JPH05186733A - 塗料用水性樹脂分散体 - Google Patents

塗料用水性樹脂分散体

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JPH05186733A
JPH05186733A JP2049292A JP2049292A JPH05186733A JP H05186733 A JPH05186733 A JP H05186733A JP 2049292 A JP2049292 A JP 2049292A JP 2049292 A JP2049292 A JP 2049292A JP H05186733 A JPH05186733 A JP H05186733A
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JP
Japan
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mol
vinyl
fluorine
dispersion
monomer unit
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Application number
JP2049292A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Akio Odera
章夫 大寺
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】含フッ素共重合体からなる塗料用水性樹脂分散
体の提供。 【構成】(a)フルオロオレフィン単量体単位15〜6
0モル%、(b)モノカルボン酸ビニルエステル単量体
単位20〜78モル%、(c)クロトン酸単量体単位7
〜30モル%および(d)その他の共重合性単量体単位
0〜30モル%の各単位によって構成され、数平均分子
量が5000以上の含フッ素共重合体と、脂肪族系エポ
キシ化合物との反応生成物であって、該反応生成物中の
カルボキシル基の一部または全量が塩基性化合物で中和
された樹脂からなる塗料用水性樹脂分散体。 【効果】含フッ素共重合体の構成単位として、フルオロ
オレフィンと共に使用される共重合性単量体の種類およ
び量が広範囲に選択できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤を用いない点
で、無公害かつ省資源なフッ素系水性塗料に関するもの
であり、本発明の水性樹脂分散体は、樹脂分の分散安定
性ならびに塗膜性能に優れ、塗料として広く使用するこ
とができる。
【0002】
【従来技術及びその問題点】フッ素系塗料は、耐候性、
耐薬品性等に優れているため、建築および自動車等の分
野で幅広く使用されている。しかしながら、その優れた
塗膜性能の反面、一般に用いられるフッ素系塗料は有機
溶剤型であるため、多量の有機溶剤を含んでおり、環境
汚染や安全衛生の面で問題を有していた。上記問題を解
決するため、フッ素系塗料の水性化に関する提案が幾つ
かされており、例えばフルオロオレフィン、オレフィン
およびヒドロキシビニルエーテル等の単量体と共に、ク
ロトン酸等の不飽和カルボン酸を共重合単量体として使
用し乳化重合により、水性含フッ素共重合体系塗料を製
造する方法(特開平2−240154号公報)、或いは
溶液重合法により水酸基を有する含フッ素共重合体を合
成し、次いで該水酸基の一部と二価カルボン酸無水物を
反応させてカルボキシル基を導入した後、塩基性化合物
で中和して水酸基を有する含フッ素共重合体の水性樹脂
分散体を得る方法(特開昭62−59676号公報)等
がある。しかしながら、乳化重合による水性塗料は乳化
剤が含まれるために、基材への密着性または塗膜表面の
耐汚染性が今一歩であり、一方水酸基含有共重合体と二
価カルボン酸無水物を反応させる方法によれば、乳化剤
による塗料物性の低下はないが、水性化の工程が複雑で
あり、実用性に劣るという問題があった。また、上記提
案の塗料のような樹脂分散型の水性塗料でなく、水溶液
型のフッ素系塗料では塗膜物性が著しく劣るというのが
現状であった。
【0003】かかる状況下において、本発明者らは、フ
ルオロオレフィン、クロトン酸、ヒドロキシル基含有ビ
ニル単量体およびカルボン酸ビニルエステルからなる共
重合体であって、その構成単位としてクロトン酸単量体
単位を7〜30モル%の割合で含む共重合体を用い、該
共重合体中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和して
得られる含フッ素共重合体を樹脂分とする塗料用水性樹
脂分散体に関して特許出願をしているが(特願平3−1
31996号)、その後の検討により、含フッ素共重合
体におけるクロトン酸の割合が20〜30モル%程度と
比較的高い場合には、併用する他の共重合単量体の種類
と割合によっては、水溶化してしまい、再現性良く水性
分散体が得られないことが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性媒体に
おける分散安定性に優れ、しかも目的とする塗膜物性を
得るためにフルオロオレフィンと共に共重合単量体とし
て使用される、ヒドロキシル基含有ビニル単量体および
カルボン酸ビニルエステル等の使用量ならびに種類が狭
