JPH05179431A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH05179431A
JPH05179431A JP149192A JP149192A JPH05179431A JP H05179431 A JPH05179431 A JP H05179431A JP 149192 A JP149192 A JP 149192A JP 149192 A JP149192 A JP 149192A JP H05179431 A JPH05179431 A JP H05179431A
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JP
Japan
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filament
crucible
potential
heating
thin film
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Pending
Application number
JP149192A
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English (en)
Inventor
Hiromoto Ito
弘基 伊藤
Yoshifumi Minowa
芳文 美濃和
Teruo Ina
照夫 伊奈
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、脱ガスによる成膜中の真空度の低
下を防止して、高品質な薄膜を成膜することを目的とす
るものである。 【構成】 坩堝3に印加される正のバイアス電位をイオ
ン化フィラメント10の電位よりも高くして、イオン化フ
ィラメント10から放出される熱電子を坩堝3に直接照射
するようにし、かつ加速電極15a及び熱シールド板7の
電位を加熱用及びイオン化フィラメント6,10の電位以
下にして、加速電極15a及び熱シールド板7が加熱され
るのを防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄膜形成装置、特に
クラスターイオンビーム蒸着法(ICB法)により高品
質の薄膜を蒸着形成する薄膜形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から光学薄膜,磁性膜及び絶縁膜な
どの高品質な薄膜がICB法により形成されている。図
3は例えば特公昭54−9592号公報に示されている
従来のICB法による薄膜形成装置を模式的に示す構成
図である。図において、1は内部が所定の真空度に保持
されている真空槽、2はこの真空槽1を真空状態に排気
する真空排気系、3は真空槽1内に置かれた密閉型の坩
堝であり、この坩堝3の上部には、少なくとも一つのノ
ズル4が設けられている。5は坩堝3内に充填されてい
る蒸着物質、6は坩堝3を加熱する加熱用フイラメン
ト、7はこの加熱用フイラメント6からの熱を遮る熱シ
ールド板、8はノズル4から蒸着物質を噴出させて形成
したクラスター(塊状原子集団)、9は坩堝3,加熱用
フイラメント6及び熱シールド板7により構成されてい
る蒸気発生源である。
【0003】10はクラスター8の通路の周囲に設けられ
熱電子(電子ビーム)を放出するイオン化フィラメン
ト、11はこのイオン化フィラメント10から熱電子を引き
出し加速する電子ビーム引出電極、12はイオン化フィラ
メント10の熱を遮る熱シールド板、13はイオン化フィラ
メント10,電子ビーム引出電極11及び熱シールド板12に
より構成されているイオン化手段である。
【0004】14はイオン化手段13によってイオン化され
たイオン化クラスター、15a及び15bはイオン化クラス
ター14を電界で加速して運動エネルギーを付与する加速
電極及びアース電極、16は真空槽1内にセットされ表面
に薄膜が形成される基板である。
【0005】17は加熱用フィラメント6を加熱する第1
交流電源、18は坩堝3の電位を加熱用フィラメント6に
対して正にバイアスする第1直流電源、19はイオン化フ
ィラメント10を加熱する第2交流電源、20はイオン化フ
ィラメント10を電子ビーム引出電極11に対して負にバイ
アスする第2直流電源、21は坩堝3,電子ビーム引出電
極11及び加速電極15aをアース電極15bに対して正にバ
イアスする第3直流電源、22は第1交流電源17,第1直
流電源18,第2交流電源19,第2直流電源20及び第3直
流電源21を有する電源装置である。
【0006】次に、動作について説明する。まず、真空
槽1を10-6Torr程度の真空度になるまで真空排気系
2によって排気する。次に、加熱用フィラメント6から
放出される熱電子を第1直流電源18で印加される電界に
よって引き出し、この引き出された熱電子を坩堝3に衝
突させ、内部の蒸気圧が数Torrになる温度まで坩堝
3を加熱する。この加熱によって、坩堝3内の蒸着物質
5の蒸気は、ノズル4から真空槽1中に噴射される。こ
の蒸着物質5の蒸気は、ノズル4を通過する際、断熱膨
張により加速冷却されて凝縮し、これによりクラスター
8と呼ばれる塊状原子集団が形成される。
