JPH05202998A - 自動変速機の変速歯車機構 - Google Patents

自動変速機の変速歯車機構

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JPH05202998A
JPH05202998A JP9215292A JP1529292A JPH05202998A JP H05202998 A JPH05202998 A JP H05202998A JP 9215292 A JP9215292 A JP 9215292A JP 1529292 A JP1529292 A JP 1529292A JP H05202998 A JPH05202998 A JP H05202998A
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JP
Japan
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clutch
brake
drum
piston
chamber
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JP9215292A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Mikoshiba
美典 御子柴
Yasuichi Hayazaki
康市 早▲崎▼
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Priority to DE4302518A priority patent/DE4302518B4/de
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Publication of JPH05202998A publication Critical patent/JPH05202998A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機の或る回転メンバーに係わるクラ
ッチ及びブレーキの配置を、部品点数の減少及び軸寸法
の短縮が可能となるよう改良する。 【構成】 或る回転メンバーに結合したドラム30の内
外周にクラッチL/C及びブレーキLR/Bのパック3
2,38を配置し、ドラム30をその内周に嵌合したク
ラッチシリンダ34を介して中空固定軸37上に支持
し、ブレーキパック38はクラッチL/Cのピストン3
3とほぼ同じ軸直角面内に配置する。又、ワンウエイク
ラッチL/OWCはクラッチシリンダ34の内周と、こ
れを支持する中空固定軸37の外周との間に配置する。
よって、クラッチ及びブレーキがドラム30を共有して
部品点数の減少が可能で、またブレーキパックがクラッ
チピストン33とほぼ同じ軸直角面内にあって軸寸法を
短縮し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速歯車機
構、特にその歯車伝動系中における或る回転メンバーを
他の回転メンバーに結合するクラッチ、及び該或る回転
メンバーを固定するブレーキに係わる配置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は通常、動力伝達系に遊星歯
車組を可とする変速歯車機構を具え、クラッチやブレー
キ等の各種摩擦要素を選択的に締結させることにより、
変速歯車機構の伝動経路を決定し、対応変速段を得る。
【0003】従って、自動変速機の変速歯車機構は、そ
の歯車伝動系中における或る回転メンバーを他の回転メ
ンバーに結合するクラッチ、及び該或る回転メンバーを
固定するブレーキを必要とする場合がある。例えば19
87年3月、日産自動車株式会社発行「NISSAN
RE4R01A型フルレンジ電子制御オートマチックト
ランスミッション整備要領書」第1ー7頁に記載の自動
変速機においては、フォワードクラッチが上記クラッチ
に相当し、ローリバースブレーキが上記ブレーキに相当
する。
【0004】そして、これらクラッチ及びブレーキは従
来上記文献に記載の如く、又図5に示すように配置する
のが常套であった。つまり、フォワードクラッチF/C
で結合したり、ローリバースブレーキLR/Bで固定す
べき或る回転メンバー(図示せず)にクラッチドラムC
/Dを結合して設け、これを一端が閉塞した有底形とし
てその底部外側にブレーキハブB/Hを同軸に結合す
る。クラッチドラムC/Dの底部近傍内にクラッチピス
トンC/Pを嵌合し、これに近接させてクラッチドラム
C/Dの内周と、クラッチハブC/Hとの間にクラッチ
パックC/Kを介在させてフォワードクラッチF/Cを
構成する。又、ブレーキハブB/Hの外周と、変速機ケ
ースT/Cとの間にブレーキパックB/Kを介在させ、
これを変速機ケースT/Cに嵌合したブレーキピストン
B/Pにより押圧可能としてローリバースブレーキLR
/Bを構成する。更に、上記回転メンバーを一方向に回
転阻止するためのローワンウェイクラッチL/OWCは
ブレーキハブB/Hの内周と、クラッチドラムC/Dを
支承する固定軸F/Sとの間に介在させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして、かかる従来
の変速歯車機構にあっては、ブレーキハブB/Hがクラ
ッチドラムC/Dとは別の部品として必要であり、部品
点数の増大を惹起し、それ故に組み付け性が悪くなると
共に高価になるのを否めず、又ブレーキハブB/Hをク
ラッチドラムC/Dの底壁に対し同軸突合せ配置にせざ
るをえないため、クラッチピストンC/Pに対してブレ
ーキパックB/Kが変速機軸線方向にオフセットし、そ
の分軸寸法が大きくなるという問題を生じていた。本発
明は上記クラッチ及びブレーキの配置に関して当該問題
