JPH05171491A - 塗装後耐食性に優れた2層めっき鋼材 - Google Patents

塗装後耐食性に優れた2層めっき鋼材

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JPH05171491A
JPH05171491A JP34521991A JP34521991A JPH05171491A JP H05171491 A JPH05171491 A JP H05171491A JP 34521991 A JP34521991 A JP 34521991A JP 34521991 A JP34521991 A JP 34521991A JP H05171491 A JPH05171491 A JP H05171491A
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JP
Japan
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plating
coating
corrosion resistance
layer
plated steel
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Pending
Application number
JP34521991A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Seto
宏久 瀬戸
Tetsuaki Tsuda
哲明 津田
Yasuhiro Yamamoto
康博 山本
Junichi Uchida
淳一 内田
Kunihiro Fukui
国博 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下層めっきがZnまたはZn合金層、上層めっき
が付着量 0.1〜10 g/m2の多孔性AlまたはAl合金層であ
る2層めっき鋼材。 【効果】 未塗装、無傷の状態での耐食性だけでなく、
塗装後耐食性にも優れており、塗装後に塗膜に傷が付い
ても塗膜ふくれを生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、建材、家電な
どの分野に好適な塗膜密着性に優れた2層めっき鋼材に
関する。
【0002】
【従来の技術】Zn系めっき鋼材を基材とし、その上層に
Al系めっきを施した2層めっき鋼材は本発明者らにより
先に開発され、特許出願されている (特開昭61−119693
号および同61−261496号公報) 。これらの2層めっき鋼
材は、基材のZn系めっき鋼材よりさらに優れた耐食性を
有し、特に未塗装、無傷の状態での耐食性が非常に高
い。しかし、さらに詳細に検討した結果、この種の一部
の2層めっき鋼材においては、塗膜カット部でふくれが
生じ易いことが判明した。
【0003】この塗膜ふくれは、塗膜と上層Al系めっき
との界面ではなく、Al系めっきとZn系めっきとの界面で
生じており、外観的には一般的な塗膜ふくれと類似の状
況となる。通常、めっき鋼材は塗装して使用されること
が多く、このような塗膜ふくれは好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、未塗
装の耐食性のみならず、塗膜密着性や塗装後耐食性にも
優れた2層めっき鋼材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2層めっ
きにおける塗膜ふくれの原因について調査した結果、上
層Al系めっきの付着量が10 g/m2 以下で、かつ上層のめ
っき皮膜が多孔性であると、上述した塗膜ふくれが抑制
されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】ここに、本発明は、下層めっきがZnまたは
Zn合金層、上層めっきが付着量 0.1〜10 g/m2 の多孔性
AlまたはAl合金層であることを特徴とする、塗装後耐食
性に優れた2層めっき鋼材を要旨とする。
【0007】
【作用】本発明者らの調査によると、塗膜カット部での
ふくれは、上層Al系めっきの付着量が10 g/m2 を超える
か、あるいは上層Al系めっきの付着量が10 g/m2 以下で
あっても、めっき皮膜が緻密なほど生じ易いことが判明
した。これは、上層Al系めっきと下層Zn系めっきの溶出
速度の差に起因すると考えられる。上層Al系めっきの付
着量が10 g/m2 を超える場合や、めっき皮膜が緻密な場
合には、得られる2層めっきの腐食電位は単層Al系めっ
きとほぼ同じ電位を示し (−0.7 V,vs Ag/AgCl)、下層Z
n系めっきよりもかなり電位的に貴となる。そのため、
塗膜カット部においてAl系めっきよりもZn系めっきが優
