JPH0892714A - 化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JPH0892714A
JPH0892714A JP28438394A JP28438394A JPH0892714A JP H0892714 A JPH0892714 A JP H0892714A JP 28438394 A JP28438394 A JP 28438394A JP 28438394 A JP28438394 A JP 28438394A JP H0892714 A JPH0892714 A JP H0892714A
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steel sheet
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plating layer
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electrodeposition coating
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JP28438394A
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English (en)
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Shigeru Unno
野 茂 海
Takashi Iwama
間 隆 史 岩
Chiaki Kato
藤 千 昭 加
Hideo Takamura
村 日出夫 高
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】化成処理性およびカチオン電着塗装性の良好な
合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】めっき層組成が、Fe:7〜13wt% 、Al:0.40wt%、
残部Znからなり、めっき表面に下記式[1]で規定され
るX線回折強度比I(ζ)で、0.3 以上のζ相を有し、
めっき付着量が20g/m2以上のめっき層を少なくとも片面
に有する化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・・・・式[1] (但し、式[1]で、ζ、δ1 、Γ、Γ1 は、それぞれ
次の格子間距離(d)で測定されるX線回折強度を表
す。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.2136nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.1315nm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築材料や、自動車車
体用などに用いられる合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関す
るもので、特に、自動車車体の製造時における化成処理
性および電着塗装性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、
鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、合金化炉でZnの融
点以上に加熱して、めっき層をFeとZnの合金、すな
わち鋼板側から、Γ、δ1 、ζの各相からなる合金相と
したものである。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、優
れた塗装後耐食性および溶接性を兼備しているため、従
来より建築材料として使用され、また、最近では、自動
車車体用材料として使用すべく、種々の検討が行われて
いる。
【0003】自動車車体外面に合金化溶融亜鉛めっき鋼
板が適用される場合、耐食性の他に、加工性(耐剥離
性)、塗装前処理としての化成処理性やカチオン電着塗
装性が重要である。合金化溶融亜鉛めっきの耐剥離性が
悪いと、プレス成形時に押し傷を発生させるため、合金
層の相構成を制御することによって、耐剥離性を向上さ
せる方法が知られ、特公平3−55544号公報にΓ
相、ζ相の生成を抑制する技術が開示されている。ま
た、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の化成処理が悪いと化成
処理のむらができ、また、カチオン電着塗装性が悪いと
電着塗装時にクレーター状の塗装欠陥を生じる。化成処
理および電着塗装時に生じた欠陥は、上塗り後も外観に
残り、補修の必要があり、また、耐食性も劣化させ、商
品価値を低下させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、化成処理性
および電着塗装性を改善する技術として、特公昭58−
15554号公報に、合金化溶融亜鉛めっき上にZn4
0%以下のZn−Feめっき層を形成する技術が開示さ
れている。しかしながら、合金化溶融亜鉛めっき上にZ
n40%以下のZn−Feめっき層を形成するには、上
層のZn40%以下のZn−Feめっき層を電気めっき