を生じないよう改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明
は、歯車伝動系中の或る回転メンバーを他の回転メンバ
ーに結合するクラッチ、及び該或る回転メンバーを固定
するブレーキを具えた自動変速機の変速歯車機構におい
て、前記或る回転メンバーに結合したドラムを設け、該
ドラムの内周に前記クラッチのクラッチパック及びクラ
ッチピストンを配置し、前記ドラムの外周に、前記クラ
ッチピストンとほぼ同じ軸直角面内に配して前記ブレー
キのブレーキパックを配置したものである。
【0007】本発明の他の目的は、前記或る回転メンバ
ーがワンウエイクラッチにより一方向の回転を阻止され
るべきものである場合でも、上記の目的に符合するよう
にするにあり、この目的のため前記ピストンを受容する
シリンダを前記ドラム内に嵌着し、該シリンダと、この
シリンダを支承する固定軸との間に前記ワンウエイクラ
ッチを介在させたものである。
【0008】本発明の更に他の目的は、上記の構成にあ
っても上記シリンダを大強度が要求されることのないよ
うにするにあり、この目的のため前記ワンウエイクラッ
チの外レースを前記シリンダと別体に構成したものであ
る。
【0009】
【作用】上記クラッチ及びブレーキを含む各種摩擦要素
の選択的作動により変速歯車機構の伝動経路が決定され
て、自動変速機は対応する変速段を選択することができ
る。
【0010】ところで、変速歯車機構の上記クラッチ及
びブレーキが夫々、これらにより他の回転メンバーに結
合したり固定すべき或る回転メンバーに結合したドラム
を共有し、その内外周に夫々上記クラッチ及びブレーキ
のパックを配置して上記クラッチ及びブレーキを構成
し、ブレーキパックを上記クラッチのピストンとほぼ同
じ軸直角面内に配置したから、前記従来構造において必
要だったブレーキハブが不要となる。
【0011】従って、部品点数の減少が可能となり、こ
れにより組み付け性の向上を図り得ると共に低廉価を実
現し得る。又、ブレーキパックを上記クラッチのピスト
ンとほぼ同じ軸直角面内に配置することが可能となり、
両者の軸方向へのオフセットを避け得てその分軸方向寸
法を詰めることができる。
【0012】更に、第2発明によれば、或る回転メンバ
ーがワンウエイクラッチにより一方向の回転を阻止され
るべきものである場合でも、前記ピストンを受容するシ
リンダを前記ドラム内に嵌着し、該シリンダと、このシ
リンダを支承する固定軸との間に前記ワンウエイクラッ
チを介在させたことで、上記第1発明の目的に符合させ
ることができる。
【0013】なお、この場合第3発明のように、上記ワ
ンウエイクラッチの外レースを前記シリンダと別体に構
成すれば、このシリンダがワンウエイクラッチへの大き
な入力を最初に受けることがなく、当該シリンダを安価
なプレス品で構成することが可能となり、上記ワンウエ
イクラッチが必要な構成であっても、低廉価を可能なら
しめる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の第一実施例を示す自動変速機
の歯車変速機構で、この歯車変速機構は入力軸1、出力
軸2、及びこれら入出力軸間に同軸突合せ関係に配した
中間軸3を具え、入力軸1はトルクコンバータ4を介し
て図示せざるエンジンクランクシャフトに駆動結合す
る。入力軸1上に同心に2個の第1及び第2遊星歯車組
5, 6をタンデムに設け、又出力軸2上には同心に第3
遊星歯車組7を設ける。
【0015】第1及び第2遊星歯車組5, 6は夫々第1
及び第2サンギヤ5S , 6S 、第1及び第2リングギヤ
R , 6R 、これらサンギヤ及びリングギヤに噛合する
ピニオン5P , 6P 、及びこれらピニオンを回転自在に
支持する第1及び第2キャリア5C , 6C よりなる単純
遊星歯車組とする。又、第3遊星歯車組7も、第3サン
ギヤ7S 、第3リングギヤ7R 、これらに噛合するピニ
オン7P 、及びピニオン7P を回転自在に支持する第3
キャリア7C よりなる単純遊星歯車組とする。
【0016】サンギヤ5S をバンドブレーキB/Bによ
り固定可能とする他、リバースクラッチR/Cにより入
力軸1に結合可能とする。キャリア5C はハイクラッチ
H/Cにより入力軸1に結合可能とする他、ローワンウ
ェイクラッチL/OWCにより入力軸1と逆の方向へ回
転不能とすると共に、ローリバースブレーキLR/Bに
より固定可能とする。キャリア5C は更にロークラッチ
L/Cによりリングギヤ6R に結合可能とする。又、サ
ンギヤ6S を入力軸1に結合し、キャリア6C をリング
ギヤ5R に結合すると共に中間軸3に結合する。
【0017】この中間軸3にリングギヤ7R を結合し、
キャリア7C を出力軸2に結合する。キャリア7C は更
にダイレクトクラッチD/Cにより適宜サンギヤ7S
結合可能とし、更にサンギヤ7S はリダクションブレー
キRD/Bにより適宜固定可能とする。
【0018】上記した歯車変速装置は運転者が希望する
走行形態(駐停車を含む)に応じて手動で選択するレン
ジ毎に、前記クラッチやブレーキを図1の表に示す組合
せで作動させる(○印で示す)ことにより前進第1速乃
至第5速、及び後退の変速段、並びに駐停車状態を得る
ことができる。
【0019】即ち、駐車を希望してPレンジにしたり、
停車を希望してNレンジにすると、リダクションブレー
キRD/Bのみが締結される。従って、サンギヤ7S
固定され、中間軸3からリングギヤ7R への回転動力は
ピニオン7P をサンギヤ7S の周りに転動させつつキャ
リア7C 、従って出力軸2へ減速下に伝達され、第3遊
星歯車組7は減速伝動状態となるが、第1及び第2遊星
歯車組5,6に係わる摩擦要素が全て締結されないた
め、入力軸1への回転動力が一切中間軸3に至らず、自
