JP2921173B2 - 水性樹脂分散体 - Google Patents

水性樹脂分散体

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JP2921173B2 JP13199691A JP13199691A JP2921173B2 JP 2921173 B2 JP2921173 B2 JP 2921173B2 JP 13199691 A JP13199691 A JP 13199691A JP 13199691 A JP13199691 A JP 13199691A JP 2921173 B2 JP2921173 B2 JP 2921173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着塗料或いはその他
の一般的な水性コーティング材料として有用な、水酸基
を有しかつ水性媒体中に安定に分散し得る含フッ素共重
合体からなる水性樹脂分散体に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】多価イソシアネート化合
物等の架橋剤の併用によって硬化して、優れた物性の塗
膜を形成する含フッ素共重合体からなる塗料は、建材、
自動車等の分野で幅広く使用されている。しかしなが
ら、上記塗料の大半は、有機溶剤を用いた溶液型塗料で
あるため、塗工時に多量の有機溶剤が蒸散する点で、環
境汚染または衛生上の問題があった。
【0003】従って、近年含フッ素共重合体系塗料の分
野において、水性塗料に関する検討が多くなされてお
り、例えばフルオロオレフィン、オレフィンおよびヒド
ロキシビニルエーテル等の単量体と共に、クロトン酸等
のエチレン性不飽和カルボン酸を共重合単量体として使
用し乳化重合により、水性含フッ素共重合体系塗料を製
造する方法(特開平2−240154号公報)、或いは
溶液重合法により水酸基を有する含フッ素共重合体を合
成し、次いで該水酸基の一部と二価カルボン酸無水物を
反応させてカルボキシル基を導入した後、塩基性化合物
で中和して、水酸基を有する含フッ素共重合体の水性樹
脂分散体を得る方法(特開昭62−59676号公報)
等が提案されている。しかしながら、乳化重合によって
得られる水性塗料においては、乳化剤の存在のために、
基材への密着性または塗膜表面の耐汚染性が今一歩であ
り、一方、水酸基含有共重合体と二価カルボン酸無水物
を反応させる方法によれば、乳化剤を含まない優れた物
性の水性型塗料が得られるが、その製造工程は複雑であ
り、実用性に劣るという問題があった。
【0004】また、溶液重合において、フルオロオレフ
ィンの共重合単量体として、一般に良く知られているア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸
などのカルボキシル基含有単量体を使用して、後に塩基
性化合物によって中和することにより、重合体を水性化
させるに足る量のカルボキシル基を含フッ素共重合体に
導入させることは、以下に示すとおり極めて困難であっ
た。すなわち、上記の如きカルボキシル基含有単量体
は、フルオロオレフィンとの共重合性に劣り、多量重合
に供されても単独重合体を形成することになり、含フッ
素共重合体に導入される量は通常1%程度までであり、
さらにフルオロオレフィンとの共重合性に比較的優れる
と言われているクロトン酸を用いる場合でも、前記特開
平2−240154号公報におけるクロトン酸の共重合
仕込み割合は、最高でも5重量%であり、しかもその場
合は塗膜物性が劣るとされ、好ましくは0.1〜3重量%
と記載されているとおりである。カルボキシル基含有単
量体をフルオロオレフィンと直接共重合させて、高濃度
のカルボキシル基を有する含フッ素共重合体を得る方法
としては、本発明者らが知る限りでは、フルオロオレフ
ィンとの共重合性に優れるアルキルビニルエーテル構造
を有するカルボキシル基含有単量体、すなわち、二価カ
ルボン酸モノヒドロキシアルキルビニルエーテルを使用
する方法(特開平2−58555号公報および特開平2
−73873号公報)が知られているに過ぎず、しかも
この方法においても、汎用の化学原料でない二価カルボ
ン酸モノヒドロキシアルキルビニルエーテルを安価にし
かも高純度に得ることが困難であるという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳化重合に
依らずに、しかも簡易な操作によって得ることができる
含フッ素共重合体からなる、塗料用に好適な水性樹脂分
散体を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、前記のように、フ
ルオロオレフィンとの共重合における好ましい仕込み量
が多くても3重量%迄であるとされていたクロトン酸
を、上記割合を大幅に上回る量使用して、溶液中でフル
オロオレフィンと共重合させたところ、高収率で共重合
体中にカルボキシル基が導入でき、それを塩基性化合物
で中和することにより、優れた物性の塗膜を形成し得る