によって付着させる必要があり、設備費および製造コス
トの上昇が問題であった。本発明では、従来技術ではコ
スト上昇なしに得ることが困難であった化成処理性およ
びカチオン電着塗装性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼
板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、め
っき層組成が;Fe:7〜13wt%、好ましくは9〜
11wt%;Al:0.40wt%以下、好ましくは、
0.10〜0.40wt%;残部Znからなり;めっき
表面にζ相が表面被覆率で1.0%以上、好ましくは1
0.0〜30.0%;めっき付着量が20g/m2 以上
のめっき層を少なくとも片面に有する化成処理性および
カチオン電着塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
である。
【0006】また、本発明は、めっき層組成が;Fe:
7〜13wt%、好ましくは9〜11wt%;Al:
0.40wt%以下、好ましくは0.10〜0.40w
t%;残部Znからなり;めっき層中に下記式[1]で
規定されるX線回折強度比I(ζ)で、0.3以上、好
ましくは0.3〜0.8のζ相を有し、めっき付着量が
20g/m2 以上のめっき層を少なくとも片面に有する
化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板である。 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・・・・式[1] 但し、式[1]で、ζ、δ1 、Γ、Γ1 は、それぞれ次
の格子間距離(d)で測定されるX線回折強度である。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.213
6nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.131
5nm
【0007】さらに、本発明は、Al濃度0.145w
t%以下、好ましくは0.120〜0.145wt%以
下の溶融亜鉛めっき浴で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施し
た後;該めっき鋼板を昇温速度20℃/sec以下、好
ましくは5〜20℃/secで;480〜600℃、好
ましくは490〜560℃に加熱し、合金化することを
特徴とする化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0008】
【作用】以下に本発明を具体的に説明する。本発明の発
明者らは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の化成処理性およ
び電着塗装性とめっき層中のFe、Al含有率および相
構成の関係を調査し、次の知見を得るとともに、本発明
を完成するに至った。
【0009】本発明においてめっき層中のFeの含有率
を7〜13wt%としたのは、Fe含有率が7wt%未
満ではZn−η相が残存しやすく塗装後耐食性が劣化す
るためで、13wt%を越えると化成処理の均一性が劣
化しおよび電着塗装時クレーターの発生(クレータリン
グ)が起こるとともに、犠牲防食性の低下による塗装後
の耐食性も著しくなる。より好ましくは、9〜11wt
%である。
【0010】めっき層中のAl含有率を0.40wt%
以下としたのは、Al含有率が0.40wt%を超える
と化成処理の均一性が劣化して化成処理むらができやす
く、電着塗装時にクレーターが発生しやすくなる。ま
た、耐剥離性を確保するために0.10wt%以上が必
要とされるため、好ましくは、0.10〜0.40wt
%、より好ましくは、0.20〜0.30wt%であ
る。
【0011】ζ相の量を表面被覆率で1.0%以上とし
たのは、1.0%未満では化成処理時に処理むらが発生
しやすく、また同時に電着塗装時にクレーター欠陥が発
生しやすくなるためである。また、ζ相が表面被覆率で
30.0%を超えると、それ以上の化成処理性、耐クレ
ータリング性の改善はないが、η相が残存する場合が生
じ、耐食性が劣化し好ましくない。より好ましくは、1
0.0〜30.0%である。ここで、ζ相の表面被覆率
とは、亜鉛めっき表面にζ相が存在する面積率をいい、
実施例で後述するようにめっき層の表面を電子顕微鏡を
用いて観察し、結晶形態よりζ相の面積率を算出するも
のである。
【0012】また、本発明の発明者らは、表面被覆率に
代わるより簡便なζ相量の測定方法として、X線回折法
による回折強度比によるζ相の定量を検討し以下の知見
を得た。ζ相の量を定量する方法としては、X線回折法
や電気化学的手法を用いる場合があるが、最表面のζ相
の量を測定するには、鋼板の表面を電子顕微鏡を用いて
観察し、スキンパスのあたっていない部分でδ1 相(粒
状)とζ相(柱状)の結晶形態で分類し、それぞれの被
覆面積を算出する方法が有効である。図1に、本発明の
発明者らの知見による下記式[1]で規定したζ相X線
回折強度比I(ζ)とクレータ発生個数(個/cm2
との関係を示す。
【0013】電気化学的手法は、鋼板表面の電気化学的
電位を測定して鋼板表面の状態を表すものであるが、こ
