JPH05131073A - 二重環縫いミシンのルーパー糸供給装置 - Google Patents

二重環縫いミシンのルーパー糸供給装置

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JPH05131073A
JPH05131073A JP32641791A JP32641791A JPH05131073A JP H05131073 A JPH05131073 A JP H05131073A JP 32641791 A JP32641791 A JP 32641791A JP 32641791 A JP32641791 A JP 32641791A JP H05131073 A JPH05131073 A JP H05131073A
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JP
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looper
thread
balance
sewing machine
yarn
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JP32641791A
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Teruhiko Okita
輝彦 大喜多
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要な糸量のルーパー糸を最適のタイミング
でルーパーに供給でき、ルーパー糸の糸掛け作業も簡単
化できるような二重環縫いミシンのルーパー糸供給装置
を提供すること。 【構成】 往復回動されるとともに軸方向に進退動され
るルーパー軸12の端部には二重環ルーパー2が固定さ
れると共に、ルーパー天秤30が固定されている。ルー
パー天秤30の横腕部30aには上下に延びるように湾
曲した半円円弧状の糸案内部39が形成され、その上端
には糸係合部38が連続して形成されている。この糸係
合部38と糸案内部39とは左右一対設けられた第1、
第2糸案内部34、35の間を一体に上下動される。こ
のため、糸係合部38に係合したルーパー糸5はルーパ
ー天秤30が上死点に達する前に糸係合部38から外れ
て糸案内部39を滑り落ちる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二重環縫いミシンのル
ーパー糸供給装置に関し、特に二重環縫いルーパーへル
ーパー糸を十分に供給し得るように構成したものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、二重環縫いミシンのルーパー糸供
給装置は、二重環縫い用ルーパー(以下、ルーパーと言
う)又はこれと連動する部材に固定されルーパーと連動
して揺動するルーパー天秤と、ミシン機枠に固定された
糸案内とを備えており、ルーパーの一方への移動時にル
ーパー天秤の上方への揺動によりルーパー糸を糸供給源
から引出し、またルーパーの他方への移動時にルーパー
天秤の下方への揺動により糸供給源より引出したルーパ
ー糸をルーパーに供給するように構成してある。ところ
で、二重環縫いでは必要ルーパー糸量が他の縫い形式に
比較して多いため、ルーパーへの糸供給量を多くする必
要があるにもかかわらず、ルーパーの揺動量、糸案内や
他の部品との配置関係によるルーパー天秤の長さの制
約、等の制約によりルーパー糸の供給量を十分に多くす
ることが難しかった。
【0003】更に、ルーパー天秤はルーパーと連動して
揺動するためルーパー天秤の揺動タイミングを変えるこ
とができず、糸供給源からのルーパー糸を引出しのタイ
ミングと、ルーパーへの糸の供給のタイミングとを最適
に調整することが困難であった。そこで、実公昭63−
7029号公報には、ルーパー天秤とミシン機枠に夫々