動変速機は出力軸2を駆動しない駐停車状態を達成す
る。
【0020】前進自動変速走行を希望してDレンジにし
たり、3速エンジンブレーキ走行を希望して3レンジに
したり、2速エンジンブレーキ走行を希望して2レンジ
にしたり、1速エンジンブレーキ走行を希望して1レン
ジにした状態で1速を選択する必要がある時は、リダク
ションブレーキRD/Bを締結すると共にロークラッチ
L/Cを締結する。リダクションブレーキRD/Bの締
結は上述したように第3遊星歯車組7を減速伝動状態に
する。又、ロークラッチL/Cを締結させると、ローワ
ンウェイクラッチL/OWCを介してリングギヤ6R
入力軸1と逆方向の回転を阻止されるため入力軸1から
サンギヤ6S への回転はピニオン6P をリングギヤ6R
内で転動させ、キャリア6C を入力軸1と同方向に減速
して正転させる。キャリア6C の回転は中間軸3に至
り、この回転が第3遊星歯車組7により更に減速されて
出力軸2に達する前進第1速を得ることができる。
【0021】しかしてこの第1速状態で、キャリア6C
が入力軸1と同方向へ高速で逆駆動される時、ローワン
ウェイクラッチL/OWCの開放により入力軸1に逆駆
動力が伝わらず、エンジンブレーキが得られない。1レ
ンジを選択してエンジンブレーキを希望する時は、図1
の表中△印で示すようにローリバースブレーキLR/B
を作動させてローワンウェイクラッチL/OWCの解放
をころす必要がある。
【0022】第2速を選択すべき走行状態では、リダク
ションブレーキRD/B、ロークラッチL/C、及びバ
ンドブレーキB/Bを締結させる。リダクションブレー
キRD/Bの締結は上述したと同様に第3遊星歯車組7
を減速伝動状態にする。一方、ロークラッチL/C及び
バンドブレーキB/Bの締結は、バンドブレーキB/B
によりサンギヤ5S が固定されて反力受けの用をなし、
又ロークラッチL/Cがリングギヤ6R の回転をキャリ
ア5C に伝えてピニオン5P をサンギヤ5S の周りに転
動させながらリングギヤ5R に伝達するため、キャリア
C 、従って中間軸3の正転回転数が増大して1速状態
より高速の2速状態が得られる。
【0023】第3速を選択すべき走行状態になると、リ
ダクションブレーキRD/B、ロークラッチL/C、及
びハイクラッチH/Cを締結させる。リダクションブレ
ーキRD/Bの締結は上述したと同様に第3遊星歯車組
7を減速伝動状態にする。一方、ロークラッチL/C及
びハイクラッチH/Cの締結はリングギヤ6R を入力軸
1と共に回転させるようになり、入力軸1に結合されて
いるサンギヤ6S とリングギヤ6R の一体回転によりキ
ャリア6C 、従って中間軸3が入力軸1と同一の回転を
行う第3速 (直結) 選択状態が得られる。
【0024】第4速を選択すべき走行状態になると、第
1及び第2遊星歯車組5,6に係わる摩擦要素は上記第
3速の時と同じ組合せで締結し、第3遊星歯車組7につ
いてはリダクションブレーキRD/Bの代わりにダイレ
クトクラッチD/Cを締結させる。ダイレクトクラッチ
D/Cの締結で、サンギヤ7S がキャリア7C に結合さ
れ、第3遊星歯車組7を全要素が一体回転する直結伝動
状態にする。よって、中間軸3からの回転が減速されず
そのまま出力軸2に至り、上記第3速より高速の第4速
を得ることができる。
【0025】第5速を選択すべき走行状態になると、ダ
イレクトクラッチD/C、バンドブレーキB/B、及び
ハイクラッチH/Cを締結させる。ダイレクトクラッチ
D/Cの締結は第3遊星歯車組7を上記と同じ直結伝動
状態にする。一方、バンドブレーキB/B及びハイクラ
ッチH/Cの締結は、ハイクラッチH/Cの作動でキャ
リア5C が入力軸1と共に回転され、バンドブレーキB
/Bの作動でサンギヤ5S が固定されるため、サンギヤ
S 上でのピニオン5P の転動を介し、リングギヤ
R 、従ってキャリア6C 及び中間軸3を増速回転させ
ることとなり、第5速を選択することができる。
【0026】後退走行を希望してRレンジを選択する
と、リダクションブレーキRD/Bの締結により第3遊
星歯車組7を減速伝動状態にし、他方でリバースクラッ
チR/C及びローリバースブレーキLR/Bを締結す
る。これらリバースクラッチR/C及びローリバースブ
レーキLR/Bの締結は、リバースクラッチR/Cがサ
ンギヤ5S を入力軸1と一体に回転させ、ローリバース
ブレーキLR/Bがキャリア5C を固定するため、リン
グギヤ5R 、従ってキャリア6C 及び中間軸3を入力軸
1と逆方向に回転させ、この逆転動力が出力軸2に更に
減速されて伝達される後退の変速段を得ることができ
る。
【0027】なお、図1にPのプリフィックスを用いて
各種サフィックスの使い分けにより示す圧力は、詳しく
は図3、図4につき後述する各摩擦要素の作動圧である
が、本発明に係る圧力について以下予備説明する。バン
ドブレーキB/B及びハイクラッチH/Cを締結して行
う第5速選択時に締結されると歯車変速機構のインター
ロックを生ずるロークラッチL/Cは常態で勿論解放さ
れ、締結圧PLCA で締結されるが、この締結圧を供給さ
れたまま逆向きに解放圧PLCR を供給される時解放され
るものとする。又、ダイレクトクラッチD/Cが締結さ
れた第4速、第5速で締結されると歯車変速機構のイン
ターロックを生ずるリダクションブレーキRD/Bは常
態で解放され、締結圧PRDBAで締結されるが、この締結
圧を供給されたまま逆向きに解放圧PRDBRを供給される
時解放されるものとする。
【0028】図2及び図3は図1の歯車変速機構を具体
化し、前記した如くにインターロックを生ずるロークラ
ッチL/C及びリダクションブレーキRD/Bに本発明
の着想を適用した実施例で、図2及び図3はZ面におい
て相互に合体するものとする。11は変速機ケースを示
