JPH05186362A - 水溶性組成物 - Google Patents

水溶性組成物

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JPH05186362A
JPH05186362A JP4182141A JP18214192A JPH05186362A JP H05186362 A JPH05186362 A JP H05186362A JP 4182141 A JP4182141 A JP 4182141A JP 18214192 A JP18214192 A JP 18214192A JP H05186362 A JPH05186362 A JP H05186362A
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康孝 猪狩
Minoru Yamada
稔 山田
Tairyo Ogawa
泰亮 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】持続性の医薬活性物質含有水溶性組成物を提供
する。 【構成】(イ)エリスロポエチン以外の、生体により分
泌されるペプチドもしくはその誘導体である医薬活性物
質または化学合成医薬活性物質,(ロ)水溶性ヒアルロ
ン酸および(ハ)実質的に薬理活性を示さず体液内に注
入しうる水溶性蛋白を含有してなる水溶性組成物。 【効果】医薬活性物質の生体内における持続効果が増強
され、しかも細い注射針でも投与可能であり患者の苦痛
が緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬活性物質の持続性
製剤として有用な水溶性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬活性物質、とりわけ、ペプチド性医
薬品の持続性製剤の目的はペプチドの体液中濃度を持続
的に一定有効濃度範囲に保つことであるが、その薬理効
果の発現機序により、 a)薬理効果が体液中有効濃度にあまり依存せず、かつ過
剰な薬理効果が生体にとって有害とならないものと、 b)体液中有効濃度に依存して薬理効果が現れ、かつ急激
な薬理効果の発現や過剰な薬理効果の発現が生体にとっ
て有害であるために定期的に薬用量を調整する必要があ
るものがある。
【0003】持続性製剤の基剤として種々のものが知ら
れているが、ヒアルロン酸もその一つであり、特開平2
−213号公報にはヒアルロン酸およびその非毒性塩を
含む生理活性ペプチドの持続性製剤に関する技術が開示
されている。該公報においてヒアルロン酸ナトリウムの
濃度を5%としたカルシトニン、またはエルカトニン持
続製剤を雄性ラットに皮下投与後の血液中カルシウム濃
度の低下が最低12時間持続しており、また、同様にヒ
アルロン酸ナトリウム濃度を5%としたヒト成長ホルモ
ン持続性製剤を雄性ラットに投与後の血液中ヒト成長ホ
ルモン濃度は最低12時間持続する例が開示されてい
る。これらはいずれも、比較例のヒアルロン酸ナトリウ
ムが存在しない場合に比べて明らかな持続時間の延長が
認められている。一方、本公報の別な例をみると、ヒア
ルロン酸ナトリウムの濃度を5%としたテガフール製剤
を雄性ラットに皮下投与しても持続効果は観察されてい
ない。 ところで、これらの発明は投与された部位での
ヒアルロン酸の粘性による溶液中での物質の拡散遅延を
利用しており、また、カチオン基を含む物質ではカルボ
キシル基を有するヒアルロン酸巨大分子との間でイオン
交換が起こり得、この交換が物質の拡散を一層遅くしう
る。特開平2−213号公報においてヒアルロン酸自身
の濃度が3〜7%がもっとも好ましいとされている。し
かしながら、その高粘度のために気泡が混入した場合に
その除去が大きな問題になり、遠心分離または減圧によ
る脱気が必要になってくる。また、同時にその高粘度の
ために太い注射針を使用する必要があり、患者に与える
苦痛は無視できないものである。また、テガフールを使
用した例のようにヒアルロン酸の濃度を高度に上げても
持続効果が得られない場合もある。一方、特開平1−2
87041号公報においては1%濃度のヒアルロン酸を
用いた例が記載されている。この1%濃度のヒアルロン
酸ナトリウム関節内注射液の場合、18〜20G程度の
太めの注射針の使用が必要とされており、皮下投与用注
射製剤としては患者への苦痛が大きい。
【0004】特開昭62−129226号公報には注射
しうる製品中のヒアルロン酸濃度は約0.05%〜4%
(重量)の範囲とすることができ、かつ製品の最終使用
に従ってより高くすることもできると記載されている
が、具体的な注射剤への適用についての記述は無い。し
かしながら、前述のごとく比較的高濃度のヒアルロン酸
を使用しなければ医薬活性物質の持続効果を得ることは
できないことは容易に推察される。即ち、高濃度のヒア
ルロン酸の粘度に依存して医薬活性物質の徐放効果が得
られる可能性はあり、また、pHを酸性側に低下させる
ことにより(例えばpH2.5近辺)、ヒアルロン酸の粘
度が高まることを利用すれば同様に医薬活性物質の徐放
効果が得られる可能性はある。しかしながら、ヒアルロ
ン酸の粘度が高まれば高まるほど注射剤としては投与し
にくくなり、またヒアルロン酸の溶液のpHが生理的pH
領域からはずれるほど医薬活性物質の安定性に影響を与
えたり、投与される生体組織部位にダメージを与えるこ
とが懸念される。特開平3−4790号公報には、バチ
ルス・リケニホルミスの産生するタンパク質分解酵素の
水溶液にタンパク質様物質及び多糖類を添加することに
より酵素を安定化する方法が記載されているが、該酵素
は生体により分泌されるペプチドではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように医薬活性
物質を徐放製剤化する目的でヒアルロン酸を用いる試み
がなされているものの、生体に投与する際の適合性につ
いては、いまだ解決されていない問題点が残されてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意研究をおこなったところ、医薬活性
物質に水溶性ヒアルロン酸および実質的に薬理活性を示
さず体液内に注入しうる水溶性蛋白質を含有してなる水
溶性製剤を投与することにより医薬活性物質の薬理活性
を損なわず、投与初期の薬理効果の急激な発現を抑えな
がら薬理効果を持続させることが可能になることを見い
だし、これに基づいてさらに研究した結果、本発明を完
成した。
【0007】本発明は、(イ)エリスロポエチン以外
の、生体により分泌されるポリペプチドもしくはその誘
導体である医薬活性物質または化学合成医薬活性物質,
(ロ)水溶性ヒアルロン酸またはその非毒性塩および
(ハ)実質的に薬理活性を示さず体液内に注入しうる水
溶性蛋白質を含有してなる水溶性組成物である。
【0008】本発明において生体により分泌されるポリ
ペプチドもしくはその誘導体である医薬活性物質、また
は化学合成医薬活性物質は、本明細書において、単に
「医薬活性物質」と略称されることがある。本発明にお
いて生体により分泌される医薬活性物質としてのポリペ
プチドとしては、生体において生産され、血流中に分泌
されるか(内分泌)、周囲の組織液中に分泌されるか
(傍分泌あるいは自家分泌)、または体外に分泌される
(外分泌)分泌ペプチドまたは分泌蛋白質が挙げられ
る。さらに、本発明において医薬活性物質としてのポリ
ペプチドとしては、生体により生産され得るものであれ
ばよく、使用に際しては生体から抽出されたものあるい
は遺伝子工学的手法によるもののいずれでもよい。
【0009】本発明における生体としては、単一の真核
細胞から成る生体、複数の真核細胞から成る生体、該生
体から摘出された組織あるいは臓器、該生体から単離さ
れた細胞が挙げられる。該単一の真核細胞から成る生体
の例としては酵母が挙げられる。該複数の真核細胞から
成る生体の例としては脊椎動物、無脊椎動物が挙げられ
る。上述の単離された真核細胞の例としてはヒト,マウ
スから分離された癌細胞が挙げられる。該脊椎動物とし
ては、哺乳類(例、ヒト,齧歯類(例、ラット,マウ
ス),ウシ,ウマ,ヒツジ),鳥類(例、家禽類(例、
ニワトリ),魚類(例、鮭,鮪),爬虫類(例、ヘビ)
が挙げられる。該無脊椎動物としては、蛭,蜘などが挙
げられる。上述の生体として好ましくは、複数の真核細
胞から成る生体が挙げられ、さらに好ましくはヒト、
蛇、蜘,蛭が挙げられる。
【0010】該ペプチドとしては、例えばオクタノール
/水分配比が約0.1以下の特性を有するものが好まし
く、この分配比が約0.05以下であるものがさらに好
ましい。上記医薬活性物質がペプチドである場合、該ペ
プチドの分子量は約200〜20万であるものが好まし
く、約300〜9万のものがとりわけ好ましい。該ペプ
チドとしては天然に生産されるものでもよく、遺伝子組
み替えの手法によるものでもよく、また、化学合成によ
るものでもよい。
【0011】該ポリペプチドの例としては、例えば、サ
イトカイン、ペプチドホルモン、成長因子、心臓血管系
に作用する因子、細胞接着因子、中枢および末梢神経系
に作用する因子、体液電解質および血液有機物質に作用
する因子、骨および骨格に作用する因子、消化器系に作
用する因子、腎および泌尿器系に作用する因子、結合組
織および皮膚に作用する因子、感覚器官に作用する因
子、免疫系に作用する因子、呼吸器系に作用する因子、
生殖器系に作用する因子、および酵素が挙げられる。
【0012】該ポリペプチドとしては、なかでも、サイ
トカイン、ペプチドホルモン、成長因子、心臓血管系に
作用する因子、中枢および末梢神経系に作用する因子、
体液電解質および血液有機物質に作用する因子、骨およ
び骨格に作用する因子、消化器系に作用する因子、免疫
系に作用する因子、呼吸器系に作用する因子、生殖器系
に作用する因子、および酵素が好ましい。
【0013】上記サイトカインの例としては、たとえば
リンホカイン,モノカイン,造血因子が挙げられる。該
リンホカインとしては、たとえばインターフェロン類
(例、インターフェロン−α,−β,−γ),インター
ロイキン類(例、インターロイキン−2〜−11)など
が挙げられる。該モノカインとしては、たとえばインタ
ーロイキン−1,腫瘍壊死因子(例、TNF−α,−
β),悪性白血球阻止因子(LIF)などが挙げられ
る。造血因子の例としては、たとえば顆粒球コロニー刺
激因子(G−CSF),顆粒球−マクロファージコロニ
ー刺激因子(GM−CSF),マクロファージコロニー
刺激因子(M−CSF)などが挙げられる。該造血因子
として、さらに血小板新生(増殖)作用を持つ因子が挙
げられ、例えば、白血球増殖因子製剤(リューコプロー
ル、森永乳業)、スロンボポイエチン、血小板増殖刺激
因子および巨核球増殖(刺激)因子が挙げられる。
【0014】骨および骨格に作用する因子の例として
は、例えば、カルシトニン、骨Glaペプチド、副甲状腺
ホルモンまたはその活性フラグメント(オステオスタチ
ン、Endocrinology、129、324(1991))、ヒ
ストンH4−関連骨形成増殖ペプチド(OGP、The E
MBO Journal、11、1867(1992))、または
これらのムテイン、またはこれらの誘導体、またはこれ
らのアナログが挙げられる。上記成長因子の例として
は、たとえば、神経成長因子類(NGF,NGF−2/
NT−3),上皮細胞増殖因子(EGF),線維芽細胞
成長因子(FGF),インスリン様成長因子(IG
F),形質転換成長因子(TGF),血小板由来細胞成
長因子(PDGF)などが挙げられる。上記ペプチドホ
ルモンの例としては、たとえばインスリン,成長ホルモ
ン,黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH),副
腎皮質刺激ホルモン(ACTH),アミリン,オキシト
シン,黄体形成ホルモンまたはこれらの誘導体、類縁
体、同族体などが挙げられる。該LH−RHの類縁体の
例としては、公知のものが挙げられるが、なかでも例え
ば、米国特許第4008209号公報に記載されたもの
が挙げられる。
【0012】心臓血管系に作用する因子としては血圧お
よび動脈硬化をコントロールする因子、たとえばエンド
セリン,エンドセリンインヒビター,バソプレシン,レ
ニン,アンギオテンシンI,アンギオテンシンII,アン
ギオテンシンIII,アンギオテンシンIインヒビター,
アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト,心房ナトリ
ウム利尿ペプチド(ANP),抗不整脈ペプチドなどが
挙げられる。上記中枢および末梢神経系に作用を持つ因
子としては、たとえば、鎮痛麻酔ペプチド(例、エンケ
フアリン,エンドルフィン,キョートルフィン),ニュ
ーロトロピックファクター(NTF),カルシトニン遺
伝子関連ペプチド(CGRP),下垂体アデニレートサ
イクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP),甲状腺
ホルモン放出ホルモン(TRH),TRHの塩、その誘
導体(特開昭50−121273(米国特許 No. 39
59247),特開昭52−116465(米国特許 N
o. 4100152)),ニューロテンシンなどが挙げ
られる。
【0016】消化器系に作用する因子としては、たとえ
ばセクレチン,ガストリンなどが挙げられる。免疫系に
作用する因子の例としては、例えば炎症や悪性新生物を
コントロールする因子や、感染性微生物を攻撃する因子
などが挙げられる。体液電解質と血液有機物に作用する
因子の例としては、例えば血液凝固、プラズマ中コレス
テロール濃度や金属イオンの濃度をコントロールする因
子などが挙げられる。これらのペプチドまたは因子は該
ポリペプチドの可溶性レセプターをその概念に含む。細
胞接着因子の例としては、例えば、ラミニンや細胞間接
着因子1(ICAM1)などが挙げられる。
【0017】該ポリペプチドの例としては、天然に生産
され、あるいは化学合成または遺伝子工学の手法で生産
され抗原になりうるペプチドあるいは蛋白質、例えば杉
花粉あるいはぶたくさ花粉などが挙げられる。これらは
単独で、あるいはハプテンに結合された状態であるいは
アジュバンドとともに本発明の組成で注射剤として投与
される。該ペプチドはさらに天然由来のあるいは遺伝子
組み替え法により生産される酵素が含まれてもよく、投
与可能な酵素として例えばスーパーオキサイドディスミ
ュターゼ(SOD)、アスパラギナーゼ、カリクレイン
などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらのペプチドまたは因子はそれぞれポリエチレング
リコールのような合成ポリマー、あるいはコンドロイチ
ン、多糖類のような天然ポリマー、または非ペプチド性
物質で化学的に修飾されたものを含んでもよい。ここで
いう非ペプチド性物質はレセプターに対するリガンドで
もよいし、抗体に対する抗原でもよい。
【0018】さらに上記のポリペプチドまたは因子は複
数のペプチドが化学的な方法または遺伝子組み替え技術
により結合されたものを含んでもよい。上述したペプチ
ドまたは因子は、アミノ酸配列や糖鎖の異なるムテイン
でもよく、糖鎖を持たない因子でもよく、またはこれら
の誘導体、類縁体(アナログ)、または同族体(ホモロ
グ)でもよく、そしてこれらの活性フラグメントでもよ
く、また、これらはアンタゴニストまたはアゴニストの
いづれの作用機構を持っていてもよい。上記ポリペプチ
ドにおいては、インターフェロン類、インターロイキン
類、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、FGF、
TNF、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、インスリ
ン、LH−RHまたはこれらのムテイン、類縁体、同族
体または活性フラグメントがより好ましい。化学合成医
薬活性物質としては、例えば、心臓血管系に作用するも
の、細胞接着に作用するもの、中枢および末梢神経系に
作用するもの、体液電解質および血液中有機物質に作用
するもの、骨および骨格に作用するもの、消化器系に作
用するもの、腎−泌尿器系に作用するもの、結合組織お
よび皮膚に作用するもの、感覚器官に作用するもの、免
疫系に作用するもの、呼吸器系に作用するもの、感染性
微生物に作用するもの、そして生殖器系に作用するもの
などが挙げられる。
【0019】上述の化学合成医薬活性物質として、心臓
血管系に作用するもの、細胞接着に作用するもの、中枢
および末梢神経系に作用するもの、体液電解質および血
液中有機物質に作用するもの、骨および骨格に作用する
もの、消化器系に作用するもの、免疫系に作用するも
の、呼吸器系に作用するもの、感染性微生物に作用する
ものが好ましい。上述の心臓血管系に作用する化学合成
医薬活性物質の例として、カルシウム拮抗剤、アンギオ
テンシン転換酵素阻害剤、アンギオテンシンIIレセプタ
ー拮抗剤、およびカリウムチャンネルオープナーなどが
挙げられる。上述の細胞接着に作用する化学合成医薬活
性物質の例としてRGD拮抗剤が挙げられる。上述の中
枢神経および末梢神経に作用する化学合成医薬活性物質
の例として、ジアゼパムのような向精神薬あるいは抗精
神病薬、鎮吐剤、およびベンゾキノン誘導体のような抗
痴呆薬などが挙げられる。
【0020】上述の体液電解質および血液中有機物質に
作用する化学合成医薬活性物質の例として、血液凝固
や、例えばプラバスタチンナトリウム塩のようなプラズ
マコレステロール濃度をコントロールするものなどが挙
げられる。上述の骨および骨格に作用する化学合成医薬
活性物質の例として、ビスフォスフォネート、イプリフ
ラボン、ビタミンD3のような骨そしょう症治療薬、お
よび抗リューマチ薬などが挙げられる。上述の消化器系
に作用する化学合成医薬活性物質の例として、ランソプ
ラゾールのようなプロトンポンプ阻害薬やシメチジンの
ようなH2レセプター拮抗薬などが挙げられる。上述の
免疫系に作用する化学合成医薬活性物質の例として、イ
ンドメサシンのような抗炎症薬、アドリアマイシン、シ
スプラチンのような抗癌剤、抗アレルギー剤、および非
ペプチド性抗原物質などが挙げられる。
【0021】上述の呼吸器系に作用する化学合成医薬活
性物質の例として、抗喘息薬などが挙げられる。上述の
感染性微生物に作用する化学合成医薬活性物質の例とし
て、抗ウイルス剤や、セファロスポリンやペニシリンの
ような抗生物質などが挙げられる。上述の生殖器系に作
用する化学合成医薬活性物質の例として、テストステロ
ンなどの性ステロイドが挙げられる。上述の化学合成医
薬活性物質の例として、さらにホルモン(例えばデキサ
メサゾン、プレドニゾロン)および非ペプチド性抗原物
質などが挙げられる。上述の化学合成医薬活性物質の例
として、無機物質および有機物質が挙げられる。さら
に、上述の化学合成医薬活性物質として、プロスタグラ
ンディン、リューコトリエン、糖類、多糖類、金属キレ
ート、またはアンチセンスRNA、DNAのような核酸
を含んでもよい。上述の化学合成された非ペプチド性抗
原物質は単独で、あるいはハプテンに結合して、あるい
はアジュバントとともに本発明の組成で注射剤として投
与される。
【0022】本明細書におけるヒアルロン酸としては、
N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とから成るム
コ多糖の一種であるヒアルロン酸、これの非毒性塩が挙
げられる。また、ヒアルロン酸の誘導体あるいはこれの
非毒性塩でもよい。非毒性の塩としてはナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム
などのアルカリ土類金属塩が挙げられる。とりわけ、ナ
トリウム塩が最も好ましく用いられる。ヒアルロン酸お
よびその非毒性塩としては分子量1万〜500万(粘度
法:極限粘度とマークーフービング(Mark−Houvinc)
式を用いる)、好ましくは10万〜300万程度のもの
が好ましい。。
【0023】本発明の組成物における実質的に薬理活性
を示さず体液内に注入しうる水溶性蛋白質(以下、「水
溶性蛋白質」と称することもある。)としては、たとえ
ば血清アルブミン、グロブリン、コラーゲン、ゼラチン
などが挙げられる。なかでも血清アルブミンが好まし
い。該水溶性蛋白質は、化学的に修飾されていないもの
が好ましい。ここでいう薬理活性とは単位投与物中に使
