JPH05181330A

JPH05181330A - 画像読取り装置

Info

Publication number: JPH05181330A
Application number: JP3345948A
Authority: JP
Inventors: Hideo Muramatsu; 英男村松; Munehiro Nakatani; 宗弘中谷; Akio Nakajima; 昭夫中島
Original assignee: Minolta Co Ltd
Current assignee: Minolta Co Ltd
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1991-12-27
Publication date: 1993-07-23
Also published as: US5539445A

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、原稿を自動的に搬送して原稿台上に
セットして読み取る画像読取り装置に関し、多数枚の原
稿を読み取るのに必要な時間を短縮し、複写機に用いた
場合にはコピー速度を向上させることを目的とする。【構成】原稿を搬送して原稿ガラス１８上の読取り位置
にセットする原稿搬送手段と、読取り位置にセットされ
た原稿を走査して読み取るためのスキャナ１９と、原稿
を読み取って得た画像データを記憶する画像メモリ３０
４とを有してなる画像読取り装置において、原稿の長さ
を検出する原稿長検出手段と、原稿ガラス１８の長さと
原稿の長さとから、当該原稿ガラス１８上にセット可能
な原稿の枚数ＥＣＮＴを算出するセット枚数算出手段
と、算出された枚数の原稿を原稿ガラス１８上に並べて
セットするように原稿搬送手段を制御する原稿搬送制御
手段と、原稿ガラス１８上にセットされた複数枚の原稿
の全部を１回の走査によって読み取るようにスキャナ１
９を制御する走査制御手段とを有して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原稿を自動的に搬送し
て原稿台上にセットして読み取る画像読取り装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、デジタル式の複写機は、原稿の
画像を読み取る画像読取り装置、画像形成を行うプリン
タ装置、及び画像データを記憶するメモリなどから構成
されている。

【０００３】従来において、そのような複写機の画像読
取り装置には、原稿を自動的に搬送して原稿台（原稿ガ
ラス）上の読取り位置にセットするための原稿搬送装置
がしばしば用いられている。

【０００４】通常のコピーモードでは、原稿搬送装置に
よって原稿が１枚づつ原稿台上にセットされ、セットさ
れた１枚づつの原稿がスキャナによる１回のスキャン動
作によって読み取られ、読み取られた画像は１枚づつの
用紙の表面にプリントされる。

【０００５】また、２枚の原稿の画像を１枚の用紙の表
面に並べて配置する２イン１（ツーインワン）モードに
よるコピー動作が可能となった複写機がある。このよう
な複写機において２イン１モードを設定すると、原稿搬
送装置によって１度に２枚の原稿が原稿台上にセットさ
れる。セットされた２枚の原稿は、スキャナによる１回
のスキャン動作によって読み取られてメモリに記憶され
た後、メモリから原稿画像の１枚目と２枚目が順に読み
出され、それぞれ用紙の表面の前半と後半にプリントさ
れる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、画像読
取り装置においては、２イン１モードのような特殊なコ
ピーモードの場合を除いて、通常は１枚の原稿のみが原
稿搬送装置によって原稿台上にセットされて読み取られ
るので、原稿の枚数と等しい回数だけスキャン動作が行
われることとなる。

【０００７】また、２イン１モードでは、２枚の原稿を
セットすることが予め決められており、その枚数が原稿
の大きさに応じて変化することはなかった。また、読み
取った２枚の原稿は用紙の表面に並べてプリントされる
ようになっていた。

【０００８】したがって、原稿が多数枚にのぼる場合に
はその読み取りに多くの時間がかかり、その結果コピー
に要する時間が多くなって全体的なコピー速度を向上さ
せることができなかった。

【０００９】本発明は、上述の問題に鑑み、多数枚の原
稿を読み取るのに必要な時間を短縮し、複写機に用いた
場合にはコピー速度を向上させることのできる画像読取
り装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る装
置は、上述の課題を解決するため、原稿を搬送して原稿
台上の読取り位置にセットする原稿搬送手段と、読取り
位置にセットされた原稿を走査して読み取るための走査
手段と、原稿を読み取って得た画像データを記憶する記
憶手段とを有してなる画像読取り装置において、前記原
稿の長さを検出する原稿長検出手段と、前記原稿台の長
さと原稿の長さとから、当該原稿台上にセット可能な原
稿の枚数を算出するセット枚数算出手段と、算出された
枚数の原稿を前記原稿台上に並べてセットするように前
記原稿搬送手段を制御する原稿搬送制御手段と、前記原
稿台上にセットされた複数枚の原稿の全部を１回の走査
によって読み取るように前記走査手段を制御する走査制
御手段とを有して構成される。

【００１１】請求項２の発明に係る装置は、前記画像デ
ータを前記記憶手段に記憶する際に、各原稿の始端又は
終端を識別するための識別信号を発生させ、この識別信
号によって各原稿の画像データを個別に管理するように
構成する。

【００１２】

【作用】原稿台の長さと、原稿長検出手段によって検出
された原稿の長さとに基づいて、原稿台上にセット可能
な原稿の枚数がセット枚数算出手段によって算出され
る。

【００１３】原稿は、原稿搬送手段によって原稿台上に
搬送されるが、その際に、算出された枚数の原稿を原稿
台上に並べてセットするよう、原稿搬送制御手段によっ
て原稿搬送手段が制御される。

【００１４】原稿台上にセットされた複数枚の原稿は、
走査制御手段により制御された走査手段により、１回の
走査によって読み取られる。読み取りによって得られた
画像データは、記憶手段に記憶される。

【００１５】記憶手段への記憶に際して、例えば、各原
稿の始端又は終端を識別するための識別信号を発生さ
せ、この識別信号を用いることによって、記憶手段に記
憶された画像データが原稿毎に個別に管理される。

【００１６】

【実施例】図１は本発明に係る複写機１の全体の構成を
示す断面正面図、図２は操作パネルＯＰの正面図であ
る。

【００１７】これらの図において、複写機１は、原稿を
読み取って画像信号に変換する走査系１０、走査系１０
から送られる画像信号を処理する画像信号処理部２０、
画像信号処理部２０から入力される画像データをそのま
まプリンタ装置に出力するか又はメモリに記憶するかな
どの切り換えなどを行うメモリユニット部３０、メモリ
ユニット部３０から入力される画像データに基づいて２
つの半導体レーザ６１，６２を駆動する印字処理部４
０、半導体レーザ６１，６２からの２本のレーザ光を感
光体ドラム７１上の互いに異なった露光位置に導く光学
系６０、露光により形成された潜像を現像し用紙上に転
写し且つ定着して画像を形成する作像系７０、本体の上
面に設けられた操作パネルＯＰ、原稿を搬送し必要に応
じて表裏の反転を行う原稿搬送部５００、及び、用紙を
再度転写位置に供給するための再給紙部６００から構成
されている。

【００１８】なお、走査系１０及び画像信号処理部２０
などによって読取り装置ＩＲが、また印字処理部４０、
光学系６０、及び作像系７０などによってプリンタ装置
ＰＲＴが、それぞれ構成されている。

【００１９】走査系１０は、原稿台ガラス１８の下方を
移動するスキャナ１９に組付けられた露光ランプ１１及
び第１ミラー１２、第２及び第３ミラー１３ａ，１３
ｂ、集光用のレンズ１４、ダイクロイックミラー１５、
ＣＣＤアレイなどを用いた光電変換素子１６，１７、及
びスキャンモータＭ２などから構成されている。

【００２０】ダイクロイックミラー１５は、原稿からの
反射光のうち、例えば赤色などの特定色の光を反射し、
特定色の補色の光を透過させる。光電変換素子１６，１
７は、原稿内の黒色を主とした非特定色の画像と、特定
色（赤色）の画像とをそれぞれ個別に電気信号に変換す
る。

【００２１】画像信号処理部２０は、２つの光電変換素
子１６，１７から出力される画像信号を処理し、原稿画
像の各画素を特定色（第２色）とそれ以外の色（第１
色）とに識別し、メモリユニット部３０に対して色デー
タ付きの画像データを出力する。メモリユニット部３０
については後で詳述する。

【００２２】印字処理部４０は、送られてきた色データ
付きの画像データに応じてそれらを２つの半導体レーザ
６１，６２へ振り分けるとともに、２つの半導体レーザ
６１，６２に対応する露光位置の違いに応じて、一方の
半導体レーザ６２に与える画像データを遅延させる。

【００２３】光学系６０は、半導体レーザ６１，６２、
２本のレーザビームを合成するためのダイクロイックミ
ラー６３、合成レーザビームを偏向するポリゴンミラー
６５、主レンズ６９、反射ミラー６７ａ、合成レーザビ
ームを元の２本のレーザビームに分離するためのダイク
ロイックミラー６８、反射ミラー６７ｂ，６７ｃなどか
ら構成されている。

【００２４】作像系７０は、現像転写系７０Ａ、搬送系
７０Ｂ、及び定着系７０Ｃから構成されている。現像転
写系７０Ａは、図１の反時計方向に回転駆動される感光
体ドラム７１、及びその周囲に回転方向の上流側から順
に配置された第１帯電チャージャ７２ａ、第１現像器７
３ａ、第２帯電チャージャ７２ｂ、第２現像器７３ｂ、
転写チャージャ７４、分離チャージャ７５、クリーニン
グ部７６などからなる。

【００２５】第１現像器７３ａには、第２色に対応した
赤色トナーとキャリアとからなる２成分現像剤が収納さ
れ、第２現像器７３ｂには第１色に対応した黒色トナー
とキャリアとからなる２成分現像剤が収納されている。

