JPH0516676U - 容 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】クリーム等の内容物が直接空気に触れることが
防止できて品質を長期間維持することができるととも
に、内容物が取り易く、スプーン等の補助用具も不必要
な容器を提供する。 【構成】開口部１を有する容器２に練状の内容物３を収
容し、前記開口部１に伸展性の膜４を張設して内容物３
と密着させるとともに、この膜４に貫通部５を設け、前
記膜４の上面を押し下げることにより、前記貫通部５か
ら内容物３を流出させるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は容器に係り、特に練状の内容物を手ですくい取る形式のもの、または 内容物を取り出すために、スプーンやスパチュラを使用するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、化粧クリーム等の化粧料を収容する容器は所謂広口瓶が用いられてお り、内容物を取り出す際は指の腹で内容物をぬぐうようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記した従来のものにおいては内容物を直接指ですくい取るが、内 容物の量が少なくなってくると、内容物と空気とが触れる面積が大きくなる。こ のためクリーム等のように酸化し易い内容物を収容した場合、変色や変質を招く 虞れがある。

【０００４】 特に、近年は揮発油分の含有率が高いクリームが種々出回っているがこのよう なものでは揮発油成分が蒸散してクリームが固化してしまう虞れがある。 また、指ですくい取る際に、図１０に示すように指先と爪の間に内容物が入り 込むことが多く使用感に欠けるという問題がある。これを防止するため小型のス プーンやスパチュラを容器のキャップや側部に添付して内容物の取り出しを容易 にしたものもあるが、用具を使用するのは面倒であるとともに、コスト高ともな る欠点がある。

【０００５】 本考案は前記事項に鑑みてなされたもので、クリーム等の内容物が直接空気に 触れることが防止できて品質を長期間維持することができるとともに、内容物が 取り易く、スプーン等の補助用具も不必要な容器を提供することを技術的課題と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記技術的課題を解決するために、以下のような構成とした。 即ち、開口部を有する容器に練状の内容物を収容し、前記開口部に伸展性の膜 を張設して内容物と密着させるとともに、この膜に貫通部を設け、前記膜を押し 下げることにより、前記貫通部から内容物を流出させるように構成した。

【０００７】 前記貫通部は孔部でもよいし、またスリットでもよい。さらに、前記貫通部は 膜の中心部からずらした位置に形成することができる。さらに前記貫通部の周囲 に補強のための肉厚部を形成することもできる。

【０００８】 内容物としては液体や固体以外のクリーム状物、粘稠物、ゼリー状物が適して いる。また、膜の材質としては、ゴム、エラストマー、塩化ビニリデン、ポリエ チレン等の柔軟性のある素材が適する。

【０００９】

【作用】

容器の開口部に張設した伸展性の膜を指の腹で押し下げると、膜が拡張し内容 物に密着しながら沈下する。このとき容器内の圧力が上昇し貫通部から内容物が にじみ出る。このため指の腹に内容物を付けることができこれを使用することが できる。

【００１０】 このようにして内容物を所望量ずつ取り出すが、容器内の内容物は最後まで外 気に触れることがなく変質や変色が生じたり揮発分が蒸散する虞れはない。

【００１１】

【実施例】

本考案の実施例を図１ないし図９に基づいて説明する。 容器２は開口部１を有する瓶であり、内部に練状の内容物３を収容してある。

【００１２】 前記開口部１には伸展性の膜４が張設されている。この膜４は図２に示すよう に、略カップ状の形状をなしており、その底部中央に貫通部５としての孔部が形 成されている。膜４の上縁は外側に巻いてパッキン部４ａとしてある。一方、前 記開口部周縁には、環状のパッキン押さえ１０が嵌合されるようになっている。 このパッキン押さえ１０は開口部の外周縁に係合する係合凸部１０ａが設けられ ているとともに内周部分に「コ」字状のパッキン収容部１０ｂが形成されている 。そして、前記パッキン部２ａがパッキン収容部１０ｂへ外嵌して気密性が図ら れるようになっている。このパッキン押さえ１０は柔軟性合成樹脂で形成され、 開口部１に容易に取り付けられるようになっている。

【００１３】 なお、パッキン押さえ１０を取り付ける際には予め膜４を巻き込んだ状態で装 着しておき、パッキン押さえ１０の装着の際に膜４の下面側が内容物３の上面と 密着して内容物３が外気と直接触れないようになっている。

