
位置に応じた閉塞速度てサブスロットル弁38を閉塞動
作し、エンジンブレーキの発動の程度を変化させてい
る。具体的には、変速ギヤ位置が低い場合、即ち、「一
速」にある場合に、急激にサブスロットル弁38を閉塞
駆動すると、急激にエンジンブレーキがきいて、急激な
減速感を運転者に与え、上述した問題を発生させる事に
なが、この一実施例においては、変速ギヤ位置が「一
速」にあると判断される場合には、最も緩やかな閉塞速
度でサブスロットル弁38を閉塞駆動し、急激な減速感
を運転者に与えない様に配慮されている。
【0076】また、変速ギヤ位置が中位の場合、即ち、
「二速」にあると判断される場合には、通常の閉塞速度
でサブスロットル弁38を閉塞駆動する様に設定されて
いる。更に、変速ギヤ位置が高い場合、即ち、「三速」
または「四速」にあると判断される場合には、エンジン
ブレーキがききにくい状態にあるので、最も早い閉塞速
度でサブスロットル弁38を閉塞駆動して、エンジンブ
レーキが有効に発動する様に設定されている。
【0077】更に、上述した一実施例においては、ブレ
ーキ装置による制動力を発動させるべくブレーキ自動制
動制御が起動された場合には、強力な制動力が要求され
る事になるので、エンジン自動制動制御手順において
は、上述したような変速ギヤ位置に応じた閉塞速度でサ
ブスロットル弁38を閉塞駆動する動作を中断し、いか
なる変速ギヤ位置にあろうとも、ブレーキ自動制動制御
が起動された時点から最も早い閉塞速度でサブスロット
ル弁38を閉塞駆動して、強力なエンジンブレーキを発
動する様に設定されている。このように、ブレーキ装置
における制動力とエンジンブレーキにおける強力な制動
力とが合わされた状態で、フル制動をかけることが可能
となり、前方障害物との間の危険性を有効に回避するこ
とができる事になる。
【0078】また、この一実施例においては、このよう
にフル制動をかけた場合においても、この車両Aは、各
車輪12FL,12FR,12RL,12RRに対して
ABSバルブユニット84FL,84FR,84RL,
84RRを備えているおり、これらがトラクション制御
ユニット(CTR)103により各車輪12FL,12
FR,12RL,12RRがロックしない様に制御され
ているので、安定した状態で車両Aを停止させることが
できる事になる。この発明は、上述した一実施例の構成
に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能である事は言うまでもない。
【0079】例えば、上述した一実施例においては、各
種の閾値を不等式で表される関係に設定される様に説明
したが、この発明は、このような関係に限定されること
なく、種々の態様で規定されるものである。例えば、上
述した一実施例においては、閾値L2 は閾値L0 よりも
大きく(L2 >L0 )、また、閾値L2は閾値L0 より
も大きい(L2 >L0 )と説明しがた、このような制約
に限定されることなく、閾値L2 は閾値L0 以下(L2
≦L0 )であってもよいし、また、閾値L2 は閾値L0
以下(L2 ≦L0 )であってもよい。
【0080】また、上述した一実施例においては、エン
ジン出力を低下させてエンジンブレーキを発生させる為
に、サブスロットル弁38を駆動して吸気通路44を閉
塞動作させる様に説明したが、この発明は、このような
構成に限定されることなく、燃料噴射弁56に接続され
た噴射弁ドライバ58を駆動制御して、エンジン14へ
の燃料供給を減少またはカットする事により、エンジン
出力を低下させてエンジンブレーキを発動する様に構成
してもよいし、また、サブスロットル弁38による吸気
通路44の閉塞制御と、燃料噴射弁56による燃料噴射
量の減少制御とを同時に実行する様に制御してもよい。
このように両者を同時に実行させる事により、エンジン
ブレーキはより確実に発揮される事となる。
【0081】尚、このように燃料噴射量を制限する事に
よりエンジン出力を低下させてエンジンブレーキを発動
させる場合において、エンジンブレーキ制御量EBC
は、燃料噴射量の減少速度を示すものであり、このエン
ジンブレーキ制御量EBCが小さい程、燃料噴射量の減
少速度が遅く設定され、また、大きい程速く設定されて
いる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述した様に、この発明に係わる車
両の自動制動装置は、この発明に係わる車両の自動制動
装置は、自車と障害物との間の距離及び相対速度を検出
する検出手段と、この検出手段で検出された自車と障害
物との間の距離及び相対速度から、自車が障害物に接触
する可能性の有無を判断する接触可能性判断手段と、こ
の判断手段で接触の可能性があると判断された場合に、
少なくとも油圧系を介してのブレーキ力を作動させるブ
レーキ自動発生手段と、このブレーキ自動発生手段にお
ける前記ブレーキ力の発動が開始されると、クラッチペ
ダルの踏み込み動作に応じてエンジンの駆動力を駆動輪
に断続可能に接続するクラッチ手段を強制的に断状態と
なし、前記ブレーキ力の発動が終了した後、所定の復帰
条件の成立を待って、前記クラッチ手段をクラッチペダ
ルの踏み込み動作に応じて前記駆動力の断続制御を実行
することができる様に復帰させるクラッチ制御手段とを
具備する事を特徴としている。また、この発明に係わる
車両の自動制動装置において、前記クラッチ制御手段
は、自車が停止状態にあり、変速ギヤ位置がニュートラ
ル位置にある事を検出すると、前記クラッチ手段を駆動
力の断続制御を実行可能に復帰させる事を特徴としてい
る。また、この発明に係わる車両の自動制動装置におい
て、前記クラッチ制御手段は、自車が停止状態にあり、
変速ギヤ位置が「一速」に設定され、且つ、クラッチペ