2つの糸案内を設け、ミシン機枠の2つの糸案内間のル
ーパー糸を天秤の1つの糸案内に係合させるとともに、
ルーパー天秤の2つの糸案内間のルーパー糸にミシン機
枠の1つの糸案内を係合させることにより、糸径路を長
くしてルーパー糸の供給量を多くするように構成した二
重環縫いミシンのルーパー糸送り装置が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に記
載の二重環縫いミシンのルーパー糸送り装置において
は、ルーパー糸の供給量を増大させることは可能である
が、ルーパー糸の引出しのタイミングとルーパー糸の供
給のタイミングは、ルーパーの揺動運動により決定され
るため、それらのタイミングを最適に設定することが不
可能で、仕上がりの綺麗な二重環縫い目を形成すること
ができない。その理由について、従来のルーパー天秤を
備えた二重環縫いミシンの糸供給装置を前提として、図
17〜図19に基いて説明する。
【0005】針上死点でルーパー最右点のときの天秤糸
量とルーパー糸量を夫々零とした場合、図17の曲線1
00はルーパー天秤の糸引出し量を示し、また曲線10
1はルーパー糸の弛み量(横軸より下方が弛み側、横軸
より上方が不足側)を示す。針が上死点で且つルーパー
が最右端のときの位相角を0度として、位相角0〜12
0度の範囲ではルーパーの左方移動に伴うルーパー糸の
弛み量がルーパー天秤の糸引出しで吸収され、位相角1
20度にてルーパー天秤の糸引出し量aと、ルーパー糸
の弛み量bとがバランスしている。その後、ルーパー天
秤は、糸供給源からルーパー糸を引き出す為に上昇し、
ルーパー糸が針に係合するためルーパー糸の弛み量は減
少していき、位相角180度にて針が最下点、ルーパー
最左点となるが、その付近において、ルーパー糸の必要
量が糸量dだけ増加し、天秤の糸引出し量が最大量cと
なる。本来、ルーパー天秤が、最大量cと糸量dの合計
量(c+d)だけ糸供給源からルーパー糸を引き出すべ
きであるにもかかわらず、縫目側の針糸とルーパー糸が
弛んでいるため、糸量dだけ縫目側のルーパー糸を引き
出してしまう。
【0006】即ち、図18に示すように、位相角145
度のときにルーパー102は、針糸103のループ10
3aから外れ、これにより針糸103が弛んだ状態でル
ーパー天秤がルーパー糸104を引くため、ルーパー天
秤の糸引出し量は多いが糸供給源から全量引き出す訳で
はなく、位相角180度の状態における図19に示すよ
うに、弛んだ状態の針糸103の一部がルーパー102
に引き戻されて湾曲部103bのようになって針糸10
3の引締めが不備となり、またルーパー糸104のルー
プ104aも過度に引締められ、その結果縫目の仕上が
り品質が著しく低下するという問題がある。しかも、前
記公報のルーパー糸送り装置では、ルーパー天秤とミシ
ン機枠の両方に夫々1対の糸案内を設けているため、こ
れらの糸案内にルーパー糸を掛ける作業が煩雑になると
いう欠点もある。本発明の目的は、必要な糸量のルーパ
ー糸を最適のタイミングでルーパーに供給でき、ルーパ
ー糸の糸掛け作業も簡単化できるような二重環縫いミシ
ンのルーパー糸供給装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る二重環縫
いミシンのルーパー糸供給装置は、上下駆動される針
と、この針と協働する二重環縫い用ルーパーと、ミシン
機枠に固定された複数の糸案内部を経由してルーパーに
至る糸径路の途中部においてルーパー糸に係合され、ル
ーパーに連動してルーパーに糸を供給するルーパー天秤
とを備えた二重環縫いミシンにおいて、前記ルーパー天
秤には、ルーパー糸に係合可能な糸係合部と、この糸係
合部の下方へ連なる湾曲状糸案内部が設けられ、前記糸
係合部と糸案内部は、ルーパーと連動して上下動を伴っ
て揺動するように設けられ、前記ルーパー天秤は、前記
ルーパーの一方への移動により、上昇する糸係合部にル
ーパー糸を係合させた状態でルーパー糸を糸供給源から