水性樹脂分散体が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、下記単量体単位
(a)、(b)、(c)、(d)および所望により他の
ラジカル重合性単量体単位からなり、全単量体単位の合
計量を準とするクロトン酸単量体単位の割合が7〜3
0モル%である共重合体中のカルボキシル基の一部また
は全部が、塩基性化合物により中和された含フッ素共重
合体を樹脂分とする水性樹脂分散体である。 (a);フルオロオレフィン単量体単位 (b);クロトン酸単量体単位 (c);クロトン酸ヒドロキシアルキル単量体単 (d);カルボン酸ビニル単量体単位および/またはア
ルキルビニルエーテル単量体単位
【0007】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。まず、本発明におけるクロトン酸単量体単位の割合
が7〜30モル%である共重合体(以下クロトン酸含有
共重合体という)の合成について説明する。クロトン酸
含有共重合体を得るために使用するフルオロオレフィン
としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げら
れるが、重合反応性の点からテトラフルオロエチレンお
よびクロロトリフルオロエチレンが好ましく、クロロト
リフルオロエチレンが特に好ましい。また、2種類以上
のフルオロオレフィンを併用しても良い。
【0008】クロトン酸ヒドロキシアルキルとしては、
クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒド
ロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシプロピル、
クロトン酸3−ヒドロキシブチル、クロトン酸4−ヒド
ロキシブチル、クロトン酸5−ヒドロキシペンチルおよ
びクロトン酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられ、好
ましくはクロトン酸2−ヒドロキシエチルである
【0009】カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸
ビニル、カプロン酸ビニル、バーサティック酸ビニルお
よびステアリン酸ビニル等が挙げられ、好ましくは酢酸
ビニル、バーサティック酸ビニルおよびピバリン酸ビニ
ルであり、特に好ましくは、得られるクロトン酸含有共
重合体におけるフッ素含有量をあまり低下させない分子
量を有し、かつ耐加水分解性の点でピバリン酸ビニルで
ある。またアルキルビニルエーテルとしては、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビ
ニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブ
チルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、2
−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロペンチルビニ
ルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよび4−
メチルシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられ、重
合溶液の安定性および重合後の重合体溶液の加熱安定性
の点でエチルビニルエーテルが好ましい。
【0010】また、所望により用いられる単量体として
は、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリル
エーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、
3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル等のアリルエー
テル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフ
ィン類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロト
ン酸ブチル等のクロトン酸アルキル類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン等が挙げられる。
【0011】クロトン酸含有共重合体における単量体単
位の好ましい割合は、 (a)フルオロオレフィン単量体単位 ……… 30〜55モル% (b)クロトン酸単量体単位 ……… 7〜30 〃 (c)クロトン酸ヒドロキシアルキル単量体単 5〜16 〃 (d)カルボン酸ビニルエステル単量体単位および/または アルキルビニルエーテル単量体単位 ……… 25〜40 〃 (e)その他のラジカル重合性単量体単位 ……… 0〜30 〃 である。フルオロオレフィン単量体単位の含有量が30
モル%未満であると、重合体の耐候性が劣り、一方55
モル%を越えると、重合体の重合媒体に対する溶解性が