し、このケース内に入力軸1、中間軸3及び出力軸2を
エンジン側(図2の左側)から順次同軸突き合わせ関係
に軸承し、これら3軸を全て相対回転可能とする。
【0029】入力軸1は図2に示す如く中空固定軸12
内に回転自在に挿通し、挿入内端上に同心に第1及び第
2遊星歯車組5,6を配置する。第2サンギヤ6S を入
力軸1上にセレーション嵌合し、第2キャリア6C を第
1リングギヤ5R に結合すると共に中間軸3上にセレー
ション嵌合する。第1サンギヤ5S を、中空固定軸12
上に回転自在に支持したドラム13の一端に結着し、第
1キャリア5C を入力軸1上に回転自在に支持したクラ
ッチハブ14にセレーション嵌合する。
【0030】ドラム13の外周にバンドブレーキB/B
を巻装し、内周にピストン15を摺動自在に嵌合して室
16を画成する。ドラム13の内側に同心に内側ドラム
17を配設し、これらドラム13,17間に、これらに
夫々スプライン嵌合した摩擦板18,19の交互配置に
なるクラッチパック20を介在させて、室16への締結
圧PRCに応動するピストン15により摩擦板18,19
間を押圧される時締結状態となるリバースクラッチR/
Cを構成する。
【0031】内側ドラム17はその内周部を中空固定軸
12上に回転自在に支持すると共に入力軸1にセレーシ
ョン嵌合し、クラッチハブ14は径方向に延在するハブ
ディスク14aと、その外周に連なり内側ドラム17の
内側に同心配置とした筒状部14bとを有する形状とす
る。そして、該筒状部14bの外周及び内側ドラム17
の内周間に、これらにスプライン嵌合した摩擦板21,
22の交互配置になるクラッチパック23を介在させ、
ドラム17内にピストン24を摺動自在に嵌合して室2
5を画成することで、室25への締結圧PHCに応動する
ピストン24により摩擦板21,22間を押圧する時締
結されるハイクラッチH/Cを構成する。なお、室25
から遠いピストン24の側に隔壁26を対設して遠心圧
キャンセル室27を画成し、この室にピストン24のリ
ターンスプリング28を縮設する。
【0032】第1キャリヤ5cには更にドラム30を駆
動結合し、このドラムを第1及び第2遊星歯車組5,6
にかぶさって後方へ延在する大径ドラムとする。ドラム
30の内周と、第2リングギヤ6R に設けたクラッチハ
ブ31の外周との間に、これらにスプライン嵌合した摩
擦板の交互配置になるクラッチパック32を介在させ、
該クラッチパック32とピストン33とでロークラッチ
L/Cを構成する。このロークラッチL/Cにより第2
リングギヤ6R の径方向を支持する。しかしてクラッチ
ハブ31は第2リングギヤ6R より遠去かる軸方向に延
在させて、第2リングギヤ6R の噛み合い点からオフセ
ツトさせる。
【0033】ピストン33はドラム30に結着したシリ
ンダ34内に摺動自在に嵌合してアプライ室35を画成
し、変速機ケース11にボルト(36)で結合した中空
固定軸37上にシリンダ34の内周を回転自在に支持す
る。しかして、シリンダ34は中空固定軸37との間に
設けたローワンウェイクラッチL/OWCによりエンジ
ンと逆方向の回転を阻止する。なお、この中空固定軸3
7は内周において中間軸3を回転自在に支持する用もな
す。又、室35aから遠いピストン33の側に隔壁33
aを対設してピストン33の解放圧受圧面が臨むレリー
ズ室35aを画成する。かくてロークラッチL/Cは、
リターンスプリング35bに抗し室35への締結圧P
LCA に応動してピストン33がクラッチハブパック32
の摩擦板間を押圧する時締結され、この状態で室35a
にもレリーズ圧PLCR を供給される時ピストン33が押
し戻されてクラッチを解放するものとする。尚、室35
aはレリーズ圧PLCR が作用しない時にも油が充填され
ており、室35へ締結圧PLCA が作用していない時、遠
心キャンセル室として作用する。
【0034】ドラム30の外周と変速機ケース11との
間には、これらにスプライン嵌合した摩擦板の交互配置
になるブレーキパック38を介在させ、これとピストン
39とでローリバースブレーキLR/Bを構成する。ピ
ストン39は変速機ケース11に嵌合して室40を画成
し、この室への締結圧PLRBAでピストン39をストロー
クさせてブレーキパック38を押圧する時、ローリバー
スブレーキLR/Bは締結されるものとする。
【0035】ここで、本発明の特徴部分であるロークラ
ッチL/C、ローリバースブレーキLR/Bについて説
明する。
【0036】ロークラッチL/C及びローリバースブレ
ーキLR/Bは、第1キャリア5cに結合したドラム3
0を共有し、基本的には該ドラム30の内外にロークラ
ッチL/C及びローリバースブレーキLR/Bを配置す
る。
【0037】まず、ロークラッチL/Cを説明するに、
第2リングギヤ6Rのディスク6aに一体成形したクラ
ッチハブ31を具え、このクラッチハブ31を第2リン
グギヤ6Rより遠去かる軸線方向に延在させてドラム3
0の内側に同心に配置する。そしてクラッチドラム30
及びクラッチハブ31間に、これらにスプライン嵌合し
た摩擦板の交互配置になるクラッチパック32を介在さ
せ、ドラム30は、その内周に一体結合したシリンダ3
4を介して中空固定軸37上に回転自在に支持し、この
シリンダ34にピストン33を摺動自在に嵌合してアプ
ライ室35を画成する。そして、このアプライ室35か
ら遠い側に配してピストン33に隔壁33aを対設し、
その内周をシリンダ34に係止すると共に、外周をピス
トン33に摺動自在に嵌合することにより、ピストン3
3及び隔壁33a間にキャンセル室兼レリーズ室35a
を画成する。又、これらピストン33及び隔壁33a間
にリターンスプリング35bを縮設し、これによりピス
トン33を図示のクラッチ解放位置に弾支する。なお、
アプライ室35に対する作動圧の供給はポート35cを