引出すとともに、上死点前に糸係合部から糸案内部に沿
ってルーパー糸を下方へ滑らせて開放し、また前記ルー
パーの他方への移動により、下降する糸案内部に沿って
ルーパー糸を上方へ滑らせてルーパーへ供給するように
構成したことを特徴とするものである。
【0008】請求項2に係る二重環縫いミシンのルーパ
ー糸供給装置は、上下駆動される針と、この針と協働す
る二重環縫い用ルーパーと、ミシン機枠に固定された複
数の糸案内部を経由してルーパーに至る糸径路の途中部
においてルーパー糸に係合され、ルーパーに連動してル
ーパーに糸を供給するルーパー天秤とを備えた二重環縫
いミシンにおいて、前記ルーパー天秤には、ルーパー糸
に係合可能な糸係合部と、この糸係合部に連なる湾曲状
糸案内部が設けられ、前記糸係合部と糸案内部は、ルー
パーと連動して揺動するように設けられ、前記ルーパー
天秤は、前記ルーパーの一方への移動により、ルーパー
糸引出し方向へ移動する糸係合部にルーパー糸を係合さ
せた状態でルーパー糸を糸供給源から引出すとともに、
引出し方向限界位置に達する前に糸係合部から糸案内部
に沿ってルーパー糸を滑らせて開放し、また前記ルーパ
ーの他方への移動により、ルーパー糸緩め方向へ移動す
る糸案内部に沿ってルーパー糸を滑らせてルーパーへ供
給するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1に係る二重環縫いミシンのルーパー糸
供給装置においては、基本的に、ルーパーが一方へ揺動
するときに、ルーパー天秤が上方へ揺動し、ルーパー天
秤とミシン機枠の糸案内部との協働を介して、ルーパー
天秤によりルーパー糸が引締められつつ糸供給源から引
き出され、またルーパーが他方へ揺動するときに、ルー
パー天秤が下方へ揺動し、ルーパー天秤からルーパー糸
が開放される。ここで、前記ルーパー天秤には、ルーパ
ー糸に係合可能な糸係合部と、この糸係合部の下方へ連
なる湾曲状糸案内部が設けられており、これら糸係合部
と糸案内部は、ルーパーと連動して上下動を伴って揺動
し、前記ルーパーが一方へ移動するとき、ルーパー天秤
の糸係合部と糸案内部とは上昇揺動し、この上昇する糸
係合部に係合したルーパー糸は糸供給源から引出される
とともに、ルーパー天秤が上死点に達する前にルーパー
糸は、糸係合部から糸案内部に沿って下方へ滑って開放
され、また前記ルーパーが他方へ移動するとき、糸係合
部と糸案内部は下降揺動し、この下降する糸案内部に沿
ってルーパー糸は上方へ滑ってルーパーへ供給される。
【0010】このように、ルーパー天秤が上死点に達す
る前にルーパー糸が、糸係合部から糸案内部に沿って下
方へ滑って開放されるため、ルーパーが針糸のループか
ら外れないうちに、つまり針糸が弛まないうちに、ルー
パー天秤によるルーパー糸の引締めと糸供給源からのル
ーパー糸の引出しとがなされる。これにより、必要なル
ーパー糸量の全量が最適のタイミングで糸供給源から確
実に引き出されることとなって、縫目の仕上がり品質が
格段に向上する。しかも、ルーパー天秤に湾曲状の糸案
内部を設けるだけなので、構成が簡単で、ルーパー糸の
糸掛け作業が煩雑化することもない。
【0011】請求項2に係る二重環縫いミシンのルーパ
ー糸供給装置においては、基本的には、請求項1と同様
の作用が得られる。但し、この請求項のルーパー糸供給
装置では、ルーパー天秤が上下動を伴う揺動運動するも
のに限定されず、ルーパー天秤は、ルーパーの揺動に連
動して、例えば、水平動を伴って揺動運動するものでも
よい。
【0012】
【発明の効果】請求項1に係る二重環縫いミシンのルー
パー糸供給装置によれば、前記作用の項で説明したよう
に、ルーパー天秤に糸係合部とその下方へ連なる湾曲状
糸案内部を設け、ルーパー天秤が上死点に達する前に糸
案内部を介してルーパー天秤の糸係合部からルーパー糸
を開放するという簡単な構成により、ルーパーが針糸か
ら外れないうちにルーパー天秤によるルーパー糸の引締
めと糸供給源からのルーパー糸の引出しとがなされるよ
