JPH0830591B2 - 給湯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、給湯器において通常の蛇口回路の他に浴槽
などに専用の給湯回路を設けた給湯器に関するものであ
る。

従来の技術 近年、給湯器の浴槽への専用給湯回路を設けて、浴槽
の自動お湯張り、又、高温湯での差し湯追だき機能のつ
いたものが使われている。第３図において、給水路１に
熱交換器２、前記熱交換器の下流で分岐された蛇口への
第１給湯路３と、浴槽４へ導かれ開閉弁５を有する第２
の給湯路と、前記熱交換器２の出口に設けた温度センサ
７と第２給湯路の開閉を操作するとともに前記温度セン
サ７による湯温制御の湯温設定を変更するコントローラ
８とで構成されている。

発明が解決しようとする問題点 上記構成において第２給湯路が閉じている時は湯温設
定は通常の蛇口使用温度（以後降初期値という）になっ
ている。コントローラ８から浴槽へのお湯張りを指示し
た場合、開閉弁５を開くとともに湯温設定を浴槽温度例
えば45℃に自動的に変更する。

そして高温差し湯を指示したときには開閉弁５を開く
とともに湯温設定を高温（60〜90°Ｃ）に自動的に変更
して浴槽へ高温湯の給湯を行なう。しかしながらここ
で、問題点（１）流量を規制する手段が無いので熱源の
能力不足となり必要な温度が出なくなる。これを解決す
るためには大流量の必要な自動給湯用と小流量高温差し
湯用と開閉弁を２系統必要とする。（２）高温差し湯終
了したあと熱交換器に残った高温湯が蛇口回路から出さ
れる危険性がある。

等の問題点を有するものであった。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、給水路に流量
センサを設け、第２給湯路には給湯の開閉及び流量セン
サの信号をフィードバックして連続流量制御を行なう流
量制御弁及び流量制御部を設け、高温差し湯動作時に設
定流量を少流量にかつ設定温度を高温設定とし、さらに
高温差し湯終了時に一旦設定流量を大流量にかつ設定温
度を低温に設定したのちに流量制御弁を閉止する高温差
し湯操作部を設けたものである。

作用 上記構成により高温差し湯時には給湯路２の流量は流
量センサと流量制御弁とで少流量にフィードバック制御
され、熱源の能力不足により出湯温度が低くなることが
なく、また高温差し湯終了時には一旦設定温度が低温に
設定されかつ設定流量が大流量に設定され熱交換器に残
った高温湯を大流量で短時間で浴槽に排出したのち流量
制御弁が閉止される。

実施例 以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図において給水路11内に旋回流を発生させる固定
翼12と固定翼12の下流に旋回流によって流路内径にそっ
て回動する磁性ボール13と、ボール13の動きを検出する
回転検出器14とで流量センサ５を構成し、その下流に熱
交換器２、熱交換器２の出口に温度センサ７を設け、熱
交換器２の下流で分岐された蛇口への第１給湯路３と、
流量調節弁16を経て浴槽４へ導かれる第２給湯路６を設
け、流量調節弁16は弁ボデー17にモータ18により減速器
19、駆動ギヤ20、21を経て駆動軸22をそのねじ送り部23
により直線駆動し、駆動軸22にスプリング24に押されて
連結される止水弁25と、駆動軸22に貫通され軸段差26に
位置規制されて軸方向に移動自在な流量調節弁体27とで
構成される。流量センサ５の信号は流量演算部28を経て
差し温ボタン34を有する操作部29からの流量設定信号30
と比較されその偏差は流量制御部を構成する偏差増幅部
31で増幅されモータ18を駆動する。一方温度センサ７か
らの温度信号は操作部からの温度設定信号32と比較さ
れ、その偏差により湯温制御部33はバーナ又はヒータな
どの熱源（図示せず）の熱量を制御する。