い範囲に制限されない水性樹脂分散体を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定構成を有する
含フッ素共重合体と脂肪族系エポキシ化合物の反応生成
物を水性媒体中に分散させた水性分散体が、優れた分散
安定性を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、全単量体単位の合計量を基準
にして、(a)フルオロオレフィン単量体単位15〜6
0モル%、(b)モノカルボン酸ビニルエステル単量体
単位20〜78モル%、(c)クロトン酸単量体単位7
〜30モル%および(d)その他の共重合性単量体単位
0〜30モル%の各単位によって構成され、数平均分子
量が5000以上の含フッ素共重合体と、脂肪族系エポ
キシ化合物との反応生成物であって、該反応生成物中の
カルボキシ基の一部または全量が塩基性化合物で中和さ
れた樹脂からなる塗料用水性樹脂分散体である。
【0006】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。まず、本発明で使用する含フッ素共重合体について
説明する。含フッ素共重合体の合成に使用されるフルオ
ロオレフィンとしては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロ
ピレン等が挙げられ、それらは単独でまたは2種以上併
用で使用できる。重合反応性の点からテトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましく、特に
クロロトリフルオロエチレンが好適である。フルオロオ
レフィン単位の共重合体中の含有量は、共重合体を構成
する全単量体単位の合計量を基準にして、15〜60モ
ル%である。15モル%未満では、含フッ素共重合体の
特徴である耐候性が十分に発現せず、一方60モル%を
越えると、有機溶剤に対する溶解性に劣り、重合体が溶
液重合法で合成され難い。より好ましくは、30〜55
モル%である。
【0007】第二の単量体であるモノカルボン酸ビニル
エステルとしては、耐加水分解性および耐候性の点で、
炭素数3以上のアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を有するモノカルボン酸からなるビニルエステ
ルが好ましい。具体例としては、酪酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、カプロン酸ビニル、、カプリル酸ビニル、カ
プリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル、ターシャリーブチル安息香
酸ビニルおよび水添化安息香酸ビニル等が挙げられる。
炭素数が1または2のアルキル基を有するモノカルボン
酸ビニルエステルも使用できるが、これを用いると耐水
性や耐候性が低下し易い。含フッ素共重合体におけるモ
ノカルボン酸ビニルエステル単量体単位の量は、20〜
78モル%であり、さらに好ましくは35〜55モル%
である。モノカルボン酸ビニルエステル単量体単位の量
が20モル%未満では、溶解性および塗膜強度に劣り、
一方78モル%を超えると耐候性、硬化性が不十分とな
る。
【0008】もう一つの必須成分であるクロトン酸単量
体単位は、含フッ素共重合体において7〜30モル%の
割合で含まれていることが必要である。クロトン酸単量
体単位の量が7モル%未満であると、水分散性が低下し
て、水性分散体の保存安定性が悪く、一方30モル%を
越えると、塗膜の耐水性が低下する上、未反応のクロト
ン酸が多く残存して重合収率が低下するので工業的にも
不利となる。さらに好ましい量は7〜20モル%であ
る。
【0009】その他の共重合性単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピル
ビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−
ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、
n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエー
テル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキル
ビニルエ−テル類;シクロペンチルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシ
ルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル
類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロ
キシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピル
ビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロ
キシペンチルビニルエ−テル、6−ヒドロキシヘキシル
ビニルエ−テル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニル
エ−テル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;4
