JPH0410302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、手洗器、洗面器、流し等の衛生器具
に関する。

（従来の技術とその問題点） 旧来、此種の衛生器具は、取付壁面から室内に
向けて膨出するボール部を一体に成形してなるも
ので、背面を上記壁面へ取付けるとともに、ボー
ル部と床面との間の空間に配管された排水管をボ
ール部下壁に連結して、室内に突出状に配設され
ていた。

この様な衛生器具は、排水管が室内に露出しな
いようにする為に、上端をボール部下壁へ単に当
接させ、下端を床面に当接させてボール部下位に
て立設するカバーを取付けることで、ボール部下
壁から床面までの空間を隠蔽していた。

しかしながら、従来の衛生器具は、該器具本体
でもつてこのカバーを立設固定する構造を採つて
いないので、該カバーを壁面もしくは床面へ固定
した取付金具を介して立設させなければならず、
その取付作業を大変面倒にさせていたと共に、前
記ボール部下壁とカバー上端に隙間が生じやす
く、外観を損うばかりでなく、カバーの成形も困
難であつた。

（考案が解決しようとする技術的課題） 以上の問題点を解決しようとする本考案の技術
課題は、取付金具を必要とせずに、衛生器具本体
によつて被覆カバーを容易に立設させると共に前
記隙間をなくし、該カバーの成形もしやすくする
ことである。

（技術的課題を達成する為の技術的手段） 以上の技術的課題を達成する為の本考案の技術
的手段は、ボール部の下壁に、下端を床面に当接
し上端をボール部下壁に当接してボール部下方に
て立設状に配置される被覆カバーの上端縁と係合
する凹段部を、段設形成することである。

（作用） 以上の手段によれば、凹段部が、上記被覆カバ
ーの上端縁と係合することにより、この被覆カバ
ーをボール部下壁から床面までの空間にて立設さ
せると共に前記隙間をなくせる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図面は、洗面所、トイレルーム等の壁面１に設
けた開口部２へ本考案の衛生器具Ａである手洗器
３を取付けるとともに、該手洗器３の下位に被覆
カバー６を取付けた状態を示している。

まず、第１図乃至第４図に示す第一実施例につ
いて説明する。

開口部２は、壁面１の所望個所に形成された方
形状の開口で、開口側縁裏面に補強用の縦棧２１
及び上位及び下位の横棧２２，２３が枠状に固定
されており、その開口裏側を収納スペース２′と
して、手洗器３の背面部３２を収納し、手洗器３
を半埋込状に壁面１に取付けている。

手洗器３は、ボール部３３内上方に吐水口３４
を、この吐水口３４の左又は右側に吐水口３４に
給水する給水弁３５を備えてなり、上縁立面３１
ａとその上縁立面３１ａ外端から背面方向に上縁
水平面３１ｂを延設することによつて形成された
リム３１によつて下端を除く３周を囲むととも
に、そのリム３１で囲まれた部分を背面方向に且
つ開口部２へ嵌込み可能に膨出することによつて
背面部３２を凹設し、この背面部３２下端を前方
へ膨出してボール部３３を形成し、その上縁及び
下縁を夫々上位、下位横棧２２，２３へ固定する
ことにより壁面１へ取付けられている。

ボール部３３は下壁３３ａに、排水管３４が連
結されるとともに、その略全長に渉つて排水管３
４の前方にボール部３３の湾曲形状に沿うように
凹段部３３ｂを段設形成することによつて、その
凹段部３３ｂの前縁に、手洗器３下位に配設され
る被覆カバー６上縁への対応起立面３３ｃが形成
されている。

被覆カバー６は、ボール部３３の下壁３３ａか
ら床面７までの空間部分を隠蔽する為のもので、
FRP，ABS等の合成樹脂でもつて、上端全周を
前記凹段部３３ｂへ当接せしめると共に下端を床
面７へ当接せしめるように、ボール部３３の平面
外形の略同一な湾曲形状に成形されており、上端
全周を前記手洗器３のボール部３３に形成した凹
段部３３ｂの対応起立面３３ｃに対応する湾曲形
状に形成するとともに、この上端にフランジ部６
１を屈曲形成して、該フランジ部６１を凹段部３
３ｂへ係合することによりボール部３３下壁３３
ａから床面７までに至り、立設状に配設されてい
る。

又、本実施例においては、上位横棧２２に枠状
金具８が設けられるとともに、手洗器３の上縁水
平面３１ｂ下方には係合凸片９が、下縁には固定
片１０が夫々設けられている。

枠状金具８は第４図に示す様に所望の高さを有
する金属板の両側端を形に屈曲して形成され、
開口部２上縁へ平行に当接する後片８１と、この
後片８１に対して所望間隔をもつて平行に位置す
る前片８２と、この両者８１，８２の側端同士を
連設する側片８３とで、上下に方形状の開口８４
を形成してなる枠体で、後片８１が螺子８５によ
つて上方横棧２２へ固定されて、開口８４を上位
横棧２２から突出状に固定させ、その前縁８４′
を該上位横棧２２と平行に配置している。

