JPH05127566A - 定着装置の温度制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 待機状態から定着動作状態への移行直後に定
着不良が発生することを未然に防止することができる定
着装置の温度制御方法を提供する。 【構成】 ハロゲンヒータの加熱動作は温度制御手段で
制御される。ハロゲンヒータへの電力供給および供給停
止の繰り返しによって加熱ローラの表面温度は待機時に
待機温度Ｔwに保持され、定着時に定着温度Ｔtに保持さ
れる。定着動作完了時（時点t₃）から次の定着動作開始
時（時点t₄）までの待機期間内で時点t₃から予め設定さ
れている設定時間tsが経過すると、待機温度Ｔwは定着
温度Ｔtより高い温度Ｔhに変更され、時点t₃から時点t₄
までの待機期間中、ハロゲンヒータの加熱動作は変更温
度Ｔhに基づき制御され、加熱ローラの表面温度は変更
温度Ｔhに保持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写装置、静
電情報記録装置などの画像形成装置に用いられる定着装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、定着装置として、加熱ローラと、
該加熱ローラに圧接しながら回転し、転写材を挟圧搬送
するためのニップ部を形成する加圧ローラと、上記加熱
ローラの表面を目標温度まで加熱するためのハロゲンヒ
ータと、上記加熱ローラの表面温度を検知する温度検知
素子と、該温度検知素子からの検知温度を監視しながら
上記ハロゲンヒータの加熱動作を制御する温度制御手段
と、上記温度検知素子からの検知温度を監視しながら上
記加熱ローラの駆動を制御する駆動制御手段とを備える
ものがある。

【０００３】温度制御手段は温度検知素子で検知された
加圧ローラの表面温度に基づき上記ハロゲンヒータの動
作に対するオンオフ制御を行い、定着時に加熱ローラの
表面温度は予め設定されている定着温度に保持され、待
機時に加熱ローラの表面温度は予め設定されている待機
温度に保持される。上記待機温度は上記定着温度に等し
い。

【０００４】上述の定着装置が組み込まれている画像形
成装置を使用するとき、まず主電源が投入される。主電
源投入とほぼ同時に、ハロゲンヒータの加熱動作が開始
され、加熱ローラの表面温度は上昇し始める。加熱ロー
ラの表面温度は予め設定されている設定温度に到達する
と同時に、駆動制御手段によって加熱ローラの駆動が開
始され、加熱ローラの回転に伴い加圧ローラは回転され
る。この回転動作によって加熱ローラからの熱が加圧ロ
ーラへその周方向に均一に伝達され、加圧ローラの表面
温度が所定の値に保持される。

【０００５】加熱ローラ表面温度が定着温度に到達した
ことが温度検知素子で検知された後、ハロゲンヒータの
動作およびその停止の繰り返しによって加熱ローラの表
面温度は定着温度にほぼ保持される。次いで、未定着ト
ナー像が形成されている転写材は、回転している加熱ロ
ーラと加圧ローラとの間のニップ部に差し込まれる。転
写材のニップ部の通過中、転写材上の未定着トナー像は
熱および圧力によって転写材に融着され、転写材には永
久画像が形成される。

【０００６】定着完了後、定着装置は待機状態に移行さ
れ、加熱ローラの駆動は停止される。加熱ローラの表面
温度が待機温度に到達したことが温度検知素子で検知さ
れた後、ハロゲンヒータの動作およびその停止の繰り返
しによって加熱ローラの表面温度は待機温度に保持され
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】待機中、加熱ローラの
表面温度が所定の待機温度に保持されているが、加熱ロ
ーラおよび加圧ローラの回転は停止されていることによ
り、加熱ローラの熱は加熱ローラと加圧ローラとの接触
部であるニップ部を経て加圧ローラに伝達されるから、
加圧ローラのニップ部近傍の表面は所定の待機温度に保
持されるが、他の部位の表面温度は待機温度より低い温
度になる。

【０００８】待機状態への移行時から次の転写材に対す
る定着動作開始時までの期間が短時間であるとき、加圧
ローラの他の部位の表面温度の低下は僅かであるから、
加熱ローラの駆動直後に加熱ローラとともに加圧ローラ
が回転することによって加圧ローラの表面はその周方向
に均一に加熱され、加熱ローラの表面温度を低下させる
ことなく加圧ローラの表面温度は定着温度までに短時間
に上昇する。よって、加圧ローラの表面温度の低下に起
因する次の転写材の定着不良は発生しない。