【００２６】搬送系７０Ｂは、用紙を収納するカセット
８０ａ，８０ｂ、用紙サイズを検出するサイズ検出セン
サＳＥ１１，１２、用紙ガイド８１、タイミングローラ
８２、搬送ベルト８３、及び、再給紙部６００から搬入
された用紙を搬送する水平搬送ローラ８６ａ〜ｃなどか
らなる。

【００２７】定着系７０Ｃは、用紙を熱圧着しながら搬
送する定着ローラ８４，８４、排出ローラ８５、及び用
紙の排出を検出する排出センサＳＥ６２などからなる。
再給紙部６００は、排出ローラ８５から排出された用紙
を一旦収納し、両面モードのときには表裏を反転して、
合成モードのときには表裏反転を行わずに、再度の画像
形成（プリント）のために搬送系７０Ｂの水平搬送ロー
ラ８６ａに搬入する循環式のものである。再給紙部６０
０は、排紙トレー６２１への排出と再給紙とを切り換え
るための切換え爪６０１、搬送ローラ６０２、反転ロー
ラ６０３、及び反転センサＳＥ６１などから構成されて
いる。

【００２８】両面モードにおいては、図示しないソレノ
イドによって切換え爪６０１の左端部が上方へ移動し、
これによって排出ローラ８５から排出された用紙が搬送
ローラ６０２の方へと誘導され、搬送ローラ６０２を通
って反転ローラ６０３に達する。

【００２９】用紙の後端が反転センサＳＥ６１に達する
と、反転ローラ６０３が反転し、これによって用紙は水
平搬送ローラ８６ａの方へと搬送され、水平搬送ローラ
８６ｂ，ｃを通ってタイミングローラ８２まで達して待
機する。このとき、次の用紙も順次所定の間隔で搬送さ
れてきており、片面にコピーされた用紙が待機できる枚
数は、画像データの遅延がないとした場合には用紙の長
さに依存することになる。

【００３０】原稿搬送部５００は、給紙トレイ５１０上
にセットされた原稿を自動的に原稿ガラス１８上に搬送
し、スキャナ１９によって原稿を読み取った後には原稿
排紙部５１１へ排出する。

【００３１】原稿搬送部５００は、給紙ローラ５０１、
捌きローラ５０２、捌きパッド５０３、中間ローラ５０
４、レジストローラ５０５、搬送ベルト５０６、反転ロ
ーラ５０７、切換え爪５０８、排出ローラ５０９、給紙
トレイ５１０、排紙トレイ５１１、原稿スケール５１
２、レジストセンサＳＥ５１、排出センサＳＥ５２、及
び原稿センサＳＥ５３などから構成されている。

【００３２】原稿搬送部５００の動作は原稿の読み取り
モードによって異なる。原稿の読み取りモードには、ス
キャナ１９のスキャン動作（走査）によって原稿の片面
のみを読み取るか又は両面を読み取るかによって、スキ
ャン片面モード（単に「片面モード」ということがあ
る）、及びスキャン両面モード（単に「両面モード」と
いうことがある）がある。また、片面モードには、通常
の片面モードの他に、複数枚の原稿を１回のスキャン動
作によって読み取る片面オートスキャンモード（単に
「オートスキャンモード」ということがある）がある。

【００３３】片面モードにおいては、１枚又は複数枚の
原稿を読み取りたい面を上に向けて給紙トレイ５１０上
にセットする。動作が開始すると、セットされた原稿の
最下部の原稿から順に給紙ローラ５０１によって搬送さ
れ、捌きローラ５０２と捌きパッド５０３によって搬送
された原稿が捌かれ、中間ローラ５０４を通り、レジス
トローラ５０５によって斜行を補正され、搬送ベルト５
０６によって原稿ガラス１８上に搬送され、原稿の後端
が原稿スケール５１２の左端を通過した直後に搬送ベル
ト５０６が僅かに逆転して停止する。

【００３４】これによって、原稿の右端（後端）が原稿
スケール５１２の端縁に当たり、原稿が原稿ガラス１８
上に正確に位置決めされる。このとき、次の原稿の先端
はレジストローラ５０５に達しており、次の原稿の搬送
に要する時間が短縮されるようになっている。

【００３５】その状態で、スキャナ１９がスキャン動作
を行って原稿の表面（下面）を読み取る。原稿の読み取
りが終了すると、原稿は搬送ベルト５０６によって左方
へ搬送され、反転ローラ５０７でＵターンし、切換え爪
５０８の上方を通って排出ローラ５０９により排紙トレ
イ５１１上に排出される。このとき、原稿の読み取り面
（表面）が上を向いた状態で排出される。

【００３６】オートスキャンモードにおいては、原稿の
搬送時に原稿センサＳＥ５３によって原稿の長さＬｄが
検出されており、原稿の長さＬｄが原稿ガラス１８の有
効長さ（原稿読取り有効長さ）Ｌｍの２分の１以下の場
合、つまり原稿ガラス１８上にセット可能な原稿の枚数
〔セット可能枚数ＥＣＮＴ＝ＩＮＴ（Ｌｍ／Ｌｄ）〕が
２以上である場合には、２枚目以降の原稿搬送制御が上
述の片面モードとは相違する。

【００３７】すなわち、オートスキャンモードにおいて
は、１枚目の原稿がレジストローラ５０５を通過し終わ
った直後に、当該レジストローラ５０５が停止するとと
もに搬送ベルト５０６が僅かに逆転して停止する。これ
によって、停止したレジストローラ５０５に原稿の後端
が接触して待機した状態となる。他方、２枚目の原稿を
給紙ローラ５０１などによって搬送し、レジストローラ
５０５にその先端を当接させてループを形成した状態と
しておく。

【００３８】その後、中間ローラ５０４、レジストロー
ラ５０５、搬送ベルト５０６などの全ての原稿給送駆動
を同時に作動させることにより、これら２枚の原稿は連
続した状態で搬送される。

【００３９】そして、上述のようにして算出されたセッ
ト可能枚数ＥＣＮＴに等しい枚数の原稿が、上述と同様
の原稿搬送制御によって互いに連続した状態となった後
に、上述の片面モードと同様の位置決め制御によって、
最後端側の原稿の後端が原稿スケール５１２の端縁に当
たり、全部の原稿が隙間なく並んだ状態で原稿ガラス１
８上に同時に正確に位置決めされる（図８参照）。

【００４０】その状態で、原稿ガラス１８上に並んだ全
部の原稿の長さ（＝Ｌｄ×ＥＣＮＴ）にわたってスキャ
ナ１９が１回のスキャン動作を行い、これによって全部
の原稿の表面を１回で読み取る。原稿の読み取りが終了
すると、原稿は搬送ベルト５０６によって左方へ搬送さ
れ、反転ローラ５０７などを経て排紙トレイ５１１上に
排出される。

【００４１】スキャナ１９のスキャンによって読み取ら
れた画像データは、後述の画像メモリ３０４に蓄積さ
れ、検出された原稿の長さＬｄにしたがってページの区
切りが判断され、ページ単位で任意の順に画像メモリ３
０４から読み出すことが可能となっている。

【００４２】このように、原稿の長さＬｄに応じて原稿
ガラス１８上にセットする原稿の枚数を制御し、セット
可能な多くの枚数の原稿を１回のスキャン動作により読
み取ることによって、原稿を読み取るのに必要な時間が
短縮され、且つ原稿の搬送時間も短縮され、これによっ
て、片面オートスキャンモードでの（用紙への）片面コ
ピー、両面コピー、ブック分割コピーなどにおいて、全
体的なコピー速度の向上が図られている。

【００４３】また、原稿の両面モードにおいては、片面
モードと同様の制御によって原稿の表面が読み取られた
後、搬送ベルト５０６で搬送され、反転ローラ５０７に
よってＵターンし且つ表裏反転されて再度原稿ガラス１
８上に再セットされた、スキャナ１９のスキャン動作に
よって原稿の裏面が読み取られる。

【００４４】さて、説明は図２に戻って、操作パネルＯ
Ｐには、液晶タッチパネル９１、置数や倍率を入力する
テンキー９２、置数を標準値「１」に戻したりするため
のクリアーキー９３、複写機１内における設定値などを
標準値に戻すためのパネルリセットキー９４、コピー動
作を中止させるためのストップキー９５、コピー動作を
開始させるためのスタートキー９６が設けられている。

【００４５】液晶タッチパネル９１は、ＪＡＭ発生、サ
ービスマンコール発生、ペーパーエンプティ発生などの
複写機１の各種の状態、露光レベル、倍率、用紙、オー
トスキャンモードなどの複写機１の動作モード、その他
の種々の情報を表示するとともに、これら動作モードの
選択のための入力を行う。

【００４６】次に、制御部１００について説明する。図
３及び図４は複写機１の制御部１００の構成を示すブロ
ック図である。制御部１００は、８個のＣＰＵ１０１〜
１０８を中心に構成され、これら各ＣＰＵ１０１〜１０
８には、それぞれプログラムを格納したＲＯＭ１１１〜
１１８、及びプログラム実行のワークエリアとなるＲＡ
Ｍ１２１〜１２８が設けられている。なお、ＣＰＵ１０
６はメモリユニット部３０内に設けられている。