−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒド
ロキシメチルシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロ
キシシクロヘキシルビニルエーテル類;エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノア
リルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル
等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類、クロトン酸
2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロ
ピル、クロトン酸3−ヒドロキシプロピル、クロトン酸
3−ヒドロキシブチル、クロトン酸4−ヒドロキシブチ
ル、クロトン酸5−ヒドロキシペンチル、クロトン酸6
−ヒドロキシヘキシル等のクロトン酸ヒドロキシアルキ
ル類が挙げられる。本発明の塗料用水性樹脂分散体にお
ける樹脂分は、加熱焼付け硬化等の手段による硬化型樹
脂とすることもでき、この場合には、アミノ樹脂等の硬
化剤と反応し易い、水酸基含有単量体単位を3〜15モ
ル%含む含フッ素共重合体が好ましく、その場合に使用
する水酸基含有単量体としては、重合時の安定性および
硬化性の点で、クロトン酸ヒドロキシアルキルエステル
が好ましい。
【0010】上記単量体の共重合は、以下に示すような
ラジカル発生型重合開始剤の存在下に、重合温度30〜
80℃程度で、圧力3〜10Kg/cm2 の条件で、溶液重
合法によって行うことが好ましい。ラジカル発生型重合
開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、トリ
メチルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル
等のアゾ化合物等が挙げられる。溶液重合に使用する重
合溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ピリジン等の含窒素系化合物;1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等の含
ハロゲン系化合物;ブタノール、ヘキサノール等のアル
コール類などが挙げられる。上記重合によって得られる
共重合体溶液は、減圧下に加熱して蒸発乾固することに
より、未重合の単量体を蒸散させ、共重合体を単離する
ことが望ましい。
【0011】上記方法で得られた含フッ素共重合体を用
い、これを以下に説明する脂肪族系エポキシ化合物およ
び塩基性化合物と、例えば次に示す方法で反応させるこ
とにより、本発明の塗料用水性樹脂分散体の樹脂分を得
ることができる。 (a)上記含フッ素共重合体(以下未中和共重合体とい
う)を、塩基性化合物で部分中和または完全中和した共
重合体と、脂肪族系エポキシ化合物を反応させる方法。 (b)塩基性化合物の存在下で、未中和共重合体と脂肪
族系エポキシ化合物を反応させる方法。 さらに、反応性は劣るが、塩基性化合物の非存在下で未
中和共重合体と脂肪族系エポキシ化合物を反応させて、
得られる生成物を塩基性化合物で部分中和または完全中
和する方法も採用できる。
【0012】本発明において使用する脂肪族系エポキシ
化合物は、分子内に芳香族骨格を持たず、主骨格が脂肪
族あるいは脂環式であり、かつオキシラン基を少なくと
も1個有する化合物である。硬化性および塗膜の耐候性
において優れている点で、好ましい脂肪族系エポキシ化
合物は、一分子中にオキシラン基を2個以上有する脂肪
族系エポキシ化合物であり、その代表例を挙げれば、グ
リシジルエーテル型脂肪族系エポキシ化合物例えば東都
化成(株)製ST−3000、同YH−300、同PG
−202および同PG−207等、ならびにグリシジル
エステル型脂肪族系エポキシ化合物例えば(株)チバガ
イギー製CY−184および東都化成(株)製YD−1
71等がある。
【0013】また、塩基性化合物としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム等の無機水酸化物、アンモニア
或は、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等のア
ルキルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノ
ールアミン等のアミノアルコール等が挙げられ、好まし
くはアミノアルコール類である。いずれの方法において
も、塩基性化合物の好ましい使用量は、含フッ素共重合
体中のカルボキシル基の量に対して、0.3〜1.0当量で
ある。
【0014】脂肪族系エポキシ化合物の使用量は、各方
法で使用される含フッ素共重合体におけるカルボキシル
基の全量、すなわち未中和のまたは/および中和された
カルボキシル基の合計量に対して、オキシラン基が0.0
2〜0.7当量となる量使用することが好ましい。さらに
好ましくは、含フッ素共重合体におけるカルボキシル基
の全量に対して、オキシラン基が0.02〜0.5当量とな
る量である。脂肪族系エポキシ化合物の量が0.02当量
未満では、十分な塗膜物性が得られず、一方0.7当量を
越えると、未反応の脂肪族系エポキシ樹脂が残存し易
