JP3304847B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP3304847B2
JP3304847B2 JP26615097A JP26615097A JP3304847B2 JP 3304847 B2 JP3304847 B2 JP 3304847B2 JP 26615097 A JP26615097 A JP 26615097A JP 26615097 A JP26615097 A JP 26615097A JP 3304847 B2 JP3304847 B2 JP 3304847B2
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杉浦伸忠
高橋徳行
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の自動変速機
の技術分野に属し、特に、全体を効果的にコンパクトに
形成しながら、しかも応答性を向上することができるよ
うにした自動変速機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の自動変速機において
は、複数の回転要素を有するプラネタリギヤユニットお
よびこれらの複数の回転要素をそれぞれ係合または係止
させるクラッチやブレーキからなる複数の摩擦係合要素
を有する自動変速機構を備えた自動変速機が種々開発さ
れている。この自動変速機は、摩擦係合要素の係合およ
び非係合を適宜制御してプラネタリギヤユニットの複数
の回転要素の回転をそれぞれ制御することにより、自動
変速制御を行うようになっている。
【0003】ところで、自動変速機が収容されるエンジ
ンルームは限られた狭い空間であり、この空間内に、自
動変速機の他にエンジンを始め、種々の装置や部品が多
く収容されているが、更に近年の技術開発により新たな
部品等も収容されてきているため、近年、できるだけこ
れらの装置や部品をそれらの性能を低下することなく、
コンパクトに形成することが望まれている。このような
ことから、自動変速機も可能な限りコンパクトでかつ軽
量に形成することが、ますます厳しく求められている。
【0004】このような自動変速機のコンパクト化に応
えるために、2つの摩擦係合要素の油圧サーボにおける
サーボピストンをダブルピストン構造に形成して、軸方
向の長さを短縮することが、例えば特開平4ー1266
34号公報等において提案されている。
【0005】この公開公報の自動変速機においては、そ
の入力軸に連結された、前進時に係合するフォワードク
ラッチC1の筒状のドラム部材内に、このフォワードク
ラッチC1の油圧サーボの筒状のサーボピストンが配設
されており、その場合このサーボピストンは、ドラム部
材の大径側内周部とドラム部材の小径側外周部との間
に、油密にかつ摺動可能に配設され、更にフォワードク
ラッチC1のサーボピストン内に、リバースクラッチC
2の油圧サーボの筒状のサーボピストンが配設されてお
り、その場合このサーボピストンは、フォワードクラッ
チC1のサーボピストンの内周部とドラム部材の小径側
外周部との間に、油密にかつ摺動可能に配設されてい
る。
【0006】このように、1つのドラム部材内にフォワ
ードクラッチC1のサーボピストンを配設し、更にこの
クラッチC1のサーボピストン内にリバースクラッチC
2のサーボピストンを径方向にオーバラップさせて配設
して2つのサーボピストンをダブルピストン構造とする
ことにより、自動変速機の軸方向の長さを短縮すること
ができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、複数の回転要素を有するプラ
ネタリギヤユニットおよびこれらの複数の回転要素をそ
れぞれ係合または係止させる複数の摩擦係合要素を有す
る自動変速機構を備えた自動変速機において、前記摩擦
係合要素が、少なくとも前進1速段で係合する第1変速
段用摩擦係合要素と後進段時に係合する第2変速段用摩
擦係合要素とを備え、更に、前記第1変速段用摩擦係合
要素を係合する第1サーボピストンと、有底筒状に形成
され、かつ前記第2変速段用摩擦係合要素を係合する第
2サーボピストンと、有底筒状に形成され、かつ底部が
これを貫通する自動変速機の入力軸に連結、固定された
ドラム部材とを備え、前記第1サーボピストンが、この
第1サーボピストンを摺動可能に貫通する部材の外周面
と前記第2サーボピストンの筒状部の内周面との間で、
油密にかつ摺動可能に設けられているとともに、前記第
2サーボピストンが、この第2サーボピストンの底部を
摺動可能に貫通する部材の外周面と前記ドラム部材の筒
状部の内周面との間で、油密にかつ摺動可能に設けら
れ、更に、前記第2サーボピストンの作動圧が、前記第
1サーボピストンの作動圧より高く設定されていること
を特徴としている。
【0008】一方、リバースクラッチC2のサーボピス
トンが作動するときは、このサーボピストンのみが摺動
するとともにピストン径すなわち摺動径も小さいので、
このピストン移動時の摺動抵抗が小さい。
【0009】ところで、リバースクラッチC2の係合圧
がフォワードクラッチC1の係合圧よりも高く設定され
ているため、摺動抵抗の小さいクラッチの方がその係合
圧を高く設定されることになり、従来のダブルピストン
構造では、応答性を更に良好にする余地がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、コンパクト性を確保しな
がら、しかも応答性をより一層良好にすることのできる
自動変速機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、複数の回転要素を有するプラ
ネタリギヤユニットおよびこれらの複数の回転要素をそ
れぞれ係合または係止させる複数の摩擦係合要素を有す
る自動変速機構を備えた自動変速機において、前記摩擦
係合要素が、前進段時に係合する第1変速段用摩擦係合
要素と後進段時に係合する第2変速段用摩擦係合要素と
を備え、更に、前記第1変速段用摩擦係合要素を係合す
る第1サーボピストンと、有底筒状に形成され、かつ前
記第2変速段用摩擦係合要素を係合する第2サーボピス
トンと、有底筒状に形成され、かつ底部がこれを貫通す
る自動変速機の入力軸に連結、固定されたドラム部材と
を備え、前記第1サーボピストンが、この第1サーボピ
ストンを摺動可能に貫通する部材の外周面と前記第2サ
ーボピストンの筒状部の内周面との間で、油密にかつ摺
動可能に設けられているとともに、前記第2サーボピス
トンが、この第2サーボピストンの底部を摺動可能に貫
通する部材の外周面と前記ドラム部材の筒状部の内周面
との間で、油密にかつ摺動可能に設けられ、更に、前記
第2サーボピストンの作動圧が、前記第1サーボピスト
ンの作動圧より高く設定されていることを特徴としてい
る。
【0012】また、請求項2の発明は、前記プラネタリ
ギヤユニットが、第1のサンギヤと、この第1のサンギ
ヤに噛合するショートピニオンおよびこのショートピニ
オンに噛合するロングピニオンとをそれぞれ回転自在に
支持するキャリヤと、ロングピニオンに噛合するリング
ギヤと、ロングピニオンに噛合する第2のサンギヤとか
らなるラビニヨ型プラネタリで構成されており、前記第
1変速段用摩擦係合要素が前進発進段時に係合する前進
発進段用クラッチであるとともに、前記第2変速段用摩
擦係合要素が後進段時に係合する後進段用クラッチであ
り、前記リングギヤが自動変速機の出力部材に連結さ
れ、また前記キャリヤが前進発進段時および後進段時に
係合しないクラッチを介して前記入力軸に連結可能とさ
れ、更に、前記第1のサンギヤが前記前進発進段用クラ
ッチと連結され、更に前記第2のサンギヤが前記後進段
用クラッチと連結されていることを特徴としている。
【0013】更に、請求項3の発明は、前記プラネタリ
ギヤユニットが、サンギヤと、このサンギヤに噛合する
ロングピニオンおよびこのロングピニオンに噛合するシ
ョートピニオンとをそれぞれ回転自在に支持するキャリ
ヤと、ショートピニオンに噛合する第1のリングギヤ
と、ロングピニオンに噛合する第2のリングギヤとから
なり、前記第1変速段用摩擦係合要素が前進発進段時に
係合する前進発進段用クラッチであるとともに、前記第
2変速段用摩擦係合要素が後進段時に係合する後進段用
クラッチであり、前記第1のリングギヤが自動変速機の
出力部材に連結されるとともに、前記第2のリングギヤ
が前記後進段用クラッチと連結され、またキャリヤが前
進発進段時および後進段時に係合しないクラッチを介し
て前記入力軸に連結可能とされ、更に前記サンギヤが前
記前進発進段用クラッチと連結されていることを特徴と
している。
【0014】
【作用および効果】このように構成された本発明の自動
変速機においては、少なくとも前進1速段で係合する第
1変速段用摩擦係合要素の第1サーボピストンと後進段
時に係合する第2摩擦係合要素の第2サーボピストンと
が、第2サーボピストンの内周側に第1サーボピストン
が配設されたダブルピストン構造とされているので、自
動変速機の軸方向の長さを短縮することができ、自動変
速機のコンパクト化および軽量化を図ることができる。
【0015】また、第2変速段用摩擦係合要素の第2サ
ーボピストンの作動時には、第2サーボピストンは第1
サーボピストンを摺動させながら移動するようになるの
で、第2サーボピストンの移動時の摺動抵抗が大きくな
る。しかも、第2サーボピストンは第1サーボのピスト
ンの外側にあるため、第2サーボピストンの摺動径が比
較的大きく、このことからも第2サーボピストンの移動
時の摺動抵抗は更に大きくなる。しかし、第2変速段用
摩擦係合要素は、その作動圧が大きく設定されており、
第2変速段用摩擦係合要素の第2サーボピストンの摺動
抵抗が大きくても、第2変速段用摩擦係合要素の係合は
遅れることがない。
【0016】一方、第1変速段用摩擦係合要素の第1サ
ーボピストンの作動時には、第1サーボピストンのみが
移動するようになる。この第1サーボピストンのみの移
動時には、第2サーボピストンが移動しないばかりでな
く、第1サーボピストンの摺動径が小さいので、第1サ
ーボピストンの摺動抵抗は小さくなる。この第1変速段
用摩擦係合要素の係合圧が小さく設定されているが、こ
のように第1変速段用摩擦係合要素の第1サーボピスト
ンの摺動抵抗が小さいので、第1変速段用摩擦係合要素
の係合が遅れることはない。したがって、少なくとも前
進1速段での第1変速段用摩擦係合要素の係合が遅れる
ことなく確実に行われる。こうして、本発明の自動変速
機によれば、自動変速機のコンパクト化を図ることがで
きる。また、本発明の自動変速機によれば、前述のよう
に少なくとも前進1速段で係合する第1変速段用摩擦係
合要素の第1サーボピストンと後進段時に係合する第2
摩擦係合要素の第2サーボピストンとを、第2サーボピ
ストンの内周側に第1サーボピストンが配設されたダブ
ルピストン構造に設定し、かつ摺動抵抗の大きい外周側
の作動圧を摺動抵抗の小さい内周側の作動圧より高く設
定しているので、少なくとも前進1速時および後進時の
いずれにおいても、応答性を最適に確保することができ
る。
【0017】こうして、請求項1の発明の自動変速機に
よれば、自動変速機のコンパクト化を図ることができる
とともに、前進時および後進時のいずれにおいても、応
答性を最適に確保することができる。
【0018】特に、請求項2の発明によれば、第1のサ
ンギヤを前進発進段用クラッチと連結し、また第2のサ