【００４７】ＣＰＵ１０１は、操作パネルＯＰの各種操
作キーからの信号の入力、及び表示に係わる制御を行
う。ＣＰＵ１０２は画像信号処理部２０の各部の制御を
行い、ＣＰＵ１０３は走査系１０の駆動制御を行う。ま
た、ＣＰＵ１０４は、印字処理部４０、光学系６０、及
び作像系７０の制御を行い、ＣＰＵ１０５は、制御部１
００の全体的なタイミング調整や動作モードの設定のた
めの処理を行う。

【００４８】ＣＰＵ１０６は、メモリユニット部３０を
制御することによって、読み取った画像データをメモリ
（画像メモリ３０４）に一旦格納し、これを読み出して
印字処理部４０へ出力する。これにより、読取り装置Ｉ
Ｒとプリンタ装置ＰＲＴとを独立して制御し、コピー速
度の向上を図っている。詳細は後述する。

【００４９】ＣＰＵ１０７は原稿搬送部５００の制御を
行い、ＣＰＵ１０８は再給紙部６００の制御を行う。こ
れらＣＰＵ１０１〜１０８の間では、割り込みによるシ
リアル通信が行われ、コマンド、レポート、その他のデ
ータが授受される。

【００５０】次に、画像データを処理する各処理部につ
いて説明する。まず、画像信号処理部２０は、Ａ／Ｄ変
換器、シェーディング補正部、画像データに基づいて原
稿の画素の色を判別する色判別部、変倍処理部、及び、
画質補正部などからなる。

【００５１】画像信号処理部２０によって、光電変換素
子１６，１７から入力される画像信号が画素毎に８ビッ
トの画像データに量子化され、種々の処理が施された後
に画像データＤ２として出力される。これとともに、画
像データＤ２のそれぞれの画素に対応して、指定された
特定色かどうかを示す１ビットの色データが出力され
る。

【００５２】次に、メモリユニット部３０について説明
する。図５はメモリユニット部３０のブロック図、図６
はメモリユニット部３０の切換え部３０１のブロック図
である。

【００５３】メモリユニット部３０は、切換え部３０
１、ＣＰＵ１０６からのパラメータ設定に基づいて２値
データを作成する２値化処理部３０２、４００ｄｐｉで
Ａ４サイズの２ページ分の容量を有したマルチポートの
画像メモリ３０４、それぞれ独立に動作可能な圧縮器３
１１及び伸長器３１２からなる符号処理部３０５、マル
チポートを有した符号メモリ３０６、回転処理部３０
７、ＣＰＵ１０６からのパラメータ設定に基づいて多値
データを作成する多値化処理部３０８、ディスク用Ｉ／
Ｆ（ＳＣＳＩ−Ｉ／Ｆ）３０９、ハードディスク３１
０、ＲＯＭ１１６、ＲＡＭ１２６、及び、画像メモリ３
０４、符号メモリ３０６、並びにハードディスク３１０
の管理を行うなどこれらの全体を制御するＣＰＵ１０６
から構成されている。

【００５４】なお、画像メモリ３０４は、読取り装置Ｉ
Ｒからの画像データを記憶するリーダ用ページメモリ３
１３と、プリンタ装置ＰＲＴへ出力する画像データを書
き込むためにプリンタ用ページメモリ３１４とを有して
おり、これらは互いに独立してアクセス可能となってい
る。圧縮器３１１及び伸長器３１２は互いに独立して且
つ並行に動作可能となっており、これらと符号メモリ３
０６との間では、データがそれぞれ図示しないＤＭＡＣ
によりＤＭＡ転送されるようになっている。また、回転
処理部３０７は、０度、９０度、１８０度、又は２７０
度の任意の角度で画像を回転する処理を行う。

【００５５】図６（ａ）において、切換え部３０１は、
それぞれの制御信号ＳＧ１〜５によってオン（接続）と
オフ（遮断）とが制御される５つのバスゲート３２１〜
３２５からなっている。図６（ｂ）に示すように、各制
御信号ＳＧ１〜５は、動作モードに応じてアクティブ
（Ａ）又はノンアクティブ（Ｎ）となり、それらの組み
合わせによって切換え部３０１の接続状態が設定され画
像データの流れが制御される。

【００５６】圧縮器３１１は、画像メモリ３０４に画像
データＤ２が書き込まれると、そのデータを読み出し且
つ圧縮して符号データを作成し、これを符号メモリ３０
６に書き込む。符号メモリ３０６に書んだ符号データ
を、さらにディスク用Ｉ／Ｆ３０９を経由してハードデ
ィスク３１０に書き込む。この処理をページ毎に繰り返
し、全ページのデータをハードディスク３１０に書き込
む。

【００５７】また、プリンタ装置ＰＲＴへ画像データＤ
３を出力する際には、ハードディスク３１０に格納され
た符号データを読み出し、ディスク用Ｉ／Ｆ３０９を経
由して符号メモリ３０６に書き込む。伸長器３１２は、
符号メモリ３０６に書き込まれた符号データを読み出し
且つ伸長して画像データを作成し、これを画像メモリ３
０４に書き込む。

【００５８】伸長によって画像メモリ３０４に１ページ
分の画像データが生成されると、それが読み出され、回
転処理部３０７において必要に応じて回転処理され、多
値化処理部３０８において多値の画像データが生成さ
れ、これが画像データＤ３として出力される。

【００５９】ところで、符号メモリ３０６は、ＲＡＭ１
２６に格納された管理テーブルＭＴ１によって管理され
ている。図７は管理テーブルＭＴ１と符号メモリ３０６
との関係を示す図である。

【００６０】符号メモリ３０６は、３２Ｋバイト単位の
メモリ領域に区分されており、書き込み（読み取り時）
と読み出し（プリント時）との同時制御を可能とするこ
とを考慮して、それぞれの領域にはページ毎の符号デー
タが格納される。

【００６１】管理テーブルＭＴ１には、符号メモリ３０
６の領域を示す番号、ページ番号、連結されている領域
の番号、及び、圧縮方式及びデータ長などの圧縮伸長処
理に必要な各種の付加情報が格納されており、これらの
情報に基づいて符号メモリ３０６を動的に管理するよう
になっている。

【００６２】ＣＰＵ１０６は、画像メモリ３０４から画
像データを読み出して圧縮する際に、管理テーブルＭＴ
１の情報を作成しながら、圧縮器３１１を制御して符号
メモリ３０６に格納し、ハードディスク３１０に転送し
ていく。また、画像データを出力する際には、それと逆
の動作により、ハードディスク３１０から転送した符号
データを符号メモリ３０６から読み出していく。管理テ
ーブルＭＴ１内の情報は、該当ページの情報が必要部数
全て正常に排出されたときに消去される。

【００６３】図８はオートスキャンモードにおける原稿
の読み取りから通常モードにおけるプリント後の用紙の
排出までの概略の流れの一例を示す図である。給紙トレ
イ５１０に上から順にセットされた原稿ＤＰ１〜３は、
原稿搬送部５００によって、ＤＰ３、ＤＰ２、ＤＰ１の
順に搬送され、原稿ガラス１８上に右側（ホームポジシ
ョンＨＰ側）からＤＰ１〜３の順にセットされる。スキ
ャナ１９による１回のスキャン動作によって、原稿ＤＰ
１〜３の順に連続して読み取られ、その順に画像メモリ
３０４に格納される。

【００６４】このとき、検出した原稿の長さＬｄに基づ
いて、各原稿ＤＰ１〜３に対する読み取りの終端位置
（原稿の左端位置）において、ページ終了信号が発生さ
れ、このページ終了信号によって画像データのページ管
理が行われる。

【００６５】画像メモリ３０４に格納された画像データ
は、圧縮、格納、伸長などの経過を辿った後、今度は最
終のページである原稿ＤＰ３を先に、原稿ＤＰ２、原稿
ＤＰ１の順に画像メモリ３０４から読み出され、その順
に別々の用紙にプリントされ、それぞれ先の用紙の上に
排出される。したがって、排出されたプリント済の３枚
の用紙は、給紙トレイ５１０にセットされた原稿と同じ
状態となる。

【００６６】このように、画像データは、各原稿毎に、
つまり１ページ毎に管理されている。また、プリント時
における画像メモリ３０４からのページの読み出し順序
は、原稿の読み取り時における画像メモリ３０４への書
き込み順序によって制約を受けることがなく、任意に選
定することが可能である。これによって、用紙の搬送時
間が短くなるよう、コピーモードなどに応じて最適の順
序で読み出され、コピー速度の向上が図られている。

【００６７】さて、メモリユニット部３０の動作モード
には、直結モード、メモリモード、及び直結メモリ混在
モードがある。また、メモリモードには、メモリモード
書込み動作とメモリモード読出し動作の２つの動作があ
る。直結メモリ混在モードは、直結モードとメモリモー
ドとが混在するモードである。

【００６８】直結モードでは、画像信号処理部２０から
出力される画像データＤ２をそのまま印字処理部４０に
画像データＤ３として出力する。つまり、直結モードに
おいては、切換え部３０１のバスゲート３２２、３２
４、及び３２５がオンし、これによって画像信号処理部
２０のバスと印字処理部４０のバスが直結され、画像デ
ータＤ２がそのまま画像データＤ３として出力される。

【００６９】メモリモードでは、画像データＤ２を２値
化した後に画像メモリ３０４に取り込んで所定の処理を
行い、必要に応じて画像メモリ３０４から読み出して印
字処理部４０へ画像データＤ３として出力する。

【００７０】つまりメモリモードにおいては、メモリモ
ード書込み動作時（読取り装置からメモリへ）にはバス
ゲート３２１及び３２４がオンし、画像データＤ２が２
値化処理部３０２へ出力され、２値化された後に画像メ
モリ３０４に書き込まれ、さらに圧縮されて符号メモリ
３０６に書き込まれてハードディスク３１０に転送され
る。

