以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図16は、本発明の画像形成装置、省電力制御方法、省電力制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、省電力制御方法、省電力制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したカラー画像形成装置1の概略構成図である。
図1において、カラー画像形成装置1は、本体筐体2内に、給紙部10、給紙搬送部20、排紙搬送部30、両面搬送部40、定着部50及び画像形成部60等が収納され、さらに、本体筐体2の上部に、排紙トレイ3が、本体筐体2の側面に、手差しトレイ4が設けられている。
なお、以下の説明では、カラー画像形成装置1は、外部のコンピュータ等のホスト装置からLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して受信した印刷ジョブの印刷データを印刷処理するものとして説明するが、スキャナ部やファクシミリ部等の画像データ入力部を備えて、これらの画像データ入力部からの画像データに基づいて印刷処理(画像形成処理)を行ってもよい。
給紙部(媒体送給手段)10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12及び図示しない分離パッド等を備えており、給紙トレイ11内には、複数枚の用紙(被記録媒体)Pが収納される。給紙部10は、給紙トレイ11内の用紙Pを給紙ローラ12と分離パッドで1枚ずつ分離して、給紙搬送部20に送り出す。なお、図1では、給紙部10に給紙トレイ11が1つのみ設けられている場合を示しているが、図1の縦方向に、複数段設けられていてもよい。
給紙搬送部20は、排紙搬送部30に繋がっており、給紙部10から送り出されてきた用紙Pを排紙搬送部30に搬送する。給紙搬送部20上には、レジストセンサ21とレジストローラ22が用紙Pの搬送方向に沿って配設されており、レジストセンサ21は、給紙部10からレジストローラ22へ給紙搬送部20上を搬送される用紙Pを検出する。レジストローラ22は、レジストセンサ21の用紙Pの検出結果に基づいて、搬送されてきた用紙Pを一旦停止させた後、画像形成部60による用紙Pへのトナー画像の転写タイミングを調整して、搬送を再開する。
排紙搬送部30には、定着部50、図示しない排紙センサ、排紙ローラ31及び切り替え爪32が配設されており、定着部50は、後述するように、画像形成部60でトナー画像の転写された用紙Pを加熱・加圧しつつ搬送してトナー画像を用紙Pに定着させる。排紙搬送部30は、定着部50でトナー画像の定着された用紙Pを排紙ローラ31へ搬送して、この定着部50から排紙ローラ31に搬送される用紙Pを排紙センサが検出し、排紙ローラ31は、トナー画像の定着の完了した用紙Pを排紙トレイ3上に排出する。
また、排紙搬送部30は、定着部50よりも下流側の排紙センサ及び切り替え爪32の配設されている位置付近で、両面搬送部40に繋がっており、両面搬送部(媒体送給手段)40は、給紙搬送部20と給紙部10付近で繋がっている。
カラー画像形成装置1は、両面印刷モードのとき、片面への印刷の完了した用紙Pの後端が排紙センサを通過した時点で、排紙ローラ31の駆動を停止し、その後、切り替え爪32を切り替えて、排紙ローラ31を反転駆動させて、該用紙Pを両面搬送部40に送り込む。
両面搬送部40は、両面ローラ41及び両面センサ42等を備えており、排紙ローラ31によって送り込まれてきた用紙Pを、その表裏面を反転させながら両面ローラ41によって給紙搬送部20に送り込むとともに、該用紙Pを両面センサ42で検出する。なお、上記レジストセンサ21、排紙センサ及び両面センサ42としては、例えば、反射型または透過型のフォトカプラあるいはアクチュエータの動作によってオン/オフするマイクロスイッチ等が用いられている。
給紙搬送部20は、両面搬送部40から送り込まれてきた用紙Pを、レジストローラ22を介して画像形成部60による画像形成に供させた後、排紙搬送部30へと搬送する。
また、給紙搬送部20は、手差しトレイ(媒体送給手段)4にセットされた用紙Pを、レジストローラ22を介して画像形成部60に搬送する。
画像形成部(画像形成手段)60は、いわゆるタンデムタイプの画像形成部であって、無端帯状でリング状に形成されて略水平方向に張り渡された中間転写ベルト61、該中間転写ベルト61に沿って、並んで配設されているC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色用の感光体62Y、62C、62M、62K、現像ユニット63Y、63C、63M、63K(現像ユニット63Y、63C、63Mについては、図示略)、露光部64、中間転写ベルトクリーナ65、2次転写ローラ66及び各色用のトナーボトル67Y、67C、67M、67K等を備えており、中間転写ベルト61を挟んで、各感光体62Y、62C、62M、62Kに対応するCMYK各色用の転写ローラ68Y、68C、68M、68Kが配設されている。