係合凸片９は、手洗器３の上縁におけるリム３
１の上縁水平面３１ｂ下面から壁面１寄りに下方
に向けて突出形成され且つ壁面１に向けて斜め下
方に傾斜して、その前面側に傾斜面９１を形成し
てなり、この係合凸片９が前記枠状金具８の開口
８４へ挿入されて傾斜面９１所望箇所が開口８４
の前縁８４′へ線状係合することにより、手洗器
３の上縁を上位横棧２２に掛止めしている。

固定片１０は手洗器３下縁に係合凸片９と対応
して、ボール部３３の下壁３３ａから下方へ突出
形成され、下位横棧２３へ螺子止め固定されて手
洗器３をより確実に固定している。

前記手洗器３を壁面１へ取付ける際には、まず
係合凸片９を枠状金具８の開口８４へ挿入し、背
面部３２を開口部２へ嵌め込んで、手洗器３を該
壁面１へ埋込状に掛止めする。そして手洗器３の
上縁水平面３１ｂが床面７に対して水平になるよ
うに微調整しながら固定片１０を下位横棧２３へ
螺子止めする。

又、この手洗器３の下位に被覆カバー６を取付
ける際には、該カバー６を傾斜させて、その上端
におけるフランジ部６１をボール部３３の下壁３
３ａの凹段部３３ｂへ挿入して係合させ、下端を
床面７へ当接させて該カバー６を立設させる。

本実施例においては、枠状金具８及び係合凸片
９を設けることにより、手洗器３の壁面１への掛
止め固定を容易に行なえるようにしている。

次に第５図及び第６図に示す第二実施例につい
て説明する。

この実施例は前記実施例における開口部２を床
面７付近まで延設開口して、手洗器３の下位に、
収納ボツクスＢを該開口部２内へ埋込状に取付け
た例を示している。

収納ボツクスＢは、合成樹脂等の所望な材料を
用いて一体成形した収納機能部Ｂ１と、その収納
機能部Ｂ１を開閉する扉Ｂ２とで構成されてい
る。

収納機能部Ｂ１は前記手洗器３と同様にリムＢ
１ａによつて４周を囲むとともに、そのリムＢ１
ａで囲まれた部分を背面方向に且つ開口部２へ嵌
込み可能に膨出するとによつて収納凹部Ｂ１ｂを
凹設するとともに、その上縁におけるリムＢ１ａ
を上記手洗器３のボール部３３に形成した対応起
立面３３ｃに対応する湾曲形状に形成してボール
部３３の凹段部３３ｂに当接係合させ、下縁を室
内の床面７上に固定された足就込みＣ上端まで延
設することにより、手洗器３の下位空間にて、取
付けられている。

収納凹部Ｂ１ｂは側壁Ｂ１b′を縦棧２１へ取付
螺子Ｂ１b″で螺子止めすることで収納ボツクスＢ
を開口部２へより確実に固定している。

この実施例においては、収納ボツクスＢをボー
ル部３３の下壁３３ａから床面７までの空間部分
に取付けることでこの空間を隠蔽すると共に、収
納スペースとして利用可能にしている。

尚、図中Ｄは収納ボツクスＢの扉Ｂ２に設けた
トイレツトペーパーの紙巻器である。

（効果） 本考案は以上の様に、ボール部の下壁に、下端
を床面に当接し上端をボール部下壁に当接してボ
ール部下方にて立設状に配置される被覆カバーの
上端縁と係合する凹段部を、段設形成したので、
以下の利点を有する。

衛生器具本体が被覆カバーを立設させるの
で、該カバーの取付けを取付金具を必要とせず
に容易に行なうことができ、よつてその取付作
業の作業性を向上し得ると共に、衛生器具本体
と被覆カバーとの隙間が生じないので外観が向
上する。

被覆カバーの手洗器への係合を、手洗器の正
面にて確認しながら行えるので、メンテナンス
時における該カバーの着脱を容易に行わせ、そ
の作業性を向上し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は手洗
器を壁面へ取付けるとともに、手洗器に被覆カバ
ーを取付けた状態の中央縦断面図、第２図は第１
図の正面図で一部切欠して示し、第３図は係合凸
片を枠状金具へ係合させた状態の拡大斜視図で一
部切欠して示し、第４図は枠状金具を横棧へ取付
けた状態の斜視図、第５図は第１図における被覆
カバーを収納ボツクスとした他の実施例の中央縦
断面図で一部省略して示し、第６図は第５図の正
面図である。 尚、図中、ボール部……３３、床面……７、下
壁……３３ａ、被覆カバー……６、凹段部……３
３ｂ、衛生器具本体……Ａ、とする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボール部の下壁に、下端を床面に当接し上端を
   ボール部下壁に当接してボール部下方にて立設状
   に配設される被覆カバーの上端縁と係合する凹段
   部を、段設形成したことを特徴とする衛生器具。