JPH0521244B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は湯と水を混合して、設定された温度の
湯を供給する湯水混合装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の湯水混合装置は、第１図に示すよ
うに構成されていた。すなわち第１図において弁
軸１はサーボモータ２の駆動により進退移動する
ようになつている。３は高温湯量を調節する湯側
両面バルブで、湯側両面バルブ３は前記弁軸１の
先端に固定されている。４は冷水量を調節する水
側片面バルブで湯側両面バルブ３との間に発条５
が介装されており、弁軸１に対し湯側両面バルブ
３の方向へのみ移動可能となつている。また、６
は湯側弁室７内における給湯路８の出口に形成し
た一方の湯側シートであり、９は湯側シート６に
相対向して湯側弁室７に形成した他方の湯量シー
トで、湯側シート９は、又湯側弁室７と後記する
混合室１１との間に配設されている。これら２つ
の湯側シート６，９間に前記湯側両面バルブ３を
装備して弁軸１の進退移動により湯側両面バルブ
３が互いに２つの湯側シート６，９に接離関係が
互いに逆関係にありそれぞれの開度が調節される
ようになつている。１０は水側弁室を兼ねた混合
室１１における給水路１２の出口に形成した水側
シートで、この水側シート１０には前記水側片面
バルブ４が弁軸１の進退移動によつて接離してそ
の開度を変化調節するようになつている。湯と水
が混合した混合湯は、混合湯取出路１３から供給
されるが、この混合湯取出路１３には出湯温感知
センサ１４が設けられている。１５は給湯熱源機
である。

この従来例の動作は温度設定器（図示せず）で
設定された湯温が得られるように、出湯温感知セ
ンサ１４で混合湯温を検出し、サーボモータ２で
湯側両面バルブ３と水側片面バルブ４を駆動し湯
と水の混合比を変えている。混合湯温が設定値よ
りも低い場合は、弁軸１が図において右側に移行
し給水路１２を水側片面バルブ４が絞り込むと同
時に、給湯路８を湯側両面バルブ３が開成して行
き設定値が得られる位置まで移動する。混合湯温
が設定値よりも高い場合は、逆方向に移動する。

なお給湯熱源機１５が瞬間型の場合、大量に出
湯されると加熱が追いつかず、水を全閉にした状
態でも出湯温が設定値以下に下がる場合には、弁
軸が右側に大きく移行し、湯側両面バルブ３が湯
側シート９に接近する。これにより給湯熱源機１
５を通る水量は規制され、設定値通りの湯温が得
られるしくみになつている。

この従来の湯水混合装置は次のような問題点を
有していた。

(1) 給湯を行なつているか、いないかを検出する
手段がないため、給湯の停止時に混合湯取出路
１３部が自然冷却により冷えると、出湯温感知
センサ１４がこれを検出しバルブが湯の比率を
増すように移動して行くため、再給湯時に一時
的に熱い湯が出て危険であると共に、適温が得
られる位置まで移動するのに時間がかかつた。

(2) 浴槽等に湯を張る場合に所定量溜つた時点で
人間が感知できる手段がなかつた。

以上の従来例の他にも、ワツクスの熱膨張収縮
を利用してバルブを駆動し、湯水の混合比率を調
整するカラン型の自動混合弁と、水道の量水器の
機構を利用して自動止水を行なう定量止水弁を組
み合せた自動混合定量止水栓はあつた。しかし、
前出の従来例の問題点(1)は依然として解決されて
おらず、また機構的に構成されていたため構成が
複雑で遠隔操作ができないという問題点を有して
いた。

本発明の目的 本発明はこのような従来の問題点を解決した湯
水混合装置を提供するもので、安全性・応答性に
優れ、簡単な構成で定量値に達した時点で警報を
発することのできる湯水混合装置を提供すること
を目的としている。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、湯と水を
混合する混合弁と、混合弁を駆動装置と、混合湯
温を検出する温度検出器と、混合湯温の温度設定
器と、混合湯温を検出する流量検出器と、混合湯
量の積算値を設定する湯温設定器と、警報器と、
温度検出器と温度設定器の信号の偏差により駆動
装置を制御すると共に、給湯の停止時に流量検出
器の信号を利用して駆動装置を停止し、かつ流量
検出器と湯量設定器の信号により混合湯量の積算
値が設定値に達した時に警報器から警報を発する
制御を行う制御器を備えて構成するものであり、
これにより安全性・応答性面の改善と、定量値に
達した事を知らせる警報付を実現するものであ
る。

実施例の説明 次に本発明の一実施例について、第２図と第３
図に基づいて説明を行なう。

第２図において、給湯熱源機１６で作られた湯
は給湯管１７を通つて混合ユニツト１８に供給さ
れる。混合ユニツト１８には給水管１９も接続さ
れており、混合された混合湯は混合湯管２０を通
つて蛇口２１から浴槽２２に供給される。蛇口２
１の近傍には、温度設定と湯量設定ができ警報器
であるブザーを内蔵した給湯コントローラ２３が
設けられている。この給湯コントローラは、風呂
の蛇口近傍以外にも例えば台所、家事室などに設
けることもできる。給湯コントローラ２３の信号
の授受は制御器２４との間で行なわれる。混合ユ
ニツト１８の詳しい構成は第３図に示す。湯の入
口２５と水の入口２６より供給される湯と水は、
湯側弁体２７と水側弁体２８により混合比率が調
整され混合湯の出口２９から蛇口に供給される。
湯側弁体２７と水側弁体２８は弁軸３０に両端が
規制され互に離反する方向にバネで付勢されて設
けられており、駆動装置であるモータ３１により
ギヤボツクス３２及びねじ機構３３を介して駆動
される。混合湯温の検出は温度検出器３４によつ
て行なわれる。また、３５は流量検出器であり、
湯側弁体２７、水側弁体２８、弁軸３０等から構
成される混合弁３６と温度検出器３４との間に設
けられている。流量検出器３５は、流れを旋回さ
せる固定翼車３７と、旋回流により回転するボー
ル３８と、ボールの流出防止手段３９及びボール
の回転を検出する磁気抵抗素子４０より構成され
る。混合弁３６で比率を調整された湯と水は、こ
の流量検出器３５で混合が促進され温度検出器３
４部における混合不十分による温度の変動を解消
する。流量検出器３５と温度検出器３４の信号
は、前記制御器に伝えられる。

