JPH0518456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両スライドドアの開放時ロツク装置
に関する。

［従来の技術］ 坂道等での開放時にスライドドアが閉まること
のないように開放状態でドアをロツクするロツク
装置を設けたものが有り、その一例を第４図に示
す。

図において、スライドドアＳのインナパネルＳ
１前端部中央にはロツクユニツト１が設けてあ
り、該ロツクユニツト１に内設されたラツチ１１
（第５図）が車両側面開口の後縁に設けたストラ
イカ２と係合する（第６図）。なお、上記ラツチ
１１の係合状態はロツクユニツト１側面の解除ボ
タン１６により解消される。

ところで、かかるロツクユニツトを有するスラ
イドドアには、ドア開放時の衝撃を緩和するとと
もにドアのオーバランを阻止して上記ロツクユニ
ツトが開口縁と干渉するのを防止するストツパ体
を設ける必要がある。そこで、例えば上記第４図
に示す如く、ゴムのストツパ体５を上記ロツクユ
ニツト１の直下付近に設けることが行われてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来の構造ではロツクユニツトとストツパ
体を別体に設けているために取付け等にそれぞれ
工数を必要とし、また、ストツパ体をロツクユニ
ツトに対して前に出す量が少ないとストツパとし
ての効果がなく、前に出す量が多いとドアの開放
ストロークが短くなる等、これらの相対位置調整
にかなり手間取るという問題点があつた。

本考案はかかる問題点を解決するもので、取付
けの手間を大幅に削減できるとともに、位置調整
を不要となした車両スライドドアの開放時ロツク
装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の構成を図で説明すると、車両側面開口
を開閉するスライドドアＳ（第２図）のインナパ
ネルＳ１にロツクユニツト１を配設して、これに
設けたロツクラツチ１１（第１図）を、ドア開放
時に開口縁に設けたストライカ（図略）に係合す
るようになし、上記ロツクユニツト１をガイド部
材４によりドアスライド方向へ相対移動可能に案
内支持せしめるとともに、ロツクユニツト１を上
記開口縁方向へ付勢する弾性体３を設け、かつ、
上記ロツクユニツト１の上記開口縁に対向する面
１ａを、ドア開放時に開口縁に当接するストツパ
面となしたものである。

［作用］ スライドドアＳの開放端近くにおいて、上記ロ
ツクユニツト１はそのストツパ面１ａが開口縁に
当接して停止し、この時ロツクユニツト１に設け
たロツクラツチ１１が開口縁に設けたストライカ
と係合する。停止したロツクユニツト１に対して
スライドドアＳは上記弾性体３を変形せしめつつ
開放方向へ暫く相対移動して衝撃が吸収され、続
く弾性体３の復元により正規の開放位置へ戻され
る。

この際、上記ロツクユニツト１はガイド部材４
によりドアスライド方向へ確実に案内されるか
ら、係合状態でロツクラツチ１１とストライカに
こじり等が発生することはない。

［効果］ 本考案のロツク装置によれば、ロツクユニツト
を弾性体で支持せしめてこれをストツパ体と兼用
しているから、従来の如くストツパ体を別体に取
付ける手間を必要としない上に、ストツパ体とロ
ツクユニツトの相対位置を調整する煩わしさもな
い。

［実施例］ 第２図において、スライドドアＳのインナパネ
ルＳ１には前端部の中央にロツクユニツト１が設
けてあり、上記ロツクユニツト１は、第１図に示
す如く、ガイド部材たるストツパケース４内に収
納されている。

すなわち、ストツパケース４は車両後方（図の
右方）へ開放する矩形の箱体であり、上下縁でイ
ンナパネルＳ１にボルト固定してある。上記スト
ツパケース４内には同じく矩形の箱状とした上記
ロツクユニツト１が摺動自在に嵌装してあり、ロ
ツクユニツト１の内端とストツパケース４内壁間
には弾性体たるコイルバネ３が設けてあつて、上
記ロツクユニツト１をストツパケース４開口より
突出せしめるべく付勢している。