れらの表面の酸化物の影響で初期電位が不安定で再現性
が悪いため、ζ相の定量に向かない。一方、X線回折法
は、上述の電子顕微鏡観察による表面被覆率と比較する
と、めっき層内部の情報も含むものであるが、付着量2
0g/m2 以上の合金化溶融亜鉛めっき鋼板で比較的良
好な定量性が得られることが本発明者らによって見出さ
れ、X線回折によるζ相量と化成処理性およびカチオン
電着塗装性との間には、次の限定値が得られる。すなわ
ち、図1より明らかなように、下記式[1]の値I
(ζ)が0.3未満では化成処理時に処理むらが発生し
やすく、また、電着塗装時にクレーターが発生しやす
い。したがって、ζ相量は、下記式[1]で規定したと
き、0.3以上とする。また、下記式[1]の値I
(ζ)が0.8を超えると、Zn−ηが残存し、塗装後
耐食性が劣化する場合があるので、好ましくは、下記式
[1]の値I(ζ)は0.3〜0.8がよい。より好ま
しくは、0.4〜0.8である。
【0014】 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・式[1] 但し、上記式[1]において、ζ、δ1 、Γ、Γ1 は、
それぞれ次の格子間距離(d)で測定されるX線回折強
度である。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.213
6nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.131
5nm 目付量を20g/m2 以上と規定したのは、耐食性のた
めである。20g/m2 未満では、Zn−Fe合金層に
よる防食機能が低下する。好ましくは、20g/m2
上90g/m2 以下、より好ましくは、30以上60g
/m2 以下である。
【0015】化成処理反応は、Zn−Feめっき層表面
が化成処理液に接触したときに溶解し、その後めっき層
表面にりん酸亜鉛として析出し皮膜を形成する反応とし
て知られている。めっき層中に0.40wt%を越えて
Alが存在すると、合金化時にAlがめっき表面に多量
に濃化し、部分的に酸化皮膜を形成することによって化
成処理時のZn−Feめっき層表面の溶解が抑制され、
化成皮膜が均一に析出することを妨げられると推察され
る。また、ζ相はδ1 相より電気的に卑であり、化成処
理時の溶解性が高く、均一な化成皮膜の形成に寄与す
る。Fe含有率がさらに低いζ相が残存する場合でも良
好な化成処理性は得られるが、耐食性が劣化するため適
さない。
【0016】電着塗装時のクレーターの発生は、一般的
に被電着物表面の電気抵抗の均一性と関連し、被電着物
表面の電気抵抗が不均一であると部分的に放電が起こ
り、その熱で凝析した塗料が硬化し、焼付け時の流動が
おこらず、クレーターが発生すると考えられ、化成処理
が不均一であることがクレーター発生の一因となってい
る。したがって、Al量が多く、ζ相が少ない場合にお
いてクレーターが発生しやすい。
【0017】本発明においては、合金化溶融亜鉛めっき
層組成としては、Fe、Alの含有量のみを規定した
が、他の成分、例えばPb、Cd、Sn、In、Li、
Sb、As、Bi、Mg、La、Ce、Ti、Zr、N
i、Co、Cr、Mn、P、S、O、Bなどが少量添加
されたり、不可避的に混入しても、本質的に本発明の効
果は変わらないものである。
【0018】また、以下に示す本発明の方法によって、
前記の本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するこ
とができる。溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度0.120
〜0.145wt%とし、所定の浸漬時間鋼板を浸漬し
めっき付着量20g/m2 以上のめっきを施し、合金化
炉に導く。合金化処理は、所望のζ相を得るために、昇
温速度を20℃/sec以下、好ましくは5〜20℃/
secとして、480〜600℃、好ましくは490〜
560℃で所定の時間行い、本発明の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を得る。
【0019】一般に、めっき層の耐剥離性の劣化を防止
するためにめっき浴中にAlを添加するが、本発明で溶
融亜鉛めっき浴中のAl濃度を0.145wt%以下と
したのは、Alの含有量が0.145wt%を越える
と、溶融亜鉛めっき時に鋼板−めっき層界面にAl富化
層と呼ばれるFe−Al(−Zn)化合物層が厚く形成
され、合金化時に鋼板中のFeがめっき層中に拡散する
ことが妨げられ、合金化が困難となるためである。ま
た、Al濃度が0.120wt%未満の場合、溶融亜鉛
めっき時にAl富化層が十分には形成されないことがあ
り、Feが鋼板めっきからめっき層中に拡散し、Γ相が
形成されてめっき密着性が劣化するため、Al添加量
は、好ましくは、0.120〜0.145wt%がよ
い。
【0020】本発明のめっき鋼板のめっき表面のζ相を
得るには、合金化時に低温域で長時間合金化処理する必
要がある。すなわち、めっき付着量20g/m2 以上の
場合、昇温温度が20℃/secを越えるとめっき表面
に所望のζ相を得ることは困難であり、合金化時の昇温
速度は20℃/sec以下とした。また、著しく昇温速
度が遅いと加熱時間が長く、生産性を欠くため、好まし