用される濃度の水溶性蛋白質で引き起こされる実質的な
薬理活性と定義される。
【0024】本発明の水溶性組成物は、水溶液にしたと
き、その粘度が約500センチポイズ(cp)以下となる
ように調整され、好ましくは約50〜400cpの範囲に
調整される。該粘度は、ヒアルロン酸の分子量および濃
度、水溶性蛋白質の濃度、医薬活性物質の濃度、および
食塩(後述の等張化剤として用いる)などの塩類の濃度
などによって影響され、また、水溶性組成物のpHによ
っても、多少、影響されるので、目的とする水溶性組成
物に応じて、上記の粘度となるような条件を選択すれば
よい。
【0025】本明細書における粘度はE型粘度計(東京
計器製)を用い、コーンLDを使用して温度25℃で測
定した粘度をいう。本水溶性組成物におけるヒアルロン
酸および水溶性蛋白質の好ましい使用濃度を以下に挙げ
る。水溶性ヒアルロン酸の使用濃度は好ましくは約0.
01〜3%(W/V)、さらに好ましくは、約0.05
〜2%(W/V)である。本発明の組成物において、水
溶性蛋白質として、たとえば、血清アルブミンを用いる
場合、その使用濃度は約0.001〜5%(W/V)、
さらに好ましくは約0.005〜2%(W/V)であ
る。水溶性蛋白質としてグロブリンが用いられる場合に
は、その使用濃度は約0.001〜5%(W/V)、さ
らに好ましくは約0.005〜2%(W/V)である。
水溶性蛋白としてコラーゲンが用いられる場合には、そ
の使用濃度は約0.001〜1%(W/V)、さらに好
ましくは約0.005〜0.2%(W/V)である。水溶
性蛋白としてゼラチンが用いられる場合には、その使用
濃度は約0.001〜1%(W/V)、さらに好ましく
は約0.005〜0.5%(W/V)である。
【0026】本発明の水溶性組成物溶液のpHは、医薬
活性物質の活性に大きな影響を与えず、注射剤として許
容される範囲内で、また溶液の粘度を大幅に変化させた
り、沈澱物などを形成させないpHが用いられる。好ま
しくはpH4〜pH8である。さらに好ましくは、pH5
〜pH8である。医薬活性物質の配合割合としては該物
質の活性および治療上の必要量に応じて、その有効量を
含有せしめればよいが、一般に医薬活性物質対ヒアルロ
ン酸の重量比は好ましくは約0.0001:1〜10:
1であり、好ましくは約0.0002:1〜5:1、よ
り好ましくは約0.0002:1〜1:1、さらに好ま
しくは約0.0002:1〜0.1:1である。水溶性
蛋白質の配合割合も同様に一概には決定できないが、注
射用医薬組成物に通常添加される量が添加可能であり、
水溶性蛋白質対ヒアルロン酸の重量比は約0.001:
1〜100:1が好ましく、さらに好ましくは約0.0
1:1〜10:1、最も好ましくは約0.1〜10:1
である。
【0027】本発明の組成物は医薬活性物質、ヒアルロ
ン酸および水溶性蛋白質の3者が単位投与物中に存在す
るようにするのが好ましい。例えば、アンプルまたはバ
イアル中に滅菌水または滅菌生理食塩水に溶解または懸
濁して3者が存在するようにする。この場合、医薬活性
物質の溶液,ヒアルロン酸の溶液および水溶性蛋白質の
溶液を混合して調製しても、または医薬活性物質の溶液
にヒアルロン酸の粉末及び水溶性蛋白質の粉末を加えて
調製しても、またはその他の組み合わせによる調製法で
もよい。また、医薬活性物質とヒアルロン酸及び水溶性
蛋白質が混在する凍結乾燥または真空乾燥粉末に滅菌水
または滅菌生理食塩水を加えて調製してもよい。この単
位投与物には従来用いられている添加物例えばpH調節
剤(例、グリシン,塩酸,水酸化ナトリウム),局所麻
酔剤(例、塩酸キシロカイン,クロロブタノール),等
張化剤(例、食塩,マンニトール,ソルビトール),吸
着防止剤(例、Tween 80)などを含有させてもよい。
この単位投与物には、薬学的に許容されるポリエチレン
グリコール400やデキストランなどの添加物をさらに
含んでもよい。
【0028】本発明の持続性製剤において、各主要成分
が混合される時には、医薬活性物質の活性が保持されか
つ混合操作中の溶液に気泡がほとんど発生しないことが
望ましい。該各主要成分は同時にあるいは適当な順番で
容器(例えば瓶あるいはドラなど。材質は医薬活性物質
の活性を損なわないものが選ばれる。)に入れられる。
各主要成分の体積の総和は好ましくは、該容器の4分の
3、より好ましくは多くて5分の3、さらに好ましくは
多くて2分の1、もっとも好ましくは多くて3分の1で
ある。該容器は緩和な条件でしんとうされるか、あるい
は好ましくは該容器の長軸を中心として回転混合され
る。該容器の回転数は、例えば該容器の容積、各主要成
分の体積の総和、ヒアルロン酸あるいはその非毒性塩の
濃度、該容器の雰囲気の温度などを考慮して決定され
る。容器の長軸を中心として回転される場合の好ましい
回転数は10〜1000回転/1分間であるが、これに
限定されるわけではない。該容器内の雰囲気は滅菌され
た正常な空気あるいは滅菌された清浄な窒素ガスでもよ
い。該操作により得られた溶液は小容量のバイアル瓶ま
たはアンプルなどに移されてさらに凍結乾燥の操作を受
けてもよい。
【0029】本発明の水溶性組成物は、非経口投与製剤
とするのが好ましい。該非経口投与製剤としては、注射
製剤,経粘膜水剤,点鼻水剤,点耳水剤などが挙げられ
る。該注射製剤としては、静脈内投与用,皮下投与用,
関節腔内投与用,筋肉内投与用,眼球内投与用などが挙
げられる。本持続性製剤の粘度は約500cp以下に調整
されているので、25Gあるいは26Gの注射針を用い
てアンプルあるいはバイアルから注射器内に本持続性製
剤を容易に吸引することが可能である。吸引時に生じる
気泡は単に短時間静置することにより、容易に除去可能
である。本発明の組成物は、水に溶解された状態のもの
でもよく、また、マンニトールなどの晶質物とともに凍
結乾燥されたものでもよい。凍結乾燥されたものは、滅
菌水または滅菌生理食塩水を加えて水溶液にする。 凍結乾燥された組成物の場合は、水溶液にしたときの粘
度、濃度が上記したものとなるように調整されればよ
い。
【0030】ソフトカプセルに充填された液体状の本発
明の組成物、またはハードカプセルに充填あるいは錠剤
に成型された凍結乾燥粉末は、胃、大腸または直腸に投
与されてもよい。例えば、ポリ(乳酸−グリコール酸)
共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(ヒドロキシ酪酸
−グリコール酸)共重合体、またはこれらの混合物のよ
うな生分解性ポリマーの溶液に溶解あるいは分散された
液体状あるいは粉末状の本発明の組成物は、自体公知の
方法に従い、例えば、フィルム、マイクロカプセル(マ
イクロスフエアー)、ナノカプセル(ナノスフエアー)
などに成型されうる。さらに、本発明の組成物は燐脂
質、コレステロールまたはこれらの誘導体から成り、自
体公知の方法で作製されるリポソーム中に封入された
後、生理食塩水あるいは生理食塩水に溶解されたヒアル
ロン酸溶液中に分散されてもよい。さらに、液剤である
本発明の組成物は適度に粘性を持つため振動などの物理
的な撹乱に対して抵抗性が出ることにより、針付き注射
筒に予め本発明の組成物を充填してあるプレフィルドシ
リンジ( Prefilled Syringe )で患者に処方され、患者
による自己投与が可能になる。
【0031】本発明の組成物は、通常温度または通常冷
蔵温度で保存され、好ましくは0℃〜室温(例えば約2
5℃)、さらに好ましくは+2℃〜+8℃で保存され
る。本発明の組成物の投与量,投与対象,投与対象疾患
などは、医薬活性物質のそれらによる。本発明の組成物
において、医薬活性物質に加えられる成分は低毒性であ
る。本発明の水溶性組成物は持続性が優れており、低濃
度のヒアルロン酸でも充分にこの効果を発揮できる。従
って、細い注射針で投与することが可能になり、患者の
苦痛は軽減される。この組成物は粘度が低く、従って気
泡の発生は大幅に抑制されうる。従って、臨床の場にお
いてもその使用は容易である。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び実験例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 実施例1.塩基性繊維芽細胞増殖因子ミューテインの持
続製剤 リコンビナントヒト塩基性FGFムテインCS23(以
下、rhbFGFムテインCS23と略称することもあ
る。)(EP公開281,822号公報)溶液(0.96
ミリグラム蛋白質/ミリリットル)の0.36ミリリッ
トルに注射用生理食塩水1.26ミリリットル、ヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダ ルトン:
ジェンザイム社)8.1ミリグラムを加え、さらにヒト
血清アルブミン を20%含有するアルブミンニチヤク
(日本製薬)を6マイクロリットル加えた。粘度 36
6cp.
【0033】実施例2.神経細胞成長因子(NGF)
(バイオメディカルテクノロジー社,米国)10マイク
ログラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血
清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日
本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理
食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.
1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸
ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザ
イム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 285c
p.
【0034】実施例3.上皮細胞増殖因子(EFG)
(ケミコンインターナショナル社,米国)10マイクロ
グラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清
アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本
製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食
塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.
1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸
ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザ
イム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 305c
p.
【0035】実施例4.インスリン様成長因子(IG
F)(ケミコンインターナショナル社)10マイクログ
ラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清ア
ルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩
水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミ
リリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 298cp.
【0036】実施例5.インターフェロンα(リーバイ
オモレキュラーリサーチラボ社,米国)10000国際
単位を含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清ア
ルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩
水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミ
リリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 312cp.
【0037】実施例6.インターフェロンβ(ペーゼル
社,ドイツ)10000国際単位を含む生理食塩水0.
7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有する
アルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル
添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル(扶
桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。ま
た、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量
147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグラ
ムを加えた。粘度 320cp.
【0038】実施例7.インターフェロンγ(ジェンザ
イム社,米国)10000単位を含む生理食塩水0.7
ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有するア
ルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添
加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑
薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。また、
この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量14
7万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグラムを
加えた。粘度 311cp.
【0039】実施例8.インターリューキン2(IL−
2)(特開昭61−78799号公報に記載の方法で製
造され特開昭60−115528号公報記載の方法で精
製されたN末端にMetを有するものと有しないものとの
混合物。)10マイクログラムを含む生理食塩水0.7
ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有するア
ルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添
加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑
薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。また、
この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量14
7万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグラムを
加えた。粘度 320cp.
【0040】実施例9.形質転換成長因子(TGF−
β)(和光純薬工業(株)製)1マイクログラムを含む生
理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを2
0%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイ
クロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリ
リットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットル
にした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)1
0.5ミリグラムを加えた。粘度 353cp.
【0041】実施例10.副甲状腺ホルモン(PTH)
(バッケムファインケミカルズ社,スイス)10マイク
ログラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血
清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日
本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理
食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.
1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸
ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザ
イム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 251c
p.
【0042】実施例11.顆粒球−マクロファージコロ
ニー刺激因子(GM−CSF)(ICN バイオメディ
カルズ社,米国)5000ユニットを含む生理食塩水
0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有
するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリッ
トル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル
(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。
また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子
量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグ
ラムを加えた。粘度 301cp.
【0043】実施例12.マクロファージコロニー刺激
因子(M−CSF)(ICN バイオメデカルズ社)5
000ユニットを含む生理食塩水0.7ミリリットルに
ヒト血清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤ
ク(日本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射
用生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量
を2.1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジ
ェンザイム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 2
99cp.
【0044】実施例13.酸性繊維芽細胞増殖因子(a
FGF)(東洋紡)1マイクログラムを含む生理食塩水
0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有
するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリッ
トル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル
(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。
また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子
量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグ
ラムを加えた。粘度 274cp.
【0045】実施例14.腫瘍壊死因子(TNF−α)
(和光純薬工業(株))1マイクログラムに注射用生理食
塩水0.7ミリリットル(扶桑薬品)を加えヒト血清ア
ルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩
水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミ
リリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 286cp.
