JPH05161631A - 放射線診断装置 - Google Patents

放射線診断装置

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JPH05161631A
JPH05161631A JP3334786A JP33478691A JPH05161631A JP H05161631 A JPH05161631 A JP H05161631A JP 3334786 A JP3334786 A JP 3334786A JP 33478691 A JP33478691 A JP 33478691A JP H05161631 A JPH05161631 A JP H05161631A
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image
ray
distribution
absorption coefficient
average
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JP3334786A
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English (en)
Inventor
Michitaka Honda
道隆 本田
Naoki Yamada
尚樹 山田
Toyomitsu Kanebako
豊充 金箱
Hiroshi Nakayama
博士 中山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は例え放射線吸収量が同じであっ
ても被検体の組成物質が異なる部分は同一ではないこと
を認識することができる画像を得ることができる放射線
診断装置を提供することである。 【構成】本発明装置は第1および第2のエネルギの放射
線が被検体Pを透過する際の第1、第2の放射線減衰率
を得る手段と、その第1の放射線減衰率と基準物質の第
1エネルギにおける所定の放射線吸収係数μL とから被
検体Pが基準物質のみからなると仮定したときの厚さt
L を求める厚み分布計算部12と、その厚さtL と第2
の放射線減衰率とから被検体Pの第2エネルギーにおけ
る放射線吸収係数μHCを求める吸収係数μHC分布計算部
13と、吸収係数μHC分布計算部13により求められた
放射線吸収係数μHCと基準物質の第2エネルギにおける
所定の放射線吸収係数μH との差分μS を求める差分μ
S 分布演算部14とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数種類のエネルギー
の放射線により撮影して得た複数の放射線像に基づいて
新たな画像を得る放射線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、放射線診断装置は放射線、例えば
X線が被検体を透過した透過量、換言するとX線吸収量
に応じてX線透過像を得、診断に供するものである。し
かしこのX線透過像の欠点はX線の第1の透過パス上の
組織成分と第2の透過パス上の組織成分とが実際には異
なっている場合であっても、各透過パスにおける全体の
X線吸収量が等価であれば同一組織であるかのごとく表
示してしまうこと、特定の関心組織、例えば血管と、他
の組織、例えば骨とが同一パス上に存する場合に、血管
が骨に隠されて表示されないこと等である。
【0003】また、近年、特定の関心組織の診断を阻害
する組織、例えば骨だけ又は軟部組織だけを消去して表
示する方法、いわゆるエネルギーサブトラクション法が
考案された。このエネルギーサブトラクション法は物質
のX線吸収係数はX線のエネルギーに依存するという性
質、および物質のX線吸収係数のエネルギー依存性はそ
の物質の原子番号の相違に応じて異なるとういう性質を
利用するものである。ここで、X線吸収係数は物質の単
位厚さ(X線透過路長)当りの吸収率であるので同一物
質であれば厚さの相違に関係なく同一である。このエネ
ルギーサブトラクション法について以下に説明する。
【0004】エネルギーサブトラクション法は、まずX
線管に比較的低キロボルトの管電圧を印加して得られる
比較的低エネルギーのX線を被検体に照射し、その被検
体を透過したX線が比較的低い平均エネルギーを持つ帯