【００１４】 前記パッキン部４ａはパッキンとしての作用の他、内容物が減った際には巻き を伸ばす伸び代ともなっている。 さらに、パッキン部４ａの下部にはスプリング性のあるＯリング、ゴムリング、 またはバネＣ環を嵌合し、一定のテンションがかからないと下に伸びないように してある。

【００１５】 前記開口部１は口筒部となっており、その外周には螺子が形成されている。そ して口筒部にはキャップ１１が螺合されるようになっている。キャップ１１の裏 面には前記パッキン押さえ１０の上面に密着可能なシール１２が設けられている 。使用に際しては、キャップ１１を開け、膜４の貫通部５周辺を指の腹で押圧す る。すると膜が拡張し内容物３に密着しつつ平均的に沈下する。このとき容器２ 内の圧力が上昇し貫通部５から内容物３がにじみ出る。このため指の腹に内容物 ３を付けることができこれを使用することができる。

【００１６】 また、膜４の弾力とパッキン部４ａの繰り出しにより貫通部５は容器内で任意 に移動でき、内容物の取り出しが偏る虞れはない。このときパッキン部の繰り出 しはある程度以上のテンションがかからないと繰り出されないのでパッキン部４ ａ内容物に潜り込むことはない。

【００１７】 このようにして内容物３を所望量ずつ取り出すが、容器２内の内容物３は最後 まで外気に触れることがなく変質や変色が生じたり揮発分が蒸散する虞れはない 。なお、前記貫通部５は図４に示すようにスリットとしてもよい。この場合は空 気に触れる面積がさらに減少し、内容物の保護効果が高くなる。

【００１８】 図５は他の実施例を示し、膜４としてラテックスやシリコンゴムのように特に 大きな伸展性がある材質を使用したものである。膜４は前記実施例と同様にカッ プ状をなしており、その上縁部分を肉厚として補強部４ｂとなっている。また、 膜４の上縁には鍔部４ｃが設けられ、この鍔部４ｃを開口部１の上縁に密着させ てある。これにより密閉が図られるようになっている。

【００１９】 前記貫通部５は図６及び図７に示すように、カップ状となっている膜４の側面 に設けられており、その形状は２本のスリットを直交させたいわゆる「×」印の スリット状としてある。そしてこの貫通部５の周囲に肉厚部５ａが設けられてい る。このような構成とすることにより肉厚部５ａがちょうど指の腹に位置するこ ととなり、より内容物３が取り出し易くなる。

【００２０】 図７は使用に際して指で膜４を押し下げた状態を示し、膜４が下方に伸びてス リットが開きさらに肉厚部５ａが外方向にめくれるように移動して内容物３がよ り取り出し易くなっている。常時は貫通部５が閉じており、空気の流通を阻止し ている。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によれば、クリーム等の内容物が直接空気に触れることが防止できて品 質を長期間維持することができる。また、内容物が取り易く、スプーン等の補助 用具も不要となるため容器構造も簡単となり低コストとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１を示す断面図

【図２】本考案の実施例１を示す要部の平面図

【図３】本考案の実施例１を示す要部の平面図

【図４】本考案の実施例１を示す要部の断面図

【図５】本考案の実施例２を示す断面図

【図６】本考案の実施例２の要部の斜視図

【図７】本考案の実施例３の要部の斜視図

【図８】本考案の実施例を示す内容物の指への付着状態
を示す斜視図

【図９】本考案の実施例を示す要部の断面図

【図１０図】一般的な容器における内容物の指への付着
状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ 開口部、 ２ 容器、 ３ 内容物、 ４ 膜、 ５ 貫通部。

フロントページの続き (72)考案者 市川 順子 静岡県静岡市弥生町六四八番地ポーラ化成 工業株式会社内 (72)考案者 岡 裕美 静岡県静岡市弥生町六四八番地ポーラ化成 工業株式会社内

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部を有する容器に練状の内容物を収
   容し、前記開口部に伸展性の膜を張設して内容物と密着
   させるとともに、この膜に貫通部を設け、前記膜を押し
   下げることにより、前記貫通部から内容物を流出させる
   ように構成したことを特徴とする容器。
2. 【請求項２】 前記貫通部が孔部であることを特徴とす
   る請求項１記載の容器。
3. 【請求項３】 前記貫通部がスリットであることを特徴
   とする請求項１記載の容器。
4. 【請求項４】 前記貫通部がスリットであるとともに、
   膜の中心部からずらした位置に形成したことを特徴とす
   る請求項１記載の容器。
5. 【請求項５】 前記貫通部の周囲に補強のための肉厚部
   を形成したことを特徴とする請求項１記載の容器。