【0046】実施例15.セラチアスーパーオキシドデ
ィスミュターゼ(SOD)(特開昭57−29285号
公報,特開昭58−16685号公報)400ユニット
を含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブ
ミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)
を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水
1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリ
リットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリ
ウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 291cp.
【0047】実施例16.バソプレシン(ケンブリッジ
リサーチバイオケミカル社,英国)10マイクログラム
を含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブ
ミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)
を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水
1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリ
リットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリ
ウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 220cp.
【0048】実施例17.ソマトスタチン(バッケムフ
ァインケミカルズ社)10マイクログラムを含む生理食
塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%
含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロ
リットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリッ
トル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにし
た。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均
分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミ
リグラムを加えた。粘度 249cp.
【0049】実施例18.オキシトシン(バッケムファ
インケミカルズ社)10マイクログラムを含む生理食塩
水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含
有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリ
ットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリット
ル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにし
た。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均
分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミ
リグラムを加えた。粘度 253cp.
【0050】実施例19.黄体形成ホルモン放出ホルモ
ン(バッケムファインケミカルズ社)10マイクログラ
ムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アル
ブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩
水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミ
リリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 241cp.
【0051】実施例20.成長ホルモン放出因子(バッ
ケムファインケミカルズ社)10マイクログラムを含む
生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを
20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マ
イクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミ
リリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリット
ルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)1
0.5ミリグラムを加えた。粘度 265cp.
【0052】実施例21.成長ホルモン(ユーシービー
バイオプロダクツ社,ベルギー)10マイクログラムを
含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミ
ンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を
4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.
4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリ
ットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウ
ム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)
10.5ミリグラムを加えた。粘度 293cp.
【0053】実施例22.カルシトシン(ユーシービー
バイオプロダクツ社)10マイクログラムを含む生理食
塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%
含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロ
リットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリッ
トル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにし
た。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均
分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミ
リグラムを加えた。粘度 238cp.
【0054】実施例23.カルシトニン遺伝子関連ペプ
チド(ユーシービー・バイオプロダクツ社)10マイク
ログラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血
清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日
本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理
食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.
1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸
ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザ
イム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 229c
p.
【0055】実施例24.脳ナトリウム利尿ペプチド
(ペプチド研究所,日本)10マイクログラムを含む生
理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを2
0%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイ
クロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリ
リットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットル
にした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)1
0.5ミリグラムを加えた。粘度 241cp.
【0056】実施例25.心房性ナトリウム利尿ペプチ
ド(ケンブリッジリサーチバイオケミカルズ社)10マ
イクログラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒ
ト血清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク
(日本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用
生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量
を2.1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジ
ェンザイム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 2
43cp.
【0057】実施例26.オステオカルシンアナログ
(アメリカンペプチド社,米国)10マイクログラムを
含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミ
ンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を
4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.
4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリ
ットルにした。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウ
ム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)
10.5ミリグラムを加えた。粘度 265cp.
【0058】実施例27.肝細胞成長因子(ペプチド研
究所)10マイクログラムを含む生理食塩水0.7ミリ
リットルにヒト血清アルブミンを20%含有するアルブ
ミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添加し
さらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬
品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。また、こ
の溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量147
万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグラムを加
えた。粘度 271cp.
【0059】実施例28.ウロキナーゼ(日本ケミカル
リサーチ社)5000国際ユニットを含む生理食塩水
0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%含有
するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリッ
トル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリットル
(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにした。
また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子
量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリグラ
ムを加えた。粘度 311cp.
【0060】実施例29.組織プラスミノーゲンアクチ
ベーター(TPA)(バイオスコット社,英国)10マ
イクログラムを含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒ
ト血清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク
(日本製薬)を4マイクロリットル添加しさらに注射用
生理食塩水1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量
を2.1ミリリットルにした。また、この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジ
ェンザイム社)10.5ミリグラムを加えた。粘度 33
5cp.
【0061】実施例30.インターリューキン3(IL
−3)(R&Dシステムズ社,米国)1マイクログラム
を含む生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブ
ミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)
を4マイクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水
1.4ミリリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリ
リットルにする。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリ
ウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)
10.5ミリグラムを加えた。粘度 259cp.
【0062】実施例31.インターリューキン4(IL
−4)(R&Dシステムズ社)1マイクログラムを含む
生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを
20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マ
イクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミ
リリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリット
ルにする。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.
5ミリグラムを加えた。粘度 265cp.
【0063】実施例32.インターリューキン5(IL
−5)(アムジェン社,米国)1マイクログラムを含む
生理食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを
20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マ
イクロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミ
リリットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリット
ルにする。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.
5ミリグラムを加えた。粘度 282cp.
【0064】実施例33.インターリューキン6(IL
−6)(アムジェン社)1マイクログラムを含む生理食
塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20%
含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロ
リットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリッ
トル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルにす
る。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均
分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミリ
グラムを加えた。粘度 249cp.
【0065】実施例34.インターリューキン7(IL
−7)(ジェンザイム社)1マイクログラムを含む生理
食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20
%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイク
ロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリ
ットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルに
する。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平
均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミ
リグラムを加えた。粘度 255cp.
【0066】実施例35.インターリューキン8(IL
−8)(ジェンザイム社)1マイクログラムを含む生理
食塩水0.7ミリリットルにヒト血清アルブミンを20
%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイク
ロリットル添加しさらに注射用生理食塩水1.4ミリリ
ットル(扶桑薬品)を加え全量を2.1ミリリットルに
する。また、この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平
均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)10.5ミ
リグラムを加えた。粘度 263cp.
【0067】実施例36.インスリンの持続性製剤 豚インスリン(26.8単位/ミリグラム:DIOSY
NTH社,オランダ)3ミリグラムを0.1規定の塩酸
1.5ミリリットルに溶解し、注射用生理食塩水1.65
ミリリットルを加え、これにヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム社)1
5.75ミリグラムを加えた。得られた溶液にヒト血清
アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本
製薬)を4マイクロリットル添加した。粘度 384c
p.
【0068】実施例37.顆粒球コロニー刺激因子(G
−CSF)の持続性製剤 1ミリリットル中にリコンビナントヒトG−CSF(ア
ムジェン社)を300マイクログラム、マンニトールを
50ミリグラム、Tween 80を0.004%を含むヒト
顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:アムジェ
ン社)の0.0466ミリリットルに注射用生理食塩水
を4.154ミリリットルを添加し、ヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量147万ダルトン:ジェンザイム
社)を21ミリグラム加えた。得られた溶液にヒト血清
アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本
製薬)を8マイクロリットル添加した。粘度 264c
p.
【0069】実施例38. インスリンの持続性製剤 豚インスリン(26.8単位/ミリグラム:DIOSYN
TH社)3ミリグラムを0.1規定の塩酸1.5ミリリッ
トルに溶解し、注射用生理食塩水1.65ミリリットル
を加え、これにヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量
147万ダルトン:ジェンザイム社)15.75ミリグ
ラムを加えた。得られた溶液にヒトイミュノグロブリン
G(カッペル社)を0.5ミリグラム添加した。粘度
328cp.