各現像ユニット63Y、63C、63M、63Kは、それぞれ、図1において時計方向に回転駆動される感光体62Y、62C、62M、62Kを中心に、帯電ローラ、現像/トナー収納部及びクリーニング部等が配設された状態で図示しないカートリッジケース内に収納されている。画像形成部60は、感光体62Y、62C、62M、62Kが上記中間転写ベルト61を挟んで、各色用の転写ローラ68Y、68C、68M、68Kと対向して接触が可能な状態で、配設され、各感光体62Y、62C、62M、62Kと転写ローラ68Y、68C、68M、68Kとの間を中間転写ベルト61が搬送される。なお、転写ローラ68Y、68C、68M、68Kは、感光体62Y、62C、62M、62K上のトナー画像を中間転写ベルト61に転写するのに使用されるが、転写動作タイミングの転写ローラ68Y、68C、68M、68Kのみが、感光体62Y、62C、62M、62Kと対向する位置に位置し、転写動作タイミング以外の転写ローラ68Y、68C、68M、68Kは、感光体62Y、62C、62M、62Kからと対向する位置から離間した位置に退避する。
露光部64は、番号を付与しないが、ポリゴンモータ、ポリゴンミラー、Fθレンズ、レーザダイオード及びミラー等を備え、各色の画像データに基づいて変調した各色の現像ユニット63Y、63C、63M、63K用の書き込み光をレーザダイオードからポリゴンモータにより回転駆動されるポリゴンミラーへ出射させる。露光部64は、この書き込み光を、ポリゴンミラーによって主走査方向に偏向させて、fθレンズやミラー等を経由させて、各現像ユニット63Y、63C、63M、63Kの帯電ローラによって一様に帯電されている感光体62Y、62C、62M、62Kに照射し、各色の感光体62Y、62C、62M、62K上に静電潜像を形成する。
画像形成部60は、静電潜像の形成された感光体62Y、62C、62M、62Kを時計方向に回転させつつ、現像ユニット63Y、63C、63M、63Kの現像/トナー収納部によって各色のトナーを感光体62Y、62C、62M、62K上に供給して静電潜像を現像して各色のトナー画像を形成し、各色のトナー画像の形成された感光体62Y、62C、62M、62Kに転写ローラ68Y、68C、68M、68Kによって中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写させてカラーのトナー画像を形成する。画像形成部60は、トナー画像の転写の完了した各感光体62Y、62C、62M、62Kをさらに回転させてクリーニング部で残留トナーを除去した後、再度、帯電ローラで帯電させて、画像形成に供する。
中間転写ベルト61は、図示しない駆動モータによって回転駆動される2次転写駆動ローラによって反時計方向に回転駆動され、2次転写ローラ66との間にレジストローラ22から搬送されてきた用紙Pに、2次転写ローラ66の転写電位によって、中間転写ベルト61上のトナー画像を転写する。
上記感光体62Y、62C、62M、62K及び中間転写ベルト61は、全体として像担持体として機能し、2次転写ローラ66は、転写手段として機能している。
そして、上記定着部(定着手段)50は、ベルト定着方式であって、加圧ローラ51と、一対の加熱ローラ52a、52bに保持されて回転駆動される加熱ベルト(加熱部材)53やサーミスタ54(図2参照)等を備えている。定着部7は、加熱ベルト53を直接または加熱ローラ52aを介して間接的に定着ヒータ(加熱手段)55(図2参照)によって加熱して、トナー画像(現像剤像)の形成された用紙Pを、定着温度に加熱されている加熱ベルト53と加圧ローラ51で加熱しつつ搬送して、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させる。サーミスタ54は、この加熱ベルト53の温度を検出して出力する。
そして、カラー画像形成装置1は、そのエンジン制御系が、図2に示すようにブロック構成されており、EGB(エンジンメインボード)71、IOB(エンジンサブボード)72、コントローラ73、PSU(Power Supply Unit:電源供給部)74、上記定着ヒータ55、LD(Laser Diode:半導体レーザ)ボード75、ファン76、高電圧ボード77、メモリ78、各種モータ79、ポリゴンモータ80、同期検出器81、サーミスタ54、オペレーションパネル82、各種センサ83、各種クラッチ84、HDD(ハードディスク)85、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)86、SDカード87、SDカード88、メモリ(DIMM:Dual Inline Memory Module)89、各種IEEE90〜92及びブルーツース(Bluetooth)93等を備えており、上記PSU74、メモリ78、各種モータ79、同期検出器81、サーミスタ54、オペレーションパネル82、各種センサ83及び各種クラッチ84は、IOB72に接続されている。また、EGB71は、IOB72とコントローラ73に接続されているとともに、LDボード75、ファン76及び高電圧ボード77が接続されており、コントローラ73は、EGB71に接続されているとともに、HDD85、NVRAM86、SDカード87、88、メモリ89、IEEE90〜92及びブルーツース93が接続されている。
定着ヒータ54は、サーミスタ54の検出する加熱ベルト53の温度に基づいて、EGB71の制御下でIOB72がPSU74からの供給電力が制御(通電制御)されることで、定着ベルト53を所定の定着温度及び所定の待機温度に加熱する。サーミスタ54は、定着部50の定着ベルト53の温度を検出してIOB72に出力し、モータ79は、給紙モータ等の各種モータであって、IOB72の制御下で回転動作する。ポリゴンモータ80は、IOB72の制御下で回転動作して、露光部64のポリゴンミラーを回転駆動させ、同期検出器81は、露光部64からのレーザ光を検出して同期信号をIOB72に出力する。メモリ78は、各トナーボトル67Y、67C、67M、67Kに設けられており、トナー残量等をIOB72の制御下で書き込まれ、また、読み出される。