くは、昇温速度5〜20℃/secがよい。また、合金
化温度が600℃を越えると、めっき−鋼板界面にΓ、
Γ1 相が多量に形成され耐剥離性が悪くなる。また、4
80℃未満では合金化が遅くなり生産性を低下させる。
したがって、合金化温度は、480〜600℃とした。
好ましくは、490〜560℃がよい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1〜8および比較例1〜7)通常のゼンジミア
タイプの連続溶融亜鉛めっきラインで、板厚0.7mm
のTi−Nb系極低炭素鋼板に溶融亜鉛めっきを行い、
引き続き合金化処理を施した。溶融亜鉛めっき浴中のA
l濃度、合金化条件、合金化処理後のめっき目付量、め
っき層中のFe含有率およびAl含有率、ζ相の表面被
覆率を表1に示す。
【0022】めっき層中のζ相の測定、化成処理性、耐
クレータリング性および耐食性は、以下の試験により判
定した。 (1)めっき層中のζ相の測定 a)ζ相の表面被覆率の測定 ζ相の表面被覆率は、走査型電子顕微鏡を使用して倍率
を3,500倍とし、1試料(10mm角)の中でスキ
ンパス圧下部を除いて無作為に5箇所を選び、写真撮影
(65×95mm)を行った。実施例7に上記の写真撮
影を行った結果を図2に示す。ここで、ζ相およびδ1
相を図2中に示した。次に、図2に示した顕微鏡写真上
に10mm間隔で直線を7本横方向に引き、その線の全
長(95mm×7本)中で、図2に示したζ相をこれら
の線が横切る部分の長さを測定し、下記式[2]より算
出して表面被覆率とする。
【0023】
【数1】
【0024】具体的に、上述の実施例7の電子顕微鏡写
真を用いてζ相の表面被覆率の算出方法を説明する。図
2の顕微鏡写真上に、図3に示すように10mm間隔で
直線7本を引いた(L1〜L7)。L1〜L7のそれぞ
れについて、ζ相をこれらの直線が横切る長さ(線分)
を測定し、その合計を得、これらの線分の長さから、上
記式[2]に従ってζ相の表面被覆率を算出した。図3
中に、各線分の長さを示した。
【0025】
【数2】
【0026】以上より、実施例7のζ相の表面被覆率は
9.9(%)となる。他の実施例および比較例について
も同様にしてζ相の表面被覆率を求めた。
【0027】b)X線回折強度比の測定 下記に示す格子間距離におけるX線回折強度、ζ、
δ1 、ΓおよびΓ1 を、実施例1〜8および比較例1〜
7のめっき鋼板のめっき層について測定し、下記式
[1]よりX線回折強度比I(ζ)を求め、ζ相量の指
標とした。 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・式[1] 下記の格子間距離(d)で、上記式[1]中のζ、
δ1 、Γ、Γ1 のX線回折強度を測定した。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.21
36nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.13
15nm
【0028】(2)化成処理試験 日本ペイント(株)製のリン酸塩処理液グラノジンSD
5000を用いて、75×150mmに剪断した鋼板に
化成処理を行い、目視にて化成処理皮膜の均一性の優劣
を評価した。評価は、以下のように示した。 ○;化成処理皮膜が均一 ×;化成処理皮膜が不均一
【0029】(3)耐クレータリング性 化成処理を施した鋼板を、電着塗料U−80(日本ペイ
ント(株)製)を用いて下記の条件で電着塗装し、任意
に選んだ5箇所の1cm2 内で塗装表面に発生したクレ
ーターの個数を目視で数え、平均してクレーター発生密
度(個/cm2)とした。結果を、X線回折強度比(I
(ζ))およびζ相表面被覆率とともに図1に示した。 電着電圧;300V 通電方法;昇圧速度30V/secで0Vから300V
まで電圧を上げた後、電着電圧で保持する。 電着時間;180秒
【0030】(4)耐食性 電着塗装後の鋼板パネル(75×150mm)表面に、
カッターナイフで鋼板の素地に達するクロスカット傷を
入れ、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を行い、3
0日後にこのパネルを取り出し、クロスカット傷部分の
塗膜膨れ幅(片側ブリスター幅(mm))を測定して評
価した。以上の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】自動車用表面処理鋼板として塗装後耐食
性が優れている合金化溶融亜鉛めっき鋼板の使用が増大
しているが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車の製
造工程において化成処理不良やカチオン電着塗装時に塗
膜不良を発生しやすい。本発明によれば、上記の化成処
理、電着塗装時の欠陥発生を防止した合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を提供することができ、耐食性や外観の向上の
他、生産性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ζ相のX線回折強度比I(ζ)と電着塗装時
に発生したクレータの関係、およびζ相表面被覆率の関
係を示す図である。