【0070】実施例39.1ミリリットル中にリコンビ
ナントヒトG−CSFを300マイクログラム、マンニ
トールを50ミリグラム、Tween 80を0.00
4%含むヒト顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェ
ン:アムジェン社)の0.0233ミリリットルに注射
用生理食塩水を1.377ミリリットルを添加し、ヒト
血清アルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク
(日本製薬)を8マイクロリットル添加した。この溶液
にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダル
トン:ジェンザイム社)を1.5%(W/V)の濃度に
なるように注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶
液0.7ミリリットルを加えた。これらの溶液が入った
ガラス製バイアル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉
し、スリーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容
量200ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心
として約1時間回転混合(20〜100回転/分)させ
ることにより気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投
与液を作製した。
【0071】実施例40.1ミリリットル中にリコンビ
ナントヒトG−CSFを300マイクログラム、マンニ
トールを50ミリグラム、Tween 80を0.004%含
むヒト顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:ア
ムジェン社)の0.023ミリリットルに注射用生理食
塩水を1.377ミリリットルを添加し、ヒト血清アル
ブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加した。この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量約50万ダルトン)を
1.5%(W/V)の濃度になるように注射用生理食塩
水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.7ミリリットルを加
えた。これらの溶液が入ったガラス製バイアル瓶(容量
約5ミリリットル)を密閉し、スリーワンモーター(ヘ
イドン社製)に取付けた容量200ミリリットルのナス
型フラスコ内で長軸を中心として約1時間回転混合(2
0〜100回転/分)させることにより気泡の混入がほ
とんど無い持続性製剤の投与液を作製した。
【0072】実施例41 1ミリリットル中にリコンビナントヒトG−CSFを3
00マイクログラム、マンニトールを50ミリグラム、
Tween 80を0.004%含むヒト顆粒球コロニー刺激
因子製剤(ニュポジェン:アムジェン社)の0.023
ミリリットルに注射用生理食塩水を1.039ミリリッ
トルを添加し、ヒト血清アルブミンを20%含有するア
ルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添
加した。この溶液に1%ヒアルロン酸ナトリウム塩(平
均分子量約80万ダルトン〜90万:アルツ注、生化学
工業)溶液1.039ミリリットルを加えた。これらの
溶液が入ったガラス製バイアル瓶(容量約5ミリリット
ル)を密閉し、スリーワンモーター(ヘイドン社製)に
取付けた容量200ミリリットルのナス型フラスコ内で
長軸を中心として約1時間回転混合(20〜100回転
/分)させることにより気泡の混入がほとんど無い持続
性製剤の投与液を作製した。
【0073】実施例42.1ミリリットル中にリコンビ
ナントヒトG−CSFを300マイクログラム、マンニ
トールを50ミリグラム、Tween 80を0.004%含
むヒト顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:ア
ムジェン社)の0.023ミリリットルに注射用生理食
塩水を1.377ミリリットルを添加し、ヒト血清アル
ブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加した。この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量約180万ダルトン:
ジェンザイム社)を1.2%(W/V)の濃度になるよ
うに注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.
7ミリリットルを加えた。これらの溶液が入ったガラス
製バイアル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉し、スリ
ーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容量200
ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約
1時間回転混合(20〜100回転/分)させることに
より気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作
製した。
【0074】実施例43.1ミリリットル中にリコンビ
ナントヒトG−CSFを300マイクログラム、マンニ
トールを50ミリグラム、Tween 80を0.004%含
むヒト顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:ア
ムジェン社)の0.023ミリリットルに注射用生理食
塩水を1.377ミリリットルを添加し、ヒト血清アル
ブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加した。この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量約230万ダルトン:
ジェンザイム社)を0.9%(W/V)の濃度になるよ
うに注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.
7ミリリットルを加えた。これらの溶液が入ったガラス
製バイアル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉し、スリ
ーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容量200
ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約
1時間回転混合(20〜100回転/分)させることに
より気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作
製した。
【0075】実施例44.ヒト副甲状腺ホルモン(PT
H)のアミノ基末端から34番目までのアミノ酸から成
る活性フラグメント(バッケム社)の300マイクログ
ラムを1ミリリットルの注射用生理食塩水に溶解し、さ
らにヒト血清アルブミンを20%含有するアルブミンニ
チヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添加した。こ
の溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量約18
0万ダルトン:ジェンザイム社)を1.2%(W/V)
の濃度になるように注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶
解した溶液1.5ミリリットルを加えた。これらの溶液
が入ったガラス製バイアル瓶(容量約10ミリリット
ル)を密閉し、スリーワンモーター(ヘイドン社製)に
取付けた容量200ミリリットルのナス型フラスコ内で
長軸を中心として約1時間回転混合(20〜100回転
/分)させることにより気泡の混入がほとんど無い持続
性製剤の投与液を作製した。
【0076】実施例45.ヒト副甲状腺ホルモン(PT
H)(バッケム社)の300マイクログラムを1ミリリ
ットルの注射用生理食塩水に溶解し、さらにヒト血清ア
ルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットル添加した。この溶液にヒアル
ロン酸ナトリウム塩(平均分子量約180万ダルトン:
ジェンザイム社)を1.2%(W/V)の濃度になるよ
うに注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液1.
5ミリリットルを加えた。これらの溶液が入ったガラス
製バイアル瓶(容量約10ミリリットル)を密閉し、ス
リーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容量20
0ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心として
約1時間回転混合(20〜100回転/分)させること
により気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を
作製した。
【0077】実施例46.ヒルジン( Hirudin ペニン
スララボラトリーズインク 米国)の100ATUを含
有する溶液に注射用生理食塩水を加え全量を1.4ミリ
リットルにした後、ヒト血清アルブミンを20%含有す
るアルブミンニチヤク(日本製薬)を4マイクロリット
ル添加する。この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平
均分子量約180万ダルトン:ジェンザイム社)を1.
2%(W/V)の濃度になるように注 射用生理食塩水
(扶桑薬品)に溶解した溶液0.7ミリリットルを加え
る。これ らの溶液が入ったガラス製バイアル瓶(容量
約5ミリリットル)を密閉し、スリーワンモーター(ヘ
イドン社製)に取付けた容量200ミリリットルのナス
型フラスコ内で長軸を中心として約1時間回転混合(2
0〜100回転/分)させることにより気泡の混入がほ
とんど無い持続性製剤の投与液を作製した。
【0078】実施例47.甲状腺刺激ホルモン放出ホル
モン(TRH、バッケムファインケミカルズ社、米国)
の10ミリグラムを生理食塩水1.4ミリリットルに溶
解し、ヒト血清アルブミンを20%含有するアルブミン