うにして必要なルーパー糸量の全量を最適のタイミング
で糸供給源から確実に引き出すことが出来、縫目の仕上
がり品質を格段に向上させることが出来る。しかも、ル
ーパー天秤に湾曲状の糸案内部を設けるだけなので、構
成が簡単で、ルーパー糸の糸掛け作業が煩雑化すること
もない。
【0013】請求項2に係る二重環縫いミシンのルーパ
ー糸供給装置によれば、基本的には、請求項1と同様の
効果が得られる。但し、この請求項のルーパー糸供給装
置では、ルーパー天秤が上下動を伴う揺動運動するもの
に限定されないため、ルーパー天秤の配置や構成の設計
上の自由度が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。最初に、図1、図2に基いて二重環縫い用ロ
ックミシンのルーパー駆動機構10と、ルーパー天秤3
0を含むルーパー糸供給装置について説明する。二重環
縫いミシンのベッド部内には、左右方向に向いた主軸1
1であってミシンモータで矢印方向へ回転駆動される主
軸11が配設され、この主軸11の下方には、ルーパー
軸12が前後方向へ向けて配設され、ルーパー軸12の
前端部にはルーパー腕13が固定され、そのルーパー腕
13には二重環ルーパー2(以下、ルーパーという)が
着脱自在に固定され、ルーパー2の上方には針1が傾斜
状に配設され、この針1はミシンモータにより針1の軸
線方向へ往復駆動される。
【0015】ルーパー軸12の前端にはルーパー天秤3
0が取付けられ、ルーパー天秤30の付近の位置におい
てミシン機枠3には第1糸案内部材31及び第2糸案内
部材32が設けられている。尚、符号4は、ミシンのベ
ッドの上面を示す。ルーパー2を左右方向へ揺動駆動す
る為の機構は、一般的なものなので、図示省略してある
が、ルーパー軸12に固定された二股部材14が、主軸
11によりクランク機構と連結ロッドと連結アーム15
とを介して左右方向へ揺動駆動され、これによりルーパ
ー軸12が往復回動駆動されてルーパー2が左右方向へ
揺動駆動される。また、主軸11に偏心カム16を介し
て揺動アーム17が連結され、主軸11と平行な支軸1
8に支持された揺動腕19が揺動アーム18の先端部に
連結され、揺動腕19に固着されたボルト20に回動自
在に枢支された角駒21は、駒受け部材22の収容部2
3に収容され、駒受け部材22の固定部24にはルーパ
ー軸12の後端部が固着され、揺動腕19が揺動すると
き、角駒21の前端はルーパー軸12の後端にまた角駒
21の後端は駒受け部材22に密着状態を保持しつつ、
角駒21は収容部23内で上下動可能である。これによ
り、主軸11の回転により揺動腕19が矢印方向へ往復
揺動し、ルーパー軸12が前後方向へ小ストローク往復
進退することになる。こうして、ルーパー2は、通常の
二重環縫い用ロックミシンのルーパーと同様に、ミシン
モータの回転と同期して楕円軌跡を描くように、図2の
矢印のように揺動駆動されることになる。
【0016】次に、ルーパー天秤30と、複数の糸案内
部材について説明すると、ミシン機枠3には、第1糸案
内部材31と、第2糸案内部材32とが固定的に設けら
れ、ルーパー軸12の前端にはルーパー天秤30と一体
の第3糸案内部材33が設けられ、第1糸案内部材31
の左右1対の脚部31aの下端が夫々ミシン機枠3にビ
ス31bにて固定され、この第1糸案内部材31には左
右に所定間隔あけて位置する下向きV形の第1糸案内部
34と第2糸案内部35が設けられ、第2糸案内部材3
2にはルーパー糸5とルーパー2とが接触するのを防ぐ
為の前後方向向きの第3糸案内部36が設けられ、第3
糸案内部材33の上端には開リング状の第4糸案内部3
7が設けられ、ルーパー糸5は図示外のルーパー糸供給
源から供給され、第1糸案内部34、ルーパー天秤30
の糸係合部38又は糸案内部39、第2糸案内部35、
第3糸案内部36、第4糸案内部37を順に経由してル
ーパー2へ延び、ルーパー2の目穴2aから右方へ延ば
されている。