域のエネルギースペクトル分布を持つようなX線透過像
(以下「低エネルギー像」と称する)を得る。ここで、
この被検体における透過像領域を便宜上骨、血管とを含
む肺野であるとする。次に低エネルギー像を得たときの
管電圧より高い管電圧をX線管に印加し、X線が比較的
高い平均エネルギーを持つ帯域のエネルギースペクトル
分布を持つようなX線透過像(以下「高エネルギー像」
と称する)を得る。
【0005】この得られた高エネルギー像から低エネル
ギー像を減算し、2つの像の差の像を得る。ただし減算
する前に高エネルギー像と低エネルギー像それぞれに適
当な重み係数を乗算し、消去したい組織が減算によって
相殺されるようにする。この重み係数は、消去したい組
織のX線吸収係数のエネルギー依存性に応じて設定され
ていて、様々に変更することにより例えば“骨だけを消
去した画像”、あるいは“軟部組織だけを消去した画
像”を得ることが可能となる。
【0006】しかしこのエネルギーサブトラクション法
により得られる“所望の組織を消去した画像”による診
断には次の問題がある。すなわち、診断の本来的な目的
である病変部の発見を援助するために消去した組織がそ
の病変部を組成する物質と同じ物質で組成している場合
には、肝心の病変部が消去した組織と共に消去されてし
まうことになる。例えば、エネルギーサブトラクション
法により得た画像が“骨だけを消去した画像”であり、
透過像領域が肺野であり、診断対象である病変部がカル
シウムを含む組織である場合には、病変部が骨と共に消
去され、その結果正確な診断が阻害されてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
例え放射線吸収量が同じであっても被検体の組成物質が
異なることを認識することができる画像を得ることがで
きる放射線診断装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る放射線診断
装置は、第1、第2のエネルギーの放射線を被検体に照
射し、その被検体を透過する際の第1、第2のエネルギ
ー放射線毎の第1、第2の放射線減衰率を検出する手段
と、
【0009】前記第1エネルギーの放射線に対する前記
第1の放射線減衰率と基準物質の前記第1エネルギーに
おける所定の放射線吸収係数とから前記被検体が前記基
準物質からなると仮定したときの厚さを求める第1演算
手段と、
【0010】前記第1演算手段により求められた前記厚
さと前記第2の放射線減衰率とから前記被検体の前記第
2エネルギーにおける放射線吸収係数を求める第2演算
手段と、
【0011】前記第2演算手段により求められた前記放
射線吸収係数と前記基準物質の前記第2エネルギーにお
ける所定の放射線吸収係数との差を求める第3演算手段
とを具備することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、第1、第2のエネルギーの放
射線を被検体に照射し、その被検体を透過する際の第
1、第2のエネルギー放射線毎の第1、第2の放射線減
衰率を検出し、前記第1エネルギーの放射線に対する前
記第1の放射線減衰率と基準物質の前記第1エネルギー
における所定の放射線吸収係数とから前記被検体が前記
基準物質からなると仮定したときの厚さを第1演算手段
で求め、前記第1演算手段により求められた前記厚さと
前記第2の放射線減衰率とから前記被検体の前記第2エ
ネルギーにおける放射線吸収係数を第2演算手段で求
め、前記第2演算手段により求められた前記放射線吸収
係数と前記基準物質の前記第2エネルギーにおける所定
の放射線吸収係数との差を第3演算手段で求め、この差
に応じた画像を得ることができ、その結果被検体の組成
の相違を表す情報を含んだ画像を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。本発明に係る放射線診断装置に用いる放射線をX線
として以下説明する。図1は本発明の第1の実施例に係
るX線診断装置の構成を示すブロック図である。
【0014】第1の実施例に係るX線診断装置は第1、
第2のエネルギーのX線毎のX線透過像データを得るX
線装置と、そのX線透過像データを記憶するX線像記憶
装置と、特定の基準物質、例えば水に関する第1のエネ