センサ83は、カラー画像形成装置1の各部に設けられていて、例えば、用紙等を検出して、検出結果をIOB72に出力する。オペレーションパネル82は、カラー画像形成装置1のモードやフォント等の切換操作及びカラー画像形成装置1に動作させる各種設定操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、カラー画像形成装置1の状態を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。オペレーションパネル82は、キー操作の操作内容をIOB72に出力し、IOB72からの表示情報をディスプレイに表示出力する。クラッチ84は、各種位置変動を行うアクチュエータ等に設けられており、IOB72によって駆動制御される。
LDボード75は、露光部64に収納されていて、LDが取り付けられており、EGB71の制御下でLDを点灯/消灯駆動する。ファン76は、カラー画像形成装置1の温度制御に使用され、EGB71により駆動制御される。高電圧ボード77は、カラー画像形成装置1の高電圧を使用するボードであり、EGB71により制御される。
コントローラ73は、EGB71とPCI(Peripheral Component Interconnect)によって接続されており、EGB71の制御下で、HDD85へのアクセス、NVRAM86へのアクセス、SDカード87、88へのアクセス、メモリ89へのアクセス、IEEE90〜92を使用した通信及びブルーツース93を利用した通信を制御する。
EGB(温度制御手段、送給判断手段、媒体選択手段、待機温度設定手段)71は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等で構成され、メモリ内のプログラムに基づいてカラー画像形成装置1の各部を制御して、カラー画像形成装置1としての基本処理を行うとともに、本発明の省電力制御処理を行う。すなわち、カラー画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の省電力制御方法を実行する省電力制御プログラムを読み込んでEGB71のメモリ等に導入することで、後述する定着温度を適切に制御する省電力制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この省電力制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例のカラー画像形成装置1は、待機時の定着ベルト53の温度を用紙Pの送給可能な給紙段と定着ベルト53の距離(用紙搬送時間)に基づいて消費電力を削減しつつファーストプリント時間を短縮する温度に制御する。
まず、カラー画像形成装置1における定着制御処理について、図3に基づいて説明する。カラー画像形成装置1は、電源スイッチのオン時や省電力モードからの復帰時に、ウォーミングアップ制御処理を行い(ステップS101)、ウォーミングアップ制御処理が完了したかチェックする(ステップS102)。カラー画像形成装置1は、このウォーミングアップ制御処理では、通常のカラー画像形成装置で行われているウォーミングアップ制御を行うが、定着部7のウォーミングアップ制御としては、定着部7の定着ベルト53の温度が印刷可能な定着温度になるまで上昇させる制御を行い、定着ベルト53の温度が定着温度まで上昇すると、カラー画像形成装置1は、ウォーミングアップが終了したと判断する。
EGB71は、ウォーミングアップ制御処理が終了すると、待機制御処理を行い(ステップS103)、印刷要求があるかチェックする(ステップS104)。この待機制御処理については、後で詳細に説明する。
ステップS104で、印刷要求がないときには、カラー画像形成装置1は、ステップS103に戻って、待機制御処理を継続して、印刷要求があるかチェックする(ステップS103、S104)。
ステップS104で、印刷要求があると、カラー画像形成装置1は、定着部7の定着ベルト53の温度を、待機状態から印刷可能状態である定着温度に上昇させて、画像データに基づいて用紙Pに画像を形成する印刷制御処理を実行し(ステップS105)、印刷が終了したかチェックする(ステップS106)。カラー画像形成装置1は、ステップS106で、全ての印刷が終了していないときには、ステップS105に戻って、印刷処理を継続し(ステップS105、S106)、ステップS106で、全ての印刷が終了すると、ステップS103に戻って、待機制御処理から上記同様に処理する(ステップS103〜S106)。なお、上記説明では、省略しているが、カラー画像形成装置1は、用紙ジャムやトナー無し等の異常が発生すると、定着ヒータ54への通電を遮断して、印刷を停止する異常処理を行う。
そして、カラー画像形成装置1は、上記待機制御処理を、図4に示すように実行する。すなわち、カラー画像形成装置1は、待機制御処理においては、EGB71が、まず、定着ベルト53の待機状態における温度制御の目標温度(制御目標温度)となる待機温度を設定する(ステップS201)。この待機温度は、一般的に,印刷要求を受けた時点で直ぐに定着ヒータ54の加熱を開始するとともに、画像形成部60での画像形成動作を開始して給紙部10または手差しトレイ4等から搬送されてきた用紙Pに画像形成して画像形成の完了した用紙Pが定着部7に搬送されてくるまでに、定着ベルト53を定着温度に加熱可能な温度である。すなわち、この待機温度は、予め設定されている規定のファーストプリント時間を確保することのできる温度である。