【0017】前記ルーパー天秤30は、ルーパー軸12
から横向きに延びる横腕部30aと、この腕部30aの
右端から上方へ延びる立腕部30bとを備え、この立腕
部30bは第1糸案内部34と第2糸案内部35との略
中間に配設され、立腕部30bの上端部にはルーパー糸
5と係合する糸係合部38が設けられ、また立腕部30
bには糸係合部38の下方へ連なり且つ前方へ突出状に
湾曲した半円円弧状の糸案内部39が設けられている。
そして、ルーパー軸12の往復回動により、横腕部30
aが上下に揺動して立腕部30bが左右揺動しつつ上下
揺動し、またルーパー軸12の往復前後動により、横腕
部30aを介して立腕部30bが前後に揺動するように
構成されている。前記針1が上死点位置で且つルーパー
2が右限界位置のときの主軸11の位相角を0度とし、
針1が下死点位置で且つルーパー2が左限界位置のとき
の主軸11の位相角を180度とすると、それぞれ、図
2・図3は位相角0度、図4・図5は位相角90度、図
6・図7は位相角120度、図8・図9は位相角140
度、図10・図11は位相角180度、図12・図13
は位相角270度、のときの状態を示している。
【0018】以上説明した二重環縫い用ロックミシン及
びそのルーパー糸供給装置の作用について説明する。前
記ルーパー2は、針1の上下動に連動して左右方向に揺
動すると同時に前後方向に進退運動を行う。即ち、針1
が下降するとき、ルーパー2は左方へ揺動すると同時に
前進して針1の前方を通過して後退し、針1が上昇する
とき、ルーパー2は右方へ揺動すると同時に後退して針
1の後方を通過して前進する。図4〜図7に図示のよう
に、ルーパー2が前進しつつ左方へ揺動するとき、ルー
パー天秤30はその糸係合部38でルーパー糸5を保持
して第1糸案内部材31に対して前進しつつ上方へ揺動
し、ルーパー糸供給源からルーパー糸5を引き出す。
【0019】図8〜11に図示のように、ルーパー2が
後退しつつ更に左方へ揺動するとき、ルーパー天秤30
は第1案内部材31に対して後退しつつ上方へ揺動する
ため、ルーパー天秤30の糸係合部38に係合していた
ルーパー糸5は、ルーパー天秤30の糸案内部39を下
方へ滑り落ちて糸係合部38から外れ、それ以上引き出
されることがない。即ち、ルーパー2の左方への揺動が
終了するより前またルーパー天秤30が上死点に達する
前に、ルーパー天秤30によるルーパー糸5の引き出し
が終了する。その引き出し終了のタイミングは、糸案内
部39の形状により変えることが出来、例えば図15に
おける針糸6のループ6aがルーパー2から外れる前に
ルーパー糸5の引き出しが終了するように設定すると、
針糸6のループ6aがルーパー2に掛かった安定した状
態でルーパー糸5を引き出すことができるため、針糸6
へ影響を及ぼすことなく、ルーパー糸5の引き出しを行
うことが出来る。
【0020】図12・図13に図示のように、ルーパー
2が後退しつつ右方へ揺動するとき、ルーパー天秤30
は第1糸案内部材31に対して後退しつつ下方へ揺動す
るため、糸案内部39から外れていたルーパー糸5はル
ーパー2が揺動するにつれて引き上げられて糸案内部3
9に沿って上方へ滑り、ルーパー2が右限界位置に移動
したときには糸係合部38に係合することになる。即
ち、糸供給源から引き出されたルーパー糸5は、ルーパ
ー2が揺動するにつれて自然に抵抗なく引き出されてル
ーパー2へ供給される。
【0021】以上のルーパー糸5の供給と引締めについ
て、図14〜図16に基いて補足説明すると、図14
は、針1が上死点位置で且つルーパー2が右限界位置の
ときの主軸11の位相角を0度として、ルーパー天秤3
0がルーパー糸5を引く天秤糸量を示す糸量曲線40
と、位相角0度のときのルーパー糸量(プラス側が糸量
の増加を示し、またマイナス側が糸量の余りを示す)を
示すルーパー糸量曲線41とを図示したもので、ルーパ
ー2の左方への揺動に応じてルーパー天秤30が上方へ
揺動するため天秤糸量が増加し且つルーパー糸量が減少