ストツパケース４の上下の側壁には長手方向へ
長穴４１が形成してあり、ロツクユニツト１の両
側壁に立設したカシメピン１３を上記各長穴４１
内に挿通せしめて、ロツクユニツト１の突出量を
図の状態に規制するとともにその後退移動をガイ
ドするようにしてある。

上記ロツクユニツト１内にはロツクラツチ１１
が支軸１４に支持せしめて設けてあり、ロツクラ
ツチ１１は上記支軸１４周りに設けた図略のコイ
ルバネにより図示の姿勢に付勢保持されている。

そして、スライドドア開放端にてドア開口後縁
に対向する上記ロツクユニツト１の突出端面１ａ
は、一定厚のゴム層１２で覆つてストツパ面とし
てある。

なお、上記ストツパケース４の頂面には開口縁
よりロツクラツチ１１の支軸１４設置部付近に至
る切込み４２が形成され、一方、ロツクユニツト
１には端面１ａよりロツクラツチ１１の基部近く
に至る切込み１５が形成してある。

かくして、ドア開口後縁に設けられるストライ
カ先端は上記ロツクラツチ１１の先端と上記切込
み１５の内端間に嵌入して係合し、この状態でロ
ツクユニツト１はコイルバネ３のバネ力に抗して
ストツパケース４内を後退移動可能である。

なお、図中１６はロツクラツチ１１を回転せし
めてストライカとの係合を解消する解除ボタンで
ある。

上記構造のロツク装置の作動を第３図を参照し
つつ以下に説明する。

第３図１はスライドドアＳが開放端近くに至つ
た状態を示し、車両ボデーＢのドア開口後縁Ｂ１
にはストライカ２が設けてある。スライドドアＳ
が更に開放方向へ移動すると（図中矢印）、ロツ
クユニツト１のストツパ面１ａが上記後縁Ｂ１に
当接し（第３図２）、ロツクユニツト１の移動が
停止するとともにロツクラツチ１１が上記ストラ
イカ２と係合する。

この状態でスライドドアＳはストツパケース４
内のコイルバネ３を圧縮変形させつつ暫く開放方
向へ移動し（第３図３）、この間に開放時の衝撃
が吸収される。コイルバネ３のバネ力を調整して
十分圧縮変形せしめれば、衝撃は効果的に吸収さ
れる。

ドア停止後は上記コイルバネ４が原形に伸張し
てスライドドアＳは正規の開放位置へ戻される
（第３図４）。

かくして、かかる構造によれば、ストツパ体を
兼用したロツクユニツトによりスライドドアは衝
撃を生じることなくスムーズに開放端に至り、確
実にロツクされる。そして、組付けや調整の手間
も大幅に削減される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、第１図は開放時ロツク装置の正面図、第２図
はスライドドアの裏面斜視図、第３図は開放時ロ
ツク装置の作動を示すドア開口後縁の概略水平断
面図、第４図ないし第６図は従来例を示し、第４
図はスライドドアの裏面斜視図、第５図はロツク
装置の概略正面図、第６図はドア開口縁の概略水
平断面図である。 １……ロツクユニツト、１ａ……ストツパ面、
１１……ロツクラツチ、２……ストライカ、３…
…コイルバネ（弾性体）、４……ストツパケース
（ガイド部材）、Ｂ……車両ボデー、Ｂ１……開口
後縁、Ｓ……スライドドア、Ｓ１……インナパネ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両側面開口を開閉するスライドドアのインナ
   パネルにロツクユニツトを配設して、これに設け
   たロツクラツチを、ドア開放時に開口縁に設けた
   ストライカに係合するようになし、上記ロツクユ
   ニツトをガイド部材によりドアスライド方向へ相
   対移動可能に案内支持せしめるとともに、ロツク
   ユニツトを上記開口縁方向へ付勢する弾性体を設
   け、かつ、上記ロツクユニツトの上記開口縁に対
   向する面を、ドア開放時に開口縁に当接するスト
   ツパ面となしたことを特徴とする車両スライドド
   アの開放時ロツク装置。