【０００９】しかし、待機状態への移行時から次の転写
材に対する定着動作開始時までの期間が長時間であると
き、加圧ローラのニップ部近傍の表面温度は所定の待機
温度に保持されるが、他の部位の表面温度は待機温度よ
りかなり低い温度になるから、加熱ローラの駆動直後に
加熱ローラの表面温度を低下させることなく加圧ローラ
の表面温度を加圧ローラの周方向に均一に定着温度まで
に上昇させることは難しい。その結果、加熱ローラの表
面温度および加圧ローラの表面温度が定着温度より低い
ことに起因する定着不良が発生する。

【００１０】本発明の目的は、待機状態から定着動作状
態への移行直後に定着不良が発生することを未然に防止
することができる定着装置の温度制御方法を提供するこ
とにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、加熱源で加熱されている被加熱体と該被加熱体に
圧接されている加圧体との間で転写材上の未定着現像剤
像を加熱し、加圧することによって上記未定着現像剤像
を上記転写材に定着させる定着装置に用いられ、待機状
態時に待機温度に基づき上記加熱源の加熱動作を制御
し、定着動作時に定着温度に基づき上記加熱源の加熱動
作を制御する温度制御方法において、定着動作完了後に
移行される待機状態中に該待機状態への移行時から予め
設定されている設定時間が経過するとき、上記待機温度
を上記定着温度より高い温度に変更し、該設定時間の経
過後から次の定着動作開始前までの期間中、上記変更さ
れた待機温度に基づき上記加熱源の加熱動作を制御する
ことにより上記被加熱体の表面温度を該変更された待機
温度に保持することにより達成される。

【００１２】

【作用】本発明の定着装置の温度制御方法では、定着動
作完了後に移行される待機状態中に該待機状態への移行
時から予め設定されている設定時間が経過するとき、上
記待機温度を上記定着温度より高い温度に変更し、該設
定時間の経過後から次の定着動作開始前までの期間中、
上記変更された待機温度に基づき上記加熱源の加熱動作
を制御することにより上記被加熱体の表面温度を該変更
された待機温度に保持する。

【００１３】待機状態への移行時から予め設定されてい
る設定時間が経過した後の待機期間中、上記被加熱体の
表面温度は上記定着温度より高い温度に保持される。上
記加圧体の上記被加熱体との接触部における表面温度は
該加圧体の他の部位の表面温度より高くなるが、該加圧
体の他の部位の表面温度と上記定着温度との差は僅かで
ある。

【００１４】次いで、待機状態から定着動作状態へ移行
するとき、定着動作開始に伴う上記被加熱体の駆動によ
って上記被加熱体の熱は上記加圧体に移動されるが、そ
の熱移動量は僅かであり、上記被加熱体の表面温度の降
下率は小さい。

【００１５】

【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００１６】図１は本発明の定着装置の温度制御方法が
用いられているヒートローラ方式の定着装置を示す構成
図、図２は図１の定着装置の温度制御による加熱ローラ
と加圧ローラとの表面温度の時間的変化を示す図であ
る。

【００１７】ヒートローラ方式の定着装置は、図１に示
すように、加熱ローラ１と、該加熱ローラ１に圧接しな
がら回転される加圧ローラ２とを備える。加圧ローラ２
は加熱ローラ１と協働して転写材６を挟圧搬送するため
のニップ部を形成する。

【００１８】加熱ローラ１内には、加熱源であるハロゲ
ンヒータ３が配置されている。ハロゲンヒータ３の動作
は温度制御手段４で制御される。温度制御手段４は、サ
ーミスタ５で検知された加熱ローラ１の表面温度を監視
しながらハロゲンヒータ３への電力供給および供給停止
を行う。待機時には、ハロゲンヒータ３への電力供給お
よび供給停止の繰り返しによって加熱ローラ１の表面温
度は待機温度Ｔwに保持され、定着時には、ハロゲンヒ
ータ３への電力供給および供給停止の繰り返しによって
加熱ローラ１の表面温度は定着温度Ｔtに保持される。
なお、本実施例では、待機温度Ｔwは定着温度Ｔtに等し
くなるように設定されている。