次にこの実施例の動作を説明する。

まず通常の混合動作を述べる。蛇口２１が開成
され給湯が行なわれている状態では、給湯コント
ローラ２３で設定した温度設定信号と、温度検出
器３４で検出される混合湯温の信号が制御器２４
で比較され、両者の偏差がゼロとなる位置にモー
タ３１で混合弁３６が駆動される。蛇口２１を閉
成して給湯を止めた場合、流量検出器３５が流れ
の停止した事を検出し、制御器２４を介してモー
タ３１の駆動を停止する。このため従来のよう
に、給湯の停止後温度検出器３４部の温度が冷却
により下つても、混合弁３６は湯側を開け、水側
を絞る動作をすることはない。再給湯時に蛇口２
１を開成すると流れが生じるが、これを流量検出
器３５が検出しモータ３１へ通電する。再給湯時
は従来のように一時的に熱い湯が出ることはな
い。また混合弁３６も適正位置から動作できる。
以後、通常の混合動作を行なう。流量検出器３５
は、以上のように蛇口の開閉状態を検出する手段
として利用する他にも、混合湯の流量に応じてモ
ータ制御の比例ゲインを変えることにも利用可能
である。このようにモータ３１は、給湯コントロ
ーラ２３での温度設定信号、設定検出器３４の信
号、流量検出器３５の信号により制御器２４を介
して制御される。

次に定量警報動作について述べる。給湯コント
ローラ２３で浴槽へのトータル給湯量を設定し、
かつ混合湯温を設定し、蛇口２１を開成すると、
混合弁３６は混合動作を開始すると共に、流量検
出器３５で検出される流量は制御器２４で積算さ
れ始める。混合湯の流量積算値が設定値に達する
と、制御器２４からの指令で給湯コントローラ２
３に設けたブザーが警音を発する。このため使用
者は、浴槽の湯量が所定値に達したことを知るこ
とができる。

この実施例においては、流量検出器３５は回転
型で構成し、混合弁３６と温度検出器３４の間に
設けているため、湯水の混合が促進され温度検出
器３４の温度検出精度が増す効果を有する。ま
た、温度設定器と流量設定器と警報器であるブザ
ーは、給湯コントローラ２３として一体的に設け
ているため取扱い、施工が容易である。更に、警
報器はブザーをもつて構成しているため遠くに離
れていても湯量が設定値に達したことを知ること
が可能である。なお、警報器は上記実施例ではブ
ザーをもつて構成したが、ランプの点滅や音楽、
またこれら組み合わせ等様々な手段が考えられ
る。

発明の効果 本発明は、給湯の有無を流量検出器で検出し、
混合弁駆動部の発停制御及び流量検出器の検出流
量を積算して湯量の設定値に達したことを知らせ
る警報制御などを行なつているものであり、次の
ような効果を有する。

(1) 給湯が停止した時には、流量検出器でこれを
検出し、駆動装置により混合弁が駆動されるこ
とを防止するため、再給湯時に従来のように一
時的に熱い湯が出ることがなく安全である。ま
た混合弁は前回使用していた位置から動作でき
るため、所定温度の得られる位置への到達時間
が短く応答性が良くなる。

(2) 湯量設定が可能で設定値に達すると警報が発
せられるため、容易に利用者が感知でき、浴槽
などのオーバフローの防止や、頻繁な点検を要
するわずらわしさの解消が図れる。

(3) 流量検出器は混合弁の駆動装置制御と、混合
湯量の流量積算による警報器制御と、一つで複
数の制御対象に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合装置を示す断面図、第
２図は本発明の一実施例の湯水混合装置を用いた
給湯システム図、第３図は同システムに用いた混
合ユニツトの一部断面図である。 ２３……給湯コントローラ（温度設定器、湯量
設定器、警報器）、２４……制御器、３１……モ
ータ（駆動装置）、３４……温度検出器、３５…
…流量検出器、３６……混合弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湯と水を混合する混合弁と、この混合弁を駆
   動する駆動装置と、混合湯温を検出する温度検出
   器と、前記混合湯温を設定する温度設定器と、前
   記混合湯温を検出する流量検出器と、前記混合湯
   量の積算値を設定する湯量設定器と、警報を発す
   る警報器と、前記温度検出器と前記温度設定器の
   信号の偏差により前記駆動装置を制御すると共
   に、給湯の停止時に前記流量検出器の信号を利用
   して前記駆動装置を停止し、かつ前記流量検出器
   と湯量設定器の信号により前記混合湯量の積算値
   が設定値に達した時に前記警報器から警報を発す
   る制御を行う制御器よりなる湯水混合装置。