経てこれを行い、キャンセル室兼レリーズ室35aに対
する作動油の供給はポート35dを経てこれを行う。
【0038】次にローリバースブレーキLR/Bを説明
するに、クラッチピストン33とほぼ同じ軸直角面内に
配してドラム30の外周と変速機ケース11の内周との
間に、こららにスプライン嵌合した摩擦板の交互配置に
なるブレーキパック38を介在させ、この領域でドラム
30を残部よりも小径にしてブレーキパック38のスペ
ース効率を高める。変速機ケース11の端壁11aにピ
ストン39を摺動自在に嵌合してアプライ室40を画成
し、変速機ケース11及び中空固定軸37間の合わせ面
に挟持したばね座39aと、ピストン39との間にリタ
ーンスプリング39bを縮設し、これによりピストン3
9を図示のブレーキ解放位置に弾支する。
【0039】前記第1キャリア5c、即ちドラム30を
エンジンと同方向へのみ回転可能とし、逆方向の回転を
阻止するローワンウエイクラッチL/OWCはシリンダ
34の内周と中空固定軸37の外周との間に介在させ、
その外レース101をシリンダ34に一体とせず、シリ
ンダ34の内周に嵌合する。
【0040】上記実施例の作用を次に説明する。アプラ
イ室35に作動圧を供給しない時、ピストン33はリタ
ーンスプリング35bにより図示の位置に弾支されてお
り、クラッチパック32の摩擦板間を押圧せず、ローク
ラッチL/Cは解放状態である。ここで、ポート35c
よりアプライ室35に作動圧を供給すると、ピストン3
3はリターンスプリング35bに抗して押動され、クラ
ッチパック32の摩擦板間を押圧してロークラッチL/
Cを締結状態にする。この状態では、ドラム30に結着
した図示せざる或る回転メンバーが第2リングギヤ6R
に結合され、これらをローワンウエイクラッチL/OW
Cが逆転阻止することとも相俟って自動変速機は第1速
選択状態となる。
【0041】なお、この第1速選択状態では、エンジン
が逆駆動されるような走行時にローワンウエイクラッチ
L/OWCが空転して逆駆動力がエンジンに至らず、エ
ンジンブレーキが得られない。エンジンブレーキが必要
な時は、アプライ室40に作動圧を供給してピストン3
9のストロークを介しブレーキパック38の摩擦板間を
押圧し、ローリバースブレーキLR/Bを締結状態にす
る。これにより、ローワンウエイクラッチL/OWCの
空転が殺され、ドラム30、つまり前記第1キャリア5
cが固定されて両方向共に回転し得なくなり、第1速で
エンジンブレーキを効かせることができる。
【0042】又、ロークラッチL/Cの当該締結状態で
ポート35dよりキャンセル室兼レリーズ室35a内に
レリーズ圧PLCR を供給すると、リターンスプリング3
5bのばね力とも相俟ってピストン33は室35内の作
動圧にもかかわらず図示の位置に押し戻され、ロークラ
ッチL/Cを解放状態にして他の摩擦要素の締結で対応
変速段への変速を行うことができる。
【0043】なお、アプライ室35に作動圧を供給しな
いクラッチ解放状態では、ロークラッチL/Cの回転に
伴いアプライ室35内に生じた遠心圧が、リターンスプ
リング35bに抗してピストン33を押し、クラッチパ
ック32の摩擦板間を押圧するに至ってロークラッチL
/Cを引きずる傾向にある。しかして、この時キャンセ
ル室レリーズ室35a内にも遠心圧が発生し、この遠心
圧がアプライ室35内の遠心圧を打ち消すよう作用して
ピストン33の上記ストロークを禁じ、アプライ室35
に作動圧を供給しないクラッチの解放状態にもかかわら
ずアプライ室35内の遠心圧でクラッチが引きずられる
のを防止することができる。
【0044】ところで、ロークラッチL/C及びローリ
バースブレーキLR/Bが夫々、これらにより第2リン
グギヤ6R に結合したり固定すべき第1キャリア5cに
結合したドラム30を共有し、その内外周に夫々ローク
ラッチL/C及びローリバースブレーキLR/Bのパッ
ク32,38を配置してこれらクラッチ及びブレーキを
構成し、ブレーキパック38をロークラッチL/Cのピ
ストン33とほぼ同じ軸直角面内に配置したから、図5
につき前述した従来構造において必要だったブレーキハ
ブB/Hが不要となる。
【0045】従って、部品点数の減少が可能となり、こ
れにより組み付け性の向上を図り得ると共に低廉価を実
現し得る。又、ブレーキパック38をロークラッチL/
Cのピストン33とほぼ同じ軸直角面内に配置すること
が可能となり、両者の軸方向へのオフセットを避け得て
その分軸方向寸法を詰めることができる。
【0046】更に、ドラム30がローワンウエイクラッ
チL/OWCにより一方向の回転を阻止されるべきもの
である場合でも、クラッチピストン33を受容するシリ
ンダ34を前記ドラム30内に嵌着し、該シリンダ34
と、このシリンダを支承する中空固定軸37との間に上
記ローワンウエイクラッチL/OWCを介在させたこと
で、上記の作用効果を相変わらず奏し得る。
【0047】なお、ローワンウエイクラッチL/OWC
の外レース101をクラッチシリンダ30と別体に構成
したから、このクラッチシリンダがローワンウエイクラ
ッチL/OWCへの大きな入力を最初に受けることがな
く、当該シリンダを安価なプレス品で構成することが可
能となり、上記ローワンウエイクラッチが必要な構成で
あっても、低廉価を可能ならしめる。
【0048】更に、クラッチシリンダ34に対してクラ
ッチピストン33及びローワンウエイクラッチ外レース
101を予備組立しておくことができ、この点でも組立
作業性を向上させることができて大いに有利である。
【0049】次に、図3を説明するに、第3リングギヤ
R を中間軸3の末端に結着し、第3キャリア7C を出
力軸2にセレーション嵌合する。出力軸2上に回転自在
に嵌合した第3サンギヤ7S にドラム41を結着し、こ