【００７１】また、メモリモード読出し動作時（メモリ
からプリンタ装置へ）には、バスゲート３２３及び３２
５がオンし、画像メモリ３０４から伸長された画像デー
タが読み出され、画像データＤ３として出力される。

【００７２】また、直結メモリ混在モードにおいては、
バスゲート３２１，３２２，３２４，及び３２５がオン
し、画像データＤ２がそのまま画像データＤ３として印
字処理部４０に出力され、これと同時に画像データＤ２
が２値化処理部３０２を経て画像メモリ３０４に書き込
まれる。

【００７３】このようなメモリユニット部３０の動作モ
ードは、コピーモードに応じて自動的に選択される。例
えば、通常の複写モードにおいては直結モードが選択さ
れる。片面原稿からのマルチコピーモードにおいては、
１枚目は直結メモリ混在モードが、２枚目以降はメモリ
モード読出し動作が選択される。これによって、プリン
ト動作中に原稿の交換を行うことができ、全体のスルー
プットが向上する。

【００７４】また、両面原稿からのマルチコピーモード
においては、原稿の裏面の読み取り時にメモリモード書
込み動作が行われ、その後原稿を表裏反転し、原稿の表
面の読み取り時に直結モードとし、裏面のプリントはメ
モリモード読出し動作により行う。これによって、原稿
の反転を１回のみで済ますことができる。

【００７５】また、後述するように、複数枚の両面原稿
からそれぞれ１枚ずつの両面コピーを行うモードにおい
ては、適当枚数毎にメモリモードと直結モードとが切り
換えられ、またメモリモードにおいて、適時、メモリモ
ード書込み動作とメモリモード読出し動作とが並行して
行われる。

【００７６】次に、原稿の読み取り動作と用紙へのプリ
ント動作との関係について例を挙げて説明する。第１の
例は、２枚の片面原稿をオートスキャンモードで用紙の
片面にシングルコピーする場合（片面原稿片面コピー）
であり、原稿の長さは原稿読取り有効長さＬｍの２分の
１以下である。

【００７７】表面を上に向けて、上から１枚目、２枚目
（最終枚目）の順に給紙トレイ５１０上にセットされた
２枚の原稿は、２枚目、１枚目の順に原稿ガラス１８上
に搬送され、２枚とも原稿ガラス１８上の読み取り位置
にセットされる。その後、これら２枚の原稿が１回のス
キャン動作によって、１枚目、２枚目の順に読み取ら
れ、１枚目の画像データはメモリユニット部３０に格納
され、２枚目の画像データは直接にプリンタ装置ＰＲＴ
に出力されて１枚目の用紙にプリントされ排出される。
その後、メモリユニット部３０から原稿の１枚目の画像
データが読み出され、２枚目の用紙にプリントされ、１
枚目の用紙の上に排出される。

【００７８】第２の例は、第１の例において用紙の両面
にシングルコピーする場合（片面原稿両面コピー）であ
る。２枚の原稿が１回のスキャン動作によって読み取ら
れ、原稿の２枚目が用紙の表面にプリントされるまでは
第１の例と同じである。その後、用紙が表裏反転された
状態で再給紙され、メモリユニット部３０から原稿の１
枚目の画像データが読み出されて同じ用紙の裏面にプリ
ントされる。

【００７９】第３の例は、２枚の片面原稿をオートスキ
ャンモードで用紙の片面に２枚づつマルチコピーする場
合（片面原稿片面コピー）であり、原稿の長さは原稿読
取り有効長さＬｍの２分の１以下である。

【００８０】給紙トレイ５１０上にセットされた２枚の
原稿は、２枚目、１枚目の順に原稿ガラス１８上に搬送
され、２枚とも原稿ガラス１８上の読み取り位置にセッ
トされる。その後、これら２枚の原稿が１回のスキャン
動作によって順に読み取られ、それぞれの画像データが
メモリユニット部３０に格納される。

【００８１】そして、原稿の２枚目、１枚目、２枚目、
１枚目の順にメモリユニット部３０から画像データが読
み出されてプリント動作が行われ、それぞれ１〜４枚目
の用紙にプリントされて順に排出される。

【００８２】第４の例は、第３の例において原稿の長さ
が原稿読取り有効長さＬｍの２分の１以上の場合であ
る。すなわち、オートスキャンモードであっても、セッ
ト可能枚数ＥＣＮＴが「１」の場合である。

【００８３】まず、２枚目の原稿のみが原稿ガラス１８
上に搬送されてセットされ、１回のスキャン動作によっ
て読み取られ、これと同時に１枚目の用紙にプリントが
行われるとともに、画像データがメモリユニット部３０
に格納される。次に、１枚目の原稿が同様にセットさ
れ、次の１回のスキャン動作によって読み取られ、２枚
目の用紙にプリントが行われるとともにメモリユニット
部３０に格納される。

【００８４】その後、原稿の２枚目、１枚目の順にメモ
リユニット部３０から画像データが読み出され、３枚
目、４枚目の用紙にプリントが行われて順に排出され
る。第５の例は、第３の例において用紙の両面にコピー
する場合である。

【００８５】２枚の原稿が１回のスキャン動作によって
読み取られるまでは第３の例と同じである。読み取られ
た原稿の画像データはメモリユニット部３０に格納され
るが、原稿の２枚目については、それと同時に１枚目の
用紙の表面にプリントされる。

【００８６】その後、１枚目の用紙が表裏反転された状
態で再給紙され、メモリユニット部３０から原稿の１枚
目の画像データが読み出されて同じ用紙の裏面にプリン
トされる。そして、メモリユニット部３０から原稿の２
枚目が読み出されて２枚目の用紙の表面にプリントさ
れ、それが再給紙され、メモリユニット部３０から原稿
の１枚目が読み出されて２枚目の用紙の裏面にプリント
される。

【００８７】第６の例は、２枚の片面原稿を２イン１モ
ードで用紙の片面に合成してシングルコピーする場合で
あり、原稿の長さは原稿読取り有効長さＬｍの２分の１
以下である。

【００８８】２枚の原稿が原稿ガラス１８上にセットさ
れ、それらが１回のスキャン動作によって読み取られ、
これと同時に、それぞれの画像が１枚目の用紙の前半部
と後半部にプリントされる。

【００８９】第７の例は、第６の例において２枚の用紙
にマルチコピーする場合である。２枚の原稿が読み取ら
れて１枚目の用紙の前半部と後半部にプリントされるま
では第６の例と同じである。そのプリントと同時に、２
枚の原稿の画像データがメモリユニット部３０に格納さ
れ、その後、メモリユニット部３０から画像データが読
み出されて２枚目の用紙の前半部と後半部にプリントさ
れる。

【００９０】このように、コピーモードに応じてメモリ
ユニット部３０の動作モードが選択され、また同一のコ
ピーモード中において動作モードが切り換えられ、又は
２つの動作が並列的に行われることにより、コピー速度
の向上が図られ、且つ複写機１の使い勝手が向上してい
る。

【００９１】また、メモリモード及び直結メモリ混在モ
ードにおいて、画像データＤ２を２値化し且つ圧縮して
符号メモリ３０６に格納しており、これによって少ない
メモリ容量で大量の画像データを蓄えることができる。
しかし、圧縮することなく、さらには２値化することな
く、画像データのままで適当なメモリに格納することも
可能である。

【００９２】次に、各動作モードにおける複写機１の全
体の動作シーケンスについて、各ＣＰＵ１０１〜１０６
の間で遣り取りされる要求コマンド（Ｑ）、レポート
（Ａ）、又はデータの流れを中心に説明する。なお以下
の図において、重要でない要求コマンド又はレポートが
省略されている場合がある。

【００９３】図９は直結モードにおける動作シーケンス
を示す図である。上述したように、直結モードにおいて
は、読取り装置ＩＲからの画像データによってプリンタ
装置ＰＲＴで同時にプリントが行われる。

【００９４】スタートキー９６を押すことによってＣＰ
Ｕ１０１からＣＰＵ１０５にスタート要求が出され、こ
れを受けて、ＣＰＵ１０５から１０２に対して読取り要
求が、ＣＰＵ１０４に対してプリント要求が、それぞれ
出され、ＣＰＵ１０４からＣＰＵ１０５に用紙の搬送状
態を知らせる給紙レポートが出される。

【００９５】読取り装置ＩＲの動作は、プリンタ装置Ｐ
ＲＴの動作に合わせるようになっているため、スキャナ
１９による実際の読み取りタイミングは、作像系７０に
おいて用紙が所定位置に達し印字可能な状態となったこ
とを示す露光準備完了がＣＰＵ１０４からＣＰＵ１０２
に出された後になる。

【００９６】露光準備完了が出されると、ＣＰＵ１０２
からＣＰＵ１０３に対してスキャン要求が出される。こ
れによってスキャンが開始され、原稿の画像領域に達す
ると、ＣＰＵ１０２により設定された画像処理モード
（例えば、変倍処理、α補正、画質補正処理など）に応
じて、読取りデータ（画像データ）がプリンタ装置ＰＲ
Ｔに出力され、用紙にプリントが行われる。

【００９７】スキャンによる読み取りが終了すると、Ｃ
ＰＵ１０３からＣＰＵ１０２にスキャン完了レポートが
出され、ＣＰＵ１０２からＣＰＵ１０５に対して読取り
完了レポートが出され、またＣＰＵ１０４からＣＰＵ１
０５にイジェクト完了レポートが出される。