していき、位相角110度におけるルーパー天秤30の
引出し糸量Aとルーパー糸量Bとがバランスし、位相角
110〜120度付近においてルーパー糸5が針1と係
合するためルーパー糸量は増加に転ずるが、位相角11
0〜140度にかけてルーパー天秤30が二重環縫いの
1サイクルで消費される必要量のルーパー糸5を引き出
すことになる。このとき、図15に図示のように、針糸
6のループ6aがルーパー2に係合しているため、針糸
6が張った状態でルーパー糸5を引き出すので針糸6が
ルーパー糸5で引締められることがなく、またルーパー
糸5のループ5aが縮小することがなく、必要にして十
分な量のルーパー糸5がルーパー糸供給源から引き出さ
れることになる。適正なタイミングで適正な量のルーパ
ー糸5がルーパー2に供給されるため、図16に図示の
ように、仕上がりの綺麗な二重環縫い目が形成されるこ
とになる。
【0022】図14において、位相角140のときルー
パー糸5がルーパー天秤30の糸係合部38から外れ糸
案内部39に沿って下方へ滑り落ちるが、この時ルーパ
ー天秤30は天秤糸量(C+D)だけ引出し、そのうち
の糸量Cは、ルーパー糸供給源から引き出され、また糸
量Dは、弛んだルーパー糸量Eの引締めを行う。尚、糸
量Dは糸量Eに等しい量である。このように、ルーパー
天秤30が、必要量のルーパー糸5を確実に引き出すた
め、位相角180度付近において、ルーパー糸量が増加
しても、ルーパー糸量が不足することはない。
【0023】以上説明したように、このルーパー糸供給
装置においては、ルーパー糸5の糸供給源からの引き出
し量と、ルーパー糸5の引き出しのタイミング及びルー
パー2への供給タイミングとは、ルーパー天秤30の糸
案内部39の形状と、第1糸案内部材31の配置位置と
を変えることにより最適の状態に設定できるため、仕上
がりの綺麗な二重環縫い目を形成することが出来る。し
かも、ルーパー糸5の糸掛け時には、ルーパー糸5を第
1・第2糸案内部34、35下方で右から左へ導き、上
方へ引き上げ、次に第3糸案内部36の上方を経て、第
4糸案内部37に掛けれるだけでよいため、非常に簡単
にルーパー糸5を掛けることが出来る。
【0024】尚、前記実施例では、ルーパー天秤30が
上下動を伴って揺動駆動される場合を例として説明した
が、ルーパー天秤30の糸係合部38と糸案内部39と
が、水平動を伴って揺動駆動される形式のルーパー天秤
設けることも可能であり、この場合、糸係合部と糸案内
部に対してルーパー糸が横断するように、複数の糸案内
部が設けられることになる。尚、本実施例においては、
ルーパー天秤30と、第3糸案内部材33とを針金部材
で一体形成してあるが、別体に形成してもよく、また第
3糸案内部36と第4糸案内部37とはルーパー糸5が
ルーパー2に接触するのを防ぐ為のもので、ルーパー2
とルーパー腕13の形状如何によっては省略可能であ
る。更に、ルーパー天秤30は、必ずしも針金部材で構
成する必要はなく、金属板部材で構成することも出来
る。更に、ルーパー2の揺動方向に関して、針1の上昇
時にルーパー2が右方へ揺動し、また針1の下降時にル
ーパー2が左方へ揺動するように構成したが、これに限
らず、針1の上昇時にルーパー2が左方へ揺動し、また
針1の下降時ルーパー2が右方へ揺動するように構成し
た場合にも、本発明のルーパー糸供給装置を同様に適用
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重環縫い用ロックミシンのルーパー駆動機構
の断面図である。
【図2】位相角0度のときのルーパー糸供給装置の要部
正面図である。
【図3】位相角0度のときのルーパー糸供給装置の要部
右側面図である。
【図4】位相角90度のときのルーパー糸供給装置の要
部正面図である。
【図5】位相角90度のときのルーパー糸供給装置の要
部右側面図である。
【図6】位相角120度のときのルーパー糸供給装置の
要部正面図である。