ンギヤを後進段用クラッチと連結することにより、前後
進発進時に係合するクラッチが最適に連結されるように
なる。これにより、自動変速機をより一層コンパクト化
することができ、しかも前後進発進段での良好な応答性
を確保することができる。
【0019】また、請求項3の発明によれば、プラネタ
リを用いた自動変速機においても、クラッチをプラネタ
リに最適に連結することにより、前述と同様に自動変速
機をより一層コンパクト化することができ、しかも前後
進発進段での良好な応答性を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の自動変速機の実施
の形態の一例を示す断面図、図2はこの自動変速機を模
式的に示すスケルトン図、図3はこの自動変速機の各要
素の各レンジでの作動状態を示す図である。なお、図3
において、○は係合を表し、×は非係合を表している。
【0021】図1および図2に示すように、本例の自動
変速機Aは、エンジンクランク軸1に整列する第1軸の
入力軸2、第2軸のカウンタ軸3および第3軸のアクス
ル軸4a,4bの3軸を有しており、入力軸2上にはロ
ックアップクラッチ(L/C)5を有するトルクコンバ
ータ6および自動変速機構7が配設され、またカウンタ
軸3上にはカウンタ機構8が配設され、更にアクスル軸
4a,4b上にはディファレンシャル装置9が配設され
ている。
【0022】自動変速機構7は遊星歯車機構を備えてお
り、この遊星歯車機構はシングルプラネタリギヤ10お
よびデュアルプラネタリギヤ11とを組み合わせたラビ
ニヨタイプのプラネタリギヤユニット12から構成され
ている。このプラネタリギヤユニット12においては、
シングルプラネタリギヤ10の第2サンギヤS2に噛合
するピニオンとデュアルプラネタリギヤ11のリングギ
ヤR1およびデュアルプラネタリギヤ11のショートピ
ニオンP1にそれぞれ噛合するデュアルプラネタリギヤ
11のピニオンとが、共通のロングピニオンPとして一
体に構成されている。また、ショートピニオンP1はデ
ュアルプラネタリギヤ11の第1サンギヤS1に噛合さ
れている。更に、ロングピニオンPおよびショートピニ
オンP1を回転自在に支持するキャリヤが両プラネタリ
ギヤ10,11の共通のキャリヤCRとして一体に構成
されている。更に、デュアルプラネタリギヤ11の第1
サンギヤ1は入力軸2の外周に相対回転可能に支持され
る第1中空軸13に一体に形成されているとともに、シ
ングルプラネタリギヤ10の第2サンギヤS2は第1中
空軸13の外周に支持される第2中空軸14に一体に形
成されている。
【0023】そして、入力軸2と第1中空軸13すなわ
ちデュアルプラネタリギヤ11の第1サンギヤS1とが
第1のクラッチ(以下、前進発進段用クラッチともい
う)C1を介して連結可能とされており、また入力軸2
と第2中空軸14すなわちシングルプラネタリギヤ10
の第2サンギヤS2とが第3のクラッチ(以下、後進段
用クラッチともいう)C3を介して連結可能されてい
る。また、第2サンギヤS2が第1のブレーキB1によ
りケース15に係止可能にされているとともに、その一
方向回転時に、第1のワンウェイクラッチF1およびこ
のワンウェイクラッチF1に直列的に配設された第2の
ブレーキB2によりケース15に係止されるようになっ
ている。
【0024】更に、キャリヤCRが第2のクラッチC2
を介して入力軸2に連結されているとともに、第3のブ
レーキB3によりケース15に係止可能にされており、
しかもその一方向回転時に、第3のブレーキB3に並列
的に配設された第2のワンウェイクラッチF2によりケ
ース15に係止されるようになっている。そして、デュ
アルプラネタリギヤ11のリングギヤR1がケース15
に回転可能に支持されているカウンタドライブギヤ16
に連結されており、このカウンタドライブギヤ16が自
動変速機構7の出力部材となっている。
【0025】また、カウンタ機構8は、カウンタ軸3に
支持された、カウンタドライブギヤ16に噛合するカウ
ンタドリブンギヤ17および同じくカウンタ軸3に支持
された、このカウンタ機構8の出力部材となる減速ギヤ
18を備えている。
【0026】また、ディファレンシャル装置9はギヤマ
ウントケースとなるデフキャリヤ19および左右サイド
ギヤ20a,20bを備えている。このデフキャリヤ1
9にはリングギヤ21が固定されており、このリングギ
ヤ21がカウンタ機構8の減速ギヤ18と噛合して最終
減速機構を構成している。また、左右サイドギヤ20
a,20bがそれぞれ左右アクスル軸4a,4bに連結さ
れている。
【0027】このように構成された自動変速機Aは、図
示しないマニュアルシフト弁により設定されるP,R,
N,D,2,Lの各レンジにて、図示しない油圧制御回路
における各ソレノイドバルブのオン・オフ信号の組み合
わせにより、図3に示すように各クラッチC1〜C3、
各ブレーキB1〜B3および各ワンウェイクラッチF1
〜F2の各レンジに対応するものが係合して、それぞれ
各レンジP、R、N、Dレンジにおける各変速段1ST
〜4TH、2レンジにおける各変速段1ST〜3RD、
およびLレンジにおける各変速段1ST〜(3RD)が
得られるようになっている。
【0028】以下にその動作について説明する。 I. ドライブレンジ(Dレンジ) N→Dシフトを行うために、マニュアルシフト弁がドラ
イブレンジ(Dレンジ)の位置に設定される。
【0029】Dレンジにおける1速状態においては、第
1のクラッチC1が係合されるとともに、第2のワンウ
ェイクラッチF2が係合される。この状態では、入力軸
2の回転が第1のクラッチC1を介して第1サンギヤS
1に伝達されるとともに、更にショートピニオンP1に
伝達され、更にこのショートピニオンP1の回転がロン
グピニオンPに伝達される。このとき、ロングピニオン
Pは第2サンギヤS2を空転させながら正方向に回転す
る。また、ロングピニオンPの回転により、共通のキャ
リヤCRが逆方向に回転しようとするが、第2のワンウ
ェイクラッチF2がキャリヤCRをその逆方向回転に対
してケース15に係止させるので、キャリヤCRは回転
を阻止される。このため、リングギヤR1が正方向に大
きく減速回転され、この回転がカウンタドライブギヤ1
6から取り出されて、カウンタ機構8のカウンタドリブ
ンギヤ17に伝達される。これにより、Dレンジの1速
が達成される。
【0030】更にカウンタ機構8において、カウンタド
リブンギヤ17の回転がカウンタ軸3を介して減速ギヤ
18に伝達され、更にリングギヤ21を介してディファ
レンシャル装置9のデフキャリヤ19に減速されて伝達
される。そして、最後にこのデフキャリヤ19の回転が
左右サイドギヤ20a,20bを介してそれぞれ左右ア
クスル軸4a,4bに伝達される。
【0031】Dレンジにおける2速状態においては、第
1のクラッチC1の係合状態が保持される。また、第2
のブレーキB2が係合されるとともに、第1のワンウェ
イクラッチF1が係合される。この状態では、前述の1
速と同様に入力軸2の回転が、第1のクラッチC1、第
1サンギヤS1、およびショートピニオンP1を介して
ロングピニオンPに伝達される。このロングピニオンP
の回転により、第2サンギヤS2が逆方向に回転しよう
とするが、第2のブレーキB2が係合されているととも
に、第1のワンウェイクラッチF1が逆方向の回転に対
して係合するので、第2サンギヤS2は回転を阻止され
る。このため、キャリヤCRが正方向に回転するととも
に、リングギヤR1が正方向に回転し、このリングギヤ
R1の回転がカウンタドライブギヤ16から取り出され
ることにより、2速が達成される。
【0032】Dレンジにおける3速状態においては、第
1のクラッチC1の係合状態および第2のブレーキB2
の係合状態がそれぞれ保持される。更に、第2のクラッ
チC2が係合される。この状態では、入力軸2の回転が
第1のクラッチC1を介して第2サンギヤS2に伝達さ
れるだけでなく、第2のクラッチC2を介してキャリヤ
CRに伝達される。このため、第1サンギヤS1とキャ
リヤCRとが正方向に一体に回転するので、ショートピ
ニオンP1およびロングピニオンPがともにキャリヤC
R、第1サンギヤS1、および入力軸2と一体的に回転
するが、それぞれ自転はしない。このとき、第2のブレ
ーキB2が係合していても第1のワンウェイクラッチF
1が正方向回転に対して係合しないので、ロングピニオ
ンPが入力軸2まわりに回転しかつ自転をしないことか
ら、第2サンギヤS2が正方向にロングピニオンPと一
体に回転するとともに、リングギヤR1もロングピニオ
ンPと一体に正方向に回転する。すなわち、リングギヤ
R1は入力軸2と一体に直結回転する。このリングギヤ
R1の回転がカウンタドライブギヤ16から取り出され
ることにより、3速が達成される。
【0033】前進最高速段であるDレンジにおける4速
状態においては、第2のクラッチC2の係合状態および
第2のブレーキB2の係合状態がそれぞれ保持される。
また、第1のクラッチC1が解放されるとともに、第1
のブレーキB1が係合される。この状態では、入力軸2
の回転が第2のクラッチC2を介してキャリヤCRに伝
達されるが、第1サンギヤS1が入力軸2から遮断され
るので、入力軸2の回転は第1サンギヤS1には伝達さ
れない。したがって、キャリヤCRが入力軸2と一体に
回転するとともに、このキャリヤCRの回転により、ロ
ングピニオンPおよびショートピニオンP1がともに入
力軸2まわりに回転する。このとき、第1のブレーキB
1が係合していて第2サンギヤS2が回転しなく、更に
第1サンギヤS1が入力軸2から遮断されてフリーとな
っているので、ロングピニオンPおよびショートピニオ
ンP1がともに自転し、第1サンギヤS1が空転する。
ロングピニオンPの入力軸2まわりの回転および自転に
より、リングギヤR1が入力軸2より高速度で正方向に
回転する。このリングギヤR1の回転がカウンタドライ
ブギヤ16から取り出されることにより、入力軸2の回
転をオーバードライブした高速回転の4速が達成され
る。
【0034】II. リバースレンジ(Rレンジ) N→Rシフトを行うために、マニュアルシフト弁がリバ
ースレンジ(Rレンジ)の位置に設定される。
【0035】Rレンジでは、第3のクラッチC3が係合
されるとともに、第3のブレーキB3がともに係合され
る。この状態では、キャリヤCRが第3のブレーキB3
の係合により固定されている。また、入力軸2の回転が
第3のクラッチC3を介して第2サンギヤS2に伝達さ
れる。この第2サンギヤS2の回転により、ロングピニ
オンPが逆方向に回転するとともに、キャリヤCRが回
転しないのでリングギヤR1が逆方向に減速回転する。
このリングギヤR1の逆回転がカウンタドライブギヤ1
6に取り出される。
【0036】III. パーキングレンジ(Pレンジ)およ
びニュートラルレンジ(Nレンジ) マニュアルシフト弁がパーキングレンジ(Pレンジ)ま
たはニュートラルレンジ(Nレンジ)の位置にそれぞれ
設定される。
【0037】PレンジまたはNレンジでは、いずれのク
ラッチ、いずれのブレーキ、およびいずれのワンウェイ
クラッチも係合されない。この状態では、入力軸2の回
転はカウンタギヤ16には伝達されなく、アクスル軸4
a,4bは回転しない。
【0038】IV. セカンドレンジ(2レンジ) マニュアルシフト弁がセカンドレンジ(2レンジ)の位
置に設定される。
【0039】2レンジにおける1速状態においては、前