ルギーのX線における第1の平均吸収係数μL と同じ基
準物質に関する第2のエネルギーのX線における第2の
平均吸収係数μH を記憶する平均吸収係数記憶装置と、
X線像記憶装置に記憶されている第1のX線透過像デー
タから得る第1のX線吸収量と平均吸収係数記憶装置に
記憶されている第1の平均吸収係数μL とに基づいて所
定の演算処理を施し被検体が基準物質のみからなってい
ると仮定したときのその基準物質の画素毎の厚みtL を
計算し、1枚の画像における厚み分布を得る厚みtL 分
布計算部12と、X線像記憶装置に記憶されている第2
のX線透過像データから得る第2のX線吸収量と厚みt
L 分布計算部12で得られた厚みtL 分布とに基づいて
所定の演算処理を施し画素毎に平均吸収係数μHCを計算
し、1枚の画像における平均吸収係数μHC分布を得る平
均吸収係数μHC分布計算部13と、μHC分布計算部13
で得られた平均吸収係数μHC分布と平均吸収係数記憶装
置に記憶されている第2の平均吸収係数μH との差分μ
S を画素毎に計算し、1枚の画像における差分μS 分布
を得る差分μS 分布演算部14と、第1のX線透過像デ
ータと第2のX線透過像データとに基づいて画素毎の平
均値を計算し平均像ILHC を得る平均像ILHC 計算部1
5と、差分μS 分布演算部14で得られた差分μS 分布
と平均像ILHC 計算部15で得られた平均像ILHC とに
基づいて画素毎に合成処理し1枚の合成像データを得る
合成処理部16と、その合成像データを入力しモニタ1
9の走査方式に応じてその合成像を出力するフレームメ
モリ(FM)17と、その合成像をディジタル/アナロ
グ変換するディジタル/アナログ(D/A)変換部18
と、合成像を表示するモニタ19と、図示していないが
システム全体の制御を行うシステム制御部とを備えてい
る。
【0015】X線装置はX線を被検体Cに向かって照射
するX線管1と、X線管1に管電圧を印加するX線制御
部3と、被検体Cを挟んでX線管1に対向して設けら
れ、被検体Cの透過X線像を光学像に変換するイメージ
インテンシファイヤ2と、イメージインテンシファイヤ
2からの光学像を電気信号化してX線透過像データを得
るTVカメラ4と、TVカメラ4で得たX線透過像デー
タをアナログ/ディジタル変換するアナログ/ディジタ
ル(A/D)変換器5とからなる。ここでX線管1はX
線制御部3から印加される第1の管電圧および第2の管
電圧に応じて比較的低い(LOW)エネルギーの第1の
X線およびその第1のX線より比較的高い(HIGH)
エネルギーの第2のX線を***し、またX線制御部3は
図示しないシステム制御部からの管電圧制御信号を受け
てX線管1へ第1の管電圧および第2の管電圧を印加す
る。
【0016】X線像記憶装置はIL0記憶部6と、IH0記
憶部7と、ILC記憶部8と、IHC記憶部9とを備えてい
る。IL0記憶部6は被検体Cを介さずにすなわちX線管
1から***された比較的低い(LOW)エネルギーの第
1のX線を直接検出して***X線量データIL0(この
「***X線量データ」を画像と称するには多少の違和感
があるが説明の便宜性に鑑み「X線像IL0」と以下称す
るものとする)を記憶し、IH0記憶部7は被検体Cを介
さずにすなわちX線管1から***される第1のX線に比
し高い(HIGH)エネルギーの第2のX線を直接検出
して***X線量データIH0(「X線像IL0」の場合と同
様に以下「X線像IH0」と称する)を記憶する。また、
ILC記憶部8はX線像IL0を得るときに用いた第1のX
線と同じエネルギーおよび撮影条件のX線を用いて被検
体Cの透過X線像ILCを記憶し、IHC記憶部9はX線像
IH0を得るときに用いた第2のX線と同じエネルギーお
よび撮影条件のX線を用いて被検体Cの透過X線像IHC
を記憶する。
【0017】平均吸収係数記憶装置は、特定の物質につ
いての平均吸収係数を記憶するものであり、平均吸収係
数はX線のエネルギーによって異なるので、前述した特
定の物質、例えば水に関する第1のX線に応じた第1の
平均吸収係数μL を記憶するμL 記憶部10と、同じ特
定の物質に関する第2のX線に応じた第2の平均吸収係
数μH を記憶するμH 記憶部11とからなる。ここで吸
収係数を平均としている理由について簡単に説明する
と、エネルギー幅の狭いいわゆる単色X線の場合には吸
