JPH048814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は洗面所、トイレルーム等の室壁に半埋
込み状に設置する手洗器ユニツトに関する。

（従来の技術） 従来、此の種の手洗器ユニツトとして、室壁に
設けた開口部の中高部位に上下の横棧を架設する
と共に、上、中、下三つの凹部を備えた本体部
を、中位の凹部が上下の横棧で挟まれるように、
前記開口部内に固定し、上、下の凹部を収納部と
すると共に、中位の凹部に手洗器を嵌入後、同凹
部の上下に横たわる横棧に手洗器上縁、下縁を螺
子止めして手洗器を支持するようにしたものがあ
る（実開昭62−20534号参照）。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の手洗器ユニツトによれば、手洗器を
本体部及び上、下の横棧に固定するので、その支
持が確実になる反面、本体部及び手洗器の取付け
が面倒であり、その点に改良の余地を残してい
た。

また、手洗器は使用者が手洗いするのにちよう
どいい高さ、一般的にはルーム床との間に700mm
程度の間隔をおいて設置され、よつて手洗器下方
には便器清掃用のブラシやバキユームパツドのよ
うな長尺物を収納するに十分なスペースが確保さ
れるわけである。しかしながら、下位の収納部と
ルーム床との間には、その前方に蹴込み部を設け
る関係上、蹴込み部の高さ分に相当する隙間が形
成されており、その分収納スペースを縮小するも
のであつた。

本考案は上述したような従来事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、手洗
器を確実に支持でき、且つその取付けが容易であ
ると共に、手洗器とルーム床との間の空間部を長
尺物収納用のスペースとしてより有効に利用でき
るようにすることにある。

（課題を達成する為の手段） 上記目的を達成するために、本考案の手洗器ユ
ニツトは、 室壁に設けた開口部の上半部に手洗器を、下半
部に収納キヤビネツトを、夫々半埋込み状に設置
してなる手洗器ユニツトにおいて、 上記開口部の上縁に上下面を開口する枠状金具
を突設すると共に、 手洗器の上縁リム裏側に前記枠状金具の上面開
口縁に係合する傾斜面を有し且つ同枠状金具に上
方から緩嵌する係合凸片を突設して、前記手洗器
を上記開口部の上半部に半埋込み状に掛止し、 さらに収納キヤビネツトの下端における背面側
の半部には、上記開口部の裏側に配される凹部を
突設したことを特徴とする。

（作用） 以上の構成によれば、手洗器の取付けに際し、
傾斜面がガイド面となつて係合凸片をスムーズに
枠状金具に挿入させ、係合凸片と枠状金具の係合
により手洗器を所定位置にて確実に掛止する。そ
の状態で手洗器給、排水管を接続し、その後手洗
器の下方に収納キヤビネツトを配設する。

また、凹部を設けたことで、収納キヤビネツト
とルーム床との間に設置する蹴込み部の裏側に、
収納キヤビネツト内の収納スペースに連通する補
助収納スペースが形成されるをもつて、より長尺
な物品の収納が可能になる。同時に、上記凸部を
収納キヤビネツトの背面側の半部に設けたこと
で、収納キヤビネツトの正面側の半部に短尺物
を、後半部に長尺物を、夫々収納可能とする。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図及び第２図は、室壁１に形成された開口
部２の上位に手洗器３を、その下位に収納キヤビ
ネツト４を、夫々半埋込み状に設置してなる本考
案の手洗器ユニツトを示し、収納キヤビネツト４
とルーム床５との間には蹴込み部６が配されてい
る。

開口部２は、手洗器３、収納キヤビネツト４の
背面部分を挿入可能にルーム床５から任意の高さ
まで開穿された縦長の開口で、左右側縁の裏面に
は夫々縦棧２１が縦設され、上縁裏面及び中高部
位には手洗器３の上縁、下縁と対面する上位、下
位の横棧２２，２３が横設されている。

収納キヤビネツト４は、合成樹脂等の所望な材
料を用いて一体形成した収納機能部４１と、その
収納機能部４１を開閉する扉４２とで構成されて
いる。

収納機能部４１は、立面４１a′と、その立面４
１a′外端を背面方向に折曲してなる折曲面４１
a″とで形成されたリム４１ａによつて周縁部分を
構成し、さらにそのリム４１ａで囲まれた部分の
内端を背面方向に且つ開口部２へ挿入可能に膨出
することによつて物品収納部４１ｂを凹設すると
共に、前記リム４１ａにおける上縁部分を手洗器
３の下縁に当接係合する湾曲状とし、且つ下縁部
分を蹴込み部６の上縁に重なり合うように延設し
てなつている。

物品収納部４１ｂは、その内部にバケツ、トイ
レツトペーパー、便器の洗浄剤等の小物を収納可
能な程度の大きさ（例えば全高を450mm程度、横
幅300mm程度、奥行160mm程度）に形成されてい
て、その背面側の半部を開口部２に挿入し、左右
側壁を夫々左右の縦棧２１へ螺子止めすること
で、収納機能部４１が開口部２内に半埋込み状に
設置される。また、前記背面側の半部の底壁４１
b′には取付孔４３が開設され、この取付孔４３に
ケース７が配設されている。

ケース７は上面を開口し、その開口縁にフラン
ジ７１を周設すると共に、このフランジ７１の内
端を下方へ向けて膨出してその内部に収納空間拡
張用の凹部７ａを形成してなり、フランジ７１を
上記取付孔４３の口縁に係合して、物品収納部４
１ｂの底壁４１b′に着脱自在に掛止され、これに
より前記凹部７ａが蹴込み部６裏側の空間部６ａ
に突出している。

前記凹部７ａは、例えば全高を150mm程度とし、
その下端から物品収納部４１ｂ上端迄に長尺物収
納用のスペース１を形成している。

長尺物収納用スペース１は、例えば全高を600
mm程度として、便器詰り解除用のバキユームパツ
ド８、便器清掃用のブラシ９等の長尺物を収納で
きるようになつている。

蹴込み部６はその前面側に蹴込面６１を設け、
各蹴込面６１を収納機能部４１の前面とほぼ面一
状に位置させて左右両端を夫々左右の縦棧２１に
螺子止めすることで、その背面側に空間部６ａを
残して収納キヤビネツト４とルーム床５の間を覆
うよう設置される。

以上の構成によれば、収納空間拡張用の凹部７
ａを物品収納部４１ｂの背面側の半部に形成した
ことにより、物品収納部４１ｂの正面側の半部に
短尺物の載置面が形成され、これにより物品収納
部４１ｂ内において短尺物を前方に、長尺物を後
方に収納するようにして、夫々の収納を機能的に
行うことができる。

手洗器３は背面部３１とボール部３２とからな
る陶製の一体成形品で、ボール部３２の上方には
吐水口３３を、この吐水口３３の左又は右側には
吐水口３３に給水する給水弁３４を備えてなり、
背面部３１を開口部２へ挿入すると共に、その上
縁及び下縁を夫々上記した上位、下位の横棧２
２，２３へ掛止或いは固定することで、開口部２
内に半埋込み状に設置されている。

背面部３１は、立面３１ａと、その立面３１ａ
外端を背面方向に折曲してなる折曲面３１ｂとで
形成されたリム３１ｃによつて上縁及び左右側縁
を構成し、さらにそのリム３１ｃで囲まれた部分
を背面方向に且つ開口部２へ挿入可能に膨出する
ことによつて背面凹部３１ｄを凹設してなつてい
る。

ボール部３２は背面凹部３１ｄ下端を前方へ膨
出して背面部３１と一体に形成される。また、そ
の前壁部３２ａのほぼ全長に亘つては、ボール部
３２の湾曲形状に沿つて載置用凹段部３２ｂが設
けられ、その凹段部３２ｂの前縁に収納キヤビネ
ツト４上縁への対応起立面３２ｃが形成されてい
る。

上記上位の横棧２２には枠状金具１０が取付け
られると共に、手洗器３の上縁には係合凸片１１
が、下縁には固定片１２が夫々設けられている。

枠状金具１０は第３図に示す様に、所望の高さ
を有する金属板の両側端をコ形に屈曲して、上位
の横棧２２へ平行に当接する後片１０ａと、この
後片１０ａに対して所望間隔をもつて平行に位置
する前片１０ｂと、この両者の側端同士を連接す
る側片１０ｃとを形成してなる、上下に方形状の
開口１０ｄを備えた枠体で、開口１０ｄが上位の
横棧２２前方に突出し、且つその前縁１０d′が上
位位の横棧２２と平行に配置するよう、後片１０
ａを上位の横棧２２に螺止めして固定される。