【００９８】図１０はメモリモード書込み動作の動作シ
ーケンスを示す図である。上述したように、メモリモー
ド書込み動作では、読取り装置ＩＲから画像メモリ３０
４へ画像データが転送される。

【００９９】まず、全体のシーケンスを管理しているＣ
ＰＵ１０５からＣＰＵ１０６に対してメモリ準備要求を
出す。これを受けて、ＣＰＵ１０６は内部ハードウェア
に対し、画像信号処理部２０からの画像データＤ２を画
像メモリ３０４へ転送させるための切換え部３０１の接
続状態の設定、２値化処理のためのモード（例えば、誤
差分散法、地肌消去のための閾値、２値化閾値など）の
設定、画像メモリ３０４への書き込み領域の開始アドレ
ス及びＸＹレングス情報などの設定を行う。

【０１００】これらの設定が終わって準備が完了する
と、ＣＰＵ１０６からＣＰＵ１０５に対してメモリ準備
完了レポートを出す。これを受けて、ＣＰＵ１０５から
ＣＰＵ１０６及び１０２に対して読取り要求が出され、
さらにＣＰＵ１０２からＣＰＵ１０３に対してスキャン
要求が出され、これによってスキャンが開始される。

【０１０１】スキャンによって原稿の画像領域に達する
と、ＣＰＵ１０２により設定された画像処理モードに応
じて、読取りデータ（画像データＤ２）がメモリユニッ
ト部３０に出力される。

【０１０２】スキャンによる読み取りが終了すると、Ｃ
ＰＵ１０６及び１０２からＣＰＵ１０５に対して読取り
完了レポートがそれぞれ出される。その後、ＣＰＵ１０
５からＣＰＵ１０６に対して圧縮要求が出され、これを
受けて、ＣＰＵ１０６は、画像メモリ３０４からの読み
出しアドレス、ＸＹレングス情報、符号メモリ３０６へ
の書き込みアドレス、及び圧縮器３１１のモード（例え
ばＭＨ方式）などを設定し起動をかける。これによって
圧縮処理が行われ、符号データが符号メモリ３０６に格
納される。

【０１０３】圧縮処理が完了すると、ＣＰＵ１０６から
ＣＰＵ１０５に圧縮完了レポートが出される。図１１は
メモリモード読出し動作の動作シーケンスを示す図であ
る。

【０１０４】上述したように、メモリモード読出し動作
では、画像メモリ３０４から画像データが読み出されて
プリンタ装置ＰＲＴへ出力され用紙にプリントされる。
まず、ＣＰＵ１０５からＣＰＵ１０６に対して伸長要求
を出す。これを受けて、ＣＰＵ１０６は符号メモリ３０
６からの読み出しアドレス、データ量、画像データ３０
４への書き込みアドレス、ＸＹレングス情報、及び伸長
器３１２のモード（例えばＭＨ方式）などを設定し起動
をかける。これによって伸長処理が行われ、画像データ
が画像メモリ３０４に書き込まれる。

【０１０５】伸長処理が完了すると、ＣＰＵ１０６から
ＣＰＵ１０５に伸長完了レポートが出される。次に、Ｃ
ＰＵ１０５からＣＰＵ１０６に対し、画像メモリ３０４
から画像データを読み出すためのメモリ準備要求を出
す。これを受けて、ＣＰＵ１０６は内部ハードウェアに
対して、画像メモリ３０４から印字処理部４０へ画像デ
ータＤ３を出力するための切換え部３０１の接続状態の
設定、回転処理のための設定、画像メモリ３０４の読み
出し領域の開始アドレス及びＸＹレングス情報などの設
定を行う。

【０１０６】これらの設定が終わって準備が完了する
と、ＣＰＵ１０６からＣＰＵ１０５に対してメモリ準備
完了レポートを出す。これを受けて、ＣＰＵ１０５から
ＣＰＵ１０６及び１０４に対してプリント要求が出さ
れ、ＣＰＵ１０４からＣＰＵ１０５に用紙の搬送状態を
知らせる給紙レポートが出され、その後、画像メモリ３
０４から読み出された画像データＤ３がプリンタ装置Ｐ
ＲＴに出力され、プリントが行われる。

【０１０７】プリントが終了すると、ＣＰＵ１０６及び
ＣＰＵ１０４からＣＰＵ１０５に対してプリント完了レ
ポート及びイジェクト完了レポートが出される。これを
受けて、ＣＰＵ１０５は、動作モードとの関連からＣＰ
Ｕ１０６に対するメモリクリアー要求などを出す。

【０１０８】図１２は直結メモリ混在モードにおける動
作シーケンスを示す図である。直結メモリ混在モードに
おいては、読取り装置ＩＲからの画像データＤ２をプリ
ンタ装置ＰＲＴに出力してプリントを行うと同時に画像
メモリ３０４に格納する。ＣＰＵ１０５からＣＰＵ１０
６に対し、メモリ準備要求を出す。これを受けて、ＣＰ
Ｕ１０６は内部ハードウェアに対して種々の設定を行
う。それらの設定が終わって準備が完了すると、ＣＰＵ
１０６からＣＰＵ１０５に対してメモリ準備完了レポー
トを出す。これを受けて、ＣＰＵ１０５からＣＰＵ１０
６及び１０２に対して読取り要求が、ＣＰＵ１０４に対
してプリント要求が、それぞれ出される。

【０１０９】ＣＰＵ１０４からＣＰＵ１０５及び１０２
に給紙レポート又は露光準備完了が出されると、ＣＰＵ
１０２からＣＰＵ１０３に対してスキャン要求が出され
る。これによってスキャンが開始され、読取りデータ
（画像データ）がプリンタ装置ＰＲＴに出力されて用紙
にプリントが行われると同時に、２値化されて画像メモ
リ３０４に格納される。

【０１１０】スキャンによる読み取りが終了すると、Ｃ
ＰＵ１０６及び１０２からＣＰＵ１０５に対して読取り
完了レポートがそれぞれ出され、またＣＰＵ１０３から
ＣＰＵ１０２にスキャン完了レポートが出される。

【０１１１】図１３はメモリモード書込み動作とメモリ
モード読出し動作とが並行して行われたときの動作シー
ケンスを示す図である。この動作シーケンスは、上述し
たメモリモード書込み動作及びメモリモード読出し動作
を同時並行して行っているものであり、後述する図１６
に示す「４ー２Ｗ」「１ー２Ｒ」のような場合に行われ
る。なお、この動作シーケンスの内容は上述の図１０及
び図１１において説明したところと同様であるから、こ
こでの説明は省略する。

【０１１２】次に、具体的な例として、１０枚の両面原
稿からそれぞれ１枚ずつ合計１０枚の両面コピーを行う
場合について、タイミングチャートを参照して説明す
る。図１４〜図１９は複写機１におけるコピー動作の例
を示すタイミングチャートである。

【０１１３】これらの図において、枠内の数字は原稿の
番号と表裏の別（表面は１、裏面は２）、符号「Ｗ」は
画像メモリ３０４への書き込み動作、符号「Ｒ」は画像
メモリ３０４からの読み出し動作、排紙についての数字
は用紙の番号（原稿の番号と一致）をそれぞれ示す。

【０１１４】また、読取り装置ＩＲについての２重線部
分は原稿搬送部５００による原稿の搬送動作、プリンタ
装置ＰＲＴについての２重線部分はプリンタ装置ＰＲＴ
の内部の用紙搬送動作、１重線は待機状態をそれぞれ示
す。なお、データの圧縮処理動作、伸長処理動作、及び
ハードディスク３１０との間の転送処理は図示されてお
らず、それぞれ書き込み動作の後又は読み出し動作の前
に行われる。

【０１１５】まず、コピー動作が開始されると、第１番
の原稿が搬送され（所要時間ｔ１）、その表面が読み取
られてメモリモード書込み動作によって画像メモリ３０
４に格納され（所要時間ｔ２）、その原稿が搬送され
（所要時間ｔ３）、その裏面が読み取られて画像メモリ
３０４に格納される（所要時間ｔ２）。

【０１１６】第１番の原稿が排出されるとともに第２番
の原稿が搬送され（所要時間ｔ４）、その表面が読み取
られ、第１番の原稿の場合と同様に画像メモリ３０４に
格納される。

【０１１７】第３番の原稿の搬送中に、画像メモリ３０
４から第１番の原稿の表面の画像データがメモリモード
読出し動作によって読み出されて第１番の用紙の表面に
プリントされる（所要時間ｔ１１）。

【０１１８】そして、第２番の用紙が搬送され（所要時
間ｔ１２）、画像メモリ３０４から第２番の原稿の表面
の画像データが読み出されて第２番の用紙の表面に同様
にプリントされる。このとき、第３番の表面についてメ
モリモード読出し動作が行われており、その一部分につ
いて動作が並行して行われる。また、第４番の裏面の読
み取り（メモリモード書込み動作）と第１番の裏面のプ
リント（メモリモード読出し動作）、及び第８番の裏面
の読み取りと第５番の裏面のプリントは、それぞれ全部
が並行して行われる。

【０１１９】このタイミングチャートにおいて、ほとん
どの動作はメモリモードによって行われているが、第４
番と第８番の原稿を読み取る際には、つまり毎４枚目の
原稿を読み取る際には、動作モードが切り換えられて直
結モードによって動作し、原稿の読み取りと同時に用紙
へのプリントが行われる。第１番及び第５番の原稿の表
面にプリントを行う前に時間を要しているのは、上述の
直結モードを行うためのタイミング合わせのためであ
る。