【図2】 電子顕微鏡であり、金属組織を表す図面代用
写真である。
【図3】 図2と同じ電子顕微鏡写真であり、これを用
いてζ相の表面被覆率の測定方法を説明するための、金
属組織を表す図面代用写真である。
【符号の説明】
ζ 溶融亜鉛めっき鋼板表面に生成されたζ相部分 δ1 溶融亜鉛めっき鋼板表面に生成されたδ1 相部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加 藤 千 昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 高 村 日出夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき層組成が、Fe:7〜13wt%、
    Al:0.40wt%以下、残部Znからなり、めっき
    表面にζ相が表面被覆率で1.0%以上、めっき付着量
    が20g/m2 以上のめっき層を少なくとも片面に有す
    る化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化
    溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】めっき層組成が、Fe:9〜11wt%、
    Al:0.10〜0.40wt%、残部Znからなり、
    めっき表面にζ相が表面被覆率で10.0〜30.0
    %、めっき付着量が20g/m2 以上のめっき層を少な
    くとも片面に有する化成処理性およびカチオン電着塗装
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】めっき層組成が、Fe:7〜13wt%、
    Al:0.40wt%以下、残部Znからなり、めっき
    表面に下記式[1]で規定されるX線回折強度比I
    (ζ)で、0.3以上のζ相を有し、めっき付着量が2
    0g/m2 以上のめっき層を少なくとも片面に有する化
    成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶融
    亜鉛めっき鋼板。 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・・・・式[1] (但し、式[1]で、ζ、δ1 、Γ、Γ1 は、それぞれ
    次の格子間距離(d)で測定されるX線回折強度を表
    す。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.213
    6nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.131
    5nm)
  4. 【請求項4】めっき層組成が、Fe:9〜11wt%、
    Al:0.10〜0.40wt%、残部Znからなり、
    めっき表面に下記式[1]で規定されるX線回折強度比
    I(ζ)で、0.3〜0.8のζ相を有し、めっき付着
    量が20g/m2 以上のめっき層を少なくとも片面に有
    する化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金
    化溶融亜鉛めっき鋼板。 I(ζ)=ζ/(ζ+δ1 +Γ+Γ1 ) ・・・・・・式[1] (但し、式[1]で、ζ、δ1 、Γ、Γ1 は、それぞれ
    次の格子間距離(d)で測定されるX線回折強度を表
    す。 ζ;d=0.2056nm δ1 ;d=0.213
    6nm Γ;d=0.1915nm Γ1 ;d=0.131
    5nm)
  5. 【請求項5】Al濃度0.145wt%以下の溶融亜鉛
    めっき浴で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、該めっ
    き鋼板を昇温速度20℃/sec以下で480〜600
    ℃に加熱し、合金化することを特徴とする化成処理性お
    よびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
    鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】Al濃度0.120〜0.145wt%以
    下の溶融亜鉛めっき浴で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施し
    た後、該めっき鋼板を昇温速度5〜20℃/secで4
    90〜560℃に加熱し、合金化することを特徴とする
    化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶
    融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP28438394A 1994-07-28 1994-10-24 化成処理性およびカチオン電着塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Pending JPH0892714A (ja)

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