のドラムを変速機ケース11に一体で出力軸2の軸承の
用も兼ねる中空固定軸42上に回転自在に支持する。第
3キャリア7C にはドラム41内に侵入するクラッチハ
ブ43を一体成形し、クラッチハブ43の外周とドラム
41の内周との間に、これらにスプライン嵌合する摩擦
板の交互配置になるクラッチパック44を介在させる。
ドラム41内にピストン45を摺動自在に嵌合して室4
6を画成し、ピストン45とクラッチパック44とでダ
イレクトクラッチD/Cを構成する。又室46から遠い
ピストン45の側には隔壁45aを対設して遠心圧キャ
ンセル室46aを画成する。ダイレクトクラッチD/C
は、室46への締結圧PDCに応動するピストン45によ
り摩擦板44間を押圧する時締結されるものとする。
【0050】ドラム4の外周と、変速機ケース11の内
周との間に、これらにスプライン嵌合した摩擦板の交互
配置になるブレーキパック47を介在させ、これとピス
トン48とでリダクションブレーキRD/Bを構成す
る。ピストン48は中空固定軸42に嵌合してアプライ
室49を画成し、この室から遠いピストン48の側に隔
壁48aを対設してピストン48の解放圧受圧面が臨む
レリーズ室49aを画成する。そしてリダクションブレ
ーキRD/Bは、リターンスプリング48bに抗しピス
トン48が室49への締結圧PRDBAに応動して摩擦板4
7間を押圧する時締結され、この状態で室49aにもレ
リーズ圧PRDBRを供給される時ピストン48が押し戻さ
れてブレーキを解放するものとする。尚、符号100a
〜100mはスラストベアリングである。
【0051】図4は図1乃至図3に示す歯車変速機構の
変速制御油圧回路を示す。51は所定のライン圧PL
常時発生する圧力源で、これからの圧力をマニュアル弁
52に供給する。このマニュアル弁は運転者が希望する走
行形態(駐停車を含む)に応じ前記したP,R,N,
D,3,2,1レンジに手動操作し、選択レンジに応じ
ライン圧PL を、マニュアル弁ポート配置として図示す
る形態で適宜回路53〜55に出力するものとする。
【0052】回路53はワンウェイオリフィス56を経
てロークラッチL/Cのアプライ室35に接続し、回路
54は回路53の分岐路と共に1速エンジンブレーキ選
択弁57に接続する。この弁57はソレノイド切換弁
で、OFF時ポート配置57aとなり、ON時ポート配
置57bになるものとする。弁57の出力回路58,5
9のうち、一方の回路58はデューティソレノイド弁A
1 ,A2 ,A3 を経てバンドブレーキB/Bの2速アプ
ライ室2A、3速4速レリーズ室34R、ロークラッチ
L/Cのレリーズ室35aに接続する。
【0053】デューティソレノイド弁A2 ,A3 の出力
回路60,61を夫々シャトル弁62の2入力に通じさ
せ、該シャトル弁の出力をハイクラッチH/Cの室25
に接続する。デューティソレノイド弁A3 の出力回路6
1は更にバンドブレーキB/Bの5速アプライ室5Aに
接続し、バンドブレーキB/Bは常態で開放され、室2
Aへ圧力PBB2Aを供給する時締結され、この状態で室3
4Rへも圧力PBB34R を供給する時開放され、更に室5
Aにも圧力PBB5Aを供給する時締結されるものとする。
又、ロークラッチL/Cも常態で開放され、室35へ圧
力PLCA を供給する時締結され、この状態で室35aに
も圧力PLCR を供給する時開放されるものとする。
【0054】1速エンジンブレーキ選択弁57の他方の
出力回路59は1レンジ減圧弁63を経てシャトル弁6
4の一方の入力に接続し、該シャトル弁は他方の入力に
回路55を接続し、出力をローリバースブレーキLR/
Bの室40に接続する。回路55は他方でリバースクラ
ッチR/Cの室16に接続する。
【0055】圧力源51からのライン圧PL は他方で、
回路65によりデューティソレノイド弁A4 を経てダイ
レクトクラッチD/Cの室46に接続し、弁A4 の前後
に夫々リダクションブレーキRD/Bのアプライ室49
及びレリーズ室49aを接続する。なお、リダクション
ブレーキRD/Bは常態で解放され、室49に圧力P
RDBAを供給する時締結され、この状態で室49aにも圧
力PRDBRを供給する時解放されるものとする。
【0056】上記した図4に示す変速制御油圧回路の作
用を次に説明する。P,Nレンジ 駐車又は停車を希望してマニュアル弁52をP又はNレ
ンジにすると、この弁は回路53〜55を全てドレン
し、リバークラッチR/C、バンドブレーキB/B、ロ
ークラッチL/C、ハイクラッチH/C、ローリバース
ブレーキLR/Bのどれにも圧力を供給せず、これら全
要素を解放する。この時、図1〜3の中間軸3にエンジ
ン回転が至らず、従って出力軸2は停止され、駐停車を
可能にする。しかして、回路65には常時ライン圧PL
が供給され、これがリダクションブレーキRD/Bのア
プライ室49にPRDBA圧として達する。一方この時、デ
ューティソレノイド弁A4 はデューティ0%により、リ
ダクションブレーキRD/Bのレリーズ室49aへの圧
力PRDBRをダイレクトラッチD/Cの室46への圧力P
DCと共に0にしており、ダイレクトクラッチD/Cを解
放すると共にリダクションブレーキRD/Bを締結す
る。これにより図1,3の第3遊星歯車組7は出力軸2
を中間軸に減速伝動状態に結合し、第1速又は後退変速
段での発進に備える。
【0057】D,3レンジ (第1速)自動変速走行又は3速エンジンブレーキ走行
を希望してマニュアル弁52をD又は3レンジにする
と、この弁は回路53にライン圧PL を供給する。一
方、このレンジでは1速エンジンブレーキ選択弁57が
OFFされ、ポート配置57aとなって回路58にライ
ン圧PL を供給する。回路53のライン圧はワンウェイ
オリフィス56を経由し、ロークラッチL/Cのアプラ
イ室35にPLCA 圧として供給される。回路58のライ