【００１９】定着動作完了時から次の定着動作開始時ま
での待機期間内で定着動作完了時から予め設定されてい
る設定時間が経過すると、待機温度Ｔwは定着温度Ｔtよ
り高い温度Ｔhに変更される。設定時間の経過後から次
の定着動作開始時までの待機期間中、ハロゲンヒータ３
の加熱動作は変更温度Ｔhに基づき制御され、加熱ロー
ラ１の表面温度は変更温度Ｔhに保持される。

【００２０】次に、定着装置の温度制御動作について図
２を参照しながら説明する。まず、本定着装置が組み込
まれている画像形成装置の主電源が投入される（時点
t₁）。主電源投入とほぼ同時に、ハロゲンヒータ３の加
熱動作が開始され、加熱ローラ１の表面温度は上昇し始
める。加熱ローラ１の表面温度は予め設定されている設
定温度に到達すると同時に、駆動制御手段によって加熱
ローラ１の駆動が開始され、加熱ローラ１の回転に伴い
加圧ローラ２は回転される。この回転動作によって加熱
ローラ１からの熱が加圧ローラ２へその周方向に均一に
伝達される。加熱ローラ１表面の温度上昇に伴い加圧ロ
ーラ２の表面は定着温度Ｔtにほぼ等しい温度Ｔmに到達
する。

【００２１】加熱ローラ１の表面温度が定着温度Ｔtに
到達したことがサーミスタ５で検知された後、画像形成
動作の準備が完了したことを示す表示がされ、ハロゲン
ヒータ３の動作およびその停止の繰り返しによって加熱
ローラ１の表面温度はほぼ定着温度Ｔtに保持される。

【００２２】次いで、利用者から画像形成動作開始が指
示され、定着動作が開始される（時点t₂）。未定着トナ
ー像が形成されている転写材は、回転している加熱ロー
ラ１と加圧ローラ２との間のニップ部に差し込まれる。
転写材６のニップ部の通過中、転写材６上の未定着トナ
ー像７は熱および圧力によって転写材６に融着され、転
写材６には永久画像が形成される。転写材６のニップ部
の通過に伴い加熱ローラ１の表面温度および加圧ローラ
２の表面温度は降下する。

【００２３】定着完了（時点t₃）後、定着装置は待機状
態に移行され、加熱ローラ１の駆動は停止される。ハロ
ゲンヒータ３の動作およびその停止が繰り返され、加熱
ローラ１の表面温度は待機温度Ｔwに保持される。

【００２４】次の定着動作開始時までの待機期間中に待
機状態への移行時点から予め設定されている設定時間ｔ
sが経過すると（時点t₄）、待機温度Ｔwは定着温度Ｔt
より高い温度Ｔhに変更される。設定時間ｔsの経過後
（時点t₄）から次の定着動作開始時（時点t₅）までの待
機期間中、ハロゲンヒータ３の加熱動作は温度Ｔhに基
づき制御され、加熱ローラ１の表面温度は温度Ｔhに保
持される。

【００２５】これに対し、加圧ローラ２のニップ部近傍
の表面は温度Ｔhに保持され、他の部位の表面温度は温
度Ｔmより低下する。しかし、温度Ｔhは定着温度Ｔtよ
り高いから、加圧ローラ２の他の部位の表面温度の降下
率は小さく、加圧ローラ２の他の部位の表面温度と加圧
ローラ２のニップ部近傍の表面温度との差は小さい。

【００２６】次の定着動作が開始されるとき（時点
t₅）、加熱ローラ１および加圧ローラ２の回転が開始さ
れる。加熱ローラ１の駆動直後、熱が加熱ローラ１から
加圧ローラ２へ移動されるが、加圧ローラ２の他の部位
の表面温度と加圧ローラ２のニップ部近傍の表面温度と
の差が小さいから、加熱ローラ１からの僅かな熱量で加
圧ローラ２の表面を所定の温度まで加熱することがで
き、加熱ローラ１の表面温度が定着温度Ｔtよりかなり
低い温度まで降下することはない。その結果、待機状態
から定着動作状態への移行直後に定着不良が発生するこ
とを未然に防止することができる。