述のDレンジの1速の場合とまったく同じであり、Dレ
ンジの1速と同様の、2レンジでの1速が達成される。
また2レンジの2速状態においては、前述のDレンジの
2速の場合に更に第1のブレーキB1が係合される。こ
の状態では、前述のDレンジの2速の場合に対して第2
サンギヤS2が正、逆いずれの方向にも回転を阻止され
る。これにより、2レンジでの2速が達成され、エンジ
ンブレーキが作動するようになる。2レンジの3速状態
においては、前述のDレンジの3速の場合と同じであ
り、Dレンジの3速と同様の、2レンジでの3速が達成
される。
【0040】V. ローレンジ(Lレンジ) マニュアルシフト弁がローレンジ(Lレンジ)の位置に
設定される。
【0041】Lレンジにおける1速状態においては、前
述のDレンジの1速の場合に更に第3のブレーキB3が
係合される。これにより、比較的大きなブレーキ力のエ
ンジンブレーキが作動するようになっている。またLレ
ンジの2速状態においては、前述の2レンジの2速の場
合とまったく同じであり、2レンジの2速と同様の、L
レンジでの2速が達成され、エンジンブレーキが作動す
るようになっている。このエンジンブレーキのブレーキ
力はLレンジの1速時のエンジンブレーキより小さい。
更にLレンジの3速状態においては、前述の2レンジの
3速の場合とまったく同じであり、2レンジの3速と同
様の、Lレンジでの3速が達成される。
【0042】ところで、この例の自動変速機Aにおいて
は、前進発進時に係合する前進発進段用クラッチC1の
油圧サーボの第1サーボピストン22と後進時に係合す
る後進段用クラッチC3の油圧サーボの第2サーボピス
トン23とがダブルピストン構造に形成されている。こ
れを具体的に説明すると、図4に詳細に示すように後進
段用クラッチC3の油圧サーボのドラム部材24が、軸
方向に延びる大径側筒状部24aおよび小径側筒状部2
4bと、径方向に延びてこれらの大径側筒状部24aお
よび小径側筒状部24bの両一端部間を連結する平板状
部24cとから有底筒状に形成されているとともに、平
板状部24cの内周端が入力軸2に連結、固定されてい
る。
【0043】このドラム部材24内には、後進段用クラ
ッチC3の第2サーボピストン23が配設されており、
この第2サーボピストン23は、ドラム部材24とほぼ
同形状の有底筒状に形成されており、軸方向に延びる大
径側筒状部23aおよび小径側筒状部23bと、径方向
に延びてこれらの大径側筒状部23aおよび小径側筒状
部23bの両一端部間を連結する平板状部23cとから
構成されている。そして、第2サーボピストン23の小
径側筒状部23bが、この小径側筒状部23bを貫通す
る、ドラム部材24の小径側筒状部24bの外周面に、
シールリング25により油密にかつ軸方向に摺動可能に
配設されているとともに、第2サーボピストン23の大
径側筒状部23aがドラム部材24の大径側筒状部24
aの内周面に、シール部材26により油密にかつ軸方向
に摺動可能に配設されている。
【0044】また、この後進段用クラッチC3の第2サ
ーボピストン23の大径側筒状部23aの内周側には、
前進発進段用クラッチC1の第1サーボピストン22が
配設されており、この第1サーボピストン22は、後進
段用クラッチC3の第2サーボピストン23とほぼ同形
状の有底筒状に形成されており、軸方向に延びる大径側
筒状部22aおよび小径側筒状部22bと、径方向に延
びてこれらの大径側筒状部22aおよび小径側筒状部2
2bの両一端部間を連結する平板状部22cとから構成
されている。そして、第1サーボピストン22の小径側
筒状部22bが、この小径側筒状部22bを貫通する、
入力軸2の外周面に、シールリング27により油密にか
つ軸方向に摺動可能に配設されているとともに、第1サ
ーボピストン22の大径側筒状部22aが後進段用クラ
ッチC3の第2サーボピストン23の大径側筒状部23
aの内周面に、シール部材28により油密にかつ軸方向
に摺動可能に配設されている。
【0045】なお、第1サーボピストン22の小径側筒
状部22bを入力軸2の外周面に油密にかつ軸方向に摺
動可能に配設することに代えて、前述の特開平4ー12
6634号公報の自動変速機と同様に、ドラム部材24
の小径側筒状部24bを軸方向に延長して、その外周面
に、第1サーボピストン22の小径側筒状部22bを油
密にかつ軸方向に摺動可能に配設するようにすることも
できる。
【0046】このようにして、1つの筒状のドラム部材
24の内周側に後進段用クラッチC3の筒状の第2サー
ボピストン23を配設し、更にこの後進段用クラッチC
3の筒状の第2サーボピストン23の内周側に前進発進
段用クラッチC1の筒状の第1サーボピストン22を配
設したダブルピストン構造が構成されている。なお、第
2サーボピストン23の大径側筒状部23aの先端に対
向して、後進段用クラッチC3の多板の摩擦係合部材2
9が配設されていて、第2サーボピストン23の移動に
よりこれらの多板の摩擦係合部材29が互いに摩擦係合
されるようになっているとともに、第1サーボピストン
22の大径側筒状部22aの先端に対向しかつ後進段用
クラッチC3の摩擦係合部材29の内周側に位置するよ
うにして、前進発進段用クラッチC1の多板の摩擦係合
部材30が配設されていて、第1サーボピストン22の
移動によりこれらの多板の摩擦係合部材30が互いに摩
擦係合されるようになっている。
【0047】このように、本例の自動変速機Aによれ
ば、前進発進段用クラッチおよび後進段用クラッチC
1,C3の第1および第2サーボピストン22,23をダ
ブルピストン構造とすることにより、自動変速機Aの軸
方向の長さを短縮することができ、自動変速機Aのコン
パクト化および軽量化を図ることができる。