劣り、重合が不安定となる。クロトン酸単量体単位の量
が7モル%未満であると、水性化が困難となり、一方3
0モル%越えると、耐水性に劣る。カルボン酸ビニルエ
ステル単量体単位またはアルキルビニルエーテル単量体
単位の量が25モル%未満である重合体には、上記クロ
トン酸単量体単位を7モル%以上導入させ難い。クロト
ン酸ヒドロキシアルキル単量体単位の量が5モル%未満
であると、メラミン等の架橋剤を併用して形成する硬化
塗膜の物性が劣り、一方16モル%を越えると、耐水性
に劣る。
【0012】上記クロトン酸含有共重合体を得るために
使用する、各単量体の好ましい共重合仕込み割合は、フ
ルオロオレフィン40〜70モル%、クロトン酸10〜
40モル%、クロトン酸ヒドロキシアルキル5〜20モ
ル%、カルボン酸ビニルエステルまたはアルキルビニル
エーテル25〜40モル%およびその他の単量体0〜3
0モル%である。クロトン酸の仕込み割合が10モル%
未満であると、フルオロオレフィンとの共重合性の点で
重合体にクロトン酸単量体単位を7モル%以上導入でき
ない。カルボン酸ビニルエステルまたはアルキルビニル
エーテルのより好ましい使用量は、併用するクロトン酸
の使用量に対し同量以上である。カルボン酸ビニルエス
テルまたはアルキルビニルエーテルの使用量が、クロト
ン酸の使用量より少ないと、クロトン酸の共重合収率が
劣る。
【0013】重合方法としては、以下に示す有機溶剤お
よびラジカル発生型重合開始剤を使用する溶液重合が好
ましく、重合温度および圧力については、それぞれ0℃
〜80℃および3〜10Kg /cm2 が適当である。水性
媒体を用いる重合では、クロトン酸の水に対する溶解度
が高いため、他の単量体が形成する油滴側への分配比が
低く、共重合体中に目的量のクロトン酸単量体単位を導
入し難い。重合溶媒としては、トルエン、キシレン、シ
クロヘキサン、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタ
ノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテ
ル等が挙げられる。重合開始剤としては、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパー
オキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド等の過酸化物、ならびにアゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のア
ゾ化合物等が挙げられる。さらに、重合中にフルオロオ
レフィンから生じる酸を捕捉して、重合を安定化するた
めに、塩基性化合物、陰イオン交換樹脂、ハイドロタル
サイト類およびエポキシ化合物等を重合溶液中に適量加
えても良い。
【0014】上記重合によって得られるクロトン酸含有
共重合体におけるカルボキシル基の一部または全量を、
塩基性化合物で中和することにより、水性媒体中に安定
に分散する含フッ素共重合体を得ることができる。クロ
トン酸含有共重合体中のカルボキシル基の一部を中和す
る場合の好ましい中和度は、50%以上である。中和度
が50%未満であると、水性化が困難になることがあ
る。具体的には、重合によって得られた重合体溶液を大
過剰の貧溶媒中に滴下し、クロトン酸含有共重合体を単
離し、得られた重合体をイソプロパノール、イソブタノ
ールまたはn−ブタノール等の有機溶剤に好ましくは5
0重量%程度に溶解し、次いでその溶液中にアンモニ
ア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、ジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエタノールアミンおよびメチ
ルエタノールアミン等の塩基性化合物、またはその有機
溶剤溶液を添加する方法が挙げられる。中和後の重合体
溶液中に、水を加えて、固形分濃度10重量%程度にま
で希釈することにより、水性樹脂分散体が得られる。上
記方法によって得られる水性樹脂分散体は、イソプロパ
ノール、イソブタノールまたはn−ブタノール等の有機
溶剤を少量しか含んでおらず、通常そのまま水性塗料と
して使用することができ、必要に応じ加熱して有機溶剤
を除去しても良い。
【0015】本発明の水性樹脂分散体の主要な用途とし
ては、コーティング剤が挙げられ、コーティング剤とし
て用いる場合、水酸基またはカルボキシル基と反応し得
る、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、
レゾール、ノボラックまたはブロックイソシアナート等
の架橋剤を併用することが好ましく、さらに顔料、顔料
分散剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、滑り剤等の添加
剤が使用できる。塗工方法としては、スプレー塗装、ロ
ールコーター塗装、電着塗装等の一般的な方法が採用で
き、塗工対象の基材としては、金属、プラスチック、木