【図7】位相角120度のときのルーパー糸供給装置の
要部右側面図である。
【図8】位相角140度のときのルーパー糸供給装置の
要部正面図である。
【図9】位相角140度のときのルーパー糸供給装置の
要部右側面図である。
【図10】位相角180度のときのルーパー糸供給装置
の要部正面図である。
【図11】位相角180度のときのルーパー糸供給装置
の要部右側面図である。
【図12】位相角270度のときのルーパー糸供給装置
の要部正面図である。
【図13】位相角270度のときのルーパー糸供給装置
の要部右側面図である。
【図14】天秤糸量曲線とルーパー糸量曲線の特性図で
ある。
【図15】位相角120度における針とルーパーと針糸
とルーパー糸の斜視図である。
【図16】位相角180度における針とルーパーと針糸
とルーパー糸の斜視図である。
【図17】従来技術に係る図14相当図である。
【図18】従来技術に係る位相角145度における図1
5相当図である。
【図19】従来技術に係る位相角145度における図1
6相当図である。
【符号の説明】
1 針 2 二重環縫いルーパー 3 ミシン機枠 5 ルーパー糸 30 ルーパー天秤 34、35、36、37 第1、第2、第3、第4
糸案内部 38 糸係合部 39 糸案内部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下駆動される針と、この針と協働する
    二重環縫い用ルーパーと、ミシン機枠に固定された複数
    の糸案内部を経由してルーパーに至る糸径路の途中部に
    おいてルーパー糸に係合され、ルーパーに連動してルー
    パーに糸を供給するルーパー天秤とを備えた二重環縫い
    ミシンにおいて、 前記ルーパー天秤には、ルーパー糸に係合可能な糸係合
    部と、この糸係合部の下方へ連なる湾曲状糸案内部が設
    けられ、前記糸係合部と糸案内部は、ルーパーと連動し
    て上下動を伴って揺動するように設けられ、 前記ルーパー天秤は、前記ルーパーの一方への移動によ
    り、上昇する糸係合部にルーパー糸を係合させた状態で
    ルーパー糸を糸供給源から引出すとともに、上死点前に
    糸係合部から糸案内部に沿ってルーパー糸を下方へ滑ら
    せて開放し、また前記ルーパーの他方への移動により、
    下降する糸案内部に沿ってルーパー糸を上方へ滑らせて
    ルーパーへ供給するように構成したことを特徴とする二
    重環縫いミシンのルーパー糸供給装置。
  2. 【請求項2】 上下駆動される針と、この針と協働する
    二重環縫い用ルーパーと、ミシン機枠に固定された複数
    の糸案内部を経由してルーパーに至る糸径路の途中部に
    おいてルーパー糸に係合され、ルーパーに連動してルー
    パーに糸を供給するルーパー天秤とを備えた二重環縫い
    ミシンにおいて、 前記ルーパー天秤には、ルーパー糸に係合可能な糸係合
    部と、この糸係合部に連なる湾曲状糸案内部が設けら
    れ、前記糸係合部と糸案内部は、ルーパーと連動して揺
    動するように設けられ、 前記ルーパー天秤は、前記ルーパーの一方への移動によ
    り、ルーパー糸引出し方向へ移動する糸係合部にルーパ
    ー糸を係合させた状態でルーパー糸を糸供給源から引出
    すとともに、引出し方向限界位置に達する前に糸係合部
    から糸案内部に沿ってルーパー糸を滑らせて開放し、ま
    た前記ルーパーの他方への移動により、ルーパー糸緩め
    方向へ移動する糸案内部に沿ってルーパー糸を滑らせて
    ルーパーへ供給するように構成したことを特徴とする二
    重環縫いミシンのルーパー糸供給装置。
JP32641791A 1991-11-13 1991-11-13 二重環縫いミシンのルーパー糸供給装置 Pending JPH05131073A (ja)

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