【0048】また、第2サーボピストン23の作動時
に、第1サーボピストン22が第2サーボピストン23
と一緒に移動するようになるが、このとき前進発進段用
クラッチC1の摩擦係合部材30も一緒に移動するの
で、この第1サーボピストン22の移動では、前進発進
段用クラッチC1の摩擦係合部材30が係合することは
なく、第2サーボピストン23の移動により、後進段用
クラッチC3の摩擦係合部材29のみが係合するように
なる。これらの第1および第2サーボピストン22,2
3の移動時には、2つのシールリング25,27および
シール部材26において摺動抵抗が作用するとともに、
それらの摺動径が比較的大きいことから、第1および第
2サーボピストン22,23の移動時の摺動抵抗が大き
くなる。そのうえ、摩擦係合部材29の摺動部の外径も
大きく、この摩擦係合部材29の摺動抵抗も大きい。し
かし、この後進段用クラッチC3は後進時に係合するク
ラッチであるため、その係合圧が大きく設定されてお
り、このため後進段用クラッチC3の摺動抵抗が大きく
ても、後進段用クラッチC3の係合は遅れることがな
い。
【0049】一方、第1サーボピストン22の作動時に
は、第1サーボピストン22のみが移動するようにな
り、したがって前進発進段用クラッチC1の摩擦係合部
材30のみが係合するようになる。
【0050】第1サーボピストン22のみの移動時に
は、1つのシールリング27およびシール部材28にお
いて摺動抵抗が作用するとともに、第1サーボピストン
22が第2サーボピストン23の内周側にあってその摺
動径が比較的小さいことから、第1サーボピストン22
の移動時の摺動抵抗が小さくなる。そのうえ、前進発進
段用クラッチC1の摩擦係合部材30が後進段用クラッ
チC3の摩擦係合部材29の内周側にあることから、摩
擦係合部材30の摺動部の外径も小さく、この摩擦係合
部材30の摺動抵抗も小さい。
【0051】更に、本例の自動変速機Aでは、カウンタ
ドライブギヤ16の前方側に第2のクラッチC2が設け
られている。この第2のクラッチC2は、図3から明ら
かなようにDレンジの3速および4速、2レンジの3速
およびLレンジの3速において係合し、他の変速段では
係合しないようになっている。その場合、第2のクラッ
チC2が係合するDレンジの3速では、第2のクラッチ
C2とともに第1のクラッチC1も係合し、入力軸2か
らのトルクは第1のクラッチC1と第2のクラッチC2
とで分担するようになる。また、第2のクラッチC2が
係合するDレンジの4速では、トルクコンバータ6がエ
ンジン出力トルクをほとんど増幅しないので、トルクコ
ンバータ6からのストールトルクが入力軸2には伝達さ
れない。
【0052】したがって、この第2のクラッチC2は大
容量を要求されない。すなわち、第2のクラッチC2
は、軸方向寸法および径方向寸法がDレンジ1速時およ
び2速時、またはRレンジに係合するクラッチおよびブ
レーキより、ともに小さく設定されている。そして、こ
の寸法の小さい第2のクラッチC2がカウンタドライブ
ギヤ16の前方に配置されることにより、自動変速機A
のケース15の第2のクラッチC2と対向する部分およ
び前方開口部(すなわち、オイルポンプO/Pの取り付
け端部)βが入力軸2側により近づいた状態となり、ケ
ース15のこれらの部分がより一層コンパクトに形成さ
れている。
【0053】そして、この前方開口部βのケース15
に、オイルポンプO/Pのボディカバー33のフランジ
状部33aがボルト34により取り付けられているが、
ケース15の前方開口部βがコンパクトに形成されてい
ることから、このオイルポンプO/Pのボディカバー3
3のフランジ状部33aの外径の寸法も、ケース15の
前方開口部βの寸法に合わせて短縮されている。これに
より、ボディカバー33を無駄なく、よりコンパクトに
形成できる。そのうえ、本発明の自動変速機Aは、従来
の一般的な自動変速機と同様にオイルポンプO/Pのボ
ディカバー33等が鋳鉄製の鋳物で形成されているの
で、このようにボディカバー33をよりコンパクトに形
成できることから、ボディカバー33の軽量化を効果的
に図ることができ、その結果自動変速機A全体の軽量化
に大きく寄与することとなる。
【0054】更に、本例の自動変速機Aにおいては、カ
ウンタドライブギヤ16を、自動変速機Aのケース15
に形成されたセンタサポート31に、このセンタサポー
ト31の前方に位置するようにして軸受32により回転
自在に支持しているとともに、カウンタドライブギヤ1
6の前方に容量の小さな第2のクラッチC2を配置し、
残りの容量の大きな第1および第3のクラッチC1,C
3および第1ないし第3のブレーキB1〜B3をカウン
タドライブギヤ16の後方に配置していることにより、
自動変速機Aの後方部が前方部と比較して拡大するよう
になるが、前述のように第1および第3のクラッチC
1,C3の第1および第2サーボピストン22,23をダ
ブルピストン構造として軸方向に短縮しているので、自
動変速機Aの後方部を、その拡大を効果的に抑制してコ
ンパクトに形成することができる。そのうえ、自動変速
機Aのケース15がアルミ製のケースで構成されている
ので、自動変速機Aの後方部の拡大の抑制に相俟って、
自動変速機Aの後方部の重量がそれほど増大しなく、自
動変速機Aの全体としての軽量化が妨げられることはな
い。
【0055】更に、本例の自動変速機Aでは、第2のク
ラッチC2の軸方向寸法が、容量の大きな他のクラッチ
等の摩擦係合要素の軸方向寸法より小さいので、この寸
法の小さい第2のクラッチC2がカウンタドライブギヤ
16の前方に配置されることにより、カウンタドライブ
ギヤ16と第2のクラッチC2との間に形成される空間
δ内に、カウンタドライブギヤ16に一体に設けられた