カラー画像形成装置1は、待機温度の設定を行うと、EGB71が、定着部7のサーミスタ54の検出する現在の定着ベルト53の温度を取得し(ステップS202)、待機温度と現在温度を比較して、現在温度が待機温度よりも低いかチェックする(ステップS203)。
ステップS203で、現在温度が待機温度よりも低いときには、EGB71は、サーミスタ54の現在温度が待機温度まで上昇していないとして、定着ヒータ54への通電をオン(ON)にし(ステップS204)、ステップS203で、現在温度が待機温度以上であると、定着ヒータ54への通電をオフ(OFF)にして、待機制御処理を終了する(ステップS205)。
そして、EGB71は、上記待機温度設定処理において、定着部7間での距離が異なることで用紙Pの搬送時間が異なる複数の給紙段(例えば、給紙トレイ10、手差しトレイ4等)のうち給紙に用いる給紙段に応じた待機温度を設定して待機する。そこで、いま、カラー画像形成装置1は、図5に示すように、複数の給紙段(媒体送給手段)Tr1、Tr2、・・・、Trnを備えているものとし、各給紙段Tr1、Tr2、・・・、Trnの用紙Pの送り出し位置から定着部50の定着位置(加圧ローラ51と加熱ベルト53との圧接部)Tpまでの距離が、d1、d2、・・・、dn、搬送線速度vで搬送される用紙Pが、それぞれの給紙段Tr1、Tr2、・・・、Trnから定着位置Tpまで搬送されるのに要する所要搬送時間(送給時間)を、t1、t2、・・・、tn、定着ヒータ54への通電による定着ベルト53の温度上昇率(単位時間当たりの上昇温度)を、ΔTとしたとき、各給紙段Tr1、Tr2、・・・、Trnから用紙Pを搬送したとして、定着位置Tpに用紙Pが到達した時点で定着ベルト53が定着温度Tに加熱されているために必要な定着ベルト53の待機温度T1、T2、・・・、Tnは、次式により求めることができる。
すなわち、給紙段Trnから給紙するときの待機温度Tnは、
Tn=T−(ΔT×tn)=T−(ΔT×dn÷V)・・・(1)
により求めることができる。
ここで、d1<d2、・・・、<dnを代入すると、T1>T2、・・・、Tnとなる。
カラー画像形成装置1は、この待機温度T1、T2、・・・、Tnが、給紙段Tr1、Tr2、・・・、Trnに割り当てられた給紙段番号Tid(Tidとして、「1」、「2」、・・・、「n」が付与)と対応させて、図6に示すような給紙段番号毎待機温度テーブルが、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に登録されている。
すなわち、給紙段Trから定着部50の定着位置Tpまでの距離dが短いほど、給紙を開始して用紙Pが定着位置Tpに搬送されるまでの時間が短く、この間に定着ヒータ54で加熱ベルト53を加熱する時間が短いため、給紙開始時の温度、すなわち、待機温度Tnを高くする必要がある。
そして、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の給紙可否に基づく待機温度設定処理に入ると、図7に示すように、EGB71が、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探して、給紙可能な最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙可能であるか否かを判定する給紙可否判定処理を行う(ステップS302)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trが給紙可能のときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙不可能のときには、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS302に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙可能であるかチェックする(ステップS302)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙不可能で、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
そして、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探すのに、図8に示すように、用紙Pが収納されているか否かに基づいて判断対象の給紙段Trが給紙可能であるか否か判断してもよい。なお、図8において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の用紙Pの有無に基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図8に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に用紙Pの有る給紙段Trを探して、用紙Pの有る最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trに用紙Pが有るか否か判定する(ステップS311)。この用紙Pの有無の判定は、例えば、各給紙段Trに設けられている用紙有無センサからの検出信号に基づいて判定する。用紙有無センサは、透過型または反射型の光センサあるいはマイクロスイッチ等が用いられている。
ステップS311で、給紙段番号Tidの給紙段Trに用紙Pが有るときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS311で、給紙段番号Tidの給紙段Trに用紙が無いときには、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS311に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trに用紙Pが有るか否かチェックする(ステップS311)。
ステップS311で、給紙段番号Tidの給紙段Trに用紙が無く、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
また、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探すのに、図9に示すように、用紙Pを収納するための給紙トレイが用紙Pの補充や交換のために開いている状態であるか、給紙可能な状態である閉じている状態であるかに基づいて判断対象の給紙段Trが給紙可能であるか否か判断してもよい。なお、図9において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の給紙トレイの開閉状態に基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図9に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に用紙Pの有る給紙段Trを探して、給紙トレイの閉じている最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trの給紙トレイが閉じているか開いているか、すなわち、給紙可能な位置にあるか否か判定する(ステップS321)。この給紙段Trの給紙トレイの開閉状態の判定は、例えば、各給紙段Trに設けられている給紙トレイの開閉検出センサからの検出信号に基づいて判定する。開閉検出センサは、透過型または反射型の光センサあるいはマイクロスイッチ等が用いられている。
ステップS321で、給紙段番号Tidの給紙段Trの給紙トレイが閉じているときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS321で、給紙段番号Tidの給紙段Trの給紙トレイが開いているときには、その給紙段Trから給紙することができないため、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS321に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trの給紙トレイが閉じているか開いているかをチェックする(ステップS321)。
ステップS321で、給紙段番号Tidの給紙段Trの給紙トレイが開いていて、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
さらに、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探すのに、図10に示すように、給紙段TrがBusy(動作中)状態であるか否か、すなわち、用紙Pを送給可能な位置に用紙Pを位置合わせしているか否かに基づいて判断対象の給紙段Trが給紙可能であるか否か判断してもよい。なお、図10において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎のBusy状態であるか否かに基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図10に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順にBusy状態でない給紙段Trを探して、Busy状態でない最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段TrがBusy状態であるか否か判定する(ステップS331)。この給紙段Trの給紙トレイがBusy状態であるか否かの判定は、例えば、判定対象の給紙段Trの給紙トレイが備えている底板の上昇/下降機能が存在する場合に、上昇中や下降中は動作中(Busy)であるとし、また、給紙側と補給側のトレイを有するタンデムトレイの場合に、補給動作中は動作中(Busy)であるとする。
ステップS331で、給紙段番号Tidの給紙段TrがBusy状態でないときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS331で、給紙段番号Tidの給紙段TrがBusyのときには、その給紙段Trから給紙することができないため、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS331に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段TrがBusyであるか否かをチェックする(ステップS331)。
ステップS331で、給紙段番号Tidの給紙段TrがBusyであって、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