ニチヤク(日本製薬)を4マイクロリットル添加した。
この溶液にヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量約1
80万ダルトン:ジェンザイム社)を1.2%(W/
V)の濃度になるように注射用生理食塩水(扶桑薬品)
に溶解した溶液0.7ミリリットルを加える。これらの
溶液が入ったガラス製バイアル瓶(容量約5ミリリット
ル)を密閉し、スリーワンモーター(ヘイドン社製)に
取付けた容量200ミリリットルのナス型フラスコ内で
長軸を中心として約1時間回転混合(20〜100回転
/分)させることにより気泡の混入がほとんど無い持続
性製剤の投与液を作製した。
【0079】実施例48.塩酸セフォチアム( cefotiam
dihydrochloride:武田薬品)10ミリグラムを生理食
塩水1.4ミリリットルに溶解し、ヒト血清アルブミン
を20%含有するアルブミンニチヤク(日本製薬)を4
マイクロリットル添加した。この溶液にヒアルロン酸ナ
トリウム塩(平均分子量約180万ダルトン:ジェンザ
イム社)を1.2%(W/V)の濃度になるように注射
用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.7ミリリ
ットルを加える。これらの溶液が入ったガラス製バイア
ル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉し、スリーワンモ
ーター(ヘイドン社製)に取付けた容量200ミリリッ
トルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約1時間回
転混合(20〜100回転/分)させることにより気泡
の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作製した。
【0080】実施例49.インターフェロンアルファ2
aの300万国際単位と人血清アルブミン5ミリグラム
を含有するキャンフェロンA300(武田薬品)の2バ
イアルに1本あたり蒸留水を1ミリリットル添加し溶解
した。この溶液1.4ミリリットルにヒアルロン酸ナト
リウム塩(平均分子量約147万ダルトン:ジェンザイ
ム社)を1.5%(W/V)の濃度になるように注射用
生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.7ミリリッ
トルを加えた。これらの溶液が入ったガラス製バイアル
瓶(容量約5ミリリットル)を密閉し、スリーワンモー
ター(ヘイドン社製)に取付けた容量200ミリリット
ルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約1時間回転
混合(20〜100回転/分)させることにより気泡の
混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作製した。
【0081】実施例50.遺伝子組み替え塩基性ヒトF
GFミューテインCS23(EP公開281,822号
公報)(0.96ミリグラム蛋白質/ミリリットル)溶
液の0.4ミリリットルに注射用生理食塩水2.4ミリリ
ットルとヒト血清アルブミンを20%含有するアルブミ
ンニチヤク(日本製薬)を15マイクロリットル加え、
さらにヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量約147
万ダルトン)を1.5%(W/V)の濃度になるように
注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液1.4ミ
リリットルを加えた。これらの溶液を含むガラス製バイ
アル瓶(容量:約12ミリリットル)は密閉され、スリ
ーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容量200
ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約
1時間回転混合(20〜100回転/分)させることに
より気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作
製した。
【0082】実施例51.300マイクログラムの副甲
状腺ホルモン(PTH)(バッケム社)を2ミリリット
ルの注射用生理食塩水に溶解した。この溶液が入ったガ
ラス製バイアル瓶(容量約5ミリリットル)に人血清ア
ルブミンを20%含有するアルブミンニチヤク(日本製
薬)を4マイクロリットルとヒアルロン酸ナトリウム塩
(平均分子量約147万ダルトン)を1.5%(W/
V)の濃度になるように注射用生理食塩水(扶桑薬品)
に溶解した溶液1ミリリットルを加えた。これらの溶液
を含むガラス製バイアル瓶は密閉され、スリーワンモー
ター(ヘイドン社製)に取付けた容量200ミリリット
ルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約1時間回転
混合(20〜100回転/分)させることにより気泡の
混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作製した。
【0083】実験例1 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤1:リコンビナントヒト塩基性FGFムテイン
CS23(EP公開281,822号公報)溶液(0.9
6ミリグラム蛋白質/ミリリットル)の0.35ミリリ
ットルに注射用生理食塩水1.255ミリリットルを加
えた。 比較製剤2:リコンビナントヒト塩基性FGFムテイン
CS23(EP公開281,822号公報)溶液(0.9
6ミリグラム蛋白質/ミリリットル)の0.36ミリリ
ットルに注射用生理食塩水1.26ミリリットル、ヒア
ルロン酸ナトリウム塩(平均分子量147万ダルトン:
ジェンザイム社)8.1ミリグラムを加えた。8週齢の
雄性SD系ラット背部皮下に、160マイクログラム/
キログラムの薬用量で実施例1の注射液を投与した。対
照として比較製剤1及び比較製剤2の注射液を同様に投
与した。投与前および一定時間毎に約0.4ミリリット
ルづつ血液を採取して血清を分離した。血清中のrhbF
GFムテインCS23濃度をELISA法で定量した。
図1にその結果を示す。図1は比較製剤3(○)、比較
製剤(□)及び実施例1(●)のrhbFGFムテインC
S23注射液を投与した後の血液中濃度推移を示すグラ
フである。それぞれの図におけるラットは一群5匹を用
いており、各図中の点は平均値を棒線は標準誤差(S.
E.)を示している。比較製剤1のrhbFGFムテイン
CS23溶液を投与した群においてはrhbFGFムテイ
ンCS23が速やかに血液中から消失しているのに比較
して、比較製剤2のヒアルロン酸を添加した群ではヒア
ルロン酸の効果によりrhbFGFムテインCS23の血
液中濃度が高く持続されていることが判明した。しか
し、実施例1のrhbFGFムテインCS23にヒアルロ
ン酸及び血清アルブミンを添加した注射液を投与した群
では比較製剤2のヒアルロン酸のみを添加した群に比較
して投与後1時間目及び4時間目においてさらに高い血
液中濃度が維持されていることが判明した。
【0084】実験例2 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤3:豚インスリン(26.8単位/ミリグラ
ム:DIOSYNTH社)3ミリグラムを0.1規定の
塩酸1.5ミリリットルに溶解し、注射用生理食塩水1.
65ミリリットルを加え、これにヒアルロン酸ナトリウ
ム塩(平均分子量1 47万ダルトン:ジェンザイム
社)15.75ミリグラムを加えた。 比較製剤4:注射用生理食塩水 2ミリリッ
トル 8週齢の雄性SD系ラット背部皮下に200マイクログ
ラム/ラットの薬用量で実施例36および比較製剤3イ
ンスリン注射液を投与した。対照として比較製剤4の注
射用生理食塩水を実施例36および比較製剤3と同じ投
与液量になるように投与した。投与前および一定時間毎
に約0.5ミリリットルづつ採血し、血清中の血糖値を
グルコースCテストキット(和光純薬)で測定した。
〔図2〕にその結果を示す。〔図2〕において、(○)
は比較製剤4の生理食塩水を投与した群の、(●)は比
較製剤3の豚インスリンにヒアルロン酸を加えた溶液を
投与した群の、(△)は実施例36の豚インスリンにヒ
アルロン酸と血清アルブミンを加えた溶液を投与した群
の血清中血糖値の時間推移を示す。〔図2〕におけるラ
ットは一群5匹を使用しており各点は平均値を示してい
る。比較製剤4の生理食塩水投与群では血糖値り変化は
ほとんど無かった。比較製剤3および実施例36におい
て投与後4時間目までは同じ程度に抑制されているが、
投与後6時間目以降は実施例36の方が血糖値の抑制が
長時間続いており、投与後9時間目においては比較製剤
3では血糖値がほぼ正常値に復しているのに比較して、
比較製剤4の生理食塩水投与群の約2/3程度に抑制さ
れていた。このことはペプチドの持続効果をもたらすと
されているインスリンとヒアルロン酸との組み合わせよ
りも、この系にさらに血清アルブミンを添加することに
より同じ量のインスリン及びヒアルロン酸より長く薬理
効果が持続することを示している。
【0085】実験例3 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤5:1ミリリットル中にリコンビナントヒトG
−CSFを300マイクログラム、マンニトールを50
ミリグラム、Tween 80を0.004%含むヒト顆粒球
コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:アムジェン社)
の0.0233ミリリットルに注射用生理食塩水を1.3
77ミリリットルを添加した。この溶液にヒアルロン酸
ナトリウム塩(平均分子量約147万ダルトン:ジェン
ザイム社)を1.5%(W/V)の濃度になるように注
射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶液0.7ミリ
リットルを加えた。これらの溶液が入ったガラス製バイ
アル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉し、スリーワン
モーター(ヘイドン社製)に取付けた容量200ミリリ
ットルのナス型フラスコ内で長軸を中心として約1時間
回転混合(20〜100回転/分)させることにより気
泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投与液を作製し