ン圧はデューティソレノイド弁A1 ,A2 ,A3 に至る
も、これら弁が全てデューティ0%で、出力圧PBB2A,
BB34R , PLCR , PBB5A, PHCを0にする。よって、
ロークラッチL/Cは締結されるが、バンドブレーキB
/B及びハイクラッチH/Cは解放のままにされる。他
方、デューティソレノイドA4 もP,Nレンジと同様デ
ューティ0%を維持してリダクションブレーキRD/B
の締結、ダイレクトクラッチD/Cの解放により第3遊
星歯車組7を減速伝動状態のままに保つ。以上により、
自動変速機は第1速を選択することができ、発進を可能
ならしめる。
【0058】(第2速)第2速を選択すべき走行状態に
なると、デューティソレノイド弁A1 のデューティを漸
増させてバンドブレーキB/Bの2速サーボアプライ室
2AにPBB2A圧を供給する。これによりバンドブレーキ
B/Bが追加作動(締結)されることとなり、ロークラ
ッチL/Cの締結保持と相俟って自動変速機は第2速を
選択することができる。
【0059】(第3速)第3速を選択すべき走行状態に
なると、デューティソレノイド弁A2 のデューティも増
大させてバンドブレーキB/Bの3速4速レリーズ室3
4Rにも圧力P BB34R を供給する。これによりバンドブ
レーキB/Bが解放される。同時にPBB 34R はシャトル
弁62を経由しハイクラッチH/Cの室25にも圧力P
HCとして供給され、このハイクラッチH/Cを締結す
る。よって、バンドブレーキB/Bが解放されると同時
にハイクラッチH/Cが締結される摩擦要素の掛け換え
により第3速を選択することができる。
【0060】(第4速)第4速を選択すべき走行状態に
なると、デューティソレノイド弁A1 〜A3 は第3速の
時と同じにしたまま、デューティソレノイド弁A4 のデ
ューティを漸増してリダクションブレーキRD/Bのレ
リーズ室49aへの圧力PRDBR及びダイレクトクラッチ
D/Cの室46への圧力PDCを上昇させる。これによ
り、リダクションブレーキRD/Bが解放され、ダイレ
クトクラッチD/Cが締結される摩擦要素の掛け換えが
なされて、第3遊星歯車組7を今迄の減速伝動状態から
直結伝動状態に切り換え、第4速を選択することができ
る。なお、3レンジではこの第4速及び後述の第5速へ
の変速を実行せず、3速エンジンブレーキ走行を可能な
らしめる。
【0061】(第5速)第5速を選択すべき走行状態に
なると、デューティソレノイド弁A3 のデューティをも
増大させてロークラッチL/Cのレリーズ室35aへ圧
力PLCR を、又バンドブレーキB/B の5 速アプライ室5A
へ圧力PBB5Aを供給する。これによりロークラッチL/
Cが解放され、代わりにバンドブレーキB/Bが締結さ
れることとなり、第5速を選択することができる。
【0062】2,1レンジ 2速エンジンブレーキ走行又は1速エンジンブレーキ走
行を希望する時はマニュアル弁52を2(1)レンジに
して回路53,54にライン圧PL を供給する。回路5
3のライン圧は前記D,3レンジと同様にロークラッチ
L/Cを締結する。一方、デューティソレノイド弁A4
はこれらレンジでデューティ0%にされ、ダイレクトク
ラッチD/Cを解放し、リダクションブレーキRD/B
を締結して、第3遊星歯車組7を減速伝動状態にする。
【0063】ここで2レンジ希望であれば、運転者は図
示せざる手動スイッチのOFFにより弁57をポート配
置57bとなす。これにより回路58を経てデューティ
ソレノイド弁A1 にライン圧が至っており、該弁のO
N,OFFによりバンドブレーキB/Bを締結するか、
解放するかで、前記D又は3レンジと同様に第2速又は
第1速を選択することができる。そして、このレンジで
はデューティソレノイド弁A2 , A3 をOFFし続け、
第3速以上への変速を禁止し、これにより第2速エンジ
ンブレーキ走行を可能ならしめる。
【0064】次に1レンジ希望であれば、運転者は図示
せざる手動スイッチのONにより弁57をポート配置5
7b にする。これにより回路53のライン圧が回路5
9、1レンジ減圧弁63、シャトル弁64を経由し、ロ
ーリバースブレーキLR/Bの室40にその作動圧P
LRB として供給され、このブレーキを締結する。一方、
弁57が回路58をドレンするため、バンドブレーキB
/B及びハイクラッチH/Cの締結はあり得ず、ローク
ラッチL/Cの締結と相俟って第1速でのエンジンブレ
ーキ走行を可能ならしめる。
【0065】Rレンジ 後退走行を希望してマニュアル弁52をRレンジにする
と、回路53,54がドレンされ、回路55のみにライ
ン圧が供給される。回路53,54のドレンはロークラ
ッチL/C、バンドブレーキB/B、ハイクラッチH/
Cの前進走行用摩擦要素を解放する。回路55のライン
圧は一方でリバースクラッチR/Cの室16にその作動
圧PRCとして至り、他方でシャトル弁64を経由し、ロ
ーリバースブレーキLR/Bの室40にその作動圧P
LRB として供給され、リバースクラッチR/C及びロー
リバースブレーキLR/Bを締結する。
【0066】なお、デューティソレノイド弁A4 はこの
Rレンジでデューティを0%にされ、ダイレクトクラッ
チD/Cを解放し、リダクションブレーキRD/Bを締
結して、第3遊星歯車組7を減速伝動状態にする。よっ
て、後退の変速段が得られ、後退走行を可能ならしめ
る。
【0067】
【発明の効果】かくして本発明の変速歯車機構は請求項
1に記載の如く、クラッチ及びブレーキが夫々、これら
により他の回転メンバーに結合したり固定すべき或る回
転メンバーに結合したドラムを共有し、その内外周に夫
々当該クラッチ及びブレーキのパックを配置してこれら
クラッチ及びブレーキを構成し、ブレーキパックをクラ
ッチのピストンとほぼ同じ軸直角面内に配置したから、