また、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探すのに、図11に示すように、給紙段Trが故障状態であるか否かに基づいて判断対象の給紙段Trが給紙可能であるか否か判断してもよい。なお、図11において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の故障状態であるか否かに基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図11に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に故障状態でない給紙段Trを探して、故障状態でない最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trが故障状態であるか否か判定する(ステップS341)。この給紙段Trが故障状態であるか否かの判定は、故障状態にも種々の状態があるが、判断対象の給紙段Trから給紙ができない状態であるか否かによって判定する。
ステップS341で、給紙段番号Tidの給紙段Trが故障状態でないときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS341で、給紙段番号Tidの給紙段Trが故障状態のときには、その給紙段Trから給紙することができないため、カラー画像形成装置1は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS341に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trが故障状態であるか否かをチェックする(ステップS341)。
ステップS341で、給紙段番号Tidの給紙段Trが故障状態であって、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
さらに、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探すのに、図12に示すように、印刷設定で指定されている給紙設定の用紙サイズと給紙段Trにセットされている用紙Pの用紙サイズが同じサイズであるか否かに基づいて判断対象の給紙段Trが給紙可能であるか否か判断してもよい。なお、図12において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の用紙サイズが印刷設定で要求されている用紙サイズと同じサイズであるか否かに基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図12に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に印刷設定で要求されている用紙サイズと同じサイズの用紙Pを収納する給紙段Trを探して、印刷設定で要求されている用紙サイズと同じサイズの用紙Pを収納する最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trが収納する用紙Pの用紙サイズが印刷設定で要求されている用紙サイズと同じ用紙サイズであるか否か判定する(ステップS351)。この印刷設定の用紙サイズと給紙段Trの収納する用紙Pの用紙サイズが同じであるか否かの判定は、オペレーションパネル82で設定された印刷設定またはIEEE90〜92等で接続されている外部装置(コンピュータ等)から送られてきた印刷要求の印刷設定から取得した用紙サイズと給紙段Tr毎にセンサで取得した用紙サイズやオペレーションパネル82で給紙段Tr毎に設定された用紙サイズとを比較することで行う。
ステップS351で、給紙段番号Tidの給紙段Trの収納する用紙Pの用紙サイズと印刷設定の用紙サイズが同じときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS303)。
ステップS351で、給紙段番号Tidの給紙段Trの収納する用紙Pの用紙サイズと印刷設定の用紙サイズが異なるときには、その給紙段Trから給紙することができないため、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS351に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trの収納する用紙Pの用紙サイズと印刷設定の用紙サイズが同じであるか否かをチェックする(ステップS351)。
ステップS351で、給紙段番号Tidの給紙段Trの収納する用紙Pの用紙サイズと印刷設定の用紙サイズが異なっていて、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS306)。
例えば、印刷設定によって「A4」が指定されており、給紙段Tr1に、「A5」がセットされていて、給紙段Tr2に、「A4」がセットされている場合、給紙段Tr1の用紙サイズは、印刷設定で指定されている用紙サイズと異なり、給紙段Tr2の用紙サイズが、印刷設定で指定されている用紙サイズと同じであるため、EGB71は、待機温度として、給紙段Tr2の給紙段番頭Tidに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを設定する。