た。 比較製剤6:1ミリリットル中にリコンビナントヒトG
−CSFを300マイクログラム、マンニトールを50
ミリグラム、Tween 80を0.004%含むヒト
顆粒球コロニー刺激因子製剤(ニュポジェン:アムジェ
ン社)の0.0233ミリリットルに注射用生理食塩水
を2.077ミリリットルを添加した。 比較製剤7:注射用生理食塩水1.4ミリリットルに、
ヒアルロン酸ナトリウム塩(平均分子量約147万ダル
トン:ジェンザイム社)を1.5%(W/V)の濃度に
なるように注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した溶
液0.7ミリリットルを加えた。これらの溶液が入った
ガラス製バイアル瓶(容量約5ミリリットル)を密閉
し、スリーワンモーター(ヘイドン社製)に取付けた容
量200ミリリットルのナス型フラスコ内で長軸を中心
として約1時間回転混合(20〜100回転/分)させ
ることにより気泡の混入がほとんど無い持続性製剤の投
与液を作製した。8週齢の雄性SD系ラット背部皮下に
ヒトG−CSFを含む実施例39、比較製剤5、比較製
剤6の各注射液を0.3ミリリットルづつ投与した。対
照として比較製剤7のヒアルロン酸ナトリウム塩注射用
生理食塩水溶液を0.3ミリリットル投与した。投与前
および所定の時間に約0.1ミリリットルづつ採血した
(抗凝固剤としてEDTA2Naを使用)。末梢白血
球、赤血球、血小板数はミクロ セルカウンターCC−
180A型(東亜医用電子)を用いて測定した。末梢好
中球、リンパ球、単球、好酸球数はギムザ染色を施した
塗抹標本を鏡検することにより白血球200個を分類
し、それぞれの細胞の出現頻度を白血球数に乗じて算出
した。結果を〔図3〕に示す。対照として投与した比較
製剤7のヒアルロン酸水溶液投与群(○)では末梢血液
中の好中球数はほとんど変化しなかった。比較製剤6の
ヒトG−CSF溶液投与群(●)では投与後16時間目
において末梢血中の好中球数は対照群の約2倍に増加し
ているが、これにヒアルロン酸を添加した比較製剤5投
与群(△)ではさらに末梢血中の好中球数は増加した。
ヒトG−CSFにヒアルロン酸とヒト血清アルブミンを
添加した実施例39の製剤を投与した群(□)では比較
製剤5投与群よりもさらに末梢血中の好中球数は増加し
ていた。また、投与後24時間目において比較製剤5お
よび比較製剤6投与群では末梢血中の好中球数はほぼ対
照群の値と同じレベルにまで低下していたが、実施例3
9の製剤を投与した群では対照群の値のほぼ2倍の高い
値を維持していた。このようにヒト血清アルブミンを添
加することによりヒアルロン酸による薬理効果の持続を
さらに増強できることを示している。図中の各点は5匹
のラットの平均値である。
【0086】実験例4 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤8:インターフェロンアルファ2aの300万
国際単位と人血清アルブミン5ミリグラムを含有するキ
ャンフェロンA300(武田薬品)の2バイアルに1本
あたり蒸留水を1ミリリットル添加し溶解した。この溶
液1.4ミリリットルに注射用生理食塩水(扶桑薬品)
0.7ミリリットルを加えた。8週齢の雄性SDラット
背部皮下にインターフェロンアルファ2aを含む実施例
49または比較製剤8の各注射液を0.3ミリリットル
づつ投与した。投与前および所定の時間に約0.4ミリ
リットルづつ採血後血清を分離し、ELISA法により
インターフェロンアルファ2a濃度を決定した。結果を
〔図4〕に示す。対照として投与した比較製剤8のイン
ターフェロンアルファ2aを含む水溶液投与群(○)で
は速やかに投与部位からのインターフェロンアルファ2
aの吸収が起こり、インターフェロンアルファ2aの血
清中濃度は時間ともに減少した。一方、実施例49の製
剤のヒアルロン酸と人血清アルブミンとインターフェロ
ンアルファ2aを含む溶液投与群(●)では投与後1時
間目以降のインターフェロンアルファ2aの濃度は対照
群よりも高く、インターフェロンアルファ2aにヒアル
ロン酸と人血清アルブミンを添加したことによる持続効
果は顕著である。図中の各点は5匹のラットの平均値で
ある。
【0087】実験例5 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤9:遺伝子組み替え塩基性人FGFミューテイ
ンCS23(EP公開281,822号公報)(0.96
ミリグラム蛋白質/ミリリットル)溶液の0.4ミリリ
ットルに注射用生理食塩水3.6ミリリットルを加え
た。24時間の絶食後、ペントバルビタールナトリウム
塩(ソムノペンチル、ピットマンムーア社、米国)の腹
腔内投与により軽度に麻酔された8週令のSD系雄性ラ
ットに実施例50の製剤あるいは比較製剤9の製剤を胃
内に経口投与した。投与30分後に腹部を切開し、胃の
内容物を採取した。該胃内容物は速やかに遠心分離操作
を受け(マイクロヒュージB、ベックマン、米国)、上
清の50マイクロリットルは蛋白分解酵素阻害剤(アプ
ロチニン、シグマ、米国)の100マイクロリットルを
添加後、酵素免疫法によるCS23の濃度測定をおこな
うまで−40℃で保存した。
【表1】CS23濃度(pg/ml) ──────────────────── 比較製剤9の製剤投与群 1768 実施例50の製剤投与群 8448 ────────────────────
【0088】実験例6 下記配合割合にて注射剤を調製し、実験に使用した。 比較製剤10:300マイクログラムの副甲状腺ホルモ
ン(バッケム社)に2ミリリットルの注射用生理食塩水
を添加した。実施例51の製剤(●)と比較製剤10の
製剤(○)はそれぞれ0.2ミリリットルの容量で8週
令のSD系雄性ラットにの背部皮下に皮下投与された。
投与前および投与後一定時間ごとに約0.4ミリリット
ルの血液が採血され、血清を分離後PTHの濃度をラジ
オイミュノアッセイで測定した。結果を〔図5〕に示
す。投与後2時間目および3時間目の血清中PTH濃度
は実施例51の製剤投与群のほうが、比較製剤10の製
剤投与群よりも有意に高かった。これらの結果はヒアル
ロン酸、人血清アルブミン、およびPTHを組み合わせ
ることにより、血清中PTH濃度を持続させることにお
いて有効であることが示している。
【0089】
【発明の効果】医薬活性物質にヒアルロン酸および水溶
性蛋白質を添加することにより、一層の持続効果が得ら
れ、低濃度のヒアルロン酸を用いた持続性製剤が可能に
なった。この結果、細い注射針を使用することが可能に
なり、患者に与える苦痛を軽減することができる。ま
た、粘度が低いために気泡の混入が少なくなり、臨床に
おける使用が簡便になる。さらに、ヒアルロン酸単独使
用に比較して高い持続効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実験例1で得られた血清中ミューテイン薬
物濃度の時間推移を示す。
【図2】は、実験例2で得られた血清中グルコース濃度
の時間推移を示す。
【図3】は、実験例3で得られた末梢血中の好中球数の
時間推移を示す。
【図4】は、実験例4で得られた血清中薬物濃度の時間
推移を示す。
【図5】は、実験例5で得られた血清中PTH濃度の時
間推移を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/43 8314−4C 47/36 Z 7433−4C 47/42 Z 7433−4C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)エリスロポエチン以外の、生体によ
    り分泌されるポリペプチドもしくはその誘導体である医
    薬活性物質または化学合成医薬活性物質,(ロ)水溶性
    ヒアルロン酸もしくはその非毒性塩および(ハ)実質的
    に薬理活性を示さず体液内に注入しうる水溶性蛋白質を
    含有してなる水溶性組成物。
  2. 【請求項2】医薬活性物質であるポリペプチドが、サイ
    トカイン、ペプチドホルモン、成長因子、心臓血管系に
    作用する因子、中枢および末梢神経系に作用する因子、
    体液中電解質および血液中有機物質に作用する因子、骨
    および骨格に作用する因子、消化器系に作用する因子、
    免疫系に作用する因子、呼吸器系に作用する因子、生殖
    器系に作用する因子、および酵素、またはこれらのムテ
    イン、誘導体、類縁体、同族体または活性フラグメント
    である請求項1記載の水溶性組成物。
  3. 【請求項3】医薬活性物質であるポリペプチドがインタ
    ーフェロン類、インターリューキン類、顆粒球コロニー
    刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージコロ
    ニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニ
    ー刺激因子、線維芽細胞増殖因子(FGF)、腫瘍壊死
    因子(TNF)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシ
    トニン、インスリン、黄体形成ホルモン−放出ホルモン
    (LH−RH)、またはこれらのムテイン、誘導体、類
    縁体、同族体または活性フラグメントである請求項1記
    載の水溶性組成物。
  4. 【請求項4】化学合成医薬活性物質として心臓血管系に
    作用する物質、細胞接着に作用する物質、中枢および末
    梢血管系に作用する物質、体液電解質および血液有機物
    質に作用する物質、骨および骨格に作用する物質、消化
    器系に作用する物質、免疫系に作用する物質、または感
    染性微生物に作用する物質である請求項1の水溶性組成
    物。
  5. 【請求項5】医薬活性物質対ヒアルロン酸の重量比が約
    0.0001:1〜10:1であり、水溶性蛋白質対ヒ
    アルロン酸の重量比が約0.001:1〜100:1で
    ある請求項1記載の水溶性組成物。
  6. 【請求項6】水溶性蛋白質が人血清アルブミンである請
    求項1記載の水溶性組成物。
  7. 【請求項7】粘度が約500cp以下の水剤である請求項
    1記載の水溶性組成物。
  8. 【請求項8】非経口投与製剤である請求項1記載の水溶
    性組成物。
  9. 【請求項9】注射製剤である請求項8記載の水溶性組成
    物。
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