従来構造において必要だったブレーキハブが不要とな
る。
【0068】従って、部品点数の減少が可能となり、こ
れにより組み付け性の向上を図り得ると共に低廉価を実
現し得る。又、ブレーキパックを上記クラッチのピスト
ンとほぼ同じ軸直角面内に配置する構成が可能となり、
両者の軸方向へのオフセットを避け得てその分軸方向寸
法を詰めることができる。
【0069】更に、請求項2に記載の発明によれば、上
記或る回転メンバーがワンウエイクラッチにより一方向
の回転を阻止されるべきものである場合でも、前記ピス
トンを受容するシリンダを前記ドラム内に嵌着し、該シ
リンダと、このシリンダを支承する固定軸との間に前記
ワンウエイクラッチを介在させたことで、上記第1発明
の作用効果を何等損なわない。
【0070】なお、この場合請求項3に記載の発明のよ
うに、上記ワンウエイクラッチの外レースを前記シリン
ダと別体に構成すれば、このシリンダがワンウエイクラ
ッチへの大きな入力を最初に受けることがなく、当該シ
リンダを安価なプレス品で構成することが可能となり、
上記ワンウエイクラッチが必要な構成であっても、低廉
価を可能ならしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す自動変速機用歯車変速
機構のスケルトン図である。
【図2】同歯車変速機構の実体構成に係わる断面図であ
る。
【図3】同歯車変速機構の実体構成に係わる断面図であ
る。
【図4】同歯車変速機構の変速制御油圧回路を示す油圧
回路図である。
【図5】従来の変速歯車機構を例示する要部概略断面図
である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 中間軸 4 トルクコンバータ 5 第1遊星歯車組 6 第2遊星歯車組 7 第3遊星歯車組 L/C ロークラッチ B/B バンドブレーキ H/C ハイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ RD/B リダクションブレーキ D/C ダイレクトクラッチ L/OWC ローワンウェイクラッチ 9 摩擦板 30 ドラム 31 クラッチハブ 32 クラッチパック 33 ピストン 34 シリンダ 35 アプライ室 35a レリーズ室(遠心キャンセル室) 37 中空固定軸 38 ブレーキパック 39 ピストン 40 アプライ室 120a スラストベアリング 120b スラストベアリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車伝動系中の或る回転メンバーを他の
    回転メンバーに結合するクラッチ、及び該或る回転メン
    バーを固定するブレーキを具えた自動変速機の変速歯車
    機構において、 前記或る回転メンバーに結合したドラムを設け、該ドラ
    ムの内周に前記クラッチのクラッチパック及びクラッチ
    ピストンを配置し、前記ドラムの外周に、前記クラッチ
    ピストンとほぼ同じ軸直角面内に配して前記ブレーキの
    ブレーキパックを配置したことを特徴とする自動変速機
    の変速歯車機構。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記或る回転メンバ
    ーがワンウエイクラッチにより一方向の回転を阻止され
    るべきものである場合、前記ピストンを受容するシリン
    ダを前記ドラム内に嵌着し、該シリンダと、このシリン
    ダを支承する固定軸との間に前記ワンウエイクラッチを
    介在させたことを特徴とする自動変速機の変速歯車機
    構。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ワンウエイクラ
    ッチの外レースを前記シリンダと別体に構成した自動変
    速機の変速歯車機構。
JP9215292A 1992-01-30 1992-01-30 自動変速機の変速歯車機構 Pending JPH05202998A (ja)

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JP9215292A JPH05202998A (ja) 1992-01-30 1992-01-30 自動変速機の変速歯車機構
GB9301749A GB2264152B (en) 1992-01-30 1993-01-29 Automatic transmission
DE4302518A DE4302518B4 (de) 1992-01-30 1993-01-29 Kombination von mehreren Reibelementen für ein Automatikgetriebe
US08/010,811 US5439088A (en) 1992-01-30 1993-01-29 Automatic transmission with passages connecting apply and cancel chambers
US08/436,615 US5647816A (en) 1992-01-30 1995-05-08 Automatic transmission

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5746675A (en) * 1994-12-28 1998-05-05 Jatco Corporation Carrier connecting structure for an automatic transmission

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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