【０１２０】これらの画像メモリ３０４への書き込み動
作及び読み出し動作は、それぞれのページに対して生成
されたタスクによって順番に実行される。直結モードで
は、読取り装置ＩＲとプリンタ装置ＰＲＴとが同期タイ
ミングで動作するのでタスクは生成されない。

【０１２１】なお、それぞれの所要時間の実測値の例
は、原稿サイズがＡ４Ｙである場合において、ｔ１＝
２．０５秒、ｔ２＝１．２７秒、ｔ３＝１．２５秒、ｔ
４＝２．１５秒、ｔ１１＝１．２７秒、ｔ１２＝１．２
６秒であり、１０枚の両面コピーに要した時間は約７５
秒であった。

【０１２２】これとの比較例として、第１番の表面、裏
面、第２番の表面、裏面、というように、第１番から順
番に原稿の搬送と反転及び用紙の再給紙を行って原稿の
読み取りとプリントとを同時に行う従来の両面コピーを
行った場合には、原稿の反転及び用紙の再給紙に多くの
時間を要するため、１０枚の両面コピーを終えるのに２
倍近い時間である１３５秒程度を要する。

【０１２３】また、例えば、読取り装置ＩＲが３０枚／
分、プリンタ装置ＰＲＴが３５枚／分の能力である場合
に、両面原稿の両面コピーを行うと、従来の複写機では
数枚／分程度まで能力が低下してしまうのに対し、本実
施例の複写機１では従来の数倍の能力が得られることと
なる。

【０１２４】このように、本実施例に係る複写機１で
は、読取り装置ＩＲとプリンタ装置ＰＲＴとがそれぞれ
独立して動作することが可能となっており、且つメモリ
ユニット部３０における書き込み（原稿の読み取り時）
と読み出し（プリント時）とを独立した回路ブロックで
行い、符号メモリ３０６を管理テーブルＭＴ１を用いて
動的に管理することによって、原稿の読み取りと用紙へ
のプリントとを並行して行うことが可能となっている。
そして、同一のコピーモード中において動作モードが切
り換えられることとあいまって、コピー速度が速くなり
生産性の向上が図られている。

【０１２５】次に、フローチャートに基づいて複写機１
の動作を説明する。説明の順序は、ＣＰＵ１０１〜１０
８の実行するメインルーチンを順番に説明し、その後、
各メインルーチンにおいて実行されるサブルーチンにつ
いて説明する。

【０１２６】図２０はＣＰＵ１０１のメインルーチンの
フローチャートである。初期設定を行った後（ステップ
＃１１）、内部タイマーをスタートさせてルーチンの時
間が一定となるように監視し（ステップ＃１２，１
６）、操作パネルＯＰなどに対して入力制御処理及び表
示制御処理を行い（ステップ＃１３，１４）、その他の
処理を行う（ステップ＃１５）。なお、割り込み処理に
よって他のＣＰＵ１０２〜１０８との通信を行う。

【０１２７】図２１はＣＰＵ１０２のメインルーチンの
フローチャートである。画像データの入力処理を行った
後（ステップ＃２３）、光電変換素子１６，１７の位置
のズレによる時間差を合わすための位置合わせ処理を行
い（ステップ＃２４）、変倍などに応じた各種の画像処
理を行い（ステップ＃２６）、メモリユニット部３０へ
の画像データの出力処理を行い（ステップ＃２７）、そ
の他の処理を行う（ステップ＃２８）。

【０１２８】図２２はＣＰＵ１０３のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０３は走査系１０を制
御する。原稿の長さＬｄと原稿ガラス１８上にセットさ
れた原稿の枚数とに基づいて目標距離Ｌｔを演算し、ス
キャナ１９をホームポジションＨＰから左方に向けて目
標距離Ｌｔだけ定速で移動させる走査制御を実行する
（ステップ＃３４）。

【０１２９】また、スキャンモータＭ２の回転に同期し
て発生するモータパルスによるモータパルス割り込みが
発生すると、そのモータパルスの割り込み間隔時間の測
定（ステップ＃３７）、モータへの通電のオンオフ（ス
テップ＃３８）、モータパルス数のカウント（ステップ
＃３９）などを行う。

【０１３０】図２３はＣＰＵ１０４のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０４はプリンタ装置Ｐ
ＲＴを制御する。現像転写系７０Ａを制御し（ステップ
＃４３）、搬送系７０Ｂを制御し（ステップ＃４４）、
定着系７０Ｃを制御し（ステップ＃４５）、印字処理部
４０を制御し（ステップ＃４６）、その他の処理を行う
（ステップ＃４７）。

【０１３１】上述のステップ＃４４の制御では、サイズ
検出センサＳＥ１１，１２によって用紙サイズを検出し
た後、再給紙パス長、用紙間距離、及び用紙サイズをＣ
ＰＵ１０４で演算し、演算結果から再給紙パスへのスタ
ック可能枚数Ｍの決定が行われる。なお、再給紙パス長
及び用紙間距離は一定であるから、検出された用紙サイ
ズから通紙パスの枚数が決定される。

【０１３２】図２４はＣＰＵ１０５のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０５は、他のＣＰＵに
対して、起動、停止のコマンド及び動作モードのセット
などを行い、複写機１の全体の動作を制御する。割り込
みによる通信で入力されたデータをチェックした後に内
容を解析し（ステップ＃５３）、その内容に応じて、次
に動作させるものがある場合又は倍率が変更された場合
など、起動のコマンド又は倍率のモードデータなどを新
たに設定するモード／コマンド設定処理を行い（ステッ
プ＃５４）、通信によって出力するためにそのデータを
出力エリアにセットする（ステップ＃５５）。

【０１３３】図２５はＣＰＵ１０６のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０６はメモリユニット
部３０を制御する。他のＣＰＵからのコマンド受信処理
を行い（ステップ＃６２）、ステータス送信処理を行い
（ステップ＃６３）、画像メモリ３０４への書込み制御
を行い（ステップ＃６４）、圧縮制御を行い（ステップ
＃６５）、伸長制御を行い（ステップ＃６６）、画像メ
モリ３０４からの読出し制御を行う（ステップ＃６
７）。

【０１３４】図２６はＣＰＵ１０７のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０７は原稿搬送部５０
０を制御する。オートスキャンモードである場合には
（ステップ＃７３でイエス）、原稿を捌いて斜行を補正
するとともにセット可能枚数ＥＣＮＴに等しい枚数の原
稿を搬送ベルト５０６まで連続的に給送する片面原稿自
動給紙処理を行い（ステップ＃７４）、そうでない場合
には、１毎の原稿を捌いて斜行を補正し搬送ベルト５０
６までの給送を制御する通常の原稿給紙処理を行う（ス
テップ＃７５）。

【０１３５】そして、搬送ベルト５０６によって原稿ガ
ラス１８上の所定の読み取り位置に原稿を位置決めする
とともに、原稿の読み取り後に、搬送ベルト５０６によ
って原稿を反転ローラ５０７まで搬送するように制御を
行う原稿搬送処理を行う（ステップ＃７６）。さらに、
反転ローラ５０７に達した原稿をそのまま排出するか又
は搬送ベルト５０６の方へ再度搬送するかなどを制御す
る原稿反転排出処理を行う（ステップ＃７７）。

【０１３６】図２７はＣＰＵ１０８のメインルーチンの
フローチャートである。ＣＰＵ１０８は再給紙部６００
を制御する。作像系７０から排出されてきたプリント済
の用紙の裏面にプリントを行うために一旦収納するか又
は排出トレイ６２１へそのまま排出する収納排出処理を
行い（ステップ＃８３）、収納された用紙の表裏を反転
する反転処理を行う（ステップ＃８４）。

【０１３７】なお、収納排出処理において、作像系７０
から用紙が排出されているか否かは、その排出口に設け
られた排出センサＳＥ６２によって検出し、排出中にお
いては搬送ローラ６０２を回転し排出が終われば一定の
時間後に搬送ローラ６０２を停止する。

【０１３８】また、反転処理において、反転センサＳＥ
６１が用紙を検出している間は反転ローラ６０３を正転
させ、反転センサＳＥ６１がオフとなった時点で反転ロ
ーラ６０３を逆転させ、一定時間後に停止する。

【０１３９】図２８及び図２９はステップ＃２７の画像
データ出力処理のフローチャートである。まず、スキャ
ナ１９による走査（スキャン動作）の開始前において
（ステップ＃１２１でノー）、原稿ガラス１８上にセッ
トするために給送されている原稿の枚数を示すカウンタ
ＮＣＮＴの値をカウンタＤｎにセットし（ステップ＃１
３３）、原稿と原稿の境界の区切り位置を示すカウンタ
ＬＤには、Ｄｎ番目の原稿の長さをセットする（ステッ
プ＃１３４）。したがって、この場合には、原稿ガラス
１８上に最後にセットされた原稿の長さがセットされ
る。

【０１４０】さて、スキャナ１９による走査中において
は（ステップ＃１２１でイエス）、シングルコピーであ
り且つブックコピーモードである場合に（ステップ＃１
２２，１２３でイエス）、全原稿長の前半の画像データ
は画像メモリ３０４に書き込み（ステップ＃１２５）、
後半の画像データはメモリユニット部３０を経てプリン
タ装置ＰＲＴへ出力する（ステップ＃１２９）。