【００２７】これに対し、従来の温度制御方法では、図
２中の点線で示すように、加熱ローラの駆動直後に加熱
ローラの表面温度がかなり低い温度まで降下し、かつ加
圧ローラの表面温度を加圧ローラの周方向に均一に所定
の温度までに上昇させることは難しい。

【００２８】なお、本実施例では変更後の待機温度を一
定値に設定しているが、周囲の環境温度に応じて待機温
度の変更をし、周囲の環境温度を考慮することによって
待機状態から定着動作状態への移行直後における加熱ロ
ーラ１の表面温度および加圧ローラ２の表面温度をより
定着に適切な温度に近づけることができる。

【００２９】次に、ベルト方式の定着装置について説明
する。図３は本発明の定着装置の温度制御方法が用いら
れているベルト方式の定着装置を示す構成図である。

【００３０】ベルト方式の定着装置は、図３に示すよう
に、一対のローラ１１，１２に掛け渡されているフィル
ム状のベルト１３と、ローラ１１とローラ１２との間に
配置されている加圧ローラ２と、ベルト１３の一方の面
を加圧ローラ２に押し付け、ベルト１３と加圧ローラ２
との接触部を加熱するための加熱手段１４と、加熱手段
１４の加熱動作を制御する温度制御手段１５とを備え
る。

【００３１】温度制御手段１５は、ベルト１３の加圧ロ
ーラ２との接触部の温度を監視しながら加熱手段１４へ
の電力供給および供給停止を行う。待機時には、加熱手
段１４への電力供給および供給停止の繰り返しによって
ベルト１３の表面温度は待機温度Ｔwに保持され、定着
時には、加熱手段１４への電力供給および供給停止の繰
り返しによってベルト１３の表面温度は定着温度Ｔtに
保持される。定着動作完了時から次の定着動作開始時ま
での待機期間内で定着動作完了時から予め設定されてい
る設定時間が経過すると、待機温度は定着温度より高い
温度Ｔhに変更される。設定時間の経過後から次の定着
動作開始時までの待機期間中、加熱手段１４の加熱動作
は温度Ｔhに基づき制御される。

【００３２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の定着装
置の温度制御方法によれば、定着動作完了後に移行され
る待機状態中に該待機状態への移行時から予め設定され
ている設定時間が経過するとき、上記待機温度を上記定
着温度より高い温度に変更することにより、待機中にお
ける上記被加熱体の表面温度の降下率および上記加圧体
の表面温度の降下率が小さい値に抑えられるから、待機
状態から定着動作状態への移行直後に定着不良が発生す
ることを未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の定着装置の温度制御方法が用いられて
いるヒートローラ方式の定着装置を示す構成図である。

【図２】図１の定着装置の温度制御による加熱ローラと
加圧ローラとの表面温度の時間的変化を示す図である。

【図３】本発明の定着装置の温度制御方法が用いられて
いるベルト方式の定着装置を示す構成図である。

【符号の説明】

１ 加熱ローラ ２ 加圧ローラ ３ ハロゲンヒータ ４，１５ 温度制御手段 ５ サーミスタ ６ 転写材 ７ トナー像 １３ ベルト １４ 加熱手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱源で加熱されている被加熱体と該被
   加熱体に圧接されながら駆動される加圧体との間で転写
   材上の未定着現像剤像を加熱し、加圧することによって
   上記未定着現像剤像を上記転写材に定着させる定着装置
   に用いられ、待機状態時に待機温度に基づき上記加熱源
   の加熱動作を制御し、定着動作時に定着温度に基づき上
   記加熱源の加熱動作を制御する温度制御方法において、
   定着動作完了後に移行される待機状態中に該待機状態へ
   の移行時から予め設定されている設定時間が経過すると
   き、上記待機温度を上記定着温度より高い温度に変更
   し、該設定時間の経過後から次の定着動作開始前までの
   期間中、上記変更された待機温度に基づき上記加熱源の
   加熱動作を制御することにより上記被加熱体の表面温度
   を該変更された待機温度に保持することを特徴とする定
   着装置の温度制御方法。