また、カラー画像形成装置1は、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探して、待機温度を設定するのに、図13に示すように、給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度に対して、印刷時の印刷設定や環境条件等の印刷条件に基づいて補正を行って、待機温度を設定してもよい。なお、図13は、図7と同様の給紙可否に基づいて給紙段Trを決定する場合について適用したものであり、図13において、図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙段Tr毎の給紙可否に基づく待機温度設定処理に入ると、EGB71が、図13に示すように、定着部50の定着位置Tpに最も近い給紙段Trから順に給紙可能な給紙段Trを探して、給紙可能な最も近い給紙段Trの給紙段番号Tidに対応して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnを待機時の待機温度として設定する。すなわち、EGB71は、まず、給紙段Trを特定する給紙段番号Tidとして、「1」を設定し(ステップS301)、該給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙可能であるか判定する(ステップS302)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trが給紙可能のときには、EGB71は、待機温度Tnとして、給紙段番号Tid(いま、Tid=1)に対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(いま、Tid=1であるので、T1)を設定し(ステップS303)、設定した待機温度に対して補正温度αを加算した温度を、待機温度に設定して待機温度設定処理を終了する(ステップS361)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙不可能のときには、EGB71は、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号であるTmaxを超えているかチェックし(ステップS304)、給紙段番号Tidが最終給紙段番号Tmaxに満たないときには、現在の給紙段番号Tidに「1」を加算した番号を給紙段番号Tidとして設定して(ステップS305)、ステップS302に戻って、該給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙可能であるかチェックする(ステップS302)。
ステップS302で、給紙段番号Tidの給紙段Trから給紙不可能で、ステップS304で、給紙段番号Tidが最終の給紙段番号Tmaxを超えていると、EGB71は、待機温度Tnとして、最終給紙段番号Tmaxに対して給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tn(最小待機温度)を設定し(ステップS306)、さらに、設定した待機温度に対して補正温度αを加算して待機温度に補正温度αを加算した温度を、待機温度に設定して、待機温度設定処理を終了する(ステップS361)。
そして、カラー画像形成装置1は、補正温度αとして、環境温度、給紙段Trにセットされている用紙サイズ及び印刷設定(線速、紙種、カラーモード等)に応じて補正温度αを決定する。
すなわち、カラー画像形成装置1の設置されている部屋の温度等の環境温度によって定着性が変化するため、EGB71は、環境温度に応じて定着温度Tを補正変化させて、該定着温度Tの補正温度αに対応した温度を待機温度Tnの補正温度αとして設定する。すなわち、カラー画像形成装置1は、環境温度が高いときには、定着性が向上するため、印刷時の定着温度Tを低く補正変化させ、環境温度が低いときには、定着性が低下するため、印刷時の定着温度Tを高く補正変化させる。そして、印刷時の定着温度Tを、αだけ変化させた場合の給紙段Trnから給紙するときの待機温度Tnαは、上記式(1)から次式(2)で示すようになる。
Tnα=(T+α)−(ΔT×tn)=(T−(ΔT×tn))+α
=Tn+α・・・(2)
したがって、印刷時の定着温度Tの補正温度αを用いて待機温度Tnを補正すると、ファーストプリント時間を低下させることなく、印刷時の定着温度Tが変化する場合においても、適切な待機温度Tnを設定することができる。
そして、カラー画像形成装置1は、環境温度に基づいて定着温度Tを補正温度αだけ補正する場合、給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnに補正温度αだけ加算した待機温度Tnαを用いる。例えば、図14に示すように、環境温度が15℃以下のときには、補正温度αを、5℃、環境温度が16℃〜25℃のときには、補正温度αを、0℃、環境温度が26℃以上のときには、補正温度αを、−5℃として、カラー画像形成装置1は、この環境温度と補正温度を対応付けた環境温度−補正温度テーブルを、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に格納している。
また、カラー画像形成装置1は、給紙段Trにセットされている用紙Pの用紙サイズに応じて印刷時の定着温度Tを補正変化させて、該定着温度Tの補正温度αに対応した温度を待機温度Tnの補正温度αとして設定する。すなわち、カラー画像形成装置1は、印刷時の定着ベルト53の端部温度上昇を抑制するために、用紙幅がある一定幅以下の場合には、印刷時の定着温度Tを補正温度αだけ低く補正する。そして、カラー画像形成装置1は、給紙段Trにセットされている用紙サイズに基づいて定着温度Tを補正温度αだけ補正する場合、給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnに補正温度αだけ加算した待機温度Tnαを用いる。例えば、図15に示すように、用紙サイズとしての用紙幅が、A5よりも小さいときには、補正温度αを、−10℃、用紙幅が、A5以上のときには、補正温度αを、0℃として、カラー画像形成装置1は、この用紙幅−補正温度テーブルを、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に格納している。
