JPH05140727A - スパツタ成膜時基板前処理法 - Google Patents
スパツタ成膜時基板前処理法Info
- Publication number
- JPH05140727A JPH05140727A JP3303190A JP30319091A JPH05140727A JP H05140727 A JPH05140727 A JP H05140727A JP 3303190 A JP3303190 A JP 3303190A JP 30319091 A JP30319091 A JP 30319091A JP H05140727 A JPH05140727 A JP H05140727A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- film
- pretreatment
- sputtering
- hydrochloric acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミックス基板上に密着強度の高い電極膜
を形成する。 【構成】 スパッタ前のセラミックス基板1を温濃塩酸
に浸漬することによりセラミックス基板1の構成粒子の
粒界に選択的にエッチング痕2を生じさせ、その上にス
パッタされるCr膜3がエッチング痕に浸入する。
を形成する。 【構成】 スパッタ前のセラミックス基板1を温濃塩酸
に浸漬することによりセラミックス基板1の構成粒子の
粒界に選択的にエッチング痕2を生じさせ、その上にス
パッタされるCr膜3がエッチング痕に浸入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば圧電素子上の電
極作成のための、スパッタ成膜による薄膜作製時のスパ
ッタ成膜時基板前処理法に関する。
極作成のための、スパッタ成膜による薄膜作製時のスパ
ッタ成膜時基板前処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタ法にて成膜を行なうセラ
ミックス基板の前工程としては、基板を真空槽内に挿入
した後、Ar(アルゴン)ガスを真空槽内に導入して電
場により電離させ、その電離気体を基板表面に衝突させ
て、基板表面に付着した汚染物質をたたき出す逆スパッ
タ法などのドライプロセスにより、表面の汚染物質を除
去するのが一般的であった。スパッタ法とは、素子基板
を、電極材を構成する物質のターゲットを備えた真空槽
内に挿入し、Arガスを導入したのち電場を印加して、
ガスの電離気体の粒子をターゲットに衝突させることに
より電極構成物質の粒子をたたき出し、対向して置かれ
た素子基板上に堆積させて電極薄膜を作成する方法であ
る。
ミックス基板の前工程としては、基板を真空槽内に挿入
した後、Ar(アルゴン)ガスを真空槽内に導入して電
場により電離させ、その電離気体を基板表面に衝突させ
て、基板表面に付着した汚染物質をたたき出す逆スパッ
タ法などのドライプロセスにより、表面の汚染物質を除
去するのが一般的であった。スパッタ法とは、素子基板
を、電極材を構成する物質のターゲットを備えた真空槽
内に挿入し、Arガスを導入したのち電場を印加して、
ガスの電離気体の粒子をターゲットに衝突させることに
より電極構成物質の粒子をたたき出し、対向して置かれ
た素子基板上に堆積させて電極薄膜を作成する方法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
では被膜の残留応力による基板との密着強度の低下を防
ぐのに十分な効果は得られず、従来技術により作成した
電極膜の密着強度を引き剥し法で評価したときの値は3
0〜50kg/cm2程度と非常に低い値であった。
では被膜の残留応力による基板との密着強度の低下を防
ぐのに十分な効果は得られず、従来技術により作成した
電極膜の密着強度を引き剥し法で評価したときの値は3
0〜50kg/cm2程度と非常に低い値であった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、密着強度の高いスパッタ膜を得
る前処理法を提供することを目的としている。
になされたものであり、密着強度の高いスパッタ膜を得
る前処理法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の前処理法は、温濃塩酸によるエッチング工程
を有している。
に本発明の前処理法は、温濃塩酸によるエッチング工程
を有している。
【0006】
【作用】上記の構成を有する本発明の前処理法は、スパ
ッタ前の基板を温濃塩酸に浸漬することにより基板粒子
の粒界を選択的にエッチングし、エッチング痕を生じさ
せる。
ッタ前の基板を温濃塩酸に浸漬することにより基板粒子
の粒界を選択的にエッチングし、エッチング痕を生じさ
せる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0008】まず、図1を参照して本発明の前処理法を