【０１４１】ブックコピーモードでない場合には（ステ
ップ＃１２３でノー）、原稿ガラス１８上にセットされ
た原稿が１枚であるか（ステップ＃１２６でノー）又は
２イン１モードであれば（ステップ＃１２８でイエ
ス）、画像データをプリンタ装置ＰＲＴへ出力する。原
稿が複数枚であり且つ２イン１モードでなければ、１枚
目の原稿については（ステップ＃１３０でイエス）画像
データをプリンタ装置ＰＲＴに出力し、２枚目以降は画
像メモリ３０４に書き込む。

【０１４２】さらに、スキャナ１９による走査中におい
て、ブックモードである場合には（ステップ＃１４１で
イエス）、スキャナ１９が全原稿長の２分の１の位置及
び全原稿長の位置に達したときに（ステップ＃１４２，
１４４）、ページ終了信号を発生する（ステップ＃１４
５）。このとき、スキャナ１９が全原稿長の位置に達し
たときに走査の終了を指示する（ステップ＃１４３）。

【０１４３】ブックモードでない場合には（ステップ＃
１４１でノー）、スキャナ１９の走査長がカウンタＬＤ
の値と等しくなっったとき、すなわちスキャナ１９が各
原稿の境界に達したとき（ステップ＃１４６でイエス）
に、ページ終了信号を発生する（ステップ＃１４５）。
このとき、カウンタＤｎの値を１つ減算し（ステップ＃
１４７）、そのときのＤｎ番目の原稿の長さをカウンタ
ＬＤに加算する（ステップ＃１４９）。これをカウンタ
Ｄｎの値が「０」になるまで繰り返し、カウンタＤｎの
値が「０」になると（ステップ＃１４８でノー）、走査
の終了を指示する（ステップ＃１４３）。

【０１４４】これによって、原稿ガラス１８上にセット
された全ての原稿に対してページ終了信号が発生され
る。図３０はステップ＃６２のコマンド受信処理のフロ
ーチャートである。

【０１４５】コマンド受信が有ると（ステップ＃３０１
でイエス）、それが読み取りコマンドである場合には画
像メモリ３０４の書き込みステートを「１」とし（ステ
ップ＃３０２，３０３）、圧縮コマンドであれば圧縮ス
テートを「１」とし（ステップ＃３０４，３０５）、伸
長コマンドであれば伸長ステートを「１」とし（ステッ
プ＃３０６，３０７）、プリントコマンドであれば読み
出しステートを「１」とする（ステップ＃３０８，３０
９）。

【０１４６】図３１はステップ＃６３のステータス送信
処理のフローチャートである。送信ステータスが有る場
合に、それを送信する（ステップ＃３２１，３２２）。

【０１４７】図３２はステップ＃６４の画像メモリ書込
み制御処理のフローチャートである。ステート「１」
で、画像メモリ３０４への書き込み開始アドレス、ＸＹ
レングス情報、画像処理パラメータなどを設定し（ステ
ップ＃３３２）、メモリ準備完了ステータスをセットし
（ステップ＃３３３）、ステートを「２」とする（ステ
ップ＃３３４）。

【０１４８】ステート「２」では、画像メモリ３０４へ
の書き込みが終了すると（ステップ＃３３５でイエ
ス）、読み取り完了ステータスをセットし（ステップ＃
３３６）、ステートを「０」とする（ステップ＃３３
７）。

【０１４９】図３３はステップ＃６５の圧縮制御処理の
フローチャートである。ステート「１」で、画像メモリ
３０４からの読み出しアドレス、ＸＹレングス情報、符
号メモリ３０６への書き込みアドレス、及び圧縮方式な
ど、圧縮処理のための設定を行い、これにともなって管
理テーブルＭＴ１の内容を変更し（ステップ＃３５
２）、圧縮処理を開始してステートを「２」とする（ス
テップ＃３５３）。

【０１５０】ステート「２」では、３２Ｋバイト毎に区
分された１つのメモリ領域分の圧縮処理が終了する毎に
設定を行い（ステップ＃３５８）、１ぺージ分の圧縮処
理が終了すると圧縮完了ステータスをセットし（ステッ
プ＃３５６）、ステートを「０」とする（ステップ＃３
５７）。

【０１５１】図３４はステップ＃６６の伸長制御処理の
フローチャートである。ステート「１」で、指定された
ページが既に圧縮済か否かを判断し（ステップ＃３７
２）、イエスであればメモリユニット部３０の設定を行
い（ステップ＃３７３）、伸長処理を開始してステート
を「２」とする（ステップ＃３７４）。

【０１５２】ステップ＃３７２でノーであれば、伸長エ
ラーステータスをセットし（ステップ＃３７５）、ステ
ートを「０」とする（ステップ＃３７６）。ステート
「２」では、伸長処理が終了したときに伸長完了ステー
タスをセットし（ステップ＃３７７，３７８）、ステー
トを「０」とする（ステップ＃３７９）。

【０１５３】図３５はステップ＃６７の画像メモリ読出
し制御処理のフローチャートである。ステート「１」
で、画像メモリ３０４への読み出し開始アドレス、デー
タ量、その他のパラメータを設定し（ステップ＃３９
２）、ステートを「２」とする（ステップ＃３９３）。

【０１５４】ステート「２」では、画像メモリ３０４か
らの読み出しが終了すると（ステップ＃３９４でイエ
ス）、プリント完了ステータスをセットし（ステップ＃
３９５）、ステートを「０」とする（ステップ＃３９
６）。

【０１５５】図３６はステップ＃７４の片面原稿自動給
紙処理のフローチャートである。まず、このルーチンの
状態を示すフラグＦＦが「０」のときには（ステップ＃
７６１でイエス）、オペレータの操作によるコピースタ
ートを待って（ステップ＃７６２）、カウンタＳＰ，Ｓ
Ｒ，ＳＦをクリアする（ステップ＃７６３）。これらの
カウンタＳＰ，ＳＲ，ＳＦは、ステップ＃７７１〜７７
３のサブルーチンにおいて用いられる。

【０１５６】原稿の長さＬｄを測定するための原稿長カ
ウンタを「０」にし（ステップ＃７６４）、１回の走査
動作で読み取られるよう現在までに給送されている原稿
の枚数を示すカウンタＮＣＮＴを「０」にし（ステップ
＃７６５）、セット可能枚数ＥＣＮＴを「１」とし（ス
テップ＃７６６）、フラグＦＦを「１」とする（ステッ
プ＃７６７）。

【０１５７】フラグＦＦが「１」になると（ステップ＃
７６１でノー）、原稿給紙ローラ制御処理、レジストロ
ーラ制御処理、搬送ベルト制御処理が実行される（ステ
ップ＃７７１〜７７３）。

【０１５８】図３７はステップ＃７７１の原稿給紙ロー
ラ制御処理のフローチャートである。このルーチンで
は、原稿の給紙の開始からレジストセンサＳＥ５１まで
の給送、及び原稿の長さの測定による連続給送枚数（セ
ット可能枚数）の判断を行う。カウンタＳＰの値により
処理が進行する。

【０１５９】また、原稿搬送部５００は図示しないモー
タによって駆動され、各ローラ及び搬送ベルトの駆動は
モータの駆動をクラッチを介して伝達することにより行
われる。各ローラの回転量すなわち原稿の搬送量は、当
該モータの回転量をモータパルスより演算することによ
って得られる。モータパルスカウンタは原稿の搬送距離
を計測することになる。

【０１６０】原稿が有る場合に（ステップ＃８０２でイ
エス）、カウンタＮＣＮＴの値がセット可能枚数ＥＣＮ
Ｔに達するまでは（ステップ＃８０３でイエスとなるま
では）、給紙ローラ５０１及び中間ローラ５０４を回転
させるとともに（ステップ＃８０７）、カウンタＮＣＮ
Ｔのインクリメントを行っておく（ステップ＃８０
８）。

【０１６１】原稿センサＳＥ５３がオンしてから（ステ
ップ＃８２２でイエス）、モータパルスカウンタＳＰＣ
１で規定される一定距離を搬送すると（ステップ＃８２
７でイエス）、給紙ローラ５０１を停止する（ステップ
＃８２８）。

【０１６２】また、原稿センサＳＥ５３のオンしている
間は（ステップ＃８２２でイエス、ステップ＃８３１で
ノー）、原稿長カウンタが加算動作を行い（ステップ＃
８２４）、原稿の長さを測定する。原稿長カウンタに
は、ステップ＃７６４又はステップ＃８０５でクリアさ
れる以外は、測定値が積算される。これによって、１回
の走査で読み取られる原稿の合計長さを測定することに
なる。

【０１６３】したがって、原稿長カウンタの値が原稿読
取り有効長さＬｍ（＝４３２ｍｍ）を越えた場合には
（ステップ＃８３３でノー）、原稿の正常な読み取りが
できないのでその旨を警告し、それまでに給送した原稿
を排出させる（ステップ＃８３６）。

【０１６４】原稿が１枚目の場合には（ステップ＃８３
４でイエス）、測定した原稿の長さからセット可能枚数
ＥＣＮＴを求める（ステップ＃８３５）。原稿が給送さ
れることによってカウンタＮＣＮＴの値がセット可能枚
数ＥＣＮＴに達した後（ステップ＃８０３でイエス）、
原稿ガラス１８上にセットされている原稿の排出が開始
されると（ステップ＃８０４でイエス）、原稿長カウン
タ及びカウンタＮＣＮＴをクリアし（ステップ＃８０
５，８０６）、次の原稿の給送を開始する。

【０１６５】原稿が無くなって（ステップ＃８０２でノ
ー）、カウンタＳＲ，ＳＦが両方とも「０」であれば
（ステップ＃８１１でイエス）、フラグＦＦを「０」と
する（ステップ＃８１２）。

【０１６６】図３８はステップ＃７７２のレジストロー
ラ制御処理のフローチャートである。このルーチンで
は、上述の原稿給紙ローラ制御処理によって給送されて
きた原稿に対して、レジストローラ５０５の回転停止を
制御することによってその斜行を補正し、搬送ベルト５
０６まで給送する制御を行う。カウンタＳＲの値により
処理が進行する。

【０１６７】搬送中の原稿の先端がレジストローラ５０
５に達してレジストセンサＳＥ５１がオンした後も（ス
テップ＃８４２でイエス）、原稿の先端がレジストロー
ラ５０５に当接した状態で搬送が継続され、これによっ
て原稿がループを形成する。モータパルスカウンタＳＲ
Ｃ１で規定される距離分の搬送が行われた後（ステップ
＃８４６でイエス）、レジストローラ５０５が回転する
（ステップ＃８４７）。

【０１６８】原稿がレジストセンサＳＥ５１を通過して
から（ステップ＃８５２でイエス）、モータパルスカウ
ンタＳＲＣ２で規定される距離分の搬送が行われてその
後端がレジストローラ５０５を通過した後（ステップ＃
８５５でイエス）、レジストローラ５０５が停止する
（ステップ＃８５６）。

【０１６９】図３９はステップ＃７７３の搬送ベルト制
御処理のフローチャートである。このルーチンでは、レ
ジストローラ５０５を通過してきた原稿を原稿ガラス１
８上に搬送する。必要に応じて原稿を逆方向に搬送して
原稿の後端をレジストローラ５０５に接触した状態で待
機させ、次の原稿と連続した状態で搬送するための準備
を行う。原稿ガラス１８上への位置決めはステップ＃７
６の原稿搬送処理によって行われる。ここではカウンタ
ＳＦの値により処理が進行する。

【０１７０】レジストローラ制御処理におけるカウンタ
ＳＲの値が「１」から「２」になったときに、すなわち
レジストローラ５０５の回転開始とともに（ステップ＃
８６２でイエス）、搬送ベルト５０６が正転して原稿を
左方（正方向）へ搬送する（ステップ＃８６３）。

【０１７１】続いて、カウンタＳＲの値が「３」から
「０」になってレジストローラ５０５が停止した時点で
（ステップ＃８６６でイエス）、次の原稿が給送されて
いない場合、すなわちカウンタＳＰが「０」であれば
（ステップ＃８６７でノー）、ここでの処理は終了す
る。その後は原稿搬送処理ルーチンによって原稿ガラス
１８上での位置決めが行われ、読み取り位置にセットさ
れる。

【０１７２】次の原稿が給送されていた場合には（ステ
ップ＃８６７でイエス）、搬送ベルト５０６を逆転させ
（ステップ＃８６８）、原稿をモータパルスカウンタＳ
ＦＣ１で規定される距離分だけ逆方向に搬送して停止す
る（ステップ＃８６９，８７２，８７３）。このとき、
原稿の後端はレジストローラ５０５に接触した状態とな
っている。次の原稿がレジストローラ５０５に達する
と、ステップ＃８６３以降の処理によって、その原稿と
ともに原稿ガラス１８上へ搬送される。

【０１７３】このように、上述の実施例の複写機１にお
いては、メモリユニット部３０を始めとする制御部１０
０のハード回路ブロック及びソフト構造によって、メモ
リモード書込み動作とメモリモード読出し動作とを独立
且つ並行に行えるようにし、また直結モードとメモリモ
ードをコピー動作中に切り換えたり直結メモリ混在モー
ドを実行することによって、複数枚の原稿をより高速に
コピーすることが可能となり、複写機による生産性の向
上が図られている。

【０１７４】上述の実施例において、メモリユニット部
３０に設けられた画像メモリ３０４は、書込み動作と読
み出し動作をそれぞれ同時に独立して行えるものであれ
ば、複数のメモリチップを用いてもよく、また１つのメ
モリチップの領域を分割して用いてもよい。

【０１７５】上述の実施例においては、オートスキャン
モードにおいてセット可能枚数ＥＣＮＴを自動的に算出
するようにしたが、原稿ガラス１８上へのセット枚数を
手動で設定するように切り換え可能としてもよい。そう
することによって、原稿のセットの仕方によっては原稿
にダメージを与える恐れのある場合などにおいて、オペ
レータの意思によってセット枚数を減らし、スピード優
先から原稿の保護優先に切り換えることができる。

【０１７６】上述の実施例において、原稿が原稿センサ
ＳＥ５３を通過する間のパルス数をカウントして原稿の
長さを測定したが、これ以外の種々のセンサ又は機器を
用いて原稿の長さを測定することができる。また、操作
パネルＯＰから入力された定型サイズなどから原稿の長
さを検出してもよい。スキャナ１９に代えて、密着型の
イメージセンサを搭載した読取りユニットなどを用いて
もよい。

【０１７７】上述の実施例において、メモリユニット部
３０を始めとする制御部１００の回路構成、各ＣＰＵ１
０１〜１０８の処理内容、処理分担、ソフト構造、走査
系１０、原稿搬送部５００、その他複写機１の各部の構
造などは、本発明の主旨に反しない範囲で種々変更する
ことができる。

【０１７８】

【発明の効果】本発明によると、多数枚の原稿を読み取
るのに必要な時間を短縮することができる。したがっ
て、複写機に用いた場合にはコピー速度を向上させるこ
とができる。

【０１７９】請求項２の発明によると、記憶手段に記憶
された画像データをコピーモードに応じて適当な順に読
み出すことによって、種々のモードのプリント動作など
をより高速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る複写機の全体の構成を示す断面正
面図である。

【図２】操作パネルの正面図である。

【図３】複写機の制御部の構成を示すブロック図であ
る。

【図４】複写機の制御部の構成を示すブロック図であ
る。

【図５】メモリユニット部のブロック図である。

【図６】メモリユニット部の切換え部のブロック図であ
る。

【図７】管理テーブルと符号メモリとの関係を示す図で
ある。

【図８】オートスキャンモードにおける原稿の読み取り
から通常モードにおけるプリント後の用紙の排出までの
概略の流れの一例を示す図である。

【図９】直結モードにおける動作シーケンスを示す図で
ある。

【図１０】メモリモード書込み動作の動作シーケンスを
示す図である。

【図１１】メモリモード読出し動作の動作シーケンスを
示す図である。

【図１２】直結メモリ混在モードにおける動作シーケン
スを示す図である。

【図１３】メモリモード書込み動作とメモリモード読出
し動作とが並行して行われたときの動作シーケンスを示
す図である。

【図１４】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図１５】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図１６】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図１７】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図１８】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図１９】複写機におけるコピー動作の例を示すタイミ
ングチャートである。

【図２０】ＣＰＵ１０１のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２１】ＣＰＵ１０２のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２２】ＣＰＵ１０３のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２３】ＣＰＵ１０４のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２４】ＣＰＵ１０５のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２５】ＣＰＵ１０６のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２６】ＣＰＵ１０７のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２７】ＣＰＵ１０８のメインルーチンのフローチャ
ートである。

【図２８】画像データ出力処理のフローチャートであ
る。

【図２９】画像データ出力処理のフローチャートであ
る。

【図３０】コマンド受信処理のフローチャートである。

【図３１】ステータス送信処理のフローチャートであ
る。

【図３２】画像メモリ書込み制御処理のフローチャート
である。

【図３３】圧縮制御処理のフローチャートである。

【図３４】伸長制御処理のフローチャートである。

【図３５】画像メモリ読出し制御処理のフローチャート
である。

【図３６】片面原稿自動給紙処理のフローチャートであ
る。

【図３７】原稿給紙ローラ制御処理のフローチャートで
ある。

【図３８】レジストローラ制御処理のフローチャートで
ある。

【図３９】搬送ベルト制御処理のフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１８原稿ガラス（原稿台）１９スキャナ（走査手段）３０メモリユニット部（記憶手段）１０３ＣＰＵ（走査制御手段）１０７ＣＰＵ（セット枚数算出手段、原稿搬送制御手
段）５００原稿搬送部（原稿搬送手段）ＩＲ読取り装置（画像読取り装置）ＳＥ５３原稿センサ（原稿長検出手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者中島昭夫大阪府大阪市中央区安土町２丁目３番13号大阪国際ビルミノルタカメラ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】原稿を搬送して原稿台上の読取り位置にセ
ットする原稿搬送手段と、読取り位置にセットされた原
稿を走査して読み取るための走査手段と、原稿を読み取
って得た画像データを記憶する記憶手段とを有してなる
画像読取り装置において、前記原稿の長さを検出する原稿長検出手段と、前記原稿台の長さと原稿の長さとから、当該原稿台上に
セット可能な原稿の枚数を算出するセット枚数算出手段
と、算出された枚数の原稿を前記原稿台上に並べてセットす
るように前記原稿搬送手段を制御する原稿搬送制御手段
と、前記原稿台上にセットされた複数枚の原稿の全部を１回
の走査によって読み取るように前記走査手段を制御する
走査制御手段とを有してなることを特徴とする画像読取
り装置。
【請求項２】前記画像データを前記記憶手段に記憶する
際に、各原稿の始端又は終端を識別するための識別信号
を発生させ、この識別信号によって各原稿の画像データ
を個別に管理するようにしたことを特徴とする請求項１
記載の画像読取り装置。