さらに、カラー画像形成装置1は、線速、紙種、カラーモード等の印刷設定に応じて印刷時の定着温度Tを補正変化させて、該定着温度Tの補正温度αに対応した温度を待機温度Tnの補正温度αとして設定する。すなわち、カラー画像形成装置1は、印刷設定の線速、紙種、カラーモードに基づいて定着温度Tを補正温度αだけ補正する場合、給紙段番号毎待機温度テーブルに登録されている待機温度Tnに補正温度αだけ加算した待機温度Tnαを用いる。例えば、図16(a)に示すように、印刷設定の線速が、通常速のときには、補正温度αを、0℃、線速が、低速のときには、補正温度αを、−5℃として、カラー画像形成装置1は、この線速−補正温度テーブルを、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に格納している。また、図16(b)に示すように、印刷設定の紙種が、薄紙のときには、補正温度αを、15℃、紙種が、普通紙のときには、補正温度αを、0℃、紙種が、厚紙のときには、補正温度αを、5℃として、カラー画像形成装置1は、この紙種−補正温度テーブルを、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に格納している。さらに、図16(c)に示すように、印刷設定のカラーモードが、カラーのときには、補正温度αを、3℃、カラーモードが、モノクロのときには、補正温度を、0℃として、カラー画像形成装置1は、このカラーモード−補正温度テーブルを、EGB71内の不揮発性メモリまたはNVRAM86等に格納している。
そして、カラー画像形成装置1は、図13のステップS361において、印刷条件に基づいて、各種補正温度テーブルを参照して補正温度αを1つまたは複数取得して、取得した補正温度αを加算するとともに、待機温度Tnに加算して、補正後の待機温度Tnを求める。
このように、本実施例のカラー画像形成装置1は、待機状態から画像形成を行うために定着ベルト(定着部材)53の加熱を開始するとともに、複数の給紙段Tr毎に画像形成部(画像形成手段)60への用紙(被記録媒体)Pの送給が可能であると判断された給紙段Trのうち、該定着ベルト53へ用紙Pを送給するのに要する送給時間が最も短い給紙段Trを選択して、選択した該給紙段Trから最初の用紙Pを定着ベルト53へ送給を開始した場合に、定着ベルト53の温度が定着温度に達するのに必要な待機状態における定着ベルト53の待機温度を、制御目標の待機温度として設定している。
したがって、給紙段Tr毎に給紙可能かどうかを判断して、給紙可能な給紙段Trのうち、最も短時間で用紙Pを定着ベルト53に搬送できる給紙段Trから用紙Pを搬送する場合に、最初の用紙Pの搬送を開始してから該用紙Pが定着ベルト53に到達するまでに定着ベルト53を定着温度に加熱可能な温度を定着ベルト53の待機温度として設定することができ、待機状態において定着ベルト53を加熱するのに要する消費電力を削減することができるとともに、ファーストプリント時間を短縮して利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、複数の給紙段Trのうち、画像形成部60への用紙Pの送給が可能であるか否かを、該給紙段Trが用紙Pを収納しているか否かの判断、該給紙段Trが用紙Pを送給可能な位置にあるか否かの判断、該給紙段Trが用紙Pを送給可能な位置への用紙Pの位置合わせを完了しているか否かの判断、該給紙段Trの故障有無の判断及び該給紙段Trの収納する用紙Pのサイズと画像形成動作による画像形成対象の用紙Pのサイズが一致するか否かの判断のうち、少なくとも1つの判断結果を用いて判断している。
したがって、カラー画像形成装置1が既に備えている機能を利用して給紙段Trが用紙Pを送給可能であるか判断することができ、安価に待機状態において定着ベルト53を加熱するのに要する消費電力を削減することができるとともに、ファーストプリント時間を短縮して利用性を向上させることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、設定した定着ベルト53の待機温度を印刷条件(画像形成条件)に基づいて補正している。
したがって、印刷条件によって定着温度が変化する場合にも、適切に設定することができ、待機状態において定着ベルト53を加熱するのに要する消費電力を削減することができるとともに、ファーストプリント時間を短縮して利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、定着ベルト53の待機温度の補正を、周囲環境の温度、選択した給紙段Trに収納されている用紙Pの幅サイズ及び線速、紙種、カラーモード等の印刷設定条件(画像形成設定条件)のうち、少なくとも1つを印刷条件として待機温度を補正している。
したがって、印刷条件によって定着温度が変化する場合にも、定着ベルト53の待機温度をカラー画像形成装置1が既に備えている機能を利用して、適切に設定することができ、安価に待機状態において定着ベルト53を加熱するのに要する消費電力を削減することができるとともに、ファーストプリント時間を短縮して利用性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。