パーキングギヤ35が第2のクラッチC2と径方向にオ
ーバラップすることなく配置されている。このように、
パーキングギヤ35がカウンタドライブギヤ16と第2
のクラッチC2との間に配置されることにより、パーキ
ングギヤ32が第2のクラッチC2に干渉することな
く、カウンタ軸3を入力軸2に近づけることができる。
しかも、カウンタドリブンギヤ17も後方に移動させる
必要はないので、カウンタ軸3からなる第2軸の軸長が
長くなることはなく、従来の自動変速機の第2軸と同じ
かそれより短縮することができる。
【0056】更に、本例の自動変速機Aにおいては、前
述のように遊星歯車機構にラビニヨ型プラネタリを用い
るとともに、その第1サンギヤS1を第1のクラッチC
1と連結し、また第2サンギヤS2を第2のクラッチC
2と連結しているので、自動変速機Aをより一層コンパ
クト化することができ、しかも前後進発進段での良好な
応答性を確保することができる。
【0057】なお、前述の例では、本発明を、ラビニヨ
型プラネタリを備えた自動変速機に適用した場合につい
て説明しているが、本発明は、このラビニヨ型プラネタ
リの自動変速機以外の自動変速機にも適用することがで
きる。例えば、図5および図6に示すように、サンギヤ
Sと、このサンギヤSに噛合するロングピニオンPおよ
びこのロングピニオンPに噛合するショートピニオンP
1とをそれぞれ回転自在に支持するキャリヤCRと、シ
ョートピニオンに噛合する第1のリングギヤR1と、ロ
ングピニオンPに噛合する第2のリングギヤR2とから
なり、第1リングギヤR1が出力部材であるカウンタド
ライブギヤ16に連結され、またキャリヤCRが3速段
および4速段で係合する第2のクラッチC2および1速
段および後進段で係止する第2のブレーキB2に連結さ
れて、この第2のクラッチC2を介して入力軸2に連結
可能とされ、更に、サンギヤSが前進1ないし3速段で
係合する前進発進段用クラッチC1に連結されて、この
前進発進段用クラッチC1を介して入力軸2に連結可能
とされ、更に第2リングギヤR2が後進段で係合する後
進段用クラッチC3および2速段および4速段で係止す
る第1のブレーキB1に連結されて、この後進段用クラ
ッチC3を介して入力軸2に連結可能とされているタイ
プのプラネタリを備えた自動変速機にも、本発明を適用
することができる。この場合には、図5に示す前進発進
段用クラッチC1の第1サーボピストンと後進段用クラ
ッチC3の第2サーボピストンとを、前述の例と同様の
ダブルピストン構造とするとともに、第2サーボピスト
ンの作動圧を、第1サーボピストンの作動圧より高く設
定する。
【0058】このように、ラビニヨ型プラネタリ以外の
プラネタリを用いても、そのサンギヤSを前進発進段用
クラッチC1と連結し、また第2リングギヤR2を後進
段用クラッチC3と連結することにより、前述の例と同
様に、自動変速機Aをより一層コンパクト化することが
でき、しかも前後進発進段での良好な応答性を確保する
ことができるようになる。
【0059】なお、前述の例では、第2サーボピストン
23の小径側筒状部23bを、この小径側筒状部23b
を貫通する、ドラム部材24の小径側筒状部24bの外
周面に、油密にかつ摺動可能に支持するようにしている
が、小径側筒状部23bを、この小径側筒状部23bを
貫通する入力軸2の外周面に、油密にかつ摺動可能に支
持するようにすることもできる。また、第1サーボピス
トン22の小径側筒状部22bを、この小径側筒状部2
2bを貫通する入力軸2の外周面に、油密にかつ摺動可
能に支持するようにしているが、小径側筒状部22bに
第2サーボピストン23の小径側筒状部23bまたはド
ラム部材24の小径側筒状部24bを貫通させ、これら
の小径側筒状部23bまたは小径側筒状部24bの外周
面に、小径側筒状部22bを油密にかつ摺動可能に支持
するようにすることもできる。
【0060】更に、ドラム部材24の小径側筒状部24
b、第1サーボピストン22の小径側筒状部22b、お
よび第2サーボピストン23の小径側筒状部23bは、
いずれも省略することもできるが、ドラム部材24、第
1および第2サーボピストン22,23の安定性を確保
するために、これらの小径側筒状部22b,23b,24
bは、設けた方が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる自動変速機の実施の形態の一
例を示す断面図である。
【図2】 図1に示す自動変速機を模式的に示すスケル
トン図である。
【図3】 図1に示す自動変速機の各クラッチ、各ブレ
ーキ、および各ワンウェイクラッチの各レンジでの作動
状態を示す図である。
【図4】 図1に示す自動変速機の後端部を詳細に示す
拡大断面図である。
【図5】 本発明が適用される、ラビニヨ型プラネタリ
以外の他のタイプのプラネタリを有する自動変速機を模
式的に示すスケルトン図である。
【図6】 図5に示す自動変速機の各クラッチおよび各
ブレーキの各レンジでの作動状態を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジンクランク軸、2…入力軸、3…カウンタ
軸、4a,4b…アクスル軸、5…ロックアップクラッ
チ(L/C)、6…トルクコンバータ、7…自動変速機
構、8…カウンタ機構、9…ディファレンシャル装置、
10…シングルプラネタリギヤ、11…デュアルプラネ
タリギヤ、12…プラネタリギヤユニット、15…ケー
ス、16…カウンタドライブギヤ、17…カウンタドリ
ブンギヤ、22…第1サーボピストン、22a…第1サ
ーボピストン22の大径側筒状部、22b…第1サーボ
ピストン22の小径側筒状部、22c…第1サーボピス
トン22の平板状部、23…第2サーボピストン、23