収係数が確定的に得られるが、ある程度エネルギーの幅
を有するX線の場合にはその幅に含まれるエネルギーの
X線に対する吸収係数の平均値を取ることになるためこ
こでは平均吸収係数と称するものとしているが、特に平
均吸収係数でなければならない訳ではなく吸収係数であ
ってもよい。μL 記憶部10は図示しないシステム制御
部に制御され第1の平均吸収係数μL を厚みtL 分布計
算部12に供給する。またμH 記憶部11は図示しない
システム制御部に制御され第2の平均吸収係数μH を差
分μS 分布演算部14に供給する。
【0018】厚みtL 分布計算部12は、IL0記憶部6
およびILC記憶部8に記憶されているX線像IL0および
X線像ILCを入力し得られるそのX線像IL0とX線像I
LCとの比すなわちX線減衰率と、またμL 記憶部10か
ら入力する第1の平均吸収係数μL とを用いて、所定の
式に基づいて画素毎の厚みtL を算出し、1枚の画像に
おける厚みtL 、すなわち厚みtL 分布を得る。この厚
みtL 分布は被検体Cを特定の物質、例えば水の均一組
成であると仮定した場合の第1のX線に対するその特定
の物質の吸収量に基づいて算出した被検体Cの厚さの分
布である。ここでこの厚みtL 分布計算部12で用いる
前記所定の式は次の通りである。 tL ={−log e(ILC/IL0)}/μL …(1) ここで式(1)に示した「ILC/IL0」は第1のX線に
対する特定の基準物質の減衰率(以下第1の減衰率と称
する)である。
【0019】平均吸収係数μHC分布計算部13は、IH0
記憶部7およびIHC記憶部9からそれぞれX線像IH0お
よびX線像IHCを入力し得られるそのX線像IH0とX線
像IHCとの比すなわちX線減衰率と、厚みtL 分布計算
部12で得られた厚みtL 分布とを用いて、所定の式に
基づいて画素毎に新たな平均吸収係数μHCを計算し、平
均吸収係数μHC分布を得る。この平均吸収係数μHC分布
計算部13で用いる前記所定の式は次の通りである。 μHC={−log e(IHC/IH0)}/tL …(2) ここで式(2)に示した「IHC/IH0」は第2のX線に
対する特定の基準物質の減衰率(以下第2の減衰率と称
する)である。
【0020】差分μS 分布演算部14は、μHC分布計算
部13で得られた平均吸収係数μHC分布と平均吸収係数
記憶装置のμH 記憶部11に記憶されている第2の平均
吸収係数μH との差分μS を画素毎に演算し、差分μS
分布を得る。この差分μS 分布において、もし被検体C
が厚さtL を求めるときに用いた特定の物質(水)のみ
からなる均一組成体である場合には、差分μS はゼロ
(0)になるはずである。しかし被検体Cが厚さtL を
求めるときに用いた特定の物質(水)の均一組成でない
場合には、差分μS はゼロ(0)とはならず、またこの
差分μS のレベルは組成物質、あるいはその組成物質そ
れぞれの組成量を表す情報を含んでいるものである。差
分μS はゼロ(0)とはならない理由および前記情報を
含んでいる理由としては、平均吸収係数はX線のエネル
ギーの相違にのみ依存し、物質の厚さには依存しないこ
と、また平均吸収係数は物質に固有であることに起因し
ている。ここでは厚さtL を媒介因子として第2の平均
吸収係数μH と計算により求めた平均吸収係数μHCとを
比較し、それらに差異があるか否か、およびその差異の
レベルを求めている。
【0021】平均像ILHC 計算部15は、第1のX線透
過像データ群の中の被検体Cを透過させて得たX線像I
LCと第2のX線透過像データ群の中の被検体Cを透過さ
せて得たX線像IHCとをそれぞれILC記憶部8とIHC記
憶部9とから入力し、それらのX線像の平均像IHLC を
得る。
【0022】合成処理部16は、差分μS 分布演算部1
4および平均像ILHC 計算部15それぞれから差分μS
分布および平均像ILHC を入力し、この差分μS 分布の
各画素の差分μS レベルに応じて色相を与え、さらに平
均像ILHC の各画素値レベルに応じて明るさ与え、合成
像データを得る。図6は合成処理部16の構成を示すブ
ロック図である。ルックアップテーブル(LUT)16
aは入力した差分μSのレベル、すなわち正あるいは負
およびその絶対値に応じて赤(R)、青(B)、緑