ダルが踏み込まれている事を検出すると、前記クラッチ
手段を駆動力の断続制御を実行可能に復帰させる事を特
徴としている。また、この発明に係わる車両の自動制動
装置において、前記クラッチ制御手段は、自車が走行状
態にあり、且つ、自車の車速が上昇していることを検出
すると、前記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実行可
能に復帰させる事を特徴としている。また、この発明に
係わる車両の自動制動装置において、前記クラッチ制御
手段は、自車が走行状態にあり、且つ、車速が選択され
た変速ギヤ位置に夫々対応した使用下限速度よりも早い
場合に、前記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実行可
能に復帰させる事を特徴としている。
【0085】従って、この発明によれば、前方障害物と
の接触の可能性があると判断された場合には、運転者の
意志とは無関係に自動的に制動制御を実行し、接触の危
険性が回避されたと判断された場合には、早急に運転者
の意志による正常な運転可能状態に復帰させる事のでき
る車両の自動制動装置が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる車両の自動制動装置の一実施
例の構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】自動制動装置に適用されるブレーキ油圧系の構
成を示す油圧回路図である。
【図3】車両Aと前方障害物との間の距離及び両者の相
対速度を検出する為の検出機構の構成を示すブロック図
である。
【図4】自動制動制御ユニットにおける自動制動制御動
作の制御手順のメインルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図5】自動制動制御動作において用いられる閾値設定
用のマップを示す線図である。
【図6】図4に示す自動制動制御動作におけるエンジン
自動制動制御動作の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図7】図4に示す自動制動制御動作におけるブレーキ
自動制動制御動作の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図8】図4に示す自動制動制御動作におけるクラッチ
復帰制御動作の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A 車両 10 自動制動装置 33 自動変速機制御ユニット 38 サブスロットル弁 48 サブスロットル弁コントローラ 49 自動制動制御ユニット 54 ブレーキ圧調整機構 60 ブレーキ装置 72 ブレーキ配管、 82 自動制動バルブユニット 84 ABSバルブユニット 116 検出機構である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車と障害物との間の距離及び相対速度
    を検出する検出手段と、 この検出手段で検出された自車と障害物との間の距離及
    び相対速度から、自車が障害物に接触する可能性の有無
    を判断する接触可能性判断手段と、 この判断手段で接触の可能性があると判断された場合
    に、少なくとも油圧系を介してのブレーキ力を作動させ
    るブレーキ自動発生手段と、 このブレーキ自動発生手段における前記ブレーキ力の発
    動が開始されると、クラッチペダルの踏み込み動作に応
    じてエンジンの駆動力を駆動輪に断続可能に接続するク
    ラッチ手段を強制的に断状態となし、前記ブレーキ力の
    発動が終了した後、所定の復帰条件の成立を待って、前
    記クラッチ手段をクラッチペダルの踏み込み動作に応じ
    て前記駆動力の断続制御を実行することができる様に復
    帰させるクラッチ制御手段とを具備する事を特徴とする
    車両の自動制動装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ制御手段は、自車が停止状
    態にあり、変速ギヤ位置がニュートラル位置にある事を
    検出すると、前記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実
    行可能に復帰させる事を特徴とする請求項2に記載の車
    両の自動制動装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ制御手段は、自車が停止状
    態にあり、変速ギヤ位置が「一速」に設定され、且つ、
    クラッチペダルが踏み込まれている事を検出すると、前
    記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実行可能に復帰さ
    せる事を特徴とする請求項2に記載の車両の自動制動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ制御手段は、自車が走行状
    態にあり、且つ、自車の車速が上昇していることを検出
    すると、前記クラッチ手段を駆動力の断続制御を実行可
    能に復帰させる事を特徴とする請求項2に記載の車両の
    自動制動装置。
  5. 【請求項5】 前記クラッチ制御手段は、自車が走行状
    態にあり、且つ、車速が選択された変速ギヤ位置に夫々
    対応した使用下限速度よりも早い場合に、前記クラッチ
    手段を駆動力の断続制御を実行可能に復帰させる事を特
    徴とする請求項2に記載の車両の自動制動装置。
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