【0007】このクラスター8の一部は、イオン化フィ
ラメント10から放出される電子ビームによってイオン化
されて、イオン化クラスター14となる。このイオン化ク
ラスター14(及びイオン化された蒸気)は、アース電極
15bで印加される電界により加速され、イオン化されて
いない中性のクラスター8(及び蒸気)とともに基板16
の表面に衝突する。この結果、基板16上に薄膜が形成さ
れる。
【0008】なお、電源装置22内の各直流電源の機能は
次のとおりである。第1直流電源18は、加熱用フィラメ
ント6から放出された熱電子を坩堝3に衝突させる。第
2直流電源20は、イオン化フィラメント10から放出され
た熱電子を電子ビーム引出電極11内部に引き出す。第3
直流電源21は、加速電極15aとアース電極15bとの間に
形成される電界レンズによって、正電荷のイオン化クラ
スター14を加速制御する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の薄膜形成装置においては、坩堝3の温度を上げ
るために加熱用フィラメント6から放出される熱電子を
増加させて行くと、この引き出された熱電子が坩堝3だ
けでなく、坩堝3と同電位である電子ビーム引出電極11
や加速電極15aにも入射して、これらが高温に加熱され
るため、電子ビーム引出電極11や加速電極15aからの脱
ガスが多くなり、成膜中の真空度が低下し、その結果基
板16上に形成される膜の品質が悪くなったり、電子ビー
ム引出電極11及び加速電極15aの寿命が短くなったりす
るなどの問題点があった。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、坩堝以外の部
分が不必要に加熱されるのを防止でき、これにより高い
蒸着速度でしかも高品質な薄膜を成膜することができ、
かつ部品寿命を長くすることができる薄膜形成装置を得
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る薄膜形成
装置は、イオン化フィラメントから放出される熱電子を
坩堝に直接照射するようにし、かつ加速電極の電位を加
熱用及びイオン化フィラメントの電位以下にしたもので
ある。
【0012】
【作用】この発明においては、イオン化フィラメントか
ら放出される熱電子を坩堝に直接照射することにより、
電子ビーム引出電極を省略し、また加速電極の電位を加
熱用及びイオン化フィラメントの電位以下にすることに
より、加速電極の加熱を防止し、坩堝のみを高温に加熱
する。
【0013】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の一実施例による薄膜形成装置を示
す構成図であり、図3と同一又は相当部分には同一符号
を付し、その説明を省略する。図において、23は加熱用
フィラメント6に対して加速電極15a及び熱シールド板
7を負の電位にバイアスする第4直流電源、24は各直流
電源18,20,21,23及び各交流電源17,19からなる電源
装置である。また、この実施例では、イオン化フィラメ
ント10から放出される熱電子が坩堝3の上部に直接照射
されるようになっており、従来用いていた電子引出電極
11が省略されている。
【0014】以上のように構成されているこの実施例の
薄膜形成装置においては、従来装置と同様に、真空槽1
内を真空排気系2によって排気した後、加熱用フィラメ
ント6により坩堝3を加熱することにより、クラスター
8が形成される。このクラスター8の一部は、イオン化
フィラメント10からノズル4の周囲に向けて照射された
電子ビームによってイオン化され、イオン化クラスター
14となる。このイオン化クラスター14(及びイオン化さ
れた蒸気)は、加速電極15a及びアース電極15bで印加
される電界により加速され、イオン化されていない中性
のクラスター8(及び蒸気)とともに基板16の表面に衝
突する。この結果、基板16上に薄膜が形成される。
【0015】ここで、普通の動作領域では、第1直流電
源18によって加熱用フィラメント6に印加される電圧
が、第2直流電源20によってイオン化フィラメント10に
印加される電圧より大きいため、イオン化フィラメント
10の電位は、加熱用フィラメント6の電位より高く保た
れる。従って、イオン化フィラメント10の電位は、加速
電極15aや熱シールド板7の電位よりも高くなる。
【0016】ここで、分かりやすくするために、坩堝3
の電位をEc、イオン化フィラメント10の電位をEi、
加熱用フィラメント6の電位をEh、熱シールド板7の
電位をEs、加速電極15aの電位をEaとすると、上記
の動作領域での各電位は、Ec>Ei>Eh>Es=E
aのように保たれる。
【0017】このように、上記実施例では、加熱用及び
イオン化フィラメント6,10から放出された熱電子は坩
堝3のみに入射して、加速電極15aが加熱されることは
なく、また従来例の電子引出電極11は省略されているの
で、坩堝3のみが効率良く高温に加熱され、脱ガスによ
る真空度の低下が防止され、高品質な薄膜が形成され
る。また、加速電極15aの寿命を長くすることもでき
る。また、イオン化フィラメント10から照射された熱電
子によっても坩堝3が加熱されるので、小さな電力で坩