く、また反応後の遊離のカルボキシル基量が不足して水
分散性が不十分となり易い。なお、脂肪族系エポキシ化
合物は、含フッ素共重合体中の中和されたカルボキシル
基と容易に反応する。
【0015】上記(b)の方法を採用する場合を一例に
挙げて、本発明において水性樹脂分散体化する樹脂分を
得る具体的操作について説明する。含フッ素共重合体と
脂肪族系エポキシ化合物との反応は、芳香族炭化水素
類、ケトン類、エステル類、アルコール類、グリコール
エーテル類またはグリコールエーテルアセテート類等の
溶媒中で、塩基性化合物の存在下に、反応温度50〜1
40℃および反応時間1〜6時間の条件下で行うことが
できる。反応溶媒としては、単独溶媒または混合溶媒の
いずれも使用できるが、親水性のアルコールまたはグリ
コールエーテル類を全溶媒の40%以上の割合で含む溶
剤を使用することが、安定な水分散液を得る点で好まし
い。また、(a)の方法を採用する場合も、上記溶媒と
同様な溶媒中で含フッ素共重合体を中和することができ
るので、結局上記操作と殆ど同じ操作により目的を達成
することができる。
【0016】上記方法によって得られる、含フッ素共重
合体と脂肪族系エポキシ化合物の反応物の有機溶剤溶液
(以下単に反応液という)を強力に攪拌しておき、その
中に水を適量滴下することにより、本発明の塗料用水性
樹脂分散体を得ることができる。また、含フッ素共重合
体として、クロトン酸ヒドロキシアルキルエステル等の
水酸基含有単量体単位を有する含フッ素共重合体を使用
して、さらに以下に示すアミノ樹脂等の硬化剤を併用す
る低温焼付型の塗料を得ようとする場合には、上記反応
液に硬化剤を適量添加した後、得られた溶液中に水を滴
下することが好ましい。好ましい硬化剤としては、三井
サイアナミッド(株)製サイメル303、サイメル30
7等のメチル化メラミン樹脂、三井東圧化学(株)製ユ
ーバン20SE60、ユーバン20HS等のブチル化メ
ラミン樹脂ならびに日本ポリウレタン化学工業(株)製
コロネート2507、コロネート2515等のブロック
イソシアネート等が挙げられる。それらの使用量は、加
熱焼付型塗料において一般に用いられている量で良い。
塗料化のために使用される樹脂分以外の、有機溶剤、顔
料、流動調節剤、紫外線吸収剤、分散安定剤および酸化
防止剤等の成分は、それらの性状に応じて、前記反応液
または水性樹脂分散体に添加すれば良い。また、本発明
の水性樹脂分散体からなる塗料の塗装方法としては、電
着塗装、ロール塗装、スプレー塗装等の公知の方法が採
用でき、また塗装対象物としては、アルミニウム、鉄、
ステンレスの他、モルタル、コンクリート等がある。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例1 a.含フッ素共重合体(A−1)の合成 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブに、キシレ
ン278gおよび3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキシド〔日本油脂(株)製、パーロイル355〕
10gを仕込んだ後、カプロン酸ビニル(以下VCpと
いう)245g、バーサティック酸ビニル〔シェル化学
(株)製、ベオバ9;以下VV−9という〕45g、ク
ロトン酸(以下CRAという)64gおよびクロトン酸
2−ヒドロキシエチル(以下HECという)32gを仕
込んだ。次に、窒素置換して減圧脱気を行い、クロロト
リフルオロエチレン(以下CTFEという)230gを
導入した。仕込んだ各単量体のモル比は、CTFE/V
Cp/VV−9/CRA/HEC=40/35/5/1
5/5である。続いて徐々に昇温して、64℃で10時
間重合を行った後、未反応のCTFEを除去し、オート
クレーブを開放して、含フッ素共重合体(A−1)の溶
液を得た。得られた重合体溶液を減圧下に加熱して、乾
固させることにより、淡黄色の固形樹脂を得た。
【0018】得られた含フッ素共重合体の酸価は、56
mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/gであり、
ポリスチレン換算の数平均分子量は10000、重量平
均分子量は39000であった。また、アリザリンコン
プレクソン法によるフッ素含有量は15重量%であり、
DSCによるガラス転移温度は8℃であった。含フッ素
共重合体中の各単量体単位の割合は、CTFE/VCp
/VV−9/CRA/HEC=35/45/6/10/
4モル%であった(CTFEはフッ素含有量より、CR
Aは酸価より、HECは水酸基価より、それぞれ含有量
を求め、VCpとVV−9の比率はNMRスペクトルよ
り求めた)。
【0019】b.水性樹脂分散体(B−1)の調製 攪拌機を備えた1000ccの反応器に、含フッ素共重
合体(A−1)100gおよびイソプロパノール(以下
IPAという)80.6g、メチルエチルケトン(以下M
EKという)20.1gを加え、攪拌しながら溶解した。
次に、東都化成(株)製脂肪族系エポキシ化合物ST−
3000(エポキシ当量230)を6.9g(含フッ素共
重合体中のカルボキシル基量に対して0.3当量)加え、
70℃まで加熱した後、ジメチルエタノールアミン(以
下DMEAという)6.2gを添加した。2時間反応させ
た後、50℃まで冷却し、さらにアミノ樹脂〔三井東圧
化学(株)製、サイメル303〕15gとDMEA2.