(G)それぞれの成分を決定する。乗算器16b、16
c、16dそれぞれはLUT16aで決定した色相、す
なわち赤(R)、青(B)、緑(G)の各成分に平均像
ILHC の各画像値を明るさ情報として乗算し、X線断層
情報と組成情報とを含んだ合成像データを出力する。
【0023】フレームメモリ(FM)17は合成処理部
16から合成像データを入力しモニタ19の走査方式に
応じてその合成像を出力する。ディジタル/アナログ
(D/A)変換部18はその合成像をディジタル/アナ
ログ変換し、モニタ19はその合成像を表示する。次に
以上のように構成された実施例に係るX線診断装置の作
用について図2乃至図5および図7を参照して説明す
る。
【0024】図2は説明の便宜上2種類の物質、すなわ
ち物質Aと不特定物質Bからなる被検体Cの組成、およ
び4種類のX線パスP1,P2,P3,P4 について示した図
である。この4種類のX線パスP1,P2,P3,P4 に関し
て説明する。この図3は図2に示した被検体Cに関する
厚さtL 分布を示した図であり、図4は厚さtL 分布に
基づいて得た平均吸収係数μHCの図2に示した4種類の
X線パスに関する分布および平均吸収係数μH の分布と
を示し、さらにそれらの差分μSを示した図であり、図
5は図4に示した差分μS の発生について物質A、Bの
各エネルギー依存性と合わせて示す図である。図7は図
1に示した合成処理部16における差分μS レベルに応
じた色相の決定を説明する図である。
【0025】先ず被検体CをX線管1とイメージインテ
ンシファイヤ2の間に載置せずに撮影した画像、すなわ
ち被検体Cを介さないX線像ILO、IHOを第1のX線、
第2のX線毎に得る。そしてこのX線像ILO、IHOをA
/D変換器5でディジタル信号に変換した後、X線像I
LOをILO記憶部6、X線像IHOをIHO記憶部7に記憶す
る。
【0026】次に被検体CをX線管1とイメージインテ
ンシファイヤ2の間に載置して撮影した画像、すなわち
被検体Cを透過させてX線像ILO、IHOを得る時に用い
た第1のX線、第2のX線毎にX線像ILCおよびIHCを
得、A/D変換器5でディジタル信号に変換した後、X
線像ILCをILC記憶部8に、X線像IHCをIHC記憶部9
に記憶する。
【0027】ILO記憶部6に記憶されているX線像ILO
と、ILC記憶部8に記憶されているX線像ILCとから得
られる被検体Cの第1のX線に対する減衰率と、μL 記
憶部に記憶されている第1のX線に関する物質A、例え
ば水の平均吸収係数μL とから厚みtL 分布を厚みtL
分布計算部12で得る。被検体Cの図2に示した4種類
のX線パスP1,P2,P3,P4 に関する厚みtL 分布は図
3に示したようになる。この厚みtL 分布はX線管1か
ら***されたX線の各X線パス上で吸収されるトータル
の量に応じたものであり、すなわち従来のX線透過像に
準ずるものである。この図3に示した厚みtL 分布から
はX線パスP2,P3 上の組成的な相違を認識することは
できない。
【0028】次に平均吸収係数μHC分布は平均吸収係数
μHC分布計算部13において厚みtL 分布計算部12で
求めた厚みtL 分布と、IHO記憶部7に記憶されている
X線像IHOと、IHC記憶部9に記憶されているX線像I
HCとに基づいて算出される。この図2に示した各X線パ
スP1,P2,P3,P4 に関する平均吸収係数μHC分布が図
4に実線で示されている。
【0029】差分μS 分布は差分μS 分布演算部14に
おいて、その平均吸収係数μHC分布とμH 記憶部11に
記憶されている物質Aの第2のX線に関する平均吸収係
数μH とに基づいて算出される。平均吸収係数μH は図
4において点線で示されていて、差分μS は斜線で示さ
れている。ここでこの差分μS は図4に示したようにX
線パスP1,P4 においてはゼロであり、X線パスP2,P
3 においては同じレベルの差分μS 値が存している。す
なわちX線パスP1,P4 上はともに物質Aの均一組成で
あり、X線パスP2,P3 はともに物質A以外の他の物質
を含んだ組成であり且つその組成物質も同一であること
を示している。この差分μS の有無が意味するところを
図5を用いて説明すると、物質Aの平均吸収係数はその
X線エネルギーの大小により実線で示したように変わる