上記構成において第２給湯路６が閉の状態では操作部
29は初期値の温度設定信号32を出力して蛇口使用温度が
決められる。差し湯ボタン34が押されると第２図（Ａ）
のように操作部は高温の温度設定信号32を出力するとと
もに、低流量の流量設定信号30を出力する。止水弁25は
閉止状態にあるので流量偏差が発生しモータ18に電圧が
印加され駆動軸22を動かして止水弁25を開き、さらに駆
動軸22が進んで軸段差26に押されて流量調節弁体27が開
く。流量が流れると磁性ボール13が回動して流量演算部
28に信号が加えられ、流量設定信号30に等しい流量にな
るようモータ18へフィードバックされ、偏差が無くなっ
たところでモータ18は停止する。したがって流量は水圧
や負荷抵抗が変化しても流量設定信号30にほぼ等しい値
に保たれ熱源の能力不足を起こすことなく湯温は設定さ
れた高温を維持して効果的な高温差し湯が行なわれる。
さらに差し湯ボタン34を操作したり、リミットタイマー
（図示せず）等によって差し湯状態を解除すると操作部
29は第２図（Ｂ）のように低温の温度設定信号32を出力
するとともに大流量の流量設定信号30を出力して第２図
（Ｃ）のように熱交換器２内に残っている高温湯を浴槽
にすみやかに排出しながら湯温を下げる。その後第２図
（Ｄ）の時点で、初期値の湯温設定信号を出力するとと
もに流量設定信号30を零として、流量制御弁16を閉止す
る。こうしてすみやかに蛇口使用状態に復帰させるとと
もに熱交換器２に残っている高温湯を浴槽に排出するた
め不用意に蛇口から高温湯が出る危険を防止できる。図
示していないが、第２給湯路６の開放中は第１給湯路３
を閉止したり、あるいはランプ、ブザー等で高温使用を
表示・通報する手段を併用できるのでさらに高い安全性
が確保できる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、給水路に流量センサを
設け、第２給湯路には給湯の開閉及び流量センサの信号
をフィードバックして連続流量制御を行なう流量制御弁
及び流量制御部を設け、高温差し湯動作時に設定流量を
少流量にかつ設定温度を高温設定とし、さらに高温差し
湯終了時に一旦設定流量を大流量にかつ設定温度を低温
に設定したのちに流量制御弁を閉止する高温差し湯操作
部を設けた構成により、 （１）高温使用時の流量を水圧や負荷抵抗の変化にかか
わらず低流量の一定値に保つよう作用し、流量過大によ
る熱源の能力不足を解消し安定した高温湯を供給して効
果的な高温差し湯を行なえる。

（２）差し湯使用終了時に熱交換器に残った高温湯を浴
槽に排出してすみやかに湯温を低下させて第１給湯路か
ら不用意な高温湯が吐出される危険を防止できる。

等の効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の給湯器の構成図、第２図は
同給湯器の第２給湯路使用時の湯温と流量の変化を示す
特性図、第３図は従来の給湯器の構成図である。 ２……熱交換器、５……流量センサ、３……第１給湯
路、６……第２給湯路、16……流量制御弁、29……操作
部、33……湯温制御部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器と給水路に設けられ給水量に比例
   した信号を発生する流量センサと、前記熱交換器の下流
   で分岐して設けた、蛇口への第１の給湯路及び浴槽への
   第２の給湯路と、この第２の給湯路に設けられ給湯の開
   閉及び前記流量センサの信号をフィードバックして連続
   流量制御を行なう流量制御弁および流量制御部と、前記
   熱交換器の出口に設けた温度センサと、前記温度センサ
   の信号により前記熱交換器への熱量を調節して湯温を制
   御する湯温制御部とを備え、浴槽への高温差し湯動作時
   には前記流量制御部の設定流量を少流量に設定するとと
   もに前記湯温制御部の設定温度を高く設定し、さらに高
   温差し湯動作を終了する前には一旦前記設定流量を大流
   量に設定しかつ前記設定温度を低く設定した後に前記流
   量制御弁を閉止する操作部を設けた給湯器。