係合凸片１１は第４図に示す様に、手洗器３の
上縁における折曲面３１ｂの下面から室壁１寄り
に下方へ向けて突設され、且つ室壁１に向けて斜
め下方に傾斜してその前面側に傾斜面１１ａを形
成してなり、前記枠状金具１０の開口１０ｄへ挿
入され、傾斜面１１ａを開口１０ｄの前縁１０
d′へ線状係合させることで、手洗器３を上位の横
棧２２に掛止している。

固定片１２はボール部３２の底壁から下方へ突
設され、前記下位の横棧２３へ螺子止め固定され
て手洗器３下縁を下位の横棧２３に固定してい
る。

以下に、上述した手洗器３、収納キヤビネツト
４、蹴込み部６を開口部２へ取付ける際の手順に
ついて説明する。

先ず、手洗器３の背面部３１を上、下の横棧２
２，２３間へ挿入すると共に、係合凸片１１を枠
状金具１０の開口１０ｄへ挿入して手洗器３を掛
止する。その状態で、手洗器３がルーム床５に対
して水平になるように微調整しながら、固定片１
２を下位の横棧２３へ螺子止めすることで、開口
部２上位に手洗器３を半埋込み状に固定する。

次に、手洗器３下方の開口部分に収納キヤビネ
ツト４の収納凹部４１ｂを挿入し、且つ左右の縦
棧２１に螺子止めすると共に、その上縁を手洗器
３の下縁へ当接係合させて、開口部２下位に収納
キヤビネツト４を半埋込み状に取り付ける。

最後に、収納キヤビネツト４とルーム床５の間
に、蹴込面６１と収納キヤビネツト４前面とが面
一になるよう蹴込み部６を配設し、蹴込面６１両
端を縦棧２１に螺着する。

本実施例においては、ケース７を物品収納部４
１ｂの底壁４１b′に着脱自在に取付けたが、本考
案はこれに限定されず、ケース７を前記底壁４１
b′と一体に形成するも任意である。本実施例にお
いては、ケース７を着脱自在に設けたことによ
り、収納キヤビネツト４の着脱やケース７内部の
掃除を、ケース７を取外して容易に行うことがで
きる。

（考案の効果） 本考案の手洗器ユニツトは以上説明した様に構
成したので、以下の効果を有する。

係合凸片を枠状金具内に挿入するだけで手洗
器が所定位置に配設され、しかも傾斜面がガイ
ドとなつてその挿入をスムーズに行えるので、
手洗器の取付けが容易で且つ確実になる。

室壁に設けた開口部の裏側空間をより有効に
利用して、従来の手洗器ユニツトでは収容でき
なかつた長尺状の物品を、手洗器下方の収納キ
ヤビネツト内に収容できる。よつて、便器清掃
用のブラシや便器詰り解除用のバキユームパツ
ド等の長尺かつ不衛生な物品がルーム内に露呈
する虞れがなく、洗面所やトイレルーム内の美
観向上が図れる。

収納空間拡張用の凹部を収納キヤビネツトの
背面側の半部に形成したことにより、収納キヤ
ビネツト内において短尺物を前方に、長尺物を
後方に収納するようにして、夫々の収納を機能
的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は室壁
に設けた開口部に手洗器、収納キヤビネツト、蹴
込み部を取付けた状態の縦断側面図、第２図は第
１図の正面図で一部切欠して示す、第３図は枠状
金具の拡大斜視図、第４図は係合凸片と枠状金具
の係合状態を示す拡大斜視図で一部切欠して示
す。 尚、図中、１……室壁、２……開口部、３……
手洗器、７ａ……凹部、４……収納キヤビネツ
ト、１０……枠状金具、１１……係合凸片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 室壁に設けた開口部の上半部に手洗器を、下半
   部に収納キヤビネツトを、夫々半埋込み状に設置
   してなる手洗器ユニツトにおいて、 上記開口部の上縁に上下面を開口する枠状金具
   を突設すると共に、 手洗器の上縁リム裏側に前記枠状金具の上面開
   口縁に係合する傾斜面を有し且つ同枠状金具に上
   方から緩嵌する係合凸片を突設して、前記手洗器
   を上記開口部の上半部に半埋込み状に掛止し、 さらに収納キヤビネツトの下端における背面側
   の半部には、上記開口部の裏側に配される凹部を
   突設したことを特徴とする手洗器ユニツト。