(エネルギー依存性)ことが既に知られており、もしこ
の物質Aに他の不特定物質Bが混入している混合体であ
る場合には一点鎖線で示したようにその平均吸収係数の
エネルギー依存性は物質Aの平均吸収係数のエネルギー
依存性と異なることになる。すなわち差分μS が生じ
る。しかし物質Aの均一物質である場合には既知の物質
Aのエネルギー依存性と同一になり、差分μS は生じな
い。この差分μS 分布をそのまま表示させてもよいが本
実施例では差分μS の在る部分の被検体Cにおける位置
を容易に知らしめるようにX線透過像と合成して表示す
る。
【0030】合成像はこの差分μS 分布および平均像I
LHC 計算部15で得られるX線像IHCとILCとの平均像
ILHC とに基づいて合成処理部16で得られる。この合
成像には差分μS 分布が表す組成の相違情報および平均
像ILHC が表すX線透過情報が含まれている。この合成
像はフレームメモリ17、ディジタル/アナログ変換器
18を介してモニタ19に表示される。
【0031】このように本実施例に係るX線診断装置に
よれば、例えX線吸収量が同じであっても被検体の組成
物質が異なることを認識することができる画像を得るこ
とができる。
【0032】本発明は上記実施例に限定されることなく
本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能
である。例えば上記実施例では管電圧を変えて2種のエ
ネルギーのX線を得たが、X線管と被検体との間あるい
は被検体とイメージインテンシファイヤとの間にフィル
タを挿入するまたはフィルタを挿出することによってX
線エネルギーを変化させ、第1のX線又は第2のX線を
得てもよい。
【0033】また上記実施例ではμ記憶部に物質Aの第
1、第2のX線毎の平均吸収係数μL 、μH を記憶して
いたが、物質A(水)だけでなく様々な物質の第1、第
2のX線毎の平均吸収係数を記憶させておき、その中か
ら撮影部位の組成物質に応じて最も差分値が大きく表れ
るような最適な物質の平均吸収係数を選択するようにし
てもよい。またこの様々な物質の第1、第2のX線毎の
平均吸収係数を解剖学的部位に対照させて記憶して、オ
ペレータが所望の解剖学的部位を指定するだけで最適、
すなわち最も差分値が大きく表れるような物質の平均吸
収係数を選択できるようにしてもよい。
【0034】また上記実施例では被検体Cを介さないX
線像ILO、IH0は本実施例装置の動作の都度得ることと
しているが、インストール前に予め様々な撮影条件、す
なわち様々なエネルギーのX線毎に求めて記憶させ、撮
影条件を入力することにより適当なX線像ILO、IH0を
選択するようにしてもよく、その場合にはX線像ILO、
IH0を本実施例装置の動作の都度求める手間が無くなり
非常に効率よく診断することができる。また撮影系の様
々なゲインに基づいた所定の近似関数式を用いて撮影条
件からX線像ILO、IH0を算出するようにしてもよい。
【0035】また、上記実施例では、合成処理部16に
おいて差分μS 分布と平均像IHLCを合成して得た1枚
の合成像を表示しているが、差分μS 分布だけから得る
差分μS 分布像だけを表示させたり、差分μS 分布像と
平均像IHLC とをそれぞれ独立させて、例えば1つのモ
ニタを左右あるいは上下分割させて表示させてもよい。
また合成処理部16で差分μS 分布と合成する像を平均
像IHLC でなく第1のX線で撮影したX線像ILC、ある
いは第2のX線で撮影したX線像IHCとしてもよい。さ
らに上記実施例では、合成処理部16において差分μS
レベルに応じて自動的に色相を決定しているが、この色
相を決定する範囲をオペレータの指示により自由に調整
できるようにしてもよい。この場合、オペレータは特定
の差分μS レベルを有する範囲だけ、すなわち診断の対
象とする部分だけに色付けを行うことができ、また前記
範囲をゼロにすることにより全く色付けをなくしX線透
過像だけを表示させることができる。また特定の差分μ
S レベルの色度を他の差分μS レベルの色度より強調さ
せて表示するようにしてもよい。また第1の実施例装置
の差分μS 分布演算部16で得られる差分μS 分布を平
均像IHLC のエッジ強調成分として用い、各物質の境界