先的に溶出し、前述の如く、Al系めっきとZn系めっきの
界面でふくれが生じる。これに対して、上層Al系めっき
の付着量が10 g/m2 以下で、かつ皮膜が多孔性である場
合には、2層めっきの腐食電位は下層Zn系めっきと同等
の卑な腐食電位 (−1.0 〜−1.1 V, vs Ag/AgCl)を示
し、下層Zn系めっきの優先的な溶出が抑制される。その
ため、上記のふくれが防止されると考えられる。
【0008】本発明の2層めっき鋼材の母材は、代表的
には冷延鋼板であるが、鋼種および形状のいずれも特に
限定されるものではない。炭素鋼、各種合金鋼、ステン
レス鋼などを含む任意の鋼種からなる、板材、棒材、線
材、管材、型材などの任意の形状の鋼材を母材としう
る。
【0009】下層はZn系めっき、即ち、Znめっきか、Zn
合金めっきである。Zn合金めっきは、鋼に対する犠牲防
食能を有するものが好ましい。その例としては、Zn−Fe
合金めっき (合金化溶融亜鉛めっきを含む) 、Zn−Ni合
金めっき、Zn−Co合金めっき、Zn−Mn合金めっき、Zn−
Mg合金めっき、Zn−Cr合金めっき、Zn−Al合金めっきな
どが例示されるが、これらに限定されるものではない。
Zn合金めっきには、追加の合金元素としてNi, Fe, Mo,
Cr, Co, Al, Mgなどの各種の元素を1種もしくは2種以
上さらに添加してもよい。また、下層ZnめっきまたはZn
合金めっき層は、めっき中にAl2O3 、SiO2、TiO2、Zr
O2、SnO2、Sb2O3 などの酸化物を共析させた複合めっき
としてもよい。
【0010】下層Zn系めっきの付着量は特に限定されな
いが、加工性、溶接性などを考慮すれば、有利には100
g/m2以下、特に20〜60g/m2が好ましい。また、Zn系めっ
きの形成方法についても特に制限はなく、電気めっき
法、溶融めっき法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法等を用いることができる。
【0011】上層はAl系めっき、即ち、Alめっきか、Al
合金めっきであり、付着量が 0.1〜10 g/m2 の多孔性皮
膜とする。上層Al系めっき皮膜の付着量が0.1 g/m2未満
では、未塗装、無傷での耐食性に劣り、10g/m2を超える
と、たとえ多孔性皮膜であっても、十分な塗膜密着性、
塗装後耐食性は得られない。
【0012】上層の多孔性Al系めっき皮膜の多孔度は、
有孔率 (単位面積当たりの孔の面積率) で 0.2〜0.7 の
範囲内が最適である。有孔率や孔径は、SEM (走査型
電子顕微鏡) 観察などでの測定により直接決定すること
ができる。有孔率が0.2 未満であると、緻密な皮膜と同
様に、塗装後耐食性が低下し、塗膜カット部で塗膜ふく
れを生じ易くなる。有孔率が0.7 を超えると、未塗装、
無傷での耐食性が低下する。また、孔径が小さすぎる
と、腐食生成物が孔に詰まり、効果が十分に発揮されな
いので、孔径は0.01〜3.0 mm程度が好ましい。
【0013】Al系めっきの種類としては、上記の条件を
満たす限り特に制限されないが、塗装後耐食性の向上効
果を最も効果的に発揮させるには、Al−Mn合金めっき、
Al−Cr合金めっき、Al−Mg合金めっきなどのAl合金めっ
きが好適である。
【0014】上層Al系めっきの形成方法は、溶融塩浴、
有機溶媒浴などによる電気めっき法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法などのドライプロセス法、溶射法な
ど、従来より公知の各種の方法を利用できる。ただし、
多孔性皮膜を形成するために、例えば、電気めっき法で
は電流密度を高くする、めっき液の撹拌を行わないなど
の方法を用いる。また、ドライプロセスの場合には、密
着性が低下しない範囲で基板温度を低くしたり、造膜速
度を大きくするといった手段を採用する。有孔率は、こ
のようなめっき条件の制御によって調整することができ
る。
【0015】本発明の2層めっき鋼材は、上述した2層
めっきを鋼材の少なくとも1面に有していればよい。上
記2層めっきを全面に施さない場合、残りの面は非めっ
き面でも、別のめっき層 (例、Zn系めっき単層) を施し
た面でもよい。
【0016】本発明の2層めっき鋼板に塗装する場合、
塗装下地処理として、クロメート処理またはリン酸塩処
理などの化成処理を常法により施してもよく、それによ
り耐食性および/または密着性が一層向上する。
【0017】
【実施例】
(下層Zn系めっき)ZnSO4 、Na2SO4を主成分とするZnめっ
き浴を基本浴として、必要により合金元素成分を硫酸塩
として添加した硫酸塩型めっき浴を用いて、板厚0.8 mm
の冷延鋼板にZnまたはZn合金めっきを電気めっき法によ