材および紙等が挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および応用例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1 攪拌機を備えた1リットルの耐圧オートクレーブに以下
の成分を仕込んだ。 キシレン 260g ピバリン酸ビニル 119g (0.93モ
ル) エチルビニルエーテル 33g (0.46モ
ル) クロトン酸2−ヒドロキシエチル 60g (0.46モ
ル) クロトン酸 40g (0.46モ
ル) ターシャリーブチルパーオキシピバレート 6.9g IXE−700(東亞合成化学工業(株)製,陰イオン
交換体) 8g 次いで、窒素置換して更に減圧脱気した後、クロロトリ
フルオロエチレン(以下、CTFEと略す)270g
(2.32モル)を導入し昇温を行った。64℃で8時間
反応を行った後、未反応のCTFEを除去し常圧に戻
し、オートクレーブを開放してフルオロオレフィン共重
合体溶液を得た。IXE−700を濾過した後、得られ
た溶液を水中に投入し共重合体を析出させた。
【0017】50℃で3日間真空乾燥をして得た共重合
体(収率は80%)は、酸価が37(mgKOH/g重
合体)、水酸基価が42(mgKOH/g重合体)、ポ
リスチレン換算の分子量が10000、またアリザリン
コンプレクソン法によるフッ素含有量が24重量%であ
った。クロトン酸単量体単位、クロトン酸2−ヒドロキ
シエチル単量体単位およびCTFE単量体単位の各量に
ついては、それぞれ酸価、水酸基価およびフッ素含有量
より求め、またピバリン酸ビニル単量体単位とエチルビ
ニルエーテル単量体単位は、それぞれ共重合収率が10
0%であると仮定して、上記共重合体における含有量を
求めた。その結果は、以下のとおりであった。CTFE
単量体単位/ピバリン酸ビニル単量体単位/エチルビニ
ルエーテル単量体単位/クロトン酸2−ヒドロキシエチ
ル単量体単位/クロトン酸単量体単位=47/25/1
2/8.5/7.5(モル%)
【0018】次に、上記共重合体100gを、イソプロ
パノール60gおよびブチルセロソルブ10gからなる
混合溶剤に溶解した。得られた溶液を攪拌しながら、そ
の中にトリエチルアミン6.6gを滴下した後、イオン
交換水を滴下して固形分30%に調製した。得られた水
性樹脂分散体の初期粘度(ブルックフィールド型粘度
計,25℃)は、600cpsであり、35℃で1ヶ月
保存後でも、610cpsと粘度上昇は無く、凝集沈降
物も認められなかった。
【0019】実施例2 実施例1におけるエチルビニルエーテルに代えて、Ve
ova10〔シェル化学(株)、幾何異性体の混合物で
ある炭素数が10のカルボン酸のビニルエステル〕92
g(0.46モル)を使用する以外、すべて実施例1と同
じ方法によって共重合体を合成した。 仕込みの単量体割合 ピバリン酸ビニル 119g (0.
93モル) Veova10〔シェル化学(株)〕 92g (0.
46モル) クロトン酸2−ヒドロキシエチル 60g (0.
46モル) クロトン酸 40g (0.
46モル) CTFE 270g (2.
32モル) 得られた共重合体(収率は80%)は、酸価が36(m
gKOH/g重合体)、水酸基価が38(mgKOH/
g重合体)、ポリスチレン換算の分子量が8000、ま
たフッ素含有量が19重量%であった。前例と同様にし
て求めた、共重合体における各単量体単位の割合は、以
下のとおりである。CTFE単量体単位/ピバリン酸ビ
ニル単量体単位/Veova10単量体単位/クロトン
酸2−ヒドロキシエチル単量体単位/クロトン酸単量体
単位=45/25/13/8.6/8.4(モル%)上記共
重合体100g当たり、ジメチルアミノエタノール5.7
gを使用して、前例と同様に水性樹脂分散体を製造し
た。得られた水性樹脂分散体の初期粘度(ブルックフィ
ールド型粘度計,25℃)は、460cpsであり、3
5℃で1ヶ月保存後でも、450cpsと粘度上昇は無
く、凝集沈降物も認められなかった。
【0020】実施例3 クロトン酸2ーヒドロキシエチルを40g(0.31モ
ル)およびクロトン酸を60g(0.70モル)使用し、
重合溶剤として酢酸エチルを使用する以外は、全て実施
例2と同様にして共重合体を合成した。得られた共重合
体(収率は80%)は、酸価が55(mgKOH/g重
合体)、水酸基価が25(mgKOH/g重合体)、ポ
リスチレン換算の分子量が8000、またフッ素含有量
が20重量%であった。共重合体における各単量体単位
の割合は、以下のとおりである。CTFE単量体単位/
ピバリン酸ビニル単量体単位/Veova10単量体単
位/クロトン酸2−ヒドロキシエチル単量体単位/クロ
トン酸単量体単位=44/25/13/5.7/12.3
(モル%) 上記共重合体100g当たり、ジメチルアミノエタノー
ル8.7gを使用して、前例と同様に水性樹脂分散体を製
造した。得られた水性樹脂分散体の初期粘度は、380
cpsであり、35℃で1ヶ月保存後でも、410cp
sと粘度上昇は無く、凝集沈降物も認められなかった。
【0021】実施例4以下の組成の単量体を原料とし
て、前記各例と同様な操作により、共重合体を合成し
た。 CTFE 220g(1.89モ
ル) ピバリン酸ビニル 91g (0.71モ
ル) 酢酸ビニル 61g (0.71モ
ル) クロトン酸2−ヒドロキシエチル 92g (0.71モ
ル) クロトン酸 61g (0.71モ
ル) 得られた共重合体(収率は60%)は、酸価が82(m
gKOH/g重合体)、水酸基価が85(mgKOH/
g重合体)、ポリスチレン換算の分子量が6500、ま
たフッ素含有量が23重量%であった。共重合体におけ
る各単量体単位の割合は、以下のとおりである。CTF
E単量体単位/ピバリン酸ビニル単量体単位/酢酸ビニ
ル単量体単位/クロトン酸2−ヒドロキシエチル単量体
単位/クロトン酸単量体単位=36.2/19/19/1
3.2/12.6(モル%)上記共重合体100g当たり、
トリエチルアミン14.7gを使用して、前例と同様に水
性樹脂分散体を製造した。得られた水性樹脂分散体の初
期粘度は、850cpsであり、35℃で1ヶ月保存後
でも、850cpsと粘度上昇は無く、凝集沈降物も認
められなかった。
【0022】比較例1 クロトン酸に代えて、アクリル酸を0.71モル使用する
以外は、すべて実施例4と同様にして重合を行った。重
合後に得られた重合体溶液は白濁していたため、遠心分
離により、白濁物と透明な溶液とに分離した。白濁物に
ついて赤外線吸収スペクトルを測定した結果、それはポ
リアクリル酸であることが分かった。他方、上記透明溶
液は水/メタノール=1/1の混合溶液中に投入し、共
重合体を析出させた。得られた共重合体について、それ
を構成する各単量体単位の割合を求めた結果は、次のと
おりであった。これより、アクリル酸は僅かにしか共重
合していないことが分かる。CTFE単量体単位/ピバ
リン酸ビニル単量体単位/酢酸ビニル単量体単位/クロ
トン酸2−ヒドロキシエチル単量体単位/アクリル酸単
量体単位=40.5/22/22/14.5/1(モル%)
【0023】応用例1〜4 上記実施例1〜4で得られた4種の水性樹脂分散体、そ
れぞれ20g当たり、ヘキサメトキシメチル化メラミン
〔三井サイアナミッド(株)製サイメル303〕1.5
gを添加して水性塗料を調製し、それを0.5mm厚ク
ロメート処理アルミ板に、乾燥塗膜が20μになるよう
にバーコーターで塗装した後、電気オーブンにより20
0℃で10分間焼付けた。得られた硬化塗膜は4種とも
無色透明であり、JISK5400規定の方法によるゴ
バン目付着試験は100/100であり、沸騰水に1時
間浸漬後でも100/100であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散体は、高純度の製
品が入手し易く、かつフルオロオレフィンとの共重合性
に優れるクロトン酸を他の単量体と共重合して得られ
る、高酸価の含フッ素共重合体を主成分とするものであ
るため、極めて簡便な操作により製造することができ
る。更に本発明の水性樹脂分散体は、水酸基を併せ有す
るため、メラミン等の架橋剤の併用により優れた硬化塗
膜を形成でき、高耐候性の水性コーティング剤として最
適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/02 C09D 133/02 // C08F 214/18 C08F 214/18 (72)発明者 飯田 晃人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 (72)発明者 高橋 衛 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社 名古屋総合 研究所内 審査官 原 賢一 (56)参考文献 特開 平3−103410(JP,A) 特開 平1−158015(JP,A) 特開 平4−226111(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 127/12 C08L 27/12 C08L 33/02 C09D 129/10 C09D 131/02 C09D 133/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記単量体単位(a)、(b)、(c)、
    (d)および所望により他のラジカル重合性単量体単位
    からなり、全単量体単位の合計量を基準とするクロトン
    酸単量体単位の割合が7〜30モル%である共重合体中
    のカルボキシル基の一部または全部が、塩基性化合物に
    より中和された含フッ素共重合体を樹脂分とする水性樹
    脂分散体。 (a);フルオロオレフィン単量体単位 (b);クロトン酸単量体単位 (c);クロトン酸ヒドロキシアルキル単量体単 (d);カルボン酸ビニル単量体単位および/またはア
    ルキルビニルエーテル単量体単位
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