堝3を高温に加熱することができる。
【0018】また、上記実施例では熱シールド板7の電
位も両フィラメント6,10の電位より低くしたので、熱
シールド板7の加熱も防止され、より効果的である。
【0019】なお、第4直流電源23の印加電圧は0であ
っても同様な効果が期待できる。このときの動作領域で
の各電位は、Ec>Ei>Eh=Es=Eaのように保
たれる。
【0020】実施例2.図2はこの発明の他の実施例に
よる薄膜形成装置を示す構成図である。図において、25
はイオン化フィラメント10に対して加速電極15a及び熱
シールド板7を負の電位にバイアスする第5直流電源、
26は各直流電源18,20,21,25及び各交流電源17,19か
らなる電源装置である。他の部分は、実施例1と同様で
ある。
【0021】この実施例の装置は、特に高い蒸気圧を持
つ蒸着物質5を蒸着する場合の装置であり、第1直流電
源18の印加電圧を0にして加熱用フィラメント6の輻射
熱により坩堝3を加熱する場合でも、第1直流電源18に
バイアス電圧を印加して熱電子により坩堝3を加熱する
場合でも、イオン化フィラメント10の電位が加熱用フィ
ラメント6の電位より低く保たれる。
【0022】従って、このときの動作領域での各電位
は、Ec≧Eh>Ei>Es=Eaのように保たれるた
め、イオン化フィラメント10から放出された熱電子は坩
堝3のみに入射し、加速電極15a及び熱シールド板7が
加熱されることなく、坩堝3のみが高温に加熱される。
【0023】また、加速電極15a及び熱シールド板7を
イオン化フィラメント10と同電位に保つようにしてもよ
い。このときの動作領域での各電位は、Ec≧Eh>E
i=Es=Eaのように保たれる。
【0024】なお、上記各実施例では加速電極15aと熱
シールド板7とを同電位にしたが、加熱用及びイオン化
フィラメント6,10の電位以下の電位に保たれていれば
別々の電位を印加してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の薄膜形
成装置は、坩堝に印加される正のバイアス電位をイオン
化フィラメントの電位よりも高くして、イオン化フィラ
メントから放出される熱電子を坩堝に直接照射するよう
にし、かつ加速電極の電位を加熱用及びイオン化フィラ
メントの電位以下にして、加速電極が加熱されるのを防
止したので、成膜中の真空度の低下を防止でき、これに
より高い蒸着速度で高品質な薄膜を成膜することがで
き、かつ部品寿命を長くすることができ、また坩堝を小
さな電力で効率良く高温に加熱することができるので、
ランニングコストを低下させることができるなどの効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による薄膜形成装置を示す
構成図である。
【図2】この発明の他の実施例による薄膜形成装置を示
す構成図である。
【図3】従来の薄膜形成装置の一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 真空槽 3 坩堝 5 蒸着物質 6 加熱用フィラメント 8 クラスター 10 イオン化フィラメント 14 イオン化クラスター 15a 加速電極 16 基板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を収容する真空槽と、この真空槽内
    に前記基板に対向して設けられ、蒸着物質が充填される
    坩堝と、この坩堝から前記蒸着物質の蒸気を噴出させて
    クラスターを形成するため前記坩堝を加熱する加熱用フ
    ィラメントと、前記坩堝及び前記基板の間に設けられ、
    前記クラスターをイオン化するための熱電子を放出する
    イオン化フィラメントと、このイオン化フィラメント及
    び前記基板の間に設けられ、イオン化されたクラスター
    を前記基板に向けて加速する加速電極とを備えている薄
    膜形成装置において、前記坩堝に印加される正のバイア
    ス電位を、前記イオン化フィラメントの電位よりも高く
    して、前記イオン化フィラメントから放出される熱電子
    を前記坩堝に直接照射するようになっているとともに、
    加速電極の電位が前記加熱用及びイオン化フィラメント
    の電位以下になっていることを特徴とする薄膜形成装
    置。
JP149192A 1992-01-08 1992-01-08 薄膜形成装置 Pending JPH05179431A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030043088A (ko) * 2001-11-27 2003-06-02 (주)알파플러스 진공 증발원의 도가니 가열방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51126383A (en) * 1975-04-26 1976-11-04 Yoshio Yamazaki A surface hardening method for magnetic head

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