り施して、各種Zn系めっき鋼板を得た。めっき電流密度
は20 A/dm2とし、付着量40 g/m2 のめっき皮膜が形成さ
れるように通電を行った。
【0018】(上層Al系めっき)上で得た各種Zn系めっき
鋼板を母材として、下記条件での溶融塩電解法または蒸
着めっき法によりAl系めっきを施し、各種有孔率および
付着量の上層Al系多孔性めっき皮膜を形成した。上層Al
系めっき皮膜の有孔率は、溶融塩電解の場合にはめっき
電流密度と液流速の制御によって、蒸着めっきの場合に
は基板温度の制御によって、調整した。
【0019】(1) 溶融塩電解めっき法 基本浴: AlCl3−NaCl−KCl三元系溶融塩。Al合金めっ
きの場合には、各合金元素の塩化物を必要量添加。
【0020】浴温: 150 〜270 ℃ めっき電流密度: 20〜60 A/dm2 (合金元素により変
動、例えば、純Alめっきでは20 A/dm2;Al−Mn、Al−Cr
合金めっきでは60 A/dm2) 極間液流速: 0.4〜0.7 m/sec (2) 蒸着めっき法 前処理: Arスパッター 真空度: 10-3〜10-4 Torr 基板温度:200 ℃以下 成膜速度:10μm/min 以下 蒸着めっきは、抵抗加熱法により、Alと合金化しようと
する金属を別々のルツボ内で溶融し、蒸発させて行っ
た。
【0021】得られた2層めっき鋼板を使用して、下記
要領でクロメート処理後に電着塗装を行い、塗装後耐食
性について調べた。 (塗装後耐食性評価試験法) クロメート処理:日本パーカー製のアルクロム713 を使
用し、常温浸漬によりクロメート処理した後、水洗乾燥
を行った。Cr付着量は10 mg/m2とした。 電着塗装:日本ペイント製UD80を液温28℃に保持し、
電圧210 Vで通電した後、水洗、焼付 (175 ℃) を行っ
た。焼付後の膜厚は20μmであった。
【0022】塗装後耐食性は、塗装サンプルに素地鋼に
達するカットを入れ、塩水噴霧 (35℃) →乾燥 (50℃)
→湿潤 (50℃) を1サイクル (1サイクル24時間) とす
る複合腐食試験により、100 サイクル経過後の腐食深さ
および塗膜のふくれ幅により評価した。
【0023】また、参考として未塗装耐食性をJIS に規
定された塩水噴霧試験での赤錆発生までの日数として測
定した。試験結果を、下層および上層のめっきの詳細と
共に、次の表1〜表2にまとめて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】実施例の結果からもわかるように、本発
明による下層Zn系めっき皮膜と上層Al系多孔性めっき皮
膜を有する2層めっき鋼材は、上層Al系めっきを付着量
0.1〜10 g/m2 の多孔性めっきとすることにより、塗装
後耐食性試験において、塗膜ふれ、腐食深さともに非常
に微小であり、良好な塗装後耐食性を有する。それによ
り、この種の2層めっき鋼材で問題であった、塗膜に傷
が付いたときの塗膜ふくれの現象を大幅に軽減すること
ができる。本発明の種類の2層めっき鋼材は、自動車、
建材、家電製品などの用途に塗装して使用されることが
多く、塗膜ふくれの軽減は製品品質、商品価値の著しい
向上につながる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 淳一 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 福井 国博 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層めっきがZnまたはZn合金層、上層め
    っきが付着量 0.1〜10 g/m2 の多孔性AlまたはAl合金層
    であることを特徴とする、塗装後耐食性に優れた2層め
    っき鋼材。
JP34521991A 1991-12-26 1991-12-26 塗装後耐食性に優れた2層めっき鋼材 Pending JPH05171491A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500285A (ja) * 2003-07-29 2007-01-11 フェストアルピネ シュタール ゲーエムベーハー 焼入れ鋼部品の製造方法
JP2019173863A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 川田工業株式会社 鋼材構造物の締結構造及び締結方法
JP2020143361A (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 日本製鉄株式会社 合金材およびその製造方法

Cited By (3)

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