7gを添加した。上記操作によって得られた溶液を攪拌
しながら、イオン交換水486gを滴下ロートより40
分かけて該溶液中に滴下し、固形分20重量%の水性樹
脂分散体を得た。得られた水性樹脂分散体をエバポレー
ターに移して、溶媒240gを留去した後、n−ブタノ
ール10gを加えると共に、イオン交換水で固形分濃度
を調整して、固形分濃度30重量%の水性樹脂分散体
(B−1)を得た。得られた分散体は分散安定性に優
れ、良好な分散状態が3ケ月以上に渡り維持された。
【0020】実施例2 a.含フッ素共重合体(A−2)の合成 単量体仕込み比率を、CTFE/ピバリン酸ビニル(以
下VPVという)/CRA=50/30/20モル%と
した他は、実施例1と同様の操作によって、CTFE/
VPV/CRA=43/41/16モル%の構成の含フ
ッ素共重合体(A−2)を得た。この共重合体は、酸価
77、数平均分子量6400、重量平均分子量1450
0、フッ素含有量21%およびガラス転移温度45℃で
あった。 b.水性樹脂分散体(B−2)の調製 含フッ素共重合体(A−2)を使用した以外は、実施例
1と同様にして、固形分30重量%の水性樹脂分散体
(B−2)を調製した。得られた分散体は分散安定性に
優れ、良好な分散状態が3ケ月以上に渡り維持された。
【0021】実施例3 含フッ素共重合体(A−2)を使用して、水性分散体化
させる工程において、東都化成(株)製ST−3000
を13.8gとしIPAを87.5gとた以外は、実施例1
と同様の操作を行い、固形分30重量%の水性樹脂分散
体(B−3)を調製した。得られた分散体の分散安定性
は、前記各例の分散体と同様に良好であった。
【0022】比較例1 実施例2の含フッ素共重合体(A−2)100gおよび
サイメル303;10gをIPA;110gに溶解し、
この溶液中にA−2の共重合体におけるカルボキシル基
を完全中和させる量のDMAE;12gを添加した。得
られた溶液を攪拌しながら、その溶液中に水500gを
滴下したが、樹脂分は溶解したままで水性分散体は得ら
れなかった。
【0023】比較例2 実施例1の含フッ素共重合体(A−1)を使用して、水
性分散体化させる工程において、東都化成(株)製ST
−300;13.8gおよびIPA;87.5gを使用した
以外は、すべて実施例1と同様に操作して、固形分30
重量%の水性樹脂分散体(B−4)を得た。
【0024】参考例 上記実施例1〜3および比較例2で得られた水性樹脂分
散体を、アルミニウム板上に、乾燥塗膜が20μの膜厚
になるように塗布した後、電気オーブン中で温度180
℃で30分間焼き付け、得られた塗膜の性能を評価し
た。その結果は表1のとおりであった。
【0025】
【表1】 密着性試験 ;JIS.K5400に準ずる。 耐沸騰水試験1;熱水処理1時間後の密着性 耐沸騰水試験2;熱水処理3時間後の密着性 耐塩水性試験 ;JIS.K5400に準ずる(室温で
1ケ月間浸漬)。 促進耐候性試験;QUV促進耐候性試験機1500時間
後の60度光沢保持率
【0026】
【発明の効果】本発明においては、水溶液化することな
く、水性樹脂分散体を形成する含フッ素共重合体の構成
単量体として、フルオロオレフィンと共に使用されるカ
ルボン酸ビニルエステルまたは水酸基含有単量体等の共
重合性単量体の種類および量が広範囲に選択でき、本発
明によれば、目的とする多種多様の塗膜物性を発現させ
るために最適な構成の含フッ素共重合体の水性樹脂分散
体化が可能となる。さらに、上記実施例と比較例の対比
より明らかなとおり、本発明の水性樹脂分散体から得ら
れる塗膜は、脂肪族系エポキシ化合物を反応させる方法
を採用せずに、単にカルボキシル基を適量含有する含フ
ッ素共重合体をアルカリで中和して得られる水性樹脂分
散体による塗膜より、耐水性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJM 8830−4J (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 大寺 章夫 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全単量体単位の合計量を基準にして、
    (a)フルオロオレフィン単量体単位15〜60モル
    %、(b)モノカルボン酸ビニルエステル単量体単位2
    0〜78モル%、(c)クロトン酸単量体単位7〜30
    モル%および(d)その他の共重合性単量体単位0〜3
    0モル%の各単位によって構成され、数平均分子量が5
    000以上の含フッ素共重合体と、脂肪族系エポキシ化
    合物との反応生成物であって、該反応生成物中のカルボ
    キシル基の一部または全量が塩基性化合物で中和された
    樹脂からなる塗料用水性樹脂分散体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010025899A (ko) * 1999-09-01 2001-04-06 이충진 수지중에 난확산성 충진제를 확산시키는 방법
JP2012236900A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Stt Kk 水系潤滑塗料組成物

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