a…第2サーボピストン23の大径側筒状部、23b…
第2サーボピストン23の小径側筒状部、23c…第2
サーボピストン23の平板状部、24…ドラム部材、2
4a…ドラム部材24の大径側筒状部、24b…ドラム
部材24の小径側筒状部、24c…ドラム部材24の平
板状部、25,27…シールリング、26,28…シール
部材、29…第3のクラッチC3の多板の摩擦係合部
材、30…第1のクラッチC1の多板の摩擦係合部材、
31…センタサポート、32…軸受、33…オイルポン
プO/Pのボディカバー、C1…第1のクラッチ(前進
発進段用クラッチ)、C2…第2のクラッチ、C3…第
3のクラッチ(後進段用クラッチ)、B1…第1のブレ
ーキ、B2…第2のブレーキ、B3…第3のブレーキ、
O/P…オイルポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤明利 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 荻野拓也 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 杉浦伸忠 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 高橋徳行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 木下雅文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−341642(JP,A) 特開 平2−89836(JP,A) 特開 平8−61393(JP,A) 特開 昭61−167740(JP,A) 実開 昭58−101026(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/00 - 57/04 F16D 25/063 F16D 48/02 F16H 3/44 - 3/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の回転要素を有するプラネタリギヤ
    ユニットおよびこれらの複数の回転要素をそれぞれ係合
    または係止させる複数の摩擦係合要素を有する自動変速
    機構を備えた自動変速機において、 前記摩擦係合要素は、少なくとも前進1速段で係合する
    第1変速段用摩擦係合要素と後進段時に係合する第2変
    速段用摩擦係合要素とを備え、 更に、前記第1変速段用摩擦係合要素を係合する第1サ
    ーボピストンと、有底筒状に形成され、かつ前記第2変
    速段用摩擦係合要素を係合する第2サーボピストンと、
    有底筒状に形成され、かつ底部がこれを貫通する自動変
    速機の入力軸に連結、固定されたドラム部材とを備え、 前記第1サーボピストンは、この第1サーボピストンを
    摺動可能に貫通する部材の外周面と前記第2サーボピス
    トンの筒状部の内周面との間で、油密にかつ摺動可能に
    設けられているとともに、 前記第2サーボピストンは、この第2サーボピストンの
    底部を摺動可能に貫通する部材の外周面と前記ドラム部
    材の筒状部の内周面との間で、油密にかつ摺動可能に設
    けられ、 更に、前記第2サーボピストンの作動圧は、前記第1サ
    ーボピストンの作動圧より高く設定されていることを特
    徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 前記プラネタリギヤユニットは、 第1のサンギヤと、この第1のサンギヤに噛合するショ
    ートピニオンおよびこのショートピニオンに噛合するロ
    ングピニオンとをそれぞれ回転自在に支持するキャリヤ
    と、ロングピニオンに噛合するリングギヤと、ロングピ
    ニオンに噛合する第2のサンギヤとからなるラビニヨ型
    プラネタリで構成されており、 前記第1変速段用摩擦係合要素は前進発進段時に係合す
    る前進発進段用クラッチであるとともに、前記第2変速
    段用摩擦係合要素は後進段時に係合する後進段用クラッ
    チであり、 前記リングギヤが自動変速機の出力部材に連結され、ま
    た前記キャリヤが前進発進段時および後進段時に係合し
    ないクラッチを介して前記入力軸に連結可能とされ、更
    に、前記第1のサンギヤが前記前進発進段用クラッチと
    連結され、更に前記第2のサンギヤが前記後進段用クラ
    ッチと連結されていることを特徴とする請求項1記載の
    自動変速機。
  3. 【請求項3】 前記プラネタリギヤユニットは、 サンギヤと、このサンギヤに噛合するロングピニオンお
    よびこのロングピニオンに噛合するショートピニオンと
    をそれぞれ回転自在に支持するキャリヤと、ショートピ
    ニオンに噛合する第1のリングギヤと、ロングピニオン
    に噛合する第2のリングギヤとからなり、 前記第1変速段用摩擦係合要素は前進発進段時に係合す
    る前進発進段用クラッチであるとともに、前記第2変速
    段用摩擦係合要素は後進段時に係合する後進段用クラッ
    チであり、 前記第1のリングギヤが自動変速機の出力部材に連結さ
    れるとともに、前記第2のリングギヤが前記後進段用ク
    ラッチと連結され、またキャリヤが前進発進段時および
    後進段時に係合しないクラッチを介して前記入力軸に連
    結可能とされ、更に前記サンギヤが前記前進発進段用ク
    ラッチと連結されていることを特徴とする請求項1記載
    の自動変速機。
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