部を強調させる、いわゆるエッジ強調処理を行ってもよ
い。もちろんそれら以外の現在用いられている画像処理
を本発明の主旨を逸脱しない範囲内で用いたとしても何
等差支えない。
【0036】また上記実施例において、X線像を得た直
後に散乱線補正や、ビームハードニング補正を行っって
もよい。すなわち散乱線補正によってX線装置から入力
したX線透過像データに含まれている被検体C透過時に
発生した散乱線による誤差成分を除去し、散乱線による
誤差成分のないX線透過像データを得ることができる。
またビームハードニング補正によってX線透過像データ
から軟らかいX線による成分を除去し、硬いX線による
成分だけのX線透過像データを得ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1、第2のエネルギーの放射線を被検体に照射し、その
被検体を透過する際の第1、第2のエネルギー放射線毎
の第1、第2の放射線減衰率を検出し、前記第1エネル
ギーの放射線に対する前記第1の放射線減衰率と基準物
質の前記第1エネルギーにおける所定の放射線吸収係数
とから前記被検体が前記基準物質からなると仮定したと
きの厚さを第1演算手段で求め、前記第1演算手段によ
り求められた前記厚さと前記第2の放射線減衰率とから
前記被検体の前記第2エネルギーにおける放射線吸収係
数を第2演算手段で求め、前記第2演算手段により求め
られた前記放射線吸収係数と前記基準物質の前記第2エ
ネルギーにおける所定の放射線吸収係数との差を第3演
算手段で求め、この差に応じた画像を得ることができ、
その結果前記差分値が異なる部分に対応する被検体の組
成物質が例え放射線吸収量が同じであっても異なること
を認識することができる放射線診断装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るX線診断装置の構成を示
すブロック図。
【図2】図1に示したX線診断装置の動作を説明するた
めの被検体の一例を示す図。
【図3】図2に示した被検体における図1に示した厚み
分布計算部で得られる厚み分布を示す図。
【図4】図2に示した被検体における図1に示したμHC
分布計算部で得られる平均吸収係数μHCの分布およびμ
S 差分演算部で得られる差分を示す図。
【図5】図2に示した被検体の平均吸収係数のX線エネ
ルギーに応じた変化状態を示す図。
【図6】図1に示した合成処理部の構成を示す図。
【図7】図1に示した合成処理部における色度の割付け
を説明する図。
【符号の説明】
1…X線管、2…イメージインテンシファイヤ、3…X
線制御部、4…TVカメラ、5…アナログ/ディジタル
変換器、6…IL0メモリ、7…IH0記憶部、8…ILC記
憶部、9…IHC記憶部、10…μL 記憶部、11…μH
記憶部、12…厚み分布計算部、13…μHC分布計算
部、14…μS 差分演算部、15…ILHC平均部、16
…合成処理部、17…ディジタル/アナログ変換部、1
8…モニタ。
フロントページの続き (72)発明者 中山 博士 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2のエネルギーの放射線を被検
    体に照射し、その被検体を透過する際の第1、第2のエ
    ネルギー放射線毎の第1、第2の放射線減衰率を検出す
    る手段と、 前記第1エネルギーの放射線に対する前記第1の放射線
    減衰率と基準物質の前記第1エネルギーにおける所定の
    放射線吸収係数とから前記被検体が前記基準物質からな
    ると仮定したときの厚さを求める第1演算手段と、 前記第1演算手段により求められた前記厚さと前記第2
    の放射線減衰率とから前記被検体の前記第2エネルギー
    における放射線吸収係数を求める第2演算手段と、 前記第2演算手段により求められた前記放射線吸収係数
    と前記基準物質の前記第2エネルギーにおける所定の放
    射線吸収係数との差を求める第3演算手段とを具備する
    ことを特徴とする放射線診断装置。
JP3334786A 1991-12-18 1991-12-18 放射線診断装置 Pending JPH05161631A (ja)

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