用いて作製した電極膜の構成を説明すると、PbZrO3(ジ
ルコン酸鉛)-PbTiO3(チタン酸鉛)系のセラミックス
基板1はPbZrO3及びPbTiO3の粒子よりなり、表面付近の
粒界は前処理によるエッチングで数百〜数千オングスト
ロームのエッチング痕2が生じている。基板上に堆積さ
せられたCr(クロム)膜3はそのエッチング痕2にも浸
入しており、Cr膜3の上にはさらにNi(ニッケル)膜4
が堆積させられている。
用いて作製した電極膜の構成を説明すると、PbZrO3(ジ
ルコン酸鉛)-PbTiO3(チタン酸鉛)系のセラミックス
基板1はPbZrO3及びPbTiO3の粒子よりなり、表面付近の
粒界は前処理によるエッチングで数百〜数千オングスト
ロームのエッチング痕2が生じている。基板上に堆積さ
せられたCr(クロム)膜3はそのエッチング痕2にも浸
入しており、Cr膜3の上にはさらにNi(ニッケル)膜4
が堆積させられている。
【0009】次に、図2〜図4を参照して本実施例の電
極膜の製造工程を説明する。
極膜の製造工程を説明する。
【0010】最初にセラミックス基板1は図2(a)の
ように溶剤洗浄用ビーカ5中のアセトン6に浸され、超
音波洗浄器7により超音波洗浄を5分間施される。つい
で、図2(b)のようにエアースプレー8のエアーブロ
ーにより強制乾燥された後、図2(c)に示すように恒
温槽9によって60℃に保たれたアルカリ脱脂液アルプ
レップ(奥野製薬社製)10にて5分間脱脂が行われ
る。続いて、図2(d)のように超音波洗浄器7により
純水11中にて超音波洗浄を10分間行なった後、図2
(e)のように恒温槽9にて60℃に保たれた濃度14
規定の温塩酸12に2分間浸漬される。次に図2(f)
のように水洗槽13にて1分間洗浄され、前処理工程は
終了する。前処理が終了した時点で図3のようにセラミ
ックス基板1の表面にはエッチング痕2が生じている。
その後セラミックス基板1は図4に示すように、スパッ
タ装置の真空槽14に搬入され、Crターゲット15、Ni
ターゲット16の順にスパッタされて、セラミックス基
板1の上にCr膜3、Ni膜4が堆積させられる。Cr膜3は
エッチング痕2に浸入しアンカー効果により密着強度が
向上する。
ように溶剤洗浄用ビーカ5中のアセトン6に浸され、超
音波洗浄器7により超音波洗浄を5分間施される。つい
で、図2(b)のようにエアースプレー8のエアーブロ
ーにより強制乾燥された後、図2(c)に示すように恒
温槽9によって60℃に保たれたアルカリ脱脂液アルプ
レップ(奥野製薬社製)10にて5分間脱脂が行われ
る。続いて、図2(d)のように超音波洗浄器7により
純水11中にて超音波洗浄を10分間行なった後、図2
(e)のように恒温槽9にて60℃に保たれた濃度14
規定の温塩酸12に2分間浸漬される。次に図2(f)
のように水洗槽13にて1分間洗浄され、前処理工程は
終了する。前処理が終了した時点で図3のようにセラミ
ックス基板1の表面にはエッチング痕2が生じている。
その後セラミックス基板1は図4に示すように、スパッ
タ装置の真空槽14に搬入され、Crターゲット15、Ni
ターゲット16の順にスパッタされて、セラミックス基
板1の上にCr膜3、Ni膜4が堆積させられる。Cr膜3は
エッチング痕2に浸入しアンカー効果により密着強度が
向上する。
【0011】得られた電極膜の密着強度を引き剥し法で
評価した結果を表1に示す。
評価した結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】このように、本実施例の前処理法により約
140kg/cm2の高い密着強度が得られていること
がわかる。密着強度の高い膜は電極としての信頼性を高
めることができるため、本実施例の前処理法により信頼
性に優れた電極膜を得ることができる。
140kg/cm2の高い密着強度が得られていること
がわかる。密着強度の高い膜は電極としての信頼性を高
めることができるため、本実施例の前処理法により信頼
性に優れた電極膜を得ることができる。
【0014】本発明は、以上詳述した実施例に限定され
ることなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々の
変更を加えることができる。例えば、本実施例ではセラ
ミックス基板を温塩酸に浸すことにより処理を行ってい
るが、この行程をスプレーによる温塩酸の吹き付けとす
る、あるいは刷毛によりセラミックス基板上に温塩酸を
塗布するとすることも可能である。また、本実施例で
は、スパッタを行う薄膜を一層目Cr膜、二層目Ni膜とし
たが、これをTi(チタン),Cu(銅),Al(アルミニウ
ム),Au(金),Ag(銀)及びその合金とすることも可能
であり、さらに電極用途ではなく、装飾、耐蝕、耐摩耗
用の金属膜、酸化物膜とすることも可能である。
ることなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々の
変更を加えることができる。例えば、本実施例ではセラ
ミックス基板を温塩酸に浸すことにより処理を行ってい
るが、この行程をスプレーによる温塩酸の吹き付けとす
る、あるいは刷毛によりセラミックス基板上に温塩酸を
塗布するとすることも可能である。また、本実施例で
は、スパッタを行う薄膜を一層目Cr膜、二層目Ni膜とし
たが、これをTi(チタン),Cu(銅),Al(アルミニウ
ム),Au(金),Ag(銀)及びその合金とすることも可能
であり、さらに電極用途ではなく、装飾、耐蝕、耐摩耗
用の金属膜、酸化物膜とすることも可能である。
【0015】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、温
塩酸によりセラミックス基板表面をエッチングすること
により、セラミックス基板上に密着性の高いスパッタ膜
を得ることが出来る。
塩酸によりセラミックス基板表面をエッチングすること
により、セラミックス基板上に密着性の高いスパッタ膜
を得ることが出来る。
【図1】図1は本発明を適用した一実施例の電極の断面
図である。
図である。
【図2】図2(a)〜(f)は本実施例の電極基板の前
処理工程を順に示す説明図である。
処理工程を順に示す説明図である。
【図3】図3は本実施例の前処理後の基板の断面図であ
る。
る。
【図4】図4は本実施例の電極のスパッタ工程を示す説
明図である。
明図である。
1 セラミックス基板 2 エッチング痕 3 Cr膜 4 Ni膜 5 溶剤洗浄用ビーカ 6 アセトン 7 超音波洗浄器 8 エアースプレー 9 恒温槽 10 アルカリ脱脂液アルプレップ 11 純水 12 温塩酸 13 水洗槽 14 真空槽 15 Crターゲット 16 Niターゲット
Claims (2)
- 【請求項1】 スパッタ法によるセラミックス基板上へ
の成膜の前処理として、温塩酸により基板表面をエッチ
ングすることを特徴とするスパッタ成膜時基板前処理
法。 - 【請求項2】 スパッタ法によるセラミックス基板上へ
の成膜の前処理として、温塩酸により基板表面をエッチ
ングしセラミックス粒子の粒界部に選択的にエッチング
痕を生じさせることを特徴とするスパッタ成膜時基板前
処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3303190A JPH05140727A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | スパツタ成膜時基板前処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3303190A JPH05140727A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | スパツタ成膜時基板前処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140727A true JPH05140727A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=17917967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3303190A Pending JPH05140727A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | スパツタ成膜時基板前処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140727A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009062607A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 被覆体 |
CN110628280A (zh) * | 2019-09-16 | 2019-12-31 | 西安石油大学 | 一种石墨烯超导陶瓷电路基板的制备方法 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP3303190A patent/JPH05140727A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009062607A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 被覆体 |
CN110628280A (zh) * | 2019-09-16 | 2019-12-31 | 西安石油大学 | 一种